説明

検品装置、検品方法、検品システム、コンピュータプログラム

【課題】 従来の色味検品では、記録紙に印刷した1ページに含まれる複数の領域に対して同様の色味検品処理を行っており、領域ごとに色味検品処理の内容を変えることはできなかった。例えば、色見本を用いて印刷すべき色を指定した領域に対して、その他の領域よりも高い精度で色味検品を行うことができなかった。
【解決手段】 特色指定領域に対して、特色指定領域の色の再現性が特色指定領域以外の領域の色の再現性よりも高いことが保証されるような検品処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検品装置、検品方法、検品システム、コンピュータプログラムに関する。特に印刷された画像の印刷不良の有無を判定するための処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント・オン・ディマンド(Print On Demand:以下、PODと表記する。)と呼ばれる市場が出現しつつある。POD市場では、例えば、デジタル複写機やデジタル複合機等のデジタル画像形成装置(以下、画像形成装置と表記する)を活用することで、電子データを用いたデジタルプリントを実現し、プリントサービス等を行うことが可能となる。
上述のデジタルプリントにおいて、画像形成装置に検品装置を接続することで、顧客に納品する印刷物に印字ミスや抜け、紙汚れ等がないかどうかの検品処理がインラインで行われている。インラインで検品処理を行うことで、検品処理の結果が不良と判定された印刷物を良品用のトレイとは異なるトレイに出力するなど、検品処理の結果によって印刷物の出力処理を変えることが可能となる。
検品技術として、印刷物を検証するためのリファレンス画像と、印刷物を撮像により読み取ったスキャン画像とを比較することで、印刷物を検品する技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の検品処理は、スキャン画像の色味とリファレンス画像の色味との差分を計算することで印刷物の色味を検品する(以下、色味検品と記す)処理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−123176
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置で印刷出力する印刷物の色を指定する方法は、赤(R)、緑(G)、青(B)やシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の混色割合で指定する方法と、色見本を用いて色見本の番号で指定する方法がある。後者の方法では、色見本の番号と該番号が表す色を表現するためのCMYK(又はRGB)との値の対応が印刷業界において明確に定義されている。印刷物の色を色見本の色で出来る限り忠実に再現したいユーザは、色見本中の色を選択して色を指定する。
【0005】
色見本中の色を選択することで領域の色を指定するユーザは、その領域については色見本の色を忠実に再現したいので、その領域の色の再現性の高さは充分に検査されるべきである。逆に色見本中の色が指定されたわけではない領域については、色見本中の色が指定された領域ほどには、色の再現性の高さは求められていない場合がある。つまり、混色割合で色が指定された領域と色見本で色が指定された領域とで、同じ基準で色味検品を行う必要はない。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、生成されたリファレンス画像において、RGBやCMYKの混色割合で指定した領域と色見本の番号で指定した領域とを区別することができなかったため、領域によって色味検品の処理内容を変えることができなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、色見本により色を指定した領域のみ高精度な色味検品を行うといったように、領域によって色味検品の処理を変える。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検品装置は、複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り手段と、前記リファレンス画像を取得する取得手段と、前記複数の領域について前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定手段と、を有する検品装置であって、前記複数の領域のうち特色指定領域における判定基準は、前記複数の領域のうち特色指定領域以外の領域における判定基準よりも厳しいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、領域によって色味検品処理の動作を変えることができる。したがって、領域に応じて適切な色味検品処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態としての画像形成システムの構成図
【図2】実施例1における検品コントローラ111の色味検品処理のフローチャート
【図3】色を設定するためのユーザインタフェースを表す図
【図4】色見本を用いて色を設定するためのユーザインタフェースを表す図
【図5】実施例2における検品コントローラ111の色味検品処理のフローチャート
【図6】実施例3における検品コントローラ111の色味検品処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は、本実施例のインライン検品が可能な画像形成システム(検品システム)の構成図である。以下、図1を用いて本実施例の画像形成システムの構成について説明する。
