説明

楽曲再生装置

【課題】再生すべき楽曲を検索する際の手間を省くことによって操作性を向上させることができる「楽曲再生装置」を提供すること。
【解決手段】リスト作成手段23により、装置選択手段21によって選択された携帯型楽曲再生装置11,12に記憶された楽曲を表示対象としたリストを作成する際に、他の携帯型楽曲再生装置11,12に記憶された楽曲をリストによる表示対象に追加することによって、追加された楽曲も再生手段27による再生対象にし得ること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲再生装置に係り、特に、複数の携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を再生するのに好適な楽曲再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載機には、iPod(登録商標)や携帯電話機等の携帯型オーディオデバイスを接続して、接続された携帯型オーディオデバイスに記憶された楽曲を再生することが可能であった。
【0003】
現行品の一例としては、図5に示すように、iPod1と携帯電話機2とを1つずつ接続可能とされた車載機3があるが、将来的には、複数のiPodの接続に対応した車載機が実施されることも予想される。
【0004】
このような複数の携帯型オーディオデバイスが接続された車載機においては、表示部に表示した操作画面上で各携帯型オーディオデバイスのいずれか1つを選択させ、選択された携帯型オーディオデバイスに記憶された楽曲のリストを新たに表示部に表示した上で、表示されたリストの中からユーザが選曲した所望の楽曲を携帯型オーディオデバイスから読み出してスピーカを介して再生することが可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−287379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来は、車載機に接続された複数の携帯型オーディオデバイスのうちの選択された1つの携帯型オーディオデバイスに記憶された楽曲のリストのみを表示していたため、再生すべき楽曲を検索する際に、携帯型オーディオデバイスの選択の切り替えを要する場合があるといった問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、再生すべき楽曲を検索する際の手間を省くことによって操作性を向上させることができる楽曲再生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係る楽曲再生装置は、楽曲が記憶された複数の携帯型楽曲再生装置が接続可能とされ、接続された前記携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を再生可能とされた楽曲再生装置であって、接続された複数の前記携帯型楽曲再生装置の中からユーザが指定したいずれか1つの携帯型楽曲再生装置を選択する装置選択手段と、この装置選択手段によって前記1つの携帯型楽曲再生装置が選択された際に、選択された前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を表示対象としたリストであって、表示対象を所定の分類方法にしたがって当該分類方法に対応する分類項目ごとに分類した状態で表示するためのリストを作成するリスト作成手段と、このリスト作成手段によって作成された前記リストを表示部に表示するリスト表示手段と、このリスト表示手段によって表示された前記リストに示される楽曲を再生可能とされた再生手段とを備え、前記リスト作成手段は、前記リストを作成する際に、前記接続された複数の携帯型楽曲再生装置のうちの前記1つの携帯型楽曲再生装置と異なる他の携帯型楽曲再生装置の中から、前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲以外の楽曲を抽出し、抽出された当該楽曲を前記リストによる表示対象として前記リストに追加することを特徴としている。
【0009】
そして、このような構成によれば、リスト作成手段により、装置選択手段によって選択された携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を表示対象としたリストを作成する際に、他の携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲をリストによる表示対象に追加することによって、追加された楽曲も再生手段による再生対象とすることができるので、再生すべき楽曲を検索する際の手間を省くことができ、操作性を向上させることができる。
【0010】
