説明

棘突起を押し離すための装置

本発明は、2つの連続した椎骨の棘突起を押し離すための装置に関する。2つの椎骨の棘突起は、連続的に広げられ得る基体に固定される、2つの別々の拡張手段上に配置される。基体は、少なくとも1つの案内手段によって連続的に変位し、そして固定され得る。基体の別々の変位は、拡張手段が軸方向の軸に沿って広げられることを可能にし、したがって、2つの椎骨の棘突起を押し離す。保持手段は、インプラントの安定した位置決めのために用いられ、そして植え込みの後の装置の望ましくない動作を防ぎ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの隣接する椎骨の棘突起の押し離しのための装置に関する。棘突起は、無段可変様式で拡張され得る押し離し手段上に位置する。両方の押し離し手段は、無段可変様式で拡張され得る中心体上に据え付けられており、そしてここでは、拡張の程度が押し離し手段間の距離、したがって、棘突起の互いに対する押し離しの程度を決定する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の水準では、棘突起の押し離しについては、2つの隣接する椎骨の棘突起の無段可変の拡張または押し離しができない実施態様が知られているにすぎない。押し離しは所定の高さのスペーサーによって達成される。
【0003】
したがって、US2003/0065330A1は、椎骨の棘突起の押し離しのための装置を開示し、ここでは、2つの垂直の固定手段が水平なバー上に据え付けられている。椎骨の棘突起は、スペーサーの上に位置し、このスペーサーは、水平なバーによって開けられ得、そしてその厚みが押し離しの程度を決定する。植え込みの後、押し離しの程度はもはや変化し得ない。
【0004】
無段可変拡張が可能であるが直線的な拡張が可能ではない装置は、米国特許US6,733,534B2に開示されている。該特許は、高分子材料でできた弾性のある充填可能な中空体を記載しており、これは、2つの隣接する椎骨の間に配置され、そして引き続き、一定の厚みを得るまでの生物学的材料の充填によって広げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、植え込みの間に押し離しの程度の無段可変調節を可能にする、2つの隣接する椎骨の棘突起の押し離しのための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1に記載の装置を提供することによって実現される。本発明のさらに好都合な設計、局面、および詳細は、従属請求項、詳細な説明、実施例、および図面から生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、少なくとも2つの押し離し手段2Aおよび2Bを有する中心体1を含む、2つの隣接する椎骨の棘突起の押し離しのための装置に関し、ここでは、少なくとも2つの押し離し手段2は無段可変様式で拡張され得る。好ましくは、2つまたは4つの押し離し手段(すなわち、棘突起あたり1つまたは2つの押し離し手段)が存在する。2つの押し離し手段2Aおよび2B、したがって、棘突起あたり1個のみの押し離し手段が特に好ましい。
【0008】
棘突起が主として上に位置している装置の部分は、押し離し手段2として示される。本発明によれば、少なくとも2つの押し離し手段2が必要とされ、このことは、棘突起あたり1つの押し離し手段2があり、この押し離し手段2上に対応する棘突起が支持されることを意味する。2つの押し離し手段2A、2Bを広げることによって、すなわち、2つの押し離し手段2Aおよび2Bを軸方向の軸に沿って動かし離すことによって、棘突起の押し離しが生じ、したがって、処置されるべき2つの椎骨の押し離しもまた生じる。したがって、本発明によれば、両方の押し離し手段は、無段可変様式で軸方向の軸(すなわち、脊柱を通り抜ける長手方向軸)に沿って拡張可能である。インプラントは専ら軸方向の軸に沿って拡張される。インプラントのサイズは、横方向にも腹側および背側の方向にも変化しない。背と腹とを通る軸は腹側−背側の軸である。軸方向の軸は、脊柱に沿って該腹側−背側の軸に垂直に位置し、そして他方では、軸方向の軸に垂直に横方向の軸は身体を横方向に通り抜ける。
【0009】
押し離し手段の押し離しは、専ら軸に沿って無段可変様式で行われ、したがって、インプラントは該軸に沿ってのみその寸法を変える。したがって、押し離し手段の拡張は、直線に沿って起こり、曲線に沿っては起こらない。そのうえ、本発明のインプラントは、棘突起の圧力による一定のリセット能力を示すまたは棘突起の圧力に屈することにより押し離し距離を再度減少させる、いかなる可撓性の構成部品も備えない。
【0010】
外部手段によって一定の距離がカバーされる直線的な拡張手段、または押し離し手段を拡張するためのインプラントと関連した手段は、押し離し手段の所定の拡張をもたらす。例えば、外部手段が押し離し手段を拡張するために用いられる場合には、該手段の1mmの移動は、押し離し手段の、例えば、1mmの拡張をもたらす。該手段のいかなる追加の動作も、押し離し手段の1mmの追加の拡張をもたらす。例えば、本明細書に記載の円錐形の先端を有する固定手段が押し離し手段を拡張するために用いられる場合には、固定手段の360°の回転は1.8mmの拡張をもたらす。いかなる追加の360°の回転も、それぞれ1.8mmの追加の拡張をもたらす。このようなタイプの拡張は無段可変と呼ばれる。
【0011】
