説明

検査装置、検査システム

【課題】マイクロチップに応じた複数の流路の送液状態を一つの撮像手段で監視できる検査装置、検査システムを提供する。
【解決手段】マイクロチップの流路を移動させた検体と試薬とを反応させた結果を測定する検査装置において、流路を撮影して画像データを取得する撮像手段と、撮像手段が撮影した画像データに画像処理を行う画像処理手段と、流路の状態を監視する複数の監視領域の情報を記録する監視領域記録手段と、を有し、画像処理手段は、情報に基づいて画像処理を行うことを特徴とする検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。これは、μ−TAS(Micro total Analysis System:マイクロ総合分析システム)、バイオリアクタ、ラボ・オン・チップ(Lab−on−chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。特に遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、μ−TASを用いることによりコスト、必要試料量、所要時間を削減できる。
【0003】
本出願人は、マイクロチップ(マイクロリアクタ)の微細流路内に試薬などを封入し、マイクロポンプによって微細流路に駆動液を注入して検体と試薬などの液体を移動させ、反応部、次いで検出部へ流すことにより、血液など検体との反応結果を測定することができる検査装置を提案している(例えば、特許文献2参照)。また、特許文献2では、試薬や検体を2以上に分割して、それぞれ分析流路に送液し増幅反応と検出を行い1つの検体について多項目の分析を行うマイクロチップを開示している。このような検査装置では、異なる流路を持つマイクロチップを用いることによりさまざまな検査を行うことができる。
【0004】
ところで、血液や尿、唾液、喀痰など検体の粘度は均一とは限らず大きくばらついている場合もある。そのため、複数のプローブを配列したバイオチップ上での検体の拡散状態を動画として撮影し、撮影した画像から拡散速度を算出して、その結果に応じて検体の注入速度を変化させる検体注入装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−28589号公報
【特許文献2】特開2006−149379号公報
【特許文献3】特開2005−214797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように検体の粘度のばらつきなどにより、特許文献2に開示されているマイクロチップでも検体の移動が流路内で止まってしまい、以降の処理が正常に行われない可能性がある。
【0006】
検体を分割してそれぞれ別の流路を移動させる場合は、このような問題を解決するため複数の流路を流れる検体の送液状態をそれぞれ監視し対応する必要がある。また、特許文献2に開示されている検査装置では異なる流路を持つマイクロチップを用いて複数の検査を行うので、マイクロチップ毎に異なる場所の送液状態を監視する必要がある。
【0007】
しかしながら、特許文献3に開示されている方法はバイオチップと該バイオチップを覆うカバーの間に検体を注入する検体注入装置に適用するものであり、複数の流路を流れる検体の送液状態を一つの撮像手段で監視する方法は開示されていない。また、マイクロチップ毎に異なる流路の送液状態を監視する方法も開示されていない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、マイクロチップに応じた複数の流路の送液状態を一つの撮像手段で監視できる検査装置、検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0010】
1.
マイクロチップの流路を移動させた検体と試薬とを反応させた結果を測定する検査装置において、
前記流路を撮影して画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段が撮影した画像データに画像処理を行う画像処理手段と、
前記流路の状態を監視する複数の監視領域の情報を記録する監視領域記録手段と、
を有し、
前記画像処理手段は、
前記情報に基づいて画像処理を行うことを特徴とする検査装置。
【0011】
2.
前記検査装置の各部を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて制御することを特徴とする1に記載の検査装置。
【0012】
3.
警告情報を表示する表示手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて前記表示手段に前記警告情報を表示させることを特徴とする2に記載の検査装置。
【0013】
4.
マイクロチップの流路を移動させた検体と試薬とを反応させた結果を測定する検査システムにおいて、
前記流路を撮影して画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段が撮影した画像データに画像処理を行う画像処理手段と、
前記マイクロチップに備えられた前記流路を監視する複数の監視領域の情報を記録する監視領域記録手段と、
を有し、
前記画像処理手段は、
前記情報に基づいて画像処理を行うことを特徴とする検査システム。
【0014】
5.
前記検査システムの各部を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて制御することを特徴とする4に記載の検査システム。
【0015】
6.
警告情報を表示する表示手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて前記表示手段に前記警告情報を表示させることを特徴とする5に記載の検査システム。
【0016】
7.
前記監視領域記録手段は、ICタグであり、
前記ICタグに書き込まれた情報を非接触で読み取り可能な非接触読み取り手段を有することを特徴とする4乃至6の何れか1項に記載の検査システム。
【0017】
8.
前記監視領域記録手段は、2次元バーコードであることを特徴とする4乃至6の何れか1項に記載の検査システム。
【0018】
9.
