説明

極端紫外光生成装置

【課題】極端紫外光生成装置において、ターゲットの大きさやターゲットの位置の安定性を向上させる。
【解決手段】この極端紫外光生成装置は、ターゲット物質を貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット物質を出力するノズル部と、ターゲット物質との間に直流電圧が印加されたときにターゲット物質のターゲットを生成する電極と、ターゲットを検出して検出信号を出力するターゲット検出器と、内部で極端紫外光が生成されるチャンバと、ターゲット物質と電極との間に印加される直流電圧を調節する直流電圧調節器と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質に印加される圧力を調節する圧力調節器と、ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいて、直流電圧調節器と圧力調節器との内の少なくとも1つを制御する制御装置とを備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外(EUV)光を生成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、移動経路放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0192145号明細書
【概要】
【0005】
本開示の第1の観点に係る極端紫外光生成装置は、レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、ターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部の内部と連通する貫通孔が形成され、ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質を出力するノズル部と、ノズル部に対向して配置され、ターゲット物質との間に直流電圧が印加されたときに、ノズル部から出力されるターゲット物質をターゲットに分離することによってターゲット物質のターゲットを生成する電極と、電極によって生成されたターゲット物質のターゲットを検出して検出信号を出力するターゲット検出器と、レーザ装置から導入されるレーザ光がターゲット物質のターゲットに照射されて、内部で極端紫外光が生成されるチャンバと、ターゲット物質と電極との間に印加される直流電圧を調節する直流電圧調節器と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質に気体を介して印加される圧力を調節する圧力調節器と、ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいて、直流電圧調節器と圧力調節器との内の少なくとも1つを制御する制御装置とを備えてもよい。
【0006】
また、本開示の第2の観点に係る極端紫外光生成装置は、レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、ターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、ターゲット貯蔵部の内部と連通する貫通孔が形成され、ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質を出力するノズル部と、ノズル部に取り付けられ、電圧が印加されたときにノズル部に機械的な変形を生じさせる圧電素子と、ノズル部に対向して配置され、ターゲット物質との間に直流電圧が印加されたときに、ノズル部から出力されるターゲット物質をターゲットに分離することによってターゲット物質のターゲットを生成する電極と、電極によって生成されたターゲット物質のターゲットを検出して検出信号を出力するターゲット検出器と、レーザ装置から導入されるレーザ光がターゲット物質のターゲットに照射されて、内部で極端紫外光が生成されるチャンバと、ターゲット物質と電極との間に印加される直流電圧を調節する直流電圧調節器と、ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質に気体を介して印加される圧力を調節する圧力調節器と、圧電素子に印加されるパルス電圧を生成するパルス電圧生成回路とを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。
【図2】図2は、1つの実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。
【図3A】図3Aは、図2に示すターゲット供給装置及びその周辺部を示す一部断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示すターゲット供給装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図4は、図2に示すEUV光生成システムにおける具体的な動作の一例を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、ターゲットの生成周波数を制御する場合のターゲット検出サブルーチンを示すフローチャートである。
【図5B】図5Bは、ターゲットの生成周波数を制御する場合のターゲット制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6A】図6Aは、ターゲットの径を制御する場合のターゲット検出サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6B】図6Bは、ターゲットの径を制御する場合のターゲット制御サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、光学式のターゲット検出器が用いられるEUV光生成装置の一部断面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの示すEUV光生成装置のVIIB−VIIB面における断面図である。
【図7C】図7Cは、光学式のターゲット検出器が用いられるEUV光生成装置の一部断面図である。
【図7D】図7Dは、図7Cに示すEUV光生成装置のVIID−VIID面における断面図である。
【図8】図8は、磁気回路式のターゲット検出器が用いられるEUV光生成装置の一部を示す図である。
【図9A】図9Aは、図3Aに示すターゲット供給装置の変形例及びその周辺部を示す一部断面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aに示すターゲット供給装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図10】図10は、帯電ターゲットを検出するために用いられるターゲットセンサの構成の一例を示す図である。
【実施形態】
【0008】
<内容>
1.概要
2.用語の説明
3.極端紫外光生成システムの全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.静電引出型のターゲット供給装置が搭載されたEUV光生成装置
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用
5.静電引出型のターゲット供給装置
5.1 構成
5.2 動作
6.EUV光生成装置の具体的な動作例
7.ターゲット検出器のバリエーション