【0013】
図1において、101は印刷する原稿を作成するコンピュータであり、画像形成装置で印刷される画像データは本コンピュータによって生成する。本実施例では、コンピュータ(情報処理装置)101は画像データとしてPDLデータを生成する。この画像データを生成する際に、ユーザはRGB、CMYKの混色割合で印刷する色を指定したり、色見本を用いて印刷する色を指定したり、アプリケーションや画像形成装置があらかじめ用意した特別な色を指定することができる(以下、このように指定した色を特色と表す)。
【0014】
102はコンピュータ101と画像形成装置を接続するローカルエリアネットワークであり、ローカルエリアネットワーク102を介してコンピュータ101と画像形成装置の間で画像データの送受信や各種情報の授受が行われる。
【0015】
図1内において、10は本実施例におけるインライン検品が可能な画像形成システムを表しており、印刷部11、検品部12及び排紙部13から構成される。印刷部(画像形成装置)11はコンピュータ101から取得した画像データをラスタライズしてビットマップデータに変換し、画像データを記録紙上に印字して印刷物を生成する。また、検品のためのリファレンス画像データを生成して検品部12に出力する。
【0016】
検品部(検品装置)12は印刷部11で出力された印刷物及びリファレンス画像データを取得し、印刷部11で印刷された印刷物を読み取ったスキャン画像データとリファレンス画像データを比較して検品処理を行う。そして、検品部12は、検品処理の結果(検品の判定結果)に基づいて、検品処理の行われた印刷物を排紙部13に出力する。検品部12は、印刷部11で出力された印刷物を、印刷部11から排紙部13までに搬送する搬送手段を有する。
【0017】
排紙部(シート処理装置)13は、検品部12の検品結果(検品の判定結果)を受信して、受信された検品結果に基づいて印刷物を指定された出力トレイ(機外)へ送り排紙するよう制御を行う。すなわち、排紙部13は、検品部12の検品結果を受信する結果受信手段と、印刷物を出力トレイへ排出する排出手段とを有する。
【0018】
以下に各部の構成を詳細に説明する。
【0019】
[印刷部]
印刷部11において、103は画像コントローラであり、RIPアクセラレータ104で生成したビットマップ画像データを後段の印字部106に送る。また、ビットマップ画像データを印刷する紙の選択や検品コントローラ111において紙種類による画像の補正を行うための紙種類情報を給紙部107及び検品コントローラ111に送る。さらに、ローカルエリアネットワーク102を介して情報処理装置から入力された画像データ(PDLデータ)などをHDD105に格納したり、画像データの圧縮、伸張、縮小、拡大、反転、回転、Nin1、色変換など画像データに対してさまざまが編集処理を行う。このPDLデータには、文字や図形といった複数のオブジェクトを記述する情報が含まれている。
【0020】
104はローカルエリアネットワーク102を介してコンピュータ101と接続されているRIPアクセラレータであり、コンピュータ101から送られてくるPDLにより記述された原稿をラスタライズしてビットマップ画像データを生成する。このPDLには、色見本を用いた色指定や特色を指定したことを表すコマンドが含まれており、このコマンドを検出したRIPアクセラレータ104は、このコマンドに該当する領域に対して色見本に対応した色や特色に基づいたビットマップ画像データを生成する。生成したビットマップ画像データは、画像コントローラ103を介して印字部106に出力され、記録紙上に印刷が行われる。
【0021】
また、RIPアクセラレータ104は生成したビットマップ画像データをリファレンス画像データ(検証用画像データ)として検品コントローラ111に送信する。すなわち、ここでのRIPアクセラレータ104は、画像送信手段として機能している。本実施例において、リファレンス画像データは文字や図形などの複数のオブジェクト領域を有しており、前記PDL内のコマンドはこれらオブジェクト領域に対して指定されている。RIPアクセラレータ104は、PDLの記述内容から色見本を用いた色指定や特色を指定したことを表すコマンド、すなわち、所定の属性を表すコマンドを検出すると、オブジェクトが所定の属性を有していることを表す情報(特色指定領域信号)を出力する。この特色領域指定信号は、リファレンス画像データ中の対応するオブジェクト領域に対して設定されるものであり、当該オブジェクト領域が特色指定された領域であるか否かを識別するための情報である。なお、当該リファレンス画像データ中のオブジェクト領域と、コマンドに該当するPDLのオブジェクト領域とは対応関係にある。RIPアクセラレータ104から、色見本を用いた色の指定や特色が指定された画像データがリファレンス画像データとして出力されている間、特色指定領域信号はリファレンス画像データと同期して検品コントローラ111(領域情報受信手段)に送信される。すなわち、ここでRIPアクセラレータ104は情報送信手段として機能している。
【0022】
105は記憶装置であるHDDであり、画像コントローラ103を動作させるためのプログラムを格納し、またローカルエリアネットワーク102を介して画像形成装置に入力された画像データなどを格納する。HDD105に格納された画像データは画像コントローラ103を介してローカルエリアネットワーク102へ送り出されたり、画像コントローラ103でさまざまな編集処理が行われる。
【0023】
106は画像コントローラ103から送られてくる画像データ(ビットマップ画像データ)を給紙部107から送られてきた記録紙に印字する印字部(印刷手段)であり、電子写真方式やインクジェット方式などの方法で記録紙上に画像データの印字を行う。そして印字部106は、印字された記録紙を検品部12へと搬送する搬送手段を有する。
