栄養補助食品および関連する方法
果実、野菜、ハーブ、及び場合によりビタミン、ミネラル、及び特殊成分の独特な組み合わせを含む組成物。当該組成物は、果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含み得、当該果実成分はザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、当該野菜成分はアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして当該ハーブ成分はバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つである。当該組成物は、植物化学物質及び他の栄養分の食事性欠乏症を改善するために、抗酸化性栄養分の血漿濃度を改善するために、並びにDNA修復及び安定性の遺伝的機構の活性を増大させるために、対象へ投与され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年8月11日に出願された、米国特許出願第10/915,784号の一部継続出願であり、そしてそれは、2002年5月7日に出願された、米国特許出願第10/360,789号(現在、米国特許第6,989,161号)の一部継続出願であり、そしてそれは、2001年6月12日に出願された、米国特許出願第09/878,377号(現在、米国特許第6,511,675号)の一部継続出願であり、そしてそれは、2000年6月12日に出願された、米国仮出願第60/210,746号の利益を主張し、そしてそれらの全ては参照により、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、植物化学物質、ビタミン、及びミネラルの不足を含む、食事性欠乏症を改善するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの人々が、健康的な食習慣、例えば、米国推奨栄養所要量(U.S.Recommended Dietary Allowances)に見合うだけの十分な量及び種類の食物を消費することを実践することができない。果実及び野菜の推奨される食事摂取量は周知であるという事実にもかかわらず、国立癌研究所の対象の22%のみが、推奨される一日の食物サービング(serving)数の果実及び野菜を消費している。例えば、California Daily Food Guide:Dietary Guidelines for Calif ornians ,California Department of Health Services(1990)は、ビタミンAが豊富である濃緑色又は暗橙色である1サービングの果実又は野菜を含み、そしてビタミンCが豊富な少なくとも1サービングの果実又は野菜を含む、少なくとも5〜9サービングの果物及び野菜を、各個人が一日あたりに消費することを推奨している。さらに、各個人は、一週間当たり、少なくとも3サービングの植物性タンパク質を、マメ科植物、ナッツ、又は種子の形態で消費すべきであることが十分に報告されている。数名の研究者は、一人前400グラム(13オンス)の果実及び野菜が、一日に消費されるべき最適量の理に適った目安であると示唆している。種類の観点において、個人は、少なくとも3個の異なる色の果実及び野菜を一日に食べるべきであることが推奨されている。
【0004】
十分な量及び種類の果実及び野菜を消費することの利益は多数存在する。例えば、果実及び野菜を消費することは、種々の変性疾患のリスクを減少させることが示されている。41,837人の更年期以降の女性におけるプロスペクティブ・コホート研究において、果実及び野菜の消費と肺癌リスクとの関連が調査された。研究者は、果実及び野菜の消費が一週間あたり24サービング以下から48サービング超へと増加したとき、肺癌のリスクが約半分になることを発見した。同様に、ホウレン草、及びパセリ源を含む、グリーン・リーフィー(green leafy)野菜の消費が1サービング以下から6サービング以上に増加したとき、肺癌のリスクがほぼ半減した。Steinmetz,K.et al.,“Vegetables,Fruit,and Lung Cancer in the Iowa Women’s Health Study,”Cancer Res.53:536−43 1993)。別の研究は、新鮮なトマト(リコピンの主要源)の摂取の増大が、全ての部位の消化管癌のための保護パターンに関連付けられた。
【0005】
果実及び野菜に加えて、ハーブはまた、健康上の利益を提供する。例えば、ハーブであるローズマリーは、抗酸化物質、例えばカルノゾール(carnosol)を含み、そしてそれは、コレステロール酸化に対する予防的役割を果たしうる。同様に、ハーブであるバジルは、その抗酸化活性が知られている。しかし、果実及び野菜のように、利益のあるハーブの食事摂取は不十分である。
【0006】
更なる研究は、典型的な米国における食事が植物化学物質を欠いていることを示した。植物化学物質とは、一般的に、植物由来の化合物のことであって、ビタミン及びミネラルとの併用で毎日摂取されるとき、心臓血管及び骨の健康の改善、抗酸化特性の改善、フリーラジカルによる損傷の改善、及び身体の自然防御系の全体的向上を提供する。
【0007】
典型的な食事、特に米国における食事は、不十分な量、及び種類の果実、野菜、及びハーブ、ならびに植物化学物質、及びこれらの物質中に存在する、関連する抗酸化物質を含む。典型的な食事は、同様に、果実及び植物に関連する、必須のビタミン及びミネラルが不足している。従来のマルチビタミンは、必要とされるビタミン及びミネラルを含む西洋的食事を補助し得るが、これらのマルチビタミンの多くは、身体中のフリーラジカルを標的とし、それによりサプリメントの抗酸化特性を改善する、植物化学物質を提供することができない。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、果実、野菜及びハーブの乾燥体、濃縮物、又は抽出物;並びに場合により、ビタミン、ミネラル、及び特殊成分の独特な組み合わせを含む、それらの物質の食事性欠乏を改善するための組成物を提供する。
【0009】
本発明の組成物は、十分な健康上の利益を提供する。例えば、一つの実施形態において、それは、栄養欠乏の食事をするヒトの健康を支援し得;抗酸化物質及び栄養特性を改善し;不十分な食事の結果としての血清中の栄養分及び植物化学物質のレベルを、特定の変性疾患状態のリスクの減少と関連するレベルへと補給し;正常な加齢過程、及び環境ストレスに対する暴露の結果として生じる、フリーラジカルによる損傷を最小化し;及び/又は最適な健康を示唆する特定のバイオマーカー、すなわち、ホモシステイン、脂質副生物、ミネラルの状態、及びグルタチオンペルオキシダーゼの状態を改善する。
【0010】
さらに具体的な実施形態において、本発明の組成物は、ヒトの抗酸化プロファイルを改善する、β−カロテン、α−リポ酸、セレン、及びビタミンC及びEを提供し得る。葉酸及びビタミンEのレベルの上昇は、心臓血管の健康を標的とし、かつ改善する。カルシウム、マグネシウム、及びビタミンDは、骨の健康を標的とし、かつ改善する。ビタミンBは、エネルギー代謝を改善する。本発明の組成物は、全てのビタミン及び大部分のミネラルにおける、100%の米国推奨栄養所要量を提供し得る。当該組成物はまた、多様な抗酸化特性を生じる、種々の植物化学物質を提供し得る。
【0011】
さらにより具体的な実施形態において、当該組成物は、果実、野菜、及びハーブ成分の組み合わせを含み得、ここで前記果実成分は、アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、シトラス・バイオフラボノイド、クランベリー、ブドウの皮、プラム、及びザクロから選択され;ここで前記植物成分は、アスパラガス、アルファルファ、アブラナ属、ケール、ルテイン、リコピン、及び、クレソンから選択され;そしてここで、前記ハーブ成分は、バジル、オレガノ、パセリ、セージ、及びローズマリーから選択される。これらの成分は濃縮され得、例えばそれらは、生の材料から抽出され得る。場合により、当該果実成分、植物成分及びハーブ成分は、重量比約3.5:1:1の比率で組成物中に存在し得る。特殊成分、例えばアルファ・リポ酸、及びイノシトールは、当該組成物へ添加され得る。
【0012】
さらに別の実施形態において、当該組成物は、シトラス・バイオフラボノイド及びザクロから成る群から選択される少なくとも一つの果実成分を、及び場合により、アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブドウの皮、プラム、及びラズベリーの少なくとも一つを;アスパラガス、ルテイン、リコピン、及び、クレソンから成る群から選択される少なくとも一つの野菜成分を、及び場合によりアルファルファ、アブラナ属、及びケールの少なくとも一つを;並びにバジル、オレガノ、及びローズマリーから成る群から選択される少なくとも一つのハーブ成分を、及び場合によりパセリ及びセージの少なくとも一つを含み得る。
【0013】
別の実施形態において、シトラス・バイオフラボノイド及びザクロから成る群から選択される少なくとも一つの果実成分を、及び場合により、アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブドウの皮、プラム、及びラズベリーの少なくとも一つを;アスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンから成る群から選択される少なくとも一つの野菜成分を、及び場合によりアルファルファ、アブラナ属、及びケールの少なくとも一つを;並びにバジル、オレガノ、及びローズマリーから成る群から選択される少なくとも一つのハーブ成分を、及び場合によりパセリ及びセージの少なくとも一つを含む組成物の有効量を投与することを含む、免疫系を向上させ、並びにヒトの身体におけるDNA損傷のリスクを処置及び/又は減少させるための方法を提供する。
【0014】
本発明のこれらの及び他の目的、利点及び特徴は、発明の詳細な説明、及び図を参照にすることによって、より容易に理解され、かつ認識されるだろう。先に記載された一般的記載及び以下の詳細な説明の両方は、例示であり、かつ説明のみのためのものであり、そしてそれは、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではないことが理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、当該組成物が有する、ビタミンCレベルにおける効果を示すグラフである。
【図2】図2は、当該組成物が有する、ベータカロテンレベルにおける効果を示すグラフである。
【図3】図3は、当該組成物が有する、ビタミンB6レベルにおける効果を示すグラフである。
【図4】図4は、当該組成物が有する、ビタミンB12レベルにおける効果を示すグラフである。
【図5】図5は、当該組成物が有する、葉酸レベルにおける効果を示すグラフである。
【図6】図6は、当該組成物が有する、ホモシステインレベルにおける効果を示すグラフである。
【図7】図7は、当該組成物の消費によって調節された、DNA又はクロマチンの維持又は修復に関連する遺伝子の数を示すグラフである。
【図8】図8A及び図8Bは、2−ヒドロキシブチレートの濃度減少によって示される、本発明の組成物を使用する処置を用いての、酸化ストレスの減少を示すダイアグラム(図8A)及びグラフ(図8B)である。
