説明

検査画像の生成方法、それを用いた画像検査方法、並びに外観検査装置

【課題】検査対象品が可撓性の高い軟包材容器であったとしても、検査対象品の画像検査を精緻に実行すること。
【解決手段】基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルを設定する。前記分割セルのうち、検査対象となる模様の特徴を表す座標を基準点として含むものを補正適用セルとして設定する。撮像して得られた撮像画像と基準画像とをパターンマッチングで照合し、補正適用セルに対応する当該撮像画像のずれ量を検出する。検出されたずれ量に基づいて、撮像画像における補正適用セル以外の全分割セルのずれ量を線形補間で演算する。線形補間の演算結果に基づいて、検査画像を生成する。生成された検査画像と基準画像とを照合して、製品の良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査画像の生成方法、それを用いた画像検査方法、並びに外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
予め基準画像を記憶しておき、ワークを撮像して得られた検査画像を基準画像と照合して、ワークの合否を判定する技術が知られている。また、照合に先立ち、撮像して得られた撮像画像の歪みを補正して検査画像を得る技術も知られている。例えば、特許文献1は、画像を水平走査ライン毎に分割したラインブロック単位で逐次位置ずれを検査し、位置合わせした後、基準画像と検査画像とを比較する技術を開示する。また、特許文献2は、複数のカメラでワークの複数の面を撮像し、これらを合成して検査画像を得た後、検査画像と基準画像とを比較する記述を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3725207号
【特許文献2】特開2000−171409号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような種々の処理にも拘わらず、撮像される態様や製品の種類によっては、充分な画像補正を図ることができない場合があった。
【0005】
一例として、近年、周面の可撓性が高い軟包材容器、例えば、化粧品のチューブ、調味料の容器の外観検査が要請されている。この外観検査は、軟包材容器の外周全面を撮像し、その展開画像を検査画像として、基準画像と比較する工程を必要とする。
【0006】
しかしながら、軟包材容器の外周全面を精緻に撮像することは容易ではない。
【0007】
撮像に際しては、通常、検査対象品の内周にマンドレルやその他の冶具を挿入し、検査対象品をその中心線回りに回動して表面を撮像することが好ましい。しかし、冶具に挿入された検査対象品は、真円形ではない。よって、撮像時に検査対象品の周速がばらつく。このばらつきは、検査対象品毎に異なり、その程度も、撮像の度に異なる。その結果、画像に歪みが生じ、良品を不良品と誤判定することがあった。
【0008】
特許文献1の構成では、検査画像と基準画像との相対的な位置ずれをラインブロック毎に補正しているが、各ラインブロックを構成するセルについては、専らテンプレートとして適用される選択セルのずれ量の最小値を平均化しているに過ぎず、ラインブロックを構成する全てのセルでのずれ量を反映させることはできない。そのため、回動する検査対象品の周面を撮像した際に検査画像に生じた歪みを所要の精度で補正することはできなかった。
【0009】
特許文献2の構成もまた、検査画像に生じた歪みを補正することはできない。また、複数のカメラを使用する構成は、コスト高の原因となる。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、検査対象品が可撓性の高い軟包材容器であったとしても、検査対象品の画像検査を精緻に実行することのできる検査画像の生成方法、それを用いた画像検査方法、並びに外観検査装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、検査対象品を撮像装置と相対変位させて撮像し、得られた撮像画像から、当該検査対象品の合否の基準となる基準画像と照合される検査画像を生成する検査画像の生成方法において、前記基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルを設定する分割セル設定ステップと、前記分割セルのうち、検査対象となる模様の特徴を表す座標を基準点として含むものを補正適用セルとして設定する補正適用セル設定ステップと、前記撮像画像と前記基準画像とをパターンマッチングで照合し、前記補正適用セルに対応する当該撮像画像のずれ量を前記基準点毎に検出するずれ量検出ステップと、前記ずれ量検出ステップで検出した前記基準点でのずれ量に基づいて、前記撮像画像における前記補正適用セル以外の全分割セルのずれ量を線形補間で演算する補間演算ステップと、前記補正適用セルを含む全分割セルのずれ量に基づいて、前記撮像画像を分割セル毎に補正した検査画像を生成する検査画像生成ステップとを備えていることを特徴とする検査画像の生成方法である。この態様では、撮像画像と基準画像とのパターンマッチングで得られたずれ量に基づき、補間演算によって、撮像画像のずれ量が全ての分割セルについて演算されるので、検査対象品の撮像時の速度のばらつきやその他の原因に起因する歪みが撮像時に生じていても、その歪みを全ての分割セル毎に補正した精緻な検査画像を得ることができる。この結果、検査画像の精度が高まり、照合時の誤判定を可及的に低減することが可能になる。
【0012】
好ましい態様において、前記基準点を頂点とする三角形に分割されたポリゴンを設定するポリゴン設定ステップと、前記分割セルのうち、補正適用セル以外の全分割セルを線形補間の演算対象として何れかのポリゴンに割り当てる割り当てステップと、前記ポリゴンの頂点を基点とし、且つ前記ずれ量に対応するスカラ量で前記撮像画像の分割セルの法線方向に沿う法線ベクトルを前記ポリゴンの頂点毎に演算する法線ベクトル設定ステップと、演算された前記法線ベクトルの終点に基づいて、当該ポリゴンに割り当てられた全ての分割セルのずれ量を当該法線ベクトルの成分毎に演算する行列演算ステップとを備えている。この態様では、線形補間を演算するに当たり、三角形のポリゴンの頂点を基点とする法線ベクトルの終点に基づいて行列式を設定し、単純な代数でずれ量を線形補間で演算することができる。
【0013】
好ましい態様において、前記ポリゴンの生成に寄与する分割セルを強制的に補正適用セルに設定する強制設定ステップを備えている。この態様では、ポリゴンを設定する際、その面積が過度に大きくなることを防止したり、ポリゴンに含まれない分割セルが生じることを防止し、好適なずれ量の演算誤差を抑制することができる。
【0014】
好ましい態様において、同一の基準画像を当該基準画像の両側に連続させる拡張ステップと、該両側に連続された基準画像のうち、補正適用セルに相当する分割セルと、両側に連続された基準画像の隅部の分割セルとを、補正適用セルとして登録するステップとを含んでいる。この態様では、全ての分割セルをポリゴンに割り当てることができ、確実に分割セル毎のずれ量を線形補間で演算することができる。
【0015】
好ましい態様において、前記ポリゴン設定ステップは、二次元ドロネー分割法で多角形のポリゴンを三角形のポリゴンに分割するステップを含んでいる。この態様では、各補正適用セルを頂点として網羅することのできる好適な三次元マッピングをすることができる。
【0016】