前記撮像手段は、
前記2次元バーコードを撮影して画像データを取得し、
前記画像処理手段は、
前記画像データに画像処理を行って前記情報を取得する、ことを特徴とする8に記載の検査システム。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マイクロチップの流路を撮影した画像を監視領域の情報に基づいて画像処理するので、マイクロチップに応じた複数の流路の送液状態を一つの撮像手段で監視できる検査装置、検査システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態における検査システム80の外観図である。
【0022】
検査装置82はマイクロチップ1に予め注入された検体と、試薬との反応を自動的に検出し、表示部84に結果を表示する装置である。検査システム80は、検査装置82とマイクロチップ1から構成される。
【0023】
検査装置82には挿入口83があり、マイクロチップ1を挿入口83に差し込んで検査装置82の内部にセットするようになっている。なお、挿入口83はマイクロチップ1を挿入時に挿入口83に接触しないように、マイクロチップ1の厚みより十分高さがある。85はメモリカードスロット、86はプリント出力口、87は操作パネル、88は入出力端子、89は電源スイッチである。
【0024】
検査担当者は電源スイッチ89をオンにした後、図1の矢印方向にマイクロチップ1を挿入し、操作パネル87を操作して検査を開始させる。検査装置82の内部では、マイクロチップ1内の反応の検査が自動的に行われ、検査が終了すると液晶パネルなどで構成される表示部84に結果が表示される。検査結果は操作パネル87の操作により、プリント出力口86よりプリントを出力したり、メモリカードスロット85に挿入されたメモリカードに記憶することができる。また、外部入出力端子88から例えばLANケーブルを使って、パソコンなどにデータを保存することができる。
【0025】
検査担当者は、検査終了後、マイクロチップ1を挿入口83から取り出す。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態に係わるマイクロチップ1の一例について、図2を用いて説明する。
【0027】
図2は本発明の第1の実施形態におけるマイクロチップ1の外観図である。
【0028】
図2(a)のマイクロチップ1の側面図に示すように、マイクロチップ1は溝形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基板109から構成されている。図2(a)の矢印は、検査装置82にマイクロチップ1を挿入する挿入方向である。
【0029】
図2(b)はマイクロチップ1の平面図であり、透明な被覆基板109を通して見える溝形成基板108の溝を図示している。溝形成基板108の溝を被覆基板109が覆うことにより流路を形成している。マイクロチップ1には、検査、試料の処理などを行うための、微小な溝状の流路250(微細流路)および機能部品(流路エレメント)が、用途に応じた適当な態様で配設されている。
【0030】
流路はマイクロメーターオーダーで形成されており、例えば幅は数μm〜数百μm、好ましくは10〜200μmで、深さは25〜500μm程度、好ましくは25〜250μmである。
【0031】
溝形成基板108に形成された溝はマーカ71の中心を基準に形成されている。
【0032】
本実施形態では、特定の遺伝子の増幅およびその検出を行う処理に用いるマイクロチップ1を例に説明する。
【0033】
図2(b)の110a、110b、110cはマイクロチップ1内部の流路に連通する駆動液注入部であり、各駆動液注入部110から駆動液を注入し内部の検体や試薬等を駆動する。113はマイクロチップ1に検体を注入するための検体注入部であり、注射器などを用いて検体注入部113から血液などの検体を注入する。
【0034】
本実施形態のマイクロチップ1では検体注入部113の下流の流路250は2方向に分岐し、検体を2分割するように構成されている。駆動液注入部110bから駆動液を注入すると、検体注入部113に注入されている検体は、検体注入部113と連通する流路250aaと流路250abを通ってそれぞれ検体収容部121a、121bに収容される。検体収容部121a、121bは所定量の検体を収容するために他の流路より溝が深くなっている。
【0035】
検体収容部121a、121bが検体で充填されると、検体は駆動液によって検体収容部121a、121bの下流の流路250baと流路250bbに押し出され、それぞれの流路に設けられた液溜部140a、140bを充填する。液溜部140a、140bは検体収容部121a、121bがそれぞれ充填されたことを検出するために設けられており、検体収容部121a、121bより溝が浅く、他の流路250より溝が深くなっている。
【0036】
検体収容部121a、121bの溝の深さは例えば1.5μm、液溜部140a、140bの溝の深さは例えば1μm、他の流路の溝の深さは例えば0.25μmである。
【0037】
120a、120bは試薬類を収容する試薬収容部である。駆動液注入部110a、110cから駆動液を注入すると、試薬収容部120a、120bに収容された試薬は流路250に押し出されて、それぞれ下流の検体収容部121a、121bに注入される。検体と試薬が混合された液体は、流路250caと流路250cbを通ってそれぞれ下流の検出部111a、111bに収容される。