また、前記リスト作成手段は、前記リストを作成する際に、前記リストに追加された前記楽曲が前記他の携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲であることを判別するための判別情報を前記リストに付加し、前記リスト表示手段は、前記判別情報が付加された状態の前記リストを表示してもよい。
【0011】
そして、このような構成によれば、判別情報に基づいて、リストに追加された楽曲を、この楽曲が記憶された携帯型楽曲再生装置とともに容易に判別することができるので、利便性を向上させることができる。
【0012】
さらに、前記判別情報は、前記他の携帯型楽曲再生装置に対応するアイコンであってもよい。
【0013】
そして、このような構成によれば、アイコンに基づいて、リストに追加された楽曲と、この楽曲が記憶された携帯型楽曲再生装置とを更に容易に把握することができる。
【0014】
さらにまた、前記リスト作成手段は、前記1つの携帯型楽曲再生装置が選択された際に、前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を表示対象としたリストであって、表示対象を所定の複数の分類方法にしたがって当該各分類方法に対応する分類項目ごとにそれぞれ分類した状態で表示するための複数のリストを同時に作成するとともに、前記他の携帯型楽曲再生装置の中から抽出された前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲以外の楽曲を、前記複数のリストのそれぞれによる表示対象として各リストに追加するように形成され、前記複数の分類方法の中からユーザが指定した1つの分類方法を選択する分類方法選択手段を備え、前記リスト表示手段は、前記リスト作成手段によって作成された前記複数のリストのうちの前記分類方法選択手段によって選択された1つの分類方法に対応する前記リストを表示してもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、装置選択手段によって1つの携帯型楽曲再生装置が選択された際に、リスト作成手段によって、当該選択された1の携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を表示対象とした複数の分類方法にしたがった複数のリストを同時に作成しておき、作成された複数のリストのうち、分類方法選択手段によって選択された分類方法に対応するリストをリスト表示手段によって表示することができるので、ユーザの所望の分類方法に応じたリストを迅速に表示することができる。
【0016】
また、前記分類方法は、前記分類項目としてのアーティストごとに前記楽曲を分類する分類方法、前記分類項目としてのジャンルごとに前記楽曲を分類する分類方法または前記分類項目としての年代ごとに前記楽曲を分類する分類方法を含んでもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、ユーザの嗜好に合致する楽曲であるか否かを判断し易いリストを表示することができるので、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、再生すべき楽曲を検索する際の手間を省くことによって操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る楽曲再生装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る楽曲再生装置の実施形態において、オーディオデバイスに記憶されている楽曲情報を楽曲付加情報とともに示す概念図
【図3】本発明に係る楽曲再生装置の実施形態において、第1の具体例を説明するための説明図
【図4】本発明に係る楽曲再生装置の実施形態において、第2の具体例を説明するための説明図
【図5】車載機へのオーディオデバイスの接続状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る楽曲再生装置の実施の形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態における楽曲再生装置5は、大別して、楽曲再生ユニット6と、この楽曲再生ユニット6にそれぞれ接続された操作部7、表示部としてのディスプレイ8およびスピーカ10とによって構成されている。
【0022】
なお、操作部7は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネル、メカニカルスイッチ、ロータリエンコーダ、リニアエンコーダまたは音声入力用のマイク等であってもよい。
【0023】
また、図1に示すように、楽曲再生装置5には、複数の携帯型楽曲再生装置としての携帯型の第1のオーディオデバイス11および第2のオーディオデバイス12が、USB等の有線またはbluetooth等の無線による接続手段によってそれぞれ接続されている。これら第1のオーディオデバイス11および第2のオーディオデバイス12は、携帯電話機であってもよいし、また、iPod等のポータブルメディアプレーヤであってもよい。
