説明

染毛剤組成物

【課題】アルカリ剤や酸化剤に対して安定で染毛時に分解を起こさない解離性アゾ染料を含有し、染色力が高く、毛髪に鮮やかな色を堅固に付与することができ、光、洗浄、汗、摩擦、熱に対して優れた堅牢性を有し、時間経過に伴う褪色も少ない染毛剤組成物、及びこれを用いた染毛方法の提供。
【解決手段】一般式(1)で表される解離性アゾ染料(A)と一般式(2)で表される解離性アゾ染料(B)を含有する染毛剤組成物。


〔Hetは、5員のヘテロ芳香環基を示し、R1及びR2は、水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又はカルバモイル基を示す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解離性アゾ染料を含有する染毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
永久染毛剤や半永久染毛剤には酸性染料、塩基性染料、ニトロ染料等の種々の直接染料が用いられているが、いずれの場合においても、洗浄や光によって比較的容易に毛髪上の直接染料が失われてしまうため、褪色しやすく、これは損傷を受けた毛髪において著しい。
【0003】
そこで光、洗浄、汗、摩擦、熱に対する耐性(堅牢性)の問題を解決する方法の一つとして、解離性プロトンを有する解離性アゾ染料を直接染料として用いる染毛剤が提案されている(特許文献1、2参照)。しかし、直接染料が毛髪繊維内に浸透する速度は、染料分子の大きさ又は分子量が増加すると浸透速度が減少するとされており(非特許文献1参照)、構造上の特徴がよく似た、大きさや分子量が近い複数の解離性アゾ染料を組み合わせて調色することが求められている。
【0004】
【特許文献1】特開2004-107343号公報
【特許文献2】特開2006-182653号公報
【非特許文献1】Clarence R. Robbins, Chemical and Physical Behavior of Human Hair 4th Ed., pp238-245, Springer-Verlag, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、アルカリ剤や酸化剤に対して安定で染毛時に分解を起こさない解離性アゾ染料を含有し、染色力が高く、毛髪に鮮やかな色を堅固に付与することができ、光、洗浄、汗、摩擦、熱に対して優れた堅牢性を有し、時間経過に伴う褪色も少ない染毛剤組成物、及びこれを用いた染毛方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、下記一般式(1)で表される解離性アゾ染料(A)及び一般式(2)で表される解離性アゾ染料(B)を組み合わせて染毛剤組成物に配合すれば、上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、次の一般式(1)で表される解離性アゾ染料(A)及び一般式(2)で表される解離性アゾ染料(B)を含有する染毛剤組成物を提供するものである。
【0008】
【化1】

【0009】
〔式中、Hetは、同一でも異なってもよい一般式(H)で表される5員のヘテロ芳香環基を示し、R1及びR2は、同一でも異なってもよい水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又はカルバモイル基を示す。〕
【0010】
【化2】

【0011】
〔式中、X1は、S又はCHを示し、X2は、N又はCHを示し、X3は、N又はC−CH3を示し、X4は、N又はN−CH3を示し、X2とX3のいずれか一方がNであって他方はNではない。破線は環全体として二重結合を2個有することを示す。〕
【0012】
更に本発明は、上記の染毛剤組成物を毛髪に適用する染毛方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の染毛剤組成物は、染料がアルカリ剤や酸化剤に対して安定で染毛時に分解を起こさず、染色力が高く、毛髪に鮮やかな色を堅固に付与することができ、光、洗浄、汗、摩擦、熱に対して優れた堅牢性を有し、時間経過に伴う褪色も少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明にいう染毛剤組成物とは、一剤式組成物のみならず、使用直前まで別々に保存する、アルカリ剤を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤よりなる二剤式組成物、さらに第1剤と第2剤のほかに、酸化助剤を含有する第3剤よりなる三剤式組成物などの多剤式を含み、「全組成」というときは、これらを混合した、実際に毛髪に適用する組成物全体をいう。
【0015】
〔解離性アゾ染料(A)及び(B)〕
一般式(1)で表される解離性アゾ染料(A)は、使用条件下において、アゾ基に対してナフタレン環の4位に位置するイミノ基のプロトンを解離して色相が変化し、所望の色相を与えるものである。また、一般式(2)で表される解離性アゾ染料(B)は、使用条件下において、アゾ基に対してベンゼン環のパラ位の水酸基からプロトンを解離して色相が変化し、所望の色相を与えるものである。
【0016】
一般式(1)及び(2)において、Hetとしては、式(H1)〜(H3)のいずれかで表されるヘテロ芳香環基が挙げられる。
【0017】
【化3】

