説明

棚装置

【課題】全体的構成の省スペース化を図ることができると共に、一枚取り装置が棚本体から出入自在な棚装置を提供する。
【解決手段】パレット5,7を出入自在な棚部9を複数段備えた棚本体3の一側に、前記棚部9に対してパレット5,7の出入を行うエレベータ装置11を上下動自在に備えた棚装置であって、パレット5上に積載された板状のワークWの一枚取りを行うための一枚取り装置19を、前記棚本体3の前記一側に対して当該棚本体3内に出入自在に備えている。前記エレベータ装置11を上下に案内する一対の上下ガイドレール15の内側に、前記棚本体3内に出入自在に前記一枚取り装置19を案内する一対の水平ガイドレール17を備え、かつ当該水平ガイドレール17を伸縮自在に備えている。前記一枚取り装置19は、前記棚本体3の外側において、ワークの一枚取りを行う一枚取り位置と、加工後のワークの仕分けを行う仕分け位置とへ移動自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザ加工機などのごとき板材加工機に対して供給する素材(板材)を積載した素材パレット及び板材加工機によって加工されるワーク、又は加工されたワークを支持した加工パレットを出入自在な棚部を複数段備えると共に、前記各棚部に対してパレットを出入するエレベータ装置を上下動自在に備えた棚装置に係り、さらに詳細には、素材パレットに積載された板状のワークの一枚取りを行う一枚取り装置によってワークの一枚取りを行うことは勿論のこと、加工後のワーク(製品)の仕分けを行うことができ、かつ前記エレベータ装置の上下動領域と前記一枚取り装置の水平方向の移動領域の一部とが重複した構成の棚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばパンチプレスやレーザ加工機などのごとき板材加工機によって板状のワークを1枚毎加工する場合、板材加工機に対するワークの供給を連続的に行って連続運転が行われている。すなわち、従来は、板材加工機に隣接した位置に棚装置を配置し、この棚装置における棚部内に格納されている素材パレットを、エレベータ装置によって取り出し、棚装置における一部の棚内に備えられた一枚り装置の下方位置へ前記素材パレットを搬入してワークの一枚取りを行っている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−309542号公報
【特許文献2】特許第4072227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の構成においては、棚装置における棚部に格納されている素材パレットを取り出して、板材加工機に対して順次1枚毎供給しての連続運転が可能であるものの、一枚取り装置は定まった位置に備えられており、汎用性に欠けるきらいがある。
【0005】
特許文献2に記載の構成においては、棚装置における棚本体にワーク搬送装置を備え、このワーク搬送装置によってワークの一枚取り、板材加工機に対するワークの搬入、搬出及び加工後のワーク(製品)の仕分けを行う構成であり、ワーク搬送装置は多機能を奏する。しかし、特許文献2に記載の構成においては、前記ワーク搬送装置が水平に往復動するワーク搬送装置の移動方向に対して直交する水平方向の一側にエレベータ装置を上下動自在に備え、上記エレベータ装置の反対側に製品搬出用待機ステーションを備えた構成である。したがって、比較的広い設置面積を有するものであり、より省スペース化が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、パレットを出入自在な棚部を複数段備えた棚本体の一側に、前記棚部に対してパレットの出入を行うエレベータ装置を上下動自在に備えた棚装置であって、パレット上に積載された板状のワークの一枚取りを行うための一枚取り装置を、前記棚本体の前記一側に対して当該棚本体内に出入自在に備えていることを特徴とするものである。
【0007】
