説明

棒状の物品を搬送するための装置及び方法

本発明は、供給要素(11)及び排出要素(12)が、溝付きベルト(13,17)として形成されており、一方の溝付きベルト(17)の一方の領域内に、少なくとも部分的に中継領域(21)に渡って延在するバキュームプレート(32)が配設されていることを特徴とする、無限周回する供給要素(11)と無限周回する排出要素(12)とを棒状の物品(20)のために有し、供給要素(11)と排出要素(12)とが、供給要素(11)に一層に配設された物品(20)を排出要素(12)に中継するための中継領域(21)を構成するために少なくとも部分的に物品(20)から構成された物品流の搬送方向(矢印19)にオーバーラップするように上下に配設されている、例えばシガレット、フィルタ棒等のような棒状の物品を搬送するための装置に関する。更に、本発明は、相応の方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無限周回する供給要素と無限周回する排出要素とを棒状の物品のために有し、供給要素と排出要素とが、供給要素に一層に配設された物品を排出要素に中継するための中継領域を構成するために少なくとも部分的に物品から構成された物品流の搬送方向にオーバーラップするように上下に配設されている、例えばシガレット、フィルタ棒等のような棒状の物品を搬送するための装置に関する。更に、本発明は、物品から構成された一層の物品流を供給要素に収容するステップと、物品流を中継領域に搬送するステップと、溝付きベルトに真空をかけることによって、溝付きベルトとして形成された排出要素に物品を吸い付けるステップと、物品流を引渡し領域に搬送するステップと、を有する、例えばシガレット、フィルタ棒等のような棒状の物品を搬送するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置及び方法は、特にタバコ加工産業において使用される。シガレット、フィルタ棒又は他の棒状の物品を製造する際、通常は間隙を備えている物品流が生じるが、この物品流は、生産機械から流出し、更なる加工部又は直接包装機械に供給される。このような間隙を有する物品流は生産条件となっているが、これは、製造プロセス中に試験又は検査のために個々の物品又は物品群を取り出し、構成された物品流から瑕疵のある物品を排出するからである。また、短期の機械停止は、不規則な物品流を生じさせる。これは、生産機械から流出する物品流が不規則となり、間隙を含んでしまうことを意味する。これは、その後に配設された機械で次の処理をしたり、物品の製造後に物品を直接包装したりすることにとって不利となる。
【0003】
この問題は、例えば、乱雑な物品流を処理することによって解決することができる。この場合、物品は、複数の層をなして上下に位置し、通常は、間隙のないマスフローの状態で次処理又は包装に供給するために、次処理又は包装の前に一時貯蔵される。しかしながら、この実施例は、物品のカズが分からず、その層が不正確であるという欠点を備える。別の問題は、特に下の層の物品が、積み重ねや、度重なる引渡し及び詰替えによって著しく負荷を受けることにある。
【0004】
この問題を回避するために、種属を構成する特徴を有する装置が開発された。この種の装置は、いわば、生産機械、いわゆるメーカと、その後に配設された例えば包装機械のような機械、いわゆるパッカの間の連結装置として使用される。最後に挙げた原理によるこれら公知の装置及び方法の場合、物品は、生産機械から一層で供給要素に収容され、中継領域に搬送される。この場合、物品は、固定されてない状態で平坦なベルトコンベヤ上に位置し、中継領域の搬送方向で供給要素の終端部で堰き止められる。中継領域で、物品は供給要素から排出要素に引き渡される。このため、排出要素は、供給要素に対して若干傾斜させられて配設されており、これにより、物品は、漏斗状のレーンに入る。搬送方向で、溝付きベルトとして形成されている排出要素の終端部に、即ち物品が堰き止められた領域に、排出要素はバキュームユニットを備え、このバキュームユニットによって、物品は溝付きベルトに吸い付けられ、内部にバキュームユニットが配設された転向ローラを中心として供給要素とは反対側に配設された引渡し領域に搬送される。中継領域内で物品の堰止め及び吸付けをすることによって、その前にはひょっとすると間隙を有する物品流は、通常は間隙のない物品流に集合させられる。
【0005】
