板状部材用シュレッダー
【課題】板状部材の送り装置を必要としなく、装置コストの低減が図れる。
【解決手段】傾斜して配設された板状部材載置板30と、この板状部材載置板30の下端部に配設された固定刃物24と、往復移動可能に固定刃物24に対応して設けられた移動刃物23と、この移動刃物23を往復駆動する刃物駆動手段と、移動刃物23の刃先の下方に配設され、板状部材載置板30に載置された板状部材Wを受けるストッパー31とからなる。そこで、移動刃物23と固定刃物24とによって板状部材Wの下端部が一定長さ切断される毎に板状部材Wは自由落下してストッパー31に当接する。
【解決手段】傾斜して配設された板状部材載置板30と、この板状部材載置板30の下端部に配設された固定刃物24と、往復移動可能に固定刃物24に対応して設けられた移動刃物23と、この移動刃物23を往復駆動する刃物駆動手段と、移動刃物23の刃先の下方に配設され、板状部材載置板30に載置された板状部材Wを受けるストッパー31とからなる。そこで、移動刃物23と固定刃物24とによって板状部材Wの下端部が一定長さ切断される毎に板状部材Wは自由落下してストッパー31に当接する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復移動刃物で板状部材を切断する板状部材用シュレッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
紙、電子情報記録媒体、刷版等で、かつ厚さがあまり厚くない平面的な板状部材を細かく裁断するシュレッダーは、一般的に回転刃物で切断を行っている。回転刃物で裁断する場合には、板状部材の厚さ及び重量があまり大きくない場合には、回転刃物の回転力によって板状部材を送ることができ、板状部材の送り装置を設けなくて良い場合がある。しかしながら、回転刃物を用いたシュレッダーは刃物の形状が複雑で加工製作の点から高価になる。また切断する板状部材が刷版の場合には、次のような問題がある。刷版は輪転ドラムに取り付けるために端部が折り曲げられている。このように端部が折り曲げられていると、回転刃物が刷版に喰い付かなく、刷版を切断できない。
【0003】
これに対して固定刃物と往復移動する移動刃物で板状部材を切断するシュレッダーは、刃物の形状が単純で安価な装置が得られる。しかし、刃物自体で板状部材を送ることができなく、板状部材の送り装置を必要とする。固定刃物を有するシュレッダーとしては、例えば特許文献1及び2が挙げられる。特許文献1は、切断する板状部材を横方向に送る板状部材横送りタイプである。特許文献2は、切断する板状部材を上方より下方に送る板状部材縦送りタイプである。
【特許文献1】特開2002−301620号公報
【特許文献2】特開2001−87934号公報
【0004】
特許文献1は、上下動する上刃物と、この上刃物に対応して下方に固定された下刃物とを有し、横方向に設けられた板状部材を送り装置で送って上刃物の上下往復動で板状部材を切断している。特許文献2は、横方向に往復移動する移動刃物と、この移動刃物に対応して横方向に固定された固定刃物とを有し、上方より下方に送られてくる板状部材を移動刃物の往復移動で切断している。特許文献2には、板状部材の送り装置については記載はないが、切断されたスクラップは下方に自然落下されるので、板状部材は送り装置で一定量づつ切断部分に送られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術は、切断する板状部材を送る送り装置を必要とし、装置が高価となる。
【0006】
本発明の第1の課題は、板状部材の送り装置を必要としなく、装置コストの低減が図れる板状部材用シュレッダーを提供することにある。
【0007】
本発明の第2の課題は、切断された帯状板状部材を更に細かく切断することがきる板状部材用シュレッダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、傾斜して配設された板状部材載置板と、この板状部材載置板の下端部に配設された固定刃物と、往復移動可能に前記固定刃物に対応して設けられた移動刃物と、この移動刃物を往復駆動する刃物駆動手段と、前記移動刃物の刃先の下方に配設され、前記板状部材載置板に載置された板状部材を受けるストッパーとからなることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の請求項2は、上記請求項1において、前記固定刃物は、前記板状部材載置板の載置面の延長線上に設けられ、前記移動刃物は、前記板状部材載置板の載置面上に対してほぼ直角方向に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の請求項3は、上記請求項1において、前記ストッパーは、前記移動刃物と共に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の請求項4は、上記請求項1において、前記板状部材載置板の載置面には、縦方向に複数個の溝が形成され、この溝幅は前記移動刃物の刃先から前記ストッパーまでの長さより若干広く形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1によれば、移動刃物と固定刃物とによって板状部材の下端部が一定長さ切断される毎に板状部材は自由落下してストッパーに当接する。