好ましい態様において、前記行列演算ステップは、前記ポリゴンの頂点を基点として演算された一の法線ベクトルの終点を始点とし、且つ前記ポリゴンを構成する他の頂点を基点として演算された他の法線ベクトルの終点に向かう二つの単位ベクトルと、各単位ベクトルの成分ベクトルに基づく係数の行列式とを予め演算し、これら単位ベクトルと行列式とに基づいて、当該ポリゴンに割り当てられた分割セル毎のずれ量を順次演算するステップを含む。この態様では、ずれ量を演算するために必要な単位ベクトルや行列式が、予め演算された状態で分割セルの演算が順次実行されるので、重複処理を排除し、演算を効率化することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、上述した検査画像の生成方法を用いた画像検査方法において、前記検査画像の生成方法で生成された検査画像と前記基準画像とを照合して、当該検査画像の合否を判定する合否判定ステップを備えていることを特徴とする画像検査方法である。
【0018】
本発明の別の態様は、検査対象品の検査部位を撮像する撮像装置と、前記検査対象品の合否の基準となる基準画像を記憶する基準画像記憶手段と、前記基準画像のうち、検査対象となる模様の特徴を表す座標を基準点として記憶する基準点記憶手段と、前記基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルに関する情報を記憶する分割セル情報記憶手段と、前記分割セルのうち、前記基準点を含むものを補正適用セルとして記憶する補正適用セル記憶手段と、前記撮像装置で撮像した撮像画像と前記基準画像とをパターンマッチングで照合し、前記補正適用セルに対応する当該撮像画像のずれ量を前記基準点毎に検出するずれ量検出手段と、前記ずれ量検出ステップで検出した前記基準点でのずれ量に基づいて、前記撮像画像における前記補正適用セル以外の全分割セルのずれ量を線形補間で演算する補間演算手段と、各分割セルのずれ量に基づいて、前記撮像画像を全ての分割セル毎に補正した検査画像を生成する検査画像生成手段と、前記検査画像と前記基準画像とを照合して、当該検査対象品の良否を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする外観検査装置である。この態様では、撮像画像と基準画像とのパターンマッチングで得られたずれ量に基づき、補間演算によって、撮像画像のずれ量が全ての分割セルについて演算されるので、分割セル毎に歪みを補正することができる。従って、検査対象品の撮像時の速度のばらつきやその他の原因に起因する歪みが撮像時に生じていても、その歪みを全ての分割セル毎に補正した精緻な検査画像を得ることができる。この結果、検査画像の精度が高まり、照合時の誤判定を可及的に低減することが可能になる。
【0019】
好ましい態様において、前記補間演算手段は、前記基準点を頂点とする三角形に分割されたポリゴンを設定するポリゴン設定ステップと、前記分割セルのうち、補正適用セル以外の全分割セルを線形補間の演算対象として何れかのポリゴンに割り当てる割り当てステップと、前記ポリゴンの頂点を基点とし、且つ前記ずれ量に対応するスカラ量で前記撮像画像の分割セルの法線方向に沿う法線ベクトルを前記ポリゴンの頂点毎に演算する法線ベクトル設定ステップと、演算された前記法線ベクトルの終点に基づいて、当該ポリゴンに割り当てられた全ての分割セルのずれ量を当該法線ベクトルの成分毎に演算する行列演算ステップとを実行するものである。この態様では、補正適用セルの基準点を頂点とするポリゴンに、当該基準点でのずれ量を反映した法線ベクトルが設定され、さらに、設定された法線ベクトルに基づいて、全ての分割セルのずれ量が線形補間で演算されて、補正された検査画像が生成されるので、ずれ量の演算負荷を軽減し、一層精緻且つ迅速に補正処理を実行することが可能になる。
【0020】
好ましい態様において、前記ポリゴンに割り当てられた分割セルの演算処理の順位を当該ポリゴン毎に記憶する演算順位記憶手段を備えている。この態様では、演算される分割セルの順番をポリゴン毎に予め設定しておき、演算処理の最適化を図ることができるので、一層、演算負荷の軽減を図り、処理を迅速化することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、検査対象品の撮像時の速度のばらつきやその他の原因に起因する歪みが撮像時に生じていても、その歪みを全ての分割セル毎に補正した検査画像を得ることができる。従って、本発明は、検査対象品が可撓性の高い軟包材容器であったとしても、検査対象品の画像検査を精緻に実行することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本願発明に係る検査対象品の一例としてのチューブを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の一例として、図1のチューブの検査装置の構成例を示す正面略図である。
【図3】図1のチューブの平面略図である。
【図4】図2の検査装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】良否判定の全体を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートを実行した一例を示す撮像画像の模式図である。
【図7】図6の撮像画像の処理過程を示す模式図である。
【図8】図6の撮像画像の処理過程を拡大して示す模式図である。
【図9】図6の撮像画像の処理過程を拡大して示す模式図である。
【図10】図5のフローチャートを実行した結果を示す差分データのイメージ図であり、(A)は本実施形態、(B)は従来品に係るものである。
【図11】基準画像の生成処理を示すフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートに基づいて基準画像の処理過程を示す画像データの模式図である。
【図13】図11のフローチャートに基づいて基準画像の処理過程を示す画像データの模式図である。
【図14】図11の処理過程を説明する画像データの模式図である。
【図15】図11のフローチャートに基づいて基準画像の処理過程を示す画像データの模式図である。
【図16】図11のフローチャートに基づいて基準画像の処理過程を示す画像データの模式図である。
【図17】図11のフローチャートに基づいて基準画像の処理過程を示す画像データの模式図である。
【図18】図11のフローチャートに基づいて生成されたデータの一例を示すビュー表である。
【図19】図5の全セルのずれ量演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】図19の線形補間演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】図20の続きを示すフローチャートである。
【図22】撮像画像の処理過程に関するデータの一例を示すビュー表である。
【図23】図19、図20のフローチャートの実行例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0024】
図1を参照して、本実施形態に係る検査装置は、図1に示す検査対象品の一例としてのチューブ1を検査対象としている。チューブ1は、円筒形に成形された本体部1aと、本体部1aの頂部に延設されるフランジ部1bと、フランジ部1bの中央に同心に突設される首部1cとを一体的に有している軟包材容器である。
【0025】