7.1 光学式(1)
7.2 光学式(2)
7.3 磁気回路式
8.ターゲット供給装置の変形例
8.1 構成
8.2 動作
8.3 作用
9.補足説明
9.1 磁気回路による帯電ターゲットの検出
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
1.概要
露光装置等において用いられるLPP式のEUV光生成装置では、ターゲット供給装置から出力されるドロップレット形状のターゲット物質にパルスレーザ光を照射することによってターゲット物質をプラズマ化し、プラズマから放射されるEUV光が外部装置に出力されてもよい。出力されるEUV光のエネルギーを安定させるためには、ターゲット供給装置から出力されるターゲットの大きさやプラズマ生成領域におけるターゲットの位置のばらつきが小さいのが好ましい。
【0011】
2.用語の説明
本願において使用される幾つかの用語を以下に定義する。「チャンバ」は、EUV光生成装置において、プラズマの生成が行われる空間を外部から隔絶するための容器である。「ターゲット供給装置」は、EUV光を生成するために用いられる溶融したスズ等のターゲット物質をドロップレットの形状でチャンバ内に供給するための装置である。「EUV集光ミラー」は、プラズマから放射されるEUV光を反射してチャンバ外に出力するためのミラーである。
【0012】
3.極端紫外光生成システムの全体説明
3.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい。本願においては、EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、ターゲット供給装置26等を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。ターゲット供給装置は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられてもよい。ターゲット供給装置から供給されるターゲットの材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せ等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0013】
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられてもよい。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられてもよく、ウインドウ21をレーザ装置3から出力されるパルスレーザ光32が透過してもよい。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有し得る。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が、中間集光点(IF)292に位置するように配置されるのが好ましい。中間集光点292は、外部装置(例えば、露光装置6)の仕様によって規定されてもよい。EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられてもよく、貫通孔24をパルスレーザ光33が通過してもよい。
【0014】
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御部5、ターゲットセンサ4等を含んでもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよく、ターゲットの存在、移動経路、位置、速度等を検出するよう構成されてもよい。
【0015】
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通させる接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
【0016】
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット物質を回収するためのターゲット回収部28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。
【0017】
3.2 動作
図1を参照に、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過し、チャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内を進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射されてもよい。
【0018】
ターゲット供給装置26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するよう構成されてもよい。ターゲット27はドロップレット形状であってもよい。ターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射されてもよい。パルスレーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光251が放射され得る。放射光251に含まれるEUV光252は、EUV集光ミラー23によって選択的に反射されてもよい。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光252は、中間集光点292で集光され、露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
【0019】
EUV光生成制御部5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括するよう構成されてもよい。EUV光生成制御部5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理するよう構成されてもよい。また、EUV光生成制御部5は、例えば、ターゲット27が出力されるタイミング、ターゲット27の出力方向等を制御するよう構成されてもよい。さらに、EUV光生成制御部5は、例えば、レーザ装置3の発振タイミング、パルスレーザ光32の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置等を制御するよう構成されてもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
【0020】
4.静電引出型のターゲット供給装置が搭載されたEUV光生成装置
4.1 構成
図2は、1つの実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。図2に示すように、チャンバ2の内部には、レーザ光集光光学系22aと、EUV集光ミラー23と、ターゲット回収部28と、EUV集光ミラーホルダ41と、プレート42及び43と、ビームダンプ44と、ビームダンプ支持部材45とが設けられてもよい。
【0021】
チャンバ2は、電気伝導性が高い材料(例えば、金属材料)で構成される部材(導電性部材)を含んでもよい。さらに、チャンバ2は、電気絶縁性を有する部材を含んでもよい。その場合には、例えば、チャンバ2の外壁は導電性部材で構成され、外壁の内側に電気絶縁性を有する部材が配置されてもよい。チャンバ2の導電性部材は、直流(DC)電圧調節器55の基準電位(0V)に電気的に接続されており、さらに、接地されてもよい。