但し、この装置は、物品が供給要素上に自由に、即ちガイドされることなく位置し、これによりずれたり、供給要素から完全に滑り落ちたりすることがあるという欠点を備える。別の欠点は、物品が搬送方向で供給要素の終端部で堰き止められ、これにより、一方で物品が更にまた負荷を受け、他方で、中継領域内で供給要素と排出要素間に一義的な対応がないので、排出される物品流が事情によっては間隙を備えることになることにある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、間隙を備えた供給側の物品流を間隙のない排出側の物品流に変換可能にする装置を提供することにある。更に、本発明の課題は、生産部から供給される間隙を備えた物品流を間隙のない物品流に変換して排出する簡単かつ確実な方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、一方では、冒頭で述べた特徴を有する装置によれば、供給要素及び排出要素が、溝付きベルトとして形成されており、溝付きベルトの一方の領域内に、少なくとも部分的に中継領域に渡って延在するバキュームプレートが配設されていることによって解決される。これにより、一方で供給要素及び排出要素上での物品の確実なガイドもしくは位置決めが得られるので、供給要素から排出要素への物品の秩序正しい中継が保証される。即ち、物品の上下に溝付きベルトが設けられることによって、特に下の溝付きベルト上での物品の傾きが防止され、これにより、いわゆる非整列が回避される。更に、溝は、制動及び加速工程時の物品の一義的なガイドを保証する。他方で、所定の真空分布を引渡し領域にわたって延在させることが、バキュームプレートによって保証される。従って、搬送方向で最後尾の未だ空の上の溝付きベルトの溝を確保し、これにより、場合によっては間隙を有する供給要素上の物品流から間隙のない排出要素上の物品流を構成することができる。
【0008】
好ましいことに、バキュームプレートは、接続管を介して空気供給部に接続されており、接続管は、上の溝付きベルトの搬送方向で後の転向ローラの領域内に配設されている。この形成は、接続管の領域内の真空が非常に高く、搬送方向とは反対に抜け出るので、上の溝付きベルト上の搬送方向で最後尾の空の溝への物品の確実な中継を支援する。換言すれば、吸引力が接続間の領域内で最大であるので、中継領域内で搬送される物品を、この物品が間隙のない物品流か、間隙を有する物品流で供給されるかに依存せずに、既に上の溝付きベルトから中継された物品に続いて未だ自由な上の溝付きベルト上の次の位置に吸い付けることが保証されるということである。
【0009】
本発明の有利な発展形では、搬送方向で上の溝付きベルトの前の下の溝付きベルトの収容領域内に、中継領域に入る物品流を監視するための要素が配設されている。監視要素により、間隙が物品流内に存在するか、この間隙がどの位の大きさかを早期に確認することができる。その場合、この情報は、特に上の溝付きベルトの速度を制御するために使用することができる。これにより、常に両溝付きベルト間の最適な速度関係が得られ、これは、更にまた物品を中継する際の信頼性を向上させ、間隙のない物品流の構成を保証する。
【0010】
他方で、課題は、冒頭で述べたステップを有する方法によれば、上の溝付きベルトの複数の溝が同時に真空の作用を受け、搬送方向で最後の排出要素の空の溝が最高の真空の作用を受け、真空が、最後の空の溝から出発して搬送方向とは反対に抜け出ることによって解決される。これにより、常に上の溝付きベルト上の最初の空の溝を、既に予め収容した物品によって占拠された溝の後に配置し、これにより、間隙のない物品流を得ることが保証される。
【0011】
好ましいことに、供給要素と排出要素は異なった速度vuM及びvoMで駆動され、少なくともvoMが、vuMに同調するようにコントロールされる。これにより、供給要素上の物品間の間隙は、確実に詰められ、しかも、例えばピッチ、スペース、誤り等のような物品流に影響を与えるパラメータに依存せずに詰められる。
【0012】
有利なことに、物品の数もしくは物品流内の間隙の大きさを確認するために、中継領域に入る前に供給要素上の物品流が監視される。これは、排出要素の制御もしくは正確には速度voMの制御を容易化及び改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
更に好ましく有利な特徴、実施形及び方法ステップは、従属請求項及び以下の説明から分かる。特に好ましい実施形並びに方法を、添付図を基にして詳細に説明する。
【0014】