【図9】図9A及び図9Bは、5−オキソプロリンの濃度減少によって示される、本発明の組成物を使用する処置を用いての、酸化ストレスの減少を示すダイアグラム(図9A)及びグラフ(図9B)である。
【図10】図10は、処置後における、血漿のベータカロテン濃度における変化を示すグラフである。
【図11】図11は、処置後における、血漿の葉酸濃度における変化を示すグラフである。
【図12】図12は、処置後における、血漿のビタミンB6濃度における変化を示すグラフである。
【図13】図13は、処置後における、血漿のビタミンB12濃度における変化を示すグラフである。
【図14】図14は、処置後における、血漿のホモシステイン濃度における変化を示すグラフである。
【図15】図15は、処置後における、DNA損傷の変化を示すグラフである。
【図16】図16は、処置後における、DNA維持遺伝子と関連する遺伝子のベースライン発現活性における変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
I.総論
一般的に、本発明は、果実、野菜、及びハーブを含む組成物に関する。一つの実施形態において、当該組成物は、果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含み得、ここで前記果実成分は、シトラス・バイオフラボノイド及びザクロの少なくとも一つであり;前記野菜成分は、アスパラガス、ルテイン、リコピン、及び、クレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分は、バジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つである。当該組成物はまた、クロマチンの安定性に影響を与える既知の治療法と組み合され得、それにより、かかる治療法の有害な効果を限定する。
【0017】
以下の果実成分はまた、当該組成物中に存在し得る:アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブドウの皮、及びプラム。さらに、以下の野菜成分がまた、当該組成物中に存在し得る:アルファルファ、アブラナ属、及びケール。最後に、以下のハーブ成分がまた、当該組成物中に存在し得る:セージ及びパセリ。
【0018】
当該組成物は、本明細書において論じられた処置において相乗効果を有する。したがって、当該組成物の構成成分は、個別よりも一緒のほうがより効果的である。さらに、当該組成物は、クロマチンの安定性に関連する遺伝子、例えば図及び実施例中に説明された、クロマチン安定性に関連する遺伝子を調節し、そしてより具体的には、本明細書において説明されるように上方制御する。
【0019】
テロメアの維持に関連する遺伝子の例は、限定されないが、Ku、Cdc13タンパク質、触媒サブユニットEST2、及び3つの他の遺伝子、EST1、EST3、EST4/CDC13、MRE11、RAD50、XRS2(酵母)/NBS1、p53、hTERT、ATM、TRF2、TERFファミリーの遺伝子を含む。
【0020】
本発明の組成物は、クロマチン損傷の発生/リスクの処置又は減少のいずれかをなし得、したがって、DNA、及び関連するタンパク質構造(すなわちクロマチン)への損傷を同定し、かつ改善することに関連する遺伝子の発現を増大させることによって、ゲノム安定性を支援し得る。クロマチン損傷の発生/リスクの減少は、生物学的応答又は効果と相関する、任意の統計的に有意な減少を含む。これらの遺伝子は、限定されないが、塩基対ミスマッチの修復、二重鎖切断の修復、又は他の維持、修復、若しくは管理的役割を含む活性を調節する。大部分の損傷は、酸化、栄養不足、放射、又は毒素によって引き起こされる。内因性細胞過程、又は外因性損傷、例えば紫外線放射:塩基の酸化[例えば、8−オキソ−7,8−ジヒドログアニン(8−oxoG)]、及び反応性酸素種からのDNA鎖の障害の発生、塩基のアルキル化(通常、メチル化)、例えば7−メチルグアニン、1−メチルアデニン、O6−メチルグアニンの形成、塩基の加水分解、例えば脱アミノ化、脱プリン化、及び脱ピリミジン化、新たに形成されるDNA鎖中に誤ったDNA塩基が組み込まれる、又はDNA塩基が飛び越えて、若しくは誤って挿入される、DNA複製における誤りを原因とする塩基のミスマッチに起因する、DNAへの4つの主なタイプの損傷が存在する。ヒト細胞中において、4つの主要なDNA修復経路:ミスマッチ修復、ヌクレオチド除去修復(NER)、塩基除去修復(BER)、及び二本鎖切断(DSB)修復、が存在する。NER経路は主に、大きなDNA付加物を除去する。BER経路は、内部で、又は外因性物質から生じ得る酸化されたDNA塩基の除去に関与する。DSB経路は、イオン化放射、フリーラジカル、及びテロメアの機能障害を含む、種々の曝露によって引き起こされる、二本鎖切断の修復に関与する。かかる遺伝子の例は、限定されないが、ERCC、RAD2、RAD6、RAD7、RAD18、RAD23、RAD51、RAD54、CDC7、CDC8、CDC9、MAGl、PHRl、DINl、DDR48、RNRl、RNR2、RNR3、UB14、repB、repD、及びAPEを含む。これらの遺伝子は、上記の任意のタイプの損傷を調節し得る、本発明の組成物によって影響される。
【0021】
したがって当該組成物は、限定されないが、色素性乾皮症、コケーン症候群、硫黄欠乏性毛髪発育異常症、ウェルナー症候群、ブルーム症候群、及び毛細血管拡張性運動失調症を含む、DNA修復問題に関連する疾患を治療するために使用され得る。それらの全ては、DNAの不適切な修復に関連する。
【0022】
当該組成物はまた、ミトコンドリア機能特異的遺伝子の機能に作用する/機能を調節するために使用され得、かかる遺伝子の例は、以下の表8において提供される。これらの遺伝子は、一般的に4つのカテゴリーに分類される。第一に、ミトコンドリアの転写/翻訳に関する遺伝子であり、例えば限定されないが、ミトコンドリアの翻訳機構に関与するMTRF1L、タンパク質の伸張に関与するタンパク質であるGFM2、ミトコンドリアのリボソームタンパク質であるMRPL3、細胞質ゾルで合成されたミトコンドリアタンパク質の認識及び移行に関与する受容体複合体の中心的構成成分であって、そしてTOM22と共に、ミトコンドリアの外膜に存在する、輸送ペプチド受容体として機能し、そしてTOM40移行孔隙へのタンパク質の移動を容易にするTOM20、ヘム生合成に関与する、高率の酸化的リン酸化(OxPhos)によって特徴付けられる組織において主に見られるCOX15、DNAポリメラーゼガンマによって正確に複製されるmtDNAである、POLG2、並びに28Sリボソームタンパク質の一部であるMRPS10を含む。第二に、ミトコンドリアの構造のための遺伝子であり、かかる遺伝子の例は、限定されないが、ミトコンドリアの形態の維持のために重要であるDNMIL、ミトコンドリアの内膜の主要なオーガナイザーであり、そしてクリステの統合性に必要とされるOPA1、必須の膜透過GTPaseであり、ミトコンドリア融合を媒介するMFN1(MFN1は、細胞骨格とは独立して作用する)、ミトコンドリアの透過性の制御を提供するBNIP3、ミトコンドリア内膜への内在性膜タンパクの挿入のために必要であり、そしてチトクロムCの活性及び構築のために必須であり、そしてCOX2タンパク質のC末端部分のミトコンドリア内膜空間への移行及び輸送において重要な役割を果たすCOX18、並びに恐らく膜の分裂、及び環様構造を形成するためにオリゴマー形成する、GTPを加水分解する酵素を制御することによって、ミトコンドリア及びペルオキシソームの分割において機能し、及び膜を再構築することができるDNM1Lを含む。第三に、種々のミトコンドリアタンパク質であり、かかる遺伝子の例は、限定されないが、腫瘍サプレッサー遺伝子であるWWOX、タンパク質の折り畳みのためのPPIF、CoQの合成における最終段階に関与するCoQ9、10B、成長中の赤血球系細胞における鉄の摂取を特異的に媒介し、それによりヘムの生合成において必須の役割を果たす、ミトコンドリアの鉄輸送体であるSLC25A37、ミトコンドリアからシトソルへのヘムの輸送に関与するABCB7、並びにミトコンドリアのための輸送体である、SLC25A36を含む。第四に、ミトコンドリア酵素のための遺伝子であり、かかる遺伝子の例は、限定されないが、呼吸鎖の一部であるSDHD;ATP、NARS2、IARS2、EARS2、LARS2、HARS2の生成に重要であり、ASN、ILE及びGLN、LEU及びHISの各々のアミノ酸の産生に関与する酵素であるATPAF1、TCA回路のためのサクシニルCoAを提供する酵素であるHIBADH、脂肪酸のベータ酸化における段階の一つを触媒する酵素であるACADSB、タンパク質のユビキチン化(致命的な欠損)のために必要であるE3リガーゼであるMIB1、TCA回路のためのサクシニルCoAの生成のためのBCKDHB及びACAD8、酸化ストレスを保護するAAAプロテアーゼであるAFG3L2、mtDNAの統合性の生存期間維持のために、及びmtDNAコピー数を維持するために重要な、DNAヘリカーゼであるPE01、脂肪酸のベータ酸化に関与するHK2(ヘキソキナーゼ2)、及びHADHBを含む。
【0023】
当該組成物はまた、併用療法とするために、既知の治療法と組み合わされ得る。これは、既知の治療法が、DNAの安定性に影響を及ぼす既知の有害な副作用を有する、例えば化学療法剤及び放射性療法剤である場合に主に使用され得る。DNA修復及び安定性に負に影響を与える他の化合物が同様に使用され得る。
【0024】
本発明はまた、果実、野菜、及びハーブ、並びにかかる物質に存在する栄養分の、食物由来欠乏症を改善するための方法に関する。本発明の組成物はさらに、酸化剤、フリーラジカル、及び疾患に対する、身体の正常な防御を改善することが知られている植物化学物質、ビタミン、及びミネラルを含み得る。
【0025】
II.組成物及び製造方法
当該組成物は、著しい健康上の利益を提供する、果実、野菜、ハーブ及び他の成分の組み合わせを含み得る。以下の表は、組成物中に含まれ得る、代表的な一日量の好適な果実、野菜、ハーブ、ビタミン及びミネラルを示す。投与量及び方法は、所望の適用ごとに変化し得る。例えば用量Aは、本発明の目的のために好適である、各々の成分の用量の範囲を示す。用量Bは、特定の実施形態の用量を示す。表1〜5における単位「mg」は、記載された量が、例えば「JU」と記載されていない限り、一日用量あたり2錠で提供される、例えばミリグラムの数で与えられる。したがって、単一の錠剤あたりの特定成分の量を決定するために、各々の表に記載された量が半分にされなければならない。
【0026】
【表1】
【0027】
シトラス・バイオフラボノイドは、Access Business Group International LLC of Ada, Michiganから市販されている。この成分は、濃縮形態であり得、そして限定されないが、ナリンゲン(naringen)、ヘスペリジン、ナリルチン(narirutin)、ジオスミン、ルチン、タンゲレチン(tangeretin)、ジオスメチン、ネオヘスペリジン、ノビレチン、及びケルセチンを含み得る。
【0028】
【表2】
【0029】
ニュートライト(NUTRILITE)・クレソンは、Access Business Group International LLCから市販されている。アブラナ属及び/又はケールは、乾燥粉末形態であり得る。本明細書で使用されるアブラナ属成分は、ブラシカエ(Brassicae)科の植物由来の任意の物質、例えばブロッコリーを含み得る。当該組成物中で使用されるルテインエステルは、Cognis Nutrition & Health of Cincinnati,Ohioから、Xangold 10%ビードレット(beadlet)の名前で市販されている種類のものであり得る。当該組成物中で使用されるリコピンは、H.Reisman Corp.of Orange,New Jerseyから、Lycobeads5%の名前で市販されている種類のものであり得る。
