説明

柱状突起部を有する創傷接触面を具備する減圧創傷包帯剤

【課題】分配マニホルドを具える、減圧治療システムを提供する。
【解決手段】減圧治療システムは、第1の側面及び第2の側面を有するバッキング基板141と、バッキング基板の第1の側面に配置された複数の突起部とを有する分配マニホルド115を具える。突起部の各々は実質上円形の断面形状を有し、かつ、約0.1ないし2.0ミリメートルの間の直径を有し、バッキング基板は第1の側面と、第1の側面の逆側の第2の側面との間で流体接続を可能にするように形成される複数の開口部を有する。減圧供給源は、開口部を通って、突起部間で、及び組織部位に対して減圧を伝えるべくバッキング基板の開口部に流体接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には組織治療システム、特に創傷治療のための分配マニホルドに関する。
【背景技術】
【0002】
組織部位の近傍で減圧を提供することが、組織部位での新しい組織の成長を増強及び促進することを臨床上の研究及び治療は示してきた。この事象についてのアプリケーションは多数であるが、減圧についてのアプリケーションが創傷を治療する場合に特に成功を収めてきた。この治療(医療界においては「陰圧創傷療法(negative pressure wound therapy)」、「減圧療法(reduced pressure therapy)」又は「吸引療法(vacuum therapy)」と頻繁に呼ばれる)は、迅速な治癒及び肉芽組織の形成の増加を含む、多数の利益を提供する。一般的に、減圧は多孔質パッド又はその他のマニホルドデバイスを通って組織に提供される。多孔質パッドは減圧を組織に分配し、組織から引き出される流体を運ぶことが可能なセル又はポアを含む。多孔質パッドはしばしば治療を促進する他の成分を有する包帯剤に組み込まれる。
【0003】
減圧治療を送るための分配マニホルドは更に、一般的には減圧包帯剤と呼ばれ、特に創傷の治療の場合においては創傷包帯剤と呼ばれる。このような包帯剤は材料を通っての流体流動を可能にする構造上の特徴によって特徴づけられる。例えば、創傷包帯剤としてしばしば用いられる材料が網状の連続気泡ポリウレタン発泡体である。発泡体は全発泡体にわたる流体流動を可能にする複数の相互接続されたポアを含む。減圧が一方の発泡体の領域に適用される場合、この減圧は他方の発泡体の領域に迅速に分配され、発泡体に隣接する組織に簡単に送られる。連続気泡発泡体及び同様の材料での一問題は組織の内殖であり、治療後の容易な発泡体の除去を妨害する。100ないし1000ミクロン程度の大きさのポアを有する連続気泡発泡体については、組織の内殖が比較的迅速に生じうる。新しい組織が発泡体のポア又はセルに入ると、発泡体は格子のように作用し、組織がポア内部に、及び、ポアの外周部を形成する壁の周りに成長する。これによって発泡体が組織部位へ事実上付着し、発泡体は新しい組織を裂き、かつ、組織と発泡体との間に形成されたいずれかの結合を破壊することによって強制的に除去しなければならない。これは治癒プロセスに有害なだけではなく、この組織の裂傷が患者に不快感を生じさせうる。
【0004】
組織の内殖の問題を回避するための一方法は、包帯剤の交換の頻度を増やすことである。新しい包帯剤が頻度を増加して適用された場合、組織の内殖がわずかになり、ひいては古い包帯剤を除去する時の新しい組織の破壊がわずかになる。包帯剤の交換の増加の1のマイナス面は材料(すなわち、新しい包帯剤)及び労働に関連するコストの増加である。包帯剤を交換することは重労働であり、他の重要な仕事から医療職員の注意力をそらさせる。包帯剤の交換の増加は更に、患者及び患者の創傷の更なる悪化を生じさせる。
【発明の概要】
【0005】
現存の減圧治療システムによって呈示された問題は、本明細書中に記載のシステム及び方法の例示的な態様によって解決される。一様態においては、減圧治療システムが提供され、バッキング基板と、バッキング基板の第1の側面に配置された複数の突起部とを含む分配マニホルドを具え、突起部の各々は実質上円形の断面形状を有し、かつ、約0.1ないし2.0ミリメートルの間の直径を有する。バッキング基板は第1の側面と、第1の側面の逆側の第2の側面との間で流体接続を可能にするように形成される複数の開口部を有する。減圧供給源は、開口部を通って、突起部間で、及び組織部位に対して減圧を伝えるべくバッキング基板の開口部に流体接続される。
【0006】
