説明

核酸を増幅および配列決定する方法

ゲノム配列決定のような迅速DNA配列決定を行うための装置および方法が本明細書中に提供される。本方法は、ゲノム配列決定用のサンプルDNAを調製する工程、調製されたDNAを典型的方法で増幅する工程、および、一つのプライマーハイブリダイゼーション工程しか用いずに増幅されたDNA上で多重配列決定反応を行う工程を含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)大きなテンプレート核酸分子を断片化して、複数の断片化核酸を産出する工程;
(b)複数の水性マイクロリアクターが、断片化核酸の単一コピー、断片化核酸に結合することができる単一のビーズ、および核酸増幅を行うのに必要な試薬を含む増幅反応溶液を含むように、断片化核酸を油中水型エマルジョン中の水性マイクロリアクター中に送達する工程;
(c)マイクロリアクター中の断片化核酸を増幅して、該核酸の増幅コピーを形成し、増幅コピーをマイクロリアクター中のビーズに結合させる工程;
(d)ビーズを、平坦表面上の少なくとも10,000個の反応チャンバーのアレイに送達する工程であって、複数の反応チャンバーが、単一のビーズのみを含む、工程;および
(e)複数の反応チャンバーにおいて配列決定反応を同時に実行する工程
を含む、核酸の配列を決定する方法。
【請求項2】
反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
断片化核酸が30〜500塩基である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
複数のビーズが、少なくとも10,000個の増幅コピーを結合する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
工程(c)がポリメラーゼ連鎖反応を用いることにより達成される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
配列決定反応がピロリン酸に基づく配列決定反応である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
配列決定反応が、
(a)有効量の配列決定プライマーを核酸の増幅コピーにアニーリングし、ポリメラーゼおよび所定のヌクレオチド三リン酸を用いて配列決定プライマーを伸長して配列決定産物を産生し、かつ所定のヌクレオチド三リン酸が該配列決定プライマーの3'末端に組み込まれる場合は、配列決定反応副産物を産生する工程;および
(b)配列決定反応副産物を同定し、それにより複数の反応チャンバー中における核酸の配列を決定する工程
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
配列決定反応が、
(a)複数の配列決定プライマーを、一つまたは複数の核酸分子一本鎖にハイブリダイズさせる工程であって、一つを除いて全てのプライマーが可逆的に遮断されたプライマーである工程;
(b)少なくとも一つの塩基を、非遮断プライマーからのポリメラーゼ伸長により核酸分子に組み込む工程;
(c)該非遮断プライマーのさらなる伸長を防止する工程;
(d)可逆的に遮断されたプライマーの一つを脱遮断して非遮断プライマーにする工程;および
(e)少なくとも一つの可逆的遮断プライマーが脱遮断され配列の決定に用いられるまで工程(b)〜(d)を繰り返す工程
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
反応チャンバーが、光ファイバー束の一端をエッチングすることにより形成された空洞である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
複数の空洞を上に有する平坦表面を含むアレイであって、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、反応チャンバーは20〜100μmの中心間間隔を有し、各空洞は少なくとも一つの寸法において20μm〜70μmであり、少なくとも10,000個の反応チャンバーが存在する、アレイ。
【請求項11】
複数の反応チャンバーが、単一種の一本鎖核酸テンプレートを少なくとも100,000コピー含む、請求項10記載のアレイ。
【請求項12】
一本鎖核酸テンプレートが、反応チャンバー内に配置された可動性固体支持体上で固定されている、請求項11記載のアレイ。
【請求項13】
中心間間隔が40〜60μmである、請求項10記載のアレイ。
【請求項14】
各空洞の深さが20μm〜60μmである、請求項10記載のアレイ。
【請求項15】
平坦頂部表面と平坦底部表面とを含むアレイであって、平坦頂部表面はその上に少なくとも10,000個の空洞を有し、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、平坦底部表面は反応チャンバーからの光学的シグナルを底部平坦表面を通して検出することができるように光学的に伝導性であり、頂部表面と底部表面との間の距離が5mmを超えず、反応チャンバーは20〜100μmの中心間間隔を有し、各チャンバーの幅は少なくとも一つの寸法において20μm〜70μmである、アレイ。