【0038】
後に説明するように検査装置82の内部で検出部111a、111bを加熱または吸熱して所定の温度で検体と試薬とを所定の時間反応させる。
【0039】
検出部111a、111bは検体と試薬の反応を光学的に検出するために設けられ、所定量の検体と試薬を収容するために他の流路より溝が深くなっている。
【0040】
検出部111a、111bの下流には液溜部141a、141bが設けられており、検出部111a、111bが試薬や検体などの液体で充填されたことを検出できるようになっている。液溜部141a、141bは検出部111a、111bより溝が浅く、他の流路より溝が深くなっている。
【0041】
検出部111a、111bの溝の深さは例えば1.5μm、液溜部141a、141bの溝の深さは例えば1μm、他の流路の溝の深さは0.25μmである。検出部111a、111bが充填されたことをできるだけ早く検出できるように、液溜部141a、141bは検出部111a、111bのできるだけ近い位置に設けることが望ましい。
【0042】
検出部111a、111bに光を照射すると、検体と反応した試薬が例えば蛍光を発光するので蛍光の光量を測定することにより反応結果を計測する。
【0043】
次に、マイクロチップ1を構成する溝形成基板108と被覆基板109に用いる材料について説明する。
【0044】
マイクロチップ1は、加工成形性、非吸水性、耐薬品性、耐候性、コストなどに優れていることが望まれており、マイクロチップ1の構造、用途、検出方法などを考慮して、マイクロチップ1の材料を選択する。その材料としては従来公知の様々なものが使用可能であり、個々の材料特性に応じて通常は1以上の材料を適宜組み合わせて、基板および流路エレメントが成形される。
【0045】
特に、多数の測定検体、とりわけ汚染、感染のリスクのある臨床検体を対象とするチップは、ディスポーサブルタイプであることが望ましい。そのため、量産可能であり、軽量で衝撃に強く、焼却廃棄が容易なプラステック樹脂、例えば、透明性、機械的特性および成型性に優れて微細加工がしやすいポリスチレンが好ましい。また、例えば分析においてチップを100℃近くまで加熱する必要がある場合には、耐熱性に優れる樹脂(例えばポリカーボネートなど)を用いることが好ましい。また、タンパク質の吸着が問題となる場合にはポリプロピレンを用いることが好ましい。樹脂やガラスなどは熱伝導率が小さく、マイクロチップの局所的に加熱される領域に、これらの材料を用いることにより、面方向への熱伝導が抑制され、加熱領域のみ選択的に加熱することができる。
【0046】
検出部111において、呈色反応の生成物や蛍光物質などの検出を光学的に行うので、少なくとも被覆基板109のこの部位は光透過性の材料(例えばアルカリガラス、石英ガラス、透明プラスチック類)を用い、光が透過するようにする必要がある。
【0047】
本実施形態では、液溜部140a、140b、液溜部141a、141bに収容されている液体を光学的に検知するので、少なくとも被覆基板109の液溜部140a、140b、液溜部141a、141bを覆う部分はガラスや樹脂などの透明な部材で構成する必要がある。
【0048】
図3は、本発明の実施形態における検査装置82の内部構成の一例を説明するための斜視図、図4は、本発明の実施形態における検査装置82の内部構成の一例を示す断面図、である。図3、図4に示すX、Y、Zの座標軸を基準に各部の説明を行う。
【0049】
検査装置82は、温度調節ユニット152、検出ユニット22、マイクロポンプユニット75、パッキン90、駆動液タンク91、撮像部24、レンズ25、照明部26、送りネジ301、ジョイント302、検出ユニット駆動モータ61などから構成される。図3、図4はマイクロチップ1をパッキン90bに密着させている状態を示している。撮像部24は本発明の撮像手段である。
【0050】
以下、図3、図4を用いて検査システム80の内部構成の例を説明する。
【0051】
温度調節ユニット152とマイクロチップ1は、図示せぬ駆動部材により駆動され、Z軸方向に移動可能である。初期状態において、駆動部材により温度調節ユニット152を、図3の状態からマイクロチップ1の厚み以上上昇させる。すると、マイクロチップ1はY軸方向に挿抜可能であり、検査担当者は挿入口83から図示せぬ規制部材に当接するまでマイクロチップ1を挿入する。所定の位置までマイクロチップ1を挿入するとフォトインタラプタなどを用いたチップ検知部95がマイクロチップ1を検知し、オンになる。
【0052】
温度調節ユニット152は、ペルチェ素子、電源装置、温度制御装置などを内蔵し、発熱または吸熱を行ってマイクロチップ1の面を所定の温度に調整するユニットである。
【0053】
次に、駆動部材により温度調節ユニット152とマイクロチップ1を下降させて、マイクロチップ1を温度調節ユニット152とパッキン90bに密着させる。
【0054】
図4に示す撮像部24は、レンズ25と照明部26を備えた例えばビデオカメラであり、図2(b)に示すマイクロチップ1の流路を撮影し、画像データを出力する。撮像部24は、本発明の撮像手段である。
【0055】
レンズ25を通った光束は、撮像部24の内部に備えられた撮像素子の一例であるCCD(電荷結合素子)上に結像するように配置されている。なお、撮像素子は、CCDに代えて、MOSセンサ、CIDセンサ等の固体撮像素子であってもよい。
