格子マット
【課題】マットの保管と設置を容易に行うことができ、地面被覆材の補強する又は、地面又は傾斜面を保護することができ、さらに、層の厚さを減らす又は、層の寿命を増加させることのできる格子マットを創造する
【解決手段】マット(10)の格子の骨組みを、平坦な断面を有する複数の屈曲した帯状要素(1、1’;1”;21;31)によって形成し、該帯状要素を、マット(10)の長手延在方向を横切るように該帯状要素のより長い横断面側に一直線上に配置し、各要素(1、1’;1”;21、21’;31、31’)に、互いに間隔(d)を置いて配置され軸(2)を受け入れる少なくとも2つの開口(3、4;23、24;33、34)を備え、それぞれ、マット(10)の縦軸(L)の方向で隣接する少なくとも2つの要素(1、1’;1”21;31)を、軸(2)を介して、相互に柔軟に結合した。
【解決手段】マット(10)の格子の骨組みを、平坦な断面を有する複数の屈曲した帯状要素(1、1’;1”;21;31)によって形成し、該帯状要素を、マット(10)の長手延在方向を横切るように該帯状要素のより長い横断面側に一直線上に配置し、各要素(1、1’;1”;21、21’;31、31’)に、互いに間隔(d)を置いて配置され軸(2)を受け入れる少なくとも2つの開口(3、4;23、24;33、34)を備え、それぞれ、マット(10)の縦軸(L)の方向で隣接する少なくとも2つの要素(1、1’;1”21;31)を、軸(2)を介して、相互に柔軟に結合した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子マットに関し、特に、土壌保持又は、地面被覆材を保護する格子マット及び、本発明の請求項1〜10に記載されたマットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
平線格子形状のこの種のマットは、相互に溶接された金属線で形成されるか、亀甲金網に織り込まれ形成され、従来より知られている。例えば、それらは、アスファルトで舗装された地面被覆材を補強する目的で使用される。このようなマットは、アスファルトが適用される前に地面に広げられる際に、その広げられる現場にロール状又はパネル状にして搬送される。アスファルトの層が、一度、乾燥して硬化すると、金属線の結合力が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この格子線は、それらが保管や移送されている間に巻き上げられていることによって変形し、それを敷いて実際に設置することがより難しくなるという1つの欠点がある。さらに、それらの構造が原因となって、結合位置でより大きな変形が生じるという欠点がある。
【0004】
溶接による格子の場合、それらを巻き上げることはできず、その上、重量が大きいので、それらを小さい領域にしか形成することができないという欠点があった。これらの格子の略2次元構造によって、それら格子と周辺材料との間の楔止め及び結合が極めて制限される。
【0005】
本発明は、マットの保管と設置を容易に行うことができ、地面被覆材の補強する又は、地面又は傾斜面を保護することができ、さらに、層の厚さを減らす又は、層の寿命を増加させることのできる初めに記載した種類の格子マットを創造する問題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、本発明にしたがって、請求項1の特徴を有する格子マットによって解決される。
【0007】
本発明の格子マット及びその使用のさらに好ましい実施の形態が、従属項の対象を形成する。
【0008】
本発明の格子マットは、製造において簡易で経済的である。それは、種々の広い目的で使用される。その使用は、アスファルトで舗装された地面の補強(装甲)において特に、有利である。そのマットは、多数の帯状要素を有しており、複数箇所で屈曲され、長手方向に延在して、マットの格子骨組みを形成する。格子隙間の深さは、横断面で見て、より長い要素の側面に対応し、例えば、10から15mmである。
【0009】
本発明のマットに適用されるアスファルトの層は、乾燥及び硬化の後に、通常の格子網が使用される場合よりもはるかに良好に密着する。
【0010】
これにより、本発明の強化されたアスファルトの層が、応力及び天候(寒気、高温等)に対してより良好な耐性を有する、すなわち、地面被覆材のひびや変形の要因となる多額のメンテナンス費用を特に大きく抑えることができる。更に、アスファルト舗装が行われる前又は、行われている途中に、車両が本発明のマット上を走行しても、アスファルトが損傷する又は、ずれてしまうことがない。
【0011】