【0022】
チャンバ2には、プレート42が固定され、プレート42には、プレート43が固定されてもよい。EUV集光ミラー23は、EUV集光ミラーホルダ41によって姿勢制御可能に保持されてもよく、EUV集光ミラーホルダ41はプレート42に固定されてもよい。
【0023】
レーザ光集光光学系22aは、軸外放物面ミラー221と、平面ミラー222と、それらのミラーを保持するためのホルダとを含んでもよい。軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222は、それぞれのミラーで反射されたレーザ光がプラズマ生成領域25で集光されるように、それぞれのホルダを介してプレート43に固定されてもよい。
【0024】
ビームダンプ44は、レーザ光の光路の延長線上に位置するように、ビームダンプ支持部材45を介してチャンバ2に固定されてもよい。ターゲット回収部28は、プラズマ生成領域25のターゲット進行方向下流側(図中下側)において、ターゲットの移動経路の延長線上に配置されてもよい。
【0025】
チャンバ2には、ウインドウ21と、静電引出型のターゲット供給装置26と、ターゲット検出器46とが取り付けられてもよい。ターゲット供給装置26は、リザーバ(ターゲット貯蔵部)61と、ノズル部62と、電極66とを含んでもよい。ターゲット物質としては、導電性を有する液体金属等が用いられてもよいが、本開示の実施形態においては、融点が232℃であるスズ(Sn)が用いられる場合を例として説明する。
【0026】
リザーバ61には、ターゲット物質であるスズが内部に貯蔵されてもよい。ノズル部62には、リザーバ61の内部と連通する貫通孔が形成されてもよい。ノズル部62の貫通孔を介して、リザーバ61に貯蔵されているターゲット物質が出力されてもよい。電極66は、ノズル部62に対向して配置されてもよい。電極66とターゲット物質との間に直流電圧が印加されると、ターゲット物質に静電気力が作用し、ノズル部62から突出したターゲット物質がドロップレット状のターゲットに分離されて出力され得る。ターゲット供給装置26の詳細については、後で詳しく説明する。
【0027】
ターゲット検出器46は、ターゲット供給装置26から出力されて所定の領域を通過するターゲットを検出して、ターゲット検出信号をターゲット制御装置52に出力するよう構成されてもよい。
【0028】
チャンバ2の外部には、ビームデリバリーシステム34aと、EUV光生成制御部5とが設けられてもよい。ビームデリバリーシステム34aは、高反射ミラー341及び342と、それらのミラーのホルダと、ホルダが配置される筐体とを含んでもよい。EUV光生成制御部5は、EUV光生成制御装置51と、ターゲット制御装置52と、圧力調節器53と、不活性ガスボンベ54と、DC電圧調節器55と、トリガ信号生成回路56と、タイマー57とを含んでもよい。
【0029】
圧力調節器53は、リザーバ61に貯蔵されているターゲット物質に印加される気体の圧力を調節するよう構成されてもよい。これにより、ターゲットの生成周波数が調節されてもよい。例えば、圧力調節器53は、不活性ガスボンベ54から供給される不活性ガスの圧力を調節するよう構成されてもよい。
【0030】
DC電圧調節器55は、電極66とターゲット物質との間に印加される直流電圧を調節するよう構成されてもよい。これにより、ターゲット供給装置26から出力されるターゲットの大きさが調節されてもよい。例えば、DC電圧調節器55は、商用電源から供給される交流電圧を整流して直流電圧を生成し、その直流電圧をDC/DC変換して所望の直流電圧を生成するよう構成されるスイッチング電源回路を含んでもよい。
【0031】
トリガ信号生成回路56には、ターゲット検出器46から出力されるターゲット検出信号が、ターゲット制御装置52を介して入力されてもよい。トリガ信号生成回路56は、入力されたターゲット検出信号に対して所望の遅延を施したトリガ信号を生成し、そのトリガ信号をレーザ装置3に出力するよう構成されてもよい。トリガ信号はレーザ光を出力するタイミングを規定するための信号であってもよい。これにより、レーザ装置3から出力されるレーザ光が、プラズマ生成領域に到達したターゲットに、正確に照射され得る。
【0032】
タイマー57は、水晶振動子等によるクロック信号をカウントして計時値を生成し、ターゲット制御装置52に出力するよう構成されてもよい。計時値は、ターゲットの生成周波数を計測するために用いられてもよい。
【0033】
4.2 動作
ターゲット制御装置52は、EUV光生成制御装置51からターゲット出力信号を受信すると、ターゲットの生成を開始するための制御信号を出力するよう構成されてもよい。具体的には、ターゲット制御装置52は、リザーバ61の内部が所定の圧力となるように圧力調節器53に制御信号を出力するよう構成されてもよい。また、ターゲット制御装置52は、ターゲット物質と電極66との間の電位差が所定の電位差となるようにDC電圧調節器55に制御信号を出力するよう構成されてもよい。
【0034】
これらの制御信号に従って、圧力調節器53は、リザーバ61の内部が所定の圧力となるように不活性ガスの圧力を調節するよう構成されてもよい。また、DC電圧調節器55は、ターゲット物質と電極66との間の電位差が所定の電位差となるように、ターゲット物質と電極66との間に印加される直流電圧を調節するよう構成されてもよい。これにより、ターゲット供給装置26は、ドロップレット形状のターゲットをチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するよう構成されてもよい。
【0035】
ターゲット検出器46は、所定の領域を通過するターゲットを検出して、ターゲット検出信号をターゲット制御装置52に出力するよう構成されてもよい。ターゲット検出信号には、ターゲットの大きさ、生成周波数等を示す情報が含まれてもよい。ターゲット制御装置52は、入力されたターゲット検出信号に基づいて、ターゲットが所定の大きさで生成されるようにDC電圧調節器55に制御信号を出力するよう構成されてもよい。また、ターゲット制御装置52は、入力されたターゲット検出信号に基づいて、ターゲットが所定の生成周波数で生成されるように圧力調節器53に制御信号を出力するよう構成されてもよい。
【0036】
ターゲット制御装置52は、ターゲットの大きさ、生成周波数等が所定の範囲内にあることを監視するよう構成されてもよい。所定時間、ターゲットの大きさ、生成周波数等が所定の範囲内であることが検出された場合、ターゲット制御装置52は、ターゲット生成準備完了信号をEUV光生成制御装置51に出力するよう構成されてもよい。EUV光生成制御装置51は、ターゲット生成準備完了信号を受信した場合、所定の遅延時間を設定するための信号をトリガ信号生成回路56に出力するよう構成されてもよい。この遅延時間は、ターゲットが所定の領域を通過したことが検出されてから、ターゲットがプラズマ生成領域に到達してレーザ光に照射されるまでの時間となるように設定されてもよい。
【0037】
さらに、EUV光生成制御装置51は、ゲート開信号をトリガ信号生成回路56に出力するよう構成されてもよい。トリガ信号生成回路56は、ゲート開信号を受信すると、トリガ信号をレーザ装置3に出力するよう構成されてもよい。これにより、レーザ装置3は、トリガ信号に同期してパルスレーザ光を出力するよう構成されてもよい。
【0038】