【0018】
解離性アゾ染料(A)の具体例としては、以下の式(1-1)で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0019】
【化4】

【0020】
解離性アゾ染料(B)としては、次の一般式(2a)で表される解離性アゾ染料(B-1)及び一般式(2b)で表される解離性アゾ染料(B-2)が挙げられる。
【0021】
【化5】

【0022】
〔式中、Hetは前記と同じ意味を示し、R1a及びR2aは、同一でも異なってもよい水素原子、メチル基、メトキシ基又はカルバモイル基を示し、R2bは、塩素原子又はカルバモイル基を示す。ただし一般式(2a)におけるR1aとR2aとが水素原子とカルバモイル基との組み合わせであって、一般式(2b)におけるR2bがカルバモイル基である場合、両化合物のHetは同一ではない。〕
【0023】
解離性アゾ染料(B)の具体例としては、解離性アゾ染料(B-1)、すなわち一般式(2a)で表される化合物に該当するものとして以下の式(2a-1)〜(2a-6)で表される化合物が、解離性アゾ染料(B-2)、すなわち一般式(2b)で表される化合物に該当するものとして以下の式(2b-1)〜(2b-2)で表される化合物が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
【0024】
【化6】

【0025】
解離性アゾ染料(A)及び(B)は、それぞれ単独で又はそれぞれ2種以上を組み合わせて用いることができ、解離性アゾ染料(B)として、一般式(2a)で表される化合物と、一般式(2b)で表される化合物とを併用することが、幅広い調色性を確保する点から好ましい。
【0026】
解離性アゾ染料(A)と解離性アゾ染料(B)の組み合わせとしては、解離性アゾ染料(A)が、一般式(1)においてHetが式(H1)で表されるヘテロ芳香環基である化合物であり、解離性アゾ染料(B)が、一般式(2a)においてHetが式(H1)又は(H3)で表されるヘテロ芳香環基であって、R2aが水素原子又はメチル基である化合物と、一般式(2b)においてHetが式(H2)で表されるヘテロ芳香環基である化合物との組み合わせが好ましい。
【0027】
解離性アゾ染料(A)及び(B)の合計の含有量は、全組成中の0.0001〜25質量%が好ましく、0.001〜20質量%がより好ましく、0.05〜15質量%が更に好ましく、0.1〜10質量%が一層好ましい。
【0028】
また、解離性アゾ染料(A)と解離性アゾ染料(B)の質量比(A):(B)は、幅広い調色性を確保する点から、1:10000〜10000:1が好ましく、1:1000〜1000:1が更に好ましく、1:100〜100:1が一層好ましい。
【0029】
また、解離性アゾ染料(B)として、解離性アゾ染料(B-1)と、解離性アゾ染料(B-2)とを併用する場合、これらの質量比(B-1):(B-2)は、幅広い調色性を確保する点から、1:1000〜1000:1が好ましく、1:500〜500:1が更に好ましく、1:100〜100:1が一層好ましい。
【0030】
〔その他の染料〕
本発明の染毛剤組成物には、他の直接染料や酸化染料を配合して色調を変化させることができる。
【0031】
他の直接染料としては、酸性染料、塩基性染料、ニトロ染料、分散染料、カチオン染料等の公知の直接染料を用いることができる。直接染料としては、例えば、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、黄色403号の(1)、酸性橙3、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC青2、HC橙1、HC赤1、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC赤3、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、分散紫1、分散青1、分散黒9、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性黄76、塩基性黄57、塩基性橙31、塩基性赤51及び下記式で表されるシアニン構造を有するメチン型カチオン染料などが挙げられる。
【0032】
【化7】

