説明

柱状等の殻装コンクリート製品の製造方法及び装置

【課題】合成樹脂や金属、その他の殻体を外装した柱状等のコンクリート製品を、高品質で低コストに製造することができる製造方法及び製造装置を提供すること。
【解決手段】殻体1の複数を横置きにセット手段Aにセットして、セット手段Aを立ち上がらせると、固定手段Bにより固定して置いて、打設手段Cで殻体1内へコンクリートの打設を行い、柱状等の殻装コンクリート43を成形する。そして、コンクリートが硬化すると、セット手段Aを倒して製品43を離脱すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殻体を外装した柱状等のコンクリート製品の量産に適した製造方法及製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
殻体を外装した柱状等のコンクリート製品を製造する手段は、特許その他の文献にも開示されていない。
【0003】
そこで、この製品を製造する場合は、殻体の必要数を支持する架設足場を組んで、横置きにされている殻体へワイヤを巻き着け、ワイヤをクレーンで巻き上げて殻体を架設足場へ起こし付け、正しい直立状態に姿勢修正をする。そして、金具・ワイヤ・ロープ等で殻体を架設足場へ固定する作業を一本ずつ行い、総ての殻体が架設足場へ固定されると、殻体内へコンクリートの打設を行なって殻装コンクリート製品を形成し、コンクリートが硬化するのを待って、殻体へワイヤを巻き着け、架設足場への固定を解いてワイヤをクレーンで繰り出して殻体を倒す作業も一本ずつ行っている。
【0004】
このため、殻装製品の製造には多くの労力と時間を要して製品コストが高く付き、足場上で不安定な殻体を扱う作業であるため危険度が高くて、しかも、殻体にワイヤを巻き着けての殻体の起倒は殻体がワイヤでこすられるだけでなく、殻体の落下も生じ易いため、製品に品位が低くて、不良品を生じ易い問題点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点を解消し、殻体の複数をセット手段にセットして、セット手段で起倒させることにより、複数の殻体を表面の損傷が起きないように同時に起倒させて、柱状等の殻装コンクリート製品を、高品質で低コストに製造することができる製造方法及び製造装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る柱状等の殻装コンクリートの製造方法及び装置は、下記の構成を採用することを特徴とする。
(1)筒状をなす殻体内へコンクリートを打設して柱状等の殻装コンクリート製品を製造する方法であって、上記殻体の複数を横に並べて、各々の基部を定支点を中心として起伏する受体に支持させ、基部より上側を横架材に取り付けた把持具に支持させて、横架材を上または下へ動かすと各殻体が同時に起倒されるようにセットする殻体のセット工程と
、セットされた横架材を引き上げて、各殻体を上部の開口が上方へ向くように立ち上がらせ、縦保持枠に取り付けた把持具で把持させ、立ち上がり状態で固定する殻体の保持工程と、立ち上り状態で固定された殻体の内部へ供給手段によりコンクリートを打ち込んで殻装製品を成形するコンクリートの打設工程と、打設されたコンクリートが硬化すると、把持具を開いて縦保持枠による殻体の保持を解き、横架材を下げ降すことにより殻体を横に倒し、把持具と受体による殻体の支持を解いて製品を離脱する製品の離脱工程とを備えること。
【0007】
(2)筒状をなす殻体内へコンクリートを打設して柱状等の殻装コンクリート製品を製造する装置であって、横に並べた複数の殻体の基部を着脱可能に支持して、横支点軸を中心とした回動で起伏するようにした受体と、複数の殻体の基部より上側を把持させる把持具を横並べに取り付けるとともに、操作手段を連係させてこの手段で上げ下げ作動させると、殻体の複数を連動して起倒させる横架材とで構成される殻体のセット手段と、セット手段にセットした殻体が横架材の上動により立ち上げられると、縦保持枠に適当な配分で取り付けた複数の把持具により殻体を把持させて、殻体を開口が上を向くように縦枠体に固定する殻体の固定手段と、固定手段に保持された殻体の内へ投入口よりコンクリートを打ち込んで殻装コンクリートを形成させるコンクリートの打設手段とを備えさせたこと。
【0008】