図示したそれぞれの装置は、生産機械からその後に配設された機械、特に包装機械に棒状の物品の生産の流れを搬送するために使用され、生産の流れは、これら装置によって間隙を備えた物品流から間隙のない物品流に変換される。
【0015】
図1には装置10が図示されているが、この装置は、通常は生産機械、特にシガレット又はフィルタ棒製造機に接続する。装置10は、供給要素11と排出要素12を有する。供給要素11と排出要素12は、上下に配設されており、供給要素11は、図示した実施形では排出要素12の下に配設されている。供給要素11は、相前後して配設された2つの供給ベルト14を有する溝付きベルト13として形成されている。しかしながらまた、溝付きベルト13は、個別の供給ベルトとして、又は他の普通の方法で形成されていてもよい。供給ベルト14は、無端に形成され、転向ローラ15と駆動ローラ16の周りを案内されている。排出要素12は、同様に溝付きベルト17として形成されている。溝付きベルト17は、一体的に、即ち非分割式に形成されているが、選択的に相前後して平行に配設された複数の排出ベルトから成っていてもよい。溝付きベルト17も、無端に形成され、(図示してない)転向ローラと駆動ローラ18の周りを案内されている。
【0016】
下の溝付きベルト13と上の溝付きベルト17は、その長手方向の広がりに対して横に搬送される物品20の搬送方向(矢印19)にオーバーラップし、この場合中継領域21を構成する。下の溝付きベルト13は、搬送方向(矢印19)とは反対に上の溝付きベルト17から突出し、これにより、下の溝付きベルト13に物品20を収容するための収容領域22が構成されている。上の溝付きベルト17は、搬送方向(矢印19)に下の溝付きベルト13から突出し、これにより、その後に配設された機械等への物品20の引渡し領域23が構成されている。収容領域22、中継領域21及び引渡し領域23は、本質的に一平面内に相前後して位置し、引渡し領域23は直接中継領域21に接続する。本質的に一平面内に相前後してとの表現により、明らかに中継領域21と引渡し領域23間にあるような(例えば図3参照)小さなズレも含まれる。しかしながらこの小さなズレは、領域21〜23が一方向に整列するように整向されている事実は変わらない。
【0017】
下の溝付きベルト13は、搬送側部分24と返送側部分25を備える。同じことが、上の溝付きベルト17についても当て嵌まり、この溝付きベルトは、搬送側部分26と返送側部分27を備える。両搬送側部分24と26は、互いに向かい合っており、互いに間隔を置いて平行に延在するが、この間隔は、特に搬送すべき物品20の厚さもしくは直径よりも極僅かに大きい。選択的に、搬送側部分24,26を互いに鋭角に延在させ、搬送側部分24と26間の間隔を搬送方向(矢印19)に先細るようにしてもよい。したの溝付きベルト13は、多数の溝28を備えるが、これらの溝は、搬送方向(矢印19)に対して横に整向されており、選択的に溝付きベルト13もしくは供給ベルト14に物品20を吸い付けるためにそれぞれ少なくとも1つの開口を備えている。上の溝付きベルト17は、同様に多数の溝29を有するが、これらの溝は、溝28に対応するように搬送方向(矢印19)に対して横に整向されている。溝29は、それぞれ少なくとも1つの、好ましくは溝29の幅に渡って分散する3つの吸気開口30を備える。
【0018】
装置10には、更にバキュームユニット31が付設されている。このバキュームユニット31は、バキュームプレート32と接続管33を有し、接続管は、(図示してない)空気供給部に接続されている。バキュームプレート32は、上の溝付きベルト17の領域に、しかも搬送側部分26と返送側部分27の間に配設されている。バキュームプレート32は、少なくとも部分的に上の溝付きベルト17としたの溝付きベルト13の間に構成された中継領域に渡って延在する。図示した好ましい実施形では、バキュームプレート32は、(図示してない)転向ローラと駆動ローラ18間の中継領域21のほぼ全体に渡って延在する。バキュームプレート32は、その搬送側部分26に面した下面34に貫通させるための開口35もしくは吸気の入口を備える。図示した実施例ではスリットとして形成された開口35は、好ましいことに搬送方向(矢印19)に整向されており、常に吸気開口30の少なくとも1つがバキュームプレート32に対する溝付きベルト17の位置に依存せずに真空を作用可能となるように形成及び配設されている。
【0019】