【0033】
また、例えば、特開2002-275040号公報、特開2003-107222号公報、特開2003-107223号公報、特開2003-113055号公報、特開2003-342139号公報、特開2004-107343号公報、特開2004-155746号公報、特開2006-182653号公報に記載されている直接染料も加えることができる。
【0034】
他の直接染料を併用する場合には、解離性アゾ染料(A)及び(B)と他の直接染料の合計含有量が、全組成中に0.0001〜25質量%が好ましく、0.001〜20質量%がより好ましく、0.05〜15質量%が更に好ましく、0.1〜10質量%が一層好ましい。
【0035】
本発明の染毛剤組成物においては、解離性アゾ染料(A)及び(B)とともに、酸化染料を併用することもできる。このような併用により、酸化染料単独では得られない、極めて鮮明で強い染色が可能となる。酸化染料としては、酸化型染毛剤に通常用いられる公知のプレカーサー及び公知のカップラーが用いられる。
【0036】
プレカーサーとしては、例えば、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、オルトクロルパラフェニレンジアミン、N-フェニルパラフェニレンジアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、3-メチル-4-アミノフェノール、2-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、4-アミノ-メタクレゾール、オルトアミノフェノール及びこれらの塩等が挙げられる。
【0037】
カップラーとしては、例えば、レゾルシン、2-メチルレゾルシン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、5-アミノオルトクレゾール、メタフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2,6-ジアミノピリジン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン及びこれらの塩等が挙げられる。
【0038】
プレカーサー及びカップラーは、それぞれ2種以上を併用してもよく、それらの含有量は、全組成中の合計で0.0005〜20質量%が好ましく、0.001〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
【0039】
本発明の染毛剤組成物には、更にインドール類、インドリン類等に代表される自動酸化型染料を加えることもできる。
【0040】
解離性アゾ染料(A)及び(B)、他の直接染料、酸化染料及び自動酸化型染料の全含有量は、全組成中の0.001〜25質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.1〜15質量%が更に好ましく、0.5〜10質量%が一層好ましい。
【0041】
〔アルカリ剤〕
本発明の染毛剤組成物が二剤式又は三剤式の場合には、第1剤は、アルカリ剤を含有する。アルカリ剤としては、アンモニア及びその塩;モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン及びその塩;1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン及びその塩;炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。
【0042】
上記アルカリ剤のうち、アンモニア、アルカノールアミン及びそれらの塩が好ましい。アンモニウム塩としては炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムが好ましく、アルカノールアミン及びその塩としてはモノエタノールアミン及びその塩が好ましい。更には、これらの含有量が下記範囲であることが最も好ましい。全組成物中のアンモニア及びその塩をアンモニアとして換算した場合の含有量(X)と、モノエタノールアミン及びその塩をモノエタノールアミンとして換算した場合の含有量(Y)の合計が、十分な染毛・脱色効果の点、及び毛髪損傷や頭皮刺激、嗅覚刺激の低減の点から、全組成物中の0.05〜15質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。また、X/Yの質量比が、0.01:1〜2:1であることが好ましく、0.02:1〜1:1であることがより好ましく、0.05:1〜0.5:1であることが更に好ましい。
【0043】
〔酸化剤〕
解離性アゾ染料(A)及び(B)は、酸化剤に対してきわめて安定なので、酸化剤を混合した後に毛髪に適用することができる。換言すれば本発明の染毛剤組成物は、解離性アゾ染料(A)及び(B)を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤から構成される二剤式とすることができる。この場合、染色と脱色が同時に行われ、より鮮やかな染色が得られる。
【0044】
酸化剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過ホウ酸ナトリウム等の過ホウ酸塩;過炭酸ナトリウム等の過炭酸塩;臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩などが挙げられる。なかでも、毛髪に対する脱色性及び酸化剤自体の安定性及び有効性の点から、過酸化水素が好ましい。また、過酸化水素と共に、酸化助剤として他の酸化剤を組み合わせて用いることもできる。このうち、過酸化水素と過硫酸塩とを組み合わせて用いるのが好ましい。
【0045】
酸化剤を用いる場合、酸化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、全組成中の0.5〜30質量%が好ましく、更には1〜20質量%が好ましい。過酸化水素と過硫酸塩とを組み合わせて用いる場合には、過酸化水素の含有量が全組成中の0.5〜10質量%であり、過硫酸塩の含有量が全組成中の0.5〜25質量%であり、両者の合計の含有量が1〜30質量%であるのが好ましい。
【0046】
本発明の染毛剤組成物を二剤式とする場合、解離性アゾ染料(A)及び(B)を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤の混合割合は、容積比で2:1〜1:3の範囲であるのが好ましい。
【0047】
〔コンディショニング成分〕
本発明の染毛剤組成物は、毛髪への適用に好適なコンディショニング成分を含むことができる。コンディショニング成分は、染毛剤組成物に溶解又は分散可能なポリマー又はオイル類であり、リンス時又は水やシャンプーで希釈された時に毛髪へ付着する。