【0024】
107は給紙部であり、画像コントローラ103から送られてくる紙種類情報により指定された種類、大きさの紙を選択して印字部106に送る。
【0025】
[検品部]
検品部12において、110は印字部106において画像データを印刷した記録紙を表す。記録紙110は印字部106において画像データ(ビットマップ画像データ)が印刷物として印刷された後、検品部12に入力され、後述する画像読み取り装置であるスキャナ(読み取り手段)108、109により記録紙上に印刷された画像の読み取りが行われる。印刷物の印刷部11から排紙部13までの搬送において、検品部12の有する搬送手段が印刷物をスキャナ108、109の読み取り位置に搬送することで、スキャナ108、109による印刷物の読み取りは行われる。すなわち、記録紙110は検品部12に入力されてスキャナ108、109で読み取られた後、不図示の支持部材及び搬送装置により排紙部13に送られる。
【0026】
108及び109は記録紙110上に印刷された画像を読み取るためのスキャナ(スキャン画像取得手段)である。スキャナ108、109は記録紙110に対して対面の位置に配置されていて、記録紙110の表面と裏面を同時に読み取ることができるような構成になっている。スキャナ108、109は検品部12に固定されており、記録紙110がスキャナ108及び109の間を移動することにより記録紙110の裏面、表面をスキャンする。スキャナ108、109が読み取った画像データ(スキャン画像データ)は印刷原稿の検品処理のために検品コントローラ111に送られる。
【0027】
111は検品コントローラ(リファレンス画像取得手段)であり、スキャナ108、109によって読み取られたスキャン画像データとRIPアクセラレータ104から送られるリファレンス画像データを取得し、これらの画像データを比較することにより色味検品処理を行う。すなわち、ここで検品コントローラ111は、印刷物の良否を判定する判定手段として機能する。また、RIPアクセラレータ104から特色指定領域信号を受信し、特色指定領域信号が受信されると、検品コントローラ111は他の領域とは異なる特色指定領域特有の色味検品処理を行う。すなわち、ここで検品コントローラ111は、特色指定受信手段として機能する。
【0028】
尚、スキャナ108、109からは記録紙の表面と裏面の画像データが入力されるが、例えば記録紙上に片面しか印刷が行われていない場合は、対応するスキャナから送られた画像データのみで色味検品処理を行う。
【0029】
検品コントローラ111により行われる色味検品処理の詳細は、フローチャートを用いて後で詳細な説明を行う。
色味検品処理が終了すると、検品コントローラ111は色味検品結果を排紙制御部112に対して出力する。
【0030】
[排紙部]
排紙部13において、112は排紙制御部であり検品部12から送られてくる記録紙110を排紙トレイ113が持つ複数の出力先(フィン)の中から所定の出力先を選択して出力する。記録紙110の出力先の設定は、コンピュータ101や画像コントローラ103、に接続される不図示のユーザインターフェース(以下、UIと表す)を用いて行われる。
【0031】
また、排紙制御部112は検品コントローラ111から出力される色味検品結果によっても出力先を変更する。これにより、検品部から送られてくる記録紙のうち、検品コントローラ111による色味検品処理で良品と判定された記録紙と不良品と判定された記録紙を異なる出力先に出力することで、良品と不良品を区別可能に自動的に選り分ける事ができる。
【0032】
113は排紙制御部112に接続された排紙トレイであり、複数の出力先(フィン)を有する。排紙トレイ113は送られてくる記録紙110を複数の出力先に振り分けて出力することで、例えば同じ原稿を複数部印刷する場合は1部ずつ異なる出力先に出力することで原稿を部ごとに分けることができる。また、上述したように、色味検品結果により良品と判定された記録紙110と不良品と判定された記録紙110とを自動的に選り分ける。
【0033】
<色味検品処理>
図2は、図1における検品コントローラ111が1ページ分の印刷物に対して色味検品を行う動作を表すフローチャートである。
【0034】
始めに検品コントローラ111はスキャナ108及び109からのスキャン画像データの入力を待つ(S201)。スキャン画像データが入力されると、検品コントローラ111は、スキャン画像データを取得する(S202)。そして検品コントローラ111は、取得したスキャン画像データに対応するリファレンス画像データ及びリファレンス画像データの各画素について特色指定領域信号をRIPアクセラレータ104から取得する(S203、S204)。
【0035】
なお、リファレンス画像データ及び特色指定領域信号がスキャナ108、109から入力される画像データと同期してRIPアクセラレータから入力されても良い。すなわち、S202〜S204の処理は並行して行われても良い。また、スキャンを行う前にリファレンス画像データと特色指定領域信号が入力されても良い。すなわち、S202の処理に先んじてS203、S204の処理が行われても良い。
【0036】