対照的に、US6,733,534B2に記載された拡張方法もまた無段可変拡張をもたらすが、例えば、1ml目の生物学的材料の充填により、4mmの拡張を生じるが、4ml目の生物学的材料の充填により、例えば、1.2mmの拡張しか生じないため、直線的な拡張はもたらさない。非直線的な拡張の1つの不都合は、外科医が非常に不正確な方法でしか圧力を調節できないという事実にある。そのうえ、例えば、US6,733,534B2に記載された弾性のインプラントは、その弾性のため、植え込みの後に変形され得、そして所望の最適な押し離しが再度失われるため、問題である。
【0012】
本発明によれば、該押し離し、すなわち、2つの押し離し手段2Aおよび2Bの軸方向の軸に沿った動作が無段可変様式で生じる。所定の高さを有する予め製造されたスペーサーは、押し離し手段の間には配置されず、代わりに、押し離し手段2Aおよび2Bが、無段可変方法および直線的な方法で、最小距離と最大距離との間の互いに対する任意の距離にもたらされ得る。最小距離は、互いに堅固に位置している両方の押し離し手段2Aおよび2Bの直径によって決定され、そして約5mmである。本発明の装置の無段可変範囲、すなわち、2つの押し離し手段2Aおよび2B間の距離は、5〜25mm、好ましくは6.5〜20mm、そして特に好ましくは8〜16mmである。
【0013】
本発明によれば、2つの押し離し手段2Aおよび2Bの軸方向の軸に沿った互いに対する相対的な無段可変動作は、案内手段3の上に取り付けられた各押し離し手段2、および中心体1によって固定されるが軸方向に可動に支持されている案内手段3によって達成される。この場合、両方の押し離し手段は、同じ案内手段3上に配置され得る。
【0014】
押し離し手段の押し離しおよび固定の後、選択された押し離し距離は変化しないままである。一旦、インプラントが永続的に固定されると、軸方向にサイズのそれ以上の変化、特に、インプラント自身によって引き起こされる変化はない。
【0015】
2つの押し離し手段2Aおよび2Bを用いる好ましい実施態様においては、押し離し手段2Aは案内手段3Aに取り付けられ、そして押し離し手段2Bは案内手段3Bに取り付けられる。両方の案内手段3Aおよび3Bは中心体1上にまたは中心体中に支持され、そのため、少なくとも1つの案内手段3Aまたは3B、そして好ましくは両方の案内手段3Aおよび3Bは、互いに対して相対的に軸方向の軸の方向に変位し得るか、または押し離され得、あるいは移動されまたは動かされ離され得る。
【0016】
案内手段3Aおよび3Bとして、例えば、案内バー、案内ロッド、または案内チューブが用いられ得、これらは、中心体1の中でまたは上で軸方向の軸に沿って、対応する凹部または受容手段の中で可動に支持される。案内手段3の変位によって、押し離し手段2Aおよび2B間の任意の距離が設定され得る。案内手段3は対応する固定手段4によってそれらの位置に固定され、それにより、押し離し手段2Aおよび2B間の距離が永続的に維持され、そして設定された距離(すなわち、椎骨の押し離しの程度)が、押し離し手段で作用する椎骨の突起の圧力によって再度減少しないことを保証する。
【0017】
好ましい実施態様においては、押し離し手段2Aおよび2Bは、可動の案内手段3Aおよび3Bに取り付けられ、次に、1部品の中心体1上に可動に据え付けられるのではなく、代わりに、2部品、3部品、またはより多くの部品で構成される中心体が用いられ、これは、軸方向の軸に沿ってのみ拡張され、引き伸ばされ、および/または移動され離され得る。
【0018】
2部品の中心体1は特に好ましく、ここでは、押し離し手段2Aは、中心体1Aという一方の部品に取り付けられ、そして中心体1Bという他方の部品は、並進的に安定した様式で押し離し手段2Bに取り付けられる。並進的に安定した取り付けという用語は、押し離し手段の回転動作が行われるのを可能にし得るが、押し離し手段2A(あるいは2B)の中心体の部品1A(あるいは1B)に対する相対的な並進動作は行われ得ない、1箇所に固定された据え付けをいう。押し離し手段2Aおよび2Bは、好ましくは、それぞれの中心体の同じ側に据え付けられ、そして反対側への据え付けはあまり好ましくない。
【0019】
これらの好ましい実施態様においては、押し離し手段2は、中心体1上に可動に据え付けられないが、中心体の部品1Aあるいは1Bの上で動かされ得ず、そして中心体1の2つの部品1Aおよび1Bを移動して離すことによって動かされ離されるように据え付けられる。
【0020】
したがって、好ましくは、2つ以上の部品で構成される中心体1は、2つ以上の係合する伸長可能な部品からなり、該部品は、押し離され、拡張され、とじ込まれ得、および/または互いに沿って摺動し得る。特に、2つの部品1Aおよび1Bで構成された中心体1が好ましい。2つの押し離し手段2Aおよび2Bは、中心体の2つの異なる部品に、そして好ましくは、中心体の同じ側に位置する。
【0021】
中心体1の少なくとも1つの部分1Aまたは1Bは、少なくとも1つの案内手段3を備える。好ましい実施態様において、1つの案内手段3のみが用いられる場合に、該案内手段は、好ましくは、中心に配置され、さらに、ロッドまたはチューブの形態ではなく、互いに対して中心体の部分の回転を妨げるために、楕円形、三角形、四角形、多角形の形態に、競技場のレーンの形態に、平凸に、または星様の形態に設計されることが好ましい。同様に、中心体1の他方の部品1Bは、他方の部品1Aの少なくとも1つの案内手段3を受容し得るように設計される。この少なくとも1つの案内手段3に沿って、中心体の2つの部品1Aおよび1Bは無段可変方法で動かされ離され得る。
【0022】
例えば、上述の案内バー、案内ロッド、または案内チューブが、案内手段3として用いられ得、これらは、少なくとも2つの案内手段3Aおよび3Bが用いられる場合に好ましい。初期状態においては、中心体1の両方の部品1Aおよび1Bは、とじ込まれる。該位置においては、両方の押し離し手段2Aおよび2Bもまた互いの間に最小の距離を有する。
【0023】