また、前記棚装置において、前記エレベータ装置を上下に案内する一対の上下ガイドレールの内側に、前記棚本体内に出入自在に前記一枚取り装置を案内する水平ガイドレールを備え、かつ当該水平ガイドレールを伸縮自在に備えていることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記棚装置において、前記一枚取り装置は、前記棚本体の外側において、ワークの一枚取りを行う一枚取り位置と、加工後のワークの仕分けを行う仕分け位置とへ移動自在であることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記棚装置において、前記棚本体の他側に、前記棚部に対してパレットの出入を行う別個のエレベータ装置を上下動自在に備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パレット上に積載されている板状のワークの一枚取りを行う一枚取り装置は、棚装置における棚本体に対して出入自在であり、かつ前記一枚取り装置が棚本体に対して水平に出入する方向は、棚本体に対して上下動自在に配置してあるエレベータ装置の配置側と同一である一側方向であるから、一枚取り装置の汎用性が向上すると共に全体的な省スペース化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る棚装置を概念的、概略的に示した正面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る棚装置を概念的、概略的に示した平面説明図である。
【図3】一枚取り装置の側面説明図である。
【図4】一枚取り装置の主要部の構成を示す正断面説明図である。
【図5】パレットリフタの概略的な正面説明図である。
【図6】パレットリフタの概略的な側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1,図2に概念的、概略的に示すように、本発明の実施形態に係る棚装置1は、枠体構成の棚本体3を備えている。この棚本体3は、従来の一般的な棚装置と同様に、板状のワークWを積載した素材パレット5や、例えばレーザ加工機などのごとき板材加工機(図示省略)によって加工されるワークWを載置した複数の加工パレット7を左右方向(X軸方向)に出入自在に格納する棚部9を複数段備えた構成である。そして、上記棚本体3の一側(図1,2において左側)には、エレベータ装置11が上下動自在に備えられている。
【0013】
上記エレベータ装置11は、前記棚本体3における各棚部9に対して各パレット5,7の出入れを行うトラバーサ13を、図1において、左右方向に移動自在に備えた構成であって、前記棚本体3の前後方向(Y軸方向)の両側に備えた上下方向(Z軸方向)の一対の上下ガイドレール15に上下動自在に案内支承されている。また、エレベータ装置11は、パレットを支持、支持を解除自在なパレット支持スライダを備えた構成である。この種のパレット支持スライダは、例えば特開平5−146933号公報の図2に示されているように公知である。なお、この種のエレベータ装置11の構成は周知の構成であるから、エレベータ装置11のより詳細な構成についての説明は省略する。
【0014】
前記棚本体3の中間高さ位置には、左右方向へ水平に伸縮自在かつ前記エレベータ装置11を備えた一側側へ突出自在な水平ガイドレール17が備えられており、この水平ガイドレール17には、素材パレット5上に積載されている板状のワークWの一枚取りを行うための一枚取り装置19が前記棚本体3内の待機棚21に対して出入自在かつ上下動自在に備えられている。
【0015】
より詳細には、図3,図4に示すように、棚本体3における待機棚21のY軸方向の両側には、X軸方向に長い断面コ字形状の一対の固定ガイドレール23が備えられており、この一対の固定ガイドレール23には断面コ字形状の移動ガイドレール25がX軸方向へそれぞれ移動自在に備えられている。この移動ガイドレール25のX軸方向の一端部は連結部材25Aによって一体的に連結してある。そして、この移動ガイドレール25には、四角形状の移動枠体27がX軸方向へ移動自在に支持されている。なお、前記一対の固定ガイドレール23は、図2に示すように、前記一対の上下ガイドレール15の内側に備えられている。
【0016】
前記固定ガイドレール23に対して前記移動ガイドレール25及び前記移動枠体27を伸縮する方向へ移動するための伸縮用アクチュエータ29が備えられている。より詳細には、前記固定ガイドレール23のX軸方向の両端部にはそれぞれチエンスプロケット31が回転自在に備えられており、このチエンスプロケット31に掛回したエンドレスチエン33の連結部35が前記移動ガイドレール25の一端部に備えた前記連結部材25Aに連結してある。
【0017】
したがって、伸縮用アクチュエータ29としてのモータ(図示省略)によって前記スプロケット31を回転すること、又はX軸方向に伸縮作動するエアーシリンダ37などのごとき伸縮用アクチュエータにおけるピストンロッド37Rの先端部を前記エンドレスチエン31に連結し、このエアーシリンダ37の伸縮動作によって前記エンドレスチエン31を回動することにより、前記移動ガイドレール25は固定ガイドレール23に対して、図4において左右方向に移動することになる。すなわち、X軸方向(左右方向)に伸縮動作することになる。なお、一対のエンドレスチエン33が同期回転するように、対向した前記スプロケット31は連結軸39を介して連結してある。
