説明

椅子の背凭れ

【課題】着座者が背凭れに凭れたときに、張り材の反発力が途中で極端に変動することがなく、しかも、背もたれの張り材の負荷に対する後方への凹入量を十分に確保して、快適な着座感を得ることができるようにする。
【解決手段】上下方向を向く左右1対の側部フレーム18、18の上端同士、および下端同士を、左右方向を向く上部フレーム19、および下部フレーム20により連結して形成した枠状の背フレーム22に、下端が開口する袋状の張り材26を被嵌させて張設した椅子の背凭れにおいて、上部フレーム19と下部フレーム20の左右方向の中間部同士を、両側部フレーム18、18より後方に位置する上下方向を向く中間フレーム21をもって連結することにより、張り材26の後面部19bの中間部を後方に膨出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子の背凭れに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の椅子の背凭れには、枠状の背フレームに、下端が開口する袋状の張り材を被嵌させて張設したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0922419号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているものにおいては、背フレームに被せられた張り材の前面部と後面部とが互いに近接しているため、着座者が背凭れに凭れたとき、最初に張り材の前面部のみが後方に撓み、次いで張り材の前面部が後面部に当接した後は、その両方が後方に撓んで、着座者の背中の荷重を受けることになり、着座者の背中に対する反力が、背凭れに凭れたときの初期と、その後とで、2段階に変化し、着座者に違和感を与えることになる。
【0004】
また、着座者が背凭れに凭れたときに、快適な着座感を得るためには、背もたれの張り材の負荷に対する後方への凹入量を大とする必要があるが、特許文献1に記載されているものにおいては、背凭れに凭れたときの初期以外は、張り材の前面部と後面部との両方が一体的に撓んで、その反発力が大となるので、上記凹入量を大とし難い。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、着座者が背凭れに凭れたときに、張り材の反発力が途中で極端に変動することがなく、しかも、背もたれの張り材の負荷に対する後方への凹入量を十分に確保して、快適な着座感を得ることができるようにした椅子の背凭れを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 上下方向を向く左右1対の側部フレームの上端同士、および下端同士を、左右方向を向く上部フレーム、および下部フレームにより連結して形成した枠状の背フレームに、下端が開口する袋状の張り材を張設した椅子の背凭れにおいて、
前記上部フレームと下部フレームの左右方向の中間部同士を、前記両側部フレームより後方に位置する上下方向を向く中間フレームをもって連結することにより、前記張り材の後面部の中間部を後方に膨出させる。
【0007】
このような構成とすると、着座者が背凭れに凭れたときに、張り材の前面部が後面部に当接することがなくなり、張り材の抵抗力が途中で極端に変動することがなくなるとともに、張り材の前面部が伸長するのに伴って、後面部も伸長し、その後面部の伸長した分が、前面部の後方への凹入割合を増加させることになり、もって快適な着座感を得ることができる。
【0008】
(2) 上記(1)項において、上部フレームと下部フレームとを、平面視において、中間部が両側部より後方に位置する湾曲形状とする。
【0009】
このような構成とすると、中間フレームを、両側部フレームより大きく後方に離間させることができ、もって上記(1)項の効果をより高めることができるとともに、背凭れの前後方向の厚さを大とすることができ、背凭れに高級感を与えることができる。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)項において、両側部フレームと中間フレームとの下部を、側面視において、曲率中心が前方に位置する円弧状の湾曲形状とする。
【0011】
このような構成とすると、背凭れの側面形状を、着座者の臀部の側面形状に倣わせることができ、着座者の臀部から腰部を確実に支持することができる。
【0012】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、両側部フレームに対する中間フレームの後方への変位量を、上下方向で部分的に異ならせる。