【0030】
【表3】
【0031】
ニュートライト・パセリは、Access Business Group International LLCから市販されている。当該組成物はまた、上記の果実、野菜、ハーブ成分に加えて、成分を含み得る。例えば、本発明の組成物及び方法における使用に好適であるビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン/ナイアシンアミド、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン、ビタミンC、ビタミンD、及びビタミンEを含み得る。以下の表4は、好適なビタミン特性を含む。
【0032】
【表4】
【0033】
上記に列挙されたビタミンに加えて、本発明の組成物及び方法における使用のためのミネラルは、例えば、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、マグネシウム、マンガン、モリブデン、カリウム、セレン、バナジウム、及び亜鉛を含む。他のビタミン及びミネラルが同様に使用され得る。以下の表5は、本発明の組成物のために好適であるミネラルの特性を含む。
【0034】
【表5】
【0035】
表1〜3の成分、及び場合により表4〜5の成分と共に、本発明の組成物は、種々のビタミン及びミネラルに関する、推奨される一日必要量の大部分、及び多くの場合それを超えて提供し得る。以下の表6及び7は、上記一日量を用いたときにおける当該組成物の効能を、列挙されたビタミン及びミネラルの一日必要量のパーセンテージに関して示す。
【0036】
【表6】
【0037】
当該組成物中に使用され得るさらなる特殊成分は、例えば、メチルスルホニルエタン(MSM)、α−リポ酸(10mg/日)、カテキン、ポリフェノール、フラボノイド、リコピン、ルテイン、酵母、イノシトール、及びパラ−アミノ安息香酸(PABA)を含む。
【0038】
本発明の組成物は、各々の果実濃縮物、野菜濃縮物、ハーブ濃縮物、植物化学物質、ビタミン、ミネラル及び他の栄養分、並びにそれらの塩の、任意の医薬として許容される形態を使用して製剤化され得る。当該組成物は、錠剤、粉剤、ゲル、又は液体へと製剤化され得る(本発明の目的のための、及び本出願の開示を通じて使用される錠剤は、限定されないが、錠剤、カプレット、カプセル、粉剤などを含む、任意の形態の固体経口剤形のことである)。当該組成物は、例えば消費可能な液体、例えばミルク、ジュース、水と混合される粉剤として、又は、他の液体又は食品へと混合される消費可能なゲル若しくはシロップとして製剤化され得る。当該組成物はまた、他の食品又は液体と共に製剤化されて、前処理された組成食品、例えば一食分のバー(single−serving bar)を提供し得る。香味剤、結合剤、タンパク質、複合糖質などは、必要に応じて添加され得る。
【0039】
本発明の一つの態様に従って、当該組成物は、3つの分離された錠剤として投与され、そしてそれら3つ全ては、一日に2回投与される;しかし当該組成物は、所望であれば他の形態で、及びユニット剤形で投与され得る。
【0040】
本発明の組成物は、限定されることを意図していないが、以下の実施例によって説明される。
【実施例】
【0041】
実施例1
a)果実、野菜、及びハーブ成分、b)ビタミン、並びにc)ミネラルを提供するために、3つの錠剤が調製され得る。第一の錠剤は、表1〜3の果実、野菜、及びハーブ成分を含む。第一の錠剤中の各々の成分の量は、表で列挙された量が2つのかかる錠剤中に存在する量であるため、表の用量Bに列挙された量の半分である。第一の錠剤はまた、担体、及び他の錠剤化補助剤(tableting aid)、例えば二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、及びステアリン酸マグネシウムを、当業者に周知の目的のために変化され得る量で含み得る。
【0042】
第二の錠剤は、表4のビタミンを含む。第二の錠剤中の各々の成分の量は、表で列挙された量が2つのかかる錠剤中に存在する量であるため、表に列挙された量の半分である。当該第二の錠剤はまた、担体、及び他の錠剤化補助剤、例えば微結晶セルロース、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素を含み得る。
【0043】
第三の錠剤は、表5のミネラルを含む。この第三の錠剤中の各々の成分の量は、表で列挙された量が2つのかかる錠剤中に存在する量であるため、表に列挙された量の半分である。当該第三の錠剤はまた、担体、及び他の錠剤化補助剤、例えば微結晶セルロース、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素を含み得る。
【0044】
当該3つの錠剤は、一日に二回投与されるとき、通常の食事において存在する植物化学物質の欠落を満たす。
【0045】
実施例2
以下の例は、上記3つの錠剤を製造する方法に関する。当該成分は、上の表1〜5に記載されたものと同一である。しかし、以下の実施例の目的のために、表1〜3からの果実、野菜及びハーブ成分を含む錠剤は、「錠剤1」と呼び;表4からのビタミン成分を含む錠剤は「錠剤2」と呼び;表5からのミネラル成分を含む錠剤は「錠剤3」と呼ぶ。当該錠剤及び他の好適な送達ビヒクルを製造するための他の方法が、所望であれば使用され得ることが強調される。
【0046】
錠剤1
混合トコフェロール、D−アルファ−トコフェロール(サクシネート)、及び二酸化ケイ素(NF微粉末)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。酸化マグネシウム(D.C.ヘビー)、アセロラ濃縮物、シトラス・バイオフラボノイド複合体、プラム濃縮物、リンゴ抽出物、ローズマリー抽出物、バジル抽出物、ブドウの皮抽出物、クランベリー抽出物、ケール粉末、アスパラガス抽出物、ブルーベリー抽出物、パセリ乾燥体、オレガノ抽出物、セージ抽出物、ザクロ抽出物、及びイノシトールを、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。
【0047】
リコピン(5%)、ルテインエステル(ビードレット)、混合トコフェロール、炭酸カルシウム(顆粒状)、クロスカルメロースナトリウム、及び微結晶セルロース(シリカ状)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。次にステアリン酸マグネシウム(合法品)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分をさらに5分間混合した。生じた混合物を、トート(tote)又はスーパーサック(supersack)へと放出し、そして錠剤へと圧縮した。
【0048】
錠剤2
アセロラ濃縮物、微結晶セルロース(シリカ状)、及びアルファリポ酸を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。次に、以下の成分を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた:チアミン・モノニトレート(97%)、リボフラビン、ナイアシンアミド、ビオチン粉砕物(1%)、ビタミンB12(1.1%)、パントテン酸カルシウム粒状物、葉酸、ピリドキシン塩酸塩(95%)、及びコリン酒石酸水素塩。当該成分を10分間混合した。次に以下の品目を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた:ベータカロテン(ビードレット)、ビタミンD3(ビードレット)、酵母(標準化された)、及びビタミンA(酢酸塩)。当該混合物をさらに10分間混合した。
【0049】
次に、以下の成分を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた:アスコルビン酸(97%)、炭酸カルシウム(粒状)、クロスカルメロースナトリウム、d−アルファ−・サクシネート、二酸化ケイ素(NF微粉末)。当該混合物をさらに10分間混合した。
【0050】
次に、ステアリン酸マグネシウム(合法品)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該混合物をさらに5分間混合した。生じた混合物を、トート又はスーパーサックへと放出し、そして錠剤へと圧縮した。
【0051】
錠剤3
亜鉛・アミノ酸キレート、混合トコフェロール、及び二酸化ケイ素(NF微粉末)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。共に処理されたアルファルファ濃縮物/微結晶セルロース/炭酸カルシウム、セレン酵母、微結晶セルロース、銅・アミノ酸キレート、マンガン・アミノ酸キレート、ヨウ化カリウム粉砕物、クロム・アミノ酸キレート、モリブデン・アミノ酸キレート、アブラナ属乾燥体、クレソン乾燥体、及びクロスカルメロースナトリウムを、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。
【0052】
塩化カリウム、酸化マグネシウム(D.C.ヘビー)、及び炭酸カルシウム(粒状)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。次に、ステアリン酸マグネシウム(合法物)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該混合物を、さらに5分間混合した。生じた混合物を、トート又はスーパーサックへと放出し、そして錠剤へと圧縮した。
【0053】
実施例3
臨床試験は、治験審査委員会が承認した二重盲プラセボ対照並行群試験であった。
【0054】
対象
対象は、カリフォルニア及びハワイにおける120人の健常な成人日系アメリカ人であった。対象は、民族的には日本人であり(両親及び4人の祖父母の両方が民族的に日本人)、そして主に日本食を食した。
【0055】
処置
対象は、指示通りに(一日あたり12錠)組成物又はプラセボのいずれかを8週間服用した。当該組成物は、Alticorから、トリプルX(TripleX)(商標)の名前で日本において現在市販されているものと同じものである。全ての製造物はコーティングされ、そして二重盲を保持するために、コードの付されたホイルの箱中で提供された。
【0056】
結果の測定
結果測定の、4つの主な分類が存在した:(1)各々の水溶性抗酸化性栄養分[ビタミンc]、及び各々の脂溶性抗酸化性栄養分[ベータカロテン]の血漿濃度、(2)「抗ホモシステインの三種類」である、ビタミンB6、ビタミン12、及び葉酸の、並びにホモシステインの血漿濃度、(3)遺伝的安定性のニュートリゲノミクス的機構、並びに(4)血漿代謝特性の変化。
【0057】
血漿栄養分及びホモシステイン濃度の分析は、ベースライン時、第4週、及び第8週における、120人の対象(トリプルXで処理された60人、及びプラセボで処理された60人)から得られた血液試料に基づいて行われた。
【0058】
ニュートリゲノミクス的分析を、ベースライン時及び第2週における、14人の対象(トリプルXで処理された7人、及びプラセボで処理された7人)から得られた血液試料に基づいて行われた。
【0059】
統計