【0024】
ここで、第1のオーディオデバイス11および第2のオーディオデバイス12には、MP3(MPEG Audio Layer-3)、WMA(Windows Media Audio登録商標)またはAAC(Advanced Audio Coding)等のオーディオ圧縮形式で圧縮された複数の楽曲情報(オーディオデータ)が記憶されている。図2に示すように、各楽曲情報は、楽曲のタイトル(曲名)、アーティスト、ジャンルおよび年代等の楽曲情報に付加された楽曲付加情報と対応付けられた状態で各オーディオデバイス11,12の記憶部に記憶されている。なお、楽曲付加情報は、例えば、ID3タグ等であってもよい。また、年代は、楽曲の作成年代であってもよく、また、楽曲のリリースや初演がなされた年代であってもよい。
【0025】
そして、本実施形態における楽曲再生装置5は、このようにして第1のオーディオデバイス11および第2のオーディオデバイス12にそれぞれ記憶された楽曲を再生可能とされている。
【0026】
そのためのより具体的な構成として、楽曲再生ユニット6の構成について更に説明すると、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、第1のオーディオインターフェース(I/F)14を有しており、この第1のオーディオインターフェース14には、第1のオーディオデバイス11が接続されている。
【0027】
また、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、第2のオーディオインターフェース(I/F)15を有しており、この第2のオーディオインターフェース15には、第2のオーディオデバイス12が接続されている。
【0028】
これら第1のオーディオインターフェース14および第2のオーディオインターフェース15は、公知の圧縮オーディオデコーダ等によって構成することができる。
【0029】
さらに、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、ユーザインターフェース(I/F)16を有しており、このユーザインターフェース16には、操作部7が接続されている。このユーザインターフェース16は、ADC(analog to digital converter)等によって構成することができる。
【0030】
さらにまた、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、ビデオインターフェース(I/F)17を有しており、このビデオインターフェース17には、ディスプレイ8が接続されている。このビデオインターフェース17は、DAC(digital to analog converter)等によって構成することができる。
【0031】
また、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、第3のオーディオインターフェース18を有しており、この第3のオーディオインターフェース18には、スピーカ10が接続されている。この第3のオーディオインターフェース18は、DAC等によって構成することができる。
【0032】
さらに、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、デバイス認識処理部19を有している。このデバイス認識処理部19は、楽曲再生装置5が起動されている状態において、オーディオインターフェース14,15を介してオーディオデバイス11,12との間で何らかの電気信号の授受が成立したこと(換言すれば、通信状態が確立したこと)等に基づいて、楽曲再生装置5にオーディオデバイス11,12が接続されたと認識するようになっている。
【0033】
さらにまた、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、デバイス選択画面表示処理部20を有している。このデバイス選択画面表示処理部20は、デバイス認識処理部19の認識結果に応じたデバイス選択画面を作成し、作成されたデバイス選択画面をビデオインターフェース17を介してディスプレイ8に表示するようになっている。ただし、デバイス選択画面とは、楽曲再生装置5に接続されているオーディオデバイスの中からいずれか1つのオーディオデバイスを選択(指定)するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面のことをいう。図1の場合には、デバイス選択画面は、デバイス認識処理部19によって接続が認識された第1のオーディオデバイス11または第2のオーディオデバイス12のうちのいずれか1つを選択可能な操作画面となる。