S202とS203で取得したスキャン画像データ及びリファレンス画像データの形式が異なる場合、両データの形式を合わせる必要がある。一般的に、スキャナで読み取られたスキャン画像データは赤(R)、緑(G)、青(B)により表現される。一方、RIPアクセラレータ104で生成され、検品処理時のリファレンス画像データとなる印刷データは、印字部106においてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーによって画像が形成されるため、CMYKにより表現されている。そのため図2のフローチャートでは、検品コントローラに入力されたCMYKデータで表現されるリファレンス画像データをRGBデータに変換する(S205)。尚、RIPアクセラレータ104において既にCMYK→RGB変換を行う等して、RIPアクセラレータから検品コントローラにRGBデータが送られた場合はS205の動作は行わない。また、本実施例ではリファレンス画像データをRGBデータに変換してスキャン画像データのデータ形式に合わせたが、逆にスキャン画像データをリファレンス画像データの形式(例えばCMYKデータ)に合わせても良い。
【0037】
S205においてスキャン画像データとリファレンス画像データの形式を合わせた後、検品コントローラ111(比較手段)は、スキャン画像データとリファレンス画像データとの位置合わせを行い、各画素のデータを比較して差分(差分値)を算出する(S206)。図2ではRGBデータで表現しているので、RGBそれぞれの差分を算出する。Rデータの差分をR´、Gデータの差分をG´、Bデータの差分をB´とすると、差分は以下の計算式で表される。
【0038】
R´=|画像データのRデータ − リファレンス画像データのRデータ|
G´=|画像データのGデータ − リファレンス画像データのGデータ|
B´=|画像データのBデータ − リファレンス画像データのBデータ|
この比較処理による比較結果である差分値に基づいて、スキャン画像データの良否が判定される。
【0039】
各画素の差分値を算出すると、検品コントローラ111は、S204で取得した特色指定領域信号を参照し、S202で取得したスキャン画像データの各画素について、リファレンス画像データにおける特色指定領域にある画素であるかどうか判断する(S207)。
【0040】
当該画素が特色指定領域にない(例えば特色指定領域信号=0)場合、検品コントローラ111は、検査しようとしているスキャン画像データの画素について、差分値がそれぞれ閾値εr1、εg1、εb1よりも小さい値か判断する(S208)。
【0041】
ここで、閾値εr1、εg1、εb1は色味検品処理において、スキャン画像データとリファレンス画像データの差分が閾値εr1、εg1、εb1未満であれば良品と判定するための閾値である。また、S208における閾値εr1、εg1、εb1は特色指定領域でない部分における閾値を表している。
【0042】
S208では、スキャン画像データおよびリファレンス画像データの比較結果に基づき、スキャン画像データの良否が判定される。すなわち、スキャン画像データとリファレンス画像データの差分値R´、G´、B´が、
R´<εr1 かつ G´<εg1 かつ B´<εb1 − 式1
の判定基準を満足する場合、S202で取得したスキャン画像データの検査対象となっている画素は所定の範囲内の色味で印刷されていると判断され、該画素に対する色味検品処理は終了する。
【0043】
S202で取得したスキャン画像データの検査対象となっている画素に対する色味検品処理が終了すると、検品コントローラ111は1ページ分の画像データ(すなわちスキャン画像データの全画素)に対する色味検品処理が終了したかどうかを判定する(S209)。
【0044】
1ページ分の色味検品処理が終了していない場合は、S201に戻り次のスキャナから次のスキャン画像データの検査対象の画素を取得し、取得したスキャン画像データの色味検品処理を行う。
【0045】
検品コントローラ111(判定手段)は、1ページ分の色味検品処理が終了した場合は、色味検品を行った印刷物は良品であると判定して(S210)、1ページ分の処理を終了する。
【0046】
S208により式1で示した条件を満足しない場合、すなわち、差分値が閾値以上である場合、S202で取得した画像データは所定の範囲内の色味で印刷されていないと判断され、検品コントローラ111は検品を行っている印刷物を不良品と判定して(S211)、色味検品処理を終了する。
【0047】
S207において特色指定領域信号を参照した結果、スキャン画像データがリファレンス画像データにおける特色指定領域にある(例えば特色指定領域信号=1)場合、RGBデータの差分はそれぞれ閾値εr2、εg2、εb2よりも小さい値か判断する(S212)。
【0048】
ここで、閾値εr2、εg2、εb2はS208で用いた閾値より小さい閾値であり、S212におけるεr2、εg2、εb2は特色指定領域における閾値を表している。
【0049】
S212では、画像データとリファレンス画像データのRGBデータ差分R´、G´、B´が、
R´<εr2 かつ G´<εg2 かつ B´<εb2 − 式2
の判定基準を満足する場合、S202で取得したスキャン画像データの検査対象の画素は所定の範囲内の色味で印刷されていると判断され、該画素に対する色味検品処理は終了する。
【0050】
S212により式2で示した条件を満足しない場合、すなわち、差分値が閾値以上である場合、S202で取得したスキャン画像データの検査対象の画素は所定の範囲内の色味で印刷されていないと判断され、検品コントローラ111(判定手段)は色味検品を行っている印刷物を不良品と判定して(S211)、色味検品処理を終了する。
【0051】
本実施例において、S212で使用した特色指定領域の閾値εr2、εg2、εb2は、S208で使用した特色指定領域でない部分の閾値εr1、εg1、εb1と以下のような関係を満足する値を設定する。
【0052】
εr2 < εr1
εg2 < εg1 − 式3
εb2 < εb1
特色指定領域の判定の閾値は特色指定領域以外の領域における判定の閾値よりも小さい。すなわち、特色指定領域における判定基準は特色指定領域以外の領域における判定基準よりも厳しく、特色指定領域における色の再現性は特色指定領域以外の領域における色の再現性よりも高いことが保証される。