【請求項16】
頂部表面と底部表面との間の距離が2mmを超えない、請求項15記載のアレイ。
【請求項17】
空洞の数が50,000を超える、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項18】
空洞の数が100,000を超える、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項19】
各反応チャンバーの形状が実質的に六角形である、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項20】
各空洞が少なくとも一つの不規則な壁面を有する、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項21】
アレイが溶融光ファイバー束内に形成される、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項22】
各空洞が平滑壁面を有する、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項23】
光ファイバー束の一端をエッチングすることにより空洞が形成される、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項24】
各空洞が核酸またはタンパク質を分析するための試薬を含む、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項25】
アレイ上に流動チャンバーが形成されるように平坦アレイから間隔を空けられ、かつそれと対向して接している第二の表面をさらに含む、請求項10または15記載のアレイ。
【請求項26】
水性環境中において別々の平行共通反応を行うためのアレイ手段であって、該アレイ手段が、試薬と反応することができる出発材料を含む少なくとも10,000の別個の反応チャンバーを含む基質を含み、各反応チャンバーが、少なくとも一つの試薬を含む一つまたは複数の流体が各反応チャンバー中に送達されたときに、該試薬がウェルから拡散して出る拡散時間が、出発材料が試薬と反応して産物を形成するのに必要な時間を超えるような寸法にされている、アレイ手段。
【請求項27】
各空洞が核酸またはタンパク質を分析するための試薬を含む、請求項26記載のアレイ。
【請求項28】
反応チャンバー内に配置された可動性固体支持体の集団をさらに含み、各可動性固体支持体はそこに付着された一つまたは複数の生物活性剤を有する、請求項26記載のアレイ。
【請求項29】
空洞が、エッチング、成形、または微細機械加工により基質中に形成される、請求項26記載のアレイ。
【請求項30】
基質が光ファイバー束である、請求項17記載のアレイ。
【請求項31】
反応チャンバーの少なくとも5%〜20%が、少なくとも一つの試薬が上に固定された少なくとも一つの可動性固体支持体を含む、請求項10、15または26記載のアレイ。
【請求項32】
反応チャンバーの少なくとも20%〜60%が、少なくとも一つの試薬が上に固定された少なくとも一つの可動性固体支持体を有する、請求項10、15または26記載のアレイ。
【請求項33】
反応チャンバーの少なくとも50%〜100%が、少なくとも一つの試薬が上に固定された少なくとも一つの可動性固体支持体を有する、請求項10、15または26記載のアレイ。
【請求項34】
可動性固体支持体上に固定された試薬が、スルフリラーゼ活性を有するポリペプチドである、請求項31記載のアレイ。
【請求項35】
可動性固体支持体上に固定された試薬が、ルシフェラーゼ活性を有するポリペプチドである、請求項31記載のアレイ。
【請求項36】
可動性固体支持体が、固定されたスルフリラーゼとルシフェラーゼの両方を有する、請求項31記載のアレイ。
【請求項37】
複数の反応チャンバーが、単一種の一本鎖核酸テンプレートを少なくとも100,000コピー含む、請求項31記載のアレイ。
【請求項38】
一本鎖核酸テンプレートが、反応チャンバー内に配置された可動性固体支持体上に固定されている、請求項31記載のアレイ。
【請求項39】
核酸が、ピロシーケンシング反応(pyrosequencing reaction)に用いるのに適している、請求項10、15または26記載のアレイ。
【請求項40】
生物活性剤をアレイに送達する方法であって、
各可動性固体支持体の上に少なくとも一つの試薬が固定されている複数の可動性固体支持体をアレイ上に分散させる工程を含み、該試薬は核酸配列決定反応での使用に適し、該アレイは複数の反応チャンバーが上に配置された平坦表面を含み、該反応チャンバーの中心間間隔は20〜100μmであり、各反応チャンバーの幅は少なくとも一つの寸法において20μm〜70μmである、方法。