本発明のマットのさらなる利点は、そのマットが、巻き上げられることによって、変形又はそれ自体で絡まり、後に広げることが難しくなるという危険要素を有することなく、容易にロール状に巻き上げる、或いは、容易にコンサーティーナ(concertina)のように折り曲げることができるということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を、図面を参照してより詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は、要素1を示しており、この要素1は、軸Aに沿って延在し、図4に示される格子マット10のために均等に数箇所で屈曲されている。そして、要素1は、好ましくは、扁平断面を有する金属帯(metal strip)を屈曲したものである。長手断面側は、例えば、10から15mmとすることが可能な長さbを有している。帯の厚さは、図2でe(例えば、1mm)と指定されている。要素1は、例えば、公称張力が1000から2200N/mm2の高張力鋼によって構成される。示された本実施の形態における要素1の個々の屈曲体は、略U字形状であり、突部(図2に対応した間隔)に相当する2つの脚部1b、1cを結合する側部1aは、突部の開放端における脚部1b、1cの間の間隔a1より若干小さい。
【0014】
脚部1b、1cの長さは、図2でhと指定されている。相互に若干小さい距離dをおいて位置している。連結ピン又は連結軸2用の開口3、4は、それぞれの脚部1b、1cに形成されている。なお、連結軸2は、鋼棒の形態であることが好ましい。図3から理解されるように、軸2が、一方の要素1の開放端により近い開口4及び、連結側面1aにより近くに位置する他方の要素1’の開口3を通して挿通されることによって、複数箇所で屈曲された2つの要素1、1’を、相互に連結しても良い。多数の格子隙間5、6は、2つの要素1、1’により及び/又は、それらの連結しているU字形屈曲体(略矩形状でもよい)により囲まれることによって、作られる。また、それら格子隙間5、6の深さが側方長さbによって規定される。格子隙間の領域は、例えば、80×120mmでよい。
【0015】
図3に従う要素1、1’に類似して、図4によれば、格子の骨組みを形成するために、さらなる要素1”が、取り付けられている。この場合、2つの隣接した要素Vを連結するためのさらなる軸2’が、対応する開口3、4に挿通されている。
【0016】
本発明の格子マット10は、巻き上げること及び、長手軸L(図4参照)において再び広げることを容易に行うことができる。この場合、要素1、1’、1”は、対応する軸2、2’を中心に回転する。ここでは、溶接された金属線で作られた通常の金属線格子と異なり、マットが巻き上げによって変形し、後に広げることが困難になる可能性があるという危険要素がない。
【0017】
上述のように構成された本発明の格子マット10は、多様な目的に使用することができる。地面被覆材が垂直方向に連続し広げられた格子マット10の格子隙間5、6が、アスファルトで満たされる場合に、アスファルト舗装された地面被覆材を補強するために使用されることが特に有効である。格子隙間5、6の深さは、帯の幅と対応する。すなわち、例えば、10から12mmである。このマット10は、コンクリートにおける装甲(armouring)又は補強としての他の使用がなされるであろう。
【0018】
実質的に2次元(線が互いに交差する部分を除いて、その厚さ線1本分にのみ相当する)でしかない通常の使用される金属線格子と比較して、本発明のマット10に付けられるアスファルト層は、マット10の3次元構造により、乾燥及び硬化の後により良好にしっかりと密着する。これによって、本発明によれば固められたアスファルト層が、メンテナンス費用の増大を招くひびや変形の原因となる応力及び天候(寒気、高温等)に対してより良好な耐性を備えることが可能である。
【0019】
更なる利点は、本発明のマット10が、特に高張力鋼により構成されている場合に、アスファルト舗装される前、或いは、舗装されている間に、その上を車両が走行しても、アスファルトの損傷やずれが発生しないということである。また、サイズ又は性質が異なる数枚のマットを、相互に連結する又は、重なり合わせることは、容易に可能であろう。
【0020】
本発明のマット10は、草原地帯等の走行可能な陸地や緑地を保護することにも好適であり、地勢(terrain)が柔らかい(soft)ときであっても、そのマット10上を、車輪の轍を作ることなく走行できる。
【0021】
粒状の非結合(unbound)層、例えば、砂利又は石の層は、本発明のマット10によって有利に固めることができる。これらは、土砂堤防又は防波堤防でもよく、数枚のマット10が他のマットの上に層状に重ねられることが好ましい。
【0022】
最後に、傾斜地又は傾斜面が、本発明のマット10を用いて保護されてもよく、植物の層が、マット10(侵食防止)に固定されてもよい。これは、軸2についての上記単位部分の回転が、地形への少なくとも一部の適合を考慮すると有利であるからである。直面する(fencing)目的のためにマット10を使用することが可能であろう。
【0023】
図5及び図6に示されるように、要素1の個々の屈曲体は、格子の骨組みを形成し、従って、更に、隣接要素によって囲まれた格子隙間が、図1から4に示されたものと完全に異なる。突部は、例えば、端状(pointed)、曲線状又は、台形状である。