【0053】
式3のように閾値を設定することで、特色指定領域ではその他の領域よりもスキャン画像データとリファレンス画像データの各データの差分が小さくないと色味検品処理により不良と判定される。言い換えるならば、式3のように閾値を設定して色味検品処理を行うことで、特色指定領域ではその他の領域よりもリファレンス画像データの色に近い印刷物を得ることができる。
【0054】
図2のフローチャートのS210又はS211により判定した色味検品結果は、検品コントローラから排紙制御部112に出力され、排紙制御部112では色味検品結果によって色味検品を行った印刷物の出力先を変更するなどの制御を行う。
【0055】
<色選択>
次に、コンピュータ101において色見本から印刷する色を選択する方法の一例を示す。図3はコンピュータ101上で動作するアプリケーションにおいて色を設定するための設定画面の一例である。この設定画面は、コンピュータ101の備えるモニタなどの不図示の表示部上に表示される。なお、このアプリケーションは印刷する画像データを作成し、画像形成装置へ入力するためのアプリケーションであり、HDDなどの記憶装置に記憶されているプログラムをCPUがRAMに読み出し、展開、実行することで実現される。なお、これらのHDD、CPU、RAMはコンピュータ101が有しており、CPUはコンピュータ101の動作全体を制御している。
【0056】
図3において、301はユーザが色を設定する色設定領域である。ユーザは色設定領域301の任意の位置を指示して色の設定を行う。例えば、色設定領域301の中の所望する色の部分をマウスでクリックすることによって、色が設定される。302は明度設定領域であり、色設定領域301で設定した色に対する明度を指示する。明度の指示は三角印303により行い、三角印303を明度設定領域302の上側に移動すると明度が上がり明るくなり、下側に移動すると明度が下がり暗くなる。例えば、明度設定領域302の三角印303をマウスでクリックあるいはドラッグすることによって、明度が設定される。
【0057】
色設定領域301及び明度設定領域302により設定した色は、その色を表現するためのCMYK各成分の値を成分値表示部304、305、306及び307に表示される。
【0058】
成分値表示部304、305、306及び307にはそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの成分値が表示されている。
【0059】
尚、成分値表示部304、305、306及び307は直接値を入力することが可能である。成分値表示部に値を入力した場合は、色設定領域301の中で成分値表示部に入力した値に対応する色が指示され、明度設定領域302には成分値表示部に入力した値に対応する明度に三角印303が移動する。
【0060】
308はOKボタンで、このボタンを押すことにより図3の色設定画面で指示した色及び明度が設定される。310はキャンセルボタンであり、このボタンを押すと図3の色設定画面で指示した色及び明度の設定は無効になる。
【0061】
309は色見本による色設定画面を選択するボタンであり、このボタンを押すことにより色見本による色の設定画面経を移動することができる。
【0062】
図4は色見本による色設定画面の一例である。色見本とは製本業界や出版業界で使用される所定の色と番号を関連付けたリストであり、番号を指定することで印刷する色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの量)を指定することができる。
【0063】
401は色見本表示部であり、ある色と、その色を表す番号の対応を表示している。図4では、401に5色分の色及び番号が表示されているが、スクロールバー402を使って上下に移動することにより他の色を表示することができる。図4では色見本表示部401においてNo.305の色が選択されている。
【0064】
403は色成分値表示部であり、色見本表示部401から選択した色のCMYK成分値が表示される。尚、図4ではパーセントで表示されている。
【0065】
図4では色見本表示部401においてNo.305の色が選択されているため、No.305の色成分値が表示されている。
【0066】
404はOKボタンで、このボタンを押すことにより図4の色設定画面で指示した色が設定され、色設定が終了する。405はキャンセルボタンであり、このボタンを押すと図4の色設定画面で指示した色及び明度の設定は無効になり、前の画面(図3)に戻る。
【0067】
本実施例では、コンピュータ101で作成した画像データのうち、図4に示した色見本による色設定を行った部分を特色指定領域として他の領域とは異なった検品処理を行っている。具体的には、図2で示したように印刷物を読み取ったスキャン画像データとコンピュータ101で作成したリファレンス画像データの色味の差が少ない色味検品処理を行う。これにより、色見本を用いて設定した色に対しては他の領域と比較して精度の高い(リファレンス画像データと色味の差の少ない)色味検品処理を行う。なお、本実施例は色見本を用いて設定した色に対する検品処理動作を変えるものであったが、色見本を用いて設定した色ではなく、ユーザが特色トナーや特色インクを指定して設定した色であっても良い。
【0068】
以上の本実施例では、特色指定領域における検品処理と特色指定領域以外の領域における検品処理を変える。そのことにより、特色指定領域対して、特色指定領域における色の再現性が特色指定領域以外の領域における色の再現性よりも高いことが保証されるような検品処理が行われる。
【0069】
(実施例2)