接続管33は、特にバキュームプレート32の対向する端部の一方に配設されている。示した図では、接続管33は、(図示してない)転向ローラの領域内で搬送方向(矢印19)で中継領域21の終端部に配設されている。搬送方向(矢印19)で中継領域21の後には、即ちバキュームユニット31が終わる引渡し領域23には、その後に配設された装置に付属してもよい(図示してない)溝付きベルト17から引き渡された物品20を収容するための手段が配設されている。
【0020】
搬送方向(矢印19)で上の溝付きベルト17の前の下の溝付きベルト13の領域内に、即ち収容領域22内に、下の溝付きベルト13の搬送側部分24上の物品20を案内するための要素36が配設されている。通常は生産機械に付設されている要素36は、通常は同様に図示してない生産機械の構成要素である引渡しドラム37から下の溝付きベルト13に引き渡した後の物品を下の溝付きベルト13上に保持し、案内するために使用される。要素36は、図示した実施形では2つのベルト38を有し、これらのベルトは、一方で引渡しドラム37に、他方で転向ローラ39に巻き付けられ、無限を構成している。ベルト38は、少なくとも部分的に下の溝付きベルト13の搬送側部分24に対して平行に延在し、しかも、全ての物品20を引渡しドラム37の溝付きベルト13への引渡しから中継領域21への移行部まで案内し、保持するようになっている。好ましいことに、弾性的に形成され、若干予荷重を加えられたベルト38が物品20と接触している。一方で転向ローラ39の直径に、他方で上の溝付きベルトの駆動ローラ18の直径に基づいて、ベルト38は、完全に中継領域21に届かない。この理由から、転向ローラ39と駆動ローラ18の間で搬送側部分24の上に、この移行領域内での物品20の案内を保証する簡単な板40等が配設されている。板40は、下の溝付きベルト13上の物品20が上の溝付きベルト17によって覆われるまで、搬送方向(矢印19)に延在する。要素36の代わりに、例えばしたの溝付きベルト13に付設される付加的な吸引プレートが設けられてもよい。この吸引プレートによって引渡しドラム37と中継領域21までの間の領域内の溝28内での物品20の位置決め/固定を保証することができる。
【0021】
収容領域22には、更に物品流を監視するための少なくとも1つの手段41が配設されている。この手段41は、好ましいのは光スイッチ等であるが、下の溝付きベルト13の搬送側部分24の領域内に配設されており、しかも、そばを通る物品流内の間隙を確認し、装置10を制御するための情報を処理することができるようになっている。別の光スイッチ42が、上の溝付きベルト17の搬送側部分26上の物品流のエラー確認をするために中継領域21に配設されている。光スイッチの代わりに、通常の他の確認/監視要素を使用してもよい。下の溝付きベルト13の搬送側部分24の下には、搬送側部分24の確実な案内をするために使用され、この搬送側部分のたるみを有効に防止するベルトガイド43が配設されている。
【0022】
下の溝付きベルト13の速度vuMは、特にその前に接続されている生産機械によって設定及び制御される。この場合、速度vuMは、生産機械もしくは引渡しドラム37の速度vに一致する。上の溝付きベルト17の速度voMは、特に下の溝付きベルトの速度vuM、物品20の数、下の溝付きベルト13上の物品20間の間隙の大きさ並びに溝付きベルト13と17のピッチに従う。換言すれば、voMは、v、手段41並びに溝付きベルト13,17の関数であるということである。下の溝付きベルト13から上の溝付きベルト17への物品20の確実な中継をするために、voMは、vuMよりも小さいことが好ましい。下の溝付きベルト13のピッチは、上の溝付きベルト17のピッチよりも大きいことが好ましい。しかしながら、他のピッチ関係も同様に可能である。この場合、下の溝付きベルト13のピッチは、提案される生産機械のドラム44の関数である。
【0023】
提案される生産機械のドラム44は、特に角度センサ45等を有する。角度センサ45は、特に装置10の始動及び/又は停止の際に必要となる溝付きベルト13,17にとって重要な情報を提供することができる。付加的に、ドラム44には、装置10に提案する位置に物品流を監視するための別の手段46が付設されている。
【0024】
装置10の、特に速度voMの制御をするため、装置10は、生産機械もしくは生産機械の例えば光スイッチのような構成要素と作用結合している(図示してない)制御ユニットに接続されている。
【0025】
