説明

極端紫外光生成装置及び極端紫外光生成方法

【課題】安定してEUV光を生成する。
【解決手段】レーザ装置を備えた極端紫外光生成装置は、前記レーザ装置から出力されたレーザ光を導入するウィンドウを備えたチャンバと、前記チャンバ内部の所定位置付近にターゲットを出力するターゲット供給部と、前記所定位置付近に前記レーザ光を集光するレーザ集光光学系と、前記所定位置付近を通過したレーザ光の像を検出する検出器と、前記所定位置付近における前記ターゲットの通過位置を調整するターゲット位置調整装置と、前記所定位置付近における前記レーザ光の集光位置を調整するレーザ集光位置調整装置と、前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲット位置調整装置と前記レーザ集光位置調整装置とを制御する制御部と、を備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外(EUV)光を生成するための装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、たとえば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
極端紫外光生成装置としては、ターゲット物質にレーザビームを照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma:レーザ励起プラズマ)方式の装置と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)方式の装置と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)方式の装置との3種類の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0327192号明細書
【概要】
【0005】
本開示の一態様による極端紫外光生成装置は、レーザ装置を備えた極端紫外光生成装置において、前記レーザ装置から出力されたレーザ光を導入するウィンドウを備えたチャンバと、前記チャンバ内部の所定位置付近にターゲットを出力するターゲット供給部と、前記所定位置付近に前記レーザ光を集光するレーザ集光光学系と、前記所定位置付近を通過したレーザ光の像を検出する検出器と、前記所定位置付近における前記ターゲットの通過位置を調整するターゲット位置調整装置と、前記所定位置付近における前記レーザ光の集光位置を調整するレーザ集光位置調整装置と、前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲット位置調整装置と前記レーザ集光位置調整装置とを制御する制御部と、を備えてもよい。
【0006】
本開示の他の態様による極端紫外光生成方法は、レーザ装置から出力されたレーザ光を導入するウィンドウを備えたチャンバと、前記チャンバ内部の所定位置付近にターゲットを供給するターゲット供給部と、前記所定位置付近に前記レーザ光を集光するレーザ集光光学系と、前記所定位置付近を通過したレーザ光の像を検出する検出器と、を備えた装置の極端紫外光生成方法であって、前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲットの通過位置と前記レーザ光の集光位置とを制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、本開示の一態様による例示的なLPP方式のEUV光生成装置の概略構成を示す。
【図2】図2は、本開示の一実施の形態によるレーザ照射像検出器を含むEUV光生成装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】図3は、本実施の形態においてターゲットにパルスレーザ光を照射した際の位置関係の一例を示す。
【図4】図4は、本実施の形態においてレーザ照射像検出器のイメージセンサで検出されたパルスレーザ光の像を示す。
【図5】図5は、本実施の形態におけるEUV光生成制御システムのメインフローを示す。
【図6】図6は、図5に示されるパラメータ初期設定サブルーチンを示す。
【図7】図7は、図5に示されるEUV光生成位置設定サブルーチンを示す。
【図8】図8は、図5に示されるEUV光生成サブルーチンを示す。
【図9】図9は、図5に示されるレーザ照射像検出サブルーチンを示す。
【図10】図10は、図5に示される位置判定サブルーチンを示す。
【図11】図11は、図5に示されるターゲット位置制御サブルーチンを示す。
【図12】図12は、図5に示されるターゲット位置制御サブルーチンの変形例を示す。
【図13】図13は、図5に示されるレーザ集光位置制御サブルーチンを示す。
【図14】図14は、本開示の他の実施の形態によるEUV光生成装置の概略構成を示す模式図である。
【図15】図15は、本実施の形態においてターゲットにプリパルスレーザ光を照射することで生成した拡散ターゲットとメインパルスレーザ光との位置関係の一例を示す。
【図16】図16は、本実施の形態においてレーザ照射像検出器のイメージセンサで検出されたメインパルスレーザ光の像を示す。
【図17】図17は、本実施の形態においてターゲットがトップハットプリパルスレーザ光の光軸に対して+X方向にΔXずれた場合を示す。
【図18】図18は、本実施の形態においてトップハットプリパルスレーザ光の光軸がターゲットの中心を通る場合を示す。
【図19】図19は、本実施の形態においてターゲットがトップハットプリパルスレーザ光の光軸に対して−X方向にΔXずれた場合を示す。
【図20】図20は、本実施の形態においてターゲットがプリパルスレーザ光の光軸に対して+X方向にΔXずれた場合を示す。
【図21】図21は、本実施の形態においてプリパルスレーザ光の光軸がターゲットの中心を通る場合を示す。
【図22】図22は、本実施の形態においてターゲットがプリパルスレーザ光の光軸に対して−X方向にΔXずれた場合を示す。
【図23】図23は、本実施の形態によるパラメータ初期設定サブルーチンを示す。
【図24】図24は、本実施の形態によるEUV光生成サブルーチンを示す。
【図25】図25は、本開示のさらに他の実施の形態によるEUV光生成装置の概略構成を示す模式図である。
【図26】図26は、2軸傾斜ステージの一例を示す斜視図である。
【図27】図27は、Z方向レーザ集光点調節器の一例を示す。
【図28】図28は、Z方向レーザ集光点調節器の変形例を示す(その1)。
【図29】図29は、Z方向レーザ集光点調節器の変形例を示す(その2)。
【図30】図30は、Z方向レーザ集光点調節器の変形例を示す(その3)。
【図31】図31は、トップハット機構の一例の構成を模式的に示す。
【図32】図32は、トップハット機構の変形例1の構成を模式的に示す。
【図33】図33は、トップハット機構の変形例2の構成を模式的に示す。
【実施の形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示の一例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0009】
(一実施の形態)
以下、本開示の一実施の形態による極端紫外(EUV)光を生成するための装置、及びその方法を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、下記目次の流れに沿って説明する。
【0010】
目次
1.概要
2.用語の説明
3.EUV光生成装置の全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.ターゲットにレーザ光が照射された時の像検出器を含むEUV光生成装置
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用
4.4 ターゲットにレーザ光が照射された時の像
4.5 制御フロー
4.5.1 メインフロー
4.5.2 パラメータ初期設定サブルーチン
4.5.3 EUV光生成位置設定サブルーチン
4.5.4 EUV光生成サブルーチン
4.5.5 レーザ照射像検出サブルーチン
4.5.6 位置判定サブルーチン
4.5.7 ターゲット位置制御サブルーチン
4.5.7.1 ターゲット位置制御サブルーチンの変形例
4.5.8 レーザ集光位置制御サブルーチン
5.ドロプレットにプリパルスとメインパルスレーザ光が照射された時の像検出器を含むEUV光生成装置
5.1 構成
5.2 動作
5.3 作用
5.4 ターゲットにメインパルスレーザ光が照射された時の像
5.5 制御フロー
5.5.1 パラメータ初期設定サブルーチン
5.5.2 EUV光生成サブルーチン
6.ビームデリバリーシステムにレーザの集光点のアクチュエータを含むEUV光生成装置
6.1 構成
6.2 動作
6.3 作用
7.補足説明
7.1 2軸傾斜ステージ
7.2 集光位置調節機構
7.3 集光位置調節機構の変形例
7.4 トップハット機構
7.5 トップハット機構の変形例1
7.6 トップハット機構の変形例2
【0011】
1.概要
本実施の形態の概要について、以下に説明する。以下で説明する実施の形態では、レーザ装置と共に用いられるEUV光生成装置が、ターゲットに照射されたレーザ光の像を検出してもよい。EUV光生成装置は、この検出結果に基づいて、レーザ光の集光点位置とターゲット位置とを制御してもよい。
【0012】
2.用語の説明
つぎに、本開示において使用する用語について、以下のように定義する。「ドロップレット」とは、溶融したターゲット物質の液滴である。したがって、その形状は、表面張力によって略球形となる。「プラズマ生成領域」とは、プラズマを生成する空間として予め設定された3次元空間である。「ビーム拡大」とは、ビーム断面積が徐々に広がることをいう。レーザ光の光路において、レーザ光の発生源側を「上流」とし、レーザ光の到達目標側を「下流」とする。また、「所定繰返し周波数」とは、略所定の繰返し周波数であればよく、必ずしも一定の繰返し周波数でなくてもよい。拡散ターゲットとは、プリプラズマとフラグメントの少なくとも一方を含む状態のターゲットと定義される。プリプラズマとは、プラズマ状態またはプラズマと原子や分子との混合状態と定義される。フラグメントとは、レーザ照射によりターゲット物質が分裂して変容したクラスタ、マイクロドロップレット等の微粒子またはそれらが混在する微粒子群と定義される。オブスキュレーション領域とは、EUV光の影となる3次元領域である。このオブスキュレーション領域を通過するEUV光は、通常、露光装置においては使用されない。
【0013】
3.EUV光生成装置の全体説明
3.1 構成