本体部1aは、ポリエチレンやポリプロピレン等、可撓性の高い樹脂で成形されている。本体部1aの外周面には、複数の模様1dが印刷されている。本実施形態に係る検査装置10は、本体部1aの模様1dの良否を画像処理により検査するものである。ここで、「模様」とは、図柄、文字、ロゴ等の総称を指す。この検査段階では、本体部1aの下端部は、開放されている。そして、検査後に良品と判定された場合には、内容物が本体部1aに充填され、本体部1aの下端が封止されるようになっている。
【0026】
図2を参照して、同検査装置10は、一水平軸回りに回動する検査テーブル11を備えている。検査テーブル11には、当該検査テーブル11の接線方向に沿って、検査前のチューブ1を搬入する搬入コンベア12と、検査後に良品と判定されたチューブ1を搬出する良品搬出コンベア14と、検査後に不良品と判定されたチューブ1を搬出する不良品搬出コンベア16とが設けられている。
【0027】
検査テーブル11の外周には、複数(例えば6個)のマンドレル11aが等配されている。各マンドレル11aは、検査テーブル11の回転軸と平行に、一方向に(図示の例では、紙面の表側に)突設されている。また、マンドレル11aは、自身の中心軸回りに回動可能に取り付けられている。マンドレル11aには、動力入力部材(例えば歯車)11bが設けられている。この動力入力部材11bに動力が入力されると、マンドレル11aは、自身の中心線回りに回動する。
【0028】
検査テーブル11の外周部には、マンドレル11aの個数に対応して、複数のステーションST1〜ST6が均等に設定されている。検査テーブル11は、周方向一方向に回動し、マンドレル11aが各ステーションST1〜ST6で一時停止するように、マンドレル11aを間欠的に搬送する。
【0029】
搬入コンベア12の下流端は、例えばステーションST5に臨んでいる。また、良品搬出コンベア14と、不良品搬出コンベア16の上流端は、ステーションST5を基点として下流側に位置するステーションST4、ST3にそれぞれ臨んでいる。
【0030】
ステーションST5では、図略のロボットにより、下流端に搬入されたチューブ1が当該ステーションST5で一時停止するマンドレル11aに装着される。また、ステーションST4、ST3では、図略のロボットにより、良否判定されたチューブ1がそれぞれ判定結果に対応するコンベア14(16)の上流端に排出される。
【0031】
搬入コンベア12のステーションST5と、両搬出コンベア14、16のステーションST4、ST3との間には、撮像処理を実行する撮像ステーション(例えば、ST1)が設定されている。
【0032】
撮像ステーションでは、ここに一時停止したマンドレル11aの動力入力部材11bに動力を出力する動力出力部材18が設けられている。動力出力部材18は、例えば、ステッピングモータで駆動されるギアであり、マンドレル11aがステーションST1に停止している間、マンドレル11aの中心線回りにマンドレル11aを一周回転させる。
【0033】
また、ステーションST1には、撮像装置の一例としてのCCDカメラ20と、マンドレル11aのチューブ1を照明するLEDライン照明装置21と、LEDライン照明装置21から照射されて、チューブ1から反射した光をCCDカメラ20に導くミラー22とが設けられている。チューブ1が装着されたマンドレル11aは、ステーションST6を経てステーションST1に到達する。ステーションST1にマンドレル11aが停止し、動力出力部材18の駆動力を受けて、マンドレル11aが一周回動する間、LEDライン照明装置21がマンドレル11a上のチューブ1を照明し、その反射光をCCDカメラ20が撮像して、チューブ1を撮像する。詳しくは後述する制御ユニット100は、撮像された画像に基づき検査画像を生成し、当該検査画像の良否を判定する。
【0034】
ここで、図3(A)(B)を参照して、マンドレル11aにチューブ1を装着したときの問題点について説明する。
【0035】
上述したように、検査対象となるチューブ1は、本体部1aの下端が開放されている。そのため、自由状態では、図3(A)に示すように、直径がD1のフランジ部1bの近傍部分よりも途中部分が撓んで、長軸がD2の楕円形になっている。この撓みは、マンドレル11aへの装着によって、図3(B)に示すように、幾分緩和されるのであるが、それでも長軸D3が直径D1と等しくなることはない。マンドレル11aに対してチューブ1を挿抜するための隙間が必要となるからである。
【0036】
このため、ステーションST1での撮像時に、長軸D2と平行な方向に光を当てて撮像しているときは、チューブ1の外周面の周速が速くなり、長軸D2と交差する方向に光りを当てて撮像しているときは、チューブ1の外周面の周速が遅くなる。この結果、CCDカメラ20によって撮像される画像が、周速の変化に伴って歪みを含んでしまうことになる。
【0037】
本実施形態に係る検査装置10は、この歪みを簡便な方法で除去し、精緻な検査画像に補正することができるようになっている。
【0038】
次に、図4を参照して、検査装置10は、上述した検査テーブル11、動力出力部材18、CCDカメラ20等の他、入力装置30、表示装置40、記憶装置50を備え、これらのユニットの制御を司る制御ユニット100が設けられている。
【0039】
入力装置30は、例えばキーボードやマウス等のポインティングディバイスで具体化され、操作者が入力操作を行うためのユニットである。
【0040】
表示装置40は、例えば液晶ディスプレイで具体化され、制御ユニット100の処理状態や対話式プログラムの指示画面をGUIで操作者に表示するものである。
【0041】
記憶装置50は、不揮発性メモリで構成された補助記憶装置で具体化されており、制御ユニット100が実行する各種のプログラムやOS、並びに検査処理に必要な種々のデータを記憶している。
【0042】
次に、制御ユニット100は、マイクロプロセッサやメモリ等を備えたユニットであり、分散モデル処理モジュール101、分割セル登録モジュール102、補正適用セル登録モジュール103、ずれ量演算モジュール104、補間演算モジュール105、検査画像生成モジュール106、並びに合否判定モジュール107を論理的に備えている。
【0043】
これらモジュール101〜107によって実現される各処理を図5以下のフローチャートで説明する。
【0044】
図5を参照して、検査装置10が作動されると、制御ユニット100は、対象となっている基準画像を記憶装置50からメモリに読み出す(ステップS1)。次いで、図2に示した機構を操作し、チューブ1を搬入コンベア12から検査テーブル11のマンドレル11aに搭載して撮像ステーション(ステーションST1)に搬送し、ここで、マンドレル11aを回動しながらCCDカメラ20でチューブ本体部1aの周面を全周にわたって撮像する(ステップS2)。制御ユニット100は、撮像して得られた撮像画像を記憶装置50に製品毎に登録する。図6は、このステップS2で登録された撮像画像の一例を模式的に示している。図示の通り、撮像画像には、チューブ1の高さ方向がXと設定され、チューブ1の上側がX+と設定される。また、チューブ1の周方向は、Yとして撮像画像に設定される。後述するように、この撮像画像から、マトリックスで分割された分割セルCL毎に補正された検査画像が生成される(図7参照)。図7において、Dは、検出されるべきキズである。以下の説明では、特定の分割セルCLを示すときには、CL[i,j]と表示し、当該分割セルCLのX座標、Y座標をそれぞれi、jとする。
【0045】