【請求項41】
反応が特定の部位で起こっていることを示す光について反応チャンバーのアレイを同時にモニターする装置であって、
(a)空洞を設けた複数の表面を含む平坦基材から形成された反応チャンバーのアレイであって、空洞を設けた各表面が、分析体を含むように適合された反応チャンバーを形成し、かつ反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、各反応チャンバーの体積が10〜150pLであり、10,000個を超える別々の反応チャンバーを含む、アレイ;
(b)使用時に、特定の反応チャンバーからの光が、光学的感受性装置の特定の所定の領域に衝突するように配列された光学的感受性装置;
(c)該所定の領域の各々に衝突する光レベルを決定するための手段;および
(d)該反応チャンバーの各々について、該光レベルの経時変動を記録するための手段
を含む装置。
【請求項42】
(a)空洞を設けた複数の表面を一端に有する光ファイバーの第1の束から形成されるアレイであって、空洞を設けた各表面が、分析体を含むように適合された反応チャンバーを形成し、該反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、幅が20〜70μmであり、10,000個を超える別々の反応チャンバーを含む、アレイ;
(b)反応チャンバー内において光を発生させるための酵素的または蛍光的手段;
(c)光捕捉手段と、光検出手段に光を伝達するための第2の光ファイバー束とを含む光検出手段であって、個々の反応チャンバー内において発生した光が、光捕捉手段に伝達するための第2の光ファイバー束の別々のファイバーまたは別々のファイバー群より捕捉されるように、第2の光ファイバー束がアレイと光学的に接触している、光検出手段
を含む、分析センサー。
【請求項43】
生化学的アッセイにおける使用に適している、請求項42記載のセンサー。
【請求項44】
細胞に基づくアッセイにおける使用に適している、請求項42記載のセンサー。
【請求項45】
光捕捉手段がCCDカメラである、請求項42記載のセンサー。
【請求項46】
反応チャンバーが、生物活性剤が上に固定された一つまたは複数の可動性固体支持体を含む、請求項42記載のセンサー。
【請求項47】
水性環境中で、別々の平行共通反応を行うための方法であって、
(a)少なくとも一つの試薬を含む流体をアレイに送達する工程であって、該アレイは、少なくとも10,000個の別々の反応チャンバーを含む基質を含み、各反応チャンバーは分析体を含むように適合されており、反応チャンバーは体積が10〜150pLであり、かつ試薬と反応することができる出発材料を含み、反応チャンバーの各々は、流体が各反応チャンバー中に送達されたときに、該試薬がウェルから拡散して出る拡散時間が、出発材料が試薬と反応して産物を形成するのに必要な時間を超えるような寸法にされている、工程;および
(b)(i)各反応チャンバーにおいて出発材料が試薬と反応して産物を形成した後であるが(ii)いずれか一つの反応チャンバーに送達された試薬が該反応チャンバーから拡散して出て他の反応チャンバーに入る前の期間に、アレイから流体を洗う工程
を含む方法。
【請求項48】
いずれか一つの反応チャンバーにおいて形成された産物が、他のいずれかの反応チャンバーにおいて形成された産物から独立しているが、一つまたは複数の共通の試薬を用いて生成する、請求項47記載の方法。
【請求項49】
出発材料が核酸配列であり、流体中の少なくとも一つの試薬がヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体である、請求項47記載の方法。
【請求項50】
流体が、核酸配列とヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を反応させることができるポリメラーゼをさらに含む、請求項47記載の方法。
【請求項51】
工程(a)および(b)を順次繰り返す工程をさらに含む、請求項47記載の方法。
【請求項52】
核酸配列決定酵素をアレイに送達するための方法であって、該アレイが複数の空洞を上に有する平坦表面を有し、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、該方法は、複数の反応チャンバーが少なくとも一つの可動性固体支持体を含むように、一つまたは複数の核酸配列決定酵素が上に固定された複数の可動性固体支持体をアレイ上に分散させる工程を含む、方法。
【請求項53】
核酸配列決定酵素の一つが、スルフリラーゼ活性、ルシフェラーゼ活性またはその両方を有するポリペプチドである、請求項52記載の方法。
【請求項54】