一般に、人間の目は明るさの差には敏感だが色の差には鈍感である。そのため、RGBデータ(RGB色空間で表現された画素値)のように、明るさの度合いに対応する画素値を持たない色空間データを用いて色味検品を行った場合、色味検品結果として良品と判定された印刷物でも、人間にとってはリファレンス画像データ(基画像)と明るさが違うと感じることがある。また、逆に色味検品結果として不良品と判定された印刷物でもリファレンス画像データと色味の差がないと感じることがある。以下の説明において、明るさの度合いに対応する画素値を持つ色空間データは、明るさ成分の軸(例えば輝度軸)を構成軸として有する色空間(例えばYuv色空間)のデータである。
【0070】
そこで、検品コントローラ111で行われる色味検品処理において、スキャン画像データとリファレンス画像データを明るさ成分(Y)と色差成分(u及びv)で表し、スキャン画像データとリファレンス画像データの各成分の差分をY及びu、vデータを用いて色味検品を行う。これにより、色味検品結果の良品/不良品の判定結果が人間の視覚特性に近い状態で行うことができる。
【0071】
尚、Yuvデータ(Yuv色空間で表現された画素値)による色味検品を行うためには、RGBデータをYuvデータに変換する必要がある。本実施例では特色指定領域のみYuvデータを用いた色味検品を行い、その他の領域では実施例1と同様にRGBデータを用いた色味検品を行う。したがって、RGBデータを用いた色味検品よりもYuvデータを用いた色味検品の方が、より人間の視覚特性に近い色味検品を行うことができる。
【0072】
図5は本実施例における検品コントローラ111の色味検品処理を表すフローチャートである。尚、図2における実施例1と同じ動作を行う部分は、図2と同じ番号で表している。
【0073】
図5のS207において特色指定領域信号を参照した結果、画像データが特色指定領域にない(特色指定領域信号=0)場合、図2のS206の動作と同じように画像データとリファレンス画像データとの各データの差分R´、G´、B´を算出する(S501)。そしてS208においてRGBデータの差分がそれぞれεr1、εg1、εb1よりも小さい値か判断する。
【0074】
一方、S207において特色指定領域信号を参照した結果、画像データが特色指定領域にある(特色指定領域信号=1)場合、検品コントローラは画像データ及びリファレンス画像データをそれぞれRGBデータからYuvデータへの変換処理を行う(S502及びS503)。
【0075】
そして画像データとリファレンス画像データのYuvデータを比較し、画素それぞれの差分(差分値)を算出する(S504)。Yデータの差分をY´、uデータの差分をu´、vデータの差分をv´とすると、差分は以下の計算式で表される。
【0076】
Y´=|画像データのYデータ − リファレンス画像データのYデータ|
u´=|画像データのuデータ − リファレンス画像データのuデータ|
v´=|画像データのvデータ − リファレンス画像データのvデータ|
この比較処理による比較結果である差分値に基づいて、スキャン画像データの良否が判定される。
【0077】
S504により各データの差分を算出すると、検品コントローラ111はYuvデータの差分がそれぞれεY、εu、εvよりも小さい値か判断する(S505)。
【0078】
ここで、εY、εu、εvは色味検品処理におけるYデータ、uデータ及びvデータ用の閾値であり、画像データとリファレンス画像データの差分がεY、εu、εv未満であれば良品と判定する。
【0079】
S505では、画像データとリファレンス画像データのYuvデータの差分Y´、u´、v´が、
Y´<εY かつ u<εu かつ v´<εv − 式3
の判定基準を満足する場合、S202で取得した画像データは所定の範囲内の色味で印刷されていると判断され、特色指定領域内における該画像データに対する色味検品処理は終了する。
【0080】
S505により式3で示した条件を満足しない場合、S202で取得した画像データは所定の範囲内の色味で印刷されていないと判断され、検品コントローラは色味検品を行っている印刷物を不良品と判定して(S211)、検品処理を終了する。
【0081】
以上の動作により、実施例2の検品コントローラでは特色指定領域においてスキャン画像データとリファレンス画像データの比較を、Yuv空間によるデータで行うことで、色味検品処理の良品/不良品の判定結果が人間の視覚特性に近い尺度で行うことができる。すなわち、人間の視覚上、特色指定領域対して、特色指定領域における色の再現性が特色指定領域以外の領域における色の再現性よりも高いことが保証されるような検品処理が行われる。
【0082】
また、さらに、本実施例はスキャン画像データの特色指定領域のみをYuvデータに変換するので、スキャン画像データ全面をYuvデータに変換して検品処理を行う場合よりも、処理時間を削減することができる。
【0083】
尚、本実施例では色味検品対象として明るさ成分(Y)と色差成分(u及びv)のYuv色空間を比較の尺度として用いた。しかし本発明はこれに限定されず、特色指定領域における比較処理の比較の尺度が、特色指定領域以外の領域における比較処理の比較の尺度が人間の視覚特性に近い尺度であればよい。例えば、特色指定領域における比較の尺度として、色相(H)、彩度(S)、輝度(L)のHSL色空間や色相(H)、彩度(S)、明度(V)のHSV色空間などの、明るさの成分を持つ色空間を用いて色味検品処理を行っても、同様の効果が得られる。また、特色指定領域以外の領域における比較を、RGBデータではなく、明るさ成分のないCMYK色空間のデータをもちいて行っても良い。
【0084】
(実施例3)
実施例1では特色指定領域および特色指定領域以外の領域に対して色味検品処理を行っている。