次いで、制御ユニット100は、登録された製品毎にパターンマッチング処理を実行する(ステップS3)。このパターンマッチング処理に基づき、制御ユニット100は、所定の分割セルCLに設定される補正適用セル(図8の太枠で囲まれた分割セルCL)CLa毎に、X方向およびY方向のずれ量dx、dyをそれぞれ演算し(ステップS4)、演算結果を記憶装置50に登録する(ステップS5)。図8は、補正適用セルCLaにずれ量dx、dyを演算した例を示す。太枠で囲まれた分割セルCLの上側が分割セルCLの座標[i,j]を示し、下側が対応する分割セルCLのずれ量dx、dyを示している。記憶装置50には、分割セルCL毎に処理済みであるか否かを示す演算済フラグF2を記憶する領域があり(図22参照)、制御ユニット100は、このタイミングで、ずれ量dx、dyが演算された分割セルCL、つまり補正適用セルCLaに対応する演算済フラグF2をONにする(ステップS6)。また、記憶装置50には、補正適用セルCLaであることを示す補正適用フラグF1を記憶する領域があり、この補正適用フラグF1もONに更新される。
【0046】
次に、制御ユニット100は、補正適用セルを除く全ての分割セルCLについて、成分毎にずれ量dx、dyを演算し(ステップS7)、演算されたずれ量dx、dyに基づいて、撮像画像の歪みを補正した検査画像を生成する(ステップS8)。この結果、本実施形態では、図9に示したように、全ての分割セルCL毎にずれ量dx、dyに基づくずれ補正を実行することが可能となる。
【0047】
その後、制御ユニット100は、基準画像と検査画像とを比較し、差分を演算する(ステップS9)。具体的には、制御ユニット100は、検査画像の画素毎に基準画像の対応する画素との濃度を比較し、基準から外れる度合の大きい画素を1とし、それ以外を0とする二値画像を得、その二値画像から0ではない塊の面積をカウントする。
【0048】
次いで、カウントされた塊毎に面積を演算し(ステップS10)、各塊の面積が許容範囲であるか否かを判定する(ステップS11)。全ての塊の面積が許容範囲内であれば、制御ユニット100は、合格判定を行い(ステップS12)、検査品の良否判定を記憶するメモリ領域に良品の値を入れて合否判定を終了する。他方、ステップS11の判定で、何れか一つの塊Dの面積が許容範囲外であれば、制御ユニット100は、不合格判定を行い、検査品の良否判定を記憶するメモリ領域に不良品の値を入れて合否判定を終了する(ステップS14)。
【0049】
図10(A)に示すように、チューブ1のキズDが写っていた場合、ステップS10で、このキズDは、塊として検出され、ステップS11の判定で、制御ユニット100は、不良判定を行う。また、二値化された良品の画像は、塊Dがなく、真っ黒な画像となる。
【0050】
しかしながら、たとえ良品であったとしても、従来の処理方法では、図3で示したような周速の変化に伴う画像の歪みを完全に除去することができなかったので、図10(B)に示すように、撮像された画像の歪みに基づく塊Deが検出されてしまい、良品を不良と判定する誤判定の原因となっていたのである。
【0051】
次に、図11を参照して、本実施形態に係る基準画像の生成例について説明する。
【0052】
まず、制御ユニット100は、基準画像の基になる画像データを読み取られる(ステップS20)。画像データの読み取りは、良品サンプルを検査装置で撮像して入力される。この場合、撮像された画像データは、周速の変化によって歪みを含み得るが、検査画像もこの歪みに合わせて補正すれば、結果として歪みのない画像での対比をすることと同じ効果を得ることができるのである。
【0053】
撮像された画像データは、チューブ1の本体部1aの展開図として画素毎に記憶される。本実施形態では、制御ユニット100がこの段階で、展開図のうち、本体部1aの高さをX方向とし、周方向をY方向として画像データを登録する。この段階では、例えば、図12に示す画像データが記憶される。
【0054】
次に、画像データに分散モデルの一例としてのパターンマッチングモデル(PMモデル)Mが設定される(ステップS21)。この工程では、操作者が図12に示したような展開図を表示装置40に表示し、模様の特徴部分をPMモデルMとして設定する。この抽出過程では、入力装置30を操作する操作者と対話式に処理を進めて、PMモデルMの位置を適宜補正し、最終決定できるようにすることが好ましい。或いは、自動的に設定されるようにしてもよい。本実施形態では、PMモデルMを設定する際、操作者は、模様1dの少なくとも一つをPMモデルMが含んでいること、並びにY方向に1/4周以上、模様が続く場合には、途中にPMモデルMを配置することを拘束条件として作業するように義務づけられている。この処理過程で、例えば、図13に示すPMモデルMが設定される。
【0055】
次に、制御ユニット100は、分割セルCLを設定する(ステップS22)。図14に示すように、分割セルCLは、予め実験やシミュレーションで決定された所定のピッチScx、Scyでマトリックス状に設定される。次いで、分割セルCLにPMモデルMが割り当てられる。PMモデルM自身は、画像の模様を反映して選択されたエリアデータであるので、例えば、そのエリアデータのうち、最も面積を広く占有している分割セルCLを選定し、その分割セルCLの中心座標を選んで基準点Pとすることにより、一つのPMモデルMを一つの分割セルCLに割り当てる作業が行われる。PMモデルMを分割セルCLに割り当てて、基準点Pを設定する作業は、所定のアルゴリズムを設定して自動的に行うようにすることが好ましいが、操作者に対話型のプログラムで設定されるようにしてもよい。この基準点Pが設定された分割セルCLが補正適用セルCLaとして扱われることになる。
【0056】
ここで本実施形態では、検査対象となる撮像画像のうち、PMモデルMが設定された分割セルCLのみならず、PMモデルMが設定されていない他の分割セルCLについても線形補間によってずれ量dx、dyを求めることとしている。この線形補間を可能にするため、図15に示すように、各基準点Pを頂点とする三角形のポリゴンSを設定し、ポリゴンS毎に分割セルCLを割り当てて、ベクトル演算によりずれ量dx、dyを演算することとしているのである。ところで、全ての分割セルCLについて、ずれ量dx、dyを演算するためには、全ての分割セルCLが何れかのポリゴンSに含まれていることが必要である。しかし、チューブ1の本体部1aの図柄によっては、ポリゴンSの頂点となる基準点Pが不足している場合がある。その場合には、全ての分割セルCLをポリゴンSで網羅することができなくなり、例えば、図15の斜線で示した分割セルCLが演算不能となる。
【0057】
そこで、本実施形態のステップS22において、制御ユニット100は、図15のY座標における0行から9行に示した最初の画像データをY1として、この画像データY1の、Y方向の上流側と下流側にそれぞれ拡張データY2、Y3を連続させて、3周分の拡張画像を作成し、画像データを拡張することとしている。
【0058】
次いで、制御ユニット100は、図16に示すように、基準点Pを含む分割セルCLを補正適用セルCLaに設定する(ステップS23)。この補正適用セルCLaの基準点Pがずれ量dx、dyの演算の基礎となる。ところで、線形補間の際に設定されるポリゴンSは、可能な限り、短い辺で構成されていることが、誤差を少なくする上で好ましい。また、ポリゴンSが全ての分割セルCLを含んでいることも必要である。かかる要請に応じるため、本実施形態では、所定の分割セルCLを強制的に補正適用セルCLaに設定することとしている。具体的には、図16の斜線部分で示すように、基準となる撮像画像の一方向両端側(X方向両側)に基準点Pを含むものがない場合には、X方向の両側にある補正適用セルCLa(図示の例では、CL[1,5]と、CL[8,2])に隣接する分割セル(図示の例では、CL[0,5]と、CL[9,2])を強制的に補正適用セルCLaとして設定することとしている(ステップS24)。また、拡張された撮像画像の四隅部(図示の例では、CL[0,19]、CL[0,20]、CL[9,19]、CL[9,20])が選定される(ステップS25)。強制的に設定されたこれら補正適用セルCLaの中心には、基準点Pが設定される。設定された基準点Pには、当該補正適用セルCLaと最も近い補正適用セルCLaの基準点Pのずれ量dx、dyが設定される。