【0056】
CCDは、微細な画素群で構成される撮像素子であり、レンズ25によって結像される被写体の光像(被写体像)を一定の周期で画像信号に光電変換する。画像信号は図示せぬ信号処理回路によりデジタル信号に変換された後、ガンマ補正等を行って順次画像データを得る。画像データは、図4には図示せぬ制御部99に順次送信される。
【0057】
なお、本実施形態では撮像部24が白黒の画像データを出力する例について説明するが、検体の色情報から流路の送液状態を解析する場合は、カラーの画像データを出力する撮像部24を用いれば良い。また、撮像部24は動画像を出力するビデオカメラに限定されるものではなく、制御部99からの指令に応じて撮影した画像を出力するデジタルスチルカメラでも良い。
【0058】
照明部26はLED、ランプ等の照明手段であり、撮像部24が撮影するマイクロチップ1の面を照明するために設けられている。
【0059】
本実施形態では、マイクロチップ1の液溜部140a、140b、液溜部141a、141bにそれぞれ収容されている液体を画像処理により検知する例を説明する。
【0060】
図4に示すようにレンズ25からの点線で示す範囲が撮像部24の撮影範囲であり、撮像部24により図2(b)に示すマイクロチップ1の流路全体を撮影できるように構成されている。本実施形態では、液溜部140(液溜部140a、140bの何れか)に液体が収容されている状態を撮影したデータから、後に詳しく説明する手順で液溜部140の画像データを切り出し画像処理を行う。
【0061】
検出ユニット22は図示せぬ発光部と受光部から成り、検出部111に光を照射して検体と反応した試薬が発光する蛍光を、光学的に分離して受光部に受光するように構成されている。検出ユニット22は送りネジ301と螺合するネジ部を有し、送りネジ301が回転することによりX軸方向に移動する。送りネジ301は直線Fと平行に配設されており、検出ユニット22が送りネジ301によって移動すると、検出部111a、111bのそれぞれの中心部に、検出ユニット22のレンズ23の光軸が一致するように配置されている。検出ユニット22は、所定の位置に移動した後、検出部111a、111bにレンズ23から順次励起光を照射し、蛍光物質が発光する蛍光を受光して電気信号を出力する。
【0062】
送りネジ301は検出ユニット駆動モータ61によりジョイント302を介して駆動される。検出ユニット駆動モータ61は例えばパルスモータであり、パルスにより所定量回転する。位置センサ41は検出ユニット22の初期位置を検知するために設けられたフォトリフレクタなどのセンサまたはメカニカルスイッチなどである。
【0063】
なお、検出ユニット22には回転防止用に図3には図示せぬガイド穴が設けられており、ガイド穴を貫通するガイド棒に沿って移動する。ガイド棒は送りネジ301と平行に配設されている。
【0064】
図4では、検出ユニット22は検出部111(検出部111a、111bの何れか)でおこる試薬の反応結果を光学的に検出できる位置にある場合を図示している。
【0065】
マイクロチップ1の駆動液注入口110は、マイクロチップ1をパッキン90bを介してマイクロポンプ75と密着させたときに、パッキン90bに設けられた対応する開口とそれぞれ連通する位置に設けられている。
【0066】
マイクロポンプユニット75の吸入口145は、パッキン90aを介して駆動液タンク91が接続され、駆動液タンク91に充填された駆動液をパッキン90aを介して吸い込むようになっている。一方、吐出口146はパッキン90bを介してマイクロチップ1の駆動液注入口110と連通している。
【0067】
圧電素子112を駆動することにより、マイクロポンプユニット75から送り出された駆動液は、マイクロチップ1の駆動液注入口110からマイクロチップ1内に形成された流路250に注入される。このようにして、マイクロポンプユニット75から駆動液注入口110に駆動液を注入する。
【0068】
マイクロポンプユニット75には少なくとも一つのマイクロポンプが設けられている。図2に図示したマイクロチップ1を駆動する場合は、3つの駆動液注入口110a、110b、110cに対応する3つのマイクロポンプが必要である。
【0069】
図5は、本発明の第1の実施形態における検出装置82の回路ブロック図である。
【0070】
制御部99は、CPU98(中央処理装置)とRAM97(Random Access Memory)、ROM96(Read Only Memory)等から構成され、不揮発性の記憶部であるROM96に記憶されているプログラムをRAM97に読み出し、当該プログラムに従って検出装置80の各部を集中制御する。制御部99は本発明の制御手段である。
【0071】
以下、いままでに説明した機能と同一機能を有する機能ブロックには同番号を付し、説明を省略する。
【0072】
CPU98は画像処理部410、ポンプ駆動制御部411、検出ユニット駆動制御部413、撮像制御部414を有する。画像処理部410は本発明の画像処理手段である。
【0073】
本実施形態では、流路の状態を監視する複数の監視領域70の情報がROM96に記憶されている例について説明する。監視領域記録部910は、本発明の監視領域記録手段である。なお、監視領域70の情報はRAM97に記憶しても良く、その場合はRAM97が監視領域記録部910である。
【0074】