【0024】
単一の連続軸又は鋼棒2の代わりに、数本の軸又は突起を、隣接要素1の回転可能な連結のために使用することが明らかに可能である。この場合、連続鋼棒の使用が、特に簡易で、マット10をより強固にすることに貢献し、従って、地面又は地面被覆材をより良好に保護することにも貢献する。
【0025】
図7に従うと、原理上は、2つ以上の要素1、7が、連結するように配置されてもよい。そして、それに対応する方法において、4つの要素が1つの軸2によって結合保持される。これによって、特に、マットが重層として使用される場合に、その強度がさらに増加する。
【0026】
上述のように、長手方向に延在する要素1(複数回屈曲された)の位置で、例えば、図8a、8b、8c、又は、9a、9b、9cに従い、格子形状を形成する要素21及び/又は31を使用することが可能であろう。加えて、ここでは、これらは、屈曲された帯状要素であり、軸2で回転可能に保持され、マットの長手延在方向を横切るように又は、該方向に垂直となるように、より長い横断面側(longer cross section)に沿って順々に整列されている。それら要素は、金属、例えば、高張力鋼によって等しく有利に構成されている。それらは、それぞれ、相互に距離dをおいて配置されている2つの開口23、24又は33、34を有している。そして、これら開口は、それぞれ軸2を受け入れるために設けられている。図8c及び9cによると、そのような大量の要素21又は31が、軸2に割り当てられる。
【0027】
図8a、8b及び8cに示された変形例において、湾曲要素21は、各々の軸2に回転可能に保持されており、これらの要素21は、隣接して相互に接続された状態で配置された単位部分21’、21”から構成されている。
【0028】
単位部分21’、21”は、軸2のための開口23、24がもうけられた2つの平行な連結片21a、21bと、更に、連結片21a、21bを連結し、その間で所定の角度をなす中間片21cから形成されている。隣接して配置された要素21の中間片21cは、互いに反対方向に角度を付けて曲げられている。一方の軸のための開口23が設けられた連結片21a及び、隣接して配置された単位部分21’、21”の他方の軸のための開口24が設けられた連結片21bは、好ましくは、互いに交互に溶接される。
【0029】
軸2を受け入れる開口23が設けられフォーク状の溝25を備えた単位部分21’、21”が、結集された場合、マット10の縦軸L方向に隣接する要素の連結片24は、軸2の挿入の前に挿入される。
【0030】
図9aは、2つの平行な連結片31a、31bと中間片31cから成る要素31の2つの単位部分31’、31”を示している。2つの平行な連結片31a、31bは、各軸2のためにそれぞれ距離dをおいて配置されている開口33、34を有している。中間片31cは、連結片31a、31bに接続され、所定の角度をなしている。付加角(additional angle)を備えた中間片31cは、反対方向に角度を付けて曲げられている。
【0031】
図9bに従うと、一方の軸のための開口33を備えた連結片31a及び、隣接して配置された単位部分31’、31”の他方の軸のための開口34を備えた連結片31bは、相互に溶接されることが好ましい。相互に溶接された後、これらは、ひし形タイプの構造となることが特徴である。一体に溶接された単位部分31’、31”は、並んで一列に配置され、同列で隣接した構造の2つの対抗角部36、37で連結される。ひし形タイプの構造を作る2つの単位部分31’、31”は、連結片31aで、それぞれフォーク状の溝35を形成し、軸2が挿入される前に、マット10の縦軸L方向に隣接する要素31の連結片34がこのフォーク状の溝35に挿入されても良い。
【0032】
図9cは、軸2により一体に回転可能となるように保持された単位部分31’、31”からなる複数の要素31で形成されたマットの一部を示す。
【0033】
図8c及び図9cに示されるこれらのマットは、それらの長手方向の延在に対して縦軸及び横軸の両方における力を最適に吸収する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の格子マット用の稲妻形状要素及び、そのような2つの要素を連結するための要素の具体例。
【図2】拡大した図1の稲妻形状要素の一部。
【図3】連結状態における図1に示される格子マット。
【図4】図1から3による要素を使用して組み立てられた格子マット。
【図5】本発明の格子マットの具体例
【図6】本発明の格子マットの具体例
【図7】本発明による稲妻形状要素の変形例の部分平面図
【図8】稲妻形状要素のさらなる変形例の斜視図である。
【図9】格子の骨組みを形成する帯状要素の具体例の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 要素
2 軸
3 開口
4 開口
5 格子隙間
6 格子隙間
10 マット