図6〜8に図示した実施形は、本質的に図1〜5の実施形に一致する。但し、構成は、上の溝付きベルト17のピッチが異なるように形成されている点で異なる。図1〜5の実施形の溝付きベルト17は、一様なピッチを備える。これは、溝29が全て互いに等間隔で、例えば8mmの間隔で形成されていることを意味する。これに対して、図6〜8の溝付きベルト17のピッチは位置に依存して形成されている。図示した実施形では、1つの「サイクル」に3つの物品グループが、即ち交互に7つの溝29、6つの溝29、再び7つの溝29が相前後して形成されており、個々の物品グループの間にはそれぞれ、1つの物品グループ内での物品20の互いの間隔、即ちピッチよりも大きな間隔が設けられている。他の物品グループ及び物品サイズ(例えば3−3−3又は4−3−4−3)で形成することができるこのような配列もしくはピッチにより、例えば20本のシガレットの包装内での位置に応じてシガレットを包装の準備もしくは位置を正して供給することが可能である。
【0026】
以下で方法を詳細に説明する。
物品20は、生産機械のドラムから引渡しドラム37に案内される。生産機械から流出する一層の物品流は、通常は間隙を備えている。引渡しドラム37により、物品20は、収容領域22内で下の溝付きベルト13、正確には供給ベルト14の溝28に配置される。物品20は、次に供給ベルト14の搬送側部分24と、上から当接するベルト38の間を収容領域22から搬送方向(矢印19)に連続的に溝28内での位置決めを固定して中継領域21に搬送される。この場合、下の溝付きベルト13もしくは供給ベルト14の速度vuMは、生産機械によって決まる。上の溝付きベルト17は、駆動ローラ18によって駆動され、しかも、vuMよりも小さく、特にvuM、下の溝付きベルト13上の間隙の数及び大きさ並びに溝付きベルト13,17のピッチに依存する速度voMで駆動され、間隙の数と大きさは手段41によって検出もしくは確認される。
【0027】
装置10内で、上の溝付きベルト17、正確には搬送側部分26は、バキュームプレート32を介して真空の作用を受ける。この場合、真空は、接続管33から出発して搬送方向とは反対に、即ち矢印19とは反対に先に向かって小さくなる。換言すれば、中継領域21の終端部の接続管33の領域では大きな真空が支配するということである。物品20は、搬送側部分24上を中継領域21の搬送側部分26の下に搬送される。バキュームプレート32の下面34の開口35により、溝29の吸気開口30は真空の作用を受けるが、中真空は、継領域21内でaからbに向かって減少する(特に図2及び7参照)。物品20は、中継領域21で上の溝付きベルト17によって吸い付けられる。接続管33はバキュームプレート32の終端部に配設されており、従って最高の真空が搬送方向(矢印19)で中継領域21の終端部にかかっているので、既に収容された物品20の後の最初の空の溝29は常に最高の真空の作用を受ける。換言すれば、下の溝付きベルト13上の最初もしくは最前の物品20が常に上の溝付きベルト17の最後の空の溝29に吸い付けられるということである。上の溝付きベルト17と下の溝付きベルト13の間の速度voMとvuMが異なることによって、下の溝付きベルト13の物品流内の間隙が詰められる。真空は、上の溝付きベルト17上の物品20の互いの間隙を詰め、これにより上の溝付きベルト17上の物品流の間隙をなくすために使用される。
【0028】
下の溝付きベルト13の異なった速度、溝付きベルト13,17の異なったピッチ、並びに物品流内の間隙の数と大きさは、上の溝付きベルト17の速度voMを制御/調整することによって調整される。次に、上の溝付きベルト17上の間隙のない物品流は、次処理、包装、貯蔵等のために排出される。上の溝付きベルト17の速度voMは、例えば、a)間隙のない下の溝付きベルト13と、
b)間隙を有する下の溝付きベルト13と、
c)上の溝付きベルト17の当ピッチ(例えば図1〜5参照)と、
d)不当ピッチ(例えば図6〜8参照)と
が任意に組み合わさったような種々の状況に適合するために永続的に再調整される。
【0029】
更に、上の溝付きベルト17は、例えば調整のような特別モード状態で所定の値だけ逆方向に移動させることができる。これは、例えば長い停止の後で上の溝付きベルト17上での間隙のない物品流を保証するために、上の溝付きベルト17を最初の吸付け位置に移動させることができるということを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】供給要素と排出要素が搬送方向に一様もしくは規則的なピッチを有する第1の実施形の斜め上から見た斜視図を示す。
