検査情報管理システム、検査情報管理装置、検査情報管理プログラム、検査情報管理方法および検体容器セット
【課題】検体と受診者とのマッチング作業をより効率的に行うこと。
【解決手段】検査情報管理システム1は、検体容器セット100の収容袋101および検体容器102,103それぞれにバーコードが付されていると共に、収容袋101に収容した状態で、検体容器102,103のバーコードを読み取ることが可能である。そして、検体自動分析装置10から、検体容器102,103のバーコード情報と検査データとが対応付けられて検査情報管理装置20に出力され、検査情報管理装置20が、受診者の氏名が書かれている収容袋101のバーコード情報、検体容器102,103のバーコード情報およびそれらの検査データとを対応付ける。そのため、1つの検体容器セット100に含まれている情報を、容易かつ確実に対応付けることができ、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
【解決手段】検査情報管理システム1は、検体容器セット100の収容袋101および検体容器102,103それぞれにバーコードが付されていると共に、収容袋101に収容した状態で、検体容器102,103のバーコードを読み取ることが可能である。そして、検体自動分析装置10から、検体容器102,103のバーコード情報と検査データとが対応付けられて検査情報管理装置20に出力され、検査情報管理装置20が、受診者の氏名が書かれている収容袋101のバーコード情報、検体容器102,103のバーコード情報およびそれらの検査データとを対応付ける。そのため、1つの検体容器セット100に含まれている情報を、容易かつ確実に対応付けることができ、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受診者の検体に関する検査データを管理する検査情報管理システム、検査情報管理装置、検査情報管理プログラム、検査情報管理方法および検体容器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康診断等の検診が行われる際に、受診者から採取された検体を検査して健康状態を確認する検体検査が行われている。
検体検査においては、受診者から採取された尿や糞便等の検体が検診機関に提出され、検診機関が規定の検査を行うことにより、その検査結果を受診者に通知している。
このような検体検査において、異なる日に採取した検体等、受診者から複数の検体を採取し、それらの検査データを基に受診者の健康状態を把握する検査(以下、適宜「複数検体型検査」と言う。)が知られている。
【0003】
例えば、便潜血検査の場合、便潜血検査2日法に基づいて、第1日目および第2日目の異なる日に採取した検体(糞便)を検査し、それらを検査した結果から大腸癌等の異常をスクリーニングしている。
ここで、検診において上述のような複数検体型検査が行われる場合、概して以下のような手順で検査が行われる。なお、受診者には、ジッパーにより開閉可能な収容袋に入れられた2本の採便容器が予め配布されている。
【0004】
(1)初めに、検診会場において、受診者を確認して受け付けを行い、受け付け順に受診者名簿が作成される。また、このとき、受診者から検体(収容袋に入れられた採便容器)が提出され、その受診者が提出した検体の数が受信者名簿に記録される。
(2)受診者名簿と共に、受診者から提出された検体が、まとめて検査室へ引き渡される。なお、検診会場で検体を提出できなかった受診者については、郵送により検体を検査室に提出することができる。
(3)検体を提出した受診者についてのみ、検査室における処理番号(検査番号)を割り付ける。
【0005】
(4)検査員が、受診者名簿と照合しながら、採便容器が入った収容袋に検査番号を記入すると共に、採便容器に記入された採便日を受診者名簿に転記する。また、収容袋を開けて、採便容器にも検査番号を記入する。さらに、検査員が目視により採便容器の受診者名を確認の上、PC(Personal Computer)等の検査データを管理する装置に検査番号を入力し、受診者名と検査番号とを対応付けて登録(マッチング)する。なお、採便容器の検査番号を入力して受診者名と対応付けることに代えて、採便容器にバーコードを付しておき、そのバーコードを読み取って、検体と受診者名とを対応付けることも可能である。
【0006】
(5)便潜血分析装置の検体用ラックに、受診者毎に採便容器を並べる。このとき、受診者毎に、採便日が古い方から順に採便容器を並べ、採便容器が1つしか提出されていない受診者については、詰めることなく1つ分空けた状態で、次の受診者の採便容器を並べる。
(6)検体用ラック1つ分の採便容器が準備できたら、便潜血分析装置に検体用ラックをセットし、分析を開始する。
(7)便潜血分析装置の分析結果は、出力用のロールペーパーにプリントアウトされる。検査結果の内容は、例えば、検体がセットされていたラック内の位置、検体の分析結果を示す定量的な数値、および、カットオフ値と比較した判定結果(陽性(+)あるいは陰性(−))である。
【0007】
上記結果によって陽性(+)と判定された検体については、便潜血分析装置によって再検査を行い、(7)において出力されたロールペーパーに再分析結果を転記して、分析結果の一致を確認する。
なお、このような便潜血検査に関連する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−183362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、健康診断等の集団検診においては、大量の検体が提出されることから、これらを受診者と対応付ける作業は煩雑なものとなる。複数検体型検査においては、検体が複数になることから、マッチング作業もその分増加し、さらに煩雑さが増すこととなる。
また、検体の容器(採便容器等)に付された受診者情報を確認して登録を行うところ、検体の容器に記入漏れがある場合、検査員は、検体の容器が入れられた袋等をさらに確認して登録を行う必要があり、この場合、さらに作業が煩雑なものとなる。
【0009】
加えて、検体容器に記入された採便日(検体採取日)を受診者名簿に転記する必要があるため、検査員の作業負担が増大することとなる。
そして、検体と受診者とのマッチング作業が終了しないと、検体の測定や分析が行えないことから、マッチング作業の煩雑性は、検体検査の作業効率を低下させる要因となる。
なお、複数検体型検査の場合、検診日に複数の検体を揃えることができない受診者もいるため、各受診者の検体を一覧した場合、検体の抜けが生じることとなり、マッチング作業を行う上で注意が必要となる。
【0010】
また、複数検体型検査の場合、複数の検体容器が入れられた袋から検体容器を取り出してマッチング作業を行っているが、取り出された検体容器を他の受診者のものと取り違えたり、検体容器の一方を紛失したり、検体採取日の前後が入れ違ったりしないよう注意する必要もある。
さらに、再検査が行われた検体の検査結果を確認する際にも、検査員が目視により該当受診者、他方の検体との対応等を注意して確認する必要がある。
このように、検体の検査データを管理する従来の技術においては、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことが困難であった。
本発明の課題は、検体と受診者とのマッチング作業をより効率的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、本発明は、
検体を分析する検体自動分析装置(例えば、図1の検体自動分析装置10)と、該検体自動分析装置によって出力された検査データを管理する検査情報管理装置(例えば、図1の検査情報管理装置20)と、受診者から採取した検体を収容する検体容器(例えば、図6の検体容器102,103)および該検体容器を収容する収容袋(例えば、図6の収容袋101)を含む検体容器セット(例えば、図1の検体容器セット100)とを備える検査情報管理システムであって、前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報(例えば、バーコード)が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報(例えば、受診者ID)が付され、前記検体自動分析装置は、前記検体容器に付された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段(例えば、図2のバーコードリーダ12a)と、前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記検体容器の識別情報と、該検体容器についての検査データとを対応付けて出力する検査データ出力手段(例えば、図2の制御部14および検査データ出力部16)とを備え、前記検査情報管理装置は、検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段(例えば、図3のバーコードリーダ28)と、前記検体自動分析装置によって出力された前記検体容器の識別情報および該検体容器についての前記検査データを取得する検査データ取得手段(例えば、図3の記憶部23あるいは通信部27)と、前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての前記検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段(例えば、図3の制御部22および記憶部23)とを備えることを特徴としている。
【0012】
また、受診者の属性に関する情報および受診者の検診結果に関する情報を含む受診者情報データベースを記憶する受診者情報管理装置(例えば、図1のホストコンピュータ30)をさらに備え、前記検査情報管理装置は、受診者を特定する受診者特定情報(例えば、受診者の氏名あるいは受診者ID等)と、該受診者に関する前記検査データとを対応付けて出力する検査結果出力手段(例えば、図3の制御部22および記憶部23あるいは通信部27)を備え、前記受診者情報管理装置は、前記検査結果出力手段によって出力された前記受診者特定情報と該受診者に関する前記検査データとを取得する検査結果取得手段(例えば、図5の記憶部33および通信部37)と、前記検査結果取得手段によって取得された前記受診者特定情報に基づいて、該受診者に関する前記検査データを、前記受診者情報データベースに追加するデータベース管理手段(例えば、図5の制御部32)とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、所定のデータあるいは命令に対応する識別情報が表されたデータ入力用シート(例えば、図4のデータ入力用バーコードシートS)をさらに備え、前記検査情報管理装置は、前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記データ入力用シートの識別情報に対応するデータあるいは命令の入力を受け付けることを特徴としている。
また、前記検体容器セットにおける収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴としている。
また、前記検体容器セットには、それぞれに前記識別情報が付された複数の検体容器が含まれていることを特徴としている。
【0014】
また、前記識別情報は、バーコードによって表された情報であり、前記検査情報管理装置の識別情報読み取り手段は、該バーコードを読み取るバーコードリーダを含むことを特徴としている。
また、前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴としている。
また、前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴としている。
【0015】
また、前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴としている。
また、前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、
検体の検査データを管理する検査情報管理装置であって、検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得手段と、前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、
検体の検査データを管理するための検査情報管理プログラムであって、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取らせる識別情報読み取り機能と、前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得機能と、前記検査データ取得機能によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理機能とをコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、
受診者から採取した検体の検査データを管理する検査情報管理方法であって、前記検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋に、それぞれを識別するための識別情報を付すと共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報を付し、前記収容袋の識別情報と、該収容袋に収容された状態の前記検体容器の識別情報とを読み取って、これらの識別情報を対応付けた後、前記検体容器を分析にかけて、該検体容器の識別情報と検査データとを対応付けて取得することにより、前記収容袋に付された受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報と、その収容袋に収容されていた前記検体容器の前記検査データとを対応付けることを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、
受診者から採取した検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋を含む検体容器セットであって、前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付され、前記収容袋は、内部に収容された前記検体容器に付されている前記識別情報を外部から読み取り装置によって読み取り可能に構成されていることを特徴としている。
【0020】
また、前記収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴としている。
また、それぞれに前記識別情報が付された複数の前記検体容器を含むことを特徴としている。
また、前記識別情報は、バーコード読み取り装置に読み取られるバーコードによって表された情報であることを特徴としている。
また、前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴としている。
また、前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴としている。
【0021】
また、前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴としている。
また、前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検体容器セットの収容袋および検体容器それぞれにバーコードが付されていると共に、収容袋に収容した状態で、識別情報読み取り手段によって検体容器の識別情報を読み取ることが可能である。そして、検体自動分析装置から、検体容器の識別情報と検査データとが対応付けられて検査情報管理装置に出力され、検査情報管理装置において、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付されている収容袋の識別情報、検体容器の識別情報およびそれらの検査データとが対応付けられる。
そのため、1つの検体容器セットに含まれている情報を、容易かつ確実に対応付けることができる。
したがって、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図を参照して本発明を適用した検査情報管理システムの実施の形態を説明する。
本実施形態に係る検査情報管理システムにおいては、検体を提出した受診者名に対応させたバーコードを検体容器の収容袋に付し、さらに、収容袋内部の検体容器に付されたバーコードを収容袋外部から読み取り可能としている。また、検体自動分析装置によって、検体容器のバーコード情報と検体の検査結果とが対応付けて出力される。そして、検体に関するデータを管理する装置が、収容袋に入れられた状態で読み取った検体容器のバーコード情報と、収容袋のバーコード情報とを管理すると共に、検体自動分析装置から出力された検体容器のバーコード情報と、その検体容器の検査結果とを対応付ける。これにより、検体容器と受診者との対応付け(マッチング)が行われる。
【0024】
したがって、検体と受診者とのマッチングを行う際に、検査員が、検査番号を検体容器あるいはその収容袋に書き込む作業等を行う必要がなく、また、検体容器の収容袋を開けずに、検体と受診者との対応付けができるため、検体容器の紛失や取り違えといった手違いを発生させ難いものとなっている。
したがって、検体と受診者とのマッチング作業をより効率的に行うことができるものである。
【0025】
以下、具体的な実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した検査情報管理システム1のシステム構成を示す図である。
図1において、検査情報管理システム1は、検体自動分析装置10と、検査情報管理装置20と、ホストコンピュータ30とを含み、検査情報管理装置20は、検体自動分析装置10およびホストコンピュータ30と通信可能に構成されている。また、検査情報管理システム1において、本発明を適用した検体容器セット100が併せて使用されると共に、所定のデータおよび命令と対応付けられたバーコードが一覧とされたデータ入力用バーコードシートSを用いて処理が行われる。
【0026】
ここで、検査情報管理システム1は、各種の検体検査に適用することが可能であるが、以下の説明においては、便潜血検査における検体検査を行う場合を例に挙げて説明する。
検体自動分析装置10は、検体の分析を自動的に行う装置であり、セットされた検体の検査を行い、その検査データを記憶したり、外部に出力したりする機能を備えている。
なお、検体自動分析装置10は、便潜血検査を行う場合、アルフレッサファーマ社製NS−PlusC(商標)によって構成することができる。
【0027】
図2は、検体自動分析装置10の機能構成を示す図である。
図2において、検体自動分析装置10は、操作部11と、ラック部12と、検査部13と、制御部14と、検査データ記憶部15と、検査データ出力部16とを備えている。
操作部11は、検体自動分析装置10に対する各種指示入力を行うためのキーを有しており、例えば、電源の投入および切断を行うための電源ボタンや、検査についての各種設定あるいはデータ出力についての各種設定(リアルタイム出力を行うか否か等)を行うための専用キー等を有している。なお、検体自動分析装置10にPCを接続し、このPCから検体自動分析装置10に指示入力を行うことも可能である。
【0028】
ラック部12は、検体容器が並べられるラックと、複数のラックを収容するラックホルダとを備えている。そして、ラック部12は、検体自動分析装置10が動作を開始すると、検体を1つずつ検査部13へ搬送するためのアームの位置にラックを移動する。ラックに並べられた検体容器は、このアームによって、1つの検体について検査が終了する毎に、検査部13に順次移動される。なお、アームの位置には検体容器に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ12aが備えられており、アームによって検査部13に移動される検体容器のバーコードが読み取られる。
【0029】
検査部13は、検体に対する所定の検査を自動的に行う機能を有しており、例えば、便潜血検査を行う場合には、検体容器中に採取されている糞便について、ヘモグロビン濃度の測定検査を行う。また、このとき、検査部13は、検体容器に付されたバーコードを読み取る。
そして、検査部13は、検体に関する検査結果を、検体容器に付されたバーコード情報と併せて制御部14に出力する。
【0030】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを備えており、CPUがROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、検体自動分析装置10全体を制御する。また、制御部14は、検査部13から検体容器のバーコード情報およびその検体に関する検査結果を受け取り、これらを対応付けて、検査データ記憶部15に記憶する。
検査データ記憶部15は、ハードディスク装置あるいはフラッシュメモリ等の不揮発的な記憶装置によって構成され、制御部14の指示に応じて、検体容器のバーコード情報と、その検体の検査結果とを対応付けて記憶する。
【0031】
検査データ出力部16は、磁気記録媒体や光学記録媒体に検査データを書き込む記憶媒体書き込み部と、USB(Universal Serial Bus)あるいはRS−232C等の規格に基づく通信によって他の装置に検査データを送信する通信部とを有している。
図1に戻り、検査情報管理装置20は、バーコード読み取り装置を備えたPC等によって構成され、検体容器セット100における検体容器および収容袋と、検体を提出した受診者との対応付け(マッチング)を行う機能を備えている。
【0032】
図3は、検査情報管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
図3において、検査情報管理装置20は、入力部21と、制御部22と、記憶部23と、RAM24と、VRAM25と、表示部26と、通信部27と、バーコードリーダ28とを備えている。
入力部21は、カーソルキーや数字入力キー等を備えたキーボードおよびマウス等のポインティングデバイスを含み、キーボードにおいて押下されたキーの押下信号やマウスの位置信号を制御部22に出力する。
制御部22は、検査情報管理装置20全体を制御し、入力部21、通信部27あるいはバーコードリーダ28から入力される各種の指示信号に従って、記憶部23に記憶された各種処理(例えば、後述するマッチング処理等)に関するプログラムを読み出して実行する。
【0033】
そして、制御部22は、各種プログラム等を実行した処理結果を記憶部23やRAM24の所定の領域に格納したり、表示部26に表示させたりする。
記憶部23は、ハードディスクあるいはフラッシュメモリ等の不揮発的な記憶装置によって構成され、例えばマッチング処理プログラム(後述)あるいはマッチング処理における各種サブプログラム等、検査情報管理装置20の制御に関する各種プログラムや、検体検査に関する情報を格納する検査データファイルあるいは検査情報管理装置20の機能をカスタマイズするために設定されたカスタマイズ情報といった各種データを記憶している。
【0034】
また、記憶部23は、制御部22の指示に応じて、バーコードリーダ28によって読み取られたバーコード情報や、検体自動分析装置10から入力された検査結果等を検査データファイルに記憶したり、カスタマイズ情報を更新したりする。
さらに、記憶部23は、着脱可能な記録媒体の読み取り装置を備えており、装着された記録媒体に記憶された情報を読み出したり、記録媒体に情報を書き込んだりする。
【0035】
RAM24は、制御部22がプログラムを実行する際のワークエリアを形成し、制御部22により実行される各種処理において生成されたデータを一時的に記憶する。
VRAM25は、表示部26で表示される表示データを格納するビデオメモリである。
表示部26は、例えばドットマトリクスタイプのカラー液晶表示セル等から構成され、VRAM25に格納された表示データを画面に表示する。
通信部27は、USBあるいはRS−232C等の規格に基づく通信によって、他の装置と通信を行う。
【0036】
バーコードリーダ28は、赤色光(例えば波長650ナノメートルあるいは660ナノメートルの光)により1次元バーコードを読み取る装置であり、読み取ったバーコード情報を制御部22に出力する。
ここで、検査情報管理装置20は、入力部21におけるキーボードからデータや命令を入力することに加え、データや命令を表すバーコード(例えば、データ入力用バーコードシートSに一覧とされた特定のデータや命令を表すバーコード)をバーコードリーダ28で読み取ることによっても、そのデータあるいは命令を制御部22に指示入力することができるものである。
【0037】
例えば、キーボードにおける“リターン”(リターンキーの入力)と対応付けられたバーコードを読み取ることで、リターン入力したことと同一の指示入力を行ったり、さらに、数字の入力に加えてリターンの入力を行わせる命令(数字キーの入力とリターンキーの入力)と対応付けられたバーコードを読み取ることで、キーボードから数字を入力した後にリターン入力したことと同一の指示入力を行ったりすることが可能である。
【0038】
本実施形態においては、データ入力用シートSに所定のバーコードを印刷し、カスタマイズ情報として、これらのバーコードと、検査情報を管理する際に用いられるデータおよび命令とをそれぞれ対応付けることとしている。そして、バーコードリーダ28によって読み取られたバーコード情報を、制御部22が、カスタマイズ情報を参照して変換(解釈)することにより、各種データあるいは命令を表すものとして処理する。これにより、検査情報管理システム1における入力作業をバーコードによる読み取り操作によって簡単に行うことができる。
【0039】
図4は、データ入力用バーコードシートSの一例を示す図である。
図4において、データ入力用バーコードシートSには、複数のバーコードが印刷されており、これらの一部は、検体採取日が検体検査日の何日前であるかを示す“0”〜“7”に対応するバーコードとしてそれぞれ対応付けられ、また、他のバーコードは、検体に関する各種の特記事項(後述する検体コメント)を表すバーコードとしてそれぞれ対応付けられている。
【0040】
図1に戻り、ホストコンピュータ30は、PCあるいはサーバ等によって構成され、検査情報管理システム1が設置される施設において管理する受診者の氏名、受診者ID(受診者固有の番号)、所属団体、年齢といった受診者個人の属性に関する情報、および、過去の検査結果や病歴といった受診者の検診に関する情報(以下、これらをまとめて「受診者情報」と言う。)を記憶するデータベースを有している。
【0041】
図5は、ホストコンピュータ30の機能構成を示す図である。
図5において、ホストコンピュータ30は、入力部31と、制御部32と、記憶部33と、RAM34と、VRAM35と、表示部36と、通信部37とを備えている。
これらのうち、記憶部33は、受診者情報が格納された受診者データベースを有している。
【0042】
また、制御部32は、受診者データベースを管理しており、検査情報管理装置20から受診者とその検体検査結果を受け取ると、受診者データベースの各受診者情報にそれぞれの検査結果を格納し、受診者データベースを更新する。
なお、入力部31、RAM34、VRAM35、表示部36および通信部37の構成は、図3に示す検査情報管理装置20の対応する部分とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0043】
図1に戻り、検体容器セット100は、青色の透明素材によって構成された収容袋101と、収容袋101に収容される検体容器102,103とを含んでおり、収容袋101および検体容器102,103には、それぞれバーコード(ここでは1次元バーコード)が付されている。これらのバーコードについては、後に、検体容器102,103が収容袋101に収容された状態でバーコードが読み取られて対応付けられるため、予め対応付けた番号を付す必要はなく、任意の番号を示すバーコードを割り当てることができる。
【0044】
図6は、検体容器セット100の構成例を示す図である。
図6において、収容袋101は、バーコードリーダ28による読み取り率を高めるため透明素材とされていると共に、外部から見て検体である糞便の色が目立ち難い青色が付されている。
収容袋101は、透明性が高い(即ち、青色が薄い)ほど、バーコードリーダ28の読み取り率が高く、青色が濃い(即ち、透明性が低い)ほど、検体である糞便の色が目立ち難いものとなる。
【0045】
即ち、収容袋101の「透明性」と「青色の濃さ」とは、「バーコードリーダ28の読み取り率」と「糞便の目立ち難さ」という条件についてトレードオフの関係にある。
ここで、バーコード読み取り率は、バーコードリーダ28がバーコードを読み取る際の赤色光の透過率に依存性が高いことから、「青色の濃さ」(即ち透明性)を種々変化させて赤色光の透過率を調査した。
【0046】
図7は、収容袋101の青色の濃さを変化させた場合における赤色光の透過率を示すデータである。
図7に示す調査では、青色が濃い順にサンプルA〜Dを用意し、それぞれにおける赤色領域の光の透過率を測定した。
図7によれば、バーコードリーダ28における波長650ナノメートルの赤色光に対し、サンプルAは4.5%、サンプルBは11.7%、サンプルCは20.2%、サンプルCは51.8%の透過率を示している。
これらの透過率に対し、バーコードリーダ28による読み取りを10回試行し、バーコード読み取り率を調査した。
【0047】
図8は、バーコード読み取りの試行結果を示す表である。
図8によれば、波長650ナノメートルの赤色光の透過率が4.5%であったサンプルAは読み取り率50%、透過率11.7%のサンプルB、透過率20.2%のサンプルCおよび透過率51.8%のサンプルDはいずれも読み取り率100%であった。なお、収容袋101なしの状態で行った比較実験においても、読み取り率は100%であった。
したがって、収容袋101の条件として、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色透明性の素材であることが望ましいと考えられる。
【0048】
また、収容袋101の素材として、ポリプロピレン製やポリエチレン製が一般に使用されているが、使用過程における素材表面の変化(しわや折れ等)を考慮した場合、ポリエチレン製の方が、ポリプロピレン製のものより光の乱反射を起こし難いという特徴があるため、収容袋101はポリエチレン製とすることが望ましい。
【0049】
図6に戻り、検体容器102,103は、受診者から採取された検体(ここでは糞便)を収容する容器であり、それぞれにバーコードが付されている。
ここで、検体容器102,103は、断面が長方形状の扁平した直方体部分を有しており、断面の長辺に対応する外周面が前面および背面となって収容袋101に収容される。
そして、本実施の形態においては、バーコードが印刷された1つのシールを検体容器102,103それぞれに貼付しており、このバーコードシールは、検体容器102,103の外周面における2つの長辺に対応する面およびそれに挟まれた短辺に対応する面にわたって貼付され、これら3つの面のいずれにおいても、バーコード全体が表れるようになっている。
【0050】