図1に例示的なLPP方式のEUV光生成装置1(極端紫外光生成装置)の概略構成を示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザシステム3と共に用いることができる(EUV光生成装置1及びレーザシステム3を含むシステムを、以下、EUV光生成システム11(極端紫外光生成システム)と称する)。図1に示し、かつ以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2を含むことができる。チャンバ2は、チャンバ2内を真空にすることができるように構成されていてもよい。あるいは、チャンバ2は、チャンバ2の内部にEUV光の透過率が高いガスが存在することができるように構成されていてもよい。また、EUV光生成装置1は、ターゲット供給システムを更に含むことができる。ターゲット供給システムは、ドロップレット生成器26を含んでもよい。ドロップレット生成器26は、ドロップレットの形態でターゲット27をプラズマ生成領域25に供給してもよい。ターゲット供給システムは、例えばチャンバ2に取り付けられていてもよい。ターゲット供給システムが供給するターゲットの材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又はそのいずれかの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。
【0014】
チャンバ2には、その壁を貫通する少なくとも1つの孔が設けられている。その貫通孔はレーザ光を透過し得るウィンドウ21によって塞がれていてもよい。チャンバ2の内部には例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1の焦点、及び第2の焦点を有する。EUV集光ミラー23の表面には例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ発生位置(プラズマ生成領域25)又はその近傍に位置し、その第2の焦点がEUV光の集光位置(中間焦点(IF)292)に位置するよう配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には、パルスレーザ光33が通過することができる貫通孔24が設けられていてもよい。
【0015】
再び図1を参照に、EUV光生成装置1は、EUV光生成制御システム5を含むことができる。EUV光生成装置1は、ターゲットセンサ4を含むことができる。ターゲットセンサ4は、ターゲットの存在、軌道、位置の少なくとも1つを検出可能であるとよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有していてもよい。
【0016】
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通する接続部29を含むことができる。接続部29内部にはアパーチャを備えた壁291を含むことができる。壁291は、アパーチャが第2の焦点位置に位置するように接続部29内に設置されてもよい。
【0017】
更に、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27のターゲット回収器28などを含むことができる。
【0018】
3.2 動作
図1を参照に、レーザシステム3から出射されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ部34を経て、ウィンドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。レーザ光進行方向制御アクチュエータ部34は、レーザシステム3からチャンバ2までの少なくとも1つのレーザビーム経路を構成してもよい。チャンバ2内に進入したパルスレーザ光31は、レーザ光集光ミラー22で反射してもよい。これにより、平行光であったパルスレーザ光31が集光するパルスレーザ光33に変換されてもよい。パルスレーザ光33は、チャンバ2内のプラズマ生成領域25で、少なくとも1つのターゲットに照射されてもよい。
【0019】
ドロップレット生成器26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力してもよい。ターゲット27には、少なくとも1つのパルスレーザ光33が照射されてもよい。パルスレーザ光33に照射されたターゲット27はプラズマ化してもよい。そのプラズマからは、EUV光252が発生してもよい。なお、1つのターゲット27に、複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。照射されるパルスレーザ光は、パルスレーザ光33に限られない。
【0020】
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括してもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージ情報等を処理してもよい。EUV光生成制御システム5はまた、例えばターゲット27を出力するタイミングの制御、ターゲット27の出力方向、及び出力位置の制御のうちの少なくとも1つを実行してもよい。EUV光生成制御システム5は更に、例えばレーザシステム3のレーザ出力タイミングの制御、パルスレーザ光31の進行方向の制御、及び集光位置変更の制御のうちの少なくとも1つを実行してもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
【0021】
4.ターゲットにレーザ光が照射された時の像検出器を含むEUV光生成装置
つづいて、ターゲットを通過したレーザ光の像を検出するレーザ照射像検出器を含むEUV光生成装置について、図面を用いて詳細に説明する。図2は、レーザ照射像検出器100を含むEUV光生成装置1Aの概略構成を示す模式図である。
【0022】
4.1 構成
図2に示されるように、EUV光生成装置1Aは、EUV光生成制御システム5、レーザシステム3、レーザ光進行方向制御アクチュエータ部(以下、ビームデリバリーシステムともいう)34、およびチャンバ2を含んでもよい。
【0023】
チャンバ2は、ターゲット27が内部に供給されるメインチャンバ2aと、レーザ集光光学系220を収容するサブチャンバ2bと、を含んでもよい。メインチャンバ2aとサブチャンバ2bとは、中央にパルスレーザ光33が通過するための貫通孔201aが形成された間仕切りプレート201によって区画されていてもよい。メインチャンバ2aとサブチャンバ2bとは、分離可能な個別のチャンバであってもよい。ただし、これに限らず、メインチャンバ2aおよびサブチャンバ2bは、たとえば1つのチャンバを間仕切りプレート201によって区画することでそれぞれ形成されてもよい。
【0024】
サブチャンバ2b内のレーザ集光光学系220は、たとえば軸外放物面凹面ミラー222と、高反射ミラー223とを含んでもよい。軸外放物面凹面ミラー222は、たとえばミラーホルダ222aを用いてベースプレート221に固定されてもよい。高反射ミラー223は、たとえば2軸傾斜ステージ223aを用いてベースプレート221に固定されてもよい。ベースプレート221は、たとえば1軸ステージ221aによってZ軸方向に移動可能であってもよい。高反射ミラー223は、2軸傾斜ステージ223aによってそのアオリ角度θxおよびθyが調整されてもよい。高反射ミラー223の反射面中心における垂線を想定した場合、ベースプレート221の2軸傾斜ステージ223a設置面に対して、アオリ角度θxはピッチ角度、アオリ角度θyはヨウ角度であってよい。
【0025】
パルスレーザ光31は、ビームデリバリーシステム34の複数の高反射ミラー341および342を経由して、チャンバ2のウィンドウ21に入射してもよい。ウィンドウ21を介してサブチャンバ2b内に入射したパルスレーザ光31は、軸外放物面凹面ミラー222で集光するように反射されてもよい。これにより、パルスレーザ光31が集光するパルスレーザ光33に変換されてもよい。その後、パルスレーザ光33は、高反射ミラー223で反射されることで、貫通孔201aを介してメインチャンバ2a内に進入してもよい。
【0026】
メインチャンバ2aは、EUV集光ミラー23、ターゲット供給部260、ターゲットセンサ4、およびレーザ照射像検出器100を含んでもよい。EUV集光ミラー23は、たとえばEUV集光ミラーホルダ231を用いて間仕切りプレート201に固定されてもよい。EUV集光ミラー23の貫通孔24および間仕切りプレート201の貫通孔201aは、パルスレーザ光33がそれぞれの孔を通過する際にEUV集光ミラー23および間仕切りプレート201がパルスレーザ光33を遮らない程度の開口の大きさで形成されていてもよい。ターゲット供給部260は、ドロップレット生成器26と、2軸ステージ261とを含んでもよい。ドロップレット生成器26は、2軸ステージ261を用いてメインチャンバ2aに固定されてもよい。2軸ステージ261は、ドロップレット生成器26をY軸方向およびZ軸方向に移動させることで、ターゲット27のプラズマ生成領域25付近における空間の通過位置を調節してもよい。
【0027】
レーザ照射像検出器100は、軸外放物面ミラー101、ビームスプリッタ102、結像レンズ103、イメージセンサ104、およびダンパ105を含んでもよい。軸外放物面ミラー101は、たとえば支柱101aによってメインチャンバ2aの内壁に固定されてもよい。支柱101aは、EUV光252のオブスキュレーション領域内に配置されてもよい。
【0028】
ビームスプリッタ102、結像レンズ103、イメージセンサ104、およびダンパ105は、メインチャンバ2aに連通した検出器チャンバ110内に配置されてもよい。メインチャンバ2a内の空間と検出器チャンバ110内の空間とは、たとえば連結穴110aを介して連通していてもよい。プラズマ生成領域25を通過したパルスレーザ光33は軸外放物面ミラー101で反射されてもよい。軸外放物面ミラー101によって反射されたパルスレーザ光253は、連結穴110aを通して検出器チャンバ110内に進入してもよい。その後、パルスレーザ光253は、ビームスプリッタ102を通過した後、結像レンズ103によってイメージセンサ104の受光面に結像されてもよい。このとき、イメージセンサ104は撮像状態となっていてよい。たとえば、イメージセンサ104がシャッタ等を備えている場合、シャッタはパルスレーザ光253の出力に同期してシャッタが一定時間、開となるように動作されてもよい。このようにイメージセンサ104は、プラズマ生成領域25を通過したパルスレーザ光33の像を検出するように配置されていてもよい。ビームスプリッタ102は、軸外放物面ミラー101で反射された光のうち少なくともパルスレーザ光253の波長を含む光の一部を透過し、他の光を反射してもよい。ビームスプリッタ102の透過率は、イメージセンサ104に入射する光量が飽和光量以下となるように調節されていてもよい。ビームスプリッタ102によって反射された光は、ダンパ105によって吸収されてもよい。
【0029】
EUV光生成制御システム5は、基準クロック生成器51a、EUV光生成点コントローラ51、レーザ集光点制御ドライバ52、ターゲットコントローラ53、およびターゲット供給ドライバ54を含んでもよい。このEUV光生成制御システム5は、EUV光生成装置1A全体の動作を制御してもよい。