血漿栄養分及びホモシステインの変化のスコア結果を、群間比較のための独立群t検定で評価した。0.5よりも小さいAP値が有意であると考えられた。
【0060】
測定された44,000個の遺伝子中から、いずれのものが処置後の発現レベルにおける有意な変化を示すかを単に同定するために、ニュートリゲノミクスのデータを、当該組成物で処理した群内における対応のあるt検定で最初に分析した。0.5未満のAP値は有意であると考えられた。0.4のAQ値(偽の発見率)が、偽陽性の発見のためのコントロールのために使用された。この分析は、約2,000個の遺伝子を同定し、それはその後、生物学的関連性パターンの変化のために調べられた。
【0061】
臨床試験からの結果は以下の通りであった。プラセボを服用した対象と比較して、組成物を服用した対象は、4週間内の処置の全てにおいて、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、及びビタミンCのレベル増大を示し、並びに、ホモシステインレベルの減少を示し、当該結果は8週間維持された。代謝分析は、酸化ストレスの減少を示した。ニュートリゲノミクス分析は、遺伝的統合性の増大、及び腫瘍サプレッサー機構、ホモシステイン代謝、酸化ストレス及び脂質過酸化に対する抵抗性を示した。
【0062】
ニュートリゲノミクスデータの臨床的解釈は、各々が(クロマチンの維持、損傷の検出及び修復による)遺伝的安定性を支援するために機能すると知られている約150個の遺伝子(あなたは当該遺伝子のリストを持っているだろうか?)が、トリプルX群において、プラセボ群と比較して有意に増大したという、予想外の知見を明らかとした。プラセボ処置群におけるこれらの遺伝子の後の分析は、プラセボ処置後において変化を示さなかった。ベースラインと比較して、本発明の組成物の消費は、DNA維持、複製、又は修復に関連する遺伝子の発現における統計的に有意な増大をもたらした(図7)。
【0063】
代謝データの臨床的解釈は、トリプルXの消費が、酸化ストレスに関連する代謝産物である、2−ヒドロキシブチレートの増大において有意な減少をもたらし(図9)、そして同様に酸化ストレスに関連する代謝産物である、5−オキソプロリンの減少傾向をもたらす(図10)という、予想外の知見を明らかとした。これは、当該組成物の消費が、抗酸化性栄養分の血漿濃度の増大、クロマチン維持及び修復遺伝子の発現の増大、ホモシステインの減少、並びに酸化ストレスの代謝的指標の減少をもたらし得ることを示す。
【0064】
実施例4
臨床試験を行い、本発明の組成物の有効性を確認した。当該組成物の消費は特に:植物化学物質の食事性欠乏症を改善し;身体内における抗酸化物質量を改善し;フリーラジカル損傷を減少させ;血漿のビタミン、ミネラル、及び植物化学物質濃度を増加させ;そして血漿中及び全身的な抗酸化物質の能力を改善することが期待された。
【0065】
本試験の算入基準は、一週間当たり、推奨食品チェックリスト(Recommended Foods Checklist)に収載されている12品目未満を消費する、18〜20歳の健常男性及び女性であった。これらの対象は、食物の頻度に関する質問、及び推奨食品スコア(Recommended Foods Score)(RFS)の申請の後に選択された。RFSは23個の食品から成り、それらの14個は果実及び野菜であり、そしてそれらは、一週間ベースで消費されたときに致死数の減少に関連する。これは、42,254人の女性におけるコホート試験において実証された。16.0の平均RFS(最も高い四分位値)を有する者は、全死因死亡率の相対的リスクを有する6.4の平均RFS(最も低い四分位値)を有する者と比較して、0.69の全死因死亡率の相対的リスクを有した。最も高い四分位値における者は、最も低い四分位値における者と比較して、有意により大きなカロリー(131%)、繊維(200%)、ビタミンC(230%)、葉酸(181%)、及びプロビタミンAであるカロテノイド(253%)を消費したことが特徴であった。
【0066】
臨床試験は、6週間に及ぶ、120人の対象における二重盲(すなわち、対象及び調査員に対する)試験を含んだ。6週間の試験の間、対象は、当該組成物又はプラセボのいずれかである3つの錠剤を、一日に2回、例えば朝及び晩に消費するように指示された。当該対象は、血液及び尿試料を採取し、そして以下のアッセイを行うことによって試験された:全ポリフェノール、血漿ORAC(酸素ラジカル吸収能)、CP450酵素の誘導、細胞質分裂阻害小核アッセイ、コメットアッセイ、バイオエナジェティクスアッセイ、尿中胆汁、B6、B12、葉酸、ビタミンC、ホモシステイン、アルファ及びガンマトコフェロール、ベータ−カロテン、C−反応性タンパク質、並びに尿8−エピプロスタグランジンF2α、そしてそれらは、ベースライン時、2週間、4週間、及び6週間で試験された。したがって、当該組成物の有効性及び改善は:ビタミン、ミネラル、及び植物化学物質の血漿濃度;血漿及び全身における抗酸化能;解毒能;細胞エネルギー力学;遺伝的安定性;他のリスク因子及び自覚効果に基づいて測定された。
【0067】
当該試験結果は、6週間の組成物消費の後、対象が、アルファトコフェロール、B12、B6、葉酸、ビタミンC、及び他の抗酸化物質の血漿レベルの有意な増大を有することを示し、そしてそれは、身体中における抗酸化物質量の改善、及びビタミン、栄養分、及び植物化学物質の食事性欠乏症の改善、及び/又はフリーラジカル損傷の減少、並びに特に遺伝的安定性の増大(すなわち、DNA損傷の減少)と関連すると予想された。
【0068】
臨床試験からの結果は以下の通りであった。プラセボを服用した対象と比較して、当該組成物を服用した対象は、ベータ・カロテン、アルファ−トコフェロール、葉酸、並びにビタミンB6及びB12の血漿濃度の増大を示した。当該組成物を服用した対象はまた、ホモシステインの有意な減少、及び細胞質分裂阻害小核アッセイによって示されるDNA損傷の減少を示した。これは、当該組成物の消費が、抗酸化性栄養分の血漿濃度を増大させ、ホモシステインを減少させ、そしてDNA損傷を減少させ得ることを示している。
【0069】
上の記載は、本発明の好ましい実施形態のものである。均等論を含む特許法の本質に従って解釈され得る、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の趣旨及びより広い形態から離れることなく、種々の変更及び変化がなされ得る。単数形の要素を請求する任意の参照、例えば冠詞「ある(a)」「ある(an)」「当該(the)」又は「前記(said)」は、当該要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
【表10】
【0074】
【表11】
【0075】
【表12】
【0076】
【表13】
【0077】
【表14】
【0078】
【表15】
【0079】
【表16】
【0080】
【表17】
【0081】
【表18】
【0082】
【表19】
【0083】
【表20】
【0084】
【表21】
【0085】
【表22】
【0086】
【表23】
【0087】
【表24】
【0088】
【表25】
【0089】
【表26】
【0090】
【表27】
【0091】
【表28】
【0092】
【表29】
【0093】
【表30】
【0094】
【表31】
【0095】
【表32】
【0096】
【表33】
【0097】
【表34】
【0098】
【表35】
【0099】
【表36】
【0100】
【表37】
【0101】
【表38】
【0102】
【表39】
【0103】
【表40】
【0104】
【表41】
【0105】
【表42】
【0106】
【表43】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年8月11日に出願された、米国特許出願第10/915,784号の一部継続出願であり、そしてそれは、2002年5月7日に出願された、米国特許出願第10/360,789号(現在、米国特許第6,989,161号)の一部継続出願であり、そしてそれは、2001年6月12日に出願された、米国特許出願第09/878,377号(現在、米国特許第6,511,675号)の一部継続出願であり、そしてそれは、2000年6月12日に出願された、米国仮出願第60/210,746号の利益を主張し、そしてそれらの全ては参照により、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、植物化学物質、ビタミン、及びミネラルの不足を含む、食事性欠乏症を改善するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの人々が、健康的な食習慣、例えば、米国推奨栄養所要量(U.S.Recommended Dietary Allowances)に見合うだけの十分な量及び種類の食物を消費することを実践することができない。果実及び野菜の推奨される食事摂取量は周知であるという事実にもかかわらず、国立癌研究所の対象の22%のみが、推奨される一日の食物サービング(serving)数の果実及び野菜を消費している。例えば、California Daily Food Guide:Dietary Guidelines for Calif ornians ,California Department of Health Services(1990)は、ビタミンAが豊富である濃緑色又は暗橙色である1サービングの果実又は野菜を含み、そしてビタミンCが豊富な少なくとも1サービングの果実又は野菜を含む、少なくとも5〜9サービングの果物及び野菜を、各個人が一日あたりに消費することを推奨している。さらに、各個人は、一週間当たり、少なくとも3サービングの植物性タンパク質を、マメ科植物、ナッツ、又は種子の形態で消費すべきであることが十分に報告されている。数名の研究者は、一人前400グラム(13オンス)の果実及び野菜が、一日に消費されるべき最適量の理に適った目安であると示唆している。種類の観点において、個人は、少なくとも3個の異なる色の果実及び野菜を一日に食べるべきであることが推奨されている。
【0004】
十分な量及び種類の果実及び野菜を消費することの利益は多数存在する。例えば、果実及び野菜を消費することは、種々の変性疾患のリスクを減少させることが示されている。41,837人の更年期以降の女性におけるプロスペクティブ・コホート研究において、果実及び野菜の消費と肺癌リスクとの関連が調査された。研究者は、果実及び野菜の消費が一週間あたり24サービング以下から48サービング超へと増加したとき、肺癌のリスクが約半分になることを発見した。同様に、ホウレン草、及びパセリ源を含む、グリーン・リーフィー(green leafy)野菜の消費が1サービング以下から6サービング以上に増加したとき、肺癌のリスクがほぼ半減した。Steinmetz,K.et al.,“Vegetables,Fruit,and Lung Cancer in the Iowa Women’s Health Study,”Cancer Res.53:536−43 1993)。別の研究は、新鮮なトマト(リコピンの主要源)の摂取の増大が、全ての部位の消化管癌のための保護パターンに関連付けられた。
【0005】
果実及び野菜に加えて、ハーブはまた、健康上の利益を提供する。例えば、ハーブであるローズマリーは、抗酸化物質、例えばカルノゾール(carnosol)を含み、そしてそれは、コレステロール酸化に対する予防的役割を果たしうる。同様に、ハーブであるバジルは、その抗酸化活性が知られている。しかし、果実及び野菜のように、利益のあるハーブの食事摂取は不十分である。
