説明

椅子台座への転写方法とその椅子台座の構造

【課題】椅子台座にパターンや模様を転写可能であり、且つ転写過程中に椅子台座が傷付けられなく、椅子台座の表面は耐磨耗性が良い椅子台座への転写方法を提供する。
【解決手段】椅子台座に前処理により表面を平滑にするステップAと、椅子台座の表面にペイントをスプレーするステップBと、椅子台座をオーブンに入れてペイントを乾燥するステップCと、転写シートを転写水槽に設置するステップDと、転写水槽の水面に浮いている転写シートの上面に活性剤をスプレーするステップEと、転写シートが水中に沈むように、椅子台座を転写シートの上から下に押付けることにより、転写シートでのインクを椅子台座の表面に転写するステップFと、転写された椅子台座を水で洗浄するステップGと、転写された椅子台座をオーブンに入れて完全に乾燥するステップHと、椅子台座の表面に上塗りペイントをスプレーするステップIを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子台座への水転写技術を採用する転写方法とその椅子台座の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子台座の表面を美観にするために、木材で椅子台座を作製することがあり、これにより、椅子台座の表面に木材の質感が溢れるようになる。しかし、椅子台座に木材を採用すると、生産コストが増加し、硬さが不足であり、磨耗し易いなども問題があった。だから、市販している椅子の台座は、樹脂又は金属を採用するようになり、そして椅子台座の表面に簡単な表面処理を施すことが一般になり、例えば樹脂に着色剤を添加し、又は椅子台座の表面にメッキや塗装などを施し、そうすると、椅子台座は美観になり、錆し難くなるなどの効果があり、しかしながら、従来の表面処理によると、椅子台座の外見は極めて単調であり、変化性が少ない。そして一般の椅子台座の表面は、湾曲又は不規則な形状を呈するので、パターンや模様を付けることはできなかった。且つ椅子が長期間に使用されたと、表面処理層は脱落し易く、ひいては錆が発生するようになり、そうすると椅子の見栄えが悪くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、椅子台座に変化性を有するパターンや模様を転写可能であり、且つ転写過程中に椅子台座が傷付けられなく、椅子台座の表面は耐磨耗性が良い椅子台座への転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1に記載の椅子台座への転写方法によると、椅子台座に前処理を施すことにより、その表面を平滑にするステップAと、椅子台座の表面にペイントをスプレーするステップBと、椅子台座をオーブンに入れてペイントを乾燥するステップCと、転写シートを転写水槽に設置するステップDと、転写水槽の水面に浮いている転写シートの上面に活性剤をスプレーするステップEと、転写シートが水中に沈むように、椅子台座を転写シートの上から下に押付けることにより、転写シートでのインクを椅子台座の表面に転写するステップFと、転写された椅子台座を水で洗浄するステップGと、転写された椅子台座をオーブンに入れてするステップHと、完全に乾燥された椅子台座の表面に上塗りペイントをスプレーするステップIを含むことを特徴とする椅子台座への転写方法である。
【0005】
本発明の請求項2に記載の椅子台座への転写方法によると、ステップCにおいて、オーブンの温度は90℃〜110℃範囲に設定される。本発明の請求項3に記載の椅子台座への転写方法によると、ステップDにおいて、転写水槽の水温は40℃〜50℃範囲に設定される。
【0006】
本発明の請求項4に記載の椅子台座への転写方法によると、ステップBにおいて、ペイントは、下塗りペイントを使用してもいいし、界面ペイントを使用してもよい。本発明の請求項5に記載の椅子台座の構造によると、椅子台座の表面には、水転写技術によって少なくとも一つのパターンや模様が転写されていることを特徴とする椅子台座の構造である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の椅子台座への転写方法によれば、椅子台座に変化性を有するパターンや模様を転写可能であり、且つ転写過程中に椅子台座が傷付けられなく、椅子台座の表面は耐磨耗性が良いという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
まず、図1及び図2を参照する。本発明に係る椅子台座への転写方法は、非転写体である椅子台座1に前処理(例えば艶出し及び洗浄又は吸塵などの方式によってホコリを除去)を施すことにより、その表面を平滑にするステップAと、
【0010】
椅子台座1の材料を見て下塗りペイント又は界面ペイントを使用し、すなわち、椅子台座1の材料と転写しようとするパターンや模様の顔色の異なりが大きい場合には材料の原色を覆い可能な下塗りペイントを使用し、なお、椅子台座1の材料は金属、ポリエチレン、又はポリプロピレンを採用する場合には転写シートのインクの付着を良くする効果を有する界面ペイントを使用し、適正なペイントを椅子台座の表面にスプレーするステップBと、
【0011】
炉内温度が90℃〜110℃範囲に設定されるオーブンに椅子台座を入れてペイントを乾燥するステップCと、
【0012】
転写シートを、水平に展開して、温度が40℃〜50℃範囲に設定される転写水槽に設置するステップDと、
【0013】
転写水槽の水面に浮いている転写シートの上面に、転写シートでのインクの付着力を向上する活性剤をスプレーするステップEと、
【0014】
手作業、又は自動化作業により、転写シートが水中に沈むように、椅子台座を転写シートの上から下に押付けることにより、転写シートでのインクを椅子台座の表面に転写するステップFと、
【0015】
残留した転写シートを除去するために、転写された椅子台座を水で洗浄するステップGと、
【0016】
少なくとも一つのパターンや模様が転写されている椅子台座をオーブンに入れて完全に乾燥するステップHと、
【0017】
転写されたパターンや模様を保護するために、完全に乾燥された椅子台座の表面に上塗りペイントをスプレーするステップIを含む。特に、本発明に係る椅子台座1は、図面に示した形状に限定されなく、何れかの形状にされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る椅子台座への転写方法を説明するフローチャート
【図2】本発明に係る椅子台座にパターンなどが印刷された状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0019】
1 椅子台座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子台座に前処理を施すことにより、その表面を平滑にするステップAと、
椅子台座の表面にペイントをスプレーするステップBと、
椅子台座をオーブンに入れてペイントを乾燥するステップCと、
転写シートを転写水槽に設置するステップDと、
転写水槽の水面に浮いている転写シートの上面に活性剤をスプレーするステップEと、
転写シートが水中に沈むように、椅子台座を転写シートの上から下に押付けることにより、転写シートでのインクを椅子台座の表面に転写するステップFと、
転写された椅子台座を水で洗浄するステップGと、
転写された椅子台座をオーブンに入れて完全に乾燥するステップHと、
完全に乾燥された椅子台座の表面に上塗りペイントをスプレーするステップIを含むことを特徴とする、椅子台座への転写方法。
【請求項2】
ステップCにおいて、オーブンの温度は90℃〜110℃範囲に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の椅子台座への転写方法。
【請求項3】
ステップDにおいて、転写水槽の水温は40℃〜50℃範囲に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の椅子台座への転写方法。
【請求項4】
ステップBにおいて、ペイントは、下塗りペイントを使用してもいいし、界面ペイントを使用してもよいことを特徴とする、請求項1に記載の椅子台座への転写方法。
【請求項5】
椅子台座の表面には、水転写技術によって少なくとも一つのパターンや模様が転写されていることを特徴とする、椅子台座の構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−241382(P2009−241382A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90058(P2008−90058)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(507125549)
【Fターム(参考)】