【0030】
具体的には、基準クロック生成器51aは、動作基準となる基準クロックを生成してもよい。EUV光生成点コントローラ51は、レーザ集光点制御ドライバ52、ターゲットコントローラ53、およびレーザシステム3に、各種信号を入力することで、これらを動作させてもよい。レーザ集光点制御ドライバ52には、EUV光生成点コントローラ51からの制御信号に基づいて、レーザ集光光学系220における1軸ステージ221aおよび2軸傾斜ステージ223aを駆動してもよい。ターゲットコントローラ53は、EUV光生成点コントローラ51から入力された制御信号およびターゲットセンサ4から入力されたイメージデータに基づいて、ターゲット供給ドライバ54に制御信号を入力してもよい。ターゲット供給ドライバ54は、ターゲットコントローラ53から入力された制御信号に基づいて、ドロップレット生成器26にターゲット27を出力させる出力信号を送信してもよい。また、ターゲット供給ドライバ54は、ターゲットコントローラ53から入力された制御信号に基づいて、2軸ステージ261を駆動してもよい。EUV光生成点コントローラ51からレーザシステム3には、パルスレーザ光31の出力トリガが送信されてもよい。
【0031】
4.2 動作
つぎに、図2に示されるEUV光生成装置1Aの動作を説明する。なお、EUV光生成装置1Aの動作は、EUV光生成制御システム5によって制御され得る。そこで以下では、EUV光生成制御システム5の動作を説明する。
【0032】
EUV光生成制御システム5は、露光装置6からEUV光生成要求信号とEUV光生成位置指定信号とを受信してもよい。EUV光生成要求信号は、EUV光252の生成開始を要求する信号であってもよい。EUV光生成位置指定信号は、チャンバ2内部でのEUV光252の生成位置を指定する情報が含まれていてもよい。これらの信号を受信したEUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260にターゲット27の出力信号を出力してもよい。そして、EUV光生成制御システム5は、ターゲット27がプラズマ生成領域25に到達した時にパルスレーザ光33がターゲット27に照射されるように、レーザシステム3にパルスレーザ光31の出力トリガ(レーザ出力タイミング)を送信してもよい。
【0033】
レーザシステム3から出力されたパルスレーザ光31は、略平行光のパルスレーザ光31として2枚の高反射ミラー341および342を含むビームデリバリーシステム34を経由した後、ウィンドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。
【0034】
このパルスレーザ光31は、軸外放物面凹面ミラー222と高反射ミラー223とを備えたレーザ集光光学系220によって、プラズマ生成領域25に集光するパルスレーザ光33に変換されてもよい。このプラズマ生成領域25には、ターゲット27の通過タイミングに合わせるように、パルスレーザ光33が供給されてもよい。
【0035】
ターゲット27にパルスレーザ光33が照射されると、ターゲット27がプラズマ化してもよい。このプラズマからは、EUV光252を含む光251が放射されてもよい。
【0036】
放射された光251のうちEUV光252は、EUV集光ミラー23によって、中間焦点(IF)292に集光するように反射されてもよい。中間焦点292を通過したEUV光252は、その後、露光装置6に入射してもよい。
【0037】
また、プラズマ生成領域25を通過したパルスレーザ光33は、軸外放物面ミラー101によって45度で反射されてもよい。軸外放物面ミラー101は、パルスレーザ光33を平行光であるパルスレーザ光253に変換してもよい。パルスレーザ光253は、連結穴110aを経由して検出器チャンバ110内のビームスプリッタ102に入射してもよい。
【0038】
ビームスプリッタ102は、少なくともパルスレーザ光253の波長を含む光の一部を透過するとともに、それ以外の光を反射してもよい。ビームスプリッタ102によって反射された光は、ダンパ105によって吸収されてもよい。
【0039】
一方、ビームスプリッタ102を透過したパルスレーザ光253は、結像レンズ103を介して、イメージセンサ104に入射してもよい。これにより、プラズマ生成領域25を通過したパルスレーザ光33の像が、イメージセンサ104上に結像されてもよい。パルスレーザ光33がターゲット27に照射された場合、パルスレーザ光253の像にはターゲット27の影が含まれてもよい。
【0040】
イメージセンサ104によって取得されたイメージデータは、EUV光生成制御システム5のEUV光生成点コントローラ51に送信されてもよい。EUV光生成点コントローラ51はイメージデータに基づいて、レーザ集光点制御ドライバ52と、ターゲット供給ドライバ54に制御信号を送信してもよい。ターゲット供給ドライバ54には、ターゲットコントローラ53を介して制御信号が入力されてもよい。これにより、パルスレーザ光33およびターゲット27がEUV光生成位置指定信号によって指定されたEUV光生成位置に到達し得るように、レーザ集光光学系220とターゲット供給部260とが調整されてもよい。
【0041】
具体的には、レーザ集光点制御ドライバ52は、高反射ミラー223の2軸傾斜ステージ223aと、1軸ステージ221aとに、それぞれ駆動信号を送信してもよい。これにより、パルスレーザ光33がEUV光生成位置を通過するように、レーザ集光光学系220が制御されてもよい。また、ターゲット供給ドライバ54は、2軸ステージ261に駆動信号を送信してもよい。これにより、ターゲット27がEUV光生成位置を通過するように、ターゲット供給部260の位置が制御されてもよい。
【0042】
EUV光生成点コントローラ51はイメージセンサ104によって取得されたイメージデータに基づいて、ドロップレット生成器26にターゲット27を出力させる出力信号をドロップレット生成器26に送信してもよい。この出力信号は、ターゲットコントローラ53およびターゲット供給ドライバ54を経由してドロップレット生成器26に入力されてもよい。EUV光生成点コントローラ51はメージデータに基づいて、レーザシステム3にパルスレーザ光31を出力させる出力トリガを送信してもよい。これにより、ターゲット27がEUV光生成位置に到達するタイミングと略同じタイミングで、パルスレーザ光33がEUV光生成位置に到達することが可能となってもよい。
【0043】
以上の動作を繰り返すことによって、EUV光生成位置を通過する各ターゲット27にパルスレーザ光33が順次照射され得る。その結果、所望のEUV光生成位置でEUV光252が発生するようにEUV光生成装置1Aが制御され得る。なお、EUV光生成位置は、上述のように露光装置コントローラ61から指定されてもよいし、その他の装置から指定されてもよい。もしくは、EUV光生成位置は、予め定められた固定位置であってもよい。
【0044】
4.3 作用
以上のように、プラズマ生成領域25を通過したパルスレーザ光33の像とターゲット27の像とが検出されてもよい。これにより、ターゲット27に対するパルスレーザ光33の照射位置と、パルスレーザ光33の集光位置との両方が、直接的に検出され得る。
【0045】
また、この検出結果に基づいて、パルスレーザ光33の集光位置とターゲット27の通過位置とが制御可能となり得る。これによれば、EUV光の生成位置が高精度に制御され得る。
【0046】
4.4 ターゲットにレーザ光が照射された時の像
ここで、図3に、ターゲット27にパルスレーザ光33を照射した際の位置関係の一例を示す。また、図4に、レーザ照射像検出器100のイメージセンサ104で検出されたパルスレーザ光253の像の一例を示す。図3において、軸Abは、パルスレーザ光33の光軸である。軸Aoは、基準点Oを通過する軸である。この軸Aoは、たとえばZ軸に相当してもよい。図4において、中心位置E(Xt,Yt)は、EUV光生成位置を示し、中心位置L(Xb,Yb)は、パルスレーザ光253の像G33の中心位置(光軸Abに相当)を示し、中心位置T(Xd,Yd)は、ターゲット27の像(影)G27の中心位置を示す。
【0047】
図3に示されるように、ターゲット27にパルスレーザ光33が照射すると、パルスレーザ光33が照射された側にプリプラズマ271が発生するとともに、反対側からターゲット物質が飛散し、フラグメント272が発生してもよい。また、図4に示されるように、イメージセンサ104は、パルスレーザ光253の像G33と、ターゲット27の像G27とを撮像してもよい。ターゲットの像G27はパルスレーザ光253によるターゲット27の影を含んでもよい。そこで、パルスレーザ光253の像G33の中心位置L(Xb,Yb)と、ターゲット27の像G27の中心位置T(Xd,Yd)とが、それぞれEUV光生成位置E(Xt,Yt)に近づくように、各ステージの位置およびタイミングが制御されてもよい。
【0048】
4.5 制御フロー
つぎに、図2に示されるEUV光生成装置1Aの動作を、フローチャートを用いて詳細に説明する。なお、以下の動作は、図2の基準クロック生成器51aから与えられる基準クロックに基づいて実行されてもよい。以下では、説明の簡略化のため、基準クロックの周波数が、タイミング調整をしない場合の出力トリガの繰返し周波数と同等とする。
【0049】
4.5.1 メインフロー
図5は、EUV光生成制御システム5のメインフローを示す。図5に示されるように、EUV光生成制御システム5は、起動後、まず、各種パラメータに初期値を設定するパラメータ初期設定サブルーチンを実行してもよい(ステップS101)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、たとえば露光装置コントローラ61から指定されたEUV光生成位置を設定するEUV光生成位置設定サブルーチンを実行してもよい(ステップS102)。
【0050】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、露光装置6(具体的には露光装置コントローラ61)からEUV光の生成を要求するEUV光生成要求信号を受信するまで待機してもよい(ステップS103;NO)。EUV光生成要求信号を受信すると(ステップS103;YES)、EUV光生成制御システム5は、EUV光を生成するEUV光生成サブルーチン(ステップS104)、ターゲット27を通過したパルスレーザ光33の像を検出するレーザ照射像検出サブルーチン(ステップS105)、および実際のEUV光生成位置が許容範囲内であるか否かを判定する位置判定サブルーチン(ステップS106)を順次実行してもよい。