(3)殻体のセット手段における受体及び横架材に取り付けた殻体の把持具と、固定手段における縦枠体に取り付けた殻体の把持具との、殻体表面へ接触する部分に軟質のクッション材を装着してあること。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の効果 セット手段に複数の殻体をセットすると、複数の殻体がセット手段の操作により同時に立ち上げられて殻体の固定手段へ固定され、これに伴い殻体内へコンクリートを打設して、硬化後にセット手段により殻体を倒して、セット手段から製品を離脱するようにすれば、複数の殻体の同時セットで作業能率が著しく増進されて、しかも、作業中に殻体へ他物が触れることがないため、殻体表面が傷付き易い場合であっても製品不良を生ずることがなくて、高品位な製品の能率的な生産が可能となり製品のコストの削減にも寄与する。
【0010】
請求項2の効果 殻体の基部を受体に支持させて、基部より上側を横架材に取り付けた把持具に把持させて、横架材を上げると複数の殻体を同時に立ち上がらせて固定手段により固定することができ、殻体へコンクリートを打設した後に、固定手段により殻体の固定を解いて横架材を下げれば、複数の殻体を同時に倒して受体と把持具を開くことにより製品の離脱ができるので、セット及びセット解除の作業性に優れて、この間に殻体が他物に接触して傷付けられることがない製造方法の実施ができる。
【0011】
請求項3の効果 受体、横架材、縦保持枠に設けた殻体の把持具が、殻体の表面へ触れる部分に軟質のクッション材が取り付けられているから、傷付き易い表面の殻体を把持させても表面が損なわれることがなく、また、殻体の形状寸法にバラツキがあっても、これを吸収して確実で安定した殻体の把持を行なわれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明に係る柱状の殻装コンクリート製品製造装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1及び図2は、柱状等の殻装コンクリート製品の製造装置の全体を示す。これらの図において符号Aは殻体1のセット手段を示す。このセット手段Aは、複数の殻体1の基部を個々に支持して定支点を中心に起伏する複数の受体2と、殻体1の複数全部の中間部を支持して同時に上げ下げ操作する横架材3とで構成されるものであって、図においては左右の2組を設けた例を示すが、製造数に応じて片側の1組だけとしたり、3組以上に増したりする。
【0014】
セット手段Aにおける受体2は、前後一対のベース材4の上へ殻体1の配置間隔に合わせて支持具5を取付け、この支持具5の上側へ横支点軸6により下端部を回動自在に取付ける。そして、上部には図3のように左右に2分割した把持具7、7を、受体2に付設した支持片8、8へ取付部7a、7aを軸9により枢着して開閉可能に取り付ける。
【0015】
従って、受体2は、図8(a)(b)に示すように横へ倒した時、上側に位置する把持具7を、図8(a)に示す通り上方へ開いて、殻体1の基部の受け入れ及び取り出しができるようにする。そして、殻体1の基部を把持させる時は、図8(b)に示す通り開いていた把持具7を閉じ、この把持具7に設けた端板10へ形成される切欠10aへ、他方の把持具7に設けた取付体11へ頭部12aを軸13着したねじ12を係合させ、このねじ13に螺合してあるナット14の締め込みを行なうと、把持具7、7が殻体1の基部を挟んで基部の確実な把持を行なう。このように把持具7、7で殻体1の基部を把持させる時、把持具が硬質であると殻体1の表面が傷付けられ易いので、把持具7、7の殻体1の表面へ触れる部分には、図4に示す通り軟質のクッション材15を付設する。
【0016】
セット手段Aの横架材3は、殻体1の同時に起伏させる数を支持し得る長さに形成されるものであり、後記縦保持枠へ対応する面に、殻体1の外周面の一部分を受ける枕体16を、図5に示す通り殻体1の配置間隔に合わせて取り付ける。そして、これら枕体16の両側には、殻体1の周面に適合する円弧をなす一対の把持具17、17を、真っ直ぐな基部をヒンジ18、18で横架材3へ取り付けて開閉自在とし、把持具17、17の殻体1の表面へ触れる部分には、軟質なクッション材15を付設する。また、横架材3はその上面の複数箇所に操作手段の索19を止める止部材20が設けられる。
【0017】
前記把持具17、17は、一方の把持具17の先端側にナット21を螺合させたねじ22の頭部22aを軸23で取付体24へ取り付け、他方の先端側には端板25を設けて、この端板25に前記ねじ22を係合させる切欠26を設け、把持具17、17を閉じて、一方に設けた端板25の切欠26へ他方の取付体24に支持されるねじ22を係合させて
、ナット21の締め込みを行なうと、把持具17、17が殻体1の中間部を挟んでこの部分の確実な把持を行なうようにする。また、ナット21を緩めて切欠26からねじ22を外すと、把持具17、17を図5に鎖線で示すように開かせて、把持具17、17による殻体1の把持を解くものである。