レーザ装置3から出力されるパルスレーザ光は、高反射ミラー341及び342によって反射されて、ウインドウ21を介してレーザ光集光光学系22aに入射してもよい。レーザ光集光光学系22aに入射したパルスレーザ光は、軸外放物面ミラー221によって集光され、平面ミラー222によって反射されてもよい。これにより、パルスレーザ光がターゲットに照射され、ターゲット物質がプラズマ化して、EUV光が放射され得る。放射されたEUV光は、EUV集光ミラー23によって中間集光点292に集光された後、露光装置に出力されてもよい。
【0039】
4.3 作用
本実施形態によれば、ターゲット制御装置52は、ターゲット検出器46の検出結果に基づいて、ターゲットが所定の大きさ、生成周波数等で生成されるように、DC電圧調節器55と圧力調節器53との内の少なくとも1つを制御するよう構成されてもよい。これにより、ターゲットの大きさや生成周波数等の安定性が向上され得る。
【0040】
また、トリガ信号生成回路56は、ターゲット検出器46の検出結果に基づいて、レーザ装置3にトリガ信号を出力するよう構成されてもよい。これにより、レーザ装置3から出力されるレーザ光は、ターゲットがプラズマ生成領域に到達した時に、高精度にターゲットに照射され得る。
【0041】
ここで、DC電圧調節器55は、ターゲット物質と電極66との間に直流電圧を印加するよう構成されるので、パルス電圧が印加される場合と比較して、ターゲット毎の印加電圧の変動が抑制される可能性がある。従って、ターゲットの大きさ等の安定性がさらに向上され得る。
【0042】
5.静電引出型のターゲット供給装置
5.1 構成
図3Aは、図2に示すターゲット供給装置及びその周辺部を示す一部断面図である。図3Bは、図3Aに示すターゲット供給装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【0043】
図3Aに示すように、ターゲット供給装置26は、リザーバ61と、ノズル部62と、電極63と、ヒータ64と、電気絶縁部材65と、電極66とを含んでもよい。リザーバ61及びノズル部62は、一体的に形成されてもよいし、別個に形成されてもよい。
【0044】
リザーバ61は、合成石英、アルミナ等の電気絶縁体で構成されてもよく、ターゲット物質であるスズが内部に貯蔵されてもよい。ヒータ64は、リザーバ61に取り付けられて、リザーバ61内に貯蔵されるスズを溶融状態に維持するために、リザーバ61をスズの融点(232℃)以上に加熱してもよい。また、ヒータ64は、リザーバ61の温度を検出するための図示しない温度センサ、ヒータ64に電流を供給するための図示しないヒータ電源、度センサによって検出された温度に基づいてヒータ電源を制御するための図示しない温度制御器等と共に用いられてもよい。
【0045】
図3Bに示すように、ノズル部62には、ターゲットを出力するための貫通孔(オリフィス)が形成されてもよく、その貫通孔がリザーバ61の内部と連通してもよい。また、ノズル部62は、ターゲット物質に電界を集中させるために、ターゲット物質の出力側に突き出た先端部を有してもよい。
【0046】
ノズル部62には、電極66を保持するための電気絶縁部材65が固定されてもよい。電気絶縁部材65は、ノズル部62と電極66との間を電気的に絶縁してもよい。電極66は、ノズル部62のオリフィスからターゲット物質を引き出すために、ノズル部62の出口側の面に対向するように、所定の距離d(d>0)離間して配置されてもよい。電気絶縁部材65及び電極66の各々には、ターゲット27を通過させるために、貫通孔が形成されてもよい。
【0047】
再び図3Aを参照に、DC電圧調節器55の一方の出力端子に接続された配線は、リザーバ61に設けられた気密端子(フィードスルー)を介して、ターゲット物質に接触している電極63に接続されてもよい。DC電圧調節器55の他方の出力端子に接続された配線は、例えば、チャンバ2に設けられたフィードスルーを介して、電極66に接続されてもよい。
【0048】
5.2 動作
DC電圧調節器55は、ターゲット制御装置52の制御の下で、ターゲット物質に静電気力を作用させるために、ターゲット物質と電極66との間に直流電圧を印加するよう構成されてもよい。例えば、DC電圧調節器55は、基準電位V2(0V)よりも高い電位V1を生成し、電極63を介してターゲット物質に正の電位V1を印加し、電極66に基準電位V2を印加してもよい。又は、DC電圧調節器55は、基準電位V2(0V)よりも低い電位V1を生成し、ターゲット物質に負の電位V1を印加し、電極66に基準電位V2を印加してもよい。これらにより、ターゲット物質と電極66との間に所定の直流電圧(V1−V2)が印加され得る。或いは、ノズル部62が金属製である場合には、DC電圧調節器55は、ノズル部62と電極66との間に所定の直流電圧(V1−V2)を印加してもよい。
【0049】
圧力調節器53は、不活性ガスボンベ54から供給される不活性ガスの圧力を調整するよう構成されてもよい。これにより、リザーバ61に貯蔵されているターゲット物質には不活性ガスによる圧力が印加されてもよい。ターゲット物質に不活性ガスによる圧力が印加されると、ノズル部62のオリフィスを介して、ターゲットが出力され得る。
【0050】
不活性ガスボンベ54から供給される不活性ガスの圧力によってターゲット物質がノズル部62のオリフィスから突出した状態となってもよい。次に、ターゲット物質と電極66との間に直流電圧が印加されると、ターゲット物質に静電気力が作用して、突出した状態のターゲット物質がターゲットに分離され得る。これにより、ターゲット物質がドロップレット形状の帯電ターゲットとして出力されてもよい。
【0051】
この際、ターゲットの大きさは、ターゲット物質と電極66との間に作用する静電気力によって決定され得る。静電気力が大きい場合、ターゲット物質が突出するとすぐにターゲットに分離され得るので、ターゲットは小さくなり得る。一方、静電気力が小さい場合、ターゲット物質の突出した部分が比較的大きくなってからターゲットに分離され得るので、ターゲットは大きくなり得る。
【0052】
ターゲット物質と電極66との間に作用する静電気力は、ターゲット物質と電極66との間に印加される直流電圧(V1−V2)によって決定され得る。一方、ターゲットの生成周波数は、リザーバ61内のターゲット物質に印加される圧力によって決定され得る。従って、直流電圧(V1−V2)を調節することによってターゲットの大きさを制御し、ターゲット物質に印加される圧力を調節することによってターゲットの生成周波数を制御することが可能なように構成されてもよい。
【0053】
6.EUV光生成装置の具体的な動作例
EUV光生成装置の具体的な動作例について、図4〜図6Bを参照しながら説明する。図4は、図2に示すEUV光生成装置における具体的な動作の一例を示すフローチャートである。
【0054】
図4を参照に、ステップS1において、ターゲット制御装置52は、EUV光生成制御装置51からターゲット出力信号を受信したか否かを判定してもよい。露光装置等からEUV光生成信号を受信した場合、EUV光生成制御装置51は、ターゲット出力信号をターゲット制御装置52に出力してもよい。ターゲット制御装置52がターゲット出力信号を受信しない場合(ステップS1;NO)、ステップS1が繰り返されてもよい。一方、ターゲット制御装置52がターゲット出力信号を受信した場合(ステップS1;YES)、処理がステップS2に移行してもよい。
【0055】