中心体1の各部品1Aあるいは1Bにそれぞれ、1つの押し離し手段が横方向に据え付けられ、したがって、2つの押し離し手段2Aおよび2Bは、中心体1の2つの部品1Aおよび1Bと同じ程度に無段可変方法で、軸方向の軸に沿ってのみ、移動され離されることが可能になる。すなわち、それらは、中心体1の2つの部品1Aおよび1Bが無段可変方法で移動され離される場合に拡張される。
【0024】
2つの押し離し手段2Aおよび2Bの互いに対する相対的な並進動作は、一次元で、すなわち、棘を通り抜ける軸に沿ってのみ行われ得ることが好ましい。
【0025】
押し離し手段2Aは中心体1の一方の部品1Aに横方向に据え付けられる。好ましくは、据え付けは、押し離し手段2Aが軸方向の軸に垂直な軸の周りの回転動作を実行し得るように行われる。したがって、押し離し手段2Aが位置する回転軸は、中心体がそれに沿って拡張され得る軸に垂直である。押し離し手段2A/2Bは、解剖学的条件に調節できるように、好ましくは20°までの、可撓的に回転する方法で支持される。これは、骨とインプラントとの間の接触帯の領域における負荷のピークおよびそこから生じる骨萎縮を避けるために重要である。
【0026】
押し離し手段2Bは、中心体の他方の部品1Bに横方向に据え付けられ、好ましくは、中心体1の押し離し手段1Aと同じ側に配置される。さらに、押し離し手段2Bに関しては、押し離し手段2Bが軸方向の軸に垂直な回転軸上に支持される場合もまた好ましい。さらに、押し離し手段2Bを通る回転軸が、押し離し手段2Aを通る回転軸と平行である場合が好ましい。
【0027】
少なくとも2つの押し離し手段2Aおよび2Bは、任意の形態を有し得る。好ましくは、2つの押し離し手段は平凸状に設計される。すなわち、それらは、その長手方向軸に沿って切られた円柱の形状を有する。装置の初期状態においては、すなわち、中心体の拡張されていない、または広げられていない、または伸長されていない状態においては、2つの押し離し手段2Aおよび2Bの2つの平坦な表面は、平坦でそして互いに隣接し、そのため、両方の押し離し手段が一緒になって円柱の形態または楕円体の形態を形成する。
【0028】
少なくとも2つの押し離し手段2Aおよび2Bが変形され得ない場合が特に好ましい。完全な装置が変形可能でなく、または延性がなく、または弾性がない場合もまた特に好ましい。このことは、装置、特に、中心体1ならびに2つの押し離し手段2Aおよび2Bが、硬質材料(例えば、医療用ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金、タンタル、クロム、コバルト−クロム合金、バナジウム、タングステン、モリブデン)、プラスチック(例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)および棘突起によって及ぼされる圧力によってほんのわずかに変形する繊維強化プラスチック)で作られることを意味する。
【0029】
これらの硬質材料を用いることによって、押し離し手段の拡張の程度が、さらに棘突起の押し離しの程度に一致することが保証される。他方では、弾性材料は、比例しない様式で上昇する棘突起の圧力のため、より小さい程度の拡張の場合よりも、高い程度で変形される。そのため、2つの押し離し手段の距離と2つの棘突起間の距離との間には、直線的な相関関係は存在しない。しかし、接触帯の領域における骨萎縮を防ぐために、例えば、PEEKまたはUHMWPEのような最小の固有の可撓性を有する材料を用いることができる。
【0030】
したがって、中心体は、植え込みの間に拡張とは別に変化しない所定の形態を有する。さらに、中心体は、弾性材料からならず、中心体の内部に生じた圧力によって充填または拡張され得ない。中心体は、金属材料および/または非高分子材料および/または非変形性材料、および/または圧力下で拡張され得ない材料からなる。
【0031】
一旦、少なくとも2つの押し離し手段2Aおよび2B、または中心体1の少なくとも2つの部品が、とじ込まれた拡張されていない初期状態から移動され離されると、少なくとも1つの固定手段4は、永続的に維持される設定された距離を保証しなければならない。すなわち、押し離し手段は、互いの間の距離を永続的に維持し、そして棘突起によって及ぼされる圧力に屈しない。
【0032】
ピン、ボルト、クランプ、ロッド、またはスクリューは、固定手段として用いられ得、ここでは、ねじ込みピン、およびねじ込みスクリューが好ましい。1部品の中心体、および案内手段に取り付けられた2つの押し離し手段を有する実施態様においては、少なくとも2つの固定手段4Aおよび4Bが必要とされる。1部品の中心体、および固定された押し離し手段、および案内手段または2部品の中心体に取り付けられた押し離し手段を有する実施態様においては、1つの固定手段4で十分である。
【0033】
さらに、少なくとも1つの固定手段4が円錐形に次第に細くされた先端5を有する場合が好ましい。該円錐形に次第に細くされた先端は、さらに、好ましくは45°の角度を有する。先端5は中心に配置される。
【0034】
この少なくとも1つの固定手段4が、伸長した状態における押し離し手段2Aおよび2Bの固定に役立つだけでなく、少なくとも1つの固定手段4によって2つの押し離し手段2Aおよび2B間の距離を同時に調節することも可能にする場合が特に好ましい。
【0035】
これは、例えば、少なくとも1つの固定手段4の先端5に接する斜めにされた表面7を有する案内手段3によって達成され得る。少なくとも1つの固定手段4の高さの調節によって、円錐形の先端5は、この曲がった表面7の次第に細くされた末端の方向に、案内手段3の斜めにされた表面7に沿って摺動し、該手段によって、固定手段4を通る軸に沿った固定手段4の並進動作は、案内手段3を通る軸に沿った案内手段3の並進動作をもたらし、そして同時に案内手段3の位置を固定する。好ましくは、くさび形の表面7は、固定手段4の円錐形に次第に細くされた先端5と同じ角度に次第に細くなる。特に、これらの2つの角度が45°である場合が好ましい。