【0048】
コンディショニング成分を用いる場合、その配合量は、全組成中の0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が更に好ましい。
【0049】
本発明の染毛剤組成物に使用される好適なコンディショニング成分としては、一般にカチオン性ポリマー、シリコーン類、高級アルコール、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素オイル類、ポリオレフィン、脂肪酸エステル類)が挙げられる。
【0050】
・カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーとは、カチオン基又はカチオン基にイオン化され得る基を有するポリマーをいい、全体としてカチオン性となる両性ポリマーも含まれる。すなわち、カチオン性ポリマーとしては、ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むもの、例えばカチオン化セルロース、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、4級化ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、シャンプー時の柔らかさ、滑らかさ及び指の通り易さ、乾燥時のまとまり易さ及び保湿性という効果及び剤の安定性の点から、ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むポリマー、4級化ポリビニルピロリドン、カチオン化セルロースが好ましく、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、カチオン化セルロースがより好ましい。
【0051】
ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体の具体例としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリクオタニウム-6、例えばマーコート100;Nalco社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム-22、例えばマーコート280、同295;Nalco社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸アミド共重合体(ポリクオタニウム-7、例えばマーコート550;Nalco社)等が挙げられる。
【0052】
4級化ポリビニルピロリドンの具体例としては、ビニルピロリドン(VP)とメタクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体と硫酸ジエチルから得られる4級アンモニウム塩(ポリクオタニウム-11、例えばガフコート734、同755、同755N(以上、アイエスピー・ジャパン社))等が挙げられる。
【0053】
カチオン化セルロースの具体例としては、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体(ポリクオタニウム-10、例えばレオガードG、同GP(以上、ライオン社)、ポリマーJR-125、同JR-400、同JR-30M、同LR-400、同LR-30M(以上、Amerchol社))、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体(ポリクオタニウム-4、例えばセルコートH-100、同L-200(以上、ナショナルスターチアンドケミカル社))等が挙げられる。
【0054】
カチオン性ポリマーは、2種以上を併用してもよい。また、カチオン性ポリマーは、含有量が多いほど効果が高くなるが、多すぎると安定性不良、剤単独での又は混合時の粘度低下を引き起こす。これらの点、及び感触向上の点から、カチオン性ポリマーの含有量は、全組成中の0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
【0055】
・シリコーン類
本発明の染毛剤組成物は、優れた使用感を付与するために、シリコーン類を含有することが好ましい。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン類、変性シリコーン類(例えば、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等)が挙げられるが、ジメチルポリシロキサン類、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。
【0056】
ジメチルポリシロキサン類としては、環状又は非環状のジメチルシロキサン重合体であればよく、例えば、SH200シリーズ、BY22-019、BY22-020、BY11-026、BY22-029、BY22-034、BY22-050A、BY22-055、BY22-060、BY22-083、FZ-4188(以上、東レ・ダウコーニング社)KF-9008、KM-900シリーズ、MK-15H、MK-88(以上、信越化学工業社)等が挙げられる。
【0057】
ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリオキシアルキレン基を有するシリコーン類であればよく、ポリオキシアルキレン基を構成する基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基を挙げることができる。より具体的には、例えば、KF-6015、KF-945A、KF-6005、KF-6009、KF-6013、KF-6019、KF-6029、KF-6017、KF-6043、KF-353A、KF-354A、KF-355A(以上信越化学工業社)、FZ-2404、SS-2805、FZ-2411、FZ-2412、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、SH3749、SS-280Xシリーズ、BY22-008M、BY11-030、BY25-337(以上、東レ・ダウコーニング社)等が挙げられる。
【0058】
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有するシリコーン類であればよく、例えば、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコンなどがある。好ましいアミノ変性シリコーンとしては、以下の一般式(S)で表されるものが挙げられる。
【0059】
【化8】