【0013】
このような構成とすると、袋状の張り材の材質や形状等を、上下方向において部分的に変えることなく、背フレームに装着したときの張り材のテンションを、上下方向で部分的に異ならせることができる。
したがって、要望に応じて、背凭れの所望の高さの部分の上記変位量を大としたり、小としたりすることにより、その部分の張り材のテンションを、強くしたり、弱くしたりすることができる。
【0014】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、中間フレームを弾性材料により形成し、張り材の前面部に負荷が掛かった際に、前記中間フレームが前方に弾性変形しうるようにする。
【0015】
このような構成とすると、中間フレームの弾性が、張り材のテンションを補償し、それらの相乗作用により、張り材の前面部の後方への凹入割合をさらに増加させることことができる。
【0016】
(6) 上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、背フレームにおける両側部フレームの上端に、上方を向き、かつ側面視において中間部が上下部より前方に位置するように湾曲する延長フレームを連設し、両延長フレームの上端同士を、左右方向を向く頂部フレームにより連結し、この延長フレームと頂部フレームとにより、ヘッドレストフレームを形成する。
【0017】
このような構成とすると、特徴のある形状のヘッドレストを、背フレームと一体的に、簡単に形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、着座者が背凭れに凭れたときに、張り材の反発力が途中で極端に変動することがなく、しかも、背もたれの張り材の負荷に対する後方への凹入量を十分に確保して、快適な着座感を得ることができるようにした椅子の背凭れを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の背凭れの一実施形態を備える椅子を示す。
この椅子は、円板のベース1の中央に脚柱2を立設し、この脚柱2の上端に支基3を固着した下部構成体4を備えている。
【0020】
脚柱2を、ガススプリング(図示略)により、高さ調節可能とすることもある。
支基3は、平面視および側面視において、脚柱2の上端より前方に向かってほぼ三角形状に拡開する形状をなしている。
【0021】
支基3の前端部には、座5の前下部が、左右方向の基軸6をもって枢着され、座5は、図1に示すように、後上向きに傾斜する待機位置と、図2および図3に示すように、水平か、やや後下向きに傾斜する使用位置とに、基軸6を中心として回動しうるようになっている。
【0022】
座5の両側後部において、座5には、左右1対の肘掛け7、7が、一体的に形成されている。
各肘掛け7は、座5の後部両側から起立し、かつ後面が、後記する背凭れ9の支軸11を中心とする側面視半円弧状または扇形の湾曲面8に突出する背凭れ枢支部7aと、この背凭れ枢支部7aの上部より前向きに延出する上向弧状の肘当て部7bとからなり、全体の形状は、前上方に向かって収束する側面視ほぼ前向三角形をなしている。
【0023】
肘当て部7bの前後方向の寸法は、その前端部が、図1に示す待機位置において、座5の枢着部である基軸6の中心を通る垂直線Vよりも前方に位置するように設定されている。
また、図2に示すように、座5が使用位置にあるときには、肘当て部7bの前端部が、上記垂直線Vよりも後方、すなわち座5が枢着されている基軸6よりも若干後方に位置するようにしてある。
【0024】
左右の肘掛け7、7における背凭れ枢支部7aのやや前方寄りの外側面には、背凭れ9の両側下部より前方に延出する前向側片10の前端部が、ほぼ左右方向を向く支軸11をもって枢着され、背凭れ9は、座5および肘掛け7に対して、図2に示す起立位置と、図3に示す後傾位置とに、支軸11を中心として回動しうるようになっている。なお、背凭れ枢支部7aの外側面は、前向側片10の枢着部が最外方に位置するように外向きに膨出させてあり、前向側片10の内面が、背凭れ枢支部7aの外側面と広範囲に接触しないようにしてある。
【0025】
背凭れ9の両側下部における背凭れ枢支部7aの後面と対向する部分は、背凭れ枢支部7aの後面の湾曲面8とほぼ補形をなす円弧状の凹曲面12としてあり、互いの対向面が近接するようにして、背凭れ9は、支軸11を中心として回動しうるようになっている。背凭れ9における後記する下部フレーム20の左右方向の中央部と、支基3の前端部上面との間には、背凭れ9を起立方向に付勢するガススプリング、または圧縮ばね等からなる第1の付勢手段13が設けられている。