【0036】
それぞれ1つの据え付けられた押し離し手段2および好ましくは1部品の中心体1を有する2つの案内手段3Aおよび3Bを有する実施態様が提供される場合には、2つの案内手段3Aおよび3Bを動かして固定するために2つの固定手段4Aおよび4Bを用いることが好ましく、このことは、案内手段3あたり1つの固定手段4を意味する。
【0037】
本発明の別の好ましい実施態様においては、1部品の中心体1が用いられ、これに押し離し手段2Aが並進的に安定した様式で取り付けられ、そしてこれは回転動作のみを実行できる。回転動作は、押し離し手段2Aの長手方向軸の周りにのみ行われ得る。中心体との関連での押し離し手段2Aの並進動作は実行され得ない。さらに、中心体は、少なくとも1つの案内手段3、または3Aおよび3B、または3A、3Bおよび3Cの受容のための凹部を備え、ここでは、第2の押し離し手段2Bが、その長手方向軸の周りの回転動作を実行できるが、少なくとも1つの案内手段に対して相対的に並進動作を実行できないように、少なくとも1つの案内手段に取り付けられる。押し離し手段2Aおよび2Bは、軸方向の軸に沿って、すなわち、該目的のために提供される中心体1の中の凹部における脊柱の長手方向軸に沿って、少なくとも1つの案内手段を移動させることによって並進動作で動かされ離され得、該手段によって、押し離し手段に接する2つの隣接する椎骨の棘突起の押し離しが達成される。一旦、所望の押し離しが実現されると、インプラントは少なくとも1つの固定手段によってその拡張された位置に固定される。
【0038】
固定された拡張が、本明細書に記載の本発明の、棘突起のための押し離し装置のすべての実施態様において、永続的に維持される場合は、好都合である。なぜなら、一定の期間後に負荷に屈し、したがって、棘突起の所望の押し離しが再度減少する結果をもたらす弾性材料が用いられないからである。
【0039】
本発明の他の実施態様は、好ましくは、2部品の中心体を用い、該中心体は、少なくとも1つの案内手段に沿って、軸方向の軸の方向に、そして好ましくは、軸方向の軸の方向にのみ、押し離され得る。1つの押し離し手段はそれぞれ、中心体のそれぞれの部分に横方向の軸の方向で外側表面に配置される。本発明の実施態様においては、押し離しは、円錐形の先端5を有する固定手段4のような、インプラントに統合された装置によっては行われないが、植え込まれないが外科手術の間に一時的にのみ用いられる外部押し離し手段によって行われる。
【0040】
このような押し離し手段の例は、中心体1Aおよび1Bのそれぞれの部品の1つの凹部に適用される押し離しトングである。このような押し離しトングによって、インプラントは軸方向に、好ましくは、直線的および無段可変様式で拡張される。一旦、所望の押し離しが達成されると、中心体1Aおよび1Bの両方の部分は、少なくとも1つの固定手段によって互いに対して相対的に固定される。該固定手段4は、平らなまたは平らでないまたは斜めにされた先端を有するねじ込みスクリューであり得、これは、図4に示すように、案内手段の対応して斜めにされた表面にしっかりと接するまで、またはこのように中心体を固定するために圧力によって案内手段の中へ押し込まれるまでねじ込まれる。したがって、中心体は、押し離されそしてその位置で固定され得る。インプラントのサイズは予め測定されない。押し離しトングは、インプラントの受容、インプラントの無段可変押し離し、したがって、インプラントの1工程での適用に役立つ。
【0041】
固定の後、インプラントは、棘突起の圧力に屈することなく、そして一旦、押し離しの距離が設定され固定されると、該距離に影響を及ぼすことなく、その押し離された形態を維持する。
【0042】
中心体1A、1Bは、棘突起に対して横方向に位置する。さらに、本発明のインプラントは、いくつかのインプラントが互いの上部で用いられる場合(すなわち、インプラントが隣接する椎骨の対にもまた適用される場合)、2を超えるレベルが同時に供給され得、そしてインプラントが、一方が他方の上に配置されるに十分な空間を有するために、(2Aあるいは2Bの直下の)角を面取りして提供される。中心体の後部の湾曲は骨格へのよりよい適合に役立つ。
【0043】
押し離し手段は、棘突起への突き合わせ面として役立ち、そして好ましくは、+/−20°回転して、生じている負荷のピークを弱め、そしてできるだけ大きい寸法の突き合わせ面(骨格とインプラントとの間の接触表面)の形成を提供し得る。したがって、本発明のすべての実施態様において、押し離し手段は、回転動作がそれらの得られた長手方向軸の周りに実行され得るような様式で中心体上に配置される。さらに、押し離し手段は、棘突起への突き合わせ面ができるだけ大きい寸法になるように、円形、楕円形、または平凸である。
【0044】
インプラントを安定した位置に提供するために、棘突起は、保持手段6A、6Bと中心体1Aあるいは1Bのそれぞれの部分との間で枠にはめられる。この場合、ばね要素の使用が好ましく、そのため、それぞれの保持手段は、押し離される場合に適切な位置に自動的にロックされる。したがって、インプラントが外れるのを防ぐために、両方の保持手段6Aおよび6Bの位置が確保される。保持手段6Aおよび6Bは、棘突起で中心体の反対側に配置され、そしてインプラントが外れるのを防ぐ。
【0045】
保持手段は、インプラントの反対側にある脊柱の側から外へ広げられ得るが、追加の外科的介入が該工程に必要とされる。したがって、2つの保持手段は、好ましくは、中心体の反対側から外へ広げられる。該目的のために、穴あるいは凹部が中心体に設けられ、該手段によって、手動でまたは圧力によって誘発され得るばね機構によって保持手段を外へ広げるために、対応する器具が挿入され、そして該保持手段に達し得る。