【0060】
〔式中、R'は水酸基、水素原子又はRXを示し、RXは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、DはRX、基R"−(NHCH2CH2)mNH2、基ORX又は水酸基を示し、R"は炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、mは0〜3の数を示し、p及びqはその和が数平均で、10以上20000未満、好ましくは20以上3000未満、より好ましくは30以上1000未満、更に好ましくは40以上800未満となる数を示す。〕
【0061】
アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8452C、SS-3551(以上、東レ・ダウコーニング社)、KF-8004、KF-867S、KF-8015(以上、信越化学工業社)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C、SM8904、BY22-079、FZ-4671、FZ-4672(以上、東レ・ダウコーニング社)等のアモジメチコンエマルション等が挙げられる。
【0062】
これらのシリコーン類の本発明染毛剤組成物への総含有量は、十分な効果とベタツキの抑制の点から、全組成中の0.02〜40質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜15質量%が更に好ましい。
【0063】
本発明の染毛剤組成物がシリコーン類及びカチオン性ポリマーを含有する場合、全組成中のカチオン性ポリマー(アクティブ量):シリコーン類の質量比は、100:1〜1:50が好ましく、50:1〜1:10がより好ましい。
【0064】
・高級アルコール
本発明の染毛剤組成物は、感触改善、安定性の観点から、第1剤、第2剤及び第3剤のいずれか1以上に、高級アルコールを含有することが好ましい。高級アルコールの含有により、界面活性剤と構造体を形成して染毛剤組成物の分離を防ぐと共に、すすぎ時の感触を改善する効果がある。
【0065】
高級アルコールとしては、炭素数8〜22のものが好ましく、炭素数16〜22のものがより好ましい。具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
高級アルコールは、2種以上を併用してもよく、その含有量は、全組成中の0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
【0067】
・有機コンディショニングオイル
本発明の染毛剤組成物は、優れた使用感を付与するために、有機コンディショニングオイルを含有することも好ましい。コンディショニング成分として好適に用いられる有機コンディショニングオイルは、好ましくは低粘度、水不溶性の液体であって、少なくとも炭素数10を有する炭化水素オイル類、ポリオレフィン、脂肪酸エステル類及びこれらの混合物より選択される。このような有機コンディショニングオイルの粘度は、40℃における測定において、好ましくは1〜200mPa・s、より好ましくは1〜100mPa・s、更に好ましくは2〜50mPa・sである。
【0068】
炭化水素オイル類としては、例えば環状炭化水素や直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)や分枝鎖肪族炭化水素(飽和又は不飽和)が挙げられ、これらのポリマーや混合物も含まれる。直鎖炭化水素オイルは、好ましくは炭素数12〜19である。分枝鎖炭化水素オイルは、炭化水素ポリマーを含み、好ましくは炭素数19を超えるものである。
【0069】
ポリオレフィンとしては、液状ポリオレフィン、より好ましくは液状ポリ-α-オレフィン、最も好ましくは、水素化液状ポリ-α-オレフィンである。ここで用いられるポリオレフィンは、炭素数4〜14、好ましくは炭素数6〜12のオレフィンモノマーを重合して調製する。
【0070】
脂肪酸エステル類としては、例えば少なくとも炭素数10の脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステルの例としては、脂肪酸とアルコールから誘導される炭化水素鎖を有するエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、ジ−及びトリカルボン酸エステル)が挙げられる。これら脂肪酸エステルの炭化水素基は、アミド基やアルコキシ基等の他の相溶性官能基を置換基として有していてもよく、またそれらに共有結合していてもよい。より具体的には、炭素数10〜22の脂肪族鎖を有する脂肪酸のアルキル及びアルケニルエステル、炭素数10〜22のアルキル及び/又はアルケニルアルコールから誘導された脂肪族鎖を有する脂肪族アルコール・カルボン酸エステル、及びこれらの混合物が好適に用いられる。このような好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソプロピルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、ジヘキサデシルアジペート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、オレイルステアレート、オレイルオレエート、オレイルミリステート、ラウリルアセテート、セチルプロピオネート及びジオレイルアジペートが挙げられる。
【0071】
〔界面活性剤〕
本発明の染毛剤組成物には、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤のいずれを使用することもできる。
【0072】
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0073】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。
