説明

柱状体への繊維シートの施工方法

【課題】柱状体における貼り紙の貼り付け防止等して柱状体を保護する。
【解決手段】本発明は、電柱Pへのアラミド繊維シート29の施工方法であって、電柱Pの所定の領域の表面に接着樹脂を塗布する工程と、この接着樹脂の塗布された塗布領域に短尺のアラミド繊維シート29を貼付し、この短尺のアラミド繊維シート29の表面に接着樹脂を染み出させる工程と、長尺の帯状であるアラミド繊維シート29の両面にシリコン樹脂31aを塗布する工程と、このシリコン樹脂31aを塗布したアラミド繊維シート29を電柱Pの塗布領域に貼付する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電柱等の柱状体の保護に適した柱状体への繊維シートの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から既設の構造体、特に柱状体に対する繊維シートの施工方法は各種提案されてきている。
【0003】
このような繊維シートの施工方法は、通常は、柱状体の補強を重点的に行うためのものであり、この補強された領域の保護まで配慮されることが無いのが一般的である(特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照)。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の発明は、既存RC柱の表面に弾性接着剤を塗布して絶縁フイルムを貼着し、次に接着剤を塗布して繊維シートを添付巻回し、さらに固化接着剤を塗布してRC柱を補強するものである。
【0005】
また、特許文献2の発明は、既設の鋼管柱内に充填材を充填した後、鋼管柱の外周面に帯材(アラミド繊維等)を巻設して、鋼管柱を補強するものである。
【0006】
また特許文献3に記載の発明は、コンクリート柱状体の外周面に接着樹脂を塗布し、補強繊維シートを貼り付け、接着樹脂を前記補強繊維シートに含浸させ、この補強繊維シートの上に貼紙防止用のシートを貼り付けるものである。つまり補強繊維シート(芳香性ポリアラミド繊維)で補強した後に「貼紙防止用のシートを貼り付ける」旨の記載がある。
【特許文献1】特開平10−46835号
【特許文献2】特開2005−180128号
【特許文献3】特開2003−120046号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献3に記載の「貼紙防止用のシート」は、請求項3にも記載があるように、「表面に凸凹」が形成されている合成樹脂が用いられている。つまり、この特許文献3に記載の貼紙防止処理は、別途「表面に凸凹」が形成された「貼紙防止用のシート」を予め施工現場に準備する必要があり、また施工時間の更なる短縮も求められている。
【0008】
一方、電柱等の柱状体は、通常は通路に沿って、かつ目立つ位置に所定の間隔で設けられることから、チラシ等の貼り紙が日常的に行われている。
【0009】
しかしながら、このような電柱に対する貼り紙は美観を損ねるばかりではなく、補強前の電柱の定期的な点検や、既に補強の完了した電柱の補強部分に対する保全状態の定期的な点検・確認作業を妨げるものとなっており、しばしば貼り紙の防止策の提供が望まれていた。
【0010】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、その目的は、繊維シートの貼り付け施工時間の短縮を計り、かつ柱状体を保護すると共に貼り紙の貼り付けを防止を廉価に実現することのできる柱状体への繊維シートの施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1の柱状体への繊維シートの施工方法は、既設の柱状体の外周表面に繊維シートを貼付し、当該柱状体を保護するときの柱状体への繊維シートの施工方法であって、長尺の帯状である繊維シートの片面にシリコン樹脂を塗布した後に当該繊維シートをロール状に巻き込むことにより、当該繊維シートの両面にシリコン樹脂を塗布する工程と、この両面にシリコン樹脂を塗布した繊維シートを前記柱状体に巻き付け貼付する工程とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項1に記載の柱状体への繊維シートの施工方法にあっては、長尺の帯状である繊維シートの片面にシリコン樹脂を十分な量だけ塗布し、このシリコン樹脂の塗布後、速やかに繊維シートをロール状に巻き込む。これにより該繊維シートの片面(例えば表面)に塗布されたシリコン樹脂がもう片側面(例えば裏面)に半分量ほど移動して、繊維シートの両面にシリコン樹脂が塗布される。この両面にシリコン樹脂を塗布した繊維シートを前記柱状体に巻き付けることで、柱状体の表面を撥水性、離型性を有するシリコン樹脂で覆い、かつ強靱な繊維シートで柱状体を巻回する。