複数の核酸テンプレートをアレイに送達するための方法であって、該アレイが複数の空洞を上に有する平坦表面を有し、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、アレイは少なくとも10,000個の反応チャンバーを有し、該方法は、複数の可動性固体支持体をアレイ上に分散させる工程を含み、各可動性固体支持体は一種のみの核酸テンプレートがその上に固定されており、分散は、一つの可動性固体支持体のみをいずれか一つの反応チャンバー内へ配置させる、方法。
【請求項55】
核酸配列が一本鎖核酸である、請求項54記載の方法。
【請求項56】
単一種の核酸テンプレートの少なくとも100,000個のコピーを、複数の可動性固体支持体上に固定する、請求項54記載の方法。
【請求項57】
反応チャンバー中に配置された後に、単一種の核酸テンプレートの各々をピコタイタープレート上で増幅して、ウェル1つ当たり少なくとも2,000,000個の該核酸テンプレートのコピーを生成する、請求項54記載の方法。
【請求項58】
ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応および等温DNA増幅からなる群より選択される増幅技術を用いて核酸配列を増幅させる、請求項57記載の方法。
【請求項59】
核酸の配列を決定する方法であって、
(a)平坦表面上の複数の空洞中に配置された複数の一本鎖核酸テンプレートを提供する工程であって、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、該反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、かつ平坦表面は少なくとも10,000個の反応チャンバーを有する、工程;
(b)有効量の配列決定プライマーを核酸テンプレートにアニーリングし、配列決定プライマーをポリメラーゼおよび所定のヌクレオチド三リン酸を用いて伸長させて配列決定産物を産生させ、かつ所定のヌクレオチド三リン酸が該配列決定プライマーの3'末端に組み込まれる場合は、配列決定反応副産物を産生することにより、全ての反応チャンバー上においてピロリン酸に基づく配列決定反応を同時に行う工程;
(c)配列決定反応副産物を同定し、それにより、各反応チャンバー中の核酸の配列を決定する工程
を含む方法。
【請求項60】
配列決定反応副産物がPPiであり、検出のための光を発生させるためにスルフリラーゼ/ルシフェラーゼ共役反応を用いる、請求項59記載の方法。
【請求項61】
スルフリラーゼおよびルシフェラーゼのいずれかまたは両方が、各反応部位において配置された一つまたは複数の可動性固体支持体上に固定される、請求項60記載の方法。
【請求項62】
アレイ上の複数のヌクレオチドの塩基配列を決定する方法であって、
(a)平坦表面上の複数の空洞内に各々別々に配置された少なくとも10,000個のDNAテンプレートを提供する工程であって、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、体積が10〜150pLである、工程;
(b)活性化ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体をプライマー鎖の3'-末端に組みこむことができる反応条件下において、一つの既知の窒素性塩基の活性化ヌクレオチド5'-三リン酸前駆体を各反応チャンバー中の反応混合物に添加する工程であって、各反応混合物が、テンプレート依存性ヌクレオチドポリメラーゼ、および、テンプレートより少なくとも一ヌクレオチド残基短い相補性オリゴヌクレオチドプライマー鎖にハイブリダイズし、プライマー鎖の3'末端で各テンプレート中に少なくとも一つの不対ヌクレオチド残基が形成する、一本鎖ポリヌクレオチドテンプレートを含む、工程(ただし、活性化ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体の窒素性塩基は、テンプレートの不対ヌクレオチド残基の窒素性塩基に相補的である);
(c)ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体がプライマー鎖中に組み込まれたかどうか検出する工程であって、ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体の組み込みは、テンプレートの不対ヌクレオチド残基が、組み込まれたヌクレオシド5'-三リン酸前駆体に相補的な窒素性塩基組成を有することを示す、工程;ならびに
(d)工程(b)および(c)を順次繰り返す工程であって、各順次繰り返しが、既知の窒素性塩基組成の活性化ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体の一つの種類の組み込みを増加し、かつ検出する工程;ならびに
(e)該ヌクレオシド前駆体の組み込みの配列から、各反応チャンバー中でテンプレートの不対ヌクレオチド残基の塩基配列を決定する工程
を含む方法。
【請求項63】
テンプレートDNAのDNA配列中の標的位置における塩基を同定する方法であって、