【0059】
次いで、制御ユニット100は、拡張データY2、Y3を含む全ての補正適用セルCLaの基準点Pを頂点とする多角形のポリゴンを生成し、このポリゴンを所定のアルゴリズムで三角形のポリゴンSに分割する(ステップS26)。このポリゴンSの生成時のアルゴリズムとしては、二次元ドロネー分割法を用いることが好ましい。二次元ドロネー分割法では、何れの補正適用セルCLaも面上に含まない三角形の集合体となるように、平面上の補正適用セルCLaの基準点Pを頂点として、各頂点を含む多角形が三角形のポリゴンSに分割される。このようなポリゴンSを設定することにより、図17に示すように、基準画像の全ての分割セルCLを割り当てることが可能なポリゴンSが設定される。
【0060】
ステップS26が終了した後は、ポリゴンSを構成する補正適用セルCLaのデータに基づき、ポリゴンSに対して全ての分割セルCLを割り当て(ステップS27)、その関連を示す三角面情報テーブルを作成する(ステップS28)。図18は、三角面情報テーブルの一例を示すビュー表である。図示の例では、製品であるチューブ1の品番毎に、基準画像の分割セルCLが列挙され、分割セルCL毎にポリゴンSが割り当てられる。図18のビュー表において、i、jは、分割セルCLの座標(x、y)を示す。F1は、補正適用セルであることを示す補正適用フラグである。補正適用フラグF1は、初期値はNullである。また、Idは、ポリゴンSを一意に特定する識別番号であり、何れの分割セルCLが何れのポリゴンSに属しているかを特定している。さらに、本実施形態においては、各分割セルCLを演算する順位がポリゴンS毎に設定されており、一つのポリゴンS(例えば、Id=1のポリゴンS)が選定されると、そのポリゴンSに属する分割セルCLを予め定められた順序(例えば、矢印で示すようにCL[0,0]→CL[0,1]→CL[0,2]・・・)で選定し、ずれ量dx、dyを演算することができるようになっている。なお、この順位は、所定の値(例えば−1)でポリゴンS毎に最終行であることを識別できるようにして、演算の高速化が図られている。
【0061】
ステップS28が終了すると、制御ユニット100は、三角面分割状況を表示装置30にグラフィック表示し(ステップS29)、基準画像生成処理を終了する。
【0062】
次に、図19〜図20を参照して、分割セルのずれ量dx、dyを演算するサブルーチン(図5のステップS7)について説明する。
【0063】
一般に、線形補間は、既知の2点の座標に基づいて、当該2点の座標の間にある点の座標を演算する手法である。本実施形態では、ポリゴンSの頂点を構成する補正適用セルCLaの基準点Pを利用し、線形代数で分割セルCLのずれ量(従って補正量)dx、dyを演算することとしている。かかる線形補間を実行するため、制御ユニット100の記憶装置50には、先に説明した図18のデータテーブルとともに、図22に示すような記憶領域が設定されており、ずれ量dx、dyの処理を管理することができるようになっている。
【0064】
図22を参照して、製品毎のずれ量dx、dyを管理するため、記憶装置50には、製品番号を管理する領域が設定される。そして、この製品番号毎に分割セルCLの座標i、jが管理される。分割セルCLは、補正適用フラグF1とともに、演算済フラグF2が設定されるようになっている。後述するように、分割セルCLの演算順序は、ポリゴンSに対する割り当て状況に応じてランダムに変化するので、分割セルCL毎に演算済フラグF2の値を設定して、処理順序を管理するようにしている。演算済フラグF2は、初期値はnullであり、処理済みの値はONである。さらに、分割セルCL毎に演算されたずれ量dx、dyの値を保存する領域が設けられている。補正適用セルCLaについては、図5のステップS3〜ステップS5で登録され、図11のステップS24、S25で設定した、強制補正適用セルと四隅の補正適用セルについては、図11のステップS24、S25で照合した補正適用セルCLaのずれ量dx、dyがそのまま登録されており、この時点で演算済フラグF2は、ONに更新される(図5のステップS6参照)。
【0065】
図19および図23を参照して、まず、このサブルーチンでは、制御ユニット100は、Y座標で示す行毎に分割セルCLのずれ量dx、dyを順番に処理するように構成されている。かかる処理を実行するため、制御ユニット100は、処理対象となる分割セルCLのX座標i、Y座標jを初期化する(ステップS71)。ついで、制御ユニット100は、処理対象となる番号の行の存否を処理対象のY座標jに基づいて判定する(ステップS72)。仮に処理対象の行の値jが設定されている最大値jmax以上であれば、制御ユニット100は、メインルーチンに復帰する。未処理の行がある場合、制御ユニット100は、X座標iの値に基づいて、処理対象となる分割セルCLが当該行内にあるか否かを判定する(ステップS73)。仮に処理対象となる分割セルCLの列の値iが設定されている最大値imax未満である場合には、さらに、当該分割セルCLの演算済フラグF2がNullであるか否かを判定し(ステップS74)、Nullである場合には、線形補間演算を実行する(ステップS75)。この線形補間演算により、当該分割セルCLのずれ量dx、dyが精緻に演算される。ステップS75の線形補間演算が終了すると、制御ユニット100は、分割セルCLのX座標iをインクリメントし(ステップS76)、ステップS73に移行して上述した処理を繰り返す。
【0066】
ステップS73でX座標iが最大値imax以上である場合(NO判定の場合)、すなわち、当該列での分割セルCLが全て演算された場合、制御ユニット100は、X座標iの値を初期化するとともに、Y座標jの値をインクリメントし(ステップS77)、その後、ステップS72に移行する。
【0067】
また、ステップS74で、演算済フラグF2がNullではない場合、すなわち、ONの値が入っている場合(図22参照)、ステップS76に移行する。これにより、重複演算を排除して、処理を高速化することができる。
【0068】
次に、図19の線形補間演算(ステップS75)の詳細について、図20を参照しながら説明する。
【0069】
図20を参照して、線形補間演算(ステップS75)では、予め分割セルCLに割り当てられたポリゴンSのデータを参照し、ポリゴンSの頂点A、B、Cを設定する。
【0070】
例えば、図23の例の場合、ポリゴンSは、CL[1,5]、CL[4,6]、CL[4,3]がそれぞれA、B、Cに割り当てられている。ポリゴンSが決まれば、当該ポリゴンSを構成する補正適用セルCLaを特定することが可能になるので、特定された補正適用セルCLaに設定されているずれ量dx、dyの値が、この例では参照される(図22参照)。
【0071】
次いで、本実施形態では、X方向のずれ量dxとY方向のずれ量dyとを効率よく演算するために、X座標、Y座標を識別する変数aを用いてX方向とY方向とをまとめて演算する。本実施形態の例では、最初に変数aをxと定義する(ステップS742)。
【0072】