【0013】
請求項2の柱状体への繊維シートの施工方法は、既設の柱状体の壁面を開口し、この開口を利用した当該柱状体への補強施工後に当該開口に対し閉塞施工を施し、この閉塞処理領域を含む領域を保護するときの柱状体への繊維シートの施工方法であって、前記柱状体の閉塞処理領域を含む第1の領域の表面に接着樹脂を塗布する工程と、この接着樹脂の塗布された前記第1の領域に短尺の繊維シートを貼付し、この短尺繊維シートの表面に前記接着樹脂を染み出させる工程と、長尺の帯状である繊維シートの両面にシリコン樹脂を塗布する工程と、このシリコン樹脂を表裏両面に塗布した繊維シートを前記柱状体の第1の領域を含む第2の領域に貼付する工程とを備えることを要旨とする。
【0014】
請求項2に記載の柱状体への繊維シートの施工方法にあっては、既設の柱状体の壁面開口を利用した当該柱状体の補強施工後に、この開口を閉塞し、この閉塞処理領域を含む第1の領域の表面に接着樹脂を塗布する。この接着樹脂の塗布された前記第1の領域に短尺の繊維シートを貼付し、この短尺繊維シートの表面に前記接着樹脂を染み出させる。このシリコン樹脂を表裏両面に塗布した長尺の帯状繊維シートを柱状体の第1の領域を含む第2の領域に巻き付けることで、柱状体の表面を撥水性、離型性を有するシリコン樹脂で覆い、かつ強靱な繊維シートで柱状体を巻回する。
【0015】
請求項3の柱状体への繊維シートの施工方法は、既設の柱状体の壁面を開口し、この開口を利用した当該柱状体への補強施工後に当該開口に対し閉塞施工を施し、この閉塞処理領域を含む領域を保護するときの柱状体への繊維シートの施工方法であって、前記柱状体の閉塞処理領域を含む第1の領域の表面に接着樹脂を塗布する工程と、この接着樹脂の塗布された前記第1の領域に短尺の繊維シートを縦方向に貼付し、この短尺繊維シートの表面に前記接着樹脂を染み出させる工程と、長尺の帯状である繊維シートの片側表面にシリコン樹脂を塗布した後に当該繊維シートをロール状に巻き込むことにより、当該繊維シートの表裏両面にシリコン樹脂を塗布する工程と、このシリコン樹脂を表裏両面に塗布した繊維シートを前記柱状体の第1の領域を含む第2の領域に前記短尺の繊維シートと直行する横方向に当該柱状体を巻回しながら貼付する工程とを備えることを要旨とする。
【0016】
請求項3に記載の柱状体への繊維シートの施工方法にあっては、既設の柱状体の壁面開口を利用した当該柱状体の補強施工後に、この開口を閉塞し、この閉塞処理領域を含む第1の領域の表面に接着樹脂を塗布する。この接着樹脂の塗布された前記第1の領域に短尺の繊維シートを縦方向に貼付し、この短尺繊維シートの表面に前記接着樹脂を染み出させる。長尺の帯状である繊維シートの片面にシリコン樹脂を十分な量だけ塗布し、このシリコン樹脂の塗布後、速やかに繊維シートをロール状に巻き込む。これにより該繊維シートの片面(例えば表面)に塗布されたシリコン樹脂がもう片側面(例えば裏面)に半分量ほど移動して、繊維シートの両面にシリコン樹脂が塗布される。この両面にシリコン樹脂を表裏両面に塗布した繊維シートを前記柱状体に巻き付けることで、柱状体の表面を撥水性、離型性を有するシリコン樹脂で覆い、かつ強靱な繊維シートで柱状体を巻回する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、かつ表面張力が小さいため、撥水性、離型性を有するシリコン樹脂が柱状体表面に塗布されることから、貼り紙に塗布される接着剤に対する剥離が良く、貼り紙を剥がれ易くする効果が生じる。そのため、貼り紙が行われても剥がし易いことから貼り紙行為に対する保護(抑止力)とすることもできる。
【0018】