ステップS2において、ターゲット制御装置52は、DC電圧調節器55を制御することにより、ターゲット供給装置26におけるターゲット物質と電極66との間に所定の電位差を与えてもよい。次に、ステップS3において、ターゲット制御装置52は、圧力調節器53を制御することにより、ターゲット供給装置26のリザーバ61内に所定の圧力を加えてもよい。
【0056】
ステップS4において、ターゲット制御装置52は、ターゲットのカウント数Nをゼロに設定してもよい。ステップS5において、ターゲット制御装置52は、ターゲット検出サブルーチンを実行することにより、ターゲットの生成周波数、径等を検出してもよい。
【0057】
ステップS6において、ターゲット制御装置52は、ターゲットのカウント数Nに1を加算してもよい。ステップS7において、ターゲット制御装置52は、Nが所定の値Kを超えたか否かを判定してもよい。所定の値Kは、ターゲットの予定出力回数であり、必要に応じた値でよい。所定の値Kは、前もってターゲット制御装置52入力されていてもよいし、EUV光生成制御装置51に入力された値をターゲット制御装置52が参照するように構成されてもよい。Nが所定の値K以下である場合、処理がステップS5に戻ってもよい。一方、Nが所定の値Kを超えた場合、処理がステップS8に移行してもよい。
【0058】
ステップS8において、ターゲット制御装置52は、ターゲット制御サブルーチンを実行することにより、ターゲットの生成周波数、径等を制御してもよい。
【0059】
EUV光生成制御装置51は、露光装置等からEUV光生成停止信号を受信すると、ターゲット出力停止信号をターゲット制御装置52に出力してもよい。そこで、ステップS9において、ターゲット制御装置52は、EUV光生成制御装置51からターゲット出力停止信号を受信したか否かを判定してもよい。ターゲット制御装置52がターゲット出力停止信号を受信しない場合、処理がステップS4に戻ってもよい。一方、ターゲット制御装置52がターゲット出力停止信号を受信した場合、処理がステップS10に移行してもよい。
【0060】
ステップS10において、ターゲット制御装置52は、圧力調節器53を制御することにより、ターゲット供給装置26のリザーバ61内の圧力を所定の値に下げてもよい。次に、ステップS11において、ターゲット制御装置52は、DC電圧調節器55を制御することにより、ターゲット供給装置26におけるターゲット物質と電極66との間の電位差をゼロに降下させてよい。その後、処理がステップS1に戻ってもよい。
【0061】
図5Aは、ターゲットの生成周波数を制御する場合のターゲット検出サブルーチンを示すフローチャートである。ステップS51において、ターゲット制御装置52は、ターゲット検出信号をターゲット検出器46から受信した時点で、タイマー57の計時値Tを読み込んでもよい。
【0062】
ステップS52において、ターゲット制御装置52は、ターゲットのカウント数Nが1以上であるか否かを判定してもよい。Nが0であれば、処理がステップS54に移行してもよい。一方、Nが1以上であれば、処理がステップS53に移行してもよい。
【0063】
ステップS53において、ターゲット制御装置52は、タイマー57の計時値Tに基づいて、ターゲットの生成周波数H=1/Tを算出してもよい。その後、ステップS54において、ターゲット制御装置52は、タイマー57の計時値Tをゼロにリセットして、処理がメインルーチンに戻ってもよい。このようにして、ターゲットの生成周波数の計測がK回行われて、K個の計測値が得られてもよい。
【0064】
図5Bは、ターゲットの生成周波数を制御する場合のターゲット制御サブルーチンを示すフローチャートである。ステップS81において、ターゲット制御装置52は、K個の計測値を積算して、積算値をKで除算することにより、ターゲットの生成周波数の平均値(平均周波数)HAVを算出してもよい。
【0065】
ステップS82において、ターゲット制御装置52は、平均周波数HAVが所定の下限値H以上かつ所定の上限値H以下であるか否かを判定してもよい。平均周波数HAVが所定の下限値H以上かつ所定の上限値H以下である場合、処理がメインルーチンに戻ってもよい。
【0066】
平均周波数HAVが所定の下限値Hよりも小さい場合、処理がステップS83に移行してもよい。ステップS83において、ターゲット制御装置52は、圧力調節器53の設定圧力Pを所定の値ΔPだけ増加させてもよい。これにより、ターゲット供給装置26におけるターゲットの生成周波数を増加させてもよい。その後、処理がメインルーチンに戻ってもよい。所定の値ΔPは実験により決定され、前もってターゲット制御装置52に入力されていてもよい。
【0067】
一方、平均周波数HAVが所定の上限値Hよりも大きい場合、処理がステップS84に移行してもよい。ステップS84において、ターゲット制御装置52は、圧力調節器53の設定圧力Pを所定の値ΔPだけ減少させてもよい。これにより、ターゲット供給装置26におけるターゲットの生成周波数を減少させてもよい。その後、処理がメインルーチンに戻ってもよい。
【0068】
図6Aは、ターゲットの径を制御する場合のターゲット検出サブルーチンを示すフローチャートである。ステップS55において、ターゲット制御装置52は、ターゲット検出器46から受信したターゲット検出信号に基づいてターゲットの径Dを計測してもよい。
【0069】
ステップS56において、ターゲット制御装置52は、ターゲットのカウント数Nが1以上であるか否かを判定してもよい。Nが0であれば、処理がメインルーチンに戻ってもよい。
【0070】
一方、Nが1以上であれば、処理がステップS57に移行してもよい。ステップS57において、ターゲット制御装置52は、ステップS55において計測されたターゲットの径Dを、N回目の計測におけるターゲットの径Dに代入してもよい。その後、処理がメインルーチンに戻ってもよい。このようにして、ターゲットの径の計測がK回行われて、K個の計測値D〜Dが得られるように構成されてもよい。
【0071】
図6Bは、ターゲットの径を制御する場合のターゲット制御サブルーチンを示すフローチャートである。ステップS85において、ターゲット制御装置52は、K個の計測値を積算して、積算値をKで除算することにより、ターゲットの径の平均値(平均径)DAVを算出してもよい。
【0072】
ステップS86において、ターゲット制御装置52は、平均径DAVが所定の下限値D以上かつ所定の上限値D以下であるか否かを判定してもよい。平均径DAVが所定の下限値D以上かつ所定の上限値D以下である場合、処理がメインルーチンに戻ってもよい。
【0073】
平均径DAVが所定の下限値Dよりも小さい場合、処理がステップS87に移行してもよい。ステップS87において、ターゲット制御装置52は、DC電圧調節器55の設定電圧Vを所定の値ΔVだけ減少させてもよい。これにより、ターゲット供給装置26によって生成されるターゲットの径を増大させてもよい。その後、処理がメインルーチンに戻ってもよい。所定の値ΔVは実験により決定され、前もってターゲット制御装置52に入力されていてもよい。
【0074】
一方、平均径DAVが所定の上限値Dよりも大きい場合、処理がステップS88に移行してもよい。ステップS88において、ターゲット制御装置52は、DC電圧調節器55の設定電圧Vを所定の値ΔVだけ増加させてもよい。これにより、ターゲット供給装置26によって生成されるターゲットの径を減少させてもよい。その後、処理がメインルーチンに戻ってもよい。
【0075】
7.ターゲット検出器のバリエーション
7.1 光学式(1)