【0018】
また、前記横架材3の止部材20に端を止めた操作手段としての索19は、図面には示してない巻取機(図面省略)により巻取り、巻き戻しを行なうものである。従って、索19は後記縦保持枠に支持される滑車27を経て巻取機へ導き、巻取機に索19を巻き取らせると横架材3が引き上げられて、支持する殻体1を受体2の横支点軸5を中心として回動させ、殻体1を図13に示す通り開口が上へ向くように立ち上がらせる。しかし、殻体1が立ち上がった状態で操作索18を巻き戻すと、横架材3は下げ降されて、殻体1を横支点軸5を中心として反対方向へ回動させ、図12に示す通りに倒れて横架材3が地面上等へ触れると止って殻体1を横置きにする。
【0019】
尚、横架材3の引き上げと下げ降しによって殻体1を起したり倒したりする操作は、現場にクレーンを備えている場合は、横架材3に取付けた止部材20へ図面には示してないクレーンの揚降索を連結して、クレーンで揚降索を上げ下げし、横架材3の吊り上げ及び吊り降しを行なっても、上記同様に殻体1を起こしたり、倒したりする操作を行なうことができる。
【0020】
図1、図2において符号Bは、開口が上を向くように立ち上げられた殻体1を、この状態で固定する固定手段であり、この固定手段Bは、前記ベース4の両端に接合配置した水平脚28、28の上方に、一対の縦保持枠29、29を直立させて、各々を筋違材30で支えさせるとともに、両縦保持枠29、29の間には作業用の足場板31を複数段設ける。そして、両縦保持枠29、29の表側には、複数の殻体1の配置間隔に合わせた一対の取付縦材32、32を固定し、これら取付縦材32、32には、固定側と可動側とよりなる複数の把持具33、33の複数を殻体1の配列に合わせて取り付け、把持具33、33の殻体1へ接触する部分には軟質のクッション材15を付設してある。
【0021】
上記把持具33の固定側33は、両端を図11に示す通り取付縦材32、32へ取り付け、可動側33は、一端をヒンジ34により固定側の把持具33へ取り付け、他端には取付体35を設けて、この取付体35へ頭部36aに通した軸37でねじ36を取り付けてナット38を螺合して置き、固定側の把持具33には端板39を設けて、この端板39へー上記ねじ36を係合させる切欠40を設けてある。
【0022】
従って、把持具33、33は、常時はその可動側の把持具33を図9に鎖線で示す通りに開いて置いて殻体1が受け入れられるようにし、殻体1を把持させる時は、図9に実線で示す通りに可動側の把持具33を閉じて、取付体35に支持されるねじ36を固定側の把持具33に設けた端板39の切欠40へ係合させ、ナット38の締め込みを行なうと、固定側と可動側の把持具33、33は、殻体1を挟み付けて殻体1の確実な把持を行なう。
【0023】
図13、図14において符号Cは、立ち上がった状態で固定された殻体1へコンクリートの打設を行なうコンクリートの打設手段を示す。この打設手段Cは、通常はホッパー41を用いて、その吐出口42を殻体1内へ挿入し、ホッパー41へ投入されたコンクリートを吐出口42より殻体1内へ流入させて殻体1に充填し、殻体1で外装された図15に示すコンクリート製品43を製造するものであって、コンクリートの打ち込みは、常に吐出口42の下端と打ち込みコンクリート面とが、工事の施行要領で定める打ち込み高さHを保つように規定する。従って、ホッパー41の吐出口42には、図14に示す通り打ち込み初期に上記打ち込み高さが得られるように延長筒44を連結して、コンクリートの打ち込みに伴うコンクリート面の上昇に応じて、ホッパー41を矢印のように引き上げ、常に規定の打ち込み高さHを保持したコンクリートの打ち込みが行われるようにする。
【0024】
コンクリートの打設手段Cは、上記のホッパー41に限定されるものではなく、図面には示してないが、ポンプでコンクリートを圧送されるホースを殻体1へ挿入して、このホースをコンクリートの打ち込に伴い引き上げて、規定の打ち込み高さHを保持しながら打設する打設手段や、その他の同一目的が達成される手段を適宜に採用し得ることは勿論である。
【0025】
上記製造装置で製造される殻装コンクリート製品43は、強度のある殻体1を用いてこれだけで必要強度の製品を得る場合もある。しかし、殻体1は化粧目的で強度が得られない場合もあるので、この場合は、図15(b)に示す通り殻体1が円筒であれば、これに合わせた多数のリング筋44を数本の縦筋45へ接合した補強鉄を殻体1内へ挿入して、コンクリートを打設することにより要求の強度を満たす製品43が得られるようにする。