【0051】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、位置判定サブルーチン(ステップS106)で実際のEUV光生成位置が、予め設定された、または、露光装置6などの外部から入力された許容範囲内であるか否かを判定してもよい(ステップS107)。実際のEUV光生成位置が許容範囲内である場合(ステップS107;YES)、EUV光生成制御システム5は、露光装置6へEUV光生成位置が正常であることを示すEUV光生成位置正常信号を送信してもよい(ステップS108)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS112へ移行してもよい。一方、実際のEUV光生成位置が許容範囲外である場合(ステップS107;NO)、EUV光生成制御システム5は、露光装置6へEUV光生成位置が異常であることを示すEUV光生成位置異常信号を送信してもよい(ステップS109)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS110へ移行してもよい。
【0052】
ステップS110では、EUV光生成制御システム5は、ターゲット27の通過位置およびタイミングを制御するターゲット位置制御サブルーチンを実行してもよい。つぎに、EUV光生成制御システム5は、パルスレーザ光33の集光位置およびタイミングを制御するレーザ集光位置制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS111)。この2つのサブルーチン(ステップS110およびS111)により、パルスレーザ光33が指定されたEUV光生成位置でターゲット27に照射するように、EUV光生成装置1Aが制御されてもよい。
【0053】
その後、EUV光生成制御システム5は、EUV光の生成位置を制御する本動作を終了するか否かを判定してもよい(ステップS112)。動作を終了する場合(ステップS112;YES)、EUV光生成制御システム5は、本動作を終了してもよい。一方、動作を終了しない場合(ステップS112;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS102へ帰還して、以降の動作を繰り返してもよい。
【0054】
4.5.2 パラメータ初期設定サブルーチン
つぎに、図5のステップS101に示されるパラメータ初期設定サブルーチンが、図6を用いて詳細に説明される。図6に示されるように、パラメータ初期設定サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、EUV光生成位置の初期値E(Xt0、Yt0)を読み込んでもよい(ステップS121)。この初期値E(Xt0,Yt0)は、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。
【0055】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、ドロップレット生成器26に入力する出力信号の基準クロックからの遅延時間Ddに初期値Dd0を設定してもよい(ステップS122)。この初期値Dd0は、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。また、EUV光生成制御システム5は、ターゲット27の所定位置通過タイミングに対するパルスレーザ光31の出力トリガの遅延時間Ldに初期値Ld0を設定してもよい(ステップS123)。この初期値Ld0は、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。なお、遅延時間Ldとは、たとえばターゲットセンサ4からターゲット27の通過信号が出力されてから、EUV光生成位置上でターゲット27にパルスレーザ光33を照射するのに必要となる出力トリガの遅延時間であってよい。
【0056】
つづいて、EUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260の2軸ステージ261やレーザ集光光学系220の1軸ステージ221aなどの各種アクチュエータを駆動する際のパラメータとして、比例定数kを読み込んでもよい(ステップS124)。この比例定数kは、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよいし、露光装置6などの外部装置から与えられてもよい。
【0057】
その後、EUV光生成制御システム5は、実際のEUV光生成位置に対する許容範囲を読み込んでもよい(ステップS125)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。なお、許容範囲には、パルスレーザ光33の光軸に対する許容範囲Ltrと、ターゲット27の通過位置に対する許容範囲Lbrとが含まれていてもよい。
【0058】
4.5.3 EUV光生成位置設定サブルーチン
つぎに、図5のステップS102に示されるEUV光生成位置設定サブルーチンが、図7を用いて詳細に説明される。図7に示されるように、EUV光生成位置設定サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、露光装置6から目標とするEUV光生成位置Eの再設定データΔEsを受信したか否かを判定してもよい(ステップS131)。この再設定データΔEsは、たとえば露光装置6においてEUV光生成装置1に対して要求するEUV光生成位置Eが変更された際に、露光装置コントローラ61からEUV光生成制御システム5に送信されてもよい。また、本例では、再設定データΔEが現在要求しているEUV光生成位置E(Xt,Yt)からのずれ量(ΔXs,ΔYs)であるとするが、これに限られない。再設定データΔEは、新たなEUV光生成位置(座標)であってもよい。
【0059】
ステップS131の判定の結果、再設定データΔEsを受信していない場合(ステップS131;NO)、EUV光生成制御システム5は、そのまま図5に示される動作へリターンしてもよい。一方、再設定データΔEsを受信していた場合(ステップS131;YES)、EUV光生成制御システム5は、この再設定データΔEs(ΔXs,ΔYs)を読み込んでもよい(ステップS132)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、現在のEUV光生成位置E(Xt,Yt)に対して再設定データΔEs(ΔXs,ΔYs)を加算することで、新たなEUV光生成位置E(Xt,Yt)を算出してもよい(ステップS133)。これにより、目標とするEUV光生成位置Eが更新されてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。
【0060】
4.5.4 EUV光生成サブルーチン
つぎに、図5のステップS104に示されるEUV光生成サブルーチンが、図8を用いて詳細に説明される。図8に示されるように、EUV光生成サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、基準クロックを受信するまで待機してもよい(ステップS141;NO)。基準クロックを受信すると(ステップS141;YES)、EUV光生成制御システム5は、不図示のタイマTをリセットしてもよい(ステップS142)。
【0061】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、タイマTのカウント値Tが遅延時間Dd以上となるまで待機してもよい(ステップS143;NO)。カウント値Tが遅延時間Dd以上となると(ステップS143;YES)、EUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260にターゲット27を出力させる出力信号を送信してもよい(ステップS144)。
【0062】
その後、EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4からターゲット27が所定の位置を通過したことを示す通過信号を受信するまで待機してもよい(ステップS145;NO)。通過信号を受信すると(ステップS145;YES)、EUV光生成制御システム5は、タイマTをリセットしてもよい(ステップS146)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、タイマTのカウント値Tが遅延時間Ld以上となるまで待機してもよい(ステップS147;NO)。遅延時間Ld以上となると(ステップS147;YES)、EUV光生成制御システム5は、レーザシステム3に1パルス分の出力トリガを送信してもよい(ステップS148)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。これにより、ターゲット27のEUV光生成位置通過タイミングに合わせてパルスレーザ光33がEUV光生成位置に集光するように、EUV光生成装置1Aが動作してもよい。
【0063】
4.5.5 レーザ照射像検出サブルーチン
つぎに、図5のステップS105に示されるレーザ照射像検出サブルーチンが、図9を用いて詳細に説明される。図9に示されるように、レーザ照射像検出サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、レーザ照射像検出器100のイメージセンサ104から、EUV光生成位置通過後のパルスレーザ光33のイメージデータ(像データ)を取得してもよい(ステップS151)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、取得したイメージデータに含まれるターゲット27の像(影)G27と、パルスレーザ光253の像G33とを検出してもよい(ステップS152)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、検出した像(影)G27の中心位置T(Xd,Yd)および検出した像G33の中心位置B(Xb,Yb)をそれぞれ検出してもよい(ステップS153)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。
【0064】
4.5.6 位置判定サブルーチン
つぎに、図5のステップS106に示される位置判定サブルーチンが、図10を用いて詳細に説明される。図10に示されるように、位置判定サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、まず、EUV光生成位置Eとターゲット27の位置(たとえば中心位置T(Xd,Yd))との距離Ltを算出してもよい(ステップS161)。距離Ltは、EUV光生成位置Eに対するターゲット27の座標差ΔT(ΔXd,ΔYd)を算出することで求められてもよい。座標差ΔT(ΔXd,ΔYd)は、たとえば目標とするEUV光生成位置E(Xt,Yt)とターゲット27の位置(たとえば中心位置T(Xd,Yd))とから求めることができる。算出した座標差ΔTおよび距離Ltは、たとえば不図示のメモリ等に保存されてもよい。なお、ここでは、Z方向のずれは考慮しないものとしてもよい。ただし、Z方向のずれを考慮する場合は、イメージデータにおけるターゲット27の像G27の大きさを用いるとよい。
【0065】