【0018】
前記固定ガイドレール23に対して前記移動ガイドレール25がX軸方向に出入するときに、移動ガイドレール25に対して前記移動枠体27が同時に出入するように構成してある。すなわち、前記移動ガイドレール25のX軸方向の両端部付近に回転自在に備えたスプロケット41にはエンドレスチエン43が掛回してあり、このエンドレスチエン43の連結部45が前記移動枠体27のX軸方向の基端部(図4において右端部)付近に連結してある。
【0019】
そして、前記移動ガイドレール25の移動時に前記エンドレスチエン43を回動するために、前記移動ガイドレール25の基端部側に備えたスプロケット41にはピニオン47(図3参照)が同軸に一体的に備えられており、このピニオン47は、前記固定ガイドレール23に備えたX軸方向のラック49と噛合してある。したがって、前記固定ガイドレール23に対して移動ガイドレール25がX軸方向に移動するとき、ピニオン47を介してスプロケット41,エンドレスチエン43が同時に回転され、移動ガイドレール25に対して移動枠体27が同時に同方向へ移動することになる。
【0020】
以上のごとき構成より理解されるように、前記伸縮用アクチュエータ29を作動することにより、水平ガイドレール17がX軸方向に伸縮されて、移動枠体27は、棚本体3における前記待機棚21に対してX軸方向に出入されることになる。そして、前記移動枠体27が前記待機棚21内に移動すると、棚本体3の一側に上下動自在に備えた前記エレベータ装置11は、前記移動枠体27に干渉することなく上下動することができるものである。
【0021】
前記移動枠体27に前記一枚取り装置19が上下動自在かつX,Y軸方向へ移動自在に備えられている。すなわち、前記移動枠体27にはX軸方向の一対のガイド部材51が水平に備えられており、このガイド部材51には、例えばリニアモータなどのごとき適宜のアクチュエータ(図示省略)によってX軸方向へ移動位置決め自在なスライダ53が移動自在に支持されている。そして、このスライダ53には、例えばエアーシリンダなどのごとき上下動用アクチュエータ55が備えられており、この上下動用アクチュエータ55に上下動自在に備えた例えばピストンロッドなどのごとき上下作動杆57には、Y軸方向に長いガイド部材59が一体的に備えられている。
【0022】
上記ガイド部材59には複数のY軸スライダ61が例えばリニアモータなどのごとき適宜のアクチュエータ(図示省略)を介してY軸方向へ個別に移動位置決め自在に備えられており、上記各Y軸スライダ61には、X軸方向に長いホルダ杆63がリニアモータなどのごとき適宜のアクチュエータ(図示省略)を介してX軸方向へ移動位置決め自在に備えられている。そして、上記ホルダ杆63の下部には、例えばバキュームパッドや電磁石などのごとき複数のワーク保持手段65が備えられている。
【0023】
上記ワーク保持手段65は個別に作動自在に備えられている。すなわち、ワーク保持手段65がバキュームパッドの場合には、例えば負圧源と各バキュームパッドを接続した各接続パイプに開閉弁を備えた構成や、各バキュームパッドにそれぞれ負圧発生手段を接続して備えた構成として、各ワーク保持手段65を個別に作動することができるものである。なお、ワーク保持手段65が電磁石の場合には、各ワーク保持手段65に接続した接続線にそれぞれスイッチ手段を備えた構成である。
【0024】
前記構成により、スライダ53をX軸方向に移動位置決めすると共に一対のY軸スライダ61をY軸方向に移動位置決めし、さらにホルダ杆63をX軸方向に移動位置決めすることにより、一枚取り装置19によって搬送しようとするワークW及び加工された製品の位置、大きなに対応して必要なワーク保持手段65を対応した位置に位置決めすることができ、必要なワーク保持手段65のみを作動することができるものである。
【0025】
前記棚本体3における前記待機棚21の下側には、板材加工機に対して搬入、搬出する加工パレット7を上下2段に支持するパレットリフタ67が上下動自在に備えられている。このパレットリフタ67としては、前記特許文献1に記載の2段式リフタを採用することも可能であるが、上記2段式リフタはパレットを一方向に搬出入する構成である。したがって、板材加工機の配置位置は、パレットの搬出入方向である一方に限られることになり、板材加工機の配置の自由度が小さなものとなる。
【0026】
そこで、本実施形態に係るパレットリフタ67は、X,Y軸方向の両方向にパレットを搬出入可能に構成してある。すなわち、パレットリフタ67は、図5,図6に示すごとく構成してある。