したがって、収容袋101が机上等に置かれた際に、検体容器102,103のバーコードが必ず検査員に見えることとなり、バーコードの読み取り作業を容易に行うことができる。
なお、上述のようにバーコードを検体容器の複数の面に表すためには、1つのバーコードシールを複数の外周面にわたって貼付することの他、複数の面にバーコードを印刷したり、複数の面それぞれにバーコードシールを貼付したりすることが可能である。
【0051】
次に、動作を説明する。
図9は、検査情報管理装置20の制御部22が実行するマッチング処理を示すフローチャートである。
図9に示すマッチング処理は、検査情報管理装置20において、マッチング処理の開始が指示入力されることに対応して開始される。
図9において、マッチング処理が開始されると、制御部22は、バーコード情報登録処理、検査データ受信処理、検査データ読み込み処理、検査台帳表示処理、検査日付設定処理、カスタマイズ情報登録処理および終了指示の各処理に対応する操作ボタンが表示されたメニュー画面の表示を行う(ステップS1)。
【0052】
図10は、メニュー画面の一例を示す図である。
図10においては、選択可能なメニューを指示入力するための操作ボタンとして、バーコード情報登録処理、検査データ受信処理、検査データ読み込み処理、検査台帳表示処理、検査日付設定処理およびカスタマイズ情報登録処理の各処理を起動させる操作ボタンと、マッチング処理を終了させるための終了ボタンが表示されている。
ステップS1に続き、制御部22は、マッチング処理の終了あるいはいずれかの処理を起動させるメニュー選択が行われたか否かの判定を行う(ステップS2)。
【0053】
ステップS2において、バーコード情報登録処理が選択されたと判定した場合、制御部22は、バーコード情報登録処理を実行し(ステップS3)、検査データ受信処理が選択されたと判定した場合、検査データ受信処理を実行する(ステップS4)。
また、ステップS2において、検査データ読み込み処理が選択されたと判定した場合、制御部22は、検査データ読み込み処理を実行し(ステップS5)、検査台帳表示処理が選択されたと判定した場合、検査台帳表示処理を実行する(ステップS6)。
【0054】
さらに、ステップS2において、検査日付設定処理が選択されたと判定した場合、制御部22は、検査日付設定処理を実行し(ステップS7)、カスタマイズ情報登録処理が選択されたと判定した場合、カスタマイズ情報登録処理を実行する(ステップS8)。
ステップS3からステップS8の後、制御部22は、マッチング処理を繰り返す。
一方、ステップS2において、マッチング処理の終了が選択されたと判定した場合、制御部22は、マッチング処理を終了する。
【0055】
次に、マッチング処理における各メニューに対応するサブフローについて説明する。
図11は、バーコード情報登録処理を示すフローチャートである。
バーコード情報登録処理は、処理対象とする受診者集団に属する各受診者ついて、収容袋101と検体容器102,103とを対応付けると共に、各検体について後述する日付情報および特記事項を入力して検査データファイルに登録するための処理である。
【0056】
なお、以下の説明においては、検体容器102に1日目の検体、検体容器103に2日目の検体が採取されているものとする。
図11において、バーコード情報登録処理が開始されると、制御部22は、検体検査を行う受診者集団(以下、「検診対象集団」と言う。)の種別の入力を受け付ける(ステップS101)。
ここで、検診対象集団の種別とは、例えば、会社の健康診断であれば、その会社名であり、自治体の健康診断であれば、自治体名と検診会場といった内容である。
【0057】
次に、制御部22は、検体容器セット100の収容袋101に付されたバーコード情報の読み取りを待つ待機状態となり(ステップS102)、収容袋101のバーコード情報が読み取られると、1日目の検体に該当する検体容器に付されたバーコード情報の読み取りを待つ待機状態となる(ステップS103)。
このとき、検査員は、収容袋101のバーコード情報を読み取った後、収容袋101から検体容器102,103を取り出すことなく、検体容器102,103に付されたバーコード情報を読み取ることができる。
【0058】
ステップS103の後、1日目の検体が採取された検体容器102のバーコード情報が読み取られると、制御部22は、その検体容器に記入されている検体採取日(採便日)に対応する日付情報の入力を待つ待機状態となる(ステップS104)。
ここで、検体採取日に対応する日付情報とは、検体検査日(検体を検体自動分析装置10によって検査する日)に対して、検体採取日が何日前に当たるかを示す情報である。
【0059】
本実施形態においては、上述のように、データ入力用バーコードが一覧とされたデータ入力用バーコードシートS(図4参照)において、検体採取日が検体検査日当日であることを表す“0”から、検体採取日が1日前、2日前・・・と1日ずつ遡る順に、“1”(前日)から“7”(7日前)までの日付情報をバーコードとして設定してあり、これらのバーコードがバーコードリーダ28で読み取られることによって、日付情報の入力が行われる。
【0060】
ステップS104の後、日付情報が入力されると、制御部22は、その検体に対する特記事項(以下、「検体コメント」と言う。)の入力を待つ待機状態となる(ステップS105)。
検体コメントとは、検体が検体検査日から所定期間以内に採取されたものでなく検体として不適であることを示す“検体不適”、検体に異物が含まれていることを示す“異物”、検体の採取量が規定より少ないことを示す“不適量”といった、検体について特記される事項であり、これら各種の検体コメントが、データ入力用バーコードシートSにおいてバーコードとして設定されている。
【0061】
ステップS105の後、検体コメントが入力されると、制御部22は、登録キーの入力を検出したか否かの判定を行う(ステップS106)。
この登録キーは、現在入力中である受診者のデータ入力を確定するためのキーであり、“登録キーの入力”については、画面に表示した“登録”ボタンをクリックする形態や、キーボードのリターンキーを押下する形態あるいはデータ入力用バーコードシートSに設定されている登録キーに相当するバーコードを読み取る形態とすることが可能である。
【0062】
ステップS106において、登録キーの入力を検出した場合、制御部22は、現在入力中である受診者のデータ入力を確定して検査データファイルに登録し(ステップS107)、ステップS102の処理に移行する。
一方、ステップS106において、登録キーの入力を検出しなかった場合、制御部22は、2日目の検体に該当する検体容器に付されたバーコード情報の読み取りを待つ待機状態となる(ステップS108)。
ステップS108の後、2日目の検体が採取された検体容器103のバーコード情報が読み取られると、制御部22は、その検体容器に記入されている検体採取日に対応する日付情報の入力を待つ待機状態となる(ステップS109)。
【0063】
ステップS109の後、日付情報が入力されると、制御部22は、その検体に対する検体コメントの入力を待つ待機状態となる(ステップS110)。
ステップS110の後、制御部22は、データ入力を確定するための登録キーの入力を促す画面(登録要求画面)の表示を行い(ステップS111)、続いて、登録キーの入力を検出したか否かの判定を行う(ステップS112)。
ステップS112において、登録キーの入力を検出した場合、制御部22は、ステップS107の処理に移行する。
【0064】
一方、ステップS112において、登録キーの入力を検出しなかった場合、制御部22は、ステップS111の処理に移行する。
制御部22は、上述の動作を繰り返し、検診対象集団における全ての検体の登録が終了した際に、検査員がバーコード情報登録処理の終了を指示入力することに対応して、メインフローであるマッチング処理に戻る。
バーコード情報登録処理が実行された結果、検査データファイルには、検体を提出した受診者について、検診対象集団の種別、収容袋101のバーコード情報、提出された検体容器102,103のバーコード情報、それぞれの検体採取日および検体コメントが入力された状態となる。
【0065】
図12は、バーコード情報登録処理後の検査データファイルのデータ内容を示す図である。
図12においては、入力された検診対象集団の各受診者について、検診対象集団の種別、収容袋101のバーコード情報、提出された検体容器102,103のバーコード情報、それぞれの検体採取日および検体コメントの各項目にデータが格納された状態となっている。
【0066】
次に、検査データ受信処理について説明する。
図13は、検査データ受信処理を示すフローチャートである。
検査データ受信処理は、検査情報管理装置20において検体自動分析装置10から検査データを受信(リアルタイムあるいは一括受信)し、受信した検査データを検査データファイルに格納する処理である。
なお、検査データ受信処理が実行される場合、検体自動分析装置10では、通信により検査データを検査情報管理装置20に送信する設定とされている。
【0067】
図13において、検査データ受信処理が開始されると、制御部22は、通信部27を介して検体自動分析装置10からデータを受信するスタンバイ状態となる(ステップS201)。
次いで、制御部22は、検体自動分析装置10から検査データを受信すると、受信したデータを一覧表示すると共に、受信した検査データを受診者と対応させて検査データファイルに格納する(ステップS202)。
【0068】
図14は、ステップS202において検査データが格納された後の検査データファイルの内容を示す図である。
図14においては、図12における検査データファイルのデータ内容に加え、検体容器102,103の検査データがさらに格納された状態となっている。
なお、ここでは、検体容器それぞれのヘモグロビン濃度測定値、検体自動分析装置10におけるラック内の位置、測定日および検体検査の判定結果が、検体自動分析装置10から出力されたデータに含まれており、検査データファイルに格納された状態となっている。
【0069】
図13に戻り、制御部22は、表示した一覧表示画面を閉じる指示入力を検出する状態となり(ステップS203)、一覧表示画面を閉じる指示入力が行われたことを検出すると、一覧表示画面を閉じて(ステップS204)、データ受信処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
このような処理の結果、検査データファイルには、受診者と検査データとが対応付けて格納された状態となる。
【0070】
そして、制御部22は、検査データファイルの内容(受診者の氏名あるいはID番号等の受診者を特定する情報、および、その受診者の検査結果等)をホストコンピュータ30に送信させる指示入力や、記録媒体に書き込ませる指示入力が行われた場合、記憶部23の検査データファイルからこれらの情報を読み出し、ホストコンピュータ30に送信したり、記録媒体に書き込んだりする。
【0071】
次に、検査データ読み込み処理について説明する。
図15は、検査データ読み込み処理を示すフローチャートである。
検査データ読み込み処理は、検査情報管理装置20において、検体自動分析装置10の検査データを記録媒体を介して取得するための処理である。
図15において、検査データ読み込み処理が開始されると、制御部22は、検査データを格納するファイル(検査データファイル)を指定するためのダイアログボックスを表示し(ステップS301)、ファイルの指定および検査データの読み込み指示を受け付ける待機状態となる(ステップS302)。
【0072】
次いで、ファイルの指定および検査データの読み込み指示が行われると、制御部22は、記録媒体から検査データを読み出して指定されたファイルに格納し(ステップS303)、検査データの格納が完了すると、検査データの格納を完了した旨を示すメッセージを表示する(ステップS304)。
そして、制御部22は、検査データ読み込み処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
検査データ読込み処理が実行された後、検査データファイルは、図14と同様の状態になる。
【0073】
次に、検査台帳表示処理について説明する。
図16は、検査台帳表示処理を示すフローチャートである。
検査台帳表示処理は、指定した検診対象集団の各受診者について、受診者情報、検査結果および検査コメントが一覧とされた検査台帳を表示し、検査員が検査データを確認するための処理である。
図16において、検査台帳表示処理が開始されると、制御部22は、検診対象集団の指定を受け付け(ステップS401)、検診対象集団の指定が行われると、指定された検診対象集団の検査データを、規定されたデータ項目を一覧とした検査台帳として表示する(ステップS402)。
ステップS402の後、制御部22は、検査台帳表示処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
【0074】
図17は、検査台帳の表示画面例を示す図である。
図17において、検査台帳には、受診者を特定する受診者ID、検診対象集団名、検体検査日、収容袋101のバーコード情報、第1日目の検体容器のバーコード情報、その検体容器がセットされていたラック内の位置、検体コメント、判定結果(陽性/陰性)、検体のヘモグロビン濃度、第2日目の検体容器のバーコード情報、その検体容器がセットされていたラック内の位置、検体コメント、判定結果(陽性/陰性)、検体のヘモグロビン濃度の各項目が、検査結果としてワークシート形式で表示されている。なお、検査情報管理装置20が、受診者IDと対応付けて受診者の氏名をデータとして保有している場合には、検査台帳において受診者の氏名を表示させることができる。
【0075】
次に、検査日付設定処理について説明する。
図18は、検査日付設定処理を示すフローチャートである。
検査日付設定処理は、デフォルトでは「バーコード情報登録処理において検査データファイルにデータが格納された日」とされている検体検査日を変更するための処理である。
図18において、検査日付設定処理が開始されると、制御部22は、検査日付を入力するための入力画面を表示し(ステップS501)、検査日付の入力を待つ待機状態となる(ステップS502)。
ステップS502の後、検査日付が入力されると、制御部22は、検査日付の設定値を入力された日付に更新する(ステップS503)。
ステップS503の後、制御部22は、検査日付設定処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
【0076】
次に、カスタマイズ情報登録処理について説明する。
図19は、カスタマイズ情報登録処理を示すフローチャートである。
カスタマイズ情報登録処理は、データ入力用バーコードシートSに表されたバーコードが意味するデータあるいは命令の対応付けを変更するための処理である。
図19において、カスタマイズ情報登録処理が開始されると、制御部22は、現在のカスタマイズ情報を読み込むためのボタンを含む設定画面を表示し(ステップS601)、現在のカスタマイズ情報を読み込むためのボタンが押下されると、現在のカスタマイズ情報を一覧表示する(ステップS602)。
【0077】
次に、制御部22は、ステップS602において一覧表示したカスタマイズ情報の変更を受け付け(ステップS603)、変更されたカスタマイズ情報を登録する指示入力(登録ボタンの押下等)を待つ状態となる(ステップS604)。
そして、制御部22は、登録の指示入力が行われると、カスタマイズ情報を変更後のものに更新し(ステップS605)、カスタマイズ情報登録処理を終了して、メインフローであるマッチング処理に戻る。
【0078】
続いて、検査情報管理システム1を用いて、検診機関が検体に関する情報のマッチングを行う作業手順について説明する。