画像処理部410は、プログラムに基づいてRAM97に記憶されている画像データを読み出し所定の画像処理を行う。
【0075】
流路判定部412は、プログラムに基づいて画像処理部410が算出した評価値が所定のレベル以上か、否か、判定する。
【0076】
検出ユニット駆動制御部413は、プログラムに基づいて検出ユニット駆動検出ユニット駆動モータ61に指令し検出ユニット22を移動させる。
【0077】
撮像制御部414は、プログラムに基づいて照明部26に指令して照明をオン、オフし、撮像部24に指令して撮影を開始または終了させる。
【0078】
ポンプ駆動部500は、各マイクロポンプの圧電素子112を駆動する駆動部である。ポンプ駆動制御部411はプログラムに基づいて、所定量の駆動液を注入または吸入するようにポンプ駆動部500を制御する。ポンプ駆動部500はポンプ駆動制御部411の指令を受けて、駆動電圧を発生して圧電素子112を駆動する。
【0079】
CPU98は所定のシーケンスで検査を行い、検査結果をRAM97に記憶する。検査結果は、操作部87の操作によりメモリカード501に記憶したり、プリンタ503によってプリントすることができる。
【0080】
図6は、本発明の実施形態における監視領域70を説明するための説明図である。
【0081】
本実施形態では、マイクロチップ1の液溜部140a、140b、液溜部141a、141bに液体が充填されたことを監視する例を説明する。
【0082】
監視領域記録部910に記録する監視領域70の情報は、例えば座標X、Yと監視領域の幅lであり、n個の監視領域70をそれぞれ(Xn、Yn、ln)のように記録する。監視領域70の座標はマーカ71の中心を原点として図6の紙面右手方向をX軸正方向、紙面上方向をY軸正方向としている。
【0083】
本実施形態では、監視領域70a、70b、70c、70dのそれぞれの中心座標は、液溜部140a、140b、液溜部141a、141bの中心座標である。監視領域70a、70b、70c、70dの幅はX方向、Y軸方向ともLであり、中心座標から振り分けられている。
【0084】
図6に示すように、監視領域70aの中心座標は(−x1、y2)、監視領域70bの中心座標は(x1、y2)、監視領域70cの中心座標は(−x1、y1)、監視領域70dの中心座標は(x1、y1)である。したがって、監視領域70aは(−x1、y2、L)、監視領域70bは(x1、y2、L)、監視領域70cは(−x1、y1、L)、監視領域70dは(x1、y1、L)が監視領域70の情報として記録されている。
【0085】
また、監視領域70の情報として監視領域70の数、監視領域70の状態に基づいて行う処理や制御について記録する。監視領域70の状態に基づいて行う制御は、例えば送液制御、温度制御、検出制御などである。
【0086】
監視領域記録部910には複数のマイクロチップ1の監視領域70の情報が予め記録されており、例えば操作部87の操作によって使用するマイクロチップ1の種類を指定すると該当する監視領域70の情報が得られるようになっている。このようにすると、外形や流路の形状が異なる多種類のマイクロチップ1を用いて検査を行う場合でも、簡単な操作でそのマイクロチップ1に応じた監視を行うことができる。
【0087】
本実施形態では、監視領域70に液体が充填されたことを検出する制御を例に説明する。
【0088】
次に、本発明の実施形態の検査装置82が検査を行う手順を図7、図8を用いて説明する。
【0089】
図7は本発明の実施形態の画像処理部410が画像処理を行う手順を説明するフローチャート、図8は本発明の実施形態の検査を行う手順を説明するフローチャートである。
【0090】
以下、図7のフローチャートの順に説明する。
【0091】
画像処理ルーチンは、メインルーチンから監視領域70の座標X、Yと監視領域の幅l(Xn、Yn、ln)と、監視領域70の状態に対して行う画像処理についての情報を得て処理を実行する。
【0092】
S10:撮影するステップである。
【0093】
撮像制御部414は、照明部26と撮像部24に指令し、メインルーチンから指定された所定の時間の間、所定の時間間隔で撮影し画像データを制御部99に送信させる。制御部99が受信した画像データは順次RAM97に記憶される。
【0094】
S11:監視領域70の画像データを抽出するステップである。
【0095】
画像処理部410は、監視領域70の情報に基づいてRAM97に記憶されている画像データから監視領域70に相当する領域の画像データを抽出する。
【0096】
S12:画像を解析するステップである。
【0097】
画像処理部410は、抽出した画像データを解析する。例えば、最初に撮影した監視領域70aの画像データと一定時間後に撮影した監視領域70aの画像データの差分を抽出する。
【0098】
S13:評価値を算出するステップである。
【0099】
画像処理部410は、解析した結果から評価値を算出する。例えば、S12で抽出した画像データの差分データから所定以上のレベル差の部分の面積を算出する。
【0100】
このように、監視領域70に相当する部分の画像データを抽出して所定の処理を行うので、処理時間を短縮することができる。
【0101】
画像処理ルーチンの説明は以上である。
【0102】
以下、図8のフローチャートの順に説明する。
【0103】
マイクロチップ1は、図4のように検査が可能な位置にセットされ、操作部87の操作によってCPUに検査の開始が指令されているものとする。また、操作部87の操作によって検査に用いるマイクロチップ1の種類が指定されているものとする。