(a)少なくとも10,000個の別々のDNAテンプレートが、平坦表面上の複数の空洞中に別々に配置され(各空洞は分析体反応チャンバーを形成し、反応チャンバーの中心間間隔は20〜100μmであり、該DNAは、反応チャンバー中に配置される前または後に一本鎖にされる);
(b)該標的位置に直接隣接する位置で固定化一本鎖DNAにハイブリダイズする伸長プライマーが提供され;
(c)該固定化一本鎖DNAが、所定のデオキシヌクレオチドまたはジデオキシヌクレオチドの存在下でポリメラーゼ反応に供され、所定のデオキシヌクレオチドまたはジデオキシヌクレオチドが配列決定プライマーの3'末端に組み込まれると、配列決定反応副産物が形成され;かつ
(d)配列決定反応副産物を同定し、それにより、10,000個のDNAテンプレートの各々における標的位置の塩基に相補的なヌクレオチドを決定する、方法。
【請求項64】
デオキシまたはジデオキシアデノシン三リン酸(ATP)の代わりに、ポリメラーゼ用の基質として作用することができるが、該PPi-検出酵素用の基質として作用することはできないdATPまたはddATP類似体を用いる、請求項63記載の方法。
【請求項65】
核酸配列を分析するための装置であって、
(a)試薬送達キュベットであって、該キュベットが、複数の空洞を上に有する平坦表面を含むアレイを含み、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、10,000個を超える反応チャンバーがあり、配列決定反応に用いるための試薬を含む、試薬送達キュベット;
(b)試薬送達キュベットと連通している試薬送達手段;
(c)試薬送達チャンバーと連通している結像システム;および
(d)結像システムと連通しているデータ収集システム
を含む装置。
【請求項66】
アレイ上の複数のヌクレオチドの塩基配列を決定するための装置であって、
(a)平坦表面上に複数の空洞を含む試薬キュベットであって、各空洞が分析体反応チャンバーを形成し、10,000個を超える反応チャンバーがあり、その各々の中心間間隔が20〜100μmであり、かつ体積が10〜150pLである、試薬キュベット;
(b)活性化ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体をプライマー鎖の3'-末端に組み込むことができる反応条件下において、各反応チャンバーに一つの既知の窒素性塩基の活性化ヌクレオチド5'-三リン酸前駆体を各反応チャンバー中の反応混合物に同時に添加するための試薬送達手段であって、各反応混合物が、テンプレート依存性ヌクレオチドポリメラーゼ、および、テンプレートより少なくとも一ヌクレオチド残基短い相補性オリゴヌクレオチドプライマー鎖にハイブリダイズし、プライマー鎖の3'末端で各テンプレート中に少なくとも一つの不対ヌクレオチド残基を形成する、一本鎖ポリヌクレオチドテンプレートを含む、手段(ただし、活性化ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体の窒素性塩基は、テンプレートの不対ヌクレオチド残基の窒素性塩基に相補的である);
(c)各反応チャンバーにおいてヌクレオシド5'-三リン酸前駆体がプライマー鎖中に組み込まれたかどうか検出するための検出手段であって、ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体の組み込みは、テンプレートの不対ヌクレオチド残基が、組み込まれたヌクレオシド5'-三リン酸前駆体に相補的な窒素性塩基組成を有することを示す、検出手段;
(d)工程(b)および(c)を順次繰り返すための手段であって、各順次繰り返しは、既知の窒素性塩基組成の活性化ヌクレオシド5'-三リン酸前駆体の一つの種類の組み込みを増加し、かつ検出する、手段;および
(e)該ヌクレオシド前駆体の組み込みの配列から、各反応チャンバー中で同時にテンプレートの不対ヌクレオチド残基の塩基配列を決定するための、データ処理手段
を含む装置。
【請求項67】
複数の分析体を処理するための装置であって、該装置は、
(a)光ファイバー束上に空洞を設けた少なくとも50,000個の表面を含む基質が中に配置されたフローチャンバーであって、空洞を設けた各表面が、分析体を含むように適合された反応チャンバーを形成し、反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmであり、かつ直径が20〜70μmである、フローチャンバー;
(b)一つまたは複数の貯蔵器からの処理試薬を、反応チャンバー中に配置された分析体が試薬に曝されるように、フローチャンバーに送達するための流体手段;および
(c)反応チャンバーの各々からの光シグナルの配列を同時に検出するための検出手段であって、配列の各光シグナルは、処理試薬と反応チャンバー中に配置された分析体との間の相互作用を示し、検出手段が空洞を設けた表面と連通している、検出手段
を含む装置。
【請求項68】
検出手段がCCDカメラである、請求項67記載の装置。
【請求項69】