【0027】
より詳細には、パレットリフタ67は四角形状の上部フレーム69と下部フレーム71の四角部を支柱73によって連結したパレット支持枠75を、エアーシリンダなどのごとき適宜のアクチュエータ77によってリンク79を作動することによって上下動する構成である。そして、前記上部フレーム69及び下部フレーム71の左右両端部(X軸方向)の端部に回転自在に備えたスプロケット81に、パレットの搬出入を行うエンドレスチエン82をそれぞれ掛回した構成である。したがって、上下の各スプロケット81に連動連結して備えた各モータ(図示省略)を個別に回転駆動することにより、パレット支持枠75における上下のフレーム69,71に対してパレットをX軸方向に個別に搬出入することができるものである。
【0028】
そして、前記上下のフレーム69,71上のパレットを、Y軸方向に搬出入するために、上下のフレーム69,71にはY軸方向に長い昇降フレーム83が上下動自在に備えられている。すなわち、上下のフレーム69,71にヒンジピンを介して上下に回動自在に支持された回動ブラケット85に前記昇降フレーム83が支持されており、この回動ブラケット85を上下に回動するために、小シリンダなどのごときアクチュエータ87が前記上下のフレーム69,71に備えられている。そして、前記各昇降フレーム83のY軸方向の端部付近に回転自在に備えたスプロケット89に、パレットをY軸方向に搬出入するためのエンドレスチエン91が掛回してある。
【0029】
したがって、昇降フレーム83が下降した状態にあるときには、パレット支持枠75における上下のフレーム69,71に対してパレットをX軸方向(左右方向)に搬出入することができる。そして、前記昇降フレーム83を上昇した状態においては、昇降フレーム83によってパレットを支持することになるので、モータ(図示省略)を介してスプロケット89を正逆回転することにより、前記パレット支持枠75における上下のフレーム69,71上のパレットをY軸方向(前後方向)に搬出入することができるものである。
【0030】
既に理解されるように、パレットリフタ67におけるパレット支持枠75を上下動することにより、当該パレット支持枠75における上下のフレーム69,71を、例えばレーザ加工機などのごとき板材加工機における加工テーブルの高さ位置(パスラインの高さ位置)に対応して上下に位置決めすることができ、上下のフレーム69,71に支持されているパレットを板材加工機に対して搬出入することができるものである。この際、前記上下のフレーム69,71上のパレットは、X軸方向又はY軸方向の所望方向へ搬出入することができるので、前記棚本体3のX軸方向又はY軸方向に隣接して板材加工機を配置することができるものである。
【0031】
そして、前記棚本体3のY軸方向に隣接して板材加工機を配置した場合には、前記エレベータ装置11と反対側の側面に別個のエレベータ装置93を上下動自在に備えることができ、前記棚部9に対するパレット5,7の搬出入を、前記一枚取り装置19に拘わりなく行うことができるものである。したがって、例えば素材パレット5にワークWがなくなったような場合、一方のエレベータ装置11や一枚取り装置19の動作状態に拘わりなく、素材パレット5をエレベータ装置93上に取り出し、フォークリフト等を利用して次の新しいワークを素材パレット5上に補充することができ、能率向上を図ることができるのもである。
【0032】
さて、前述のごとき構成において、一枚取り装置19を待機棚21内に引き入れた状態にあるとき、ワークWを積載した素材パレット5を、フォークリフト等の搬送装置によって下降した状態のエレベータ装置11上に載置した後、エレベータ装置11を最上段の棚部9に対応した高さ位置に上昇し、前記素材パレット5を当該棚部9に送り出すことにより、図1に示すように、最上段の棚部9に素材パレット5が格納される。
【0033】
そして、他の棚部9に空の加工パレット7が格納されている状態において、各加工パレット7上にワークWを載置するには、次のように行われる。すなわち、一枚取り装置19が待機棚21内に引き込まれた状態にあるとき、前記エレベータ装置11によって素材パレット5を引き出し、下方位置に位置決めした移動自在なリフター95上に素材パレット5を載置する。そして、エレベータ装置11に備えたパレット支持スライダを、前記素材パレット5の下側から側方に引き込み、素材パレット5の支持を解除する。
【0034】