次いで、ポリゴンSの頂点A、B、Cのそれぞれについて、a方向(ステップS742を実行した後は、X方向)のずれ量d(a)を法線方向(Z方向)にとった法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)と、一の法線ベクトルnA(a)の終点A(a)の座標を始点とし、他の法線ベクトルnB(a)、nC(a)の終点B(a)、C(a)に向かう単位ベクトルUv(a)、Vv(a)と、行列式Det(a)とを演算する(ステップS743)。
【0073】
このステップでは、ずれ量d(a)が、座標A(a)、B(a)、C(a)を頂点とする三次元マップに座標変換され、ポリゴンS(a)が設定される。このポリゴンS(a)は、撮像画像の歪みに基づくばらつきをもってポリゴンSに対し傾斜している。
【0074】
単位ベクトルUv(a)、Vv(a)は、ポリゴンSに割り当てられた補正適用セルCLa以外の分割セルCL(例えば図23のCL[3,5])について、当該分割セルCLの中心点Tから法線方向にポリゴンS(a)と交差する座標T(a)までの距離を求め、中心点Tにおけるずれ量d(a)(=法線ベクトルnT(a)のスカラ量)を線形補間で演算するためのものである。即ち、座標A(a)を始点とし、座標T(a)を終点とするベクトルTv(a)は、
Tv(a)=s*Uv(a)+t*Vv(a)・・・(1)
であるから、(1)式を成分での関係に書き換えると
xt=s*xu+t*xv・・・(1−1)
yt=s*yu+t*yv・・・(1−2)
zt=s*zu+t*zv・・・(1−3)
(1−1)式と(1−2)式の(xu,yu)、(xv,yv)、(xt,yt)は、既知の座標であるので、クラメルの公式により、係数の行列式Det(a)
【数1】


を用いて、(1−1)式と(1−2)式の連立方程式から、s、tを解くこととしている。
【0075】
次いで、演算された各値をa方向について保存する(ステップS744)。
【0076】
次に、制御ユニット100は、変数aがyであるか否か、すなわち、X方向とY方向の双方について演算が終了したか否かを判定する(ステップS745)。X方向とY方向の双方について演算が終了した場合には、次のステップに移行し、変数aがxである場合、すなわち、Y方向の演算が終了していない場合には、変数aをyに変更して(ステップS746)、ステップS743に移行する。
【0077】
図20に示したように、一つのポリゴンSに関して、ずれ量dx、dyの演算に必要な共通の要素となるA(a)、B(a)、C(a)、Uv(a)、Vv(a)、Det(a)をまとめて演算しておくことにより、当該ポリゴンSに割り当てられた複数の分割セルCLのずれ量演算を迅速化することができる。
【0078】
次に、図20の処理が終了すると、図21に示すように、ポリゴンSに関連する分割セルCLのずれ量をX方向とY方向とに分けて演算するため、制御ユニット100は、再度、aをxと定義する(ステップS750)。次いで、演算対象となっているCL[i,j]のポリゴンS上の座標をTとし、ずれ量を示す座標をT(a)と定義する(ステップS751)。この結果、座標A(a)を始点とし、座標T(a)を終点とするベクトルTv(a)は、単位ベクトルUv(a)、Vv(a)によって(1)式の通り表されるので、その成分xt、yt、ztについても、(1−1)〜(1−3)式の通りとなる。
【0079】
次いで、制御ユニット100は、(1−1)(1−2)式のxt、ytを演算する(ステップS752)。具体的には、
xt=(T(a)のx座標)−(A(a)のx座標)・・・(3−1)
yt=(T(a)のy座標)−(A(a)のy座標)・・・(3−2)
を演算し、これらの値を求める。この演算結果を(1−1)式と(1−2)式にそれぞれ代入すると、(1−1)式と(1−2)式は、s、tを変数とする連立方程式になる。従って、クラメルの公式により、s、tを求めることができるので、制御ユニット100は、(2)式で求めた係数の行列式Det(a)を分母として
【数2】


を演算する(ステップS753)。
【0080】
次いで、制御ユニット100は、演算されたs、tの値を(1−3)式に代入し、ベクトルT→T(a)の法線方向の成分ztを演算する(ステップS754)。ここで、(1−3)式のztは、A(a)点を原点とする法線方向の点T(a)のずれ量である。そこで、制御ユニット100は、このztにA点からA(a)点の法線方向の成分、すなわち、A点のずれ量d(A(a))を加えて、T(a)でのTからのずれ量d(a)を演算し、登録する(ステップS755)。
【0081】
次に、制御ユニット100は、aがyであるか否か、すなわち、X方向とY方向の双方について演算が終了したか否かを判定する(ステップS756)。Y方向の演算が終了していない場合には、aをyに変更して(ステップS757)、ステップS751に移行する。
【0082】
X方向とY方向の双方について演算が終了した場合には、当該分割セルCLについて演算済フラグF2をONにする(ステップS758)。この段階で、当該分割セルCLに関するずれ量dx、dyの演算が完了したことになる。
【0083】
次いで、制御ユニット100は、演算対象になったポリゴンSについて、演算が終了していない分割セルCLがあるか否かを判定し(ステップS759)、演算されていない分割セルCLが残っている場合には、演算順位Py(図18参照)に基づいて、次の分割セルCLを選定し、ステップS750に移行して上述した処理を繰り返す。他方、全ての分割セルCLについて演算が終了した場合には、制御ユニット100は、図19のサブルーチンに復帰する。
【0084】
以上説明したように本実施形態は、可撓性の高い円筒形のチューブ1の外周をCCDカメラ20と相対変位させて撮像し、得られた撮像画像から、当該チューブ1の合否の基準となる基準画像と照合される検査画像を生成する検査画像の生成方法において、基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルCLを設定する分割セル設定ステップ(ステップS22)と、分割セルCLのうち、検査対象となる模様1dの特徴を表す座標を基準点Pとして含むものを補正適用セルCLaとして設定する補正適用セル設定ステップ(ステップS23〜S25)と、撮像画像と基準画像とをパターンマッチングで照合し、補正適用セルCLaに含まれる基準点Pに対応する当該撮像画像のずれ量dx、dyを基準点P毎に検出するずれ量検出ステップ(ステップS4)と、ずれ量検出ステップ(ステップS4)で検出した基準点Pでのずれ量dx、dyに基づいて、前記補正適用セルCLa以外の全分割セルCLのずれ量dx、dyを線形補間で演算する補間演算ステップ(ステップS7)と、補正適用セルCLaを含む全分割セルCLのずれ量dx、dyに基づいて、前記撮像画像を分割セルCL毎に補正した検査画像を生成する検査画像生成ステップ(ステップS8)とを備えている。
【0085】
本実施形態では、撮像画像と基準画像とのパターンマッチングで得られた精緻なずれ量dx、dyに基づき、補間演算(ステップS7)によって、撮像画像のずれ量dx、dyが全ての分割セルCLついて演算されるので、チューブ1の撮像時の速度のばらつきやその他の原因に起因する歪みが撮像時に生じていても、その歪みを全ての分割セルCL毎に補正した精緻な検査画像を得ることができる。この結果、検査画像の精度が高まり、照合時の誤判定を可及的に低減することが可能になる。
【0086】