【0006】
更なる研究は、典型的な米国における食事が植物化学物質を欠いていることを示した。植物化学物質とは、一般的に、植物由来の化合物のことであって、ビタミン及びミネラルとの併用で毎日摂取されるとき、心臓血管及び骨の健康の改善、抗酸化特性の改善、フリーラジカルによる損傷の改善、及び身体の自然防御系の全体的向上を提供する。
【0007】
典型的な食事、特に米国における食事は、不十分な量、及び種類の果実、野菜、及びハーブ、ならびに植物化学物質、及びこれらの物質中に存在する、関連する抗酸化物質を含む。典型的な食事は、同様に、果実及び植物に関連する、必須のビタミン及びミネラルが不足している。従来のマルチビタミンは、必要とされるビタミン及びミネラルを含む西洋的食事を補助し得るが、これらのマルチビタミンの多くは、身体中のフリーラジカルを標的とし、それによりサプリメントの抗酸化特性を改善する、植物化学物質を提供することができない。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、果実、野菜及びハーブの乾燥体、濃縮物、又は抽出物;並びに場合により、ビタミン、ミネラル、及び特殊成分の独特な組み合わせを含む、それらの物質の食事性欠乏を改善するための組成物を提供する。
【0009】
本発明の組成物は、十分な健康上の利益を提供する。例えば、一つの実施形態において、それは、栄養欠乏の食事をするヒトの健康を支援し得;抗酸化物質及び栄養特性を改善し;不十分な食事の結果としての血清中の栄養分及び植物化学物質のレベルを、特定の変性疾患状態のリスクの減少と関連するレベルへと補給し;正常な加齢過程、及び環境ストレスに対する暴露の結果として生じる、フリーラジカルによる損傷を最小化し;及び/又は最適な健康を示唆する特定のバイオマーカー、すなわち、ホモシステイン、脂質副生物、ミネラルの状態、及びグルタチオンペルオキシダーゼの状態を改善する。
【0010】
さらに具体的な実施形態において、本発明の組成物は、ヒトの抗酸化プロファイルを改善する、β−カロテン、α−リポ酸、セレン、及びビタミンC及びEを提供し得る。葉酸及びビタミンEのレベルの上昇は、心臓血管の健康を標的とし、かつ改善する。カルシウム、マグネシウム、及びビタミンDは、骨の健康を標的とし、かつ改善する。ビタミンBは、エネルギー代謝を改善する。本発明の組成物は、全てのビタミン及び大部分のミネラルにおける、100%の米国推奨栄養所要量を提供し得る。当該組成物はまた、多様な抗酸化特性を生じる、種々の植物化学物質を提供し得る。
【0011】
さらにより具体的な実施形態において、当該組成物は、果実、野菜、及びハーブ成分の組み合わせを含み得、ここで前記果実成分は、アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、シトラス・バイオフラボノイド、クランベリー、ブドウの皮、プラム、及びザクロから選択され;ここで前記植物成分は、アスパラガス、アルファルファ、アブラナ属、ケール、ルテイン、リコピン、及び、クレソンから選択され;そしてここで、前記ハーブ成分は、バジル、オレガノ、パセリ、セージ、及びローズマリーから選択される。これらの成分は濃縮され得、例えばそれらは、生の材料から抽出され得る。場合により、当該果実成分、植物成分及びハーブ成分は、重量比約3.5:1:1の比率で組成物中に存在し得る。特殊成分、例えばアルファ・リポ酸、及びイノシトールは、当該組成物へ添加され得る。
【0012】
さらに別の実施形態において、当該組成物は、シトラス・バイオフラボノイド及びザクロから成る群から選択される少なくとも一つの果実成分を、及び場合により、アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブドウの皮、プラム、及びラズベリーの少なくとも一つを;アスパラガス、ルテイン、リコピン、及び、クレソンから成る群から選択される少なくとも一つの野菜成分を、及び場合によりアルファルファ、アブラナ属、及びケールの少なくとも一つを;並びにバジル、オレガノ、及びローズマリーから成る群から選択される少なくとも一つのハーブ成分を、及び場合によりパセリ及びセージの少なくとも一つを含み得る。
【0013】
別の実施形態において、シトラス・バイオフラボノイド及びザクロから成る群から選択される少なくとも一つの果実成分を、及び場合により、アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブドウの皮、プラム、及びラズベリーの少なくとも一つを;アスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンから成る群から選択される少なくとも一つの野菜成分を、及び場合によりアルファルファ、アブラナ属、及びケールの少なくとも一つを;並びにバジル、オレガノ、及びローズマリーから成る群から選択される少なくとも一つのハーブ成分を、及び場合によりパセリ及びセージの少なくとも一つを含む組成物の有効量を投与することを含む、免疫系を向上させ、並びにヒトの身体におけるDNA損傷のリスクを処置及び/又は減少させるための方法を提供する。
【0014】
本発明のこれらの及び他の目的、利点及び特徴は、発明の詳細な説明、及び図を参照にすることによって、より容易に理解され、かつ認識されるだろう。先に記載された一般的記載及び以下の詳細な説明の両方は、例示であり、かつ説明のみのためのものであり、そしてそれは、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではないことが理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、当該組成物が有する、ビタミンCレベルにおける効果を示すグラフである。
【図2】図2は、当該組成物が有する、ベータカロテンレベルにおける効果を示すグラフである。
【図3】図3は、当該組成物が有する、ビタミンB6レベルにおける効果を示すグラフである。
【図4】図4は、当該組成物が有する、ビタミンB12レベルにおける効果を示すグラフである。
【図5】図5は、当該組成物が有する、葉酸レベルにおける効果を示すグラフである。
【図6】図6は、当該組成物が有する、ホモシステインレベルにおける効果を示すグラフである。
【図7】図7は、当該組成物の消費によって調節された、DNA又はクロマチンの維持又は修復に関連する遺伝子の数を示すグラフである。
【図8】図8A及び図8Bは、2−ヒドロキシブチレートの濃度減少によって示される、本発明の組成物を使用する処置を用いての、酸化ストレスの減少を示すダイアグラム(図8A)及びグラフ(図8B)である。
【図9】図9A及び図9Bは、5−オキソプロリンの濃度減少によって示される、本発明の組成物を使用する処置を用いての、酸化ストレスの減少を示すダイアグラム(図9A)及びグラフ(図9B)である。
【図10】図10は、処置後における、血漿のベータカロテン濃度における変化を示すグラフである。
【図11】図11は、処置後における、血漿の葉酸濃度における変化を示すグラフである。
【図12】図12は、処置後における、血漿のビタミンB6濃度における変化を示すグラフである。
【図13】図13は、処置後における、血漿のビタミンB12濃度における変化を示すグラフである。
【図14】図14は、処置後における、血漿のホモシステイン濃度における変化を示すグラフである。
【図15】図15は、処置後における、DNA損傷の変化を示すグラフである。
【図16】図16は、処置後における、DNA維持遺伝子と関連する遺伝子のベースライン発現活性における変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
I.総論
一般的に、本発明は、果実、野菜、及びハーブを含む組成物に関する。一つの実施形態において、当該組成物は、果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含み得、ここで前記果実成分は、シトラス・バイオフラボノイド及びザクロの少なくとも一つであり;前記野菜成分は、アスパラガス、ルテイン、リコピン、及び、クレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分は、バジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つである。当該組成物はまた、クロマチンの安定性に影響を与える既知の治療法と組み合され得、それにより、かかる治療法の有害な効果を限定する。
【0017】
以下の果実成分はまた、当該組成物中に存在し得る:アセロラ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブドウの皮、及びプラム。さらに、以下の野菜成分がまた、当該組成物中に存在し得る:アルファルファ、アブラナ属、及びケール。最後に、以下のハーブ成分がまた、当該組成物中に存在し得る:セージ及びパセリ。
【0018】
当該組成物は、本明細書において論じられた処置において相乗効果を有する。したがって、当該組成物の構成成分は、個別よりも一緒のほうがより効果的である。さらに、当該組成物は、クロマチンの安定性に関連する遺伝子、例えば図及び実施例中に説明された、クロマチン安定性に関連する遺伝子を調節し、そしてより具体的には、本明細書において説明されるように上方制御する。
【0019】
テロメアの維持に関連する遺伝子の例は、限定されないが、Ku、Cdc13タンパク質、触媒サブユニットEST2、及び3つの他の遺伝子、EST1、EST3、EST4/CDC13、MRE11、RAD50、XRS2(酵母)/NBS1、p53、hTERT、ATM、TRF2、TERFファミリーの遺伝子を含む。
【0020】
本発明の組成物は、クロマチン損傷の発生/リスクの処置又は減少のいずれかをなし得、したがって、DNA、及び関連するタンパク質構造(すなわちクロマチン)への損傷を同定し、かつ改善することに関連する遺伝子の発現を増大させることによって、ゲノム安定性を支援し得る。クロマチン損傷の発生/リスクの減少は、生物学的応答又は効果と相関する、任意の統計的に有意な減少を含む。これらの遺伝子は、限定されないが、塩基対ミスマッチの修復、二重鎖切断の修復、又は他の維持、修復、若しくは管理的役割を含む活性を調節する。大部分の損傷は、酸化、栄養不足、放射、又は毒素によって引き起こされる。内因性細胞過程、又は外因性損傷、例えば紫外線放射:塩基の酸化[例えば、8−オキソ−7,8−ジヒドログアニン(8−oxoG)]、及び反応性酸素種からのDNA鎖の障害の発生、塩基のアルキル化(通常、メチル化)、例えば7−メチルグアニン、1−メチルアデニン、O6−メチルグアニンの形成、塩基の加水分解、例えば脱アミノ化、脱プリン化、及び脱ピリミジン化、新たに形成されるDNA鎖中に誤ったDNA塩基が組み込まれる、又はDNA塩基が飛び越えて、若しくは誤って挿入される、DNA複製における誤りを原因とする塩基のミスマッチに起因する、DNAへの4つの主なタイプの損傷が存在する。ヒト細胞中において、4つの主要なDNA修復経路:ミスマッチ修復、ヌクレオチド除去修復(NER)、塩基除去修復(BER)、及び二本鎖切断(DSB)修復、が存在する。NER経路は主に、大きなDNA付加物を除去する。BER経路は、内部で、又は外因性物質から生じ得る酸化されたDNA塩基の除去に関与する。DSB経路は、イオン化放射、フリーラジカル、及びテロメアの機能障害を含む、種々の曝露によって引き起こされる、二本鎖切断の修復に関与する。かかる遺伝子の例は、限定されないが、ERCC、RAD2、RAD6、RAD7、RAD18、RAD23、RAD51、RAD54、CDC7、CDC8、CDC9、MAGl、PHRl、DINl、DDR48、RNRl、RNR2、RNR3、UB14、repB、repD、及びAPEを含む。これらの遺伝子は、上記の任意のタイプの損傷を調節し得る、本発明の組成物によって影響される。