21 単位部分
23 開口
24 開口
25 溝
31 単位部分
33 開口
34 開口
35 溝
36 対向角部
37 対向角部
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子マットに関し、特に、土壌保持又は、地面被覆材を保護する格子マット及び、本発明の請求項1〜10に記載されたマットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
平線格子形状のこの種のマットは、相互に溶接された金属線で形成されるか、亀甲金網に織り込まれ形成され、従来より知られている。例えば、それらは、アスファルトで舗装された地面被覆材を補強する目的で使用される。このようなマットは、アスファルトが適用される前に地面に広げられる際に、その広げられる現場にロール状又はパネル状にして搬送される。アスファルトの層が、一度、乾燥して硬化すると、金属線の結合力が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この格子線は、それらが保管や移送されている間に巻き上げられていることによって変形し、それを敷いて実際に設置することがより難しくなるという1つの欠点がある。さらに、それらの構造が原因となって、結合位置でより大きな変形が生じるという欠点がある。
【0004】
溶接による格子の場合、それらを巻き上げることはできず、その上、重量が大きいので、それらを小さい領域にしか形成することができないという欠点があった。これらの格子の略2次元構造によって、それら格子と周辺材料との間の楔止め及び結合が極めて制限される。
【0005】
本発明は、マットの保管と設置を容易に行うことができ、地面被覆材の補強する又は、地面又は傾斜面を保護することができ、さらに、層の厚さを減らす又は、層の寿命を増加させることのできる初めに記載した種類の格子マットを創造する問題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、本発明にしたがって、請求項1の特徴を有する格子マットによって解決される。
【0007】
本発明の格子マット及びその使用のさらに好ましい実施の形態が、従属項の対象を形成する。
【0008】
本発明の格子マットは、製造において簡易で経済的である。それは、種々の広い目的で使用される。その使用は、アスファルトで舗装された地面の補強(装甲)において特に、有利である。そのマットは、多数の帯状要素を有しており、複数箇所で屈曲され、長手方向に延在して、マットの格子骨組みを形成する。格子隙間の深さは、横断面で見て、より長い要素の側面に対応し、例えば、10から15mmである。
【0009】
本発明のマットに適用されるアスファルトの層は、乾燥及び硬化の後に、通常の格子網が使用される場合よりもはるかに良好に密着する。
【0010】
これにより、本発明の強化されたアスファルトの層が、応力及び天候(寒気、高温等)に対してより良好な耐性を有する、すなわち、地面被覆材のひびや変形の要因となる多額のメンテナンス費用を特に大きく抑えることができる。更に、アスファルト舗装が行われる前又は、行われている途中に、車両が本発明のマット上を走行しても、アスファルトが損傷する又は、ずれてしまうことがない。
【0011】
本発明のマットのさらなる利点は、そのマットが、巻き上げられることによって、変形又はそれ自体で絡まり、後に広げることが難しくなるという危険要素を有することなく、容易にロール状に巻き上げる、或いは、容易にコンサーティーナ(concertina)のように折り曲げることができるということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を、図面を参照してより詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は、要素1を示しており、この要素1は、軸Aに沿って延在し、図4に示される格子マット10のために均等に数箇所で屈曲されている。そして、要素1は、好ましくは、扁平断面を有する金属帯(metal strip)を屈曲したものである。長手断面側は、例えば、10から15mmとすることが可能な長さbを有している。帯の厚さは、図2でe(例えば、1mm)と指定されている。要素1は、例えば、公称張力が1000から2200N/mm2の高張力鋼によって構成される。示された本実施の形態における要素1の個々の屈曲体は、略U字形状であり、突部(図2に対応した間隔)に相当する2つの脚部1b、1cを結合する側部1aは、突部の開放端における脚部1b、1cの間の間隔a1より若干小さい。
【0014】