【0074】
両性界面活性剤としてはイミダゾリン系、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系等が挙げられる。
【0075】
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。これら界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。
【0076】
界面活性剤は、単独で又は2種以上用いることができ、その含有量は制限されないが、例えば、全組成中の0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜18質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が更に好ましい。
【0077】
〔媒体〕
本発明の染毛剤組成物には、媒体として、水及び必要により有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級脂肪族アルコール類;ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類;プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
【0078】
有機溶剤の含有量は、制限されないが、例えば、全組成中の0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
【0079】
〔その他の成分〕
本発明の染毛剤組成物には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、動植物油脂、高級脂肪酸類、天然又は合成の高分子、エーテル類、蛋白質、加水分解蛋白、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0080】
〔pH〕
解離性アゾ染料(A)及び(B)は、通常の染毛剤で用いられるpH2〜14の広い範囲で保存安定性に優れており、上記範囲内の任意のpHで使用することができるが、染毛・脱色効果と皮膚刺激性の点から、使用時(混合時)の全組成のpHは8〜14(25℃)が好ましく、pH8〜13がより好ましい。また、本発明の染毛剤組成物が多剤式である場合、混合前の第1剤のpHはpH8〜14が好ましく、混合前の第2剤のpHは2〜5が好ましい。pH調整剤としては、前記アルカリ剤のほか、塩酸、リン酸等の無機酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸等の有機酸、塩酸モノエタノールアミン等の塩酸塩、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム等のリン酸塩等が使用できる。
【0081】
〔剤型〕
本発明の染毛剤組成物は、一剤式として;解離性アゾ染料(A)及び(B)及びアルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素等の酸化剤を含有する第2剤からなる二剤式として;脱色力向上のため、更に第3剤として過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等)等の造粒物からなる粉末状酸化剤を組み合わせてなる三剤式として提供されることが好ましい。
【0082】
一剤式は、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、ムース状などとすることができ、エアゾール形態とすることもできる。二剤式(又は三剤式)の場合、第1剤と第2剤の剤型は、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、ムース状などとすることができ、エアゾール形態とすることもできる。第1剤と第2剤(三剤式の場合は更に第3剤)を混合し、毛髪に塗布したときに液だれしにくいような粘度になることが望ましく、本発明の染毛剤組成物は、一剤式、二剤式、又は三剤式のいずれにおいても25℃においてヘリカルスタンド付きB型回転粘度計(B8R型粘度計、トキメック社)で測定した全組成物の粘度が2000〜10万mPa・sであるのが好ましい。ここで、粘度は、ローターT-Cを用い、10rpm、1分間回転させて得られた値である。
【0083】
〔染毛方法〕
本発明の組成物を用いて染毛処理するには、例えば本発明の組成物の第1剤と第2剤(三剤型の場合は更に第3剤)を使用直前に混合した後、毛髪に適用し、1時間以内の所定時間放置後、洗い流し、乾燥すればよい。毛髪への適用温度は15〜45℃、適用時間は3〜50分間が好ましく、5〜40分間がより好ましく、10〜30分間が更に好ましい。この場合、まず染毛剤を水で軽く洗い流した後、アニオン界面活性剤を含有するシャンプーを用いて洗髪し、次いで水洗すると、カチオン性ポリマーは適度に流出し、シリコーン類は適度に毛髪に残留し、良好なコンディショニング効果を示す。シャンプーとしては、ラウレス-1 硫酸ナトリウム、ラウレス-2 硫酸ナトリウム、ラウレス-3 硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤を5〜20質量%程度含有する一般的な水性シャンプーが好適である。
【実施例】
【0084】
本発明の染毛剤組成物に用いられる解離性アゾ染料(A)及び(B)は、フェノール類等のいわゆるカプラー成分と、アミノアリール化合物またはアミノヘテロ芳香族化合物(いわゆるジアゾ成分)から調製されたジアゾニウム塩とをアゾカップリングさせて公知のアゾカップリング反応によって合成できる。例えば、解離性アゾ染料(1-1)は、以下のようにして合成できる。
【0085】
【化9】