別の様態においては、減圧治療システムが提供され、バッキング基板と、バッキング基板の第1の側面に配置された複数の突起部とを含む分配マニホルドを具え、突起部の各々は実質上多角形の断面形状を有し、かつ、約0.1ないし2.0ミリメートルの間の幅を有する。バッキング基板は第1の側面と、第1の側面の逆側の第2の側面との間で流体接続を可能にするように形成される複数の開口部を有する。減圧供給源は、開口部を通って、突起部間で、及び組織部位に対して減圧を伝えるべくバッキング基板の開口部に流体接続される。
【0007】
別の様態においては、減圧治療システムが提供され、バッキング基板と、バッキング基板の一方の側面に配置された複数の柱状のボイドとを含む分配マニホルドを具え、柱状のボイドの各々が実質上多角形の断面形状を有し、かつ、約0.1ないし2.0ミリメートルの間の幅を有する。
【0008】
別の様態においては、減圧治療システムが提供され、バッキング基板と、バッキング基板の第1の側面に配置された複数の突起部とを含む分配マニホルドを具え、突起部の各々は実質上円形の断面形状を有し、かつ、突起部がパッキング基板と接触するベース部から内側にテーパリングされる。バッキング基板は第1の側面と、第1の側面の逆側の第2の側面との間で流体接続を可能にするように形成される複数の開口部を有する。減圧供給源は、開口部を通って、突起部間で、及び組織部位に対して減圧を伝えるべくバッキング基板の開口部に流体接続される。
【0009】
他の例示された様態の目的、特徴及び利点は図面及び以下の詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明のある様態による減圧治療システム11を例示する。
【図2】図2は、本発明のある様態による分配マニホルドを例示する。
【図3】図3は、本発明のある様態による分配マニホルドの突起部の形状を例示する。
【図4】図4は、本発明のある様態による分配マニホルドの複数の柱状のボイドを例示する。
【図5】図5は、本発明のある様態による分配マニホルドの複数の柱状のボイドを例示する。
【図6】図6は、本発明のある様態による円形突起部を有するバッキング基板を例示する。
【図7】図7は、本発明のある様態による顕微鏡を通して撮影された分配マニホルドの図示された写真の複製を示す。
【図8】図8は、本発明のある様態によるバッキング基板に配置された複数の柱状のボイドを有する例示的な分配マニホルドの図示された写真の複製を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明の例示的な様態においては、その一部分を形成する添付の図に対する引用がなされる。これらの様態は当該技術分野の当業者が本発明を実行できるように十分詳細に記載されており、他の様態が利用でき、論理的に構造的、機械的、電気的、及び化学的な変更は、本発明の精神又は範囲を離れることなくなされうることが理解されよう。当該技術分野の当業者が本明細書中に記載の態様を実行可能にするために必要でない詳細な説明を避けるために、説明は当該技術分野の当業者に既知の特定の情報を省略する。従って、以下の詳細な説明は限定的な意味で取られるべきではなく、例示的な様態の範囲は添付の請求項によってのみ規定される。
【0012】
本明細書中に記載の本発明のいくつかの様態は創傷の治癒及び新しい組織の生成を補助するように提供される。減圧療法は患者に減圧伝達システムを用いて施される。この高度な創傷治癒療法の形態は臨床医の創傷治癒手順に簡単に統合できる。この療法は患者の治療を最適化し、外傷性及び慢性の創傷を有する患者の治療に付随するコストを低減する。本明細書中に記載の画期的な減圧伝達システムの様態を用いて、減圧療法は、病院において、生活支援複合体及び療養ホームのようなコミュニティ環境において、又は家庭において施すことができる。
【0013】
創傷又は組織部位に対する減圧伝達は、創傷又は組織部位から感染性物質及び他の流体を除去することによって創傷治癒及び/又は組織の成長を促進する。減圧治療は更に組織上に力を課すことによって組織の成長を促進し、これによって組織の微小変形を生じさせ、それが組織部位での肉芽組織の発達に寄与すると考えられている。減圧の伝達によって組織上に課される力は更に、組織部位に血流の改善を促し、それが更に新しい組織の成長を助ける。
【0014】
図1によると、本発明のある様態による減圧治療システム11は、減圧導管19に流体接続された減圧包帯剤、又は分配マニホルド15を含む。減圧導管19は真空ポンプ又は別の吸引供給源のような減圧供給源23に流体接続される。分配マニホルド15は患者の組織部位31に対し配置され、減圧供給源23によって提供される減圧を分配するのに用いられる。一般的に、分配マニホルド15と組織部位31との上に不透過性又は半透過性カバー25を配置することによって、減圧は組織部位で維持される。減圧は更に、組織部位31から創傷滲出物及び他の流体を引き出すのに供される。キャニスタ27は減圧導管19に流体接続されてもよく、創傷包帯剤15と減圧供給源23との間に配置されて、組織部位31から引き出される流体を収集するようにしてもよい。分配アダプタ35は減圧導管19に接続されてもよく、分配マニホルド15に配置されて、分配マニホルド15に対して減圧を分配するのを補助するようにしてもよい。