【0026】
また、支基3内には、座5を待機位置に向かって付勢することにより、着座者が起立するのを補助しうる第2の付勢手段14が設けられている。
この第2の付勢手段14は、例えば軸線が左右方向を向くゴムトーションユニット15と、このゴムトーションユニット15に連係され、図1において側面視反時計方向に付勢された後方を向く第1リンク16と、この第1リンク16の先端部に左右方向の軸をもって下端部が枢着され、かつ上端部が、座5の前後方向の中間部の下面に、左右方向の軸をもって枢着された斜め後上方を向く第2リンク17とからなっている。
【0027】
肘掛け7は、座5と一体的に形成されているので、座5が待機位置と使用位置とに回動したり、背凭れ9が傾動したりしても、座5に対する肘掛け7の相対位置が変化することはなく、待機位置から使用位置まで、肘を自然な状態で肘掛け7に掛けることができ、椅子の使い勝手が向上する。
【0028】
また、座5が待機位置にあるとき、肘掛け7における肘当て部7bの前端部が、座5を枢着している基軸6の中心を通る垂直線Vよりも前方に位置するようにしてあるので、待機位置において、肘当て部7bの前端部に手を掛けて着座する際に、その荷重により、座5が下方に回動してしまう恐れはなく、安心して着座することができる。
【0029】
さらに、座5の後両側部より起立する背凭れ枢支部7aに、背凭れ9の両側下部より前方に延出する前向側片10の前端部を枢着し、かつ背凭れ枢支部7aと背凭れ9の下部との対向面を、支軸11を中心とする円弧状または扇形の湾曲面8および円弧状の凹曲面12としてあるので、背凭れ9を、座5および肘掛け7と干渉させることなく、大きく後傾させることができる。しかも、背凭れ9の下部は、座5と一体をなす肘掛け7の背凭れ枢支部7aに、強固に枢着することができるので、上下寸法の大きな背凭れ9でも、安定して、円滑に回動しうるように支持することができる。
【0030】
図4に示すように、背凭れ9は、上下方向を向く左右1対の側部フレーム18、18の上端同士を、左右方向を向く上部フレーム19により連結し、かつ両側部フレーム18、18の下端同士を、左右方向を向く下部フレーム20により連結し、さらに、上部フレーム19と下部フレーム20の左右方向の中間部同士を、両側部フレーム18、18より後方に位置する上下方向を向く中間フレーム21をもって連結することにより形成した、正面形が縦長方形枠状の背フレーム22を備えている。
【0031】
この背フレーム22は、適度の弾性を有する合成樹脂材料により一体的に形成されている。この合成樹脂材料には、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を加えておくのが好ましい。
【0032】
両側部フレーム18、18の下部と、中間フレーム21の下部とは、側面視において、曲率中心が前方に位置する円弧状の湾曲形状とし、上部フレーム19と下部フレーム20とは、平面視において、中間部が両側部より後方に位置する湾曲形状としてある。これにより、背凭れ9の下部が、座5および肘掛け7の後端より後方に離間し、背凭れ9が回動する際、座5および肘掛け7の後端と干渉するのが防止され、背凭れ9の後方への回動範囲を大とすることができる。
【0033】
両側部フレーム18、18の下部と中間フレーム21の下部との湾曲形状の曲率中心は、背凭れ9の支軸11と一致させるのが好ましい。
【0034】
中間フレーム21は、背フレーム22における他のフレーム構成部材より細く形成することにより、他部より弾性変形し易くしてあり、後述する張り材26の前面部に負荷が掛かった際に、中間フレーム21が前方に弾性変形しうるようにしてある。
【0035】
両側部フレーム18、18に対する中間フレーム21の後方への変位量は、下方に行くほど大としてある。
【0036】
また、上述した左右の前向側片10は、両側部フレーム18、18の下部と一体的に形成されている。
【0037】
背フレーム22の上端には、両側部フレーム18、18の上端に、上方を向き、かつ側面視において中間部が上下部より前方に位置するように湾曲する延長フレーム23、23を連設し、両延長フレーム23、23の上端同士を、左右方向を向く頂部フレーム24により連結することにより形成したヘッドレストフレーム25が一体的に設けられている。
【0038】
背フレーム22とヘッドレストフレーム25とには、図4に示すように、下端と両側下部とが開口する伸縮性を有する袋状の張り材26が、被嵌することにより張設されている。
【0039】