図7Aは、光学式のターゲット検出器が用いられる第1の例におけるEUV光生成装置の一部断面図である。図7Bは、図7Aに示すEUV光生成装置のVIIB−VIIB面における断面図である。図7Bに示すように、チャンバ2には、光を透過させるウインドウ2a及び2bが設けられてもよい。第1の例において、光学式のターゲット検出器は、ターゲット検出用光源71と、第1の光学系72と、第2の光学系73と、光検出器74とを含んでもよい。
【0076】
ターゲット検出用光源71は、半導体レーザ等のレーザ装置であってもよいし、ランプ光源であってもよい。ターゲット検出用光源71から出力される光はシートビームでもよい。第1の光学系72は、少なくとも1つのレンズ又はミラーを含み、ターゲット検出用光源71から出力される光を集光してもよい。集光された光は、ウインドウ2aを介してチャンバ2内に入射してもよい。チャンバ2内に入射した光の進行方向に直交する方向に、ターゲットが通過してもよい。ターゲットに照射されていない部分の光は、ウインドウ2bを介して第2の光学系73に入射してもよい。
【0077】
第2の光学系73は、少なくとも1つのレンズ又はミラーを含み、入射光を光検出器74に集光してもよい。光検出器74は、入射光の光強度を検出するためのフォトダイオード等の光検出素子であってもよいし、ターゲットの影を含む画像を検出するためのCCD等の撮像素子であってもよい。
【0078】
7.2 光学式(2)
図7Cは、光学式のターゲット検出器が用いられる第2の例におけるEUV光生成装置の一部断面図である。図7Dは、図7Cに示すEUV光生成装置のVIID−VIID面における断面図である。図7Dに示すように、チャンバ2には、光を透過させるウインドウ2aが設けられてもよい。第2の例において、光学式のターゲット検出器は、ターゲット検出用光源71と、光検出器74と、ビームスプリッタ75と、光学系76及び77とを含んでもよい。
【0079】
ビームスプリッタ75は、ターゲット検出用光源71から出力される光の一部を透過させてもよい。ターゲット検出用光源71から出力される光は、シートビームでもよい。光学系76は、少なくとも1つのレンズ又はミラーを含み、ビームスプリッタ75を透過した光を集光してもよい。集光された光は、ウインドウ2aを介してチャンバ2内に入射してもよい。チャンバ2内でターゲットによって反射された光は、ウインドウ2aを介して光学系76に再度入射してもよい。光学系76は、入射光をビームスプリッタ75に向けて出力してもよい。ビームスプリッタ75は、光学系76から入射する光の一部を反射してもよい。ビームスプリッタ75で反射された光は光学系77に入射し、光学系77よって光検出器74に集光されてもよい。
【0080】
図7Bにおいて、光検出器74は、光強度がしきい値よりも低下した場合に、ターゲット検出信号を出力してもよい。ターゲット検出信号は、ある時間幅を持つパルス状の波形の信号でもよい。ターゲット制御装置52(図2参照)は、ターゲット検出信号が出力されるタイミングに基づいてターゲットの通過タイミング及びターゲットの生成周波数を計測してもよい。また、図7Dにおいては、光検出器74は、光強度がしきい値よりも上昇した場合に、ターゲット検出信号を出力してもよい。
【0081】
光検出器74が撮像素子である場合には、ターゲット制御装置52は、光検出器74から出力される画像情報を処理してターゲットの径を計測するよう構成されてもよい。また、ターゲット制御装置52は、光検出器74から出力される画像情報を処理してターゲットの間隔Lを計測し、次式に基づいてターゲットの生成周波数Hを算出するよう構成されてもよい。
H=V/L
ここで、Vはターゲットの速度を表す。
【0082】
7.3 磁気回路式
図8は、磁気回路式のターゲット検出器が用いられるEUV光生成装置の一部を示す図である。図8に示すように、電極66のターゲット進行方向下流側に磁気回路式のターゲットセンサ47が配置されてもよい。
【0083】
図8に示すターゲット供給装置26の主要な構成要素は、遮蔽カバー81と、遮蔽カバー81に取り付けられた蓋82とによって構成される遮蔽容器に封入されてもよい。遮蔽カバー81には、ターゲット27を通過させるための貫通孔が形成されてもよい。遮蔽カバー81は、プラズマ生成領域において生成されるプラズマから放出される荷電粒子から電気絶縁部材65等の電気的な絶縁物を遮蔽してもよい。
【0084】
遮蔽カバー81は、電気伝導性を有する材料(例えば、金属材料)を含んでもよく、電気伝導性を有してもよい。遮蔽カバー81は、直接的に、又は、ワイヤ等の導電性接続部材を介して、チャンバ2の導電性部材(例えば、外壁)に電気的に接続されてもよい。チャンバ2の導電性部材は、DC電圧調節器55の基準電位(0V)に電気的に接続されてもよく、接地されてもよい。
【0085】
蓋82の材料としては、例えば、ムライト等の電気絶縁材料が用いられてもよい。また、ターゲット供給装置26は、リザーバ61の温度を検出するための温度センサ67、ヒータ64を加熱するための電流を供給するヒータ電源58、及び、温度センサ67によって検出された温度に基づいてヒータ電源58を制御する温度制御器59をさらに備えてもよい。
【0086】
ターゲットセンサ47は、遮蔽容器の内部に配置されてもよい。ターゲットセンサ47に接続されたターゲット検出回路48は、遮蔽容器の外部に設けられてもよい。
【0087】
ターゲットセンサ47は、磁気コアと、磁気コアの周囲に巻回されたコイルとを含んでもよい。磁気コアには、ターゲット27を通過させるための貫通孔が形成されてもよい。磁気コアには、貫通孔周囲に閉ループの磁気回路が形成されてもよい。貫通孔を帯電したターゲット27が通過することにより磁気回路に発生する磁束が、コイルに誘導起電力を生じさせてもよい。
【0088】
ターゲット検出回路48は、この誘導起電力を検出して、ターゲット検出信号として出力するよう構成されてもよい。ターゲット検出信号は、ある時間幅を持つパルス状の波形の信号でもよい。ノズル部62から出力されて電極66の貫通孔を通過したターゲット27がターゲットセンサ47の貫通孔を通過する際に、ターゲット検出回路48は、ターゲット検出信号を出力してもよい。
【0089】
電極66に接続された配線及びターゲットセンサ47に接続された配線は、蓋82に設けられた気密端子83を介して、DC電圧調節器55及びターゲット検出回路48にそれぞれ接続されてもよい。ターゲット物質に電位を印加するための電極63に接続された配線は、蓋82に設けられた気密端子84を介して、DC電圧調節器55に接続されてもよい。加熱用のヒータ64に接続された配線及び温度センサ67に接続された配線は、蓋82に設けられた気密端子85を介して、ヒータ電源58及び温度制御器59にそれぞれ接続されてもよい。
【0090】
ターゲット制御装置52は、ターゲット検出信号の出力タイミングに基づいて、ターゲットの通過タイミング及びターゲットの生成周波数を計測してもよい。また、ターゲット制御装置52は、ターゲット検出信号の時間幅等に基づいてターゲットの径を算出してもよい。なお、ターゲットセンサ47の配置は図8に示す配置に限定されず、ノズル部62からプラズマ生成領域までの間におけるターゲットの移動経路上に配置されてもよい。
【0091】
8.ターゲット供給装置の変形例
8.1 構成
図9Aは、図3Aに示すターゲット供給装置の変形例及びその周辺部を示す一部断面図である。図9Bは、図9Aに示すターゲット供給装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。ターゲット供給装置26aにおいては、図3Aに示すターゲット供給装置26におけるノズル部62に圧電素子68が取り付けられてもよい。また、圧電素子68に印加されるパルス電圧を生成するためのパルス電圧生成回路57が追加されてもよい。ターゲット制御装置52は、パルス電圧生成回路57を制御するよう構成されてもよい。その他の点に関しては、図3Aに示すターゲット供給装置と同様でよい。