【0085】
そこで、本実施例では、検品コントローラ111で行われる色味検品処理を特色指定領域に限定して、スキャン画像データ全面に対する色味検品処理に要する処理時間を短くする。
【0086】
図6は本実施例における検品コントローラ111の色味検品処理を表すフローチャートである。以下、図2における実施例1と比較して説明を行う。
【0087】
図6のS207において、検品コントローラはS204で取得した特色指定領域信号を参照し、S202で取得したスキャン画像データの検査対象の画素が特色指定領域にある画素であるかどうか判断する。
【0088】
特色指定領域信号を参照した結果、該画素が特色指定領域にない(特色指定領域信号=0)場合、図2ではS208において該画素位置におけるスキャン画像データとリファレンス画像データのRGBデータの差分の値をεr1、εg1、εb1と比較することで色味検品処理を行う。しかし本実施例では該画素が特色指定領域にないと判定されると、その画素に対する色検品処理(スキャン画像データとリファレンス画像データの差分値の閾値との比較)を行わずにS209に進み、1ページ分のスキャン画像データに対する色味検品処理が終了したかどうかを判定する。
【0089】
尚、特色指定領域信号を参照した結果、画像データが特色指定領域である(特色指定領域信号=1)場合は、図2と同様にS212において色味検品処理を行う。
【0090】
以上の動作により、本実施例の検品コントローラ111では特色指定領域のみ色味検品処理を行うことで、1ページの色味検品処理に要する時間を短くしている。
【0091】
また、本実施例では、特色指定領域のみが検品されることで、特色指定領域対して、特色指定領域における色の再現性が特色指定領域以外の領域における色の再現性よりも高いことを保証するような検品処理が行われる。
【0092】
(その他の実施例)
また、以上説明した実施例における検品コントローラ111は、ハードウェア回路で構成されるとしたが、本発明はこれに限られず、以下の処理を実行することによっても実現される。その処理は、上述した実施形態の機能を実現させるソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する処理である。
【0093】
また、このようなプログラムを格納した不揮発性メモリやCD−ROM、磁気ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な各種記憶媒体も本発明の一部を構成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り手段と、
前記リファレンス画像を取得する取得手段と、
前記複数の領域について前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定手段と、
を有する検品装置であって、
前記複数の領域のうち特色指定領域における判定基準は、前記複数の領域のうち特色指定領域以外の領域における判定基準よりも厳しいことを特徴とする検品装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記スキャン画像および前記リファレンス画像の画素値を比較することにより差分値を取得し、当該取得された差分値が判定基準としての閾値より小さい場合に良と判定し、当該取得された差分値が当該閾値以上の場合に否と判定し、
前記特色指定領域における判定基準としての閾値が、前記特色指定領域以外の領域における判定基準としての閾値よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の検品装置。
【請求項3】
複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り手段と、
前記リファレンス画像を取得する取得手段と、
前記複数の領域について前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定手段と、
を有する検品装置であって、
前記複数の領域のうち特色指定領域における前記判定手段の比較処理は、前記複数の領域のうち特色指定領域以外の領域における前記判定手段の比較処理よりも人間の視覚特性に近い尺度で行われることを特徴とする検品装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記特色指定領域において、明るさ成分の軸を持つ色空間を前記比較処理での比較の尺度として用い、前記特色指定領域以外の領域において、明るさ成分を持たない色空間を前記比較処理での比較の尺度として用いることを特徴とする請求項3に記載の検品装置。
【請求項5】
複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り手段と、
前記リファレンス画像を取得する取得手段と、
前記複数の領域のうち特色指定領域についてのみ、前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定手段と、
を有することを特徴とする検品装置。
【請求項6】
ユーザが色見本の中の色を選択することで領域の色が設定される前記特色指定領域を、前記複数の領域の中から識別するための情報を受信する受信手段を有し、
前記判定手段は、前記受信手段で受信される前記情報に基づいて、前記印刷物の良否を判定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の検品装置。
【請求項7】
前記画像形成装置により印刷された印刷物を、前記画像形成装置から前記読み取り手段の読み取り位置までに搬送する搬送手段を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の検品装置。