即ち、板状部材は自由落下で送られ、板状部材の送り装置を必要としないので、安価な装置が得られる。
請求項4によれば、請求項1の手段によって切断された帯状の板状部材を板状部材載置板の溝に載置することにより、帯状の板状部材を更に細かく裁断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の板状部材用シュレッダーの一実施の形態を図1乃至図3により説明する。図1に示すように、約30度傾斜して配設されたベース板1の両側には、図2及び図3に示すように下方に伸びた側板2、2が固定されており、側板2、2の内側にはガイド溝を有するガイド板3、3が約30度傾斜して固定されている。ガイド板3、3のガイド溝には、スライド板4、4が摺動自在に嵌挿されており、スライド板4、4には支持板5、5が固定されている。
【0014】
支持板5、5の下方部には、ガイド板3、3のガイド溝と直角に長穴5a、5aが形成されており、長穴5a、5aにはローラ軸10、10に回転自在に支承されたローラ11、11が摺動自在に嵌挿されている。ローラ軸10、10はクランクレバー12、12に固定されており、クランクレバー12、12は回転軸13の両端部に固定されている。回転軸13の両端部側は、軸受14、14を介して支持板15、15に回転自在に支承されており、支持板15、15は取付けブロック16、16を介して側板2、2に固定されている。回転軸13には、ギャードモータ17の減速ギャー部18のギャーが固定されている。
【0015】
スライド板4、4の上方部の上面には移動ベース20が固定されており、移動ベース20上には複数個のヒンジ部21、21・・・を介して移動刃物台22が揺動可能に取付けられている。移動刃物台22の下方側の上面には、移動刃物23が固定されている。移動刃物23の上方には、該移動刃物23と協同して板状部材Wを切断する固定刃物24が配設されている。固定刃物24は、前記ベース板1に固定されている。
【0016】
移動刃物23の刃先は、図3に示すように、一方端23a側が他方端23b側より固定刃物24側になるように傾斜して形成されている。これにより板状部材Wを一方端23aから他方端23bに向かって順次切断することができ、切断が容易に行える。また移動刃物23の刃先と固定刃物24の刃先との隙間が生じないように、移動刃物23の一方端23a側のベース板1には、移動刃物23をガイドする移動刃物ガイド体26が固定されている。そして、移動刃物23の一方端23a側の刃先が移動刃物ガイド体26に圧接するように、移動ベース20と移動刃物台22間にはスプリング27が配設されている。
【0017】
ベース板1の上方には、板状部材Wを載置する板状部材載置板30が配設されている。板状部材載置板30は、スライド板4、4の移動方向(ガイド板3、3のガイド溝)と直角でかつ板状部材Wを載置する載置面が固定刃物24の前方に位置するように配設されている。図1において、ガイド板3、3のガイド溝は約30度傾斜して形成されているので、板状部材載置板30の板状部材Wの載置面は、約120度傾斜している。板状部材載置板30の板状部材Wの載置面は、縦方向に複数個の溝30aが形成されている。この溝30aの溝幅については後記する。移動刃物23の刃先の下方には、板状部材載置板30の載置面に載置された板状部材Wを受けるストッパー31が配設されており、ストッパー31は移動ベース20に固定されている。板状部材載置板30の溝30aの溝幅は、移動刃物23の刃先からストッパー31までのストッパー面までの長さより若干広く形成されている。
【0018】
ストッパー31の下方には、切断された板状部材Wを排出するためのシュート40が設けられている。
【0019】
次に作用について説明する。板状部材載置板30の載置面に板状部材Wを載置すると、板状部材Wの下端はストッパー31のストッパー面で受けられる。ギャードモータ17を駆動させると、回転軸13及びクランクレバー12、12が回転する。前記したように、クランクレバー12、12の先端部にはローラ軸10、10が固定されており、ローラ軸10、10にはローラ11、11が回転自在に設けられ、ローラ11、11は支持板5、5の長穴5a、5aに嵌挿されている。また支持板5、5はスライド板4、4に固定され、スライド板4、4はガイド板3、3に摺動自在に嵌挿されている。このため、クランクレバー12、12が回転すると、ローラ11、11によって支持板5、5及びスライド板4、4はガイド板3、3のガイド溝に沿って図1の状態より往復移動、即ち矢印D方向に下動した後に矢印E方向に上動する。