また強靱な繊維シートを柱状体に巻回し、シリコン樹脂で固定することから柱状体を部分的に補強し保護することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1乃至図16は、本発明に係る柱状体への繊維シートの施工方法の処理手順を工程毎に説明する図である。本実施形態における柱状体としては中空柱である各種鋼管柱(テーパーの無い鋼板柱、テーパーのあるパンザマスト(鋼板組立柱))やコンクリート柱(テーパーの有る電柱やテーパーのないコンクリート柱)が含まれ、中空であるか否かには捕らわれないものである。
【0021】
図1に示す電柱Pは、本実施形態に係る繊維シートの巻回施工が行われる柱状体としてのコンクリート製の電柱Pである。また、その内部は補強工事の施工前は中空であり、図1は、該電柱Pの側面に開口された第1の作業用開口Haと第2の作業用開口Hbから電柱Pの中空部内部にアラミドロッドLを挿入し、さらにモルタルを注入して電柱Pの補強作業が既に終了している状態を示している。
【0022】
なお、ガイド棒Gはガイド棒固定治具Saにより電柱Pの中心部分に配置され、またこのガイド棒Gによりロッド配置用治具Sbの中心は電柱Pの中心位置に固定される。さらにこのロッド配置用治具により、ガイド棒Gを中心にして複数本、ここでは6本のアラミドロッドLがほぼ等間隔に環状に配置される。
【0023】
次に、図2を参照して、上記電柱Pの側面に開口された第1の作業用開口Haと該第1の作業用開口Haに対向する向かい側に開口された第2の作業用開口Hbの閉塞処理について説明する。
【0024】
本実施形態では第1の作業用開口Haと第2の作業用開口Hb(以下、単に作業用開口Hと略記する)の2箇所を閉塞用プラスチック板11と閉塞用金網13と止水モルタル15を用いて閉塞処理する。閉塞用プラスチック板11の替わりに、穴あきステンレス板やパンチングメタル等を用いても良く、また閉塞用金網13としては、鉄やステンレス製の金網、針金等を用いることができる。
【0025】
次に、図3に示すように、少なくとも前記閉塞処理領域を含む第1の領域を含み、かつアラミド繊維シートを巻回する範囲の外周表面(第2の領域)を研磨機(サンダー)Sにより研磨する。続いて、図4に示すように、この研磨した領域、すなわち電柱研磨面Pfの領域を上下から挟むようにマスキングカバー17で覆い、マスキングテープ19でこのマスキングカバー17を留めて電柱Pの養生を行う。この後に電柱研磨面Pfに対して、スポンジや刷毛等によりプライマを十分に塗布する。
【0026】
図5は含浸接着樹脂の塗布面、すなわち含浸接着樹脂塗布面21aと含浸接着樹脂塗布面21bの位置関係を示す図であり、図6は第1の作業用開口Haに対する含浸接着樹脂塗布面21aを示す図であり、図7は第2の作業用開口Hbに対する含浸接着樹脂塗布面21bを示す図である。
【0027】
これらから明らかなように、含浸接着樹脂塗布面21aは第1の作業用開口Haを含み、かつ該開口の周囲に十分な接着領域を確保する大きさであり、同様に含浸接着樹脂塗布面21bは第2の作業用開口Hbを含み、かつ該開口の周囲に十分な接着領域を確保する大きさである。
【0028】
これら含浸接着樹脂塗布面21aと含浸接着樹脂塗布面21bのそれぞれをアラミド繊維シートの縦貼り範囲(第1の領域)として、例えばエポキシ系接着樹脂等の含侵接着樹脂をスポンジや刷毛等により塗布する。
【0029】
続いて図8を参照するに、含侵接着樹脂を塗布した上にアラミド繊維シート29を縦貼りする。この縦貼りしたアラミド繊維シート29の表面から脱泡ローラ25にて貼付けたアラミド繊維シート29の表面に含侵接着樹脂が染み出るまでしごく。このとき、アラミド繊維シート29の内側に空気が入ったり、ムラになったりしないようにすると良い。図9は第1の作業用開口Haに対するアラミド繊維シート縦貼面23aを示す図であり、図10は第2の作業用開口Hbに対するアラミド繊維シート縦貼面23bを示す図である。
【0030】
次に、アラミド繊維シート29の横巻き処理について説明する。まず、図11を参照してアラミド繊維シート29へのシリコン樹脂の塗布作業について説明する。
【0031】