脚部1b、1cの長さは、図2でhと指定されている。相互に若干小さい距離dをおいて位置している。連結ピン又は連結軸2用の開口3、4は、それぞれの脚部1b、1cに形成されている。なお、連結軸2は、鋼棒の形態であることが好ましい。図3から理解されるように、軸2が、一方の要素1の開放端により近い開口4及び、連結側面1aにより近くに位置する他方の要素1’の開口3を通して挿通されることによって、複数箇所で屈曲された2つの要素1、1’を、相互に連結しても良い。多数の格子隙間5、6は、2つの要素1、1’により及び/又は、それらの連結しているU字形屈曲体(略矩形状でもよい)により囲まれることによって、作られる。また、それら格子隙間5、6の深さが側方長さbによって規定される。格子隙間の領域は、例えば、80×120mmでよい。
【0015】
図3に従う要素1、1’に類似して、図4によれば、格子の骨組みを形成するために、さらなる要素1”が、取り付けられている。この場合、2つの隣接した要素Vを連結するためのさらなる軸2’が、対応する開口3、4に挿通されている。
【0016】
本発明の格子マット10は、巻き上げること及び、長手軸L(図4参照)において再び広げることを容易に行うことができる。この場合、要素1、1’、1”は、対応する軸2、2’を中心に回転する。ここでは、溶接された金属線で作られた通常の金属線格子と異なり、マットが巻き上げによって変形し、後に広げることが困難になる可能性があるという危険要素がない。
【0017】
上述のように構成された本発明の格子マット10は、多様な目的に使用することができる。地面被覆材が垂直方向に連続し広げられた格子マット10の格子隙間5、6が、アスファルトで満たされる場合に、アスファルト舗装された地面被覆材を補強するために使用されることが特に有効である。格子隙間5、6の深さは、帯の幅と対応する。すなわち、例えば、10から12mmである。このマット10は、コンクリートにおける装甲(armouring)又は補強としての他の使用がなされるであろう。
【0018】
実質的に2次元(線が互いに交差する部分を除いて、その厚さ線1本分にのみ相当する)でしかない通常の使用される金属線格子と比較して、本発明のマット10に付けられるアスファルト層は、マット10の3次元構造により、乾燥及び硬化の後により良好にしっかりと密着する。これによって、本発明によれば固められたアスファルト層が、メンテナンス費用の増大を招くひびや変形の原因となる応力及び天候(寒気、高温等)に対してより良好な耐性を備えることが可能である。
【0019】
更なる利点は、本発明のマット10が、特に高張力鋼により構成されている場合に、アスファルト舗装される前、或いは、舗装されている間に、その上を車両が走行しても、アスファルトの損傷やずれが発生しないということである。また、サイズ又は性質が異なる数枚のマットを、相互に連結する又は、重なり合わせることは、容易に可能であろう。
【0020】
本発明のマット10は、草原地帯等の走行可能な陸地や緑地を保護することにも好適であり、地勢(terrain)が柔らかい(soft)ときであっても、そのマット10上を、車輪の轍を作ることなく走行できる。
【0021】
粒状の非結合(unbound)層、例えば、砂利又は石の層は、本発明のマット10によって有利に固めることができる。これらは、土砂堤防又は防波堤防でもよく、数枚のマット10が他のマットの上に層状に重ねられることが好ましい。
【0022】
最後に、傾斜地又は傾斜面が、本発明のマット10を用いて保護されてもよく、植物の層が、マット10(侵食防止)に固定されてもよい。これは、軸2についての上記単位部分の回転が、地形への少なくとも一部の適合を考慮すると有利であるからである。直面する(fencing)目的のためにマット10を使用することが可能であろう。
【0023】
図5及び図6に示されるように、要素1の個々の屈曲体は、格子の骨組みを形成し、従って、更に、隣接要素によって囲まれた格子隙間が、図1から4に示されたものと完全に異なる。突部は、例えば、端状(pointed)、曲線状又は、台形状である。
【0024】
単一の連続軸又は鋼棒2の代わりに、数本の軸又は突起を、隣接要素1の回転可能な連結のために使用することが明らかに可能である。この場合、連続鋼棒の使用が、特に簡易で、マット10をより強固にすることに貢献し、従って、地面又は地面被覆材をより良好に保護することにも貢献する。
【0025】
図7に従うと、原理上は、2つ以上の要素1、7が、連結するように配置されてもよい。そして、それに対応する方法において、4つの要素が1つの軸2によって結合保持される。これによって、特に、マットが重層として使用される場合に、その強度がさらに増加する。
【0026】
上述のように、長手方向に延在する要素1(複数回屈曲された)の位置で、例えば、図8a、8b、8c、又は、9a、9b、9cに従い、格子形状を形成する要素21及び/又は31を使用することが可能であろう。加えて、ここでは、これらは、屈曲された帯状要素であり、軸2で回転可能に保持され、マットの長手延在方向を横切るように又は、該方向に垂直となるように、より長い横断面側(longer cross section)に沿って順々に整列されている。それら要素は、金属、例えば、高張力鋼によって等しく有利に構成されている。それらは、それぞれ、相互に距離dをおいて配置されている2つの開口23、24又は33、34を有している。そして、これら開口は、それぞれ軸2を受け入れるために設けられている。図8c及び9cによると、そのような大量の要素21又は31が、軸2に割り当てられる。
