説明

楽音再生装置及びプログラム

【課題】各個人に適したテンポで楽曲を再生する技術を提供する。
【解決手段】テンポ入力操作子は、テンポ入力操作子が振られたときの加速度を検出して本体装置へ逐次送信する。本体装置は、選択された楽曲に基準運動周期が設定されていない場合には、基準運動周期の入力をユーザに要求し、テンポ入力操作子から送信される加速度に基づいて運動周期と基準運動周期を判定するための閾値を求める。また、本体装置は、求めた運動周期と閾値とに基づいて一定の運動周期が入力されたか判断し、一定の運動周期が入力された場合にその運動周期に基づいて基準再生速度に対応する基準運動周期を決定する。そして、基準運動周期の決定後、楽曲の再生中においてテンポ入力操作子から送信される加速度に基づく運動周期と基準運動周期に応じて基準再生速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲の再生速度を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
操作者が操作端末を動かすタイミングに応じて、再生する音楽のテンポを調整する技術が下記特許文献1に開示されている。この技術は、操作者によって操作端末が動かされたタイミングの時間間隔が、設定された時間間隔より短ければ音楽に設定されている通常のテンポより速く再生し、操作者が設定した時間間隔より長ければ音楽の通常のテンポより遅くして再生するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−341865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話機や携帯音楽プレーヤーの携帯機器等で音楽を聴きながらジョギングなどの運動を行うことがあるが、自分が動くテンポと音楽とのテンポが合わない場合、音楽を聴きながら快適に運動することができない。従来技術を用いた場合には、固定的なテンポの調整を行うことはできても、各個人に適した音楽のテンポに調整することはできない。
本発明は、各個人に適したテンポで楽曲を再生する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る楽音再生装置は、利用者に装着又は把持され、利用者による周期的な運動を表す運動情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された運動情報に基づいて、前記運動の運動周期を決定する運動周期決定手段と、楽曲を再生する再生手段と、前記再生手段が前記楽曲を予め定められた基準再生速度で再生中に、当該基準再生速度に対応する前記運動の基準となる運動周期を示す基準運動周期の決定処理の開始を指示する基準運動周期開始手段と、前記再生手段が前記基準再生速度で前記楽曲を再生中、前記基準運動周期開始手段により基準運動周期の決定処理の開始が指示された後に、前記運動周期決定手段により決定された運動周期に基づいて、当該楽曲の前記基準運動周期を決定し、前記基準運動周期の決定処理を終了する基準運動周期決定手段と、前記基準運動周期の決定処理後に前記運動周期決定手段によって決定された運動周期が、前記基準運動周期決定手段において決定された基準運動周期の閾値範囲内であるときは、前記基準再生速度に従って前記楽曲を再生し、前記閾値範囲内でないときには、前記基準運動周期と当該運動周期の大きさに応じた再生速度で前記楽曲を再生するよう前記再生手段を制御する再生制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る楽音再生装置は、請求項1に記載の楽音再生装置において、前記再生制御手段は、前記基準運動周期に対する前記運動周期の大きさに応じた再生速度が予め定められた再生速度の範囲内でない場合には、予め定められた再生速度の上限値又は下限値に従って前記楽曲を再生するように前記再生手段を制御することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に係る楽音再生装置は、請求項1又は2に記載の楽音再生装置において、前記再生制御手段は、前記再生手段による前記楽曲の再生中において、前記運動周期決定手段により決定された現在の運動周期と直前の運動周期との差分が、予め定められた閾値を超えている場合には、前記直前の運動周期に前記閾値を増分した運動周期を現在の運動周期として設定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に係るプログラムは、コンピュータを、利用者による周期的な運動を表す運動情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された運動情報に基づいて、前記運動の運動周期を決定する運動周期決定手段と、楽曲を再生する再生手段と、前記再生手段が前記楽曲を予め定められた基準再生速度で再生中に、当該基準再生速度に対応する前記運動の基準となる運動周期を示す基準運動周期の決定処理の開始を指示する基準運動周期開始手段と、前記再生手段が前記基準再生速度で前記楽曲を再生中、前記基準運動周期開始手段により基準運動周期の決定処理の開始が指示された後に、前記運動周期決定手段により決定された運動周期に基づいて、当該楽曲の前記基準運動周期を決定し、前記基準運動周期の決定処理を終了する基準運動周期決定手段と、前記基準運動周期の決定処理後に前記運動周期決定手段によって決定された運動周期が、前記基準運動周期決定手段において決定された基準運動周期の閾値範囲内であるときは、前記基準再生速度に従って前記楽曲を再生し、前記閾値範囲内でないときには、前記基準運動周期と当該運動周期の大きさに応じた再生速度で前記楽曲を再生するよう前記再生手段を制御する再生制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る楽音再生装置によれば、楽曲の通常の再生速度に対応する基準となる運動周期を予め設定することができ、利用者にとって適したテンポで楽曲を再生することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る楽音再生装置によれば、利用者の運動周期を反映しつつ、利用者に適切な再生速度で楽曲を再生することができる。
【0011】
本発明の請求項3に係る楽音再生装置によれば、利用者の運動周期が急激に速くなったり遅くなったりした場合であっても、利用者の運動周期に応じた適切な再生速度で楽曲を再生することができる。
【0012】