張り材26は、ヘッドレストフレーム25を覆うヘッドレスト覆い部27と、背フレーム22を覆う背凭れ覆い部28とからなり、それらの張り地は、互いに異ならせてある。また、ヘッドレスト覆い部27における前面部27aと後面部27bとの張り地、および背凭れ覆い部28における前面部28aと後面部28bとの張り地も、互いに異ならせてある。
【0040】
ヘッドレスト覆い部27と背凭れ覆い部28との張り地は、ともにメッシュ材としてあるが、ヘッドレスト覆い部27の少なくとも前面部27aの張り地は、背凭れ覆い部28の少なくとも前面部28aの張り地より伸縮性に富んだメッシュ材により形成してある。
【0041】
また、ヘッドレスト覆い部27の少なくとも前面部27aの張り地は、目の粗い低密度のメッシュ材と、かつ背凭れ覆い部28の少なくとも前面部28aの張り地は、目の細かい高密度のメッシュ材としてある。
れ。
【0042】
メッシュ材の織り目または編み目の向きは、ヘッドレスト覆い部27における前面部27aおよび背凭れ覆い部28における前面部28aでは左右方向を向くように、またヘッドレスト覆い部27における後面部27bおよび背凭れ覆い部28における後面部28bでは上下方向を向くようにし、前面部27a、28aでは横方向に伸縮し、後面部27b、28bでは縦方向に伸縮するようにしてある。
【0043】
また、背凭れ覆い部28における前面部28aは、上述のように、目の細かい高密度のメッシュ材であって、表面が柔軟な透光性または透視性の低いメッシュ材の張り地とし、背凭れ覆い部28における後面部28bは、目の粗い低密度のメッシュ材であって、透光性または透視性の高いメッシュ材の張り地としてある。
前面部28aの張り地としては、伸縮性の複数の糸の間に、短繊維を挟み込んでより合わせた、モール状の繊維を用いるのが好ましい。
【0044】
さらに、ヘッドレスト覆い部27における前面部27aと後面部27b、および背凭れ覆い部28における前面部28aと後面部28bとは、材質だけでなく、色彩も互いに異ならせて、デザイン性を向上させてある。
【0045】
張り材26は、袋状に形成したものを、背フレーム22等に被嵌して張設するだけでなく、互いに前後に分離した張り材26の前面部27a、28aと後面部27b、28bとにより、ヘッドレストフレーム25および背フレーム22を前後から挟み、その前面部27a、28aと後面部27b、28bとの周縁部を互いに結着して、結果的に袋状としてもよい。
【0046】
張り材26の下端部は、両側下部の開口から、左右の前向側片10、10が前方に向けて突出し、かつ前面部28aと後面部28bとの下端部同士を、背フレーム22における下部フレーム20の下方において、面ファスナ、ホック、ファスナ、その他の結合手段(いずれも図示略)により、互いに結合することにより、下部フレーム20の下端部に取付けられている。
【0047】
なお、ヘッドレストを必要としないときは、ヘッドレストフレーム25および張り材26におけるヘッドレスト覆い部27を省略して実施すればよい。
【0048】
上記のような構成とした背凭れ9は、上部フレーム19と下部フレーム20との中間部同士を、両側部フレーム18、18より後方に位置する上下方向を向く中間フレーム21をもって連結し、この中間フレーム21により、張り材26の後面部26bの中間部を後方に膨出させてあるので、着座者が背凭れ9に凭れたときに、張り材26の前面部28aが後面部28bに当接することがなく、張り材26の抵抗力が途中で極端に変動することがなくなる。また、張り材26の前面部28aが伸長するのに伴って、後面部28bも伸長し、その後面部28bの伸長した分が、前面部28aの後方への凹入量を増加させることになり、快適な着座感を得ることができる。
【0049】
また、上部フレーム19と下部フレーム20とを、平面視において、中間部が両側部より後方に位置する湾曲形状としてあるので、中間フレーム21を、両側部フレーム18、18より大きく後方に離間させることができ、もって上記の効果をより高めることができ、かつ背凭れ9の前後方向の厚さを大として、背凭れ9に高級感を与えることができる。
【0050】
さらに、ヘッドレストフレーム25と、それに被嵌された袋状の張り材26のヘッドレスト覆い部27とにより、特徴のある形状のヘッドレストを、背フレーム22と一体的に、簡単に形成することができる。
【0051】
張り材26は、その前面部27a、28aと後面部27b、28bとの張り地を、上記のように互いに異ならせてあるので、それらをメッシュ材で形成した場合でも、モアレ模様の発生を防止しうるとともに、適正な撓み量を発揮させることができ、また表面に柔軟性を持たせることができ、しかも透光性または透視性を低下させることがなく、さらに、十分な通気性と弾性が得られるようにすることができる。