【0092】
圧電素子68は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電体と、圧電体の2つの面にそれぞれ形成された少なくとも1対の電極とを含んでもよい。あるいは、ノズル部62の外周面が電気伝導性を有する場合には、ノズル部62の外周面が一方の電極として用いられてもよい。パルス電圧生成回路57は、圧電素子68の2つの電極間に電圧を印加してもよい。印加される電圧による圧電効果に応じて圧電体が伸縮し得る。これにより、圧電素子68は、ノズル部62に機械的な変形又は振動を生じさせてもよい。
【0093】
8.2 動作
ターゲット制御装置52は、EUV光生成制御装置51(図2参照)からターゲット出力信号を受信すると、ターゲット物質と電極66との間の電位差が所定の電位差となるように、DC電圧調節器55に制御信号を出力するよう構成されてもよい。次に、ターゲット制御装置52は、リザーバ61内のターゲット物質に印加される圧力が所定の圧力となるように、圧力調節器53に制御信号を出力するよう構成されてもよい。
【0094】
さらに、ターゲット制御装置52は、所定の周波数、所定のパルス幅、及び、所定のピーク電圧を有するパルス信号を所定のタイミングで生成するために、パルス電圧生成回路57に制御信号を出力してもよい。パルス電圧生成回路57は、圧電素子68の2つの電極間にパルス電圧を印加することにより、圧電素子68を伸縮させてもよい。
【0095】
パルス電圧生成回路57によって所定の電圧が圧電素子68に印加されると、圧電素子68が伸縮して、ノズル部62が圧電素子68の伸縮によって押されて変形し、ノズル部62のオリフィスからターゲット物質が突出し得る。それによって、ターゲット物質と電極66との間に電界集中が起こり、静電気力が増加し得る。静電気力が突出したターゲット物質の表面張力よりも大きくなると、ターゲット物質が分離されて、ドロップレット形状のターゲットとして出力され得る。
【0096】
ターゲット検出器46は、ターゲットが所定の領域を通過した際にターゲット検出信号を出力するよう構成されてもよい。ターゲット制御装置52は、ターゲット検出器46から入力されるターゲット検出信号に基づいて、ターゲットが所定の領域を通過するタイミングを計測し、ターゲットが所定のタイミングで所定の領域を通過するように、パルス電圧生成回路57におけるパルス電圧の周波数、パルス幅、ピーク電圧、生成タイミング等を制御するよう構成されてもよい。
【0097】
ここで、パルス電圧生成回路57は、パルス電圧に直流バイアス電圧が重畳した電圧を生成するよう構成されてもよい。この場合、定常状態においてノズル部62をある程度収縮させておき、必要に応じてノズル部62をさらに収縮させたり、逆に伸張させたりすることが可能となる。これにより、ノズル部62からターゲット物質を突出させることも、一端突出したターゲット物質をノズル部62内に収容することも可能なように構成されてもよい。
【0098】
ターゲット制御装置52は、パルス電圧生成回路57の制御と並行して、又は、前後して、ターゲット検出器46から出力されるターゲット検出信号に基づいてターゲットの大きさを計測し、ターゲットが所定の大きさで生成されるようにDC電圧調節器55を制御するよう構成されてもよい。また、ターゲット制御装置52は、ターゲット検出器46から入力されるターゲット検出信号に基づいてターゲットの生成周波数を計測し、ターゲットが所定の生成周波数で生成されるように圧力調節器53を制御するよう構成されてもよい。
【0099】
ターゲット制御装置52は、ターゲットの大きさ、生成周波数、所定の領域におけるターゲットの通過タイミング等が所定の範囲内にあることを監視してもよい。所定時間、ターゲットの大きさ、生成周波数、所定の領域におけるターゲットの通過タイミング等が所定の範囲内であることが検出された場合、ターゲット制御装置52は、ターゲット生成準備完了信号をEUV光生成制御装置51(図2参照)に出力するよう構成されてもよい。EUV光生成制御装置51は、ターゲット生成準備完了信号を受信した場合、所定の遅延時間を設定するための信号をトリガ信号生成回路56に出力するよう構成されてもよい。この遅延時間は、ターゲットが所定の領域を通過したことが検出されてから、ターゲットがプラズマ生成領域に到達してレーザ光が照射されるまでの時間となるよう設定されてもよい。また、EUV光生成制御装置51は、ゲート開信号をトリガ信号生成回路56に出力するよう構成されてもよい。ゲート開信号により、トリガ信号生成回路56は、レーザ装置3にトリガ信号を出力するよう構成されてもよい。
【0100】
8.3 作用
ターゲット供給装置26aは、ターゲット検出器46の検出結果に基づいてDC電圧調節器55と圧力調節器53とパルス電圧生成回路57との内の少なくとも1つが制御されることによって、ターゲットの大きさ、生成周波数、所定の領域におけるターゲットの通過タイミングの安定性を向上させることが可能なように構成されてもよい。特に、圧電素子68に印加されるパルス電圧の周波数、パルス幅、ピーク電圧、生成タイミング等が制御されることにより、オンデマンドでターゲットを生成することが可能なように構成されてもよい。
【0101】
また、EUV光生成システムは、トリガ信号生成回路56が、ターゲット検出器46の検出結果に基づいてレーザ装置にトリガ信号を出力することによって、ターゲットがプラズマ生成領域に到達した時点で、ターゲットがレーザ光に高精度に照射されるように構成されてもよい。
【0102】
9.補足説明
9.1 磁気回路による帯電ターゲットの検出
図10は、帯電ターゲットの検出に用いられるターゲットセンサの構成の一例を示す。図10に示すように、磁気コア101の形状によって閉ループが形成された磁気回路にコイル102が巻き付けられ、コイル102の両端が電流計103に接続されてもよい。電流計103は、2つの入力端子間に接続された抵抗104と、抵抗104の両端の電圧を計測するための電圧計105とを含んでもよい。ここで、帯電したターゲット27が移動すると、アンペールの右ねじの法則に従って、ターゲット27の周囲に磁場が発生し得る。ターゲット27が磁気回路の閉ループを通過することにより、この磁場による磁力線が磁気回路内部を通過し得る。このとき、コイル102の両端には磁気回路内の磁力線がもたらす電磁誘導による誘導起電力が発生し得る。結果として、コイル102に電流が流れ得る。この電流は、電流計103によって計測され、電流の流れるタイミングが検出されてもよい。
【0103】
磁気コア101の材料は、強磁性体でよい。磁気コア101の材料としては、例えば、フェライト磁石、ネオジューム磁石、サマリュームコバルト磁石、軟鉄等が用いられてもよい。ここで、磁気回路が小さくなるほど、コイル102に流れる電流が大きくなり得る。また、ターゲット27の帯電量が大きくなるほど、コイル102に流れる電流が大きくなり得る。
【0104】
一例として、ターゲット27の径が数十μm、帯電量が数pCの場合、磁気コア101の大きさは、幅Wが0.6mm程度で、長さLが0.85mm程度であるのが好ましい。また、ターゲットの帯電量を大きくするために、静電引出型のターゲット供給装置が用いられてもよい。