【0046】
したがって、本発明のインプラントの一方の側の挿入(脊柱の一方の側のみ接近しやすくされる)が可能とされ、そのため、介入がより小さく、患者の外傷が減少し、そして外科手術に必要とされる期間がより短くなる。
【0047】
本明細書に記載のすべての実施態様において、少なくとも1つの案内手段は、脊柱を通り抜ける軸方向の軸に本質的に平行であり、そして押し離し手段を通る長手方向軸に沿って見られ、2つの押し離し手段2Aおよび2Bは、この案内手段に垂直な位置に配置される。押し離し手段がそれらの長手方向軸の周りに回転して動き得、そのため、接する棘突起に最適に適合し得ることはさらに好ましい。その長手方向軸に沿った少なくとも1つの固定手段がこの案内手段に垂直な位置に配置されることはさらに好ましく、ここでは、押し離し手段の長手方向軸に垂直な位置の配置がさらに好ましい。
【0048】
したがって、2つの隣接する椎骨の棘突起の押し離しのための本発明の装置は、2つの押し離し手段2Aおよび2Bを有する中心体1を含み、ここでは、中心体の長手方向軸は脊柱に沿っている。中心体が案内手段に一致するか、または少なくとも1つの案内手段が中心体の中に配置される場合には、脊柱を通る軸に平行な位置にもまた配置される。2つの押し離し手段2Aおよび2Bは、脊柱を通り抜ける軸に対して垂直の位置に配置され、そして脊柱を通り抜ける軸に沿って棘突起を押し離すのに役立つ。棘突起を確実にロックするために、各押し離し手段は、中心体とは反対の末端に、保持手段6Aあるいは6Bを備える。押し離し手段および保持手段は、それぞれの押し離し手段を通り抜ける長手方向軸の周りの回転動作が行われ得るように配置される。さらに、少なくとも1つの固定手段が、その押し離された位置におけるインプラントの固定に役立ち、または固定に加えて、無段可変押し離しを達成することもまた可能であり得る。固定は永続的であり、そして押し離しあるいは押し離しの距離は、棘突起によって及ぼされる力によって変化せず、そして外科医によってのみ変化し得る。押し離しあるいは押し離しの距離とは、インプラントがそれによって押し離される(すなわち、拡張される)距離をいう。
【0049】
さらに、本発明の他の好ましい実施態様は、少なくとも1つの保持手段6、および好ましくは、押し離し手段2あたり1つの保持手段6を備える。好ましくは、保持手段6Aは、中心体に面していない押し離し手段2Aの側に固定され、そして保持手段6Bは、中心体に面していない押し離し手段2Bの側に固定される。
【0050】
好ましい2つの保持手段6Aおよび6Bは、鎌の形態に、または半月の形態に設計され、それらは平坦であり、そして一方の末端の上でそれぞれの押し離し手段を通り抜ける軸の周りに回転され得るように配置される。このような配置によって、保持手段6は、引っ込められた初期状態で、および外へ広げられた状態で提供され得る。引っ込められた初期状態においては、2つの保持手段6Aおよび6Bは、2つの鎌のように互いに位置しており、ここでは、保持手段6Aの回転の中心は、保持手段6Bの中心を形成し、そして保持手段6Bの回転の中心は、保持手段6Aの中心を形成する。
【0051】
中心体が拡張され、あるいは押し離し手段が動かされ離される場合には、これにより、両方の保持手段6Aおよび6Bが少なくとも部分的に外へ広がる。少なくとも1つの保持手段6は、その上にある棘突起の間への植え込みの後、装置の固定を提供する。そのため、椎骨の間の装置の望ましくない滑り落ち、滑り離れ、滑り、または移動が回避される。
【0052】
好ましい2つの保持手段6Aおよび6Bを外へ広げる該可能性に加えて、別の可能性もまた実現され得る。もう一つの可能性は、保持手段または押し離し手段で一定の点を接触させることにより誘発されるばね機構によって、保持手段を外へ広げることにある。さらに好ましくは、保持手段は、好ましくは、押し離し手段の反対側から中心体の中の対応する穴を通って挿入され、そしてそれぞれの保持手段に達するまで押し入れられる外部装置によって外へ広げられ得る。該穴は、中心体に設けられ得るが、押し離し手段の中にもまた延長され得る。さらに、保持手段を外へ広げることが可逆的であり、その結果、可能性のある再植え込みが何の問題も引き起こされることなく行われ得る場合が好ましい。
【0053】
棘間孔の中へのより簡単な挿入のために、次第に細くされたカバー8Aあるいは8Bが、保持手段6Aおよび6Bの上、または上方に設けられ得る。図3では、ほぼ四半球の形態を有するこれらの2つのカバーが示される。しかし、該設計は、必須ではない。しかし、一定の様式に次第に細くなるべきカバー8Aおよび8Bは好都合である。さらに、両方のカバー8Aおよび8Bが、対応する押し離し手段2Aおよび2Bのものと同様の周囲の長さを有する場合が好ましい。これらのカバー8Aおよび8Bは、保持手段6Aおよび6Bの上の中心の位置に配置され得、それにもかかわらず、カバー8Aまたは8Bの偏った配置が、棘間孔の中へのより簡単な挿入にもまた寄与するため、好ましい。カバー8Aまたは8Bの偏ったまたは中心から外れた配置の代わりに、中心から外れたあるいは偏った先端を有するカバーを用いることもまた可能である。両方のカバー8Aおよび8Bは、好ましくは、それぞれの押し離し手段2を通り抜ける軸の周りの回転が行われ得るような方法で支持される。
【0054】
さらに、本発明の装置の個々の構成部品は、セラミック・コートで覆われている場合が好ましい。セラミック・コートは、好ましくは、半金属、および金属、あるいは金属合金由来の窒化物、炭化物、リン化物を含む。セラミック・コートの例は、窒化ホウ素、チタン・ニオブ・窒化物、チタン・カルシウム・リン化物(Ti−Ca−P)、Cr−Al−N、Ti−Al−N、Cr−N、TiAlN−CrN、Ti−Al−C、Cr−C、TiAlC−CrC、Zr−Hf−N、Ti−Hf−C−N、Si−C−N−Ti、Si−C−N、およびDLC(ダイヤモンド状炭素)である。