【0021】
したがって当該組成物は、限定されないが、色素性乾皮症、コケーン症候群、硫黄欠乏性毛髪発育異常症、ウェルナー症候群、ブルーム症候群、及び毛細血管拡張性運動失調症を含む、DNA修復問題に関連する疾患を治療するために使用され得る。それらの全ては、DNAの不適切な修復に関連する。
【0022】
当該組成物はまた、ミトコンドリア機能特異的遺伝子の機能に作用する/機能を調節するために使用され得、かかる遺伝子の例は、以下の表8において提供される。これらの遺伝子は、一般的に4つのカテゴリーに分類される。第一に、ミトコンドリアの転写/翻訳に関する遺伝子であり、例えば限定されないが、ミトコンドリアの翻訳機構に関与するMTRF1L、タンパク質の伸張に関与するタンパク質であるGFM2、ミトコンドリアのリボソームタンパク質であるMRPL3、細胞質ゾルで合成されたミトコンドリアタンパク質の認識及び移行に関与する受容体複合体の中心的構成成分であって、そしてTOM22と共に、ミトコンドリアの外膜に存在する、輸送ペプチド受容体として機能し、そしてTOM40移行孔隙へのタンパク質の移動を容易にするTOM20、ヘム生合成に関与する、高率の酸化的リン酸化(OxPhos)によって特徴付けられる組織において主に見られるCOX15、DNAポリメラーゼガンマによって正確に複製されるmtDNAである、POLG2、並びに28Sリボソームタンパク質の一部であるMRPS10を含む。第二に、ミトコンドリアの構造のための遺伝子であり、かかる遺伝子の例は、限定されないが、ミトコンドリアの形態の維持のために重要であるDNMIL、ミトコンドリアの内膜の主要なオーガナイザーであり、そしてクリステの統合性に必要とされるOPA1、必須の膜透過GTPaseであり、ミトコンドリア融合を媒介するMFN1(MFN1は、細胞骨格とは独立して作用する)、ミトコンドリアの透過性の制御を提供するBNIP3、ミトコンドリア内膜への内在性膜タンパクの挿入のために必要であり、そしてチトクロムCの活性及び構築のために必須であり、そしてCOX2タンパク質のC末端部分のミトコンドリア内膜空間への移行及び輸送において重要な役割を果たすCOX18、並びに恐らく膜の分裂、及び環様構造を形成するためにオリゴマー形成する、GTPを加水分解する酵素を制御することによって、ミトコンドリア及びペルオキシソームの分割において機能し、及び膜を再構築することができるDNM1Lを含む。第三に、種々のミトコンドリアタンパク質であり、かかる遺伝子の例は、限定されないが、腫瘍サプレッサー遺伝子であるWWOX、タンパク質の折り畳みのためのPPIF、CoQの合成における最終段階に関与するCoQ9、10B、成長中の赤血球系細胞における鉄の摂取を特異的に媒介し、それによりヘムの生合成において必須の役割を果たす、ミトコンドリアの鉄輸送体であるSLC25A37、ミトコンドリアからシトソルへのヘムの輸送に関与するABCB7、並びにミトコンドリアのための輸送体である、SLC25A36を含む。第四に、ミトコンドリア酵素のための遺伝子であり、かかる遺伝子の例は、限定されないが、呼吸鎖の一部であるSDHD;ATP、NARS2、IARS2、EARS2、LARS2、HARS2の生成に重要であり、ASN、ILE及びGLN、LEU及びHISの各々のアミノ酸の産生に関与する酵素であるATPAF1、TCA回路のためのサクシニルCoAを提供する酵素であるHIBADH、脂肪酸のベータ酸化における段階の一つを触媒する酵素であるACADSB、タンパク質のユビキチン化(致命的な欠損)のために必要であるE3リガーゼであるMIB1、TCA回路のためのサクシニルCoAの生成のためのBCKDHB及びACAD8、酸化ストレスを保護するAAAプロテアーゼであるAFG3L2、mtDNAの統合性の生存期間維持のために、及びmtDNAコピー数を維持するために重要な、DNAヘリカーゼであるPE01、脂肪酸のベータ酸化に関与するHK2(ヘキソキナーゼ2)、及びHADHBを含む。
【0023】
当該組成物はまた、併用療法とするために、既知の治療法と組み合わされ得る。これは、既知の治療法が、DNAの安定性に影響を及ぼす既知の有害な副作用を有する、例えば化学療法剤及び放射性療法剤である場合に主に使用され得る。DNA修復及び安定性に負に影響を与える他の化合物が同様に使用され得る。
【0024】
本発明はまた、果実、野菜、及びハーブ、並びにかかる物質に存在する栄養分の、食物由来欠乏症を改善するための方法に関する。本発明の組成物はさらに、酸化剤、フリーラジカル、及び疾患に対する、身体の正常な防御を改善することが知られている植物化学物質、ビタミン、及びミネラルを含み得る。
【0025】
II.組成物及び製造方法
当該組成物は、著しい健康上の利益を提供する、果実、野菜、ハーブ及び他の成分の組み合わせを含み得る。以下の表は、組成物中に含まれ得る、代表的な一日量の好適な果実、野菜、ハーブ、ビタミン及びミネラルを示す。投与量及び方法は、所望の適用ごとに変化し得る。例えば用量Aは、本発明の目的のために好適である、各々の成分の用量の範囲を示す。用量Bは、特定の実施形態の用量を示す。表1〜5における単位「mg」は、記載された量が、例えば「JU」と記載されていない限り、一日用量あたり2錠で提供される、例えばミリグラムの数で与えられる。したがって、単一の錠剤あたりの特定成分の量を決定するために、各々の表に記載された量が半分にされなければならない。
【0026】
【表1】
【0027】
シトラス・バイオフラボノイドは、Access Business Group International LLC of Ada, Michiganから市販されている。この成分は、濃縮形態であり得、そして限定されないが、ナリンゲン(naringen)、ヘスペリジン、ナリルチン(narirutin)、ジオスミン、ルチン、タンゲレチン(tangeretin)、ジオスメチン、ネオヘスペリジン、ノビレチン、及びケルセチンを含み得る。
【0028】
【表2】
【0029】
ニュートライト(NUTRILITE)・クレソンは、Access Business Group International LLCから市販されている。アブラナ属及び/又はケールは、乾燥粉末形態であり得る。本明細書で使用されるアブラナ属成分は、ブラシカエ(Brassicae)科の植物由来の任意の物質、例えばブロッコリーを含み得る。当該組成物中で使用されるルテインエステルは、Cognis Nutrition & Health of Cincinnati,Ohioから、Xangold 10%ビードレット(beadlet)の名前で市販されている種類のものであり得る。当該組成物中で使用されるリコピンは、H.Reisman Corp.of Orange,New Jerseyから、Lycobeads5%の名前で市販されている種類のものであり得る。
【0030】
【表3】
【0031】
ニュートライト・パセリは、Access Business Group International LLCから市販されている。当該組成物はまた、上記の果実、野菜、ハーブ成分に加えて、成分を含み得る。例えば、本発明の組成物及び方法における使用に好適であるビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン/ナイアシンアミド、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン、ビタミンC、ビタミンD、及びビタミンEを含み得る。以下の表4は、好適なビタミン特性を含む。
【0032】
【表4】
【0033】
上記に列挙されたビタミンに加えて、本発明の組成物及び方法における使用のためのミネラルは、例えば、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、マグネシウム、マンガン、モリブデン、カリウム、セレン、バナジウム、及び亜鉛を含む。他のビタミン及びミネラルが同様に使用され得る。以下の表5は、本発明の組成物のために好適であるミネラルの特性を含む。
【0034】
【表5】
【0035】
表1〜3の成分、及び場合により表4〜5の成分と共に、本発明の組成物は、種々のビタミン及びミネラルに関する、推奨される一日必要量の大部分、及び多くの場合それを超えて提供し得る。以下の表6及び7は、上記一日量を用いたときにおける当該組成物の効能を、列挙されたビタミン及びミネラルの一日必要量のパーセンテージに関して示す。
【0036】
【表6】
【0037】
当該組成物中に使用され得るさらなる特殊成分は、例えば、メチルスルホニルエタン(MSM)、α−リポ酸(10mg/日)、カテキン、ポリフェノール、フラボノイド、リコピン、ルテイン、酵母、イノシトール、及びパラ−アミノ安息香酸(PABA)を含む。
【0038】
本発明の組成物は、各々の果実濃縮物、野菜濃縮物、ハーブ濃縮物、植物化学物質、ビタミン、ミネラル及び他の栄養分、並びにそれらの塩の、任意の医薬として許容される形態を使用して製剤化され得る。当該組成物は、錠剤、粉剤、ゲル、又は液体へと製剤化され得る(本発明の目的のための、及び本出願の開示を通じて使用される錠剤は、限定されないが、錠剤、カプレット、カプセル、粉剤などを含む、任意の形態の固体経口剤形のことである)。当該組成物は、例えば消費可能な液体、例えばミルク、ジュース、水と混合される粉剤として、又は、他の液体又は食品へと混合される消費可能なゲル若しくはシロップとして製剤化され得る。当該組成物はまた、他の食品又は液体と共に製剤化されて、前処理された組成食品、例えば一食分のバー(single−serving bar)を提供し得る。香味剤、結合剤、タンパク質、複合糖質などは、必要に応じて添加され得る。
【0039】
本発明の一つの態様に従って、当該組成物は、3つの分離された錠剤として投与され、そしてそれら3つ全ては、一日に2回投与される;しかし当該組成物は、所望であれば他の形態で、及びユニット剤形で投与され得る。
【0040】
本発明の組成物は、限定されることを意図していないが、以下の実施例によって説明される。
【実施例】
【0041】
実施例1
a)果実、野菜、及びハーブ成分、b)ビタミン、並びにc)ミネラルを提供するために、3つの錠剤が調製され得る。第一の錠剤は、表1〜3の果実、野菜、及びハーブ成分を含む。第一の錠剤中の各々の成分の量は、表で列挙された量が2つのかかる錠剤中に存在する量であるため、表の用量Bに列挙された量の半分である。第一の錠剤はまた、担体、及び他の錠剤化補助剤(tableting aid)、例えば二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、及びステアリン酸マグネシウムを、当業者に周知の目的のために変化され得る量で含み得る。
【0042】
第二の錠剤は、表4のビタミンを含む。第二の錠剤中の各々の成分の量は、表で列挙された量が2つのかかる錠剤中に存在する量であるため、表に列挙された量の半分である。当該第二の錠剤はまた、担体、及び他の錠剤化補助剤、例えば微結晶セルロース、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素を含み得る。
【0043】