分析体が核酸である、請求項67記載の装置。
【請求項70】
分析体が、反応チャンバー中に配置された一つまたは複数の可動性固体支持体上に固定されている、請求項67記載の装置。
【請求項71】
処理試薬が、一つまたは複数の可動性固体支持体上に固定されている、請求項67記載の装置。
【請求項72】
核酸の配列を決定するための方法であって、
(a)少なくとも50,000個の別々の反応部位を有するアレイ中に、複数の一本鎖核酸テンプレートを提供する工程;
(b)核酸テンプレートを、発光と共役するピロリン酸に基づく配列決定反応を行うのに必要な試薬に接触させる工程;
(c)光学的感受性装置のそれぞれの部分上における複数の反応部位から放出された光を検出する工程;
(d)該光学的感受性装置の該部分の各々に衝突する光を、他の全ての反応部位からのシグナルと区別できる電気シグナルに転換する工程;
(e)核酸テンプレートの配列を、別々の反応部位の各々についての発光に基づき。対応する電気シグナルから決定する工程
を含む方法。
【請求項73】
(a)異なる生物学的供給源ライブラリーからの断片化核酸を固有に標識して、異なる検出可能配列標識を有する断片化核酸のライブラリーを作る工程;および
(b)該断片化核酸の配列を決定し、標識核酸断片の各々から該検出可能配列標識を検出する工程
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項74】
ライブラリーを個々に送達するか、、またはライブラリーを同時に混合および送達する、請求項1記載の方法。
【請求項75】
検出可能配列標識が、2〜50塩基のオリゴヌクレオチドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項76】
核酸の配列を決定する方法であって、
(a)大きなテンプレート核酸分子を断片化して複数の断片化核酸を生成する工程;
(b)複数の断片化核酸の一つの鎖を個々にビーズに付着させて、個々にビーズに付着した一本鎖核酸を生成する工程;
(c)個々にビーズに付着した一本鎖断片化核酸の集団を、平坦表面上の少なくとも10,000個の反応チャンバーのアレイに送達する工程であって、複数のウェルが、一本鎖断片化核酸を有する一つのビーズしか含まない工程;
(d)複数の反応チャンバー上において配列決定反応を同時に行う工程
を含む方法。
【請求項77】
反応チャンバーの中心間間隔が20〜100μmである、請求項76記載の方法。
【請求項78】
断片化核酸が30〜500塩基である、請求項76記載の方法。
【請求項79】
断片化核酸を、工程(d)の前に反応チャンバー中で増幅する、請求項76記載の方法。
【請求項80】
増幅工程がポリメラーゼ連鎖反応を用いて達成される、請求項76記載の方法。
【請求項81】
配列決定反応がピロリン酸に基づく配列決定反応である、請求項76記載の方法。
【請求項82】
配列決定反応が、
(f)有効量の配列決定プライマーを一本鎖断片化核酸テンプレートにアニーリングし、ポリメラーゼおよび所定のヌクレオチド三リン酸を用いて配列決定プライマーを伸長して配列決定産物を産生し、かつ、所定のヌクレオチド三リン酸が該配列決定プライマーの3'末端に組み込まれる場合は、配列決定反応副産物を産生する工程;および
(g)配列決定反応副産物を同定し、それにより複数の反応チャンバー中における核酸の配列を決定する工程
を含む、請求項76記載の方法。
【請求項83】
配列決定反応が、
(a)一つを除いて全てのプライマーが可逆的に遮断されたプライマーである2つ以上の配列決定プライマーを、核酸分子の一つまたは複数の一本鎖にハイブリダイズする工程;
(b)少なくとも一つの塩基を、非遮断プライマーからのポリメラーゼ伸長により核酸分子に組み込む工程;
(c)該非遮断プライマーのさらなる伸長を防止する工程;
(d)可逆的に遮断されたプライマーの一つを脱遮断して非遮断プライマーにする工程;および
(e)少なくとも一つの可逆的遮断プライマーが脱遮断され配列の決定に用いられるまで、工程(b)〜(d)を繰り返す工程
を含む請求項76記載の方法。
【請求項84】
反応チャンバーが、光ファイバー束の一端をエッチングすることにより形成された空洞である、請求項76記載の方法。

【公表番号】特表2007−523627(P2007−523627A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532273(P2006−532273)
【出願日】平成16年1月28日(2004.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/002570
【国際公開番号】WO2005/003375
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(505286730)454 コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】