【0104】
S101:監視領域の情報を取得するステップである。
【0105】
画像処理部410は、監視領域記録部910から情報を読み出し、該当するマイクロチップ1の監視領域70の座標X、Yと監視領域の幅L(Xn、Yn、Ln)と、監視領域70の状態に対して行う画像処理についての情報などを得る。
【0106】
本実施形態では、マイクロチップ1の液溜部140a、140bと液溜部141a、141bに順次液体が充填されたことを検出する制御について説明する。
【0107】
S102:送液を開始するステップである。
【0108】
ポンプ駆動制御部411は、ポンプ駆動部500に指令し、マイクロポンプユニット75から所定の順でマイクロチップ1に送液を行う。
【0109】
S103:画像処理ルーチンをコールするステップである。
【0110】
本実施形態では、本ステップで監視領域70aと監視領域70bの状態を所定時間監視し、それぞれの評価値を得る。引数として与えるのは、監視領域70aの情報(−X1、Y2、L)、監視領域70bの情報(X1、Y2、L)、撮影する時間と時間間隔、評価値の算出パラメータなどである。
【0111】
S104:検体が2分割されていることを確認するステップである。
【0112】
流路判定部412は、画像処理ルーチンが算出した評価値が所定のレベル以上か、否か、判定する。判定のレベルとして、例えば検体の量が規定の量の90%のときの評価値を予め実測して求めた値をROM96に記憶している。
【0113】
所定のレベル以下の場合、(ステップS104;No)、ステップS120に進む。
【0114】
S120:警告を表示するステップである。
【0115】
制御部99は、表示部84に検体の量が不足しているという警告を表示し、検査システム80を停止する。
【0116】
所定のレベル以上の場合、(ステップS104;Yes)、ステップS105に進む。
【0117】
S105:画像処理ルーチンをコールするステップである。
【0118】
本実施形態では、本ステップで監視領域70cと監視領域70dの状態を所定時間監視し、それぞれの評価値を得る。引数として与えるのは、監視領域70cの情報(−X1、Y1、L)、監視領域70dの情報(X1、Y1、L)、撮影する時間と時間間隔、評価値の算出パラメータなどである。
【0119】
S106:検出部111a、111bが充填されていることを確認するステップである。
【0120】
流路判定部412は、画像処理ルーチンが算出した評価値が所定のレベル以上か、否か、判定する。判定のレベルとして、例えば検体の量が規定の量の90%のときの出力信号レベルを予め実測して求めた値をROM96に記憶している。
【0121】
所定のレベル以下の場合、(ステップS106;No)、ステップS120に進む。
【0122】
S120:警告を表示するステップである。
【0123】
制御部99は、表示部84に検体の量が不足しているという警告を表示し、検査システム80を停止する。
【0124】
所定のレベル以上の場合、(ステップS106;Yes)、ステップS107に進む。
【0125】
S107:検出ユニット22を移動するステップである。
【0126】
検出ユニット駆動制御部413は、検出ユニット駆動検出ユニット駆動モータ61に所定の数のパルスを送り図3の矢印S2方向に検出ユニット22を移動させ、検出ユニット22が検出部111aの反応結果を検出する位置に停止させる。
【0127】
S108:反応結果を測定するステップである。
【0128】
所定の時間経過後、CPU98は、検出ユニット22の発光部を発光させ、検出ユニット22からの出力信号レベルを測定し、結果をRAM97に記憶する。
【0129】
S108:検出ユニット22を移動するステップである。
【0130】
検出ユニット駆動制御部413は、検出ユニット駆動検出ユニット駆動モータ61に所定の数のパルスを送り図8の矢印S2方向に検出ユニット22をさらに移動させ、検出部111bの反応結果を検出する位置に停止させる。
【0131】
S109:反応結果を測定するステップである。
【0132】
CPU98は、検出ユニット22の発光部を発光させ、検出ユニット22からの出力信号レベルを測定し、結果をRAM97に記憶する。
【0133】
以上で検査を終了し、検出ユニット駆動制御部413は、検出ユニット22を初期位置に戻す。
【0134】
検査を行う手順の説明は以上である。
【0135】
本実施形態では、画像処理部410が画像処理を行った結果に基づいて警告を表示する例を説明しているが、本発明はこの制御に限定されるものではなく画像処理を行った結果に基づいてマイクロポンプユニット75から吐出される駆動液の圧力を増すなどの制御を行っても良い。
【0136】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0137】
図9は本発明の第2の実施形態におけるマイクロチップ1の外観図、図10は本発明の第2の実施形態における検出システム80の回路ブロック図である。
【0138】
第2の実施形態では、図9に図示するように監視領域記録部910がマイクロチップ1に設けられており、図10に図示するように検査装置82には監視領域記録部910を読みとる読み取り部27が設けられている点が第1の実施形態と異なっている。そのほかの構成は第1の実施形態と同様であり、同じ構成要素には同番号を付し説明を省略する。