第三の錠剤は、表5のミネラルを含む。この第三の錠剤中の各々の成分の量は、表で列挙された量が2つのかかる錠剤中に存在する量であるため、表に列挙された量の半分である。当該第三の錠剤はまた、担体、及び他の錠剤化補助剤、例えば微結晶セルロース、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素を含み得る。
【0044】
当該3つの錠剤は、一日に二回投与されるとき、通常の食事において存在する植物化学物質の欠落を満たす。
【0045】
実施例2
以下の例は、上記3つの錠剤を製造する方法に関する。当該成分は、上の表1〜5に記載されたものと同一である。しかし、以下の実施例の目的のために、表1〜3からの果実、野菜及びハーブ成分を含む錠剤は、「錠剤1」と呼び;表4からのビタミン成分を含む錠剤は「錠剤2」と呼び;表5からのミネラル成分を含む錠剤は「錠剤3」と呼ぶ。当該錠剤及び他の好適な送達ビヒクルを製造するための他の方法が、所望であれば使用され得ることが強調される。
【0046】
錠剤1
混合トコフェロール、D−アルファ−トコフェロール(サクシネート)、及び二酸化ケイ素(NF微粉末)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。酸化マグネシウム(D.C.ヘビー)、アセロラ濃縮物、シトラス・バイオフラボノイド複合体、プラム濃縮物、リンゴ抽出物、ローズマリー抽出物、バジル抽出物、ブドウの皮抽出物、クランベリー抽出物、ケール粉末、アスパラガス抽出物、ブルーベリー抽出物、パセリ乾燥体、オレガノ抽出物、セージ抽出物、ザクロ抽出物、及びイノシトールを、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。
【0047】
リコピン(5%)、ルテインエステル(ビードレット)、混合トコフェロール、炭酸カルシウム(顆粒状)、クロスカルメロースナトリウム、及び微結晶セルロース(シリカ状)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。次にステアリン酸マグネシウム(合法品)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分をさらに5分間混合した。生じた混合物を、トート(tote)又はスーパーサック(supersack)へと放出し、そして錠剤へと圧縮した。
【0048】
錠剤2
アセロラ濃縮物、微結晶セルロース(シリカ状)、及びアルファリポ酸を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。次に、以下の成分を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた:チアミン・モノニトレート(97%)、リボフラビン、ナイアシンアミド、ビオチン粉砕物(1%)、ビタミンB12(1.1%)、パントテン酸カルシウム粒状物、葉酸、ピリドキシン塩酸塩(95%)、及びコリン酒石酸水素塩。当該成分を10分間混合した。次に以下の品目を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた:ベータカロテン(ビードレット)、ビタミンD3(ビードレット)、酵母(標準化された)、及びビタミンA(酢酸塩)。当該混合物をさらに10分間混合した。
【0049】
次に、以下の成分を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた:アスコルビン酸(97%)、炭酸カルシウム(粒状)、クロスカルメロースナトリウム、d−アルファ−・サクシネート、二酸化ケイ素(NF微粉末)。当該混合物をさらに10分間混合した。
【0050】
次に、ステアリン酸マグネシウム(合法品)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該混合物をさらに5分間混合した。生じた混合物を、トート又はスーパーサックへと放出し、そして錠剤へと圧縮した。
【0051】
錠剤3
亜鉛・アミノ酸キレート、混合トコフェロール、及び二酸化ケイ素(NF微粉末)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。共に処理されたアルファルファ濃縮物/微結晶セルロース/炭酸カルシウム、セレン酵母、微結晶セルロース、銅・アミノ酸キレート、マンガン・アミノ酸キレート、ヨウ化カリウム粉砕物、クロム・アミノ酸キレート、モリブデン・アミノ酸キレート、アブラナ属乾燥体、クレソン乾燥体、及びクロスカルメロースナトリウムを、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。
【0052】
塩化カリウム、酸化マグネシウム(D.C.ヘビー)、及び炭酸カルシウム(粒状)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該成分を10分間混合した。次に、ステアリン酸マグネシウム(合法物)を、20メッシュスクリーンを備えたSWECOセパレーターを通じて、直接的に100立方フィートのPKブレンダーへと入れた。当該混合物を、さらに5分間混合した。生じた混合物を、トート又はスーパーサックへと放出し、そして錠剤へと圧縮した。
【0053】
実施例3
臨床試験は、治験審査委員会が承認した二重盲プラセボ対照並行群試験であった。
【0054】
対象
対象は、カリフォルニア及びハワイにおける120人の健常な成人日系アメリカ人であった。対象は、民族的には日本人であり(両親及び4人の祖父母の両方が民族的に日本人)、そして主に日本食を食した。
【0055】
処置
対象は、指示通りに(一日あたり12錠)組成物又はプラセボのいずれかを8週間服用した。当該組成物は、Alticorから、トリプルX(TripleX)(商標)の名前で日本において現在市販されているものと同じものである。全ての製造物はコーティングされ、そして二重盲を保持するために、コードの付されたホイルの箱中で提供された。
【0056】
結果の測定
結果測定の、4つの主な分類が存在した:(1)各々の水溶性抗酸化性栄養分[ビタミンc]、及び各々の脂溶性抗酸化性栄養分[ベータカロテン]の血漿濃度、(2)「抗ホモシステインの三種類」である、ビタミンB6、ビタミン12、及び葉酸の、並びにホモシステインの血漿濃度、(3)遺伝的安定性のニュートリゲノミクス的機構、並びに(4)血漿代謝特性の変化。
【0057】
血漿栄養分及びホモシステイン濃度の分析は、ベースライン時、第4週、及び第8週における、120人の対象(トリプルXで処理された60人、及びプラセボで処理された60人)から得られた血液試料に基づいて行われた。
【0058】
ニュートリゲノミクス的分析を、ベースライン時及び第2週における、14人の対象(トリプルXで処理された7人、及びプラセボで処理された7人)から得られた血液試料に基づいて行われた。
【0059】
統計
血漿栄養分及びホモシステインの変化のスコア結果を、群間比較のための独立群t検定で評価した。0.5よりも小さいAP値が有意であると考えられた。
【0060】
測定された44,000個の遺伝子中から、いずれのものが処置後の発現レベルにおける有意な変化を示すかを単に同定するために、ニュートリゲノミクスのデータを、当該組成物で処理した群内における対応のあるt検定で最初に分析した。0.5未満のAP値は有意であると考えられた。0.4のAQ値(偽の発見率)が、偽陽性の発見のためのコントロールのために使用された。この分析は、約2,000個の遺伝子を同定し、それはその後、生物学的関連性パターンの変化のために調べられた。
【0061】
臨床試験からの結果は以下の通りであった。プラセボを服用した対象と比較して、組成物を服用した対象は、4週間内の処置の全てにおいて、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、及びビタミンCのレベル増大を示し、並びに、ホモシステインレベルの減少を示し、当該結果は8週間維持された。代謝分析は、酸化ストレスの減少を示した。ニュートリゲノミクス分析は、遺伝的統合性の増大、及び腫瘍サプレッサー機構、ホモシステイン代謝、酸化ストレス及び脂質過酸化に対する抵抗性を示した。
【0062】
ニュートリゲノミクスデータの臨床的解釈は、各々が(クロマチンの維持、損傷の検出及び修復による)遺伝的安定性を支援するために機能すると知られている約150個の遺伝子(あなたは当該遺伝子のリストを持っているだろうか?)が、トリプルX群において、プラセボ群と比較して有意に増大したという、予想外の知見を明らかとした。プラセボ処置群におけるこれらの遺伝子の後の分析は、プラセボ処置後において変化を示さなかった。ベースラインと比較して、本発明の組成物の消費は、DNA維持、複製、又は修復に関連する遺伝子の発現における統計的に有意な増大をもたらした(図7)。
【0063】
代謝データの臨床的解釈は、トリプルXの消費が、酸化ストレスに関連する代謝産物である、2−ヒドロキシブチレートの増大において有意な減少をもたらし(図9)、そして同様に酸化ストレスに関連する代謝産物である、5−オキソプロリンの減少傾向をもたらす(図10)という、予想外の知見を明らかとした。これは、当該組成物の消費が、抗酸化性栄養分の血漿濃度の増大、クロマチン維持及び修復遺伝子の発現の増大、ホモシステインの減少、並びに酸化ストレスの代謝的指標の減少をもたらし得ることを示す。
【0064】
実施例4
臨床試験を行い、本発明の組成物の有効性を確認した。当該組成物の消費は特に:植物化学物質の食事性欠乏症を改善し;身体内における抗酸化物質量を改善し;フリーラジカル損傷を減少させ;血漿のビタミン、ミネラル、及び植物化学物質濃度を増加させ;そして血漿中及び全身的な抗酸化物質の能力を改善することが期待された。
【0065】
本試験の算入基準は、一週間当たり、推奨食品チェックリスト(Recommended Foods Checklist)に収載されている12品目未満を消費する、18〜20歳の健常男性及び女性であった。これらの対象は、食物の頻度に関する質問、及び推奨食品スコア(Recommended Foods Score)(RFS)の申請の後に選択された。RFSは23個の食品から成り、それらの14個は果実及び野菜であり、そしてそれらは、一週間ベースで消費されたときに致死数の減少に関連する。これは、42,254人の女性におけるコホート試験において実証された。16.0の平均RFS(最も高い四分位値)を有する者は、全死因死亡率の相対的リスクを有する6.4の平均RFS(最も低い四分位値)を有する者と比較して、0.69の全死因死亡率の相対的リスクを有した。最も高い四分位値における者は、最も低い四分位値における者と比較して、有意により大きなカロリー(131%)、繊維(200%)、ビタミンC(230%)、葉酸(181%)、及びプロビタミンAであるカロテノイド(253%)を消費したことが特徴であった。
【0066】
臨床試験は、6週間に及ぶ、120人の対象における二重盲(すなわち、対象及び調査員に対する)試験を含んだ。6週間の試験の間、対象は、当該組成物又はプラセボのいずれかである3つの錠剤を、一日に2回、例えば朝及び晩に消費するように指示された。当該対象は、血液及び尿試料を採取し、そして以下のアッセイを行うことによって試験された:全ポリフェノール、血漿ORAC(酸素ラジカル吸収能)、CP450酵素の誘導、細胞質分裂阻害小核アッセイ、コメットアッセイ、バイオエナジェティクスアッセイ、尿中胆汁、B6、B12、葉酸、ビタミンC、ホモシステイン、アルファ及びガンマトコフェロール、ベータ−カロテン、C−反応性タンパク質、並びに尿8−エピプロスタグランジンF2α、そしてそれらは、ベースライン時、2週間、4週間、及び6週間で試験された。したがって、当該組成物の有効性及び改善は:ビタミン、ミネラル、及び植物化学物質の血漿濃度;血漿及び全身における抗酸化能;解毒能;細胞エネルギー力学;遺伝的安定性;他のリスク因子及び自覚効果に基づいて測定された。