【0034】
また、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、装置選択手段としてのデバイス選択処理部21を有している。このデバイス選択処理部21には、デバイス選択画面に対する操作部7の操作結果が、ユーザインターフェース16を介して入力されるようになっている。そして、デバイス選択処理部21は、楽曲再生装置5に接続された各オーディオデバイス11,12のうち、入力された操作結果に対応したオーディオデバイス11,12を選択するようになっている。
【0035】
さらに、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、リスト作成手段としてのリスト作成処理部23と、楽曲付加情報読込処理部24とを有している。ここで、リスト作成処理部23には、デバイス選択処理部21の選択結果が入力されるようになっている。そして、リスト作成処理部23は、入力されたデバイス選択処理部21の選択結果に基づいて、当該選択結果が示す1つのオーディオデバイス(以下、選択デバイスと称する)11,12から楽曲付加情報を読み込むための第1の付加情報読込指令を、楽曲付加情報読込処理部24に出力するようになっている。この第1の付加情報読込指令を受けて、楽曲付加情報読込処理部24は、選択デバイス11,12から楽曲付加情報を読み込み、読み込まれた楽曲付加情報をリスト作成処理部23に出力するようになっている。そして、リスト作成処理部23は、楽曲付加情報読込処理部24から出力された楽曲付加情報に基づいて、選択デバイス11,12に記憶された楽曲を表示対象としたリストを作成し、作成されたリストを保持するようになっている。このとき、リスト作成処理部23は、表示対象を予め設定された複数の分類方法にしたがって当該各分類方法にそれぞれ対応する分類項目ごとに分類した状態で表示するための複数のリストを同時に作成するようになっている。また、その際に、リスト作成処理部23は、複数のリストとして、当該各リストに示される楽曲の全部または一部の再生を指示するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面の機能を持ったリストを作成するようになっている。なお、これら複数のリストに対応する複数の分類方法は、分類項目としてのアーティストごとに楽曲を分類する分類方法、分類項目としてのジャンルごとに楽曲を分類する分類方法および分類項目としての楽曲の年代ごとに楽曲を分類する分類方法であってもよい。また、リストの作成に際しては、楽曲付加情報のうちの楽曲を一義的に特定することができるとみなされる楽曲に固有の情報(例えば、楽曲のタイトル)をリスト項目とし、このリスト項目を、これに対応する他の楽曲付加情報(例えば、アーティスト、ジャンルまたは年代)に基づいて、分類方法にしたがって分類項目ごとに分類した状態で配列させればよい。また、このとき、分類項目単位でのリスト項目の配列順は、例えば、50音順等であってもよい。
【0036】
さらにまた、本実施形態において、リスト作成処理部23は、リストを作成する際に、楽曲再生装置5に接続されたオーディオデバイス11,12のうちの選択デバイス11,12と異なる他のオーディオデバイス(以下、非選択デバイスと称する)11,12の中から、選択デバイス11,12に記憶された楽曲以外の楽曲すなわち非選択デバイス11,12のみに記憶された楽曲を抽出するようになっている。具体的には、リスト作成処理部23は、第1の付加情報読込指令を楽曲付加情報読込処理部24に出力する際に、選択デバイス11,12に記憶された楽曲以外の楽曲についての楽曲付加情報すなわち選択デバイス11,12に記憶された楽曲付加情報とは異なる楽曲付加情報を非選択デバイス11,12から読み込むための第2の付加情報読込指令を、楽曲付加情報読込処理部24に出力する。そして、この第2の付加情報読込指令を受けて、楽曲付加情報読込処理部24は、非選択デバイス11,12から、当該楽曲付加情報を読み込み、読み込まれた当該楽曲付加情報をリスト作成処理部23に出力する。このようにして、非選択デバイス11,12の中から、選択デバイス11,12に記憶された楽曲以外の楽曲が、この楽曲に対応する楽曲付加情報として抽出される。
【0037】
そして、リスト作成処理部23は、このようにして非選択デバイス11,12の中から抽出された選択デバイス11,12に記憶された楽曲以外の楽曲を、複数のリストによる表示対象として各リストにそれぞれ追加するようになっている。具体的には、リスト作成処理部23は、例えば、非選択デバイス11,12から読み込まれた楽曲付加情報のうちの楽曲を一義的に特定することができるとみなされる楽曲に固有の情報(例えば、楽曲のタイトル)をリスト項目とし、このリスト項目を、これに対応する他の楽曲付加情報(例えば、アーティスト、ジャンルまたは年代)に基づいて、複数のリストにおける該当する各分類項目にそれぞれ追加する。