【0139】
マイクロチップ1に埋め込む監視領域記録部910は、ROMやフラッシュメモリでも良いがICタグのような情報記録手段を用いて、読み取り部27が非接触で情報を読みとれるようにすれば、機構が簡単になり配置の自由度が増すのでより好ましい。ICタグはICチップで構成され、IC内部に持つ記録媒体の情報を読み取り部27から電波で読み出すことができる。
【0140】
マイクロチップ1に埋め込むICタグは、読み取り部27が発信する電力波を受信して、該電波から得た電力により、IC内の記録媒体の情報を読み出して発信するパッシブ方式を用いると電源が不要になるのでより好ましい。
【0141】
このようにすると、検査装置82は検査に用いるマイクロチップ1の監視領域の情報を検査の都度読みとるので、検査に用いるマイクロチップ1の監視領域の情報を予め検査装置82に記憶させておかなくても良い。また、情報の更新や追加が容易である。操作上もマイクロチップ1の種類を指定する必要がなくなるので、工程が簡略化でき操作ミスを防ぐことができる。
【0142】
検査装置82が検査を行う手順は図8で説明したフローチャートの順であるが、S101の監視領域の情報を取得するステップで、画像処理部410が読み取り部27を介して監視領域記録部910から情報を取得する点が異なる。そのほかの手順は同じであり説明を省略する。
【0143】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0144】
図11は本発明の第3の実施形態におけるマイクロチップ1の外観図である。
【0145】
第3の実施形態では、図11に図示するように監視領域記録部910は例えばQR(Quick Response)コードであり、マイクロチップ1の所定の位置にQRコードを印刷、またはQRコードを印刷したシートを貼付している。QRコードの仕様はJIS X 0510とISO/IEC 18004に規格化されており、当該マイクロチップ1の監視領域70の情報を規格に基づいてQRコードに変換する。
【0146】
なお、本実施形態では2次元バーコードとしてQRコードを例に説明するが、Data MatrixやPDF417、Maxi Codeなど監視領域70の情報を記録できる2次元バーコードであればどのような2次元バーコードを用いても良い。
【0147】
第3の実施形態では、後に説明するように撮像部24がマイクロチップ1を撮影した画像データから画像処理部410が監視領域記録部910(QRコード)を切り出し、QRコードを規格に基づいてデコードしている。したがって、第2の実施形態のように読み取り部27を設ける必要は無い。そのほかの構成は第2の実施形態と同じであり説明を省略する。
【0148】
第3の実施形態でも第2の実施形態と同様に、検査装置82は検査に用いるマイクロチップ1の監視領域の情報を検査の都度読みとるので、検査に用いるマイクロチップ1の監視領域の情報を予め検査装置82に記憶させておかなくても良い。また、情報の更新や追加が容易である。操作上もマイクロチップ1の種類を指定する必要がなくなるので、工程が簡略化でき操作ミスを防ぐことができる。
【0149】
図12は本発明の第3の実施形態において画像処理部410が行うQRコード解析の手順を説明するためのフローチャートである。
【0150】
S20:撮影するステップである。
【0151】
撮像制御部414は、照明部26と撮像部24に指令し、メインルーチンから指定された所定の時間の間、所定の時間間隔で撮影し画像データを送信させる。受信した画像データは順次RAM97に記憶される。
【0152】
S21:QRコードを抽出するステップである。
【0153】
画像処理部410は、RAM97に記憶されている画像データからQRコードに相当する部分の画像データを抽出する。
【0154】
S22:QRコードをデコードするステップである。
【0155】
画像処理部410は、抽出したQRコードを規格に基づいてデコードする。
【0156】
S23:マイクロチップ1の情報を取得するステップである。
【0157】
画像処理部410は、デコードした結果から監視領域70の情報を取得し、情報をメインルーチンに引き渡す。
【0158】
このように、撮像部24と画像処理部410によってマイクロチップ1の監視領域の情報を取得できるので、読み取り部27やICタグは不要であり検査システム80を簡単な構成にすることができる。
【0159】
QRコード解析ルーチンの説明は以上である。
【0160】
検査装置82が検査を行う手順は図8で説明したフローチャートの順であるが、S101の監視領域の情報を取得するステップで、図12で説明したQRコード解析ルーチンをコールし、監視領域記録部910(QRコード)から情報を読みとる点が異なる。そのほかの手順は同じであり説明を省略する。
【0161】
以上このように、本発明によれば、マイクロチップに応じた複数の流路の送液状態を一つの撮像手段で監視できる検査装置、検査システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施形態における検査システム80の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わるマイクロチップ1の説明図である。