また、EUV光生成制御システム5は、EUV光生成位置Eとパルスレーザ光33の位置(たとえば中心位置L(Xb,Yb))との距離Lbを算出してもよい(ステップS162)。距離Lbは、EUV光生成位置Eに対するパルスレーザ光33の座標差ΔB(ΔXb,ΔYb)を算出することで求められてもよい。座標差ΔB(ΔXb,ΔYb)は、たとえば目標とするEUV光生成位置E(Xt,Yt)とパルスレーザ光33の位置(たとえば中心位置L(Xb,Yb))とから求めることができる。算出した座標差ΔBおよび距離Lbは、たとえば不図示のメモリ等に保存されてもよい。なお、ここでは、Z方向のずれ、すなわち焦点位置のZ方向のずれは考慮しないものとしてもよい。ただし、Z方向のずれを考慮する場合は、イメージデータにおけるパルスレーザ光33の像G33の大きさを用いるとよい。
【0066】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、距離LtおよびLbが、それぞれ許容範囲LtrおよびLbr内であるか否かを判定してもよい(ステップS163)。許容範囲内である場合(ステップS163;YES)、EUV光生成制御システム5は、たとえば不図示のメモリ内に設けた位置正常フラグに正常であることを示す“true”をセットしてもよい(ステップS164)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。一方、許容範囲外である場合(ステップS163;NO)、EUV光生成制御システム5は、位置正常フラグに異常であることを示す“false”をセットしてもよい(ステップS165)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。図5のステップS107では、この位置正常フラグを用いて判定が実行されてもよい。
【0067】
4.5.7 ターゲット位置制御サブルーチン
つぎに、図5のステップS110に示されるターゲット位置制御サブルーチンが、図11を用いて詳細に説明される。図11に示されるように、ターゲット位置制御サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、図10のステップS161で取得した座標差ΔT(ΔXd,ΔYd)を読み込んでもよい(ステップS171)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、この座標差ΔTに基づいて、ターゲット供給部260にターゲット27を出力させる出力信号の遅延時間Ddをk・ΔXd分、調整してもよい(Dd=Dd+k・ΔXd)(ステップS172)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260の2軸ステージ261をY方向にY調整量ΔYd分、移動させてもよい(ステップS173)。これにより、ターゲット27とパルスレーザ光31が所定のタイミングで目標とするEUV光生成位置Eに到達するように制御されてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。
【0068】
4.5.7.1 ターゲット位置制御サブルーチンの変形例
また、図5のステップS110に示されるターゲット位置制御サブルーチンは、図12に示されるようにも変形することができる。図12に示されるように、変形例によるターゲット位置制御サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、図10のステップS161で取得した座標差ΔT(ΔXd,ΔYd)を読み込んでもよい(ステップS175)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、この座標差ΔTに基づいて、レーザシステム3にパルスレーザ光31を出力させる出力トリガの遅延時間LdをX調整量k・ΔXd分、調整してもよい(Ld=Ld+k・ΔXd)(ステップS176)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260の2軸ステージ261をY方向にY調整量ΔYd分、移動させてもよい(ステップS177)。このように、パルスレーザ光31の出力タイミングを制御して所定のタイミングをシフトすることによっても、ターゲット27とパルスレーザ光31が所定のタイミングで目標とするEUV光生成位置Eに到達するように制御することができてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。
【0069】
4.5.8 レーザ集光位置制御サブルーチン
つぎに、図5のステップS111に示されるレーザ集光位置制御サブルーチンが、図13を用いて詳細に説明される。図13に示されるように、レーザ集光位置制御サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、図10のステップS162で取得した座標差ΔB(ΔXb,ΔYb)を読み込んでもよい(ステップS181)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、この座標差ΔBに基づいて、レーザ集光光学系220の高反射ミラー223のX方向およびY方向の角度変化量ΔθxおよびΔθyそれぞれを計算してもよい(Δθx=f(ΔXb)、Δθy=f(ΔYb))(ステップS182)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、高反射ミラー223を保持する2軸傾斜ステージ223aをΔθxおよびΔθy変化させる制御信号を送信してもよい(ステップS183)。これにより、パルスレーザ光33が所定のタイミングで目標とするEUV光生成位置Eを通過するように制御されてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。なお、パルスレーザ光33の焦点位置も制御する場合は、レーザ集光光学系220の1軸ステージ221aを移動させるように制御してもよい。
【0070】
以上のように、EUV光生成位置を通過したパルスレーザ光253の像検出結果に基づいて、パルスレーザ光33の集光位置とターゲット27の通過位置とを制御することで、高精度にEUV光の生成位置を制御してもよい。
【0071】
5.ドロプレットにプリパルスとメインパルスレーザ光が照射された時の像検出器を含むEUV光生成装置
つぎに、ターゲットを複数回レーザ照射する多段レーザ照射方式のEUV光生成装置1Bを、図面を用いて詳細に説明する。図14は、多段レーザ照射方式のEUV光生成装置1Bの概略構成を示す模式図である。なお、図2に示されるEUV光生成装置1Aと同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0072】
5.1 構成
図14に示されるEUV光生成装置1Bは、図2に示されるEUV光生成装置1Aと同様の構成を備えてもよい。ただし、EUV光生成装置1Bは、以下の点で、EUV光生成装置1Aと異なる構成を備えてもよい。
【0073】
EUV光生成装置1Bでは、レーザシステム3がレーザシステム3Bに置き換えられていてもよい。また、EUV光生成装置1Bでは、ビームデリバリーシステム34がビームデリバリーシステム34Bに置き換えられていてもよい。
【0074】
レーザシステム3Bは、パルスレーザ光(以下、これをメインパルスレーザ光という)31を出力するメインパルスレーザ装置MLと、プリパルスレーザ光41を出力するプリパルスレーザ装置PLとを含んでもよい。ビームデリバリーシステム34Bは、ビームコンバイナ341Bと、高反射ミラー342および343とを含んでもよい。EUV光生成点コントローラ51は、メインパルスレーザ装置MLとプリパルスレーザ装置PLとにそれぞれ接続していてもよい。
【0075】
高反射ミラー343の反射面には、プリパルスレーザ光41を高反射する膜がコートされていてもよい。ビームコンバイナ341Bのメインパルスレーザ光31が入射する面には、プリパルスレーザ光41を高透過させる膜がコートされていてもよい。ビームコンバイナ341Bの他方の面には、プリパルスレーザ光41を高透過し、メインパルスレーザ光31を高反射する膜がコートされていてもよい。
【0076】
プリパルスレーザ装置PLから出力されたプリパルスレーザ光41は、高反射ミラー343で反射されてもよい。反射されたプリパルスレーザ光41は、ビームコンバイナ341Bに入射してもよい。メインパルスレーザ装置MLから出力されたメインパルスレーザ光31は、ビームコンバイナ341Bに、プリパルスレーザ光41とは反対側の面から入射してもよい。ビームコンバイナ341Bは、たとえばダイクロイックミラーなどで構成されてもよい。このビームコンバイナ341Bは、メインパルスレーザ光31を高反射してもよく、プリパルスレーザ光41を高透過してもよい。ビームコンバイナ341Bは、反射したメインパルスレーザ光31の光路と透過したプリパルスレーザ光41の光路とが重なるように配置されてもよい。これにより、ビームコンバイナ341Bは、メインパルスレーザ光31の光路とプリパルスレーザ光41の光路とを重ね合わせる光路調整部として機能し得る。ビームコンバイナ341Bを透過したプリパルスレーザ光41は、その後、レーザ集光光学系220を通過することで、プリパルスレーザ光43としてEUV光生成位置に集光されてもよい。
【0077】
5.2 動作
つづいて、図14に示されるEUV光生成装置1Bの動作を説明する。なお、EUV光生成装置1Bの動作は、EUV光生成制御システム5によって制御されるため、以下では、EUV光生成制御システム5の動作を説明する。
【0078】
EUV光生成制御システム5は、露光装置6からEUV光生成要求信号とEUV光生成位置指定信号とを受信すると、ターゲット供給部260にターゲット27の出力信号を出力してもよい。そして、EUV光生成制御システム5は、ターゲット27がプラズマ生成領域25に到達した時にプリパルスレーザ光43がターゲット27に照射されるように、プリパルスレーザ装置PLにプリパルスレーザ光41の出力トリガ(レーザ出力タイミング)を送信してもよい。
【0079】
そして、EUV光生成制御システム5は、プリパルスレーザ光43の照射によってターゲット27がある程度拡散した後に、この発生した拡散ターゲットにメインパルスレーザ光33が照射されるように、メインパルスレーザ装置MLに出力トリガ(レーザ出力タイミング)を送信してもよい。ターゲット27がある程度拡散したか否かは、プリパルスレーザ光41へ出力トリガを送信したタイミングから所定の遅延時間経過したか否かに基づいて判定されてもよい。
【0080】
プリパルスレーザ光41は、ビームデリバリーシステム34Bを経由してもよい。具体的には、プリパルスレーザ光41は、ビームデリバリーシステム34Bの高反射ミラー343により高反射されてよく、ビームコンバイナ341Bを透過してよく、高反射ミラー342により反射されてもよい。その後、プリパルスレーザ光41は、チャンバ2のウィンドウ21を透過してチャンバ2内に進入してもよい。
【0081】