【0052】
なお、上記実施形態においては、両側部フレーム18、18に対する中間フレーム21の後方への変位量を、下方に行くほど大としてあるので、材質、寸法等を、上下方向のどの部分においても同一とした袋状の張り材26を、背フレーム22に被嵌させるだけで、背凭れ9の下部における張り材26の初期テンションを、背凭れ9の上部におけるものより大とすることができる。それによって、着座者が背凭れ9に凭れたとき、背の上部が当たる背凭れ9の上部の張り材26はテンションが弱く、柔軟に後方に深く凹入し、背の下部から腰部および臀部が当たる背凭れ9の下部の張り材26はテンションが強く、それらを強力に支持することができ、着座者に快適な着座感を得ることができる。
【0053】
このように、両側部フレーム18、18に対する中間フレーム21の後方への変位量を、上下方向で部分的に異ならせることにより、袋状の張り材26の材質や形状等を、上下方向において部分的に変えることなく、背フレーム22に装着したときの張り材26のテンションを、上下方向で部分的に異ならせることができる。
したがって、要望に応じて、背凭れの所望の高さの部分の上記変位量を大としたり、小としたりすることにより、その部分の張り材26のテンションを、強くしたり、弱くしたりすることができる。
【0054】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、幾多の変形した態様での実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の背凭れの一実施形態を備える椅子の待機状態の側面図である。
【図2】同じく、着座状態の側面図である。
【図3】同じく、リクライニング状態の側面図である。
【図4】背フレームに張り材を被嵌する前の状態を背凭れの斜め後方より見た斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ベース
2 脚柱
3 支基
4 下部構成体
5 座
6 基軸
7 肘掛け
7a 背凭れ枢支部
7b 肘当て部
8 湾曲面
9 背凭れ
10 前向側片
11 支軸
12 凹曲面
13 第1の付勢手段
14 第2の付勢手段
15 ゴムトーションユニット
16 第1リンク
17 第2リンク
18 側部フレーム
19 上部フレーム
20 下部フレーム
21 中間フレーム
22 背フレーム
23 延長フレーム
24 頂部フレーム
25 ヘッドレストフレーム
26 張り材
27 ヘッドレスト覆い部
27a前面部
27b後面部
28 背凭れ覆い部
28a前面部
28b後面部
V 垂直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向を向く左右1対の側部フレームの上端同士、および下端同士を、左右方向を向く上部フレーム、および下部フレームにより連結して形成した枠状の背フレームに、下端が開口する袋状の張り材を張設した椅子の背凭れにおいて、
前記上部フレームと下部フレームの左右方向の中間部同士を、前記両側部フレームより後方に位置する上下方向を向く中間フレームをもって連結することにより、前記張り材の後面部の中間部を後方に膨出させたことを特徴とする椅子の背凭れ。
【請求項2】
上部フレームと下部フレームとを、平面視において、中間部が両側部より後方に位置する湾曲形状とした請求項1記載の椅子の背凭れ。
【請求項3】
両側部フレームと中間フレームとの下部を、側面視において、曲率中心が前方に位置する円弧状の湾曲形状とした請求項1または2記載の椅子の背凭れ。
【請求項4】
両側部フレームに対する中間フレームの後方への変位量を、上下方向で部分的に異ならせた請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の背凭れ。
【請求項5】
中間フレームを弾性材料により形成し、張り材の前面部に負荷が掛かった際に、前記中間フレームが前方に弾性変形しうるようにした請求項1〜4のいずれかに記載の椅子の背凭れ。
【請求項6】
背フレームにおける両側部フレームの上端に、上方を向き、かつ側面視において中間部が上下部より前方に位置するように湾曲する延長フレームを連設し、両延長フレームの上端同士を、左右方向を向く頂部フレームにより連結し、この延長フレームと頂部フレームとにより、ヘッドレストフレームを形成した請求項1〜5のいずれかに記載の椅子の背凭れ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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