【0027】
図8a、8b及び8cに示された変形例において、湾曲要素21は、各々の軸2に回転可能に保持されており、これらの要素21は、隣接して相互に接続された状態で配置された単位部分21’、21”から構成されている。
【0028】
単位部分21’、21”は、軸2のための開口23、24がもうけられた2つの平行な連結片21a、21bと、更に、連結片21a、21bを連結し、その間で所定の角度をなす中間片21cから形成されている。隣接して配置された要素21の中間片21cは、互いに反対方向に角度を付けて曲げられている。一方の軸のための開口23が設けられた連結片21a及び、隣接して配置された単位部分21’、21”の他方の軸のための開口24が設けられた連結片21bは、好ましくは、互いに交互に溶接される。
【0029】
軸2を受け入れる開口23が設けられフォーク状の溝25を備えた単位部分21’、21”が、結集された場合、マット10の縦軸L方向に隣接する要素の連結片24は、軸2の挿入の前に挿入される。
【0030】
図9aは、2つの平行な連結片31a、31bと中間片31cから成る要素31の2つの単位部分31’、31”を示している。2つの平行な連結片31a、31bは、各軸2のためにそれぞれ距離dをおいて配置されている開口33、34を有している。中間片31cは、連結片31a、31bに接続され、所定の角度をなしている。付加角(additional angle)を備えた中間片31cは、反対方向に角度を付けて曲げられている。
【0031】
図9bに従うと、一方の軸のための開口33を備えた連結片31a及び、隣接して配置された単位部分31’、31”の他方の軸のための開口34を備えた連結片31bは、相互に溶接されることが好ましい。相互に溶接された後、これらは、ひし形タイプの構造となることが特徴である。一体に溶接された単位部分31’、31”は、並んで一列に配置され、同列で隣接した構造の2つの対抗角部36、37で連結される。ひし形タイプの構造を作る2つの単位部分31’、31”は、連結片31aで、それぞれフォーク状の溝35を形成し、軸2が挿入される前に、マット10の縦軸L方向に隣接する要素31の連結片34がこのフォーク状の溝35に挿入されても良い。
【0032】
図9cは、軸2により一体に回転可能となるように保持された単位部分31’、31”からなる複数の要素31で形成されたマットの一部を示す。
【0033】
図8c及び図9cに示されるこれらのマットは、それらの長手方向の延在に対して縦軸及び横軸の両方における力を最適に吸収する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の格子マット用の稲妻形状要素及び、そのような2つの要素を連結するための要素の具体例。
【図2】拡大した図1の稲妻形状要素の一部。
【図3】連結状態における図1に示される格子マット。
【図4】図1から3による要素を使用して組み立てられた格子マット。
【図5】本発明の格子マットの具体例
【図6】本発明の格子マットの具体例
【図7】本発明による稲妻形状要素の変形例の部分平面図
【図8】稲妻形状要素のさらなる変形例の斜視図である。
【図9】格子の骨組みを形成する帯状要素の具体例の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 要素
2 軸
3 開口
4 開口
5 格子隙間
6 格子隙間
10 マット
21 単位部分
23 開口
24 開口
25 溝
31 単位部分
33 開口
34 開口
35 溝
36 対向角部
37 対向角部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌保持又は、地面被覆材を保護する目的で特に使用される格子マットにおいて、
前記マット(10)の格子の骨組みが、平坦な断面を有する複数の屈曲した帯状要素(1、1’;1”;21;31)によって形成され、
該帯状要素が、マット(10)の長手延在方向を横切るように該帯状要素のより長い横断面側に一直線上に配置され、
各要素(1、1’;1”;21、21’;31、31’)が、互いに間隔(d)を置いて配置された少なくとも2つの開口(3、4;23、24;33、34)を有し、
前記開口が、それぞれ、軸(2)を受け入れるように設けられ、
前記マット(10)の縦軸(L)の方向で隣接する少なくとも2つの要素(1、1’;1”21;31)は、前記軸(2)を介して、相互に柔軟に結合されたことを特徴とする格子マット。
【請求項2】
前記要素(1、1’、1”;21;31)が、屈曲された金属帯又は平線で形成され、これらが、鋼製、好ましくは、高張力鋼又は、他の金属で形成されることを特徴とする請求項1に記載の格子マット。
【請求項3】