【図3】本発明の実施形態の検査システム80の内部構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の検査システム80の内部構成の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における検査システム80の回路ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態における監視領域70を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態の画像処理部410が画像処理を行う手順を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の検査の手順を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるマイクロチップ1の外観図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における検出システム80の回路ブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるマイクロチップ1の外観図である。
【図12】本発明の第3の実施形態において画像処理部410が行うQRコード解析の手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0163】
1 マイクロチップ
22 検出ユニット
24 撮像部
25 レンズ
26 照明部
27 読み取り部
61 検出ユニット駆動モータ
75 マイクロポンプユニット
80 検査システム
82 検査装置
83 挿入口
84 表示部
87 操作ボタン
90 パッキン
110 駆動液注入口
111 検出部
113 検体注入部
121 検体収容部
141 液溜部
152 温度調整ユニット
250 流路
910 監視領域記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロチップの流路を移動させた検体と試薬とを反応させた結果を測定する検査装置において、
前記流路を撮影して画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段が撮影した画像データに画像処理を行う画像処理手段と、
前記流路の状態を監視する複数の監視領域の情報を記録する監視領域記録手段と、
を有し、
前記画像処理手段は、
前記情報に基づいて画像処理を行うことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記検査装置の各部を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
警告情報を表示する表示手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて前記表示手段に前記警告情報を表示させることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
マイクロチップの流路を移動させた検体と試薬とを反応させた結果を測定する検査システムにおいて、
前記流路を撮影して画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段が撮影した画像データに画像処理を行う画像処理手段と、
前記マイクロチップに備えられた前記流路を監視する複数の監視領域の情報を記録する監視領域記録手段と、
を有し、
前記画像処理手段は、
前記情報に基づいて画像処理を行うことを特徴とする検査システム。
【請求項5】
前記検査システムの各部を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて制御することを特徴とする請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
警告情報を表示する表示手段を有し、
前記制御手段は、前記画像処理手段が前記画像データに画像処理を行った結果に基づいて前記表示手段に前記警告情報を表示させることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
【請求項7】
前記監視領域記録手段は、ICタグであり、
前記ICタグに書き込まれた情報を非接触で読み取り可能な非接触読み取り手段を有することを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
前記監視領域記録手段は、2次元バーコードであることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の検査システム。
【請求項9】
前記撮像手段は、
前記2次元バーコードを撮影して画像データを取得し、
前記画像処理手段は、
前記画像データに画像処理を行って前記情報を取得する、ことを特徴とする請求項8に記載の検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−128277(P2009−128277A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305576(P2007−305576)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】