説明

梳整具のホイールギヤを持つ二重のリング精紡機械

我々によって、梳整具ホイールギヤ(1)のギヤホイール(9,18,19,20)の周りで、埃及び繊維の飛び散りによる汚れ対策及びギヤからの油及びグリスの漏れを防止するために、全てのギヤホイールを載せるための閉鎖されたギヤハウジング(8,15,16、22,29,30)におけるリング精紡マシンが提案される。同時に、梳整具の形状が決定されたギヤホイール連結が、下部ローラ(2、3、4)同士の異なる対向距離に適合可能であり得ることが更に提案される。下部ローラのためのギヤホイール連結の構成要素は、回転不可能のギヤ(8、22)に連結される回転可能のハウジングアーム(15,16,29,30)に収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リング精紡機械の各側(ケース)毎に少なくとも2つの梳整ローラの駆動についての梳整具のホイールギヤを持つ二重のリング精紡機械に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
独逸国公報DE2849567C2は、両方の機械側で引渡ローラを持つ効果的な撚糸(ファンシーツイスト)機械が公知である。両方の機械側で互いに対応する引渡ローラは、各々モータ及び、ホイールギヤ及びベルト経由で駆動される。
【0003】
引渡ローラ間の変化した相互距離の場合、引渡ローラ駆動は、フレキシブル駆動ベルトを介して夫々の位置に適用され得る。すなわち、駆動ベルトは、長さの差を補償する可能性のある緊張ロールを介して案内され得る。
【0004】
しかしながら、駆動ベルトは、適合しない形状仕上げを保証しないという欠点を持つ。その結果、例えば、ローラが交互の駆動抵抗を露出するならば、ローラの引き渡し及びそれに続くそれらの間のドラフト(牽引)が変化する。ファンシーツイスト機械では、これは、重要ではないが、リング精紡機械では、この作用は、受け入れられない。その上、駆動ベルトは、高い磨耗に依存する。
【0005】
独逸国公報DE2849567C1は、対応する梳整ローラが共通のホイールギヤを介して両側に同様に駆動され得る、両側に梳整具を備えるリング精紡機械が開示されている。梳整ローラ間の異なる距離は、カルダンシャフトによって又はベルト駆動によって可能になる。しかしながら、メンテナンス部品が集中してカルダンシャフトはコストがかかる。
【特許文献1】独国特許第DE2849567号明細書C2
【特許文献2】独国特許第DE10137140号明細書C1
【発明の詳細な説明】
【0006】
そこで、本発明の課題は、ある改良を提案することである。本発明のメインクレームに挙げた特徴によって、この課題が解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
添付図面の図には、本発明の実施の形態を概略示されている。
【0008】
図示されている梳整具ギヤ1は、リング精紡機械の両側に三つの下部ローラ2、3、及び4の毎に同一方向で駆動するために関する。当然であるように、上ローラ2’、3’、及び4’は、その都度下部ローラに割り当て配置され、下部ローラと共にローラ対が形成されている。出口下部ローラ2は、全て決まった可動なものではない。それらは、ギヤボックス5内で収納され剛体で固定のギヤによって駆動され、ここでは詳細に図示されておらず、ギヤホイール及び適当であれば、歯状(ギヤ)ベルトを有する。
【0009】
出口(中央)下部ローラ3は、剛体ハウジング部8において2つの中間ギヤホイール9及び10を持ち、その一つは、ピニオン11を介して電気モータ12で駆動されるギヤ結合部7の手段によって駆動される。ハウジングアーム15及び16は、ギヤホイール9及び10の軸13及び14の夫々の周りを回転可能で、リンク17によって剛体であるが、鉛直方向に調整可能なハウジング部8である。更なるギヤホイール18、19及び20は、ギヤホイール9及び10互いに噛み合い、各側で最後のもの(20)が中央下部ローラ3に固定される回転可能なハウジングアームに搭載(軸支)される。
【0010】
入口下部ローラ4は、剛体であるが鉛直方向に調整可能なハウジング部22を同様に備える更なるギヤ結合部21で駆動される。このハウジングでは、一列に互いに噛み合う一連の4つのギヤホイール23,24,25、及び26が搭載される。ギヤホイール列の一つ25がピニオン27を経由して電気モータ28で再び駆動される。また、各側で2つの噛み合いギヤホイール31及び32が搭載されるハウジングアーム29,30は、他のギヤホイール24、26の周りを回転可能にする。このギヤ列の最後のギヤホイール32は、入口下部ローラ4に固定される。
【0011】
従って、中央下部ローラ3の駆動は、回転不可能な(ギヤホイール)枝部11/9及び11/9/10及び回転可能な(ギヤホイール)枝部24/31/32で対応して駆動される。
【0012】
電気モータ6と同様に電気モータ12及び28の回転スピードは、ローラ対間の異なるドラフトを達成するために可変である。
【0013】
もし、図2の模式図から蓄積されているように、中央下部ローラ3と入口下部ローラ4と、出口下部ローラ2までの距離が、図中の左部分で生成された位置から右で生成された位置に変化されると、回転可能なハウジングアーム16及び22は、矢印で表わされた距離を越えて剛体ハウジング部8及び22を回転し牽引する。従って、剛体ハウジング部は、図4で図示されているように、長孔35内の支持部(ベアラ)34に異なる高さ位置に固定され得るブラケット33を持つ。
【0014】