上述のように、リフター95上に素材パレット5を載置してエレベータ装置11を上昇し、当該エレベータ装置11上に空の加工パレット7を引き出し載置する。前述のようにエレベータ装置11が上昇した後、一枚取り装置19によって素材パレット5上のワークWの一枚取りを行い、一枚取り装置19を再び待機棚21内に位置決めする。このように、ワークWを保持した一枚取り装置19が待機棚21内に位置するときに、前記エレベータ装置11を、前記待機棚21に対応した高さ位置に位置決めする。
【0035】
そして、空の加工パレット7を待機棚21内に搬入し、この空の加工パレット7に一枚取りされたワークWを載置した後、当該加工パレット7を元の棚部9に戻すと共に、次の空の加工パレット7をエレベータ装置11上に引き出し載置する。上述のようにエレベータ装置11が次の加工パレット7を引き出しているときに、一枚取り装置19は素材パレット5上の次のワークWの一枚取りを行って再度待機棚21内に戻る。
【0036】
上述のように、一枚取り装置19が次のワークWを保持した状態にあるとき、次の加工パレット7を待機棚21に搬入して、当該次の加工パレット7上に次のワークWを載置し、元の棚部9内に戻す。すなわち、上述のごとき動作を繰り返すことにより、棚本体3における複数の棚部9に格納されている全ての加工パレット7又は必要数の加工パレット7上にワークWを載置することができる。上述のように、全ての又は必要数の加工パレット7上にワークWを載置した後、前記エレベータ装置11によって素材パレット5を元の棚部9内に戻す。
【0037】
前述のように、全ての又は必要数の加工パレット7上にワークWを載置した後、ワークWを載置した加工パレット7をエレベータ装置11上に引き出し、この引き出した加工パレット7を、パレットリフタ67における上部フレーム69又は下部フレーム71上に載置し、このパレットリフタ67を介して板材加工機に搬入する。そして、板材加工機(レーザ加工機)1においてワークWの加工時に、次の加工パレット7を、前記パレットリフタ67の上部フレーム69又は下部フレーム71上に載置した待機状態にする。
【0038】
その後、板材加工機によって加工されたワークW(以下製品と称す)を載置している加工パレット7をパレットリフタ67に戻し、当該パレットリフタ67に待機状態にある次の加工パレット7を板材加工機へ搬入して次のワークWの加工を開始する。上述のように、次のワークWの加工が行われているときに、製品を載置した加工パレット7を元の棚部9に戻し、次の加工パレット7を前記パレットリフタ67に搬入して待機状態にすることにより、予めワークWを載置した加工パレット7を板材加工機へ次々に搬入して連続的にワークWの加工を行うことができるものである。
【0039】
ワークWの加工を終了した後における製品の仕分けは次のように行われる。すなわち、製品を載置した加工パレット7をエレベータ装置11によって引き出して前記リフター95上に載置する。次に、エレベータ装置11を水平ガイドレール17より上方位置に上昇した後、一枚取り装置19をリフター95上の加工パレット7に接近するように下降すると共に、当該加工パレット7上の吸着すべき製品の形状,寸法に対応するように適数のワーク保持手段65を位置決めする。
【0040】
そして、上記製品に対応したワーク保持手段65によって製品を持ち上げ、前記リフター95のX軸方向に隣接して予め配置した製品リフター97上の製品パレット上の予め設定された位置に搬送載置する。すなわち、前記一枚取り装置19によってリフター95上の加工パレット7上から製品リフター97上の製品パレット上へ製品を搬送することを繰り返すものである。この際、方向性が同一でかつ同一形状寸法の製品は同一ヶ所に積層されるものである。
【0041】
なお、スケルトンは、板材加工機において予め小寸法に切断分離してあることにより、前記製品パレット上の適宜位置に載置し積層することができるものである。
【0042】
前述のごとくリフター95上に載置した加工パレット7上から製品パレット上への製品の搬送積載を繰り返すことにより、前記リフター95上の加工パレット7が空の加工パレット7になると、前記一枚取り装置19が待機棚21に入り込む。そして、次にエレベータ装置11が空の加工パレット7を元の棚部9に戻し、次の加工パレット7を前記リフター95上に載置して、前述したごとき動作を繰り返すことにより、全ての又は必要数の加工パレット7上の製品を製品パレット上に仕分けして積載することができるものである。
【0043】
ところで、前記説明においては、予め全ての又は必要数の加工パレット7上にワークWを載置し、上記各加工パレット7上の全てのワークWの加工終了後に、製品の仕分けを行う旨説明した。しかし、板材加工機によって次のワークWの加工を行っているときに、加工終了したワーク(製品)の仕分けを行うことも可能である。