【0020】
前記したように、スライド板4、4には移動ベース20が固定され、移動ベース20にはヒンジ部21、21・・・を介して移動刃物台22が取付けられ、移動刃物台22には移動刃物23が固定されているので、スライド板4、4が矢印D方向に下動すると、移動刃物23は移動刃物ガイド体26に沿って下動し、固定刃物24と協同して板状部材Wを帯状に切断する。なお、移動ベース20にはストッパー31が固定されているのでストッパー31も移動刃物23と共に下動する。スライド板4、4が矢印E方向に上動すると、移動刃物23及びストッパー31も上動し、移動刃物23は固定刃物24より離れ、ストッパー31上が開放する。そこで、板状部材Wが自重により自由落下して板状部材Wの下端がストッパー31に当接する。即ち、回転軸13が1回転して移動刃物23が1往復移動する毎に板状部材Wは順次帯状に切断され、板状部材Wは切断される毎にストッパー31に当接するまで自由落下する。
【0021】
前記したように板状部材Wを帯状に切断するのみでよい場合もある。しかし、単に帯状に切断したのみでは、板状部材Wに記載又は記憶された情報が読み取れて不十分な場合がある。板状部材載置板30の溝30aの溝幅は、移動刃物23の刃先からストッパー31のストッパー面までの長さより若干広く形成されている。そこで、前記したように帯状に切断された板状部材Wを板状部材載置板30の溝30a内に載置する。そして、本装置を作動させると、前記した作用によって帯状の板状部材Wは移動刃物23によって更に細かく裁断される。即ち、情報を読み取れないように裁断することができる。
【0022】
このように、傾斜して配設された板状部材載置板30と、この板状部材載置板30の下端部に配設された固定刃物24と、往復移動可能に固定刃物24に対応して設けられた移動刃物23と、この移動刃物23を往復駆動する刃物駆動手段と、移動刃物23の刃先の下方に配設され、板状部材載置板30に載置された板状部材Wを受けるストッパー31とからなるので、移動刃物23と固定刃物24とによって板状部材Wの下端部が一定長さ切断される毎に板状部材Wは自由落下してストッパー31に当接する。即ち、板状部材Wは自由落下で送られ、板状部材Wの送り装置を必要としないので、安価な装置が得られる。
【0023】
また前記板状部材載置板30の載置面には、縦方向に複数個の溝30aが形成され、この溝30aの溝幅は移動刃物23の刃先からストッパー31までの長さより若干広く形成されているので、前記のようにして切断された帯状の板状部材Wを板状部材載置板30の溝30aに載置することにより、帯状の板状部材Wを更に細かく裁断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の板状部材用シュレッダーの一実施の形態を示す側面断面図で、図3のA−A線断面図である。
【図2】図1のB−B線矢視図である。
【図3】図1のC−C線矢視図である。
【符号の説明】
【0025】
W 板状部材
1 ベース板
3 ガイド板
4 スライド板
5 支持板
11 ローラ
12 クランクレバー
13 回転軸
17 ギャードモータ
20 移動ベース
21 ヒンジ部
22 移動刃物台
23 移動刃物
24 固定刃物
26 移動刃物ガイド体
27 スプリング
30 板状部材載置板
31 ストッパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復移動刃物で板状部材を切断する板状部材用シュレッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
紙、電子情報記録媒体、刷版等で、かつ厚さがあまり厚くない平面的な板状部材を細かく裁断するシュレッダーは、一般的に回転刃物で切断を行っている。回転刃物で裁断する場合には、板状部材の厚さ及び重量があまり大きくない場合には、回転刃物の回転力によって板状部材を送ることができ、板状部材の送り装置を設けなくて良い場合がある。しかしながら、回転刃物を用いたシュレッダーは刃物の形状が複雑で加工製作の点から高価になる。また切断する板状部材が刷版の場合には、次のような問題がある。刷版は輪転ドラムに取り付けるために端部が折り曲げられている。このように端部が折り曲げられていると、回転刃物が刷版に喰い付かなく、刷版を切断できない。
【0003】