【0105】
図10に示す例においては、磁気コア101が長方形の形状を有しているが、この例に限定されることなく、磁気コア101は、円形、多角形、楕円形等の形状を有してもよい。即ち、磁気回路が閉ループを有するように磁気コア101が構成されていればよい。そして、ターゲットが磁気回路の閉ループ内を通過するように、磁気コア101が配置されるのが好ましい。このとき、磁気回路の閉ループに沿う面とターゲットの移動経路とが成す角度を90度以外の角度とする場合、ターゲット27の通過タイミングは、閉ループに沿う面に対するターゲット27の通過位置に相関し得る。即ち、ターゲット通過信号のタイミングに基づいてターゲット27の通過位置が算出されてもよい。ターゲット27の通過位置は、ターゲット27の出力時刻と、ターゲット27の速度と、図8に示すノズル部62からターゲットセンサ47までの距離と、ターゲットセンサ47のターゲットの移動経路に対する傾斜角度とを予め計測しておくことにより、簡単な計算から求められ得る。
【0106】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0107】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0108】
1…EUV光生成装置、11…EUV光生成システム、2…チャンバ、21…ウインドウ、22…レーザ光集光ミラー、221…軸外放物面ミラー、222…平面ミラー、22a…レーザ光集光光学系、23…EUV集光ミラー、24…貫通孔、25…プラズマ生成領域、251、252…EUV光、26、26a…ターゲット供給装置、27…ターゲット、28…ターゲット回収部、29…接続部、291…壁、292…中間集光点、2a、2b…ウインドウ、3…レーザ装置、31〜33…パルスレーザ光、34…レーザ光進行方向制御部、34a…ビームデリバリーシステム、341、342…高反射ミラー、4…ターゲットセンサ、41…EUV集光ミラーホルダ、42、43…プレート、44…ビームダンプ、45…ビームダンプ支持部材、46…ターゲット検出器、47…ターゲットセンサ、48…ターゲット検出回路、5…EUV光生成制御部、51…EUV光生成制御装置、52…ターゲット制御装置、53…圧力調節器、54…不活性ガスボンベ、55…DC電圧調節器、56…トリガ信号生成回路、57…タイマー、57…パルス電圧生成回路、58…ヒータ電源、59…温度制御器、6…露光装置、61…リザーバ、62…ノズル部、63…電極、64…ヒータ、65…電気絶縁部材、66…電極、67…温度センサ、68…圧電素子、71…ターゲット検出用光源、72、73、76、77…光学系、74…光検出器、75…ビームスプリッタ、81…遮蔽カバー、82…蓋、83〜85…気密端子、101…磁気コア、102…コイル、103…電流計、104…抵抗、105…電圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、
ターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、
前記ターゲット貯蔵部の内部と連通する貫通孔が形成され、ターゲット物質からなるターゲットを出力するノズル部と、
前記ノズル部に対向して配置され、ターゲットが通過する貫通孔が形成された電極と、
ターゲットを検出して検出信号を出力するターゲット検出器と、
内部で極端紫外光が生成されるチャンバと、
前記ターゲット物質と前記電極との間に調整可能に直流電圧を印加する直流電圧調節器と、
前記ターゲット物質に気体を介して調整可能に圧力印加する圧力調節器と、
前記ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいて、前記直流電圧調節器と前記圧力調節器との内の少なくとも1つを制御する制御装置と、
を備える極端紫外光生成装置。
【請求項2】
前記ターゲット検出器から出力される検出信号を遅延し、遅延された検出信号に基づいて、前記レーザ装置がレーザ光を出力するタイミングを規定するトリガ信号を生成するトリガ信号生成回路をさらに備える、請求項1記載の極端紫外光生成装置。
【請求項3】
前記制御装置が、前記ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいてターゲットの大きさを計測し、ターゲットが所定の大きさで生成されるように前記直流電圧調節器を制御する、請求項1記載の極端紫外光生成装置。
【請求項4】
前記制御装置が、前記ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいてターゲットの生成周波数を計測し、ターゲットが所定の生成周波数で生成されるように前記圧力調節器を制御する、請求項1記載の極端紫外光生成装置。
【請求項5】
レーザ装置から出力されるレーザ光をターゲット物質に照射してターゲット物質をプラズマ化することにより極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置であって、
ターゲット物質を内部に貯蔵するターゲット貯蔵部と、
前記ターゲット貯蔵部の内部と連通する貫通孔が形成され、前記ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質を出力するノズル部と、
前記ノズル部に取り付けられ、電圧が印加されたときに前記ノズル部に機械的な変形を生じさせる圧電素子と、
前記ノズル部に対向して配置され、ターゲット物質との間に直流電圧が印加されたときに、前記ノズル部から出力されるターゲット物質をターゲットに分離することによってターゲットを生成する電極と、
前記電極によって生成されたターゲットを検出して検出信号を出力するターゲット検出器と、
前記レーザ装置から導入されるレーザ光がターゲットに照射されて、内部で極端紫外光が生成されるチャンバと、
ターゲット物質と前記電極との間に印加される直流電圧を調節する直流電圧調節器と、
前記ターゲット貯蔵部に貯蔵されているターゲット物質に気体を介して印加される圧力を調節する圧力調節器と、
前記圧電素子に印加されるパルス電圧を生成するパルス電圧生成回路と、
を備える極端紫外光生成装置。
【請求項6】
前記ターゲット検出器から出力される検出信号を遅延し、遅延された検出信号に基づいて、前記レーザ装置がレーザ光を出力するタイミングを規定するトリガ信号を生成するトリガ信号生成回路をさらに備える、請求項5記載の極端紫外光生成装置。
【請求項7】
前記ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいて、前記直流電圧調節器と前記圧力調節器と前記パルス電圧生成回路との内の少なくとも1つを制御する制御装置をさらに備える、請求項5記載の極端紫外光生成装置。
【請求項8】
前記制御装置が、前記ターゲット検出器から出力される検出信号に基づいて、ターゲットが所定の領域を通過するタイミングを計測し、ターゲットが所定のタイミングで前記所定の領域を通過するように前記パルス電圧生成回路を制御する、請求項7記載の極端紫外光生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−62146(P2013−62146A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199828(P2011−199828)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】