なお、前提として、検査情報管理システム1によって検体に関する情報のマッチングを行う場合、受診者に対して、バーコードが付された収容袋101と、収容袋101に収容された検体容器102,103とが配布されている。
また、受診者は、この検体容器102,103に、異なる日に検体(ここでは糞便)を採取する。そして、受診者は、収容袋101に氏名を記入の上、受診日に、収容袋101に入れた検体容器102,103を受け付けに提出する。
【0079】
以下、受け付け以降に検診機関が行う具体的な作業手順を説明する。
検診の受け付けにて、受診者から収容袋101が提出されると、検診機関の受け付け者は、収容袋101に記入された受診者の氏名を受診者名簿と照合し、受診者が照合された場合には、受診者に対し、受け付け順に検査番号を割り付ける(手順1)。
検査情報管理装置20によって、収容袋101に付されたバーコードを読み取り、受診者名簿の検査番号と対応付ける(手順2)。なお、この手順2の対応付けに代えて、検査番号に相当するバーコードシールを発行し、検査番号順にバーコードシールを収容袋101に貼付することとしても良い。
【0080】
収容袋101に検体容器102,103が収容された状態のまま、検査情報管理装置20が実行するバーコード情報登録処理によって、収容袋101のバーコードを読み取り、さらに、検体容器102,103のバーコードの読み取りと、検体採取日、検体コメントの入力とを実行する(手順3)。これにより、収容袋101と検体容器102,103とが対応付けられる。
複数受診者分の収容袋101を開封し、検体容器をまとめて取り出す(手順4)。
このとき、既に収容袋101と検体容器102,103とが対応付けられ、収容袋101のバーコード情報が受診者の検査番号とマッチングされているため、複数の受診者間で検体容器が混ざることは問題ない。
【0081】
手順4において取り出された検体容器を、検体自動分析装置10のラックに並べる(手順5)。
このとき、検体容器は受診者および検体採取日等を気にすることなく、ランダムに並べて良い。
ラックを検体自動分析装置10にセットし、検体検査を行う(手順6)。
手順6においては、検体自動分析装置10が各検体容器のバーコードを読み取り、検体容器の測定結果とバーコードとが対応付けられた状態で検査データが取得される。
検査情報管理装置20が実行する検査データ受信処理によって、検体自動分析装置10から検査情報管理装置20に検査データを出力し、検査情報管理装置20の検査データファイルに検査データを格納する(手順7)。
【0082】
これにより、受診者名と、各検体容器のバーコード情報と、各検体容器の測定結果および検体検査の判定結果とが対応付けられてファイルに格納された状態となる。
なお、検査データには、各検体容器のラックにおける位置も含まれているため、再検査となった検体については、ラックにおける位置を手がかりとして、容易に再検査を行うことができる。
さらに、検診機関が各受診者の検体検査結果を参照する場合、検査情報管理装置20が実行する検査台帳表示処理によって、指定した受診対象集団の検査台帳が表示される(手順8)。
検査データファイルの情報をホストコンピュータ30に出力し、受診者データベースに反映させる(手順9)。
これにより、受診者に関する情報がホストコンピュータ30から流出することなく、検体検査の結果を受診者データベースに反映させることができる。
【0083】
以上のように、本実施の形態に係る検査情報管理システム1は、検体容器セット100の収容袋101および検体容器102,103それぞれにバーコードが付されていると共に、収容袋101に収容した状態で、バーコードリーダ28によって検体容器102,103のバーコードを読み取ることが可能である。そして、検体自動分析装置10から、検体容器102,103のバーコード情報と検査データとが対応付けられて検査情報管理装置20に出力され、検査情報管理装置20において、受診者の氏名が書かれている収容袋101のバーコード情報、検体容器102,103のバーコード情報およびそれらの検査データとが対応付けられる。
【0084】
そのため、1つの検体容器セット100に含まれている情報を、容易かつ確実に対応付けることができる。
したがって、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
また、収容袋101にのみ受診者の氏名が記載されていれば、検体と受診者とのマッチングを行うことができるため、受診者が検体容器に氏名を記載する手間を省くことが出来ると共に、検査員は、検体容器における氏名の記入漏れを気にすることなくマッチング作業を行うことができる。
【0085】
加えて、検体容器102,103が収容袋101に入れられた状態でマッチング作業を行うことができるため、異なる受診者間での検体容器の取り違えや紛失を防止することができる。
また、全受診者が、検体容器を所定数(例えば第1日目および第2日目の2つ)提出しておらず、検体に抜けがある場合であっても、検査員は、検体の抜けを気にせず検体検査およびマッチング作業を行うことができるため、特に複数検体型検査において検査員の作業負担を軽減することができる。
【0086】
さらに、本実施の形態に係る検査情報管理システム1においては、検体容器102,103に記載された検体採取日を検査員が確認し、対応する日付情報をバーコードリーダ28で読み取ることで、検体採取日のデータ入力を行うことができる。
したがって、受診者名簿に検体採取日を転記する必要等がなくなり、検査員の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明を適用した検査情報管理システム1のシステム構成を示す図である。
【図2】検体自動分析装置10の機能構成を示す図である。
【図3】検査情報管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【図4】データ入力用バーコードシートSの一例を示す図である。
【図5】ホストコンピュータ30の機能構成を示す図である。
【図6】検体容器セット100の構成例を示す図である。
【図7】収容袋101の青色の濃さを変化させた場合における赤色光の透過率を示すデータである。
【図8】バーコード読み取りの試行結果を示す表である。
【図9】検査情報管理装置20の制御部22が実行するマッチング処理を示すフローチャートである。
【図10】メニュー画面の一例を示す図である。
【図11】バーコード情報登録処理を示すフローチャートである。
【図12】バーコード情報登録処理後の検査データファイルのデータ内容を示す図である。
【図13】検査データ受信処理を示すフローチャートである。
【図14】検査データ受信処理において検査データが格納された後の検査データファイルの内容を示す図である。
【図15】検査データ読み込み処理を示すフローチャートである。
【図16】検査台帳表示処理を示すフローチャートである。
【図17】検査台帳の表示画面例を示す図である。
【図18】検査日付設定処理を示すフローチャートである。
【図19】カスタマイズ情報登録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 検査情報管理システム、10 検体自動分析装置、11 操作部、12 ラック部、12a バーコードリーダ、13 検査部、14 制御部、15 検査データ記憶部、16 検査データ出力部、20 検査情報管理装置、21,31 入力部、22,32 制御部、23,33 記憶部、24,34 RAM、25,35 VRAM、26,36 表示部、27,37 通信部、28 バーコードリーダ、30 ホストコンピュータ、100 検体容器セット、101 収容袋、102,103 検体容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、受診者の検体に関する検査データを管理する検査情報管理システム、検査情報管理装置、検査情報管理プログラム、検査情報管理方法および検体容器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康診断等の検診が行われる際に、受診者から採取された検体を検査して健康状態を確認する検体検査が行われている。
検体検査においては、受診者から採取された尿や糞便等の検体が検診機関に提出され、検診機関が規定の検査を行うことにより、その検査結果を受診者に通知している。
このような検体検査において、異なる日に採取した検体等、受診者から複数の検体を採取し、それらの検査データを基に受診者の健康状態を把握する検査(以下、適宜「複数検体型検査」と言う。)が知られている。
【0003】
例えば、便潜血検査の場合、便潜血検査2日法に基づいて、第1日目および第2日目の異なる日に採取した検体(糞便)を検査し、それらを検査した結果から大腸癌等の異常をスクリーニングしている。
ここで、検診において上述のような複数検体型検査が行われる場合、概して以下のような手順で検査が行われる。なお、受診者には、ジッパーにより開閉可能な収容袋に入れられた2本の採便容器が予め配布されている。
【0004】
(1)初めに、検診会場において、受診者を確認して受け付けを行い、受け付け順に受診者名簿が作成される。また、このとき、受診者から検体(収容袋に入れられた採便容器)が提出され、その受診者が提出した検体の数が受信者名簿に記録される。
(2)受診者名簿と共に、受診者から提出された検体が、まとめて検査室へ引き渡される。なお、検診会場で検体を提出できなかった受診者については、郵送により検体を検査室に提出することができる。
(3)検体を提出した受診者についてのみ、検査室における処理番号(検査番号)を割り付ける。
【0005】
(4)検査員が、受診者名簿と照合しながら、採便容器が入った収容袋に検査番号を記入すると共に、採便容器に記入された採便日を受診者名簿に転記する。また、収容袋を開けて、採便容器にも検査番号を記入する。さらに、検査員が目視により採便容器の受診者名を確認の上、PC(Personal Computer)等の検査データを管理する装置に検査番号を入力し、受診者名と検査番号とを対応付けて登録(マッチング)する。なお、採便容器の検査番号を入力して受診者名と対応付けることに代えて、採便容器にバーコードを付しておき、そのバーコードを読み取って、検体と受診者名とを対応付けることも可能である。
【0006】
(5)便潜血分析装置の検体用ラックに、受診者毎に採便容器を並べる。このとき、受診者毎に、採便日が古い方から順に採便容器を並べ、採便容器が1つしか提出されていない受診者については、詰めることなく1つ分空けた状態で、次の受診者の採便容器を並べる。
(6)検体用ラック1つ分の採便容器が準備できたら、便潜血分析装置に検体用ラックをセットし、分析を開始する。
(7)便潜血分析装置の分析結果は、出力用のロールペーパーにプリントアウトされる。検査結果の内容は、例えば、検体がセットされていたラック内の位置、検体の分析結果を示す定量的な数値、および、カットオフ値と比較した判定結果(陽性(+)あるいは陰性(−))である。
【0007】
上記結果によって陽性(+)と判定された検体については、便潜血分析装置によって再検査を行い、(7)において出力されたロールペーパーに再分析結果を転記して、分析結果の一致を確認する。
なお、このような便潜血検査に関連する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−183362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、健康診断等の集団検診においては、大量の検体が提出されることから、これらを受診者と対応付ける作業は煩雑なものとなる。複数検体型検査においては、検体が複数になることから、マッチング作業もその分増加し、さらに煩雑さが増すこととなる。
また、検体の容器(採便容器等)に付された受診者情報を確認して登録を行うところ、検体の容器に記入漏れがある場合、検査員は、検体の容器が入れられた袋等をさらに確認して登録を行う必要があり、この場合、さらに作業が煩雑なものとなる。
【0009】
加えて、検体容器に記入された採便日(検体採取日)を受診者名簿に転記する必要があるため、検査員の作業負担が増大することとなる。
そして、検体と受診者とのマッチング作業が終了しないと、検体の測定や分析が行えないことから、マッチング作業の煩雑性は、検体検査の作業効率を低下させる要因となる。
なお、複数検体型検査の場合、検診日に複数の検体を揃えることができない受診者もいるため、各受診者の検体を一覧した場合、検体の抜けが生じることとなり、マッチング作業を行う上で注意が必要となる。
【0010】
また、複数検体型検査の場合、複数の検体容器が入れられた袋から検体容器を取り出してマッチング作業を行っているが、取り出された検体容器を他の受診者のものと取り違えたり、検体容器の一方を紛失したり、検体採取日の前後が入れ違ったりしないよう注意する必要もある。
さらに、再検査が行われた検体の検査結果を確認する際にも、検査員が目視により該当受診者、他方の検体との対応等を注意して確認する必要がある。
このように、検体の検査データを管理する従来の技術においては、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことが困難であった。
本発明の課題は、検体と受診者とのマッチング作業をより効率的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、本発明は、
検体を分析する検体自動分析装置(例えば、図1の検体自動分析装置10)と、該検体自動分析装置によって出力された検査データを管理する検査情報管理装置(例えば、図1の検査情報管理装置20)と、受診者から採取した検体を収容する検体容器(例えば、図6の検体容器102,103)および該検体容器を収容する収容袋(例えば、図6の収容袋101)を含む検体容器セット(例えば、図1の検体容器セット100)とを備える検査情報管理システムであって、前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報(例えば、バーコード)が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報(例えば、受診者ID)が付され、前記検体自動分析装置は、前記検体容器に付された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段(例えば、図2のバーコードリーダ12a)と、前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記検体容器の識別情報と、該検体容器についての検査データとを対応付けて出力する検査データ出力手段(例えば、図2の制御部14および検査データ出力部16)とを備え、前記検査情報管理装置は、検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段(例えば、図3のバーコードリーダ28)と、前記検体自動分析装置によって出力された前記検体容器の識別情報および該検体容器についての前記検査データを取得する検査データ取得手段(例えば、図3の記憶部23あるいは通信部27)と、前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての前記検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段(例えば、図3の制御部22および記憶部23)とを備えることを特徴としている。
【0012】