【0044】
すなわち、前述したように、板材加工機において加工の終了したワーク(製品)を載置した加工パレット7をパレットリフタ67上に搬出し、当該パレットリフタ67上に予め待機状態にある加工パレット7を板材加工機へ搬入した後、前記製品を積載した加工パレット7を、エレベータ装置11によってリフター95上に引き出し載置した後、エレベータ装置11のみを上昇する。そして、その状態において、前述したように、一枚取り装置19によって製品パレット上に製品の仕分けを行い、空になった加工パレット7を元の棚部9へ戻す。そして、次の加工パレット7を次の棚部9から取り出し、パレットリフタ67へ搬入して待機状態とするものである。
【0045】
さらに別の方法としては、前述のごとく、製品の仕分けを行うことによって空になった加工パレット7を元の棚部9へ戻した後、素材パレット5を前記リフター95上へ移送し、一枚取り装置19によってワークWの一枚取りを行う。そして、直ちに素材パレット5を元の棚部9へ戻すと共に、空の加工パレット7を待機棚21内に搬入する。又は、上記空の加工パレット7がエレベータ装置11に支持されている状態で下降し、前記待機棚21と同一高さになったときに、一枚取り装置19をエレベータ装置11上の加工パレット7の上方へ位置決めして、加工パレット7上に次のワークWを載置することも可能である。
【0046】
そして、ワークWを載置した上記加工パレット7を、パレットリフタ67へ搬入して待機状態とすることも可能である。
【0047】
すなわち、前記構成によれば、棚本体3に対して一枚取り装置19が出入する側面とエレベータ装置11が上下動する側面とが共通の側面であるから、省スペース化を図ることができものである。また、前記一枚取り装置が、製品の仕分け装置を兼ねるので、加工後の製品の仕分け領域が一枚取り装置19の動作領域内となり、この点においても省スペース化を図ることができるものである。
【0048】
また、前記構成によれば、棚本体3のX軸方向の一側方、又はY軸方向の両側方の適宜位置に板材加工機を配置することができ、配置の自由度が大きくなるものである。さらに、板材加工機に対するワークWの搬入出と、加工された後の製品の仕分け作業とを種々の形態で行うことができ、使用形態の汎用性が大きくなるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 棚装置
3 棚本体
5 素材パレット
7 加工パレット
9 棚部
11 エレベータ装置
15 上下ガイドレール
17 水平ガイドレール
19 一枚取り装置
21 待機棚
27 移動枠体
53 スライダ
55 上下動用アクチュエータ
59 ガイド部材
61 Y軸スライダ
63 ホルダ杆
67 パレットリフタ
69 上部フレーム
71 下部フレーム
75 パレット支持枠
81,89 スプロケット
83 昇降フレーム
85 回転ブラケット
91 エンドレスチエン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットを出入自在な棚部を複数段備えた棚本体の一側に、前記棚部に対してパレットの出入を行うエレベータ装置を上下動自在に備えた棚装置であって、パレット上に積載された板状のワークの一枚取りを行うための一枚取り装置を、前記棚本体の前記一側に対して当該棚本体内に出入自在に備えていることを特徴とする棚装置。
【請求項2】
請求項1に記載の棚装置において、前記エレベータ装置を上下に案内する一対の上下ガイドレールの内側に、前記棚本体内に出入自在に前記一枚取り装置を案内する水平ガイドレールを備え、かつ当該水平ガイドレールを伸縮自在に備えていることを特徴とする棚装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の棚装置において、前記一枚取り装置は、前記棚本体の外側において、ワークの一枚取りを行う一枚取り位置と、加工後のワークの仕分けを行う仕分け位置とへ移動自在であることを特徴とする棚装置。
【請求項4】
請求項1,2又は3のいずれかに記載の棚装置において、前記棚本体の他側に、前記棚部に対してパレットの出入を行う別個のエレベータ装置を上下動自在に備えていることを特徴とする棚装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−68473(P2011−68473A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222339(P2009−222339)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】