【0026】
尚、上記した把持具7,7と、把持具17,17と、把持具33,33は、何れもねじ12、22、36にナット14、ナット21、ナット38を螺合させて置いて、これらナット14、ナット21、ナット38を締め込むことで、把持具7,7、把持具17,17、把持具33,33による殻体1の把持を行なわせている。しかし、この把持には、図16,に把持具33,33への使用例を示す通り、固定側の把持具33に設けた取付体35へ軸46でレバー47を有する回動駒48を取り付け、この回動駒48の下側に掛枠49の基部を軸50で回動自在に取り付け、固定側の把持具33には掛枠49を受ける受体51を設けたファスナークランプと呼ばれる把持機構を採用することもできるものであって、この機構では、レバー47を図16の位置へ回動させると、回動駒48の回動で掛枠49が受体51の上側へ移動するため、掛体49が受体51へ掛けるようになるので、この状態でレバー47を図17に示す位置へ回動させると、掛枠49が受体51を引き下げて把持具33、33により殻体1を把持させるため、前記ねじ式の把持機構よりも殻体1の把持及び解除を速かに行い得る。
【0027】
上記実施形態に示す柱状の殻装コンクリート製品の製造装置は、殻体1の基部を支持する各受体2を、図8(a)(b)で示すように横に倒して、その上部に取り付けた一対の把持具7、7の上側のものを図8(a)のように上側へ展開させ、一対の横架材3をそれぞれ地面等へ降ろして、これに取り付けた殻体1の把持具17、17を開かせて置く。そして、殻体1をその基部が受体2に設けた下側の把持具7へ乗り、中間部分が横架材3に取り付けた枕材15へ乗るように各受体2と横架材3へ殻体1を供給する。
【0028】
殻体1の供給が終わると、受体2の上側の把持具7を図8(b)に示す通り閉じて、両把持具7、7の端板11に設けた切欠10aにねじ12を係合させて、ナット14の締め込みを行なえば、上下の把持具7、7が殻体1の基部を確実に把持する。次いで、横架材3に取り付けた各把持具17、17を閉じて、一方の把持具17の取付体24へ取り付けたねじ22を、他方の把持具の端板25に設けた切欠26へ係合させて、ナット21の締め込みを行うと、把持具17、17は殻体1の中間部を挟み付けて、この部分を確実に把時するので、殻体1は引き起こし可能な状態にセットされる。
【0029】
殻体1が引き起こし可能にセットされたら、図面には示してない巻取機で操作手段としての索19を巻き取ると、横架材3が引き上げられるため、殻体1の基部を支持する各受体2が横支点軸5を中心とする回動を行って、各殻体1を図12に示す通り立ち上がらせ、やがて、開口が上を向く状態にする。この状態で各殻体1の後周面は縦保持枠29,29に取り付けた固定側の把持具33へ納まるから、開いていた可動側の把持具33を閉じ、その端板39に設けた切欠40へ固定側の把持具33の取付体33へ取り付けたねじ36を係合させて、ナット38の締め込みを行なうと、把持具33、33は、各殻体1の複数箇所を挟み付けて、これらの部分を確実に把時して所要数の殻体1を同時にコンクリートの打設ができる状態にセットする。
【0030】
殻体1がコンクリートを打設できる状態に保持されたら、各殻体1の上へ同数の打設手段としてのホッパー41を配置するか、個々の殻体1の上へ順次にホッパー41を配置するかして、投入口42から殻体1へコンクリートを流し込むと、コンクリートは殻体1内に充満して、外部に殻体1が装着された柱状等の殻装コンクリート製品43を成形する。この成形に際しては、ホッパー41をコンクリートの打ち込みに伴い、順次に引き上げて規定の打ち込み高さHを確保しながらコンクリートの打設を行うようにする。
【0031】
殻装コンクリート製品43が成形されたら、コンクリートが硬化するのを待って、縦保持枠体29、29に取り付けた把持具33、33の可動側を開き、製品43を倒せるようにする。そして、横架材3の止部材20に連結した操作手段としての索19を巻き戻すと、横架材3が下げ降ろされるため、殻体1の基部を支持する受体2は横支点軸5を中心に上記とは反対方向へ回動して、製品43を倒れさせて横架材3が地面等へ当った位置で停止させる。
【0032】
製品43が横に倒れたら、殻体1の基部を把時する把持具7、7の上側の把持具7を上方へ展開させ、中間部を把持する把持具17,17を両側へ開かせると、製品43は上方へ引き上げ可能となるので、この状態においてクレーン等の引上手段(図面省略)を用いて製品43を引き上げて取り出せば、柱状の殻装コンクリート製品43を安全に能率よく製造できて、しかも、製品43は表面を損なわれないため品位が高くて、総ての製造工程の均一化により品質のむらも殆ど生じないものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