【0015】
図2及び3によると、分配マニホルド15は組織部位31での組織の成長を促進し、分配マニホルド15内への新しい組織の内殖を防ぐのに特に好適である。分配マニホルド15は組織接触面43を有するバッキング基板41を具える。組織接触面43は好ましくはバッキング基板41から延在する複数の突起又は突起部51を具える。図3に特に示されるように、突起部51は形状においては実質上円柱状である。代替的に、突起部51の断面形状は正方形、矩形、三角形、多角形、楕円形又はその他の形状にしてもよい。突起部51はテーパリングしてもよく、又は至る所で一様の断面領域にしてもよい。
【0016】
特に図3によると、突起部51の高さHは好ましくは約0.1ないし5.0ミリメートルの間であり、より好ましくは約2ミリメートルである。各突起部の幅Wは約0.1ないし2.0ミリメートルの間であり、より好ましくは約0.25ないし0.5ミリメートルである。図3に例示される突起部51の幅は各突起部51の断面形状が円形であるため、直径に等しい。突起部51が断面形状において正方形である場合、突起部51の幅は正方形の辺の長さである。他の断面形状については、幅は断面の重心Cを通る最長の横方向の距離と、断面の重心Cを通る最短の横方向の距離との平均である。各突起部51間の横方向の中心から中心までの間隔Eは好ましくは、約0.1ないし1.0ミリメートルであり、より好ましくは約0.5ミリメートルである。突起部51の間隔は減圧を組織部位31に伝えることができ、かつ、滲出物を組織部位31から引き出すことができる分配チャネル61を形成する。突起部51の高さは突起部51の幅よりも大きいことが一般的には好ましい。特に、幅に対する高さの比率H:Wは約1:1より大きく、より好ましくは約2:1より大きくすべきである。
【0017】
突起部51の形状、大きさ、及び間隔は、治療中の特定の組織部位31と、突起部51及びバッキング基板41が生成される材料のタイプと、組織部位15に印加中の減圧の量に依存して変えることができる。例えば、非常に滲出している組織部位については、突起部51間に十分な分配チャネル61を維持するために突起部を遠くに離して配置することが有利であろう。本発明の一態様においては、突起部51の形状、大きさ、及び間隔は特定の分配マニホルド15については一様である。別の様態においては、突起部51の形状、大きさ、及び間隔は変えてもよい。例えば、異なる断面形状を有する突起部51はバッキング基板41上に配置されてもよい。同様に、突起部51の大きさ及び間隔は、より多くの又はより少ない減圧を組織部位31の選択した部位に供給するために変えてもよい。
【0018】
突起部51の存在及び大きさによって、突起部51は組織部位31へ減圧を分配するのを可能にし、組織部位31で成長する新しい組織が、分配マニホルド15の突起部51へ付着するのを防ぐ。減圧を組織部位へ伝えるように一般的に用いられるポア又はセルを除去することによって、新しい組織はポア又はセルを形成する壁の周りを包むことができない。新しい組織の成長は突起部51の領域内で成長し、突起部51のいくつかの周りを更に包みうるが、各突起部のベース部がバッキング基板41に固定されるため、新しい組織は突起部51へ組織自体を固定できない。
【0019】
組織部位31へ減圧を分配するのに加えて、分配マニホルド15は更に組織部位31へ、従来減圧システムで用いられてきた気泡質発泡体で見られるのと同様の応力及び歪みを与えるのに供される。減圧システムにおいて時折用いられるガーゼのような他の材料は、組織にこの効果をもたらさない。分配マニホルド15により生成される応力及び歪みは、現存の組織の微小変形を生じさせ、組織部位での新しい組織の生成において重大な役割を果たすと考えられる。組織部位に対し障害のある応力及び歪みの量は、組織部位へ供給される減圧の量と組織部位に接触するマニホルドの表面形態によって決定される。減圧が印加されると、組織部位の一部分が分配マニホルド15に対向して、特に突起部51に対向して引っ張られ、組織内に応力及び歪みの発生を生ずる。気泡質発泡体のポアと同様の規模の突起部51の大きさは、発泡体の使用で見られるのと同様の応力及び歪みの発生の一因であると考えられる。
【0020】