【0086】
本発明の染毛剤組成物に用いられる解離性アゾ染料(B)は、例えば、表1に示すようなジアゾ成分とカップラー成分の組合せによって合成できる。
【0087】
【表1】

【0088】
【化10】

【0089】
実施例1〜7
表2に示す二剤式染毛剤第1剤と表3に示す第2剤Aを調製し、第1剤:第2剤:精製水を4:7:1の質量比で混合し染毛剤組成物とする。30℃で山羊毛1gに対し、各染毛剤組成物1gを塗布し、30分間放置後、水洗とシャンプー洗浄し、乾燥する。
【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
実施例9〜11
表4に示すフォームタイプの一剤式染毛剤を調製する。白髪を10%混入した人毛製毛束1gに対し、これらの染毛剤組成物をそれぞれ等量塗布し、30分間放置後、水洗とシャンプー洗浄し、乾燥すると、染色性・シャンプー堅牢性が良好な染色毛が得られる。
【0093】
【表4】

【0094】
実施例12〜15
表5に示すクリーム状二剤式染毛剤第1剤、及び表6に示す共通第2剤を調製し、第1剤:共通第2剤を1:1の質量比で混合し染毛剤組成物とする。白髪を10%混入した人毛製毛束1gに対し、これらの染毛剤組成物をそれぞれ等量塗布し、30分間放置後、水洗とシャンプー洗浄し、乾燥すると、染色性・シャンプー堅牢性が良好な染色毛が得られる。
【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
実施例16〜19
表7に示す二剤式染毛剤第1剤を調製し、第1剤:共通第2剤を1:1の質量比で混合し染毛剤組成物とする。白髪を10%混入した人毛製毛束1gに対し、これらの染毛剤組成物をそれぞれ等量塗布し、30分間放置後、水洗とシャンプー洗浄し、乾燥すると、染色性・シャンプー堅牢性が良好な染色毛が得られる。
【0098】
【表7】

【0099】
実施例20〜23
表8に示す二剤式染毛剤第1剤及びブースター液を調製し、第1剤:ブースター液:共通第2剤を1:0.1:1の質量比で混合し染毛剤組成物とする。白髪を10%混入した人毛製毛束1gに対し、これらの染毛剤組成物をそれぞれ等量塗布し、30分間放置後、水洗とシャンプー洗浄し、乾燥すると、染色性・シャンプー堅牢性が良好な染色毛が得られる。
【0100】
【表8】

【0101】
実施例24〜26
常法に従い、表9に示すクリーム状三剤式染毛剤第1剤及び第3剤を調製し、第1剤:共通第2剤:第3剤を1:1:0.3の質量比で混合し染毛剤組成物とする。白髪を10%混入した人毛製毛束1gに対し、これらの染毛剤組成物をそれぞれ等量塗布し、30分間放置後、水洗とシャンプー洗浄し、乾燥すると、染色性・シャンプー堅牢性が良好な染色毛が得られる。
【0102】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される解離性アゾ染料(A)及び一般式(2)で表される解離性アゾ染料(B)を含有する染毛剤組成物。
【化1】

〔式中、Hetは、同一でも異なってもよい一般式(H)で表される5員のヘテロ芳香環基を示し、R1及びR2は、同一でも異なってもよい水素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又はカルバモイル基を示す。〕
【化2】

〔式中、X1は、S又はCHを示し、X2は、N又はCHを示し、X3は、N又はC−CH3を示し、X4は、N又はN−CH3を示し、X2とX3のいずれか一方がNであって他方はNではない。破線は環全体として二重結合を2個有することを示す。〕
【請求項2】
解離性アゾ染料(B)として、一般式(2a)で表される化合物及び一般式(2b)で表される化合物を含有する請求項1記載の染毛剤組成物。
【化3】

〔式中、Hetは前記と同じ意味を示し、R1a及びR2aは、同一でも異なってもよい水素原子、メチル基、メトキシ基又はカルバモイル基を示し、R2bは、塩素原子又はカルバモイル基を示す。ただし一般式(2a)におけるR1aとR2aとが水素原子とカルバモイル基との組み合わせであって、一般式(2b)におけるR2bがカルバモイル基である場合、両化合物のHetは同一ではない。〕
【請求項3】
Hetが、式(H1)〜(H3)のいずれかで表されるヘテロ芳香環基である請求項1又は2記載の染毛剤組成物。
【化4】

【請求項4】
解離性アゾ染料(A)が、一般式(1)においてHetが式(H1)で表されるヘテロ芳香環基である化合物であり、解離性アゾ染料(B)が、一般式(2a)においてHetが式(H1)又は(H3)で表されるヘテロ芳香環基であって、R2aが水素原子又はメチル基である化合物と、一般式(2b)においてHetが式(H2)で表されるヘテロ芳香環基である化合物との組み合わせである請求項2記載の染毛剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の染毛剤組成物を毛髪に適用して染毛する方法。

【公開番号】特開2010−24158(P2010−24158A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185249(P2008−185249)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】