このプリパルスレーザ光41は、軸外放物面凹面ミラー222と高反射ミラー223とを備えたレーザ集光光学系220によって、プラズマ生成領域25に集光するプリパルスレーザ光43に変換されてもよい。このプラズマ生成領域25には、プリパルスレーザ光43の通過タイミングに合わせるように、ターゲット27が供給されてもよい。
【0082】
ターゲット27にプリパルスレーザ光43が照射されると、ターゲット27が飛散して拡散ターゲットが生成されてもよい。この拡散ターゲットにメインパルスレーザ光3が照射されることで、高効率にターゲット物質がプラズマ化されてもよい。それにより、EUV光のエネルギー変換効率CEが向上し得る。
【0083】
メインパルスレーザ光33は、たとえばプリパルスレーザ光43と同一光路で拡散ターゲットに照射されてもよい。拡散ターゲットは微粒子等によって構成され得る。そのため、メインパルスレーザ光33の一部は、これら微粒子のいずれにも照射されずに拡散ターゲットを通過し得る。拡散ターゲットを通過したメインパルスレーザ光33は、軸外放物面ミラー101によって45度で反射されてもよい。この際、メインパルスレーザ光33は、平行光であるメインパルスレーザ光253にコリメートされてもよい。レーザ照射像検出器100は、この拡散ターゲットを通過したメインパルスレーザ光253の像を検出してもよい。メインパルスレーザ光33が拡散ターゲットに照射された場合、メインパルスレーザ光253の像には拡散ターゲットの影が含まれ得る。メインパルスレーザ光33の光路は、ターゲット27に対する拡散ターゲットの発生位置、およびプリパルスレーザ光43の照射からメインパルスレーザ光33の照射までの時間に拡散ターゲットがドリフトする距離等を考慮して、プリパルスレーザ光43の光路からずれた光路に設定されてもよい。
【0084】
EUV光生成点コントローラ51は、レーザ集光点制御ドライバ52とターゲット供給ドライバ54とに制御信号を送信してもよい。これにより、露光装置コントローラ61から受信したEUV光生成位置指定信号で指定されたEUV光生成位置でメインパルスレーザ光33が拡散ターゲットに照射されるように、ターゲット供給部260およびレーザ集光光学系220が制御されてもよい。
【0085】
その他の構成および動作は、図2に示されるEUV光生成装置1Aと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0086】
5.3 作用
以上のように、拡散ターゲットを通過したメインパルスレーザ光33の像を検出することによって、拡散ターゲットに対するメインパルスレーザ光33の照射位置と、メインパルスレーザ光33の集光位置との両方を、直接的に検出することができてもよい。
【0087】
また、この検出結果に基づいて、プリパルスレーザ光43およびメインパルスレーザ光33の集光位置とターゲット27の通過位置とが制御可能であってもよい。それによれば、EUV光の生成位置が高精度に制御され得る。
【0088】
5.4 ターゲットにメインパルスレーザ光が照射された時の像
拡散ターゲットにメインパルスレーザ光を照射する場合の一例として、フラグメントにメインパルスレーザ光を照射する場合を説明する。図15に、ターゲット27にプリパルスレーザ光43を照射することで生成したフラグメント372とメインパルスレーザ光33との位置関係の一例を示す。また、図16に、レーザ照射像検出器100のイメージセンサ104で検出されたメインパルスレーザ光253の像を示す。図15において、破線431は、プリパルスレーザ光43のビーム断面における光強度分布を示す。破線431から分かるように、本例で使用するプリパルスレーザ光43は、ビーム断面の各位置における光強度が略等しい、いわゆるトップハット型の光強度分布を持ってもよい。以下、このような光強度分布を持つプリパルスレーザ光を、トップハットプリパルスレーザ光43Tという。
【0089】
図15に示されるように、ターゲット27にトップハットプリパルスレーザ光43Tが照射されると、ターゲット27が飛散してもよい。この結果、トップハットプリパルスレーザ光43Tの照射側とは反対側に、ターゲット物質が飛散したフラグメント372が生成され得る。図16に示されるように、フラグメント372は略円盤状に形成されてもよい。トップハットプリパルスレーザ光43Tのようにビーム断面の光強度分布が略均一の場合、イメージセンサ104で検出された像においては、円盤状フラグメントの中心位置T(Xs、Ys)は、ターゲット27の中心位置T(Xd,Yd)と略一致し得る。この理由を図17〜図19によって説明する。図17〜図19では、光軸Abと平行かつ、ターゲット27の中心を通る中心線Adがトップハットプリパルスレーザ光43Tの光軸Abからずれた場合を例示する。また、トップハット型の光強度分布をもつトップハットプリパルスレーザ光43Tの光束内にターゲット27全体が位置しているとする。このとき、ターゲット27が光束内に位置するかぎり、ターゲット27表面においてレーザ光が照射される部位はほぼ同一の部位であり得る。つまり、ターゲット27表面における入熱範囲および入熱分布はほぼ一定となり得る。この入熱条件が一定であればフラグメント372の飛散方向はトップハットプリパルスレーザ光43Tの入射方向に対してほぼ平行となり得る。結果として、光軸Abと平行かつ、フラグメント372の中心を通る中心線は、中心線Adと略一致し得る。なお、図17は、ターゲット27がトップハットプリパルスレーザ光43Tの光軸Abに対して+X方向にΔXずれた場合を示す。図18は、トップハットプリパルスレーザ光43Tの光軸Abがターゲット27の中心を通る場合を示す。図19は、ターゲット27がトップハットプリパルスレーザ光43Tの光軸Abに対して−X方向にΔXずれた場合を示す。図17〜図19に示されるように、レーザ光軸と同軸の方向から観測する場合、フラグメント中心位置T(Xs、Ys)とターゲット中心位置T(Xd,Yd)とは略一致して検出され得る。
【0090】
イメージセンサ104で検出された像を解析することで、目標とするEUV光生成位置E(Xt,Yt)とメインパルスレーザ光33の中心位置Lm(Xb,Yb)との座標差ΔBが求められてもよい。トップハットプリパルスレーザ光43T(およびメインパルスレーザ光33)の中心位置は、求められた結果に基づいて制御されてもよい。もしくは、目標とするEUV光生成位置E(Xt,Yt)とフラグメント372の中心位置T(Xs,Ys)との座標差ΔTを求めて、その結果に基づいてターゲット27の中心位置が制御されてもよい。
【0091】
一方、図20〜図22に示の破線432に示されるように、プリパルスレーザ光43Gの強度分布がガウシアン形状である場合、発生したフラグメント372の中心位置T(Xs、Ys)は、ターゲット27の中心位置T(Xd,Yd)とプリパルスレーザ光43Gの中心位置Lp(Xb,Yb)との関係によって変化する場合がある。すなわち、フラグメント372は、プリパルスレーザ光43Gの中心位置Lp(Xb,Yb)に対してターゲット27の中心位置T(Xd,Yd)が変位している方向に発生し得る。この方向は、プレパルスレーザ光43Gのターゲット27への入射方向と平行ではない場合がある。なお、図20は、ターゲット27がプリパルスレーザ光43Gの光軸Abに対して+X方向にΔXずれた場合を示す。図21は、プリパルスレーザ光43Gの光軸Abがターゲット27の中心を通る場合を示す。図22は、ターゲット27がプリパルスレーザ光43Gの光軸Abに対して−X方向にΔXずれた場合を示す。プリパルスレーザ光43Gの強度分布がガウシアン形状である場合は、目標とするEUV光生成位置E(Xt,Yt)とメインパルスレーザ光33の中心位置Lm(Xb,Yb)との座標差ΔBに対して、上記変位分が考慮されるとよい。トップハットプリパルスレーザ光43T(およびメインパルスレーザ光33)の中心位置またはターゲット27の中心位置は、上記変位分が考慮された座標差に基づいて制御されるとよい。
【0092】
5.5 制御フロー
つぎに、図14に示されるEUV光生成装置1Bの動作を、図面を用いて詳細に説明する。EUV光生成装置1Bの動作は、図5〜図13に示されるEUV光生成装置1Aの動作と略同様であってよい。ただし、図6に示されるパラメータ初期設定サブルーチン(図5のステップS101)は、図23に示されるパラメータ初期設定サブルーチンに置き換えられてもよい。また、図8に示されるEUV光生成サブルーチン(図5のステップS104)は、図24に示されるEUV光生成サブルーチンに置き換えられてもよい。
【0093】
5.5.1 パラメータ初期設定サブルーチン
図23に示されるように、本例によるパラメータ初期設定サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、EUV光生成位置の初期値E(Xt0、Yt0)を読み込んでもよい(ステップS221)。この初期値E(Xt0,Yt0)は、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。
【0094】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、ドロップレット生成器26に入力する出力信号の基準クロックからの遅延時間Ddに初期値Dd0を設定してもよい(ステップS222)。この初期値Dd0は、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。また、EUV光生成制御システム5は、ターゲット27の所定位置通過タイミングに対するプリパルスレーザ光41の出力トリガの遅延時間Ldpに初期値Ldp0を設定してもよい(ステップS223)。また、EUV光生成制御システム5は、ターゲット27の所定位置通過タイミングに対するメインパルスレーザ光31の出力トリガの遅延時間Ldmに初期値Ldm0を設定してもよい(ステップS224)。この初期値Ldp0およびLdm0は、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。なお、遅延時間Ldpとは、たとえばターゲットセンサ4からターゲット27の所定位置通過を検出した信号が出力されてから、EUV光生成位置上でターゲット27にプリパルスレーザ光43を照射するまでに必要となる出力トリガの遅延時間であってよい。また、遅延時間Ldmとは、プリパルスレーザ光43に対するメインパルスレーザ光33の照射タイミングの遅延時間であってよい。
【0095】
つづいて、EUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260の2軸ステージ261やレーザ集光光学系220の1軸ステージ221aなどの各種アクチュエータを駆動する際のパラメータとして、比例定数kを読み込んでもよい(ステップS225)。この比例定数kは、たとえば不図示のメモリ等に記憶されていてもよいし、露光装置6などの外部装置から与えられてもよい。
【0096】