【0067】
当該試験結果は、6週間の組成物消費の後、対象が、アルファトコフェロール、B12、B6、葉酸、ビタミンC、及び他の抗酸化物質の血漿レベルの有意な増大を有することを示し、そしてそれは、身体中における抗酸化物質量の改善、及びビタミン、栄養分、及び植物化学物質の食事性欠乏症の改善、及び/又はフリーラジカル損傷の減少、並びに特に遺伝的安定性の増大(すなわち、DNA損傷の減少)と関連すると予想された。
【0068】
臨床試験からの結果は以下の通りであった。プラセボを服用した対象と比較して、当該組成物を服用した対象は、ベータ・カロテン、アルファ−トコフェロール、葉酸、並びにビタミンB6及びB12の血漿濃度の増大を示した。当該組成物を服用した対象はまた、ホモシステインの有意な減少、及び細胞質分裂阻害小核アッセイによって示されるDNA損傷の減少を示した。これは、当該組成物の消費が、抗酸化性栄養分の血漿濃度を増大させ、ホモシステインを減少させ、そしてDNA損傷を減少させ得ることを示している。
【0069】
上の記載は、本発明の好ましい実施形態のものである。均等論を含む特許法の本質に従って解釈され得る、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の趣旨及びより広い形態から離れることなく、種々の変更及び変化がなされ得る。単数形の要素を請求する任意の参照、例えば冠詞「ある(a)」「ある(an)」「当該(the)」又は「前記(said)」は、当該要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
【表10】
【0074】
【表11】
【0075】
【表12】
【0076】
【表13】
【0077】
【表14】
【0078】
【表15】
【0079】
【表16】
【0080】
【表17】
【0081】
【表18】
【0082】
【表19】
【0083】
【表20】
【0084】
【表21】
【0085】
【表22】
【0086】
【表23】
【0087】
【表24】
【0088】
【表25】
【0089】
【表26】
【0090】
【表27】
【0091】
【表28】
【0092】
【表29】
【0093】
【表30】
【0094】
【表31】
【0095】
【表32】
【0096】
【表33】
【0097】
【表34】
【0098】
【表35】
【0099】
【表36】
【0100】
【表37】
【0101】
【表38】
【0102】
【表39】
【0103】
【表40】
【0104】
【表41】
【0105】
【表42】
【0106】
【表43】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物の有効量を投与することによって、クロマチンの安定性に関連する遺伝子の発現を調節するための方法であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、前記組成物がクロマチンの安定性に関連する遺伝子の発現を調節する、前記方法。
【請求項2】
前記投与のステップが、各々一日に2回投与される、3つの錠剤の形態で前記組成物を対象へ投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記投与のステップが、クロマチン安定性関連遺伝子の発現を上方制御する組成物を投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物の有効量を投与することによって、DNA修復関連遺伝子の発現を調節するための方法であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、前記組成物がDNA修復に関連する遺伝子の発現を調節する、前記方法。
【請求項5】
前記投与のステップが、各々一日に2回投与される、3つの錠剤の形態で前記組成物を対象へ投与することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記投与のステップが、前記組成物を投与し、それによりDNA修復関連遺伝子の発現を上方制御することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物の有効量を投与することによって、クロマチン損傷のリスクを減少させるための方法であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、前記組成物が遺伝子の発現を調節し、それによりクロマチン損傷のリスクを減少させることを含む、前記方法。
【請求項8】
前記投与のステップが、各々一日に2回投与される、3つの錠剤の形態で前記組成物を対象へ投与することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記投与のステップが、クロマチン安定性関連遺伝子の発現を上方制御する組成物を投与することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、遺伝子の発現を調節し、それによりクロマチン損傷のリスクを減少させる、前記組成物の有効量;並びに、
クロマチンの安定性を変化させる、疾患を処置するための第二の組成物
を含む、併用療法。
【請求項11】
アルファルファ、アブラナ属、及びケールをさらに含む、請求項10に記載の併用療法。
【請求項12】
ビタミン及びミネラルをさらに含む、請求項10に記載の併用療法。
【請求項13】
前記ビタミンが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、及びパントテン酸から選択される、請求項12に記載の併用療法。
【請求項14】
前記ミネラルが、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素、カリウム、銅、亜鉛、リン、マンガン、クロム、セレン、及びモリブデンから選択される、請求項12に記載の併用療法。
【請求項15】
前記シトラス・バイオフラボノイドが、濃縮形態で存在し、そしてナリンゲン(naringen)、ヘスペリジン、及びナリルチン(narirutin)を含む、請求項10に記載の併用療法。
【請求項16】
前記果実成分、前記野菜成分、及び前記ハーブ成分が、3.5:1:1の比率で存在する、請求項10に記載の併用療法。
【請求項1】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物の有効量を投与することによって、クロマチンの安定性に関連する遺伝子の発現を調節するための方法であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、前記組成物がクロマチンの安定性に関連する遺伝子の発現を調節する、前記方法。
【請求項2】
前記投与のステップが、各々一日に2回投与される、3つの錠剤の形態で前記組成物を対象へ投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記投与のステップが、クロマチン安定性関連遺伝子の発現を上方制御する組成物を投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物の有効量を投与することによって、DNA修復関連遺伝子の発現を調節するための方法であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、前記組成物がDNA修復に関連する遺伝子の発現を調節する、前記方法。
【請求項5】
前記投与のステップが、各々一日に2回投与される、3つの錠剤の形態で前記組成物を対象へ投与することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記投与のステップが、前記組成物を投与し、それによりDNA修復関連遺伝子の発現を上方制御することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物の有効量を投与することによって、クロマチン損傷のリスクを減少させるための方法であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、前記組成物が遺伝子の発現を調節し、それによりクロマチン損傷のリスクを減少させることを含む、前記方法。
【請求項8】
前記投与のステップが、各々一日に2回投与される、3つの錠剤の形態で前記組成物を対象へ投与することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記投与のステップが、クロマチン安定性関連遺伝子の発現を上方制御する組成物を投与することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
果実成分、野菜成分、及びハーブ成分を含む組成物であって、前記果実成分がザクロ及びシトラス・バイオフラボノイドの少なくとも一つであり、前記野菜成分がアスパラガス、ルテイン、リコピン、及びクレソンの少なくとも一つであり、そして前記ハーブ成分がバジル、オレガノ、及びローズマリーの少なくとも一つであり、遺伝子の発現を調節し、それによりクロマチン損傷のリスクを減少させる、前記組成物の有効量;並びに、
クロマチンの安定性を変化させる、疾患を処置するための第二の組成物
を含む、併用療法。
【請求項11】
アルファルファ、アブラナ属、及びケールをさらに含む、請求項10に記載の併用療法。
【請求項12】
ビタミン及びミネラルをさらに含む、請求項10に記載の併用療法。
【請求項13】
前記ビタミンが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、及びパントテン酸から選択される、請求項12に記載の併用療法。
【請求項14】
前記ミネラルが、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素、カリウム、銅、亜鉛、リン、マンガン、クロム、セレン、及びモリブデンから選択される、請求項12に記載の併用療法。
【請求項15】
前記シトラス・バイオフラボノイドが、濃縮形態で存在し、そしてナリンゲン(naringen)、ヘスペリジン、及びナリルチン(narirutin)を含む、請求項10に記載の併用療法。
【請求項16】
前記果実成分、前記野菜成分、及び前記ハーブ成分が、3.5:1:1の比率で存在する、請求項10に記載の併用療法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2011−516480(P2011−516480A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503009(P2011−503009)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/036147
【国際公開番号】WO2009/123821
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/036147
【国際公開番号】WO2009/123821
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】
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