また、受診者の属性に関する情報および受診者の検診結果に関する情報を含む受診者情報データベースを記憶する受診者情報管理装置(例えば、図1のホストコンピュータ30)をさらに備え、前記検査情報管理装置は、受診者を特定する受診者特定情報(例えば、受診者の氏名あるいは受診者ID等)と、該受診者に関する前記検査データとを対応付けて出力する検査結果出力手段(例えば、図3の制御部22および記憶部23あるいは通信部27)を備え、前記受診者情報管理装置は、前記検査結果出力手段によって出力された前記受診者特定情報と該受診者に関する前記検査データとを取得する検査結果取得手段(例えば、図5の記憶部33および通信部37)と、前記検査結果取得手段によって取得された前記受診者特定情報に基づいて、該受診者に関する前記検査データを、前記受診者情報データベースに追加するデータベース管理手段(例えば、図5の制御部32)とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、所定のデータあるいは命令に対応する識別情報が表されたデータ入力用シート(例えば、図4のデータ入力用バーコードシートS)をさらに備え、前記検査情報管理装置は、前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記データ入力用シートの識別情報に対応するデータあるいは命令の入力を受け付けることを特徴としている。
また、前記検体容器セットにおける収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴としている。
また、前記検体容器セットには、それぞれに前記識別情報が付された複数の検体容器が含まれていることを特徴としている。
【0014】
また、前記識別情報は、バーコードによって表された情報であり、前記検査情報管理装置の識別情報読み取り手段は、該バーコードを読み取るバーコードリーダを含むことを特徴としている。
また、前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴としている。
また、前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴としている。
【0015】
また、前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴としている。
また、前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、
検体の検査データを管理する検査情報管理装置であって、検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得手段と、前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、
検体の検査データを管理するための検査情報管理プログラムであって、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取らせる識別情報読み取り機能と、前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得機能と、前記検査データ取得機能によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理機能とをコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、
受診者から採取した検体の検査データを管理する検査情報管理方法であって、前記検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋に、それぞれを識別するための識別情報を付すと共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報を付し、前記収容袋の識別情報と、該収容袋に収容された状態の前記検体容器の識別情報とを読み取って、これらの識別情報を対応付けた後、前記検体容器を分析にかけて、該検体容器の識別情報と検査データとを対応付けて取得することにより、前記収容袋に付された受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報と、その収容袋に収容されていた前記検体容器の前記検査データとを対応付けることを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、
受診者から採取した検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋を含む検体容器セットであって、前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付され、前記収容袋は、内部に収容された前記検体容器に付されている前記識別情報を外部から読み取り装置によって読み取り可能に構成されていることを特徴としている。
【0020】
また、前記収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴としている。
また、それぞれに前記識別情報が付された複数の前記検体容器を含むことを特徴としている。
また、前記識別情報は、バーコード読み取り装置に読み取られるバーコードによって表された情報であることを特徴としている。
また、前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴としている。
また、前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴としている。
【0021】
また、前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴としている。
また、前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検体容器セットの収容袋および検体容器それぞれにバーコードが付されていると共に、収容袋に収容した状態で、識別情報読み取り手段によって検体容器の識別情報を読み取ることが可能である。そして、検体自動分析装置から、検体容器の識別情報と検査データとが対応付けられて検査情報管理装置に出力され、検査情報管理装置において、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付されている収容袋の識別情報、検体容器の識別情報およびそれらの検査データとが対応付けられる。
そのため、1つの検体容器セットに含まれている情報を、容易かつ確実に対応付けることができる。
したがって、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図を参照して本発明を適用した検査情報管理システムの実施の形態を説明する。
本実施形態に係る検査情報管理システムにおいては、検体を提出した受診者名に対応させたバーコードを検体容器の収容袋に付し、さらに、収容袋内部の検体容器に付されたバーコードを収容袋外部から読み取り可能としている。また、検体自動分析装置によって、検体容器のバーコード情報と検体の検査結果とが対応付けて出力される。そして、検体に関するデータを管理する装置が、収容袋に入れられた状態で読み取った検体容器のバーコード情報と、収容袋のバーコード情報とを管理すると共に、検体自動分析装置から出力された検体容器のバーコード情報と、その検体容器の検査結果とを対応付ける。これにより、検体容器と受診者との対応付け(マッチング)が行われる。
【0024】
したがって、検体と受診者とのマッチングを行う際に、検査員が、検査番号を検体容器あるいはその収容袋に書き込む作業等を行う必要がなく、また、検体容器の収容袋を開けずに、検体と受診者との対応付けができるため、検体容器の紛失や取り違えといった手違いを発生させ難いものとなっている。
したがって、検体と受診者とのマッチング作業をより効率的に行うことができるものである。
【0025】
以下、具体的な実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した検査情報管理システム1のシステム構成を示す図である。
図1において、検査情報管理システム1は、検体自動分析装置10と、検査情報管理装置20と、ホストコンピュータ30とを含み、検査情報管理装置20は、検体自動分析装置10およびホストコンピュータ30と通信可能に構成されている。また、検査情報管理システム1において、本発明を適用した検体容器セット100が併せて使用されると共に、所定のデータおよび命令と対応付けられたバーコードが一覧とされたデータ入力用バーコードシートSを用いて処理が行われる。
【0026】
ここで、検査情報管理システム1は、各種の検体検査に適用することが可能であるが、以下の説明においては、便潜血検査における検体検査を行う場合を例に挙げて説明する。
検体自動分析装置10は、検体の分析を自動的に行う装置であり、セットされた検体の検査を行い、その検査データを記憶したり、外部に出力したりする機能を備えている。
なお、検体自動分析装置10は、便潜血検査を行う場合、アルフレッサファーマ社製NS−PlusC(商標)によって構成することができる。
【0027】
図2は、検体自動分析装置10の機能構成を示す図である。
図2において、検体自動分析装置10は、操作部11と、ラック部12と、検査部13と、制御部14と、検査データ記憶部15と、検査データ出力部16とを備えている。
操作部11は、検体自動分析装置10に対する各種指示入力を行うためのキーを有しており、例えば、電源の投入および切断を行うための電源ボタンや、検査についての各種設定あるいはデータ出力についての各種設定(リアルタイム出力を行うか否か等)を行うための専用キー等を有している。なお、検体自動分析装置10にPCを接続し、このPCから検体自動分析装置10に指示入力を行うことも可能である。
【0028】
ラック部12は、検体容器が並べられるラックと、複数のラックを収容するラックホルダとを備えている。そして、ラック部12は、検体自動分析装置10が動作を開始すると、検体を1つずつ検査部13へ搬送するためのアームの位置にラックを移動する。ラックに並べられた検体容器は、このアームによって、1つの検体について検査が終了する毎に、検査部13に順次移動される。なお、アームの位置には検体容器に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ12aが備えられており、アームによって検査部13に移動される検体容器のバーコードが読み取られる。
【0029】
検査部13は、検体に対する所定の検査を自動的に行う機能を有しており、例えば、便潜血検査を行う場合には、検体容器中に採取されている糞便について、ヘモグロビン濃度の測定検査を行う。また、このとき、検査部13は、検体容器に付されたバーコードを読み取る。
そして、検査部13は、検体に関する検査結果を、検体容器に付されたバーコード情報と併せて制御部14に出力する。
【0030】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを備えており、CPUがROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、検体自動分析装置10全体を制御する。また、制御部14は、検査部13から検体容器のバーコード情報およびその検体に関する検査結果を受け取り、これらを対応付けて、検査データ記憶部15に記憶する。
検査データ記憶部15は、ハードディスク装置あるいはフラッシュメモリ等の不揮発的な記憶装置によって構成され、制御部14の指示に応じて、検体容器のバーコード情報と、その検体の検査結果とを対応付けて記憶する。
【0031】
検査データ出力部16は、磁気記録媒体や光学記録媒体に検査データを書き込む記憶媒体書き込み部と、USB(Universal Serial Bus)あるいはRS−232C等の規格に基づく通信によって他の装置に検査データを送信する通信部とを有している。
図1に戻り、検査情報管理装置20は、バーコード読み取り装置を備えたPC等によって構成され、検体容器セット100における検体容器および収容袋と、検体を提出した受診者との対応付け(マッチング)を行う機能を備えている。
【0032】
図3は、検査情報管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
図3において、検査情報管理装置20は、入力部21と、制御部22と、記憶部23と、RAM24と、VRAM25と、表示部26と、通信部27と、バーコードリーダ28とを備えている。
入力部21は、カーソルキーや数字入力キー等を備えたキーボードおよびマウス等のポインティングデバイスを含み、キーボードにおいて押下されたキーの押下信号やマウスの位置信号を制御部22に出力する。
制御部22は、検査情報管理装置20全体を制御し、入力部21、通信部27あるいはバーコードリーダ28から入力される各種の指示信号に従って、記憶部23に記憶された各種処理(例えば、後述するマッチング処理等)に関するプログラムを読み出して実行する。
【0033】
そして、制御部22は、各種プログラム等を実行した処理結果を記憶部23やRAM24の所定の領域に格納したり、表示部26に表示させたりする。
記憶部23は、ハードディスクあるいはフラッシュメモリ等の不揮発的な記憶装置によって構成され、例えばマッチング処理プログラム(後述)あるいはマッチング処理における各種サブプログラム等、検査情報管理装置20の制御に関する各種プログラムや、検体検査に関する情報を格納する検査データファイルあるいは検査情報管理装置20の機能をカスタマイズするために設定されたカスタマイズ情報といった各種データを記憶している。
【0034】
また、記憶部23は、制御部22の指示に応じて、バーコードリーダ28によって読み取られたバーコード情報や、検体自動分析装置10から入力された検査結果等を検査データファイルに記憶したり、カスタマイズ情報を更新したりする。
さらに、記憶部23は、着脱可能な記録媒体の読み取り装置を備えており、装着された記録媒体に記憶された情報を読み出したり、記録媒体に情報を書き込んだりする。
【0035】
RAM24は、制御部22がプログラムを実行する際のワークエリアを形成し、制御部22により実行される各種処理において生成されたデータを一時的に記憶する。
VRAM25は、表示部26で表示される表示データを格納するビデオメモリである。
表示部26は、例えばドットマトリクスタイプのカラー液晶表示セル等から構成され、VRAM25に格納された表示データを画面に表示する。
通信部27は、USBあるいはRS−232C等の規格に基づく通信によって、他の装置と通信を行う。
【0036】
バーコードリーダ28は、赤色光(例えば波長650ナノメートルあるいは660ナノメートルの光)により1次元バーコードを読み取る装置であり、読み取ったバーコード情報を制御部22に出力する。
ここで、検査情報管理装置20は、入力部21におけるキーボードからデータや命令を入力することに加え、データや命令を表すバーコード(例えば、データ入力用バーコードシートSに一覧とされた特定のデータや命令を表すバーコード)をバーコードリーダ28で読み取ることによっても、そのデータあるいは命令を制御部22に指示入力することができるものである。
【0037】
例えば、キーボードにおける“リターン”(リターンキーの入力)と対応付けられたバーコードを読み取ることで、リターン入力したことと同一の指示入力を行ったり、さらに、数字の入力に加えてリターンの入力を行わせる命令(数字キーの入力とリターンキーの入力)と対応付けられたバーコードを読み取ることで、キーボードから数字を入力した後にリターン入力したことと同一の指示入力を行ったりすることが可能である。
【0038】