【実施例】
【0055】
本発明の装置の好ましい実施態様を、実施例に基づいてここで説明する。ここでは、説明した実施例は、本発明の好都合な実施態様を示すが、本発明の範囲は、これらの実施態様に制限されないことが理解されるべきである。
【0056】
(実施例1)
図1は、好ましい実施態様を示し、その個々の構成部品がチタン製であり、2部品の中心体1Aおよび1B、3つの案内手段3A、3B、3C、2つの押し離し手段2Aおよび2B、1つの固定手段4、ならびに2つの保持手段6Aおよび6Bを含む。
【0057】
図2は、拡張されずに、とじ込まれている初期状態における本発明の装置の1つの実施態様を示す。中心体1Aおよび1Bの2つの部品は、互いに接する。また、2つの平凸の押し離し手段2Aおよび2Bの平坦な表面は、両方の押し離し手段2Aおよび2Bが一緒になって円柱または縮められた円柱を形成するように互いに位置する。ねじ込みスクリューの形態の固定手段4は、ねじ込みスクリューの1つの部分が中心体1の一方の部品1Aから突出すようにねじ出される。鎌の形態を有し、押し離し手段2の頭部上に配置されている、2つの保持手段6Aおよび6Bは引っ込められた状態にある。
【0058】
装置は、その初期状態で植え込まれ(すなわち、棘上の靭帯の離断を必要とすることなく、押し離されるべき椎骨の2つの棘突起間に挿入され)、このことは、本発明のインプラントによって提供される大きな利点である。棘突起間に配置された後、装置は、ねじ込みスクリューをねじ込むことによって外へ開かれまたは拡張される。
【0059】
図4は、2つの押し離し手段2の反対側からの2部品の中心体1の図を示す。3つの案内手段が設けられ、ここでは、それらの2つは、ピンとして円柱の形態に設計される。円柱の形態の2つのピン3Aおよび3Cは、中心体の部品1Aまたは部品1Bに取り付けられるか、あるいは実際に中心体それ自体の部分であり、または1つの案内手段3Aまたは3Cは部品1A上に、そして他の案内手段は部品1B上に配置され、またはそれらはそれぞれ部品1Aまたは1Bに属する。中心体の他方の部品は、案内手段3Aおよび3Cの受容のための対応する穴または凹部を有する。
【0060】
固定手段4を備えていない中心体1の部品1Bは、その自由端上で、固定手段4の円錐形の先端5に接する傾いた表面7の中で次第に細くなる案内手段3Bを有する。
【0061】
ねじ込みスクリューとして設計された固定手段4は、軸方向の軸(すなわち、脊柱に沿った、そして押し離し手段2を通り抜ける軸に垂直な軸)に垂直な軸に沿って中心体1の部品1A中へねじ込まれ得る。
【0062】
固定手段4は、次第に細くなる末端5を有する。円錐形の末端5は、好ましくは、45°の角度を有する。案内手段3Bの曲がった表面7もまた、好ましくは、45°の角度を有し、そのため、表面7および先端5は、直線に沿って互いに接する。
【0063】
固定手段がその中心軸に沿って中心体1の部品1A中へねじ込まれる場合、その上で表面7および先端5が接する直線は表面7の縁の方向に動き、したがって、軸方向の軸に沿って動き離れる中心体1の両方の部品1Aおよび1Bの並進動作を初期化する。同時に、固定手段4は、両方の棘突起によって及ぼされる圧力のため、中心体1の両方の部品1Aおよび1Bが再度とじ込まれるのを防ぐ。案内手段3Aおよび3Cは、中心体1の2つの部品1Aおよび1Bの並進動作が軸方向にのみ生じ得、そして2つの部品1Aおよび1Bの互いの周りのさらなる回転動作は同時に行われないことを保証する。
【0064】
中心体1の最大の拡張の場合には、固定手段4は、中心体の部品1A中へ完全にねじ込まれ、そして円錐形の先端5の外側の先端は傾いた表面7の外縁に達してしまう。次いで、中心体1の2つの部品1Aおよび1Bは、最大に拡張され、そしてその拡張は20mmである。
【0065】
拡張された状態における装置の正面図を、図3に提供する。中心体1の2つの部品1Aおよび1Bは、2つの案内手段3Aおよび3Cを通り抜ける軸に沿って移動され離される。中心体の2つの部品1Aおよび1B間の互いに対する距離は、ここでは、2つの押し離し手段2Aおよび2Bの互いに対するものと同じ距離である。固定手段4は、スクリューの頭部を除いて、中心体の部品1A中へねじ込まれる。押し離し手段2Aおよび2Bの外側の表面上の2つの保持手段6Aおよび6Bは、それら自体と中心体1の対応する部品との間の対応する押し離し手段の上に位置する対応する棘突起をロックするので、外へ広げられて、そして椎体間の装置の堅固な位置を保証する。したがって、押し離し手段2Bの上に位置する棘突起は、保持手段6Bの支援により保持手段6Bと中心体1の部品2Bとの間に固定される。
【0066】
(実施例2)
図5は、本発明の別の好ましい実施態様を示し、その単一の構成部品がチタン製であり、そして2部品の中心体1Aおよび1B、案内手段3、2つの押し離し手段2Aおよび2B、1つの固定手段4、ならびに2つの保持手段6Aおよび6Bを含む。
【0067】
中心体1Aおよび1Bの各部分は、押し離しトングの受容のための凹部9Aあるいは9Bを有する。
【0068】
図5は、押し離された状態の中心体を示す。1つの案内手段3は、中心体1Aおよび1Bの2つの部品の互いに対する相対的な回転を防ぐために、競技場の中の走行レーンのように、円形状の軌道として設計される。案内手段3は、中心体の部品1Aにしっかりと接続されず、または部品1Aに対して相対的に動かされ得ず、あるいは中心体の部品1Aを有する実体を形成し得る。中心体の部品1Bは、並進動作における案内手段の受容のための対応する凹部を備える。そのため、中心体の両方の部分は、案内手段が部品1Bの中の凹部における軸方向の軸に沿った無限可変の直線様式での摺動動作によって、拡張されあるいは押し離され得る。