【0038】
また、本実施形態において、リスト作成処理部23は、非選択デバイス11,12から抽出された楽曲を複数のリストにそれぞれ追加する際に、各リストに追加された楽曲が非選択デバイス11,12に記憶された楽曲であることを判別するための判別情報として、非選択デバイス11,12に対応するアイコンを各リストにそれぞれ追加するようになっている。なお、アイコンは、予め第1のオーディオインターフェース14および第2のオーディオインターフェース15ごとに割り振られた互いに異なる外観のアイコンであって、各インターフェース14,15にそれぞれ接続可能なものとして予め設定されているオーディオデバイスを示すアイコンであってもよい。
【0039】
さらに、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、分類方法選択画面表示処理部22を有している。この分類方法選択画面表示処理部22には、デバイス選択処理部21の選択結果が入力されるようになっている。そして、分類方法選択画面表示処理部22は、デバイス選択処理部21の選択結果の入力を受けて、分類方法選択画面を作成し、作成された分類方法選択画面をビデオインターフェース17を介してディスプレイ8に表示するようになっている。ただし、分類方法選択画面とは、リスト作成処理部23によって作成される複数のリストに対応する予め設定された複数の楽曲の分類方法の中からいずれか1つの分類方法を選択(指定)するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面のことである。この分類方法選択画面は、換言すれば、複数のリストの中から表示すべき1つのリストを選択するための操作画面ということができる。
【0040】
さらにまた、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、リスト表示手段としてのリスト表示処理部25と、分類方法選択手段としての分類方法選択処理部26とを有している。ここで、分類方法選択処理部26には、操作部7から、分類方法選択画面表示処理部22によって表示された分類方法選択画面に対する操作結果が入力されるようになっている。この操作結果の入力を受けて、分類方法選択処理部26は、当該操作結果にしたがった分類方法を選択し、選択結果をリスト作成処理部23に出力するようになっている。この選択結果を受けて、リスト作成処理部23は、作成された複数のリストのうちの当該選択結果に対応した1つのリストをリスト表示処理部25に出力するようになっている。そして、リスト表示処理部25は、リスト作成処理部23から出力された1つのリストを、ビデオインターフェース17を介してディスプレイ8に表示するようになっている。このとき、リストに追加された楽曲に該当するリスト項目については、非選択デバイス11,12に対応するアイコンが付加された表示態様で表示されるようになっている。
【0041】
また、図1に示すように、楽曲再生ユニット6は、再生手段としての再生処理部27と、再生指令処理部28と、楽曲読込処理部29とを有している。ここで、再生処理部27には、リスト作成処理部23から、リスト表示処理部25によって表示される1つのリストが入力されるようになっている。また、再生指令処理部28には、リスト表示処理部25によって表示されたリストに対する当該リストに示される楽曲の再生を指示するための操作部7の操作結果が、ユーザインターフェース16を介して入力されるようになっている。この再生を指示するための操作は、リストに示される楽曲の全部の再生を指示するための入力操作であってもよく、または、リストに示される楽曲の一部の再生を指示するための入力操作であってもよい。また、当該リストに示される楽曲の一部の再生を指示するための入力操作は、所望のリスト項目をカーソル指定する操作、所望のリスト項目にチェックを入れる操作または所望のリスト項目をプレイリストとして登録する(絞り込む)操作等であってもよい。このような再生を指示するための操作を受けて、再生指令処理部28は、当該操作によって指定された楽曲の再生を指示する再生指令を再生処理部27に出力するようになっている。この再生指令を受けて、再生処理部27は、当該再生指令に応じた楽曲を読み込むための楽曲読込指令を楽曲読込処理部29に出力するようになっている。この楽曲読込指令を受けて、楽読込処理部29は、当該楽曲読込指令に応じた楽曲情報(オーディオデータ)を選択デバイス11,12または非選択デバイス11,12もしくはこれらの双方から読み込み、読み込まれた楽曲情報を再生処理部27に出力するようになっている。このとき、楽曲読込処理部29は、再生指令に応じた再生順(例えば、リスト上における配列順)にしたがって、楽曲情報を逐次読み込めばよい。そして、再生処理部27は、楽曲読込処理部27から出力された楽曲情報を、第3のオーディオインターフェース18を介してスピーカ10から音声出力することによって、楽曲の再生を行うようになっている。