これに対して固定刃物と往復移動する移動刃物で板状部材を切断するシュレッダーは、刃物の形状が単純で安価な装置が得られる。しかし、刃物自体で板状部材を送ることができなく、板状部材の送り装置を必要とする。固定刃物を有するシュレッダーとしては、例えば特許文献1及び2が挙げられる。特許文献1は、切断する板状部材を横方向に送る板状部材横送りタイプである。特許文献2は、切断する板状部材を上方より下方に送る板状部材縦送りタイプである。
【特許文献1】特開2002−301620号公報
【特許文献2】特開2001−87934号公報
【0004】
特許文献1は、上下動する上刃物と、この上刃物に対応して下方に固定された下刃物とを有し、横方向に設けられた板状部材を送り装置で送って上刃物の上下往復動で板状部材を切断している。特許文献2は、横方向に往復移動する移動刃物と、この移動刃物に対応して横方向に固定された固定刃物とを有し、上方より下方に送られてくる板状部材を移動刃物の往復移動で切断している。特許文献2には、板状部材の送り装置については記載はないが、切断されたスクラップは下方に自然落下されるので、板状部材は送り装置で一定量づつ切断部分に送られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術は、切断する板状部材を送る送り装置を必要とし、装置が高価となる。
【0006】
本発明の第1の課題は、板状部材の送り装置を必要としなく、装置コストの低減が図れる板状部材用シュレッダーを提供することにある。
【0007】
本発明の第2の課題は、切断された帯状板状部材を更に細かく切断することがきる板状部材用シュレッダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、傾斜して配設された板状部材載置板と、この板状部材載置板の下端部に配設された固定刃物と、往復移動可能に前記固定刃物に対応して設けられた移動刃物と、この移動刃物を往復駆動する刃物駆動手段と、前記移動刃物の刃先の下方に配設され、前記板状部材載置板に載置された板状部材を受けるストッパーとからなることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の請求項2は、上記請求項1において、前記固定刃物は、前記板状部材載置板の載置面の延長線上に設けられ、前記移動刃物は、前記板状部材載置板の載置面上に対してほぼ直角方向に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の請求項3は、上記請求項1において、前記ストッパーは、前記移動刃物と共に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の請求項4は、上記請求項1において、前記板状部材載置板の載置面には、縦方向に複数個の溝が形成され、この溝幅は前記移動刃物の刃先から前記ストッパーまでの長さより若干広く形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1によれば、移動刃物と固定刃物とによって板状部材の下端部が一定長さ切断される毎に板状部材は自由落下してストッパーに当接する。即ち、板状部材は自由落下で送られ、板状部材の送り装置を必要としないので、安価な装置が得られる。
請求項4によれば、請求項1の手段によって切断された帯状の板状部材を板状部材載置板の溝に載置することにより、帯状の板状部材を更に細かく裁断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の板状部材用シュレッダーの一実施の形態を図1乃至図3により説明する。図1に示すように、約30度傾斜して配設されたベース板1の両側には、図2及び図3に示すように下方に伸びた側板2、2が固定されており、側板2、2の内側にはガイド溝を有するガイド板3、3が約30度傾斜して固定されている。ガイド板3、3のガイド溝には、スライド板4、4が摺動自在に嵌挿されており、スライド板4、4には支持板5、5が固定されている。
【0014】
支持板5、5の下方部には、ガイド板3、3のガイド溝と直角に長穴5a、5aが形成されており、長穴5a、5aにはローラ軸10、10に回転自在に支承されたローラ11、11が摺動自在に嵌挿されている。ローラ軸10、10はクランクレバー12、12に固定されており、クランクレバー12、12は回転軸13の両端部に固定されている。回転軸13の両端部側は、軸受14、14を介して支持板15、15に回転自在に支承されており、支持板15、15は取付けブロック16、16を介して側板2、2に固定されている。回転軸13には、ギャードモータ17の減速ギャー部18のギャーが固定されている。
【0015】