その後、EUV光生成制御システム5は、実際のEUV光生成位置に対する許容範囲を読み込んでよい(ステップS226)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。なお、許容範囲には、メインパルスレーザ光33およびプリパルスレーザ光41の光軸に対する許容範囲Ltrと、ターゲット27の通過位置に対する許容範囲Lbrとが含まれていてもよい。
【0097】
5.5.2 EUV光生成サブルーチン
また、図24に示されるように、本例によるEUV光生成サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、基準クロックを受信するまで待機してもよい(ステップS241;NO)。基準クロックを受信すると(ステップS241;YES)、EUV光生成制御システム5は、不図示のタイマTをリセットしてもよい(ステップS242)。
【0098】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、タイマTのカウント値Tが遅延時間Dd以上となるまで待機してもよい(ステップS243;NO)。遅延時間Dd以上となると(ステップS243;YES)、EUV光生成制御システム5は、ターゲット供給部260にターゲット27を出力させる出力信号を送信してもよい(ステップS244)。
【0099】
その後、EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4からターゲット27が所定の位置を通過したことを示す通過信号を受信するまで待機してよい(ステップS245;NO)。通過信号を受信すると(ステップS245;YES)、EUV光生成制御システム5は、タイマTをリセットしてもよい(ステップS246)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、タイマTのカウント値Tがプリパルスレーザ光41の遅延時間Ldp以上となるまで待機してよい(ステップS247;NO)。遅延時間Ldp以上となると(ステップS247;YES)、EUV光生成制御システム5は、プリパルスレーザ装置PLに1パルス分の出力トリガを送信してもよい(ステップS248)。
【0100】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、タイマTのカウント値Tがメインパルスレーザ光31の遅延時間Ldm以上となるまで待機してよい(ステップS249;NO)。カウント値Tが遅延時間Ldm以上となると(ステップS249;YES)、EUV光生成制御システム5は、メインパルスレーザ装置MLに1パルス分の出力トリガを送信してよい(ステップS250)。その後、EUV光生成制御システム5は、図5に示される動作へリターンしてもよい。これにより、ターゲット27のEUV光生成位置通過タイミングに合わせて、プリパルスレーザ光43とメインパルスレーザ光33とが順次、適切なタイミングでプリパルスレーザ光43またはメインパルスレーザ光33を出力するように動作してもよい。
【0101】
以上のように、EUV光生成位置を通過したパルスレーザ光253の像検出結果に基づいて、プリパルスレーザ光43およびメインパルスレーザ光33の集光位置とターゲット27の通過位置とが制御されてもよい。それによれば、EUV光の生成位置が高精度に制御され得る。
【0102】
6.ビームデリバリーシステムにレーザの集光点のアクチュエータを含むEUV光生成装置
つぎに、メインパルスレーザ光33またはプリパルスレーザ光43の焦点位置を制御するZ方向レーザ集光点調節器345がビームデリバリーシステム34C内に設けられた場合のEUV光生成装置1Cを、図面を用いて詳細に説明する。図25は、ビームデリバリーシステム34Cを備えたEUV光生成装置1Cの概略構成を示す模式図である。なお、図2または図14に示されるEUV光生成装置1Aまたは1Bと同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0103】
6.1 構成
図25に示されるEUV光生成装置1Cは、図14に示されるEUV光生成装置1Bと同様の構成を備えてもよい。ただし、EUV光生成装置1Cは、以下の点で、EUV光生成装置1Bと異なる構成を備えてもよい。
【0104】
EUV光生成装置1Cでは、ビームデリバリーシステム34Bがビームデリバリーシステム34Cに置き換えられていてもよい。また、EUV光生成装置1Cでは、レーザ集光光学系220がレーザ集光光学系220Cに置き換えられていてもよい。
【0105】
ビームデリバリーシステム34Cは、ビームデリバリーシステム34Bと同様の構成を備えてもよい。ただし、ビームデリバリーシステム34Cでは、高反射ミラー342が2軸傾斜ステージ342aによって保持されていてもよい。なお、高反射ミラー342および2軸傾斜ステージ342aはチャンバ2内に配置されてもよい。
【0106】
また、ビームデリバリーシステム34Cでは、高反射ミラー343とビームコンバイナ341Bとの間に、トップハット機構344が設けられていてもよい。トップハット機構344は、プリパルスレーザ装置PLと高反射ミラー343との間に設けられていてもよい。なお、プリパルスレーザ装置PLがビーム断面における強度分布がトップハット形状のプリパルスレーザ光41を出力する場合は、トップハット機構344が省略されてもよい。ビームデリバリーシステム34Cでは、ビームコンバイナ341Bと高反射ミラー342との間に、Z方向レーザ集光点調節器345が設けられていてもよい。
【0107】
6.2 動作
ビームデリバリーシステム34Cの高反射ミラー342を保持する2軸傾斜ステージ342aは、レーザ集光点制御ドライバ52からの制御の下で駆動してもよい。これにより、2軸傾斜ステージ342aは、図14のレーザ集光光学系220における高反射ミラー223および2軸傾斜ステージ223aと同様の機能を果たしてもよい。その場合、図25に示される例では、レーザ集光光学系220Cがサブチャンバ2bまたは間仕切りプレート201に固定されていてもよい。
【0108】
トップハット機構344は、プリパルスレーザ光41のビーム断面における強度分布をトップハット形状に変換してもよい。Z方向レーザ集光点調節器345は、メインパルスレーザ光31およびプリパルスレーザ光41のダイバージェンスを調節することで、メインパルスレーザ光33およびプリパルスレーザ光43の集光点をZ方向に移動させることが可能であってよい。
【0109】
レーザ集光光学系220Cは、軸外放物面凸面ミラー224と、軸外放物面凹面ミラー225とを含んでもよい。軸外放物面凸面ミラー224は、ウィンドウ21を介して入射したプリパルスレーザ光41およびメインパルスレーザ光31をビーム拡大してもよい。軸外放物面凹面ミラー225は、軸外放物面凸面ミラー224によってビーム拡大されたプリパルスレーザ光41およびメインパルスレーザ光31を、それぞれプリパルスレーザ光43およびメインパルスレーザ光33としてEUV光生成位置に集光してもよい。軸外放物面凸面ミラー224および軸外放物面凹面ミラー225は、それぞれおよそ45°入射となるように、ベースプレート221に固定されてもよい。このベースプレート221は、サブチャンバ2bまたは間仕切りプレート201に固定されてもよい。
【0110】
6.3 作用
図25に示されるEUV光生成装置1Cでは、メインパルスレーザ光33がフラグメント372を通過した後の像を検出することによって、フラグメント372に対するメインパルスレーザ光33の照射位置と、メインパルスレーザ光33の集光位置との両方が直接的に検出されてもよい。
【0111】
また、この検出結果に基づいて、メインパルスレーザ光33の集光位置とターゲット27の通過位置と制御可能であってもよい。それによれば、EUV光の生成位置が高精度に制御され得る。
【0112】
さらに、メインパルスレーザ光33およびプリパルスレーザ光43の集光点を制御する機構(2軸傾斜ステージ342aおよびZ方向レーザ集光点調節器345)がビームデリバリーシステム34C内に設置されてもよい。これによれば、チャンバ2内に配置するレーザ集光光学系220Cの構成が簡略化され得る。なお、2軸傾斜ステージ342aがチャンバ2内に配置された場合であっても、チャンバ2内に1軸ステージ221aが設置されなくともよい。この場合、レーザ集光光学系220Cが簡単で機械的に安定な構成となり得る。
【0113】
7.補足説明
7.1 2軸傾斜ステージ
ここで、上述した2軸傾斜ステージ223aおよび342aの一例を、図面を参照して説明する。図26は、2軸傾斜ステージ223a/342aの一例を示す斜視図である。図26に示されるように、2軸傾斜ステージ223a/342aは、高反射ミラー223/342が固定されるホルダ2231およびたとえば2つの自動マイクロメータ2233、2234を備えてもよい。ホルダ2231が自動マイクロメータ2233、2234を介して取り付けられることで、ホルダ2231に固定された高反射ミラー223/342のX軸方向のアオリ角度θxおよびY軸方向のアオリ角度θyの調節が可能となり得る。なお、高反射ミラー223/342の反射面中心における垂線がZ軸と定義された場合、アオリ角度θxはX軸を中心に回転するピッチ角度、アオリ角度θyはY軸を中心に回転するヨウ角度であってよい。このような2軸傾斜ステージを備えたホルダ2231には市販品を用いることができる。このような市販品には、たとえばNEWPORT社製AG−M100NV6などがある。
【0114】
7.2 集光位置調節機構
つぎに、上述したZ方向レーザ集光点調節器345の一例が、図27を参照して説明される。図27に示されるように、Z方向レーザ集光点調節器345は、高反射ミラー3451および3453ならびに軸外放物面凹面ミラー3454および3455を含んでもよい。高反射ミラー3453および軸外放物面凹面ミラー3454は、たとえば高反射ミラー3451および軸外放物面凹面ミラー3455に対して移動可能なステージ3452に固定されていてもよい。このステージ3452が移動することで、軸外放物面凹面ミラー3454と軸外放物面凹面ミラー3455との距離が調節されてもよい。その場合、入射したパルスレーザ光31の波面が目的の波面に調節され得る。その結果、メインパルスレーザ光31およびプリパルスレーザ光41のダイバージェンスを調節することが可能となり得る。
【0115】
7.3 集光位置調節機構の変形例