【0042】
なお、楽曲再生ユニット6の各処理部19〜29は、例えば、CPU、CPUに内蔵または外付けのメモリおよびCPUが実行する実行プログラム等によって構成することができる。
【0043】
(第1の具体例)
次に、本実施形態のより具体的な動作の一例として、第1の具体例について説明する。
【0044】
本具体例においては、まず、図3のステップ1(ST1)に示すように、楽曲再生装置5に第1のオーディオデバイス11および第2のオーディオデバイス12をそれぞれ接続する。このとき、これら各オーディオデバイス11,12が接続されたことは、デバイス認識処理部19によって認識される。なお、図3に示すように、本具体例において、第1のオーディオデバイス11には、「アーティスト甲」の楽曲として、「タイトルA」、「タイトルB」および「タイトルC」の各楽曲が、「アーティスト乙」の楽曲として、「タイトルa」および「タイトルb」の各楽曲が、「アーティスト丙」の楽曲として、「タイトルα」の楽曲が、それぞれ記憶されている。また、本具体例において、第2のオーディオデバイス12には、「アーティスト甲」の楽曲として、「タイトルA」、「タイトルD」および「タイトルE」の各楽曲が、「アーティスト乙」の楽曲として、「タイトルb」および「タイトルc」の各楽曲が、「アーティスト丁」の楽曲として、「タイトル1」の楽曲が、それぞれ記憶されている。
【0045】
そして、ステップ1(ST1)において、例えば、楽曲再生ユニット6によってディスプレイ8に表示された図示しないメニュー画面(デバイス選択画面よりも上層の操作画面であればよい)に対して、オーディオデバイス11,12に記憶されている楽曲の再生に移行するための操作部7を用いた入力操作が行われると、ステップ2(ST2)に進む。
【0046】
ステップ2(ST2)においては、図3に示すように、デバイス選択画面表示処理部20により、デバイス選択画面31をディスプレイ8に表示する。ステップ2(ST2)に示すように、デバイス選択画面31は、第1のオーディオデバイス11を選択するための第1の操作ボタン32と、第2のオーディオデバイス12を選択するための第2の操作ボタン33とが含まれている。
【0047】
そして、ステップ2(ST2)において、操作部7を用いた第1の操作ボタン32の選択操作が行われると、デバイス選択処理部21によって第1のオーディオデバイス11が選択された上でステップ3(ST3)に進む。
【0048】
ステップ3(ST3)においては、図3に示すように、分類方法選択画面表示処理部22により、分類方法選択画面34をディスプレイ8に表示する。ステップ3(ST3)に示すように、分類方法選択画面34には、楽曲をアーティストごとに分類することを選択するためのアーティスト選択ボタン35と、楽曲をジャンルごとに分類することを選択するためのジャンル選択ボタン36と、楽曲を作成年代ごとに選択するための年代選択ボタン37とが含まれている。
【0049】
なお、ステップ2(ST2)からステップ3(ST3)に進む際には、ステップ4(ST4)に示すように、リスト作成処理部23によって、アーティスト選択ボタン35に対応するリスト(以下、アーティストリストと称する)と、ジャンル選択ボタン36に対応するリスト(以下、ジャンルリストと称する)と、年代選択ボタン37に対応するリスト(以下、年代リストと称する)とを、分類方法選択画面34の表示処理に対するバックグラウンド処理として互いに同時に作成しておく。
【0050】
そして、ステップ3(ST3)において、操作部7を用いてアーティスト選択ボタン35の操作が行われるとステップ5(ST5)に進み、ジャンル選択ボタン36の操作が行われるとステップ6(ST6)に進み、年代選択ボタン37の操作が行われるとステップ6(ST6)に進む。
【0051】
次いで、ステップ5(ST5)においては、図3に示すように、リスト表示処理部25により、ステップ4(ST4)において作成されたアーティストリスト38をディスプレイ8に表示する。図3に示すように、アーティストリスト38は、リスト項目としての楽曲のタイトルが、アーティスト名ごとに分類された状態で配列されたリストとなっている。各リスト項目のうち、本具体例における非選択デバイスとしての第2のオーディオデバイス12のみに記憶された楽曲のリスト項目については、第2のオーディオデバイス12に対応するアイコン41が付加されている。また、このようなアーティストリスト38に対しては、リスト内の楽曲の全部または一部の再生を指示するための操作が可能となっている。
【0052】