スライド板4、4の上方部の上面には移動ベース20が固定されており、移動ベース20上には複数個のヒンジ部21、21・・・を介して移動刃物台22が揺動可能に取付けられている。移動刃物台22の下方側の上面には、移動刃物23が固定されている。移動刃物23の上方には、該移動刃物23と協同して板状部材Wを切断する固定刃物24が配設されている。固定刃物24は、前記ベース板1に固定されている。
【0016】
移動刃物23の刃先は、図3に示すように、一方端23a側が他方端23b側より固定刃物24側になるように傾斜して形成されている。これにより板状部材Wを一方端23aから他方端23bに向かって順次切断することができ、切断が容易に行える。また移動刃物23の刃先と固定刃物24の刃先との隙間が生じないように、移動刃物23の一方端23a側のベース板1には、移動刃物23をガイドする移動刃物ガイド体26が固定されている。そして、移動刃物23の一方端23a側の刃先が移動刃物ガイド体26に圧接するように、移動ベース20と移動刃物台22間にはスプリング27が配設されている。
【0017】
ベース板1の上方には、板状部材Wを載置する板状部材載置板30が配設されている。板状部材載置板30は、スライド板4、4の移動方向(ガイド板3、3のガイド溝)と直角でかつ板状部材Wを載置する載置面が固定刃物24の前方に位置するように配設されている。図1において、ガイド板3、3のガイド溝は約30度傾斜して形成されているので、板状部材載置板30の板状部材Wの載置面は、約120度傾斜している。板状部材載置板30の板状部材Wの載置面は、縦方向に複数個の溝30aが形成されている。この溝30aの溝幅については後記する。移動刃物23の刃先の下方には、板状部材載置板30の載置面に載置された板状部材Wを受けるストッパー31が配設されており、ストッパー31は移動ベース20に固定されている。板状部材載置板30の溝30aの溝幅は、移動刃物23の刃先からストッパー31までのストッパー面までの長さより若干広く形成されている。
【0018】
ストッパー31の下方には、切断された板状部材Wを排出するためのシュート40が設けられている。
【0019】
次に作用について説明する。板状部材載置板30の載置面に板状部材Wを載置すると、板状部材Wの下端はストッパー31のストッパー面で受けられる。ギャードモータ17を駆動させると、回転軸13及びクランクレバー12、12が回転する。前記したように、クランクレバー12、12の先端部にはローラ軸10、10が固定されており、ローラ軸10、10にはローラ11、11が回転自在に設けられ、ローラ11、11は支持板5、5の長穴5a、5aに嵌挿されている。また支持板5、5はスライド板4、4に固定され、スライド板4、4はガイド板3、3に摺動自在に嵌挿されている。このため、クランクレバー12、12が回転すると、ローラ11、11によって支持板5、5及びスライド板4、4はガイド板3、3のガイド溝に沿って図1の状態より往復移動、即ち矢印D方向に下動した後に矢印E方向に上動する。
【0020】
前記したように、スライド板4、4には移動ベース20が固定され、移動ベース20にはヒンジ部21、21・・・を介して移動刃物台22が取付けられ、移動刃物台22には移動刃物23が固定されているので、スライド板4、4が矢印D方向に下動すると、移動刃物23は移動刃物ガイド体26に沿って下動し、固定刃物24と協同して板状部材Wを帯状に切断する。なお、移動ベース20にはストッパー31が固定されているのでストッパー31も移動刃物23と共に下動する。スライド板4、4が矢印E方向に上動すると、移動刃物23及びストッパー31も上動し、移動刃物23は固定刃物24より離れ、ストッパー31上が開放する。そこで、板状部材Wが自重により自由落下して板状部材Wの下端がストッパー31に当接する。即ち、回転軸13が1回転して移動刃物23が1往復移動する毎に板状部材Wは順次帯状に切断され、板状部材Wは切断される毎にストッパー31に当接するまで自由落下する。
【0021】
前記したように板状部材Wを帯状に切断するのみでよい場合もある。しかし、単に帯状に切断したのみでは、板状部材Wに記載又は記憶された情報が読み取れて不十分な場合がある。板状部材載置板30の溝30aの溝幅は、移動刃物23の刃先からストッパー31のストッパー面までの長さより若干広く形成されている。そこで、前記したように帯状に切断された板状部材Wを板状部材載置板30の溝30a内に載置する。そして、本装置を作動させると、前記した作用によって帯状の板状部材Wは移動刃物23によって更に細かく裁断される。即ち、情報を読み取れないように裁断することができる。
【0022】