【図2】図1の実施系の側面図を示す。
【図3】図2の拡大詳細図Aを示す。
【図4】搬送方向とは反対の斜め下から見た図1の実施形の斜視図を示す。
【図5】図4の拡大詳細図Bを示す。
【図6】供給要素と排出要素が搬送方向に不均一もしくは不規則なピッチを有する別の実施形の斜め上から見た斜視図を示す。
【図7】図6の実施形の側面図を示す。
【図8】図7の拡大詳細図Cを示す。
【符号の説明】
【0031】
10 装置
11 供給要素
12 排出要素
13 溝付きベルト
14 供給ベルト
15 転向ローラ
16 駆動ローラ
17 溝付きベルト
18 駆動ローラ
19 矢印
20 物品
21 中継領域
22 収容領域
23 引渡し領域
24 搬送側部分
25 返送側部分
26 搬送側部分
27 返送側部分
28 溝
29 溝
30 吸気開口
31 バキュームユニット
32 バキュームプレート
33 接続管
34 下面
35 開口
36 要素
37 引渡しドラム
38 ベルト
39 転向ローラ
40 板
41 手段
42 光スイッチ
43 ベルトガイド
44 ドラム
45 角度センサ
46 手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無限周回する供給要素(11)と無限周回する排出要素(12)とを棒状の物品(20)のために有し、供給要素(11)と排出要素(12)とが、供給要素(11)に一層に配設された物品(20)を排出要素(12)に中継するための中継領域(21)を構成するために少なくとも部分的に物品(20)から構成された物品流の搬送方向(矢印19)にオーバーラップするように上下に配設されている、例えばシガレット、フィルタ棒等のような棒状の物品を搬送するための装置において、
供給要素(11)及び排出要素(12)が、溝付きベルト(13,17)として形成されており、溝付きベルト(13,17)の一方の領域内に、少なくとも部分的に中継領域(21)に渡って延在するバキュームプレート(32)が配設されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
間隙を有する物品流の供給のための溝付きベルト(13)が、間隙のない物品流を排出するための溝付きベルト(17)の下に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
下の溝付きベルト(13)と上の溝付きベルト(17)が、それぞれ1つの搬送側部分(24,26)と返送側部分(25,27)を備え、搬送側部分(24,26)が互いに向かい合っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
搬送側部分(24,26)が互いに平行に延在することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
バキュームプレート(32)が、上の溝付きベルト(17)の搬送側部分(26)の領域内に配設されており、溝付きベルト(17)の転向ローラと溝付きベルト(17)の駆動ローラ(18)間でほぼ中継領域(21)全体に渡って延在することを特徴とする請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
バキュームプレート(32)が、上の溝付きベルト(17)の搬送側部分(26)と返送側部分(27)間に配設されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
バキュームプレート(32)が、上の溝付きベルト(17)の搬送側部分(26)側に吸気を通過させるための開口(35)を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
上の溝付きベルト(17)の各溝(29)が、少なくとも1つの、好ましくはそれぞれ複数の吸気口(30)を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
バキュームプレート(32)の開口(35)が、常に溝付きベルト(17)の吸気口(30)の少なくとも1つに中継領域(21)内で真空を作用可能であるように形成及び/又は配設されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
バキュームプレート(32)が、接続管(33)を介して空気供給部に接続されており、接続管(33)が、上の溝付きベルト(17)の搬送方向(矢印19)で後の転向ローラの領域内に配設されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の装置。