【0069】
一旦、所望の押し離しが実現されると、この場合ねじ込みスクリューの形態に設計された固定手段4の支援により、中心体1Aおよび1Bの2つの部品は、互いに対して固定される。固定手段上での圧力の発揮のため、押し離し手段は、固定手段によって固定される。
【0070】
2つの保持手段6Aおよび6Bは、それぞれのスナップ作用機構10Aあるいは10Bによって外へ広げられ、そしてそれら自体と中心体の向かい合った部品1Aまたは1Bとの間でそれぞれの棘突起をロックする。
【0071】
本発明の装置は、図6に示すようにその初期状態で植え込まれ(すなわち、棘上の靭帯の離断を必要とすることなく、押し離されるべき椎骨の2つの棘突起間に挿入され)、このことは、本発明のインプラントの大きな利点である。中心体は、脊柱に対して横方向に配置される。すなわち、軸方向の軸および腹側−背側の軸によって作られる平面の上に位置する。棘突起間への挿入の後、装置は、外部押し離しトングによって拡張されあるいは押し離される。
【0072】
該目的のため、押し離しトングを、凹部9Aおよび9Bの中に挿入し、そしてインプラントを、所望の押し離しが達成されるまで、該押し離しトングによって無段可変様式で拡張する。ねじ込みスクリューの形態の固定手段は、中心体の押し離された部品1Aおよび1Bの互いに対する固定が、固定手段上で対応する圧力を及ぼすことによって達成されるまで締められる。
【0073】
別の外部道具の支援により、またはインプラントの上に設けられそして外部道具によって誘発されるスナップ機構の支援により、保持手段は、全体のインプラントを固定するために、直接の接触によって外へ広げられる。該外部道具は、スナップ作用機構を誘発するために、中心体を横切りながら、中心体の中の対応する案内を通って、中心体の反対側から導入される。該実施態様は、植え込み過程の間、脊柱の一方の側のみが接近しやすくならなければならず、そしてインプラントは、隣接する棘突起間にその側から挿入され得、そして保持手段がその側から外へ広げられ得るというさらなる利点を有する。
【0074】
(実施例3)
図8〜10は、最も単純な実施様式を示し、該実施様式では、中心体1が1つの部品に設計され、そして2つの押し離し手段2Aおよび2Bが、中心体に沿って、そして外部押し離しトングによって無段可変様式で軸方向の軸に沿って、拡張され得る。
【0075】
両方の押し離し手段は、押し離し手段を互いに対して相対的に固定するための固定手段4Aおよび4Bを備える。2つの固定手段は、ねじ込みスクリューの形態に設計される。図8〜10では、押し離し手段2Aおよび2Bは、チューブの形態に図で示されているにすぎず、そして保持手段は示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】鎌の形態に外へ広がる保持手段6A、6Bを備え、部分的にとじ込まれている初期状態の本発明の装置の実施態様の側面図を示す。
【図2】とじ込まれている初期状態における2部品の中心体1、およびそれらの平坦な表面で接している2つの押し離し手段2A、2B、および引っ込められた状態で鎌の形態を有する2つの保持手段6A、6Bを備える本発明の装置の実施態様の側面図を示す。
【図3】拡張された状態で、そしてねじ込まれ得る固定手段4、拡張される押し離し手段2A、2B、および外へ広げられた状態にある保持手段6A、6Bを備える2部品の中心体1A、1Bを有する押し離し手段2を通り抜ける軸に沿った本発明の装置の実施態様の側面図を示す。
【図4】押し離し手段2の反対側からの本発明の装置の実施態様の側面図を示す。部分的に拡張された状態で、そして部分的にねじ込まれた固定手段4を備える2部品の中心体1A、1Bが見られ得、ここでは、固定手段4の円錐形の先端5が、固定手段4を備えていない中心体1の部品の対応する斜めにされた表面7に接する。
【図5】2部品の中心体1A、1B、および競技場のレーンの形態の案内手段3、2つの押し離し手段2Aおよび2B、ならびに例えば、スナップ作用機構10Aあるいは10Bによって外へ広げられ得る2つの保持手段6Aおよび6Bを有する、本発明の装置の別の実施態様の拡張された形態を示す。
【図6】引っ込められてない状態にある図5のインプラントの側面図を示す。
【図7】縮められた状態にある図5のインプラントの別の側面図を示す。
【図8】その最も単純な変形における本発明の装置のさらなる実施態様の概略図を示す。
【図9】図8の実施態様のさらなる斜視図を示し、ここでは、ロッド様案内手段3、および案内手段に沿って動かされ得る2つの押し離し手段が図示される。
【図10】腹側の方向における(すなわち、腹の方向における)、図8の実施態様の別の図を示す。
【図11】横方向における、図8の実施態様の別の表示を示す。
【符号の説明】
【0077】
1 中心体
1A 中心体の部品A
1B 中心体の部品B
2 押し離し手段
2A 押し離し手段A
2B 押し離し手段B
3 案内手段
3A 案内手段A
3B 案内手段B
3C 案内手段C
4 固定手段
4A 固定手段A
4B 固定手段B
5 固定手段の円錐形の先端
6 保持手段
6A 保持手段A
6B 保持手段B
7 固定手段の先端の上の突き合わせ面
8A カバーA
8B カバーB
9A/B 押し離しトングの適用のための凹部
10A 保持手段6Aのためのスナップ作用機構