一方、ステップ6(ST6)においては、図3に示すように、リスト表示処理部25により、ステップ4(ST4)において作成されたジャンルリスト39をディスプレイ8に表示する。図3に示すように、ジャンルリスト39は、リスト項目としての楽曲のタイトルが、ジャンルごとに分類された状態で配列されたリストとなっている。このジャンルリスト39においても、第2のオーディオデバイス12のみに記憶された楽曲のリスト項目については、第2のオーディオデバイス12に対応するアイコン41が付加されている。また、ジャンルリスト39に対しても、リスト内の楽曲の全部または一部の再生を指示するための操作が可能となっている。
【0053】
また、ステップ7(ST7)においては、図3に示すように、リスト表示処理部25により、ステップ4(ST4)において作成された年代リスト40をディスプレイ8に表示する。図3に示すように、年代リスト40は、リスト項目としての楽曲のタイトルが、楽曲の年代(例えば、作成年代)ごとに分類された状態で配列されたリストとなっている。この年代リスト40においても、第2のオーディオデバイス12のみに記憶された楽曲のリスト項目については、第2のオーディオデバイス12に対応するアイコン41が付加されている。また、年代リスト40に対しても、リスト内の楽曲の全部または一部の再生を指示するための操作が可能となっている。
【0054】
(第2の具体例)
次に、本実施形態の第2の具体例について、第1の具体例との相違点に限定して説明する。
【0055】
本具体例においては、図3のステップ2(ST2)において第2の操作ボタン33を操作することによって、第2のオーディオデバイス12を選択デバイスとして選択する。
【0056】
そして、このような前提で、次工程の図3のステップ3(ST3)においてアーティスト選択ボタン35の操作が行われると、図4のステップ11(ST11)に進み、ジャンル選択ボタン36の操作が行われると、図4のステップ12(ST12)に進み、年代選択ボタン37の操作が行われると、図4のステップ13(ST13)に進む。
【0057】
次いで、図4のステップ11(ST11)においては、リスト表示処理部25により、図3のステップ4(ST4)において作成されたアーティストリスト43をディスプレイ8に表示する。図4に示すように、本具体例におけるアーティストリスト43の第1の具体例におけるアーティストリスト38に対する相違点は、各リスト項目のうち、本具体例における非選択デバイスとしての第1のオーディオデバイス11のみに記憶された楽曲を示すリスト項目に、第1のオーディオデバイス11に対応するアイコン46が付加されている点にある。その他の画面構成は第1の具体例と同様である。
【0058】
一方、図4のステップ12(ST12)においては、リスト表示処理部25により、図3のステップ4(ST4)において作成されたジャンルリスト44をディスプレイ8に表示する。図4に示すように、本具体例におけるジャンルリスト44の第1の具体例におけるジャンルリスト39に対する相違点は、各リスト項目のうち、第1のオーディオデバイス11のみに記憶された楽曲を示すリスト項目に、第1のオーディオデバイス11に対応するアイコン46が付加されている点にある。その他の画面構成は第1の具体例と同様である。
【0059】
また、図4のステップ13(ST13)においては、リスト表示処理部25により、図3のステップ4(ST4)において作成された年代リスト45をディスプレイ8に表示する。図4に示すように、本具体例における年代リスト45の第1の具体例における年代リスト40に対する相違点は、各リスト項目のうち、第1のオーディオデバイス11のみに記憶された楽曲を示すリスト項目に、第1のオーディオデバイス11に対応するアイコン46が付加されている点にある。その他の画面構成は第1の具体例と同様である。
【0060】
以上述べたように、本実施形態によれば、リスト作成処理部23により、デバイス選択処理部21によって選択された選択デバイスに記憶された楽曲を表示対象としたリストを作成する際に、非選択デバイスに記憶された楽曲をリストによる表示対象に追加することによって、追加された楽曲も再生処理部27による再生対象とすることができる。この結果、再生すべき楽曲を検索する際の手間を省くことができ、操作性を向上させることができる。
【0061】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0062】
例えば、楽曲再生装置5は、ナビゲーション装置と一体の構成として車載機に搭載されるものであってもよく、または、ホーム用のオーディオ機器であってもよい。
【0063】
また、楽曲再生装置5が、携帯型オーディオデバイス以外のオーディオソース(例えば、ハードディスクドライブやCD等)の楽曲を再生可能に構成されていてもよいことは勿論である。
【0064】