【請求項11】
真空が、接続管(33)から出発して搬送方向(矢印19)とは反対に抜け出ることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
下の溝付きベルト(13)が物品(20)の搬送方向(矢印19)とは反対に上の溝付きベルト(17)から突出し、上の溝付きベルト(17)が物品(20)の搬送方向(矢印19)に下の溝付きベルト(13)から突出することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の装置。
【請求項13】
搬送方向(矢印19)で上の溝付きベルト(17)の前の下の溝付きベルト(13)の領域内に、下の溝付きベルト(13)の搬送側部分(24)の上の物品(20)を案内するための要素(36)が配設されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
要素(36)が、少なくとも1つのベルト(38)を、好ましくは2つの無限周回するベルト(38)を有することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
搬送方向(矢印19)で上の溝付きベルト(17)の前の下の溝付きベルト(13)の収容領域(22)内に、中継領域(21)に入る物品流を監視するための少なくとも1つの手段(41)が配設されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
搬送方向(矢印19)で下の溝付きベルト(13)の後に引渡し領域(23)が構成されていることを特徴とする請求項2〜15のいずれか1つに記載の装置。
【請求項17】
収容領域(22)、中継領域(21)及び引渡し領域(23)が、本質的に1つの平面内に相前後して位置し、引渡し領域(23)が直接中継領域(21)に接続することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
上の溝付きベルト(17)の周回速度もしくは搬送速度voMが下の溝付きベルト(13)の周回速度もしくは搬送速度vuMに対してコントロール可能であるように、少なくとも1つの上の溝付きベルト(17)にコントロール駆動機構が付設されていることを特徴とする請求項2〜17のいずれか1つに記載の装置。
【請求項19】
−物品(20)から構成された一層の物品流を供給要素(11)に収容するステップと、
−物品流を中継領域(21)に搬送するステップと、
−溝付きベルト(17)に真空をかけることによって、溝付きベルト(17)として形成された排出要素(12)に物品(20)を吸い付けるステップと、
−物品流を引渡し領域(23)に搬送するステップと、
を有する、例えばシガレット、フィルタ棒等のような棒状の物品を搬送するための方法において、
上の溝付きベルト(17)の複数の溝(29)が同時に真空の作用を受け、搬送方向(矢印19)で最後の排出要素(12)の空の溝(29)が最高の真空の作用を受け、真空が、最後の空の溝(29)から出発して搬送方向(矢印19)とは反対に抜け出ることを特徴とする方法。
【請求項20】
供給要素(11)と排出要素(12)が異なった速度vuM及びvoMで駆動され、少なくともvoMが、vuMに同調するようにコントロールされることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
物品(20)の数もしくは物品流内の間隙の大きさを確認するために、中継領域(21)に入る前に供給要素(11)上の物品流が監視されることを特徴とする請求項19又は20に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−529932(P2008−529932A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555526(P2007−555526)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001403
【国際公開番号】WO2006/087188
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(595112018)ハウニ・マシイネンバウ・アクチエンゲゼルシヤフト (123)
【Fターム(参考)】