柱状等の殻装コンクリート製品の高品位で製品むらの少ないように安価に製造するのに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】柱状等の殻装コンクリートの製造装置を示す側面図。
【図2】同上の正面図。
【図3】同上製造装置における殻体の基部を支持する受体の側面図。
【図4】図3のA−A線における断面図。
【図5】同上の横架材を示す平面図。
【図6】横架材に設けた殻体の把持具を示す正面図。
【図7】同上の一部を破断した平面図。
【図8】(a)(b)は受体と横架材へ殻体をセットする前と、セット後とを示す説明図。
【図9】殻体を固定する保持枠体の平面図。
【図10】保持枠体に取り付けた殻体の把持具の正面図。
【図11】同上の横断面図。
【図12】殻体の立ち上がらせる状態を示す説明図。
【図13】殻体を立上らせて固定し、コンクリートを打設する状態を示す説明図。
【図14】ホッパーの投入口へ延長筒を連結してコンクリートの打設を行な状態の説明図。
【図15】(a)(b)は、柱状等の殻装コンクリート製品の縦断面図及び横断面図。
【図16】ファスナークリップ機構で殻体を把持しようとする状態の横断面図。
【図17】ファスナークリップ機構で殻体を把持した状態の横断面図。
【符号の説明】
【0035】
A 殻体のセット手段
1 殻体
2 受体
3 横架材
6 横支点軸
7、7 把持具
17、17 把持具
B 型枠の固定手段
29 縦保持枠
33、33 把持具
C コンクリートの打設手段
42 吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状をなす殻体内へコンクリートを打設して柱状等の殻装コンクリート製品を製造する
方法であって、
上記殻体の複数を横に並べて、各々の基部を定支点を中心として起伏する受体に支持させ、基部より上側を横架材に取り付けた把持具に支持させて、横架材を上または下へ動かすと各殻体が同時に起倒されるようにセットする殻体のセット工程と、
セットされた横架材を引き上げて、各殻体を上部の開口が上方へ向くように立ち上がらせ、縦保持枠に取り付けた把持具で把持させ、立ち上がり状態で固定する殻体の保持工程と、
立ち上り状態で固定された殻体の内部へ供給手段によりコンクリートを打ち込んで殻装製品を成形するコンクリートの打設工程と、
打設されたコンクリートが硬化すると、把持具を開いて縦保持枠による殻体の保持を解き、横架材を下げ降すことにより殻体を横に倒し、把持具と受体による殻体の支持を解いて製品を離脱する製品の離脱工程とを備える
ことを特徴とする柱状等の殻装コンクリート製品の製造方法。
【請求項2】
筒状をなす殻体内へコンクリートを打設して柱状等の殻装コンクリート製品を製造する
装置であって、
横に並べた複数の殻体の基部を着脱可能に支持して、横支点軸を中心とした回動で起伏するようにした受体と、複数の殻体の基部より上側を把持させる把持具を横並べに取り付
けるとともに、操作手段を連係させてこの手段で上げ下げ作動させると、殻体の複数を連動して起倒させる横架材とで構成される殻体のセット手段と、
セット手段にセットした殻体が横架材の上動により立ち上げられると、縦保持枠に適当な配分で取り付けた複数の把持具により殻体を把持させて、殻体を開口が上を向くように縦枠体に固定する殻体の固定手段と、
固定手段に保持された殻体の内へ投入口よりコンクリートを打ち込んで殻装コンクリートを形成させるコンクリートの打設手段とを備えさせた
ことを特徴とする柱状等の殻装コンクリート製品の製造装置。
【請求項3】
殻体のセット手段における受体及び横架材に取り付けた殻体の把持具と、固定手段における縦枠体に取り付けた殻体の把持具との、殻体表面へ触れる部分に軟質のクッション材を装着してある
ことを特徴とする請求項2に記載の柱状等の殻装コンクリート製品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−56156(P2006−56156A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241037(P2004−241037)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000143765)株式会社佐藤工業所 (12)
【Fターム(参考)】