さらに、本発明は、3つ以上の携帯型オーディオデバイスの接続にも有効に対応することができる。この場合には、選択デバイスに記憶されている楽曲を表示対象としたリストを作成する際に、2つ以上の非選択デバイスに記憶されている楽曲であって、選択デバイスに記憶されている楽曲以外の楽曲についても、リストの表示対象としてリストに追加すればよい。この場合、2つ以上の非選択デバイスの間で、記憶されている楽曲が重複する場合があるが、そのような場合には、リスト中の非選択デバイスに対応するリスト項目については、すべての非選択デバイスに対応するアイコンを表示してもよいし、予め設定された優先順位にしたがったいずれか1つの非選択デバイスに対応するアイコンを表示してもよい。
【符号の説明】
【0065】
5 楽曲再生装置
8 ディスプレイ
21 デバイス選択処理部
23 リスト作成処理部
25 リスト表示処理部
27 再生処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲が記憶された複数の携帯型楽曲再生装置が接続可能とされ、接続された前記携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を再生可能とされた楽曲再生装置であって、
接続された複数の前記携帯型楽曲再生装置の中からユーザが指定したいずれか1つの携帯型楽曲再生装置を選択する装置選択手段と、
この装置選択手段によって前記1つの携帯型楽曲再生装置が選択された際に、選択された前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を表示対象としたリストであって、表示対象を所定の分類方法にしたがって当該分類方法に対応する分類項目ごとに分類した状態で表示するためのリストを作成するリスト作成手段と、
このリスト作成手段によって作成された前記リストを表示部に表示するリスト表示手段と、
このリスト表示手段によって表示された前記リストに示される楽曲を再生可能とされた再生手段と
を備え、
前記リスト作成手段は、前記リストを作成する際に、前記接続された複数の携帯型楽曲再生装置のうちの前記1つの携帯型楽曲再生装置と異なる他の携帯型楽曲再生装置の中から、前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲以外の楽曲を抽出し、抽出された当該楽曲を前記リストによる表示対象として前記リストに追加すること
を特徴とする楽曲再生装置。
【請求項2】
前記リスト作成手段は、前記リストを作成する際に、前記リストに追加された前記楽曲が前記他の携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲であることを判別するための判別情報を前記リストに付加し、
前記リスト表示手段は、前記判別情報が付加された状態の前記リストを表示すること
を特徴とする請求項1に記載の楽曲再生装置。
【請求項3】
前記判別情報は、前記他の携帯型楽曲再生装置に対応するアイコンであること
を特徴とする請求項2に記載の楽曲再生装置。
【請求項4】
前記リスト作成手段は、前記1つの携帯型楽曲再生装置が選択された際に、前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲を表示対象としたリストであって、表示対象を所定の複数の分類方法にしたがって当該各分類方法に対応する分類項目ごとにそれぞれ分類した状態で表示するための複数のリストを同時に作成するとともに、前記他の携帯型楽曲再生装置の中から抽出された前記1つの携帯型楽曲再生装置に記憶された楽曲以外の楽曲を、前記複数のリストのそれぞれによる表示対象として各リストに追加するように形成され、
前記複数の分類方法の中からユーザが指定した1つの分類方法を選択する分類方法選択手段を備え、
前記リスト表示手段は、前記リスト作成手段によって作成された前記複数のリストのうちの前記分類方法選択手段によって選択された1つの分類方法に対応する前記リストを表示すること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の楽曲再生装置。
【請求項5】
前記分類方法は、前記分類項目としてのアーティストごとに前記楽曲を分類する分類方法、前記分類項目としてのジャンルごとに前記楽曲を分類する分類方法または前記分類項目としての年代ごとに前記楽曲を分類する分類方法を含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の楽曲再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−164188(P2011−164188A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24057(P2010−24057)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】