前記要素(1、1’;1”)が、長手方向に延在して、複数箇所で屈曲され、
2つの隣接する要素(1、1’;1”)が、前記要素の長手方向(A)に走り2つの要素(1、1’)を貫通する少なくとも1つの軸(2)を用いて、各場合において、相互に柔軟に結合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の格子マット。
【請求項4】
2つの隣接する要素(1、1’)が、該要素(1、1’)の全長に亘って延在する軸(2)によって、相互に結合されることを特徴とする請求項3に記載の格子マット。
【請求項5】
前記屈曲した要素(1、1’;1”)は、略U字形状、台形状、稲妻形状又は、湾曲形状であり、
2つの要素(1、1’)によって、境界が各場合で画定される格子隙間(5、6)が、形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の格子マット。
【請求項6】
屈曲した要素(21;31)が、各々の軸(2)に対して回転可能に保持され、
前記軸によって、列をなして配置され相互に連結された単位部分(21’;21”、31’、31”)から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の格子マット。
【請求項7】
前記要素(21)の各々の単位部分(21’;21”、31’、31”)が、各軸(2)用の開口部(23、24)を備えた2つの平行な連結片(21a、21b)と、連結片(21a、21b)に連結し該連結片と角をなす中間片(21c)と、から成り、
前記中間片(21c)が、列を成して配列された前記単位部分から離れる方向に、互いに反対側に角度付けられて屈曲され、軸用の開口部(23)が設けられた連結片(21a)及び、軸用の開口部(24)が設けられた連結片(21b)と、交互に結合、好ましくは、溶接されることを特徴とする請求項6に記載の格子マット。
【請求項8】
菱形タイプの生成本体が、1つの列に並んで配置された2つの各々の単位部分(31’、31”)によって形成され、
該菱形タイプの生成本体が、2つの対向角部(36、37)において、同じ列の隣接する生成本体と連結され、
前記2つの単位部分が、各々の軸(2)のために各場合で設けられた開口(33、34)を備えた連結片(31a、31b)を介して、互いに連結されることを特徴とする請求項6に記載の格子マット。
【請求項9】
前記連結片(21a、21b)が、それぞれ、フォーク状溝(25、35)を形成し、
前記マット(10)の縦軸(L)の方向で隣接する前記要素(21、31)の前記連結片(23、34)が、軸(2)が挿入される前に、前記フォーク状溝(25、35)に挿入可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の格子マット。
【請求項10】
前記マットの厚さが、前記要素(1、1’、1”;21;31)の長手断面側(b)と略一致することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の格子マット。
【請求項11】
アスファルトで舗装された地面被覆材の内部補強を行うための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項12】
粒状の非結合層の保護、又は、防波堤防又は土砂堤防を保護するための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項13】
交通に使用される土地又は緑地を保護するための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項14】
傾斜地を保護するための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項1】
土壌保持又は、地面被覆材を保護する目的で特に使用される格子マットにおいて、
前記マット(10)の格子の骨組みが、平坦な断面を有する複数の屈曲した帯状要素(1、1’;1”;21;31)によって形成され、
該帯状要素が、マット(10)の長手延在方向を横切るように該帯状要素のより長い横断面側に一直線上に配置され、
各要素(1、1’;1”;21、21’;31、31’)が、互いに間隔(d)を置いて配置された少なくとも2つの開口(3、4;23、24;33、34)を有し、
前記開口が、それぞれ、軸(2)を受け入れるように設けられ、
前記マット(10)の縦軸(L)の方向で隣接する少なくとも2つの要素(1、1’;1”21;31)は、前記軸(2)を介して、相互に柔軟に結合されたことを特徴とする格子マット。
【請求項2】
前記要素(1、1’、1”;21;31)が、屈曲された金属帯又は平線で形成され、これらが、鋼製、好ましくは、高張力鋼又は、他の金属で形成されることを特徴とする請求項1に記載の格子マット。
【請求項3】
前記要素(1、1’;1”)が、長手方向に延在して、複数箇所で屈曲され、