本発明の請求項4に係るプログラムによれば、楽曲の通常の再生速度に対応する基準となる運動周期を予め設定することができ、利用者にとって適したテンポで楽曲を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る楽音再生装置の構成例を示す図である。
【図2】(a)は、実施形態に係るテンポ入力操作子の構成を表すブロック図である。(b)は、実施形態に係る本体装置の構成を表すブロック図である。
【図3】実施形態における再生速度の閾値情報の例を示す図である。
【図4】実施形態における基準運動周期決定処理の動作フローを示す図である。
【図5】実施形態における運動周期の波形例を示す図である。
【図6】実施形態における再生速度制御処理の動作フローを示す図である。
【図7】変形例(2)における制御処理の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<概要>
図1は、本発明の実施形態に係る楽音再生装置の構成例を示している。本実施形態における楽音再生装置1は、無線通信可能なテンポ入力操作子10と本体装置20とで構成されている。テンポ入力操作子10は、図1に示すように、ユーザの腕に装着するベルト2の内部に設けられ、テンポ入力操作子10には、3軸(XYZ)の加速度センサが内蔵されており、ユーザが腕を振るとテンポ入力操作子10によって検出された加速度が本体装置20に送信される。
本体装置20は、携帯音楽プレーヤー、携帯電話機、PDA等の携帯機器で実現され、携帯機器の音声出力端子にイヤホン20aが接続されている。
楽音再生装置1は、ユーザが運動時にテンポ入力操作子10を単位時間に周期的に動かした回数(拍)(以下、運動周期と言う)に応じて、楽曲のテンポを本体装置20において制御する再生制御アプリケーションが備えられている。
この再生制御アプリケーションは、楽曲データに予め定められている曲の速さを表すテンポ(以下、基準再生速度と言う)で当該楽曲を聴くための運動周期(以下、基準運動周期と言う)を、楽曲データを再生する前に設定すると共に、楽曲データの再生中における運動周期(以下、再生時運動周期と言う)に応じて、再生中の楽曲のテンポを制御する処理とが含まれている。
【0015】
この再生制御アプリケーションは、例えば、ユーザが好きな楽曲を聴きながらジョギングする場合等に利用することができる。ユーザは、ジョギングを開始する前に自分が走るペースに合わせてベルト2を装着している腕を一定の周期で動かすことで本体装置20に基準運動周期を設定する。そして、本体装置20で楽曲を再生させてジョギングを開始すると、ジョギング中のユーザによる運動周期がテンポ入力操作子10に検出され、本体装置20においてユーザの運動周期に対応するテンポの再生速度で楽曲が再生される。つまり、基準運動周期設定時より遅い運動周期で腕を振ると基準再生速度より遅い再生速度で楽曲が再生され、基準運動周期設定時より早い運動周期で腕を振ると基準再生速度より速い再生速度で楽曲が再生される。
なお、本実施形態では、テンポ入力操作子10が設けられたベルト2をユーザの腕に装着する例について説明するが、腕以外の身体の部位に装着したり、テンポ入力操作子10をユーザが把持するようにしてもよく、ユーザがテンポ入力操作子10を周期的に動かす動作が検出できればこれに限定されない。
【0016】
<構成>
以下、本実施形態における楽音再生装置1の詳細について説明する。図2は、本実施形態における楽音再生装置1の構成を表すブロック図である。以下、テンポ入力操作子10と本体装置20について順に説明する。
【0017】
(テンポ入力操作子10)
図2(a)に示すように、テンポ入力操作子10は、制御部11、検出部12、通信部13、及び操作部14を含んで構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のメモリとを含んで構成されている。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部11と接続されている各部を制御する。
【0018】
検出部12は、上述した3軸の加速度センサを有しており、テンポ入力操作子10の各軸方向の加速度値を一定時間毎に(例えば5msec)に検出して出力する。通信部13は、無線LANやBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した通信手段であり、本体装置20との間で通信を確立してデータ通信を行う。操作部14は、テンポ入力操作子10の電源(図示略)のオンオフを切替えるスイッチを有し、電源のオンオフの切替操作を受付け、受付けた切替操作を示す操作信号を制御部11に送出する。
本実施形態では、利用者の周期的な運動を表わす運動情報の一例として、検出部12において逐次出力される各軸方向の加速度値を含む加速度情報を本体装置20へ送信するが、例えば、速度センサ等を用いて利用者の運動を検出してもよい。
【0019】
(本体装置20)
次に本体装置20の構成について説明する。本体装置20は、図2(b)に示すように、制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、音声出力部25、及び通信部26を含んで構成されている。
制御部21は、CPUと、ROM及びRAMのメモリとを含んで構成されており、RAMをワーキングエリアとしてROMに記憶された制御プログラムを実行することで制御部21と接続された各部を制御する。具体的には、制御部21は、テンポ入力操作子10からの加速度情報に基づく運動周期を用いて基準運動周期又は再生時運動周期を決定する決定処理と、ユーザ指示による楽曲の再生中にテンポ入力操作子10から受信した加速度情報に基づいて再生速度制御処理と行う。
【0020】
決定処理は、時系列に受信した加速度情報の加速度が極大となる加速度ピークの時間間隔に基づいて加速度ピークにおける運動周期を求める運動周期決定処理と、楽曲の再生前に、所定タイミングで運動周期に基づいて基準運動周期を求める基準運動周期決定処理と、楽曲の再生中に、運動周期に基づいて再生時運動周期を決定する再生時運動周期決定処理とを含む。
所定タイミングは、基準運動周期決定処理の始期を示すものであり、本実施形態では、再生中の楽曲に対する基準運動周期の入力をユーザに報知したタイミングとする。また、報知後に運動周期決定処理によって決定された運動周期を用いて基準運動周期を決定し、基準運動周期を決定した後は、基準運動周期の決定に用いるための、ユーザによる運動周期の入力の受付を終了して処理を終了する。基準運動周期決定処理の終期は、基準運動周期を決定したときである。
また、再生速度制御処理は、楽曲の再生中に受信した加速度情報から特定した加速度