回転可能なハウジングアーム部15、16、29、30のシールは、リンク17を使って防塵及び耐油に対する固定のハウジング部8又は22において大きなシール面による相当な経費が必要である。従って、好ましくは、図4によれば、ギヤホイール9,10;24,26のシャフトは、閉鎖され固定のハウジング部8,22内に案内され、且つ、分離されたハウジングアーム部15’、16’、29’、30’は、シャフトスタブ36,37で軸受けして回転可能である。この場合、ハウジングアームは、シャフトスタブ36,37に固定されたギヤホイールを更に含む。これにより、達成されるのは、回転可能な小直径を持つシャフトスタブ36,37のシールが必要であることだけである。
【0015】
最初の設定は、ギヤ7、21を調整するための高さだけである。従って、下部ローラ2、3、4の間の同一相互距離は、両方の機械側によって達成される。これらギヤは、傾斜可能である。その結果、互いに対向して位置決めされる機械の両側に、下部ローラ2、3、4の間で異なる対向距離が、可能である。もし異なる材料が両機械側で処理されるならば、これは、望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】梳整具側のギヤムの離間したカバー面を持つ梳整具ギヤの正面図(端面図)を示す。
【図2】2つの異なる梳整具距離によるギヤムの状態が左右に図示されている模式図である。
【図3】梳整具ギヤの斜視図を示す。
【図4】本発明のリング精紡機械の変形例を示す。
【符号の説明】
【0017】
1 梳整具ギヤ
2 出口下部ローラ
3 中央下部ローラ
4 入口下部ローラ
5 出口下部ローラのギヤ
6 電気モータ出口下部ローラ
7 ギヤ結合部
8 剛体ハウジング
9 ギヤホイール
10 ギヤホイール
11 ピニオン
12 電気モータ中央下部ローラ
13 ギヤホイール軸9
14 ギヤホイール軸10
15 回転可能なハウジングアーム
16 回転可能なハウジングアーム
17 リンク
18 ギヤホイール
19 ギヤホイール
20 ギヤホイール
21 ギヤ結合部
22 剛体ハウジング部
23 ギヤホイール
24 ギヤホイール
25 ギヤホイール
26 ギヤホイール
27 ピニオン
28 電気モータ入口下部ローラ
29 回転可能なハウジングアーム
30 回転可能なハウジングアーム
31 ギヤホイール
32 ギヤホイール
33 連結金具(板継ぎ合わせ)
34 支持部
35 長孔
36 突出部(シャフトスタブ)
37 シャフトスタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング精紡機械の各側の毎に少なくとも二つの梳整ローラを駆動するための梳梳整具ギヤを有するギヤホイール及び駆動モータを持つ二重のリング精紡機械であって、
前記梳整具のホイールギヤ(1)は、機械の両側の出口下部ローラ(3)のための固定の剛体ギヤ(5)と、二つの鉛直に置換可能なギヤ(7、21)とに、回転不可能な枝部(9,10,11,23乃至26)及び該回転不可能な枝部が従属する2つの回転可能なギヤホイール枝部(18、19,20;31,32)の毎に枝分れしており、
この際、全てのギヤホイールが、閉鎖されたギヤハウジング(5、8,15、16、22、29、30)において配置されることを特徴とする二重のリング精紡機械。
【請求項2】
回転可能なギヤ枝部(15、16;29、30)は、回転不可能なギヤ枝部(8,22)における防塵及び耐油のリンク(17)によって案内されることを特徴とする請求項1記載のリング精紡機械。
【請求項3】
前記梳整具のホイールギヤ(7、21)の両方の回転不可能なギヤハウジング(8,22)は、少なくとも三つのギヤホイールを含むことを特徴とする請求項1に記載のリング精紡機械。
【請求項4】
前記梳整具のホイールギヤ(7、21)の回転可能なギヤハウジング(15、16;29、30)は、最後のギヤホイール(9,10;24,26)の駆動方向におけるシャフト(13,14)の周りに前記回転不可能ギヤハウジング(8,22)内で回転可能であることを特徴とする請求項3に記載のリング精紡機械。
【請求項5】
前記回転不可能ギヤハウジング(8,22)の鉛直位置と、前記梳整具のホイールギヤ(7、21)の回転可能なギヤハウジング(15、16;29、30)の回転位置とは、それら被駆動の梳整ローラ(3、4)からの位置に設定されることを特徴とする請求項1乃至4の一つに記載のリング精紡機械。
【請求項6】
前記回転不可能のギヤハウジング(8、22)が、機械固定された支持部(34)に高い位置に調整可能であることを特徴とする請求項1乃至5の一つに記載の二重リング精紡機械。
【請求項7】
前記回転不可能のギヤ(7、21)が、傾斜可能で、互いに対向して位置決めされる機械の両側に、下部ローラ(2、3、4)同士の異なる対向距離が、調整可能であることを特徴とする請求項1乃至6の一つに記載の二重リング精紡機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−515062(P2009−515062A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539318(P2008−539318)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010623
【国際公開番号】WO2007/147430
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(307031976)エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (105)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D−42897 Remscheid, Germany
【Fターム(参考)】