本実施形態においては、データ入力用シートSに所定のバーコードを印刷し、カスタマイズ情報として、これらのバーコードと、検査情報を管理する際に用いられるデータおよび命令とをそれぞれ対応付けることとしている。そして、バーコードリーダ28によって読み取られたバーコード情報を、制御部22が、カスタマイズ情報を参照して変換(解釈)することにより、各種データあるいは命令を表すものとして処理する。これにより、検査情報管理システム1における入力作業をバーコードによる読み取り操作によって簡単に行うことができる。
【0039】
図4は、データ入力用バーコードシートSの一例を示す図である。
図4において、データ入力用バーコードシートSには、複数のバーコードが印刷されており、これらの一部は、検体採取日が検体検査日の何日前であるかを示す“0”〜“7”に対応するバーコードとしてそれぞれ対応付けられ、また、他のバーコードは、検体に関する各種の特記事項(後述する検体コメント)を表すバーコードとしてそれぞれ対応付けられている。
【0040】
図1に戻り、ホストコンピュータ30は、PCあるいはサーバ等によって構成され、検査情報管理システム1が設置される施設において管理する受診者の氏名、受診者ID(受診者固有の番号)、所属団体、年齢といった受診者個人の属性に関する情報、および、過去の検査結果や病歴といった受診者の検診に関する情報(以下、これらをまとめて「受診者情報」と言う。)を記憶するデータベースを有している。
【0041】
図5は、ホストコンピュータ30の機能構成を示す図である。
図5において、ホストコンピュータ30は、入力部31と、制御部32と、記憶部33と、RAM34と、VRAM35と、表示部36と、通信部37とを備えている。
これらのうち、記憶部33は、受診者情報が格納された受診者データベースを有している。
【0042】
また、制御部32は、受診者データベースを管理しており、検査情報管理装置20から受診者とその検体検査結果を受け取ると、受診者データベースの各受診者情報にそれぞれの検査結果を格納し、受診者データベースを更新する。
なお、入力部31、RAM34、VRAM35、表示部36および通信部37の構成は、図3に示す検査情報管理装置20の対応する部分とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0043】
図1に戻り、検体容器セット100は、青色の透明素材によって構成された収容袋101と、収容袋101に収容される検体容器102,103とを含んでおり、収容袋101および検体容器102,103には、それぞれバーコード(ここでは1次元バーコード)が付されている。これらのバーコードについては、後に、検体容器102,103が収容袋101に収容された状態でバーコードが読み取られて対応付けられるため、予め対応付けた番号を付す必要はなく、任意の番号を示すバーコードを割り当てることができる。
【0044】
図6は、検体容器セット100の構成例を示す図である。
図6において、収容袋101は、バーコードリーダ28による読み取り率を高めるため透明素材とされていると共に、外部から見て検体である糞便の色が目立ち難い青色が付されている。
収容袋101は、透明性が高い(即ち、青色が薄い)ほど、バーコードリーダ28の読み取り率が高く、青色が濃い(即ち、透明性が低い)ほど、検体である糞便の色が目立ち難いものとなる。
【0045】
即ち、収容袋101の「透明性」と「青色の濃さ」とは、「バーコードリーダ28の読み取り率」と「糞便の目立ち難さ」という条件についてトレードオフの関係にある。
ここで、バーコード読み取り率は、バーコードリーダ28がバーコードを読み取る際の赤色光の透過率に依存性が高いことから、「青色の濃さ」(即ち透明性)を種々変化させて赤色光の透過率を調査した。
【0046】
図7は、収容袋101の青色の濃さを変化させた場合における赤色光の透過率を示すデータである。
図7に示す調査では、青色が濃い順にサンプルA〜Dを用意し、それぞれにおける赤色領域の光の透過率を測定した。
図7によれば、バーコードリーダ28における波長650ナノメートルの赤色光に対し、サンプルAは4.5%、サンプルBは11.7%、サンプルCは20.2%、サンプルCは51.8%の透過率を示している。
これらの透過率に対し、バーコードリーダ28による読み取りを10回試行し、バーコード読み取り率を調査した。
【0047】
図8は、バーコード読み取りの試行結果を示す表である。
図8によれば、波長650ナノメートルの赤色光の透過率が4.5%であったサンプルAは読み取り率50%、透過率11.7%のサンプルB、透過率20.2%のサンプルCおよび透過率51.8%のサンプルDはいずれも読み取り率100%であった。なお、収容袋101なしの状態で行った比較実験においても、読み取り率は100%であった。
したがって、収容袋101の条件として、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色透明性の素材であることが望ましいと考えられる。
【0048】
また、収容袋101の素材として、ポリプロピレン製やポリエチレン製が一般に使用されているが、使用過程における素材表面の変化(しわや折れ等)を考慮した場合、ポリエチレン製の方が、ポリプロピレン製のものより光の乱反射を起こし難いという特徴があるため、収容袋101はポリエチレン製とすることが望ましい。
【0049】
図6に戻り、検体容器102,103は、受診者から採取された検体(ここでは糞便)を収容する容器であり、それぞれにバーコードが付されている。
ここで、検体容器102,103は、断面が長方形状の扁平した直方体部分を有しており、断面の長辺に対応する外周面が前面および背面となって収容袋101に収容される。
そして、本実施の形態においては、バーコードが印刷された1つのシールを検体容器102,103それぞれに貼付しており、このバーコードシールは、検体容器102,103の外周面における2つの長辺に対応する面およびそれに挟まれた短辺に対応する面にわたって貼付され、これら3つの面のいずれにおいても、バーコード全体が表れるようになっている。
【0050】
したがって、収容袋101が机上等に置かれた際に、検体容器102,103のバーコードが必ず検査員に見えることとなり、バーコードの読み取り作業を容易に行うことができる。
なお、上述のようにバーコードを検体容器の複数の面に表すためには、1つのバーコードシールを複数の外周面にわたって貼付することの他、複数の面にバーコードを印刷したり、複数の面それぞれにバーコードシールを貼付したりすることが可能である。
【0051】
次に、動作を説明する。
図9は、検査情報管理装置20の制御部22が実行するマッチング処理を示すフローチャートである。
図9に示すマッチング処理は、検査情報管理装置20において、マッチング処理の開始が指示入力されることに対応して開始される。
図9において、マッチング処理が開始されると、制御部22は、バーコード情報登録処理、検査データ受信処理、検査データ読み込み処理、検査台帳表示処理、検査日付設定処理、カスタマイズ情報登録処理および終了指示の各処理に対応する操作ボタンが表示されたメニュー画面の表示を行う(ステップS1)。
【0052】
図10は、メニュー画面の一例を示す図である。
図10においては、選択可能なメニューを指示入力するための操作ボタンとして、バーコード情報登録処理、検査データ受信処理、検査データ読み込み処理、検査台帳表示処理、検査日付設定処理およびカスタマイズ情報登録処理の各処理を起動させる操作ボタンと、マッチング処理を終了させるための終了ボタンが表示されている。
ステップS1に続き、制御部22は、マッチング処理の終了あるいはいずれかの処理を起動させるメニュー選択が行われたか否かの判定を行う(ステップS2)。
【0053】
ステップS2において、バーコード情報登録処理が選択されたと判定した場合、制御部22は、バーコード情報登録処理を実行し(ステップS3)、検査データ受信処理が選択されたと判定した場合、検査データ受信処理を実行する(ステップS4)。
また、ステップS2において、検査データ読み込み処理が選択されたと判定した場合、制御部22は、検査データ読み込み処理を実行し(ステップS5)、検査台帳表示処理が選択されたと判定した場合、検査台帳表示処理を実行する(ステップS6)。
【0054】
さらに、ステップS2において、検査日付設定処理が選択されたと判定した場合、制御部22は、検査日付設定処理を実行し(ステップS7)、カスタマイズ情報登録処理が選択されたと判定した場合、カスタマイズ情報登録処理を実行する(ステップS8)。
ステップS3からステップS8の後、制御部22は、マッチング処理を繰り返す。
一方、ステップS2において、マッチング処理の終了が選択されたと判定した場合、制御部22は、マッチング処理を終了する。
【0055】
次に、マッチング処理における各メニューに対応するサブフローについて説明する。
図11は、バーコード情報登録処理を示すフローチャートである。
バーコード情報登録処理は、処理対象とする受診者集団に属する各受診者ついて、収容袋101と検体容器102,103とを対応付けると共に、各検体について後述する日付情報および特記事項を入力して検査データファイルに登録するための処理である。
【0056】
なお、以下の説明においては、検体容器102に1日目の検体、検体容器103に2日目の検体が採取されているものとする。
図11において、バーコード情報登録処理が開始されると、制御部22は、検体検査を行う受診者集団(以下、「検診対象集団」と言う。)の種別の入力を受け付ける(ステップS101)。
ここで、検診対象集団の種別とは、例えば、会社の健康診断であれば、その会社名であり、自治体の健康診断であれば、自治体名と検診会場といった内容である。
【0057】
次に、制御部22は、検体容器セット100の収容袋101に付されたバーコード情報の読み取りを待つ待機状態となり(ステップS102)、収容袋101のバーコード情報が読み取られると、1日目の検体に該当する検体容器に付されたバーコード情報の読み取りを待つ待機状態となる(ステップS103)。
このとき、検査員は、収容袋101のバーコード情報を読み取った後、収容袋101から検体容器102,103を取り出すことなく、検体容器102,103に付されたバーコード情報を読み取ることができる。
【0058】
ステップS103の後、1日目の検体が採取された検体容器102のバーコード情報が読み取られると、制御部22は、その検体容器に記入されている検体採取日(採便日)に対応する日付情報の入力を待つ待機状態となる(ステップS104)。
ここで、検体採取日に対応する日付情報とは、検体検査日(検体を検体自動分析装置10によって検査する日)に対して、検体採取日が何日前に当たるかを示す情報である。
【0059】
本実施形態においては、上述のように、データ入力用バーコードが一覧とされたデータ入力用バーコードシートS(図4参照)において、検体採取日が検体検査日当日であることを表す“0”から、検体採取日が1日前、2日前・・・と1日ずつ遡る順に、“1”(前日)から“7”(7日前)までの日付情報をバーコードとして設定してあり、これらのバーコードがバーコードリーダ28で読み取られることによって、日付情報の入力が行われる。
【0060】
ステップS104の後、日付情報が入力されると、制御部22は、その検体に対する特記事項(以下、「検体コメント」と言う。)の入力を待つ待機状態となる(ステップS105)。
検体コメントとは、検体が検体検査日から所定期間以内に採取されたものでなく検体として不適であることを示す“検体不適”、検体に異物が含まれていることを示す“異物”、検体の採取量が規定より少ないことを示す“不適量”といった、検体について特記される事項であり、これら各種の検体コメントが、データ入力用バーコードシートSにおいてバーコードとして設定されている。
【0061】
ステップS105の後、検体コメントが入力されると、制御部22は、登録キーの入力を検出したか否かの判定を行う(ステップS106)。
この登録キーは、現在入力中である受診者のデータ入力を確定するためのキーであり、“登録キーの入力”については、画面に表示した“登録”ボタンをクリックする形態や、キーボードのリターンキーを押下する形態あるいはデータ入力用バーコードシートSに設定されている登録キーに相当するバーコードを読み取る形態とすることが可能である。
【0062】
ステップS106において、登録キーの入力を検出した場合、制御部22は、現在入力中である受診者のデータ入力を確定して検査データファイルに登録し(ステップS107)、ステップS102の処理に移行する。
一方、ステップS106において、登録キーの入力を検出しなかった場合、制御部22は、2日目の検体に該当する検体容器に付されたバーコード情報の読み取りを待つ待機状態となる(ステップS108)。
ステップS108の後、2日目の検体が採取された検体容器103のバーコード情報が読み取られると、制御部22は、その検体容器に記入されている検体採取日に対応する日付情報の入力を待つ待機状態となる(ステップS109)。
【0063】
ステップS109の後、日付情報が入力されると、制御部22は、その検体に対する検体コメントの入力を待つ待機状態となる(ステップS110)。
ステップS110の後、制御部22は、データ入力を確定するための登録キーの入力を促す画面(登録要求画面)の表示を行い(ステップS111)、続いて、登録キーの入力を検出したか否かの判定を行う(ステップS112)。
ステップS112において、登録キーの入力を検出した場合、制御部22は、ステップS107の処理に移行する。
【0064】
一方、ステップS112において、登録キーの入力を検出しなかった場合、制御部22は、ステップS111の処理に移行する。
制御部22は、上述の動作を繰り返し、検診対象集団における全ての検体の登録が終了した際に、検査員がバーコード情報登録処理の終了を指示入力することに対応して、メインフローであるマッチング処理に戻る。
バーコード情報登録処理が実行された結果、検査データファイルには、検体を提出した受診者について、検診対象集団の種別、収容袋101のバーコード情報、提出された検体容器102,103のバーコード情報、それぞれの検体採取日および検体コメントが入力された状態となる。
【0065】
図12は、バーコード情報登録処理後の検査データファイルのデータ内容を示す図である。
図12においては、入力された検診対象集団の各受診者について、検診対象集団の種別、収容袋101のバーコード情報、提出された検体容器102,103のバーコード情報、それぞれの検体採取日および検体コメントの各項目にデータが格納された状態となっている。
【0066】
次に、検査データ受信処理について説明する。
図13は、検査データ受信処理を示すフローチャートである。
検査データ受信処理は、検査情報管理装置20において検体自動分析装置10から検査データを受信(リアルタイムあるいは一括受信)し、受信した検査データを検査データファイルに格納する処理である。
なお、検査データ受信処理が実行される場合、検体自動分析装置10では、通信により検査データを検査情報管理装置20に送信する設定とされている。
【0067】
図13において、検査データ受信処理が開始されると、制御部22は、通信部27を介して検体自動分析装置10からデータを受信するスタンバイ状態となる(ステップS201)。
次いで、制御部22は、検体自動分析装置10から検査データを受信すると、受信したデータを一覧表示すると共に、受信した検査データを受診者と対応させて検査データファイルに格納する(ステップS202)。
【0068】
図14は、ステップS202において検査データが格納された後の検査データファイルの内容を示す図である。
図14においては、図12における検査データファイルのデータ内容に加え、検体容器102,103の検査データがさらに格納された状態となっている。
なお、ここでは、検体容器それぞれのヘモグロビン濃度測定値、検体自動分析装置10におけるラック内の位置、測定日および検体検査の判定結果が、検体自動分析装置10から出力されたデータに含まれており、検査データファイルに格納された状態となっている。