また、本実施形態では、基準点Pを頂点とする三角形A、B、Cに分割されたポリゴンSを設定するポリゴン設定ステップ(ステップS26)と、分割セルCLのうち、補正適用セルCLa以外の全分割セルCLを線形補間の演算対象として何れかのポリゴンSに割り当てる割り当てステップ(ステップS27)と、ポリゴンSの頂点A、B、C毎にずれ量dx、dyに対応して撮像画像の分割セルCLの法線方向Zに沿うベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)を演算する法線ベクトル設定ステップ(ステップS743)と、演算された法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)の終点(A(a)、B(a)、C(a))に基づいて、当該ポリゴンSに割り当てられた全ての分割セルCLのずれ量dx、dyを成分毎に演算する行列演算ステップ(ステップS750〜S760)とを備えている。このため本実施形態では、線形補間を演算するに当たり、三角形のポリゴンの頂点A、B、Cを基点とする法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)の終点(A(a)、B(a)、C(a))に基づいて行列式を設定し、単純な代数でずれ量を線形補間で演算することができる。
【0087】
また、本実施形態では、ポリゴンSの生成に寄与する所定の分割セルCL(図16の斜線部分の分割セル)を強制的に補正適用セルCLaに設定する強制設定ステップ(ステップS24、S25)を備えている。このため本実施形態では、ポリゴンSを設定する際、そのポリゴンSの面積が過度に大きくなることを防止したり、ポリゴンSに含まれない分割セルCLが生じるのを防止し、好適なずれ量dx、dyの演算誤差を抑制することができる。
【0088】
また、本実施形態では、同一の基準画像を当該基準画像の両側に連続させる拡張ステップ(ステップS22)と、該両側に連続された基準画像のうち、補正適用セルCLaに相当する分割セルCLと、両側に連続された基準画像の隅部の分割セルCLとを、基準点Pを含む補正適用セルとして登録するステップ(ステップS24、S25)とを含んでいる。このため本実施形態では、全ての分割セルCLをポリゴンSに割り当てることができ、確実に分割セルCL毎のずれ量dx、dyを線形補間で演算することができる。
【0089】
また、本実施形態では、ポリゴン設定ステップ(ステップS26)は、二次元ドロネー分割法で多角形のポリゴンを三角形のポリゴンSに分割するステップを含んでいる(図17参照)。このため本実施形態では、各補正適用セルを頂点として網羅することのできる好適な三次元マッピングをすることができる。
【0090】
また、本実施形態では、行列演算ステップは、ポリゴンSの頂点Aを基点として演算された一の法線ベクトルnA(a)の終点A(a)を始点とし、且つ当該ポリゴンSを構成する他の法線ベクトルnB(a)、nC(a)の終点B(a)、C(a)に向かう二つの単位ベクトルUv(a)、Vv(a)と、各単位ベクトルUv(a)、Vv(a)の成分ベクトルに基づく係数の行列式((2)式)とを予め演算し、これら単位ベクトルUv(a)、Vv(a)と行列式とに基づいて、当該ポリゴンSに割り当てられた分割セルCL毎のずれ量dx、dyを順次演算するステップを含む。このため本実施形態では、ずれ量dx、dyを演算するために必要な単位ベクトルUv(a)、Vv(a)や行列式が、予め演算された状態で分割セルCLの演算が順次実行されるので、重複処理を排除し、演算を効率化することができる。
【0091】
本発明の別の態様は、上述した検査画像の生成方法を用いた画像検査方法において、検査画像生成ステップ(ステップS8)により生成された検査画像と基準画像とを照合して、当該検査画像の合否を判定する合否判定ステップ(ステップS11〜S14)を備えている画像検査方法である。
【0092】
本発明の別の態様は、可撓性の高い円筒形のチューブ1を一方向に回転可能に担持するマンドレル11aと、マンドレル11aに担持されたチューブ1の外周を撮像するCCDカメラ20と、CCDカメラ20が撮像したチューブ1の合否の基準となる基準画像を記憶する基準画像記憶手段と、基準画像のうち、検査対象となる模様の特徴を表す座標を基準点Pとして記憶する基準点記憶手段と、基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルCLに関する情報を記憶する分割セル情報記憶手段と、分割セルCLのうち、基準点Pを含むものを補正適用セルCLaと識別する手段として補正適用フラグF1を記憶する補正適用セル記憶手段とを記憶装置50が具体化している。加えて、制御ユニット100は、CCDカメラ20により得られた撮像画像と基準画像とをパターンマッチングで照合し、補正適用セルCLaに対応する当該撮像画像のずれ量dx、dyを基準点P毎に検出するずれ量検出手段としてのずれ量演算モジュール104と、ずれ量演算モジュール104の検出した基準点Pでのずれ量dx、dyに基づいて全分割セルCLのずれ量dx、dyを線形補間で演算する補間演算手段としての補間演算モジュール105と、各分割セルCLのずれ量dx、dyに基づいて、前記撮像画像を全ての分割セルCL毎に補正した検査画像を生成手段としての検査画像生成モジュール106と、検査画像生成モジュール106の補正した検査画像と基準画像とを照合して、当該チューブ1の良否を判定する判定手段としての合否判定モジュール107とを論理的に備えている。このため本実施形態では、パターンマッチングで得られたずれ量dx、dyに基づき、撮像画像の全ての分割セルCLのずれ量dx、dyが線形補間で演算されて、歪みが補正された検査画像が生成されるので、分割セル毎に歪みを補正することができる。従って、チューブ1の撮像時の速度のばらつきやその他の原因に起因する歪みが撮像時に生じていても、その歪みを分割セルCL毎に補正した精緻な検査画像を得ることができる。この結果、検査画像の精度が高まり、照合時の誤判定を可及的に低減することが可能になる。
【0093】
また、本実施形態では、補間演算モジュール105は、基準点Pを頂点A、B、Cとする三角形に分割されたポリゴンSを設定するポリゴン設定ステップ(ステップS26)と、分割セルCLのうち、補正適用セル以外の全分割セルCLを線形補間の演算対象として何れかのポリゴンSに割り当てる割り当てステップ(ステップS27)と、ポリゴンSの頂点A、B、C毎にずれ量dx、dyを分割セルCLの法線方向Zに沿う法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)を演算する法線ベクトル設定ステップ(ステップS741)と、演算された法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)の終点(A(a)、B(a)、C(a))に基づいて、当該ポリゴンSに割り当てられた全ての分割セルCLのずれ量dx、dyを成分毎に演算する行列演算ステップ(ステップS75)とを実行するものである。このため本実施形態では、補正適用セルCLaの基準点Pを頂点とするポリゴンSに、当該基準点Pでのずれ量dx、dyを反映した法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)が設定され、さらに、設定された法線ベクトルnA(a)、nB(a)、nC(a)に基づいて、全ての分割セルCLのずれ量dx、dyが線形補間で演算されて、補正された検査画像が生成されるので、ずれ量dx、dyの演算負荷を軽減し、一層精緻且つ迅速に補正処理を実行することが可能になる。
【0094】