2つの隣接する要素(1、1’;1”)が、前記要素の長手方向(A)に走り2つの要素(1、1’)を貫通する少なくとも1つの軸(2)を用いて、各場合において、相互に柔軟に結合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の格子マット。
【請求項4】
2つの隣接する要素(1、1’)が、該要素(1、1’)の全長に亘って延在する軸(2)によって、相互に結合されることを特徴とする請求項3に記載の格子マット。
【請求項5】
前記屈曲した要素(1、1’;1”)は、略U字形状、台形状、稲妻形状又は、湾曲形状であり、
2つの要素(1、1’)によって、境界が各場合で画定される格子隙間(5、6)が、形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の格子マット。
【請求項6】
屈曲した要素(21;31)が、各々の軸(2)に対して回転可能に保持され、
前記軸によって、列をなして配置され相互に連結された単位部分(21’;21”、31’、31”)から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の格子マット。
【請求項7】
前記要素(21)の各々の単位部分(21’;21”、31’、31”)が、各軸(2)用の開口部(23、24)を備えた2つの平行な連結片(21a、21b)と、連結片(21a、21b)に連結し該連結片と角をなす中間片(21c)と、から成り、
前記中間片(21c)が、列を成して配列された前記単位部分から離れる方向に、互いに反対側に角度付けられて屈曲され、軸用の開口部(23)が設けられた連結片(21a)及び、軸用の開口部(24)が設けられた連結片(21b)と、交互に結合、好ましくは、溶接されることを特徴とする請求項6に記載の格子マット。
【請求項8】
菱形タイプの生成本体が、1つの列に並んで配置された2つの各々の単位部分(31’、31”)によって形成され、
該菱形タイプの生成本体が、2つの対向角部(36、37)において、同じ列の隣接する生成本体と連結され、
前記2つの単位部分が、各々の軸(2)のために各場合で設けられた開口(33、34)を備えた連結片(31a、31b)を介して、互いに連結されることを特徴とする請求項6に記載の格子マット。
【請求項9】
前記連結片(21a、21b)が、それぞれ、フォーク状溝(25、35)を形成し、
前記マット(10)の縦軸(L)の方向で隣接する前記要素(21、31)の前記連結片(23、34)が、軸(2)が挿入される前に、前記フォーク状溝(25、35)に挿入可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の格子マット。
【請求項10】
前記マットの厚さが、前記要素(1、1’、1”;21;31)の長手断面側(b)と略一致することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の格子マット。
【請求項11】
アスファルトで舗装された地面被覆材の内部補強を行うための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項12】
粒状の非結合層の保護、又は、防波堤防又は土砂堤防を保護するための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項13】
交通に使用される土地又は緑地を保護するための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【請求項14】
傾斜地を保護するための請求項1から10に記載の格子マットの使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【公表番号】特表2008−537575(P2008−537575A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547211(P2007−547211)
【出願日】平成17年11月12日(2005.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012140
【国際公開番号】WO2006/074742
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(507210166)フォルタテヒ、アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月12日(2005.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012140
【国際公開番号】WO2006/074742
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(507210166)フォルタテヒ、アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]