【0069】
図13に戻り、制御部22は、表示した一覧表示画面を閉じる指示入力を検出する状態となり(ステップS203)、一覧表示画面を閉じる指示入力が行われたことを検出すると、一覧表示画面を閉じて(ステップS204)、データ受信処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
このような処理の結果、検査データファイルには、受診者と検査データとが対応付けて格納された状態となる。
【0070】
そして、制御部22は、検査データファイルの内容(受診者の氏名あるいはID番号等の受診者を特定する情報、および、その受診者の検査結果等)をホストコンピュータ30に送信させる指示入力や、記録媒体に書き込ませる指示入力が行われた場合、記憶部23の検査データファイルからこれらの情報を読み出し、ホストコンピュータ30に送信したり、記録媒体に書き込んだりする。
【0071】
次に、検査データ読み込み処理について説明する。
図15は、検査データ読み込み処理を示すフローチャートである。
検査データ読み込み処理は、検査情報管理装置20において、検体自動分析装置10の検査データを記録媒体を介して取得するための処理である。
図15において、検査データ読み込み処理が開始されると、制御部22は、検査データを格納するファイル(検査データファイル)を指定するためのダイアログボックスを表示し(ステップS301)、ファイルの指定および検査データの読み込み指示を受け付ける待機状態となる(ステップS302)。
【0072】
次いで、ファイルの指定および検査データの読み込み指示が行われると、制御部22は、記録媒体から検査データを読み出して指定されたファイルに格納し(ステップS303)、検査データの格納が完了すると、検査データの格納を完了した旨を示すメッセージを表示する(ステップS304)。
そして、制御部22は、検査データ読み込み処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
検査データ読込み処理が実行された後、検査データファイルは、図14と同様の状態になる。
【0073】
次に、検査台帳表示処理について説明する。
図16は、検査台帳表示処理を示すフローチャートである。
検査台帳表示処理は、指定した検診対象集団の各受診者について、受診者情報、検査結果および検査コメントが一覧とされた検査台帳を表示し、検査員が検査データを確認するための処理である。
図16において、検査台帳表示処理が開始されると、制御部22は、検診対象集団の指定を受け付け(ステップS401)、検診対象集団の指定が行われると、指定された検診対象集団の検査データを、規定されたデータ項目を一覧とした検査台帳として表示する(ステップS402)。
ステップS402の後、制御部22は、検査台帳表示処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
【0074】
図17は、検査台帳の表示画面例を示す図である。
図17において、検査台帳には、受診者を特定する受診者ID、検診対象集団名、検体検査日、収容袋101のバーコード情報、第1日目の検体容器のバーコード情報、その検体容器がセットされていたラック内の位置、検体コメント、判定結果(陽性/陰性)、検体のヘモグロビン濃度、第2日目の検体容器のバーコード情報、その検体容器がセットされていたラック内の位置、検体コメント、判定結果(陽性/陰性)、検体のヘモグロビン濃度の各項目が、検査結果としてワークシート形式で表示されている。なお、検査情報管理装置20が、受診者IDと対応付けて受診者の氏名をデータとして保有している場合には、検査台帳において受診者の氏名を表示させることができる。
【0075】
次に、検査日付設定処理について説明する。
図18は、検査日付設定処理を示すフローチャートである。
検査日付設定処理は、デフォルトでは「バーコード情報登録処理において検査データファイルにデータが格納された日」とされている検体検査日を変更するための処理である。
図18において、検査日付設定処理が開始されると、制御部22は、検査日付を入力するための入力画面を表示し(ステップS501)、検査日付の入力を待つ待機状態となる(ステップS502)。
ステップS502の後、検査日付が入力されると、制御部22は、検査日付の設定値を入力された日付に更新する(ステップS503)。
ステップS503の後、制御部22は、検査日付設定処理を終了し、メインフローであるマッチング処理に戻る。
【0076】
次に、カスタマイズ情報登録処理について説明する。
図19は、カスタマイズ情報登録処理を示すフローチャートである。
カスタマイズ情報登録処理は、データ入力用バーコードシートSに表されたバーコードが意味するデータあるいは命令の対応付けを変更するための処理である。
図19において、カスタマイズ情報登録処理が開始されると、制御部22は、現在のカスタマイズ情報を読み込むためのボタンを含む設定画面を表示し(ステップS601)、現在のカスタマイズ情報を読み込むためのボタンが押下されると、現在のカスタマイズ情報を一覧表示する(ステップS602)。
【0077】
次に、制御部22は、ステップS602において一覧表示したカスタマイズ情報の変更を受け付け(ステップS603)、変更されたカスタマイズ情報を登録する指示入力(登録ボタンの押下等)を待つ状態となる(ステップS604)。
そして、制御部22は、登録の指示入力が行われると、カスタマイズ情報を変更後のものに更新し(ステップS605)、カスタマイズ情報登録処理を終了して、メインフローであるマッチング処理に戻る。
【0078】
続いて、検査情報管理システム1を用いて、検診機関が検体に関する情報のマッチングを行う作業手順について説明する。
なお、前提として、検査情報管理システム1によって検体に関する情報のマッチングを行う場合、受診者に対して、バーコードが付された収容袋101と、収容袋101に収容された検体容器102,103とが配布されている。
また、受診者は、この検体容器102,103に、異なる日に検体(ここでは糞便)を採取する。そして、受診者は、収容袋101に氏名を記入の上、受診日に、収容袋101に入れた検体容器102,103を受け付けに提出する。
【0079】
以下、受け付け以降に検診機関が行う具体的な作業手順を説明する。
検診の受け付けにて、受診者から収容袋101が提出されると、検診機関の受け付け者は、収容袋101に記入された受診者の氏名を受診者名簿と照合し、受診者が照合された場合には、受診者に対し、受け付け順に検査番号を割り付ける(手順1)。
検査情報管理装置20によって、収容袋101に付されたバーコードを読み取り、受診者名簿の検査番号と対応付ける(手順2)。なお、この手順2の対応付けに代えて、検査番号に相当するバーコードシールを発行し、検査番号順にバーコードシールを収容袋101に貼付することとしても良い。
【0080】
収容袋101に検体容器102,103が収容された状態のまま、検査情報管理装置20が実行するバーコード情報登録処理によって、収容袋101のバーコードを読み取り、さらに、検体容器102,103のバーコードの読み取りと、検体採取日、検体コメントの入力とを実行する(手順3)。これにより、収容袋101と検体容器102,103とが対応付けられる。
複数受診者分の収容袋101を開封し、検体容器をまとめて取り出す(手順4)。
このとき、既に収容袋101と検体容器102,103とが対応付けられ、収容袋101のバーコード情報が受診者の検査番号とマッチングされているため、複数の受診者間で検体容器が混ざることは問題ない。
【0081】
手順4において取り出された検体容器を、検体自動分析装置10のラックに並べる(手順5)。
このとき、検体容器は受診者および検体採取日等を気にすることなく、ランダムに並べて良い。
ラックを検体自動分析装置10にセットし、検体検査を行う(手順6)。
手順6においては、検体自動分析装置10が各検体容器のバーコードを読み取り、検体容器の測定結果とバーコードとが対応付けられた状態で検査データが取得される。
検査情報管理装置20が実行する検査データ受信処理によって、検体自動分析装置10から検査情報管理装置20に検査データを出力し、検査情報管理装置20の検査データファイルに検査データを格納する(手順7)。
【0082】
これにより、受診者名と、各検体容器のバーコード情報と、各検体容器の測定結果および検体検査の判定結果とが対応付けられてファイルに格納された状態となる。
なお、検査データには、各検体容器のラックにおける位置も含まれているため、再検査となった検体については、ラックにおける位置を手がかりとして、容易に再検査を行うことができる。
さらに、検診機関が各受診者の検体検査結果を参照する場合、検査情報管理装置20が実行する検査台帳表示処理によって、指定した受診対象集団の検査台帳が表示される(手順8)。
検査データファイルの情報をホストコンピュータ30に出力し、受診者データベースに反映させる(手順9)。
これにより、受診者に関する情報がホストコンピュータ30から流出することなく、検体検査の結果を受診者データベースに反映させることができる。
【0083】
以上のように、本実施の形態に係る検査情報管理システム1は、検体容器セット100の収容袋101および検体容器102,103それぞれにバーコードが付されていると共に、収容袋101に収容した状態で、バーコードリーダ28によって検体容器102,103のバーコードを読み取ることが可能である。そして、検体自動分析装置10から、検体容器102,103のバーコード情報と検査データとが対応付けられて検査情報管理装置20に出力され、検査情報管理装置20において、受診者の氏名が書かれている収容袋101のバーコード情報、検体容器102,103のバーコード情報およびそれらの検査データとが対応付けられる。
【0084】
そのため、1つの検体容器セット100に含まれている情報を、容易かつ確実に対応付けることができる。
したがって、検体と受診者とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
また、収容袋101にのみ受診者の氏名が記載されていれば、検体と受診者とのマッチングを行うことができるため、受診者が検体容器に氏名を記載する手間を省くことが出来ると共に、検査員は、検体容器における氏名の記入漏れを気にすることなくマッチング作業を行うことができる。
【0085】
加えて、検体容器102,103が収容袋101に入れられた状態でマッチング作業を行うことができるため、異なる受診者間での検体容器の取り違えや紛失を防止することができる。
また、全受診者が、検体容器を所定数(例えば第1日目および第2日目の2つ)提出しておらず、検体に抜けがある場合であっても、検査員は、検体の抜けを気にせず検体検査およびマッチング作業を行うことができるため、特に複数検体型検査において検査員の作業負担を軽減することができる。
【0086】
さらに、本実施の形態に係る検査情報管理システム1においては、検体容器102,103に記載された検体採取日を検査員が確認し、対応する日付情報をバーコードリーダ28で読み取ることで、検体採取日のデータ入力を行うことができる。
したがって、受診者名簿に検体採取日を転記する必要等がなくなり、検査員の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明を適用した検査情報管理システム1のシステム構成を示す図である。
【図2】検体自動分析装置10の機能構成を示す図である。
【図3】検査情報管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【図4】データ入力用バーコードシートSの一例を示す図である。
【図5】ホストコンピュータ30の機能構成を示す図である。
【図6】検体容器セット100の構成例を示す図である。
【図7】収容袋101の青色の濃さを変化させた場合における赤色光の透過率を示すデータである。
【図8】バーコード読み取りの試行結果を示す表である。
【図9】検査情報管理装置20の制御部22が実行するマッチング処理を示すフローチャートである。
【図10】メニュー画面の一例を示す図である。
【図11】バーコード情報登録処理を示すフローチャートである。
【図12】バーコード情報登録処理後の検査データファイルのデータ内容を示す図である。
【図13】検査データ受信処理を示すフローチャートである。
【図14】検査データ受信処理において検査データが格納された後の検査データファイルの内容を示す図である。
【図15】検査データ読み込み処理を示すフローチャートである。
【図16】検査台帳表示処理を示すフローチャートである。
【図17】検査台帳の表示画面例を示す図である。
【図18】検査日付設定処理を示すフローチャートである。
【図19】カスタマイズ情報登録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 検査情報管理システム、10 検体自動分析装置、11 操作部、12 ラック部、12a バーコードリーダ、13 検査部、14 制御部、15 検査データ記憶部、16 検査データ出力部、20 検査情報管理装置、21,31 入力部、22,32 制御部、23,33 記憶部、24,34 RAM、25,35 VRAM、26,36 表示部、27,37 通信部、28 バーコードリーダ、30 ホストコンピュータ、100 検体容器セット、101 収容袋、102,103 検体容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を分析する検体自動分析装置と、該検体自動分析装置によって出力された検査データを管理する検査情報管理装置と、受診者から採取した検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋を含む検体容器セットとを備える検査情報管理システムであって、
前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付され、
前記検体自動分析装置は、
前記検体容器に付された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段と、
前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記検体容器の識別情報と、該検体容器についての検査データとを対応付けて出力する検査データ出力手段とを備え、
前記検査情報管理装置は、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、
前記検体自動分析装置によって出力された前記検体容器の識別情報および該検体容器についての前記検査データを取得する検査データ取得手段と、
前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての前記検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段とを備えることを特徴とする検査情報管理システム。
【請求項2】
受診者の属性に関する情報および受診者の検診結果に関する情報を含む受診者情報データベースを記憶する受診者情報管理装置をさらに備え、
前記検査情報管理装置は、
受診者を特定する受診者特定情報と、該受診者に関する前記検査データとを対応付けて出力する検査結果出力手段を備え、
前記受診者情報管理装置は、
前記検査結果出力手段によって出力された前記受診者特定情報と該受診者に関する前記検査データとを取得する検査結果取得手段と、
前記検査結果取得手段によって取得された前記受診者特定情報に基づいて、該受診者に関する前記検査データを、前記受診者情報データベースに追加するデータベース管理手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の検査情報管理システム。