まず、電柱Pの中空内部にアラミドロッドLやモルタル等を充填して電柱P内部の補強の完了した電柱Pの施工場所近くに設置した作業台上(若しくは路上)にビニルシート27を敷き、そのビニルシート27の一側端にロール状に巻回されたアラミド繊維シート27を配置する。次に、このロール状のアラミド繊維シート27を展開して、シリコン樹脂をコーキングガン31にセットし、展開し広げたアラミド繊維シート27にシリコン樹脂31aを絞り出す。
【0032】
このコーキングガン31から絞り出したシリコン樹脂31aをヘラ33により、アラミド繊維シート27の全面に均一に塗布する。このシリコン樹脂31bをアラミド繊維シート27の全面に塗布した後に、この展開したアラミド繊維シート27をロール状に巻付ける。これによりアラミド繊維シート27の表面塗布面に塗布したシリコン樹脂31bはアラミド繊維シート27の裏面側にも塗布された状態となる。このシリコン樹脂31bの塗布作業を順次繰り返し、ロール状アラミド繊維シート27の全長にわたってシリコン樹脂を塗布する。
【0033】
次に、この表面と裏面の両面にシリコン樹脂31bが塗布されたロール状のアラミド繊維シート27を電柱Pに巻回する。
【0034】
巻回作業に当たっては、まず図12に示すように、シリコン樹脂を塗布したアラミド繊維シートを1周半だけ重ね巻きする。この1周半重ね巻きした後、図13に示すように、徐々にアラミド繊維シート27をずらし突合せでアラミド繊維シート27が重ならないように螺旋状に巻付け、併せてヘラ33によりアラミド繊維シート27の空気ダマリと皺を取り除く。最後は図14に示すように重ね巻きして仕上げる。
【0035】
上述してきたように、両面にシリコン樹脂31bが塗布されたアラミド繊維シート29を巻回しただけだと、アラミド繊維シート29の表面にはシリコン樹脂のムラ等は生じることがある。その場合には図15に示すように、横巻きされたアラミド繊維シート29へのシリコン樹脂の補充と均一化を行う。具体的には、例えば、シリコン樹脂の厚みの薄いところはさらにコーキングガン31でシリコン樹脂31aを継ぎ足し、ヘラ33で均一に仕上げるようにする。
【0036】
さらに図16に示すように、マスキングテープを撤去し、電柱表面に付着したシリコン樹脂及び周辺に飛散したシリコン樹脂があるときにはそれらを清掃して処理を終了する。なお、この硬化までにおおよそ1時間程度かかるため、その間の養生を適宜、行うようにすると良い。
【0037】
このように電柱Pの表面を耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、かつ表面張力が小さいため、撥水性、離型性を有するシリコン樹脂で均一に覆うことにより、貼り紙に塗布される接着剤に対する剥離が良く、貼り紙を剥がれ易くすることができ、そのため、貼り紙が行われても自然に剥がれ、あるいは作業者によっても剥がし易いことから貼り紙行為に対する保護(抑止力)とすることもできる。またアラミド繊維シートを電柱に巻回することから電柱の補強的な保護も行うことができる。
【0038】
さらにはエポキシ系接着樹脂等の接着樹脂を耐候性に優れたシリコン樹脂で覆うことになることから、接着樹脂の接着特性を高い状態で保持することを可能とすると共に、アラミド繊維シートで巻回し固めることからさらに電柱の補強をも行うことが可能となる。
【0039】
上述してきたように、本実施形態によれば、アラミド繊維シートを電柱に貼り付けるために要する施工時間の短縮を計ることが可能となり、かつ電柱の作業用開口部分を含めた部分を補強し保護すると共に貼り紙の貼り付けを防止を廉価に実現することができる。
【0040】
なお、以上の説明においては、柱状体としての電柱Pの補強の際に電柱側面に開口された開口部に対して施された閉塞処理領域を保護する場合を例にして説明したが、本発明は電柱及びその閉塞処理領域に限定されることなく、任意の柱状体の任意の領域に対して適宜変更して提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に掛かる繊維シートの巻回施工が行われる中空柱の断面を模式的に示す図である。
【図2】作業用開口の閉塞処理が施された電柱Pの断面を模式的に示す図である。
【図3】アラミド繊維シートを巻回する範囲の電柱表面を研磨する状態を示す図である。
【図4】マスキングテープを巻付けた電柱の外観を示す図である。
【図5】含浸接着樹脂の塗布面を示す図である。