【請求項8】
印刷するための複数の領域を有する画像が、前記複数の領域の中から特色指定領域を識別するための情報とともに、ネットワークを介して接続される情報処理装置によって入力される画像形成装置であって、
前記画像を印刷して印刷物を出力する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷された印刷物を、当該印刷物の良否を判定する検品装置へ搬送する搬送手段と、
前記印刷物を読み取り手段で読み取ることで取得されるスキャン画像と比較するリファレンス画像として、前記画像を前記検品装置へ送信する画像送信手段と、
前記画像の有する複数の領域それぞれについて、前記入力された情報に基づいて当該領域が特色指定領域であるか否かを示す情報を前記検品装置へ送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の検品装置と請求項8に記載の画像形成装置とを有する検品システムであって、
請求項8に記載の画像形成装置で印刷された印刷物が請求項1乃至7の何れか1項に記載の検品装置に搬送されるように接続されていることを特徴とする検品システム。
【請求項10】
前記検品装置と接続し、当該検品装置で良否が判定された印刷物を機外に排出する排出手段と、
前記検品装置の有する判定手段の判定結果を受信する結果受信手段と、
を有するシート処理装置であって、
前記排出手段は、前記結果受信手段で受信された前記判定結果で良と判定された印刷物と否と判定された印刷物とを区別可能に機外に排出するシート処理装置をさらに有する請求項9に記載の検品システム。
【請求項11】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の検品装置と接続し、前記検品装置で良否が判定され印刷物を機外に排出する排出手段と、
前記検品装置の有する判定手段の判定結果を受信する結果受信手段と、
を有するシート処理装置であって、
前記排出手段は、前記結果受信手段で受信された前記判定結果で良と判定された印刷物と否と判定された印刷物とを区別可能に機外に排出するシート処理装置と、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の検品装置と、
を有することを特徴とする検品システム。
【請求項12】
読み取り手段が、複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り工程と、
取得手段が、前記リファレンス画像を取得する取得工程と、
判定手段が、前記複数の領域について前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定工程と、
を有する検品方法であって、
前記判定工程において、前記複数の領域のうち特色指定領域における判定基準は、前記複数の領域のうち特色指定領域以外の領域における判定基準よりも厳しいことを特徴とする検品方法。
【請求項13】
読み取り手段が、複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り工程と、
取得手段が、前記リファレンス画像を取得する取得工程と、
判定手段が、前記複数の領域について前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定工程と、
を有する検品方法であって、
前記判定工程において、前記複数の領域のうち特色指定領域における前記判定手段の比較処理は、前記複数の領域のうち特色指定領域以外の領域における前記判定手段の比較処理よりも人間の視覚特性に近い尺度で行われることを特徴とする検品方法。
【請求項14】
読み取り手段が、複数の領域を有するリファレンス画像が画像形成装置により印刷された印刷物を読み取ってスキャン画像を取得する読み取り工程と、
取得手段が、前記リファレンス画像を取得する取得工程と、
判定手段が、前記複数の領域のうち特色指定領域についてのみ、前記スキャン画像および前記リファレンス画像を比較することにより前記印刷物の良否を判定する判定工程と、
を有することを特徴とする検品方法。
【請求項15】
印刷するための複数の領域を有する画像が、前記複数の領域の中から当該特色指定領域を識別するための情報とともに、ネットワークを介して接続される情報処理装置によって入力される画像形成方法であって、
印刷手段が、前記画像を印刷して印刷物を出力する印刷工程と、
搬送手段が、前記印刷工程で印刷された印刷物を、当該印刷物の良否を判定する検品装置へ搬送する搬送工程と、
画像送信手段が、前記印刷物を読み取り工程で読み取ることで取得されるスキャン画像と比較するリファレンス画像として、前記画像を前記検品装置へ送信する画像送信工程と、
情報送信手段が、前記画像の有する複数の領域それぞれについて、前記入力された情報に基づいて当該領域が特色指定領域であるか否かを示す情報を前記検品装置へ送信する情報送信工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項16】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の各手段として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−5092(P2013−5092A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132280(P2011−132280)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】