また、本実施形態では、ポリゴンSに割り当てられた分割セルCLの演算処理の順番をポリゴンS毎に指定する属性(図18の順位)を記憶する演算順位記憶手段を備えている。このため本実施形態では、演算される分割セルCLの順番をポリゴンS毎に予め設定しておき、演算処理の最適化を図ることができるので、一層、演算負荷の軽減を図り、処理を迅速化することができる。
【0095】
上述した実施の形態は、本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。例えば、全セルのずれ量dx、dyの演算ステップS7において、一行毎に列を増やして分割セルCLを進めるのではなく、1列毎に行を増やして、分割セルCLを進めてもよい。
【0096】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0097】
1 チューブ
1a チューブ本体部
1d 模様
10 検査装置
11 検査テーブル
11a マンドレル
20 CCDカメラ(撮像装置の一例)
50 記憶装置
100 制御ユニット
101 分散モデル処理モジュール
102 分割セル登録モジュール
103 補正適用セル登録モジュール
104 ずれ量演算モジュール
105 補間演算モジュール
106 検査画像生成モジュール
107 合否判定モジュール
nA(a)、nB(a)、nC(a) 法線ベクトル
A(a)、B(a)、C(a) 法線ベクトルの終点
M PMモデル(分散モデルの一例)
Py 演算順位(属性の一例)
S ポリゴン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象品を撮像装置と相対変位させて撮像し、得られた撮像画像から、当該検査対象品の合否の基準となる基準画像と照合される検査画像を生成する検査画像の生成方法において、
前記基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルを設定する分割セル設定ステップと、
前記分割セルのうち、検査対象となる模様の特徴を表す座標を基準点として含むものを補正適用セルとして設定する補正適用セル設定ステップと、
前記撮像画像と前記基準画像とをパターンマッチングで照合し、前記補正適用セルに対応する当該撮像画像のずれ量を前記基準点毎に検出するずれ量検出ステップと、
前記ずれ量検出ステップで検出した前記基準点でのずれ量に基づいて、前記撮像画像における前記補正適用セル以外の全分割セルのずれ量を線形補間で演算する補間演算ステップと、
前記補正適用セルを含む全分割セルのずれ量に基づいて、前記撮像画像を分割セル毎に補正した検査画像を生成する検査画像生成ステップと
を備えていることを特徴とする検査画像の生成方法。
【請求項2】
請求項1記載の検査画像の生成方法において、
前記基準点を頂点とする三角形に分割されたポリゴンを設定するポリゴン設定ステップと、
前記分割セルのうち、補正適用セル以外の全分割セルを線形補間の演算対象として何れかのポリゴンに割り当てる割り当てステップと、
前記ポリゴンの頂点を基点とし、且つ前記ずれ量に対応するスカラ量で前記撮像画像の分割セルの法線方向に沿う法線ベクトルを前記ポリゴンの頂点毎に演算する法線ベクトル設定ステップと、
演算された前記法線ベクトルの終点に基づいて、当該ポリゴンに割り当てられた全ての分割セルのずれ量を当該法線ベクトルの成分毎に演算する行列演算ステップと
を備えていることを特徴とする検査画像の生成方法。
【請求項3】
請求項2記載の検査画像の生成方法において、
前記ポリゴンの生成に寄与する分割セルを強制的に補正適用セルに設定する強制設定ステップを備えている
ことを特徴とする検査画像の生成方法。
【請求項4】
請求項2または3記載の検査画像の生成方法において、
同一の基準画像を当該基準画像の両側に連続させる拡張ステップと、
該両側に連続された基準画像のうち、補正適用セルに相当する分割セルと、両側に連続された基準画像の隅部の分割セルとを、補正適用セルとして登録するステップと
を備えていることを特徴とする検査画像の生成方法。
【請求項5】
請求項2から4の何れか1項に記載の検査画像の生成方法において、
前記ポリゴン設定ステップは、二次元ドロネー分割法で多角形のポリゴンを三角形のポリゴンに分割するステップを含んでいる
ことを特徴とする検査画像の生成方法。
【請求項6】
請求項2から5の何れか1項に記載の検査画像の生成方法において、
前記行列演算ステップは、前記ポリゴンの頂点を基点として演算された一の法線ベクトルの終点を始点とし、且つ前記ポリゴンを構成する他の頂点を基点として演算された他の法線ベクトルの終点に向かう二つの単位ベクトルと、各単位ベクトルの成分ベクトルに基づく係数の行列式とを予め演算し、これら単位ベクトルと行列式とに基づいて、当該ポリゴンに割り当てられた分割セル毎のずれ量を順次演算するステップを含む
ことを特徴とする検査画像の生成方法。
【請求項7】
請求項1から6記載の検査画像の生成方法を用いた画像検査方法において、
前記検査画像の生成方法で生成された検査画像と前記基準画像とを照合して、当該検査画像の合否を判定する合否判定ステップを備えている
ことを特徴とする画像検査方法。
【請求項8】
検査対象品の検査部位を撮像する撮像装置と、
前記検査対象品の合否の基準となる基準画像を記憶する基準画像記憶手段と、
前記基準画像のうち、検査対象となる模様の特徴を表す座標を基準点として記憶する基準点記憶手段と、
前記基準画像を二次元マトリックスに分割した分割セルに関する情報を記憶する分割セル情報記憶手段と、
前記分割セルのうち、前記基準点を含むものを補正適用セルとして記憶する補正適用セル記憶手段と、
前記撮像装置で撮像した撮像画像と前記基準画像とをパターンマッチングで照合し、前記補正適用セルに対応する当該撮像画像のずれ量を前記基準点毎に検出するずれ量検出手段と、
前記ずれ量検出ステップで検出した前記基準点でのずれ量に基づいて、前記撮像画像における前記補正適用セル以外の全分割セルのずれ量を線形補間で演算する補間演算手段と、
各分割セルのずれ量に基づいて、前記撮像画像を全ての分割セル毎に補正した検査画像を生成する検査画像生成手段と、
前記検査画像と前記基準画像とを照合して、当該検査対象品の良否を判定する判定手段と
を備えていることを特徴とする外観検査装置。
【請求項9】
請求項8記載の外観検査装置において、
前記補間演算手段は、
前記基準点を頂点とする三角形に分割されたポリゴンを設定するポリゴン設定ステップと、
前記分割セルのうち、補正適用セル以外の全分割セルを線形補間の演算対象として何れかのポリゴンに割り当てる割り当てステップと、
前記ポリゴンの頂点を基点とし、且つ前記ずれ量に対応するスカラ量で前記撮像画像の分割セルの法線方向に沿う法線ベクトルを前記ポリゴンの頂点毎に演算する法線ベクトル設定ステップと、
演算された前記法線ベクトルの終点に基づいて、当該ポリゴンに割り当てられた全ての分割セルのずれ量を当該法線ベクトルの成分毎に演算する行列演算ステップと
を実行するものである
ことを特徴とする外観検査装置。
【請求項10】
請求項9記載の外観検査装置において、
前記ポリゴンに割り当てられた分割セルの演算処理の順位を当該ポリゴン毎に記憶する演算順位記憶手段を備えている
ことを特徴とする外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−58197(P2012−58197A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204570(P2010−204570)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000191180)新日本工機株式会社 (51)
【Fターム(参考)】