一様態においては、バッキング基板41は突起部51と同一の材料から形成される。好ましくはその材料は、流体流動に対し比較的不透過性であるシリコン又は別のメディカルグレード材料である。代替的に、その材料は選択された流体又は流体の量を通すことができる半透過性材料にしてもよい。バッキング基板41は、突起部51の逆側のバッキング基板41の表面から、突起部51が延在する組織接触面43までの分配を可能にする複数の開口部71を具えることができる。開口部71の存在はポアと同様に組織の内殖に影響をもたらしうるため、バッキング基板41及び突起部51はいずれかの新しい組織が開口部71内へ発達する前に組織部位31から除去すべきであることは重要である。実際に、このことは組織の成長の概算速度を知ることによって、突起部51の高さによって、及び新しい組織の成長が開口部71に到達するのに要求されうる時間の量を決めることによって得られうる。
【0021】
分配マニホルド15は最初にバッキング基板41と複数の突起部51とを具えると記載したが、分配マニホルド15は、突起部51と逆側のバッキング基板41の表面に隣接して又は付着して配置される気泡質発泡体又は別の材料を更に具えてもよい。気泡質発泡体又は他の材料の使用は、バッキング基板41へ減圧を伝達及び分配するために、減圧導管19又は分配アダプタ35の能力を増加させる。突起部51及びバッキング基板41は、気泡質発泡体又は他の材料のポアに入る新しい組織の成長に対する障壁として供される。
【0022】
図4及び5によると、本発明の別の様態による分配マニホルド115が例示される。分配マニホルド15の突起部のような複数の突起部の代わりに、分配マニホルド115はバッキング基板141に形成され、さもなくば配置される複数の柱状のボイド151を具える。柱状(columnar)という用語は、ボイドの形状が前述したように突起部51に対していかなる形状にもなりうるため、特定の断面形状を示すことを意味しない。むしろ、柱状という用語は一般的に幅よりも長さの大きいボイドのことである。ボイド151自体は組織部位と逆側の分配チャネル161の末端部で主チャネルによって連結されうる複数の分配チャネル161を形成する。代替的に、分配チャネル161は単に、バッキング基板141を完全に通過する開口部であってもよい。
【0023】
ボイド151の形状及び大きさは、マニホルド15の突起部51と同様であってもよい。前述したように、気泡質発泡体、分配アダプタ、又は他のマニホルドデバイスは組織部位へ減圧を伝えるために分配チャネル161と流体接続で配置できる。
【0024】
[突起部を有する例示的な分配マニホルド]
図6及び7によると、試験され、かつ気泡質発泡体と同様の成長誘発速度を証明した1の特定の分配マニホルド215は、50.8ミリメートル(2インチ)の直径のバッキング基板241を利用する。バッキング基板は断面形状においては一般的に円形であり、かつ、突起部がバッキング基板241と接触するベース部から内側にテーパリングされた複数の突起部251を具える。複数の開口部271はバッキング基板241に提供されて、突起部251間の分配チャネル261で流体接続を可能にする。開口部271は突起部251の行及び列の間に配置される行及び列に配列される。このパターンにおける開口部271の配置は、1の開口部271が矩形パターンに配置される各4の隣接する突起部251間の中央に置かれて生じる(図6を参照)。
【0025】
突起部215の大きさは、50.8ミリメートル(2インチ)の直径のバッキング基板241上に、約7500の突起部が存在する程度である。ベース部での各突起部の幅は約0.5mmであり、各突起部の高さは約1.5mmであり、突起部間の横方向の中心から中心までの間隔は約0.75mmである。突起部の幅に対する高さの比率は約3:1であり、幅に対する間隔の比率は約1.5:1である。各突起部51のテーパリングは突起部51の長軸からの約5度の抜け勾配であり、分配マニホルド215を成形するのを補助する。
【0026】
分配マニホルド215は予期される組織の成長の速度と、分配マニホルド215の交換間の所望の使用期間とに基づいて作られた。約125mmHgの減圧について、1ないし2ミリメートルの組織の成長は48時間の期間以上で予期される。48時間ごとに分配マニホルド215を交換することが所望されるため、約1.5mmの突起部の高さによって、突起部251間の間隔の大多数が、包帯剤の交換間に新しい組織の成長で満たされるのを可能にし、組織が分配マニホルド251に付着するのを防ぐ。
【0027】
特に図7によると、顕微鏡を通して撮影された、分配マニホルド215の図示された写真の複製が提供される。写真はバッキング基板241から延在する突起部251を示して、分配マニホルド215の上面図を例示する。更に例示されるのは突起部251に配列される開口部271である。
【0028】
[ボイドを有する例示的な分配マニホルド]