【請求項3】
所定のデータあるいは命令に対応する識別情報が表されたデータ入力用シートをさらに備え、
前記検査情報管理装置は、前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記データ入力用シートの識別情報に対応するデータあるいは命令の入力を受け付けることを特徴とする請求項1または2記載の検査情報管理システム。
【請求項4】
前記検体容器セットにおける収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項5】
前記検体容器セットには、それぞれに前記識別情報が付された複数の検体容器が含まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項6】
前記識別情報は、バーコードによって表された情報であり、
前記検査情報管理装置の識別情報読み取り手段は、該バーコードを読み取るバーコードリーダを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項7】
前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項8】
前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴とする請求項7記載の検査情報管理システム。
【請求項9】
前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項10】
前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、
前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項11】
検体の検査データを管理する検査情報管理装置であって、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、
前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得手段と、
前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段とを備えることを特徴とする検査情報管理装置。
【請求項12】
検体の検査データを管理するための検査情報管理プログラムであって、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取らせる識別情報読み取り機能と、
前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得機能と、
前記検査データ取得機能によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする検査情報管理プログラム。
【請求項13】
受診者から採取した検体の検査データを管理する検査情報管理方法であって、
前記検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋に、それぞれを識別するための識別情報を付すと共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報を付し、
前記収容袋の識別情報と、該収容袋に収容された状態の前記検体容器の識別情報とを読み取って、これらの識別情報を対応付けた後、前記検体容器を分析にかけて、該検体容器の識別情報と検査データとを対応付けて取得することにより、前記収容袋に付された受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報と、その収容袋に収容されていた前記検体容器の前記検査データとを対応付けることを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項14】
受診者から採取した検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋を含む検体容器セットであって、
前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付され、前記収容袋は、内部に収容された前記検体容器に付されている前記識別情報を外部から読み取り装置によって読み取り可能に構成されていることを特徴とする検体容器セット。
【請求項15】
前記収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴とする請求項14記載の検体容器セット。
【請求項16】
それぞれに前記識別情報が付された複数の前記検体容器を含むことを特徴とする請求項14または15記載の検体容器セット。
【請求項17】
前記識別情報は、バーコード読み取り装置に読み取られるバーコードによって表された情報であることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項18】
前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項19】
前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴とする請求項18記載の検体容器セット。
【請求項20】
前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴とする請求項14から19のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項21】
前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、
前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴とする請求項14から20のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項1】
検体を分析する検体自動分析装置と、該検体自動分析装置によって出力された検査データを管理する検査情報管理装置と、受診者から採取した検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋を含む検体容器セットとを備える検査情報管理システムであって、
前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付され、
前記検体自動分析装置は、
前記検体容器に付された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段と、
前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記検体容器の識別情報と、該検体容器についての検査データとを対応付けて出力する検査データ出力手段とを備え、
前記検査情報管理装置は、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、
前記検体自動分析装置によって出力された前記検体容器の識別情報および該検体容器についての前記検査データを取得する検査データ取得手段と、
前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての前記検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段とを備えることを特徴とする検査情報管理システム。
【請求項2】
受診者の属性に関する情報および受診者の検診結果に関する情報を含む受診者情報データベースを記憶する受診者情報管理装置をさらに備え、
前記検査情報管理装置は、
受診者を特定する受診者特定情報と、該受診者に関する前記検査データとを対応付けて出力する検査結果出力手段を備え、
前記受診者情報管理装置は、
前記検査結果出力手段によって出力された前記受診者特定情報と該受診者に関する前記検査データとを取得する検査結果取得手段と、
前記検査結果取得手段によって取得された前記受診者特定情報に基づいて、該受診者に関する前記検査データを、前記受診者情報データベースに追加するデータベース管理手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の検査情報管理システム。
【請求項3】
所定のデータあるいは命令に対応する識別情報が表されたデータ入力用シートをさらに備え、
前記検査情報管理装置は、前記識別情報読み取り手段によって読み取られた前記データ入力用シートの識別情報に対応するデータあるいは命令の入力を受け付けることを特徴とする請求項1または2記載の検査情報管理システム。
【請求項4】
前記検体容器セットにおける収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項5】
前記検体容器セットには、それぞれに前記識別情報が付された複数の検体容器が含まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項6】
前記識別情報は、バーコードによって表された情報であり、
前記検査情報管理装置の識別情報読み取り手段は、該バーコードを読み取るバーコードリーダを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項7】
前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項8】
前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴とする請求項7記載の検査情報管理システム。
【請求項9】
前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項10】
前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、
前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の検査情報管理システム。
【請求項11】
検体の検査データを管理する検査情報管理装置であって、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、
前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得手段と、
前記検査データ取得手段によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理手段とを備えることを特徴とする検査情報管理装置。
【請求項12】
検体の検査データを管理するための検査情報管理プログラムであって、
検体容器を収容する収容袋に付された識別情報、および、該収容袋に収容された状態で、検体容器に付されている識別情報を読み取らせる識別情報読み取り機能と、
前記検体容器の識別情報と、それに対応付けられた該検体容器についての検査データとを外部装置から取得する検査データ取得機能と、
前記検査データ取得機能によって取得された前記検体容器の識別情報に基づいて、該検体容器についての検査データと、前記収容袋の識別情報および該検体容器の識別情報とを対応付けて管理する検査情報管理機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする検査情報管理プログラム。
【請求項13】
受診者から採取した検体の検査データを管理する検査情報管理方法であって、
前記検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋に、それぞれを識別するための識別情報を付すと共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報を付し、
前記収容袋の識別情報と、該収容袋に収容された状態の前記検体容器の識別情報とを読み取って、これらの識別情報を対応付けた後、前記検体容器を分析にかけて、該検体容器の識別情報と検査データとを対応付けて取得することにより、前記収容袋に付された受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報と、その収容袋に収容されていた前記検体容器の前記検査データとを対応付けることを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項14】
受診者から採取した検体を収容する検体容器および該検体容器を収容する収容袋を含む検体容器セットであって、
前記検体容器および前記収容袋には、それぞれを識別するための識別情報が付されていると共に、前記収容袋には、受診者の氏名あるいは受診者を識別可能な情報が付され、前記収容袋は、内部に収容された前記検体容器に付されている前記識別情報を外部から読み取り装置によって読み取り可能に構成されていることを特徴とする検体容器セット。
【請求項15】
前記収容袋および検体容器には、任意の番号を表す識別情報が付されていることを特徴とする請求項14記載の検体容器セット。
【請求項16】
それぞれに前記識別情報が付された複数の前記検体容器を含むことを特徴とする請求項14または15記載の検体容器セット。
【請求項17】
前記識別情報は、バーコード読み取り装置に読み取られるバーコードによって表された情報であることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項18】
前記収容袋は、波長650ナノメートルの光の透過率が12%以上の青色の透明素材によって構成されていることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項19】
前記収容袋は、ポリエチレン製素材によって構成されていることを特徴とする請求項18記載の検体容器セット。
【請求項20】
前記検体容器は、直方体状の外形部分を有し、該直方体状外形部分における複数の外周面に、前記1次元バーコードが付されていることを特徴とする請求項14から19のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【請求項21】
前記識別情報は、1次元バーコードで表された情報であると共に、シール部材表面に表されており、
前記検体容器は、断面長方形状の外形部分を有し、該断面における短辺およびそれを挟んで対向する長辺に対応する3つの外周面において、前記1次元バーコードが読み取り可能な状態で前記シール部材が貼付されていることを特徴とする請求項14から20のいずれか1項に記載の検体容器セット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−249359(P2008−249359A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87800(P2007−87800)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(501265711)財団法人東京顕微鏡院 (1)
【出願人】(000231394)アルフレッサファーマ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(501265711)財団法人東京顕微鏡院 (1)
【出願人】(000231394)アルフレッサファーマ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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