【図6】第1の作業用開口に対する含浸接着樹脂塗布面を示す図である。
【図7】第2の作業用開口に対する含浸接着樹脂塗布面を示す図である。
【図8】アラミド繊維シート縦貼り施工の施工状況を示す図である。
【図9】第1の作業用開口に対するアラミド繊維シート縦貼面を示す図である。
【図10】第2の作業用開口に対するアラミド繊維シート縦貼面を示す図である。
【図11】アラミド繊維シートへのシリコン樹脂の塗布作業を示す図である。
【図12】アラミド繊維シートの横巻き手順を説明するための図である。
【図13】アラミド繊維シートの横巻き手順を説明するための図である。
【図14】アラミド繊維シートの横巻き手順を説明するための図である。
【図15】横巻きされたアラミド繊維シートへのシリコン樹脂の補充と均一化の手順を説明するための図である。
【図16】マスキングテープを除去した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
11…閉塞用プラスチック板(穴あきステンレス板、パンチングメタル)
13…閉塞用金網(鉄・ステンレス製)
15…止水モルタル
17…マスキングテープ
19…マスキングカバー
21…含浸接着樹脂塗布面
23…アラミド繊維シート縦貼面
25…脱泡ローラ
27…ビニールシート
29…アラミド繊維シート
31…コーキングガン
31a…シリコン樹脂
33…ヘラ
P…電柱
Pf…電柱研磨面
G…ガイド棒
H…作業用開口
Ha…第1の作業用開口
Hb…第2の作業用開口
L…アラミドロッド
S…研磨機(サンダー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の柱状体の外周表面に繊維シートを貼付し、当該柱状体を保護するときの柱状体への繊維シートの施工方法であって、
長尺の帯状である繊維シートの片面にシリコン樹脂を塗布した後に当該繊維シートをロール状に巻き込むことにより、当該繊維シートの両面にシリコン樹脂を塗布する工程と、
この両面にシリコン樹脂を塗布した繊維シートを前記柱状体に巻き付け貼付する工程と
を備えることを特徴とする柱状体への繊維シートの施工方法。
【請求項2】
既設の柱状体の壁面を開口し、この開口を利用した当該柱状体への補強施工後に当該開口に対し閉塞施工を施し、この閉塞処理領域を含む領域を保護するときの柱状体への繊維シートの施工方法であって、
前記柱状体の閉塞処理領域を含む第1の領域の表面に接着樹脂を塗布する工程と、
この接着樹脂の塗布された前記第1の領域に短尺の繊維シートを貼付し、この短尺繊維シートの表面に前記接着樹脂を染み出させる工程と、
長尺の帯状である繊維シートの両面にシリコン樹脂を塗布する工程と、
このシリコン樹脂を表裏両面に塗布した繊維シートを前記柱状体の第1の領域を含む第2の領域に貼付する工程と
を備えることを特徴とする柱状体への繊維シートの施工方法。
【請求項3】
既設の柱状体の壁面を開口し、この開口を利用した当該柱状体への補強施工後に当該開口に対し閉塞施工を施し、この閉塞処理領域を含む領域を保護するときの柱状体への繊維シートの施工方法であって、
前記柱状体の閉塞処理領域を含む第1の領域の表面に接着樹脂を塗布する工程と、
この接着樹脂の塗布された前記第1の領域に短尺の繊維シートを縦方向に貼付し、この短尺繊維シートの表面に前記接着樹脂を染み出させる工程と、
長尺の帯状である繊維シートの片側表面にシリコン樹脂を塗布した後に当該繊維シートをロール状に巻き込むことにより、当該繊維シートの表裏両面にシリコン樹脂を塗布する工程と、
このシリコン樹脂を表裏両面に塗布した繊維シートを前記柱状体の第1の領域を含む第2の領域に前記短尺の繊維シートと直行する横方向に当該柱状体を巻回しながら貼付する工程と
を備えることを特徴とする柱状体への繊維シートの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−97177(P2009−97177A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267781(P2007−267781)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(504239984)
【Fターム(参考)】