このように、傾斜して配設された板状部材載置板30と、この板状部材載置板30の下端部に配設された固定刃物24と、往復移動可能に固定刃物24に対応して設けられた移動刃物23と、この移動刃物23を往復駆動する刃物駆動手段と、移動刃物23の刃先の下方に配設され、板状部材載置板30に載置された板状部材Wを受けるストッパー31とからなるので、移動刃物23と固定刃物24とによって板状部材Wの下端部が一定長さ切断される毎に板状部材Wは自由落下してストッパー31に当接する。即ち、板状部材Wは自由落下で送られ、板状部材Wの送り装置を必要としないので、安価な装置が得られる。
【0023】
また前記板状部材載置板30の載置面には、縦方向に複数個の溝30aが形成され、この溝30aの溝幅は移動刃物23の刃先からストッパー31までの長さより若干広く形成されているので、前記のようにして切断された帯状の板状部材Wを板状部材載置板30の溝30aに載置することにより、帯状の板状部材Wを更に細かく裁断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の板状部材用シュレッダーの一実施の形態を示す側面断面図で、図3のA−A線断面図である。
【図2】図1のB−B線矢視図である。
【図3】図1のC−C線矢視図である。
【符号の説明】
【0025】
W 板状部材
1 ベース板
3 ガイド板
4 スライド板
5 支持板
11 ローラ
12 クランクレバー
13 回転軸
17 ギャードモータ
20 移動ベース
21 ヒンジ部
22 移動刃物台
23 移動刃物
24 固定刃物
26 移動刃物ガイド体
27 スプリング
30 板状部材載置板
31 ストッパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜して配設された板状部材載置板と、この板状部材載置板の下端部に配設された固定刃物と、往復移動可能に前記固定刃物に対応して設けられた移動刃物と、この移動刃物を往復駆動する刃物駆動手段と、前記移動刃物の刃先の下方に配設され、前記板状部材載置板に載置された板状部材を受けるストッパーとからなることを特徴とする板状部材用シュレッダー。
【請求項2】
前記固定刃物は、前記板状部材載置板の載置面の延長線上に設けられ、前記移動刃物は、前記板状部材載置板の載置面上に対してほぼ直角方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の板状部材用シュレッダー。
【請求項3】
前記ストッパーは、前記移動刃物と共に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の板状部材用シュレッダー。
【請求項4】
前記板状部材載置板の載置面には、縦方向に複数個の溝が形成され、この溝幅は前記移動刃物の刃先から前記ストッパーまでの長さより若干広く形成されていることを特徴とする請求項1記載の板状部材用シュレッダー。
【請求項1】
傾斜して配設された板状部材載置板と、この板状部材載置板の下端部に配設された固定刃物と、往復移動可能に前記固定刃物に対応して設けられた移動刃物と、この移動刃物を往復駆動する刃物駆動手段と、前記移動刃物の刃先の下方に配設され、前記板状部材載置板に載置された板状部材を受けるストッパーとからなることを特徴とする板状部材用シュレッダー。
【請求項2】
前記固定刃物は、前記板状部材載置板の載置面の延長線上に設けられ、前記移動刃物は、前記板状部材載置板の載置面上に対してほぼ直角方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の板状部材用シュレッダー。
【請求項3】
前記ストッパーは、前記移動刃物と共に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の板状部材用シュレッダー。
【請求項4】
前記板状部材載置板の載置面には、縦方向に複数個の溝が形成され、この溝幅は前記移動刃物の刃先から前記ストッパーまでの長さより若干広く形成されていることを特徴とする請求項1記載の板状部材用シュレッダー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2006−334675(P2006−334675A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158328(P2005−158328)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(593163461)株式会社トライヤーン (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(593163461)株式会社トライヤーン (6)
【Fターム(参考)】
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