図8によると、バッキング基板341中に配列された複数の柱状のボイド351を有する、例示的な分配マニホルド315の図示された写真の複製が提供される。バッキング基板341は約1.5mmの厚さであり、各ボイド351の幅(直径)は約0.35mmである。ボイド351はバッキング基板341を通って延在するため、各ボイド351の高さは約1.5mmである。ボイド351間の横方向の中心から中心までの間隔は約0.75mmである。ボイドの幅に対する高さの比率は約4.3:1であり、幅に対する間隔の比率は約2.1:1である。
【0029】
有意な利点を有する発明が提供されたことは、前述のことから明白であるとすべきである。本発明はその形態のいくつかだけで示されたが、限定されるものではなく、その精神を離れることなく様々な変更及び変形が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位に減圧を伝えるための減圧治療システムであって、
第1の側面及び第2の側面を有するバッキング基板と当該バッキング基板の前記第1の側面に配置された複数の突起部とを含み、前記突起部の各々が幅及び高さを含むサイズを有し、前記高さが前記幅よりも大きく、前記幅が0.1ないし2.0ミリメートルの間であり、前記バッキング基板が前記第1の側面と当該第1の側面の逆側の前記第2の側面との間で流体接続を可能にするように形成される複数の開口部を有する、分配マニホルドと、
前記開口部を通って、前記突起部間で、及び前記組織部位に対して前記減圧を伝えるべく前記バッキング基板の開口部に流体接続される減圧供給源と、を具え、
前記分配マニホルドに対する新しい成長組織の付着を前記突起部が防ぐのを補助するように、前記突起部のサイズが予期される組織の成長の速度に基づいて決定されていることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項2】
請求項1に記載の減圧治療システムにおいて、前記突起部が実質上円形の断面形状を有することを特徴とする減圧治療システム。
【請求項3】
請求項1に記載の減圧治療システムにおいて、前記突起部が実質上多角形の断面形状を有することを特徴とする減圧治療システム。
【請求項4】
請求項1に記載の減圧治療システムにおいて、前記突起部の横方向の中心から中心までの間隔が0.1ないし0.5ミリメートルの間であることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項5】
請求項1に記載の減圧治療システムにおいて、前記突起部の直径に対する高さの比率が2:1であることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項6】
請求項1に記載の減圧治療システムにおいて、前記突起部がメディカルグレードシリコンから生成されることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項7】
組織部位に減圧を伝えるための減圧治療システムであって、
バッキング基板と当該バッキング基板の一方の側面に配置された複数の柱状のボイドとを含み、前記柱状のボイドの各々が実質上多角形の断面形状を有し、かつ、幅及び高さを含むサイズを有し、前記高さが前記幅よりも大きく、前記幅が0.1ないし2.0ミリメートルの間であり、前記バッキング基板が、当該バッキング基板を貫通して流体接続を可能にするように形成される複数の開口部を有する、分配マニホルドと、を具え、
前記分配マニホルドに対する新しい成長組織の付着を前記柱状のボイドが防ぐのを補助するように、前記柱状のボイドのサイズが予期される組織の成長の速度に基づいて決定されていることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項8】
請求項7に記載の減圧治療システムにおいて、前記柱状のボイドが末端部で主チャネルに連結される複数の分配チャネルを形成し、かつ、減圧供給源が前記組織部位に対して前記減圧を伝えるべく、前記バッキング基板の前記分配チャネルに流体接続されることを特徴とする減圧治療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−81793(P2013−81793A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−268797(P2012−268797)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2010−507705(P2010−507705)の分割
【原出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】