10B 保持手段6Bのためのスナップ作用機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの押し離し手段(2A、2B)を有する中心体(1)を含む、2つの隣接する椎骨の棘突起の押し離しのための装置であって、該2つの押し離し手段(2A、2B)が、並進動作によって軸方向の軸に沿ってのみ無段可変様式で拡張され、そしてそこに固定され得ることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記中心体(1)が寸法的に安定であり、そして延性がないまたは変形可能でないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記中心体(1)が2つの部品で構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記押し離し手段が寸法的に安定であり、そして変形可能でないことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記2部品の中心体(1)が、拡張され得、とじ込まれ得、および/または互いに沿って摺動し得る、2つの係合する伸長可能な部品(1A、1B)からなることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記中心体(1)の少なくとも1つの部品が、少なくとも1つの案内手段(3)を備え、そして該中心体(1)の他の部品が、前記少なくとも1つの案内手段(3)を受容し得るように設計されていることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記中心体(1)が、前記少なくとも1つの案内手段(3)の長手方向軸に沿って無段可変様式で拡張され得ることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記押し離し手段(2A、2B)が、軸方向の軸に沿って、無段可変様式および直線様式で動かされ離され得ることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項9】
1つの押し離し手段(2A、2B)が、前記中心体(1A、1B)の両方の部品の上に横方向に配置されることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記押し離し手段(2A、2B)が、平凸様式に設計されていることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記押し離し手段(2A、2B)が、軸方向の軸に垂直な軸の周りに回転され得るようにそれぞれ配置されていることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記拡張可能な中心体(1)が、少なくとも1つの固定手段(4)を有することを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの固定手段(4)が、ねじ込みピンまたはねじ込みスクリューであることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの固定手段(4)が、円錐形に次第に細くされた先端を有することを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記固定手段(4)を備えていない前記中心体(1)の部品が、前記少なくとも1つの固定手段(4)の前記円錐形の先端(5)に接する表面(7)を有することを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの固定手段(4)の前記円錐形の先端(5)が次第に細くなる角度が、前記少なくとも1つの固定手段(4)の前記円錐形の先端(5)に接する前記中心体(1)の1つの部品の表面(7)が斜めにされる角度に一致することを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項17】
前記押し離し手段(2A、2B)が、前記中心体に面しない側に少なくとも1つの保持手段(6A、6B)を有することを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項18】
前記押し離し手段(2)あたり少なくとも1つの保持手段(6)が、外へ広げられ得るように配置されることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項19】
前記押し離し手段(2)あたり少なくとも1つの保持手段(6)が、鎌の形態に設計されることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項20】
前記それぞれの保持手段(6)が、軸方向の軸に垂直でありそしてそれぞれの押し離し手段(2)を通り抜けている軸の周りに回転され得るように配置されることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも2つの保持手段(6A、6B)が、前記押し離し手段(2A、2B)の拡張と同時に外へ広げられるように配置されることを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−529568(P2008−529568A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553460(P2007−553460)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000212
【国際公開番号】WO2006/084444
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506224654)
【Fターム(参考)】