また、Z方向レーザ集光点調節器345は、図28〜図30に示されるようにも変形することができる。図28〜図30は、変形例によるZ方向レーザ集光点調節器345の一例を示す。図28〜図30に示されるように、Z方向レーザ集光点調節器345Aは、たとえば反射面の曲率を変更することが可能なデフォーマブルミラー3456を用いて構成されてもよい。デフォーマブルミラー3456は、たとえば反射面が平面である場合、図28に示されるように、平行光で入射するパルスレーザ光31をそのまま平行光として反射してもよい。また、たとえば反射面が凹面となるように曲率が調整されていた場合、図29に示されるように、デフォーマブルミラー3456は、平行光で入射するパルスレーザ光31を焦点距離が+F離れた焦点F12に集光されるように反射してもよい。一方、たとえば反射面が凸面となるように曲率が調整されていた場合、図30に示されるように、デフォーマブルミラー3456は、平行光で入射するパルスレーザ光31を、ビーム断面積が拡大されたパルスレーザ光として反射してもよい。このビーム断面積が拡大されたパルスレーザ光は、焦点距離−F離れた位置に焦点F13を持っていてもよい。このように、反射面の曲率を変更可能なデフォーマブルミラー3456を用いることで、入射光に対する反射光の波面を所定の波面に調節することが可能であってよい。その結果、メインパルスレーザ光31およびプリパルスレーザ光41のダイバージェンスを調節することが可能であってよい。
【0116】
7.4 トップハット機構
つぎに、上述したトップハット機構344について、図面を参照して詳細に説明する。図31は、トップハット機構344の一例であるトップハット機構344Aの構成を模式的に示す。図31に示されるように、トップハット機構344Aは、高精度回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)344aを含んでもよい。DOE344aは、プリパルスレーザ光41が入射する面または出射する面に高精度の回折格子を備えてもよい。DOE344aから出射したプリパルスレーザ光41は、3次元回折されてもよい。この結果、プリパルスレーザ光41の回折光が合成されてもよい。合成された回折光は、その光強度分布がトップハット形状のトップハットプリパルスレーザ光41Tであってもよい。出力されたトップハットプリパルスレーザ光41Tは、レーザ集光光学系220を介することで、トップハットプリパルスレーザ光43Tとなってよい。トップハットプリパルスレーザ光43Tは、ターゲット27への照射位置においてその光強度分布がほぼ均一となるように、チャンバ2内のEUV光生成位置に集光してもよい。なお、図31には、透過型のDOEを例示したが、これに限らず、反射型のDOEが用いられてもよい。
【0117】
7.5 トップハット機構の変形例1
また、図32は、変形例1によるトップハット機構344Bの構成を模式的に示す。図32に示されるように、トップハット機構344Bは、位相光学素子344bを用いて構成されてもよい。位相光学素子344bは、プリパルスレーザ光41が入射する面または出射する面が波打った形状を有してよい。このため、位相光学素子344bを通過したプリパルスレーザ光41は、通過する位置に応じた位相シフトを受けていてもよい。部分的に異なる位相シフトを受けたプリパルスレーザ光41は、その光強度分布がトップハット形状のトップハットプリパルスレーザ光41Tであってもよい。その後、トップハットプリパルスレーザ光41Tは、レーザ集光光学系220によってトップハットプリパルスレーザ光43Tとなってよい。なお、図32には、透過型の位相光学素子を例示したが、これに限らず、反射型の位相光学素子を用いてもよい。
【0118】
7.6 トップハット機構の変形例2
図33は、変形例2によるトップハット機構344Cの構成を模式的に示す。図33に示されるように、トップハット機構344Cは、マスク344cと、コリメートレンズ344dとを備えてもよい。マスク344cは、プリパルスレーザ光41における光強度分布が比較的平坦な部分のみを通過させてもよい。コリメートレンズ344dは、マスク344cを通過後に広がったプリパルスレーザ光41をコリメートしてもよい。このようなトップハット機構344Cによれば、マスク344cの像がコリメートレンズ344dとレーザ集光光学系220とによって、EUV光生成位置に結像され得る。
【0119】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0120】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0121】
1、1A、1B、1C EUV光生成装置
2 チャンバ
2a メインチャンバ
2b サブチャンバ
3、3B レーザシステム
4 ターゲットセンサ
5 EUV光生成制御システム
6 露光装置
21 ウィンドウ
22 レーザ光集光ミラー
23 EUV集光ミラー
24、201a 貫通孔
25 プラズマ生成領域
26 ドロップレット生成器
27 ターゲット
28 ターゲット回収器
29 接続部
291 壁
292 中間焦点(IF)
31、33 パルスレーザ光(メインパルスレーザ光)
34、34B、34C レーザ光進行方向制御アクチュエータ部(ビームデリバリーシステム)
41、43、43G プリパルスレーザ光
41T、43T トップハットプリパルスレーザ光
51a 基準クロック生成器
51 EUV光生成点コントローラ
52 レーザ集光点制御ドライバ
53 ターゲットコントローラ
54 ターゲット供給ドライバ
100 レーザ照射像検出器
101 軸外放物面ミラー
101a 支柱
102、341B ビームスプリッタ
103 結像レンズ
104 イメージセンサ
105 ダンパ
110 検出器チャンバ
110a 連結穴
201 間仕切りプレート
220、220C レーザ集光光学系
221 ベースプレート
221a 1軸ステージ
222、225 軸外放物面凹面ミラー
222a ミラーホルダ
223、341、342、343 高反射ミラー
223a、342a 2軸傾斜ステージ
224 軸外放物面凸面ミラー
260 ターゲット供給部
261 2軸ステージ
271 プリプラズマ
272、372 フラグメント
344 トップハット機構
345 Z方向レーザ集光点調節器
Ab 光軸
Ad 中心線
G27、G33、G372 像
ML メインパルスレーザ装置
PL プリパルスレーザ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ装置を備えた極端紫外光生成装置において、
前記レーザ装置から出力されたレーザ光を導入するウィンドウを備えたチャンバと、
前記チャンバ内部の所定位置付近にターゲットを出力するターゲット供給部と、
前記所定位置付近に前記レーザ光を集光するレーザ集光光学系と、
前記所定位置付近を通過したレーザ光の像を検出する検出器と、
前記所定位置付近における前記ターゲットの通過位置を調整するターゲット位置調整装置と、
前記所定位置付近における前記レーザ光の集光位置を調整するレーザ集光位置調整装置と、
前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲット位置調整装置と前記レーザ集光位置調整装置とを制御する制御部と、
を備える極端紫外光生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出器で検出された像から、前記ターゲットの像における位置と前記レーザ光の像における位置との差を算出し、該算出した差に基づいて前記ターゲット位置調整装置と前記レーザ集光位置調整装置を制御する、
請求項1記載の極端紫外光生成装置。
【請求項3】
前記レーザ光の広がり角を調節する広がり角調整機構をさらに備え、
前記制御部は、前記検出器で検出された像から、前記レーザ光の集光サイズを算出し、該算出した差に基づいて前記広がり角調整機構を制御する、
請求項2記載の極端紫外光生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検出器で検出された像から、前記ターゲットの像における位置と前記レーザ光の像における位置との差を算出し、該算出した差に基づいて前記ターゲット供給部が前記ターゲットを供給するタイミング、または、前記レーザ装置が前記レーザ光を出力するタイミングを制御する、
請求項2記載の極端紫外光生成装置。
【請求項5】
前記レーザ装置は、
第1レーザ光を出力する第1レーザ装置と、
第2レーザ光を出力する第2レーザ装置とを含み、
前記レーザ集光光学系は、前記第1および第2レーザ光を前記所定位置付近に集光し、
前記検出器は、前記所定位置付近を通過した第2レーザ光の像を検出し、
前記レーザ集光位置調整装置は、前記所定位置付近における前記第1および第2レーザ光のうち少なくとも一方の集光位置を調整し、
前記制御部は、前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲット位置調整装置と前記レーザ集光位置調整装置とを制御する、
請求項1記載の極端紫外光生成装置。
【請求項6】
レーザ装置から出力されたレーザ光を導入するウィンドウを備えたチャンバと、
前記チャンバ内部の所定位置付近にターゲットを供給するターゲット供給部と、
前記所定位置付近に前記レーザ光を集光するレーザ集光光学系と、
前記所定位置付近を通過したレーザ光の像を検出する検出器と、
を備えた装置の極端紫外光生成方法であって、
前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲットの通過位置と前記レーザ光の集光位置とを制御する、極端紫外光生成方法。
【請求項7】
前記検出器で検出された像から、前記ターゲットの通過位置と前記レーザ光の集光位置との差を算出し、該算出した差に基づいて、前記ターゲットの通過位置を調節する、
請求項6記載の極端紫外光生成方法。
【請求項8】
前記検出器で検出された像から、前記ターゲットの通過位置と前記レーザ光の集光位置との差を算出し、該算出した差に基づいて、前記レーザ光の通過位置を調節する、
請求項6記載の極端紫外光生成方法。
【請求項9】
前記検出器で検出された像から、前記ターゲットの通過位置と前記レーザ光の集光位置との差を算出し、該算出した差に基づいて、前記レーザ光の広がり角を調節する、
請求項8記載の極端紫外光生成方法。
【請求項10】
前記検出器で検出された像から、前記ターゲットの通過位置と前記レーザ光の集光位置との差を算出し、該算出した差に基づいて前記ターゲット供給部が前記ターゲットを供給するタイミング、または、前記レーザ装置が前記レーザ光を出力するタイミングを制御する、
請求項9記載の極端紫外光生成方法。
【請求項11】
前記レーザ装置は、第1レーザ光を出力する第1レーザ装置と、第2レーザ光を出力する第2レーザ装置とを含み、
前記レーザ集光光学系は、前記第1および第2レーザ光を前記所定位置付近に集光し、
前記検出器は、前記所定位置付近を通過した第2レーザ光の像を検出し、
前記検出器で検出された像に基づいて、前記ターゲットの通過位置と前記第1および第2レーザ光のうち少なくとも一方の集光位置とを制御する、
請求項10記載の極端紫外光生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−199512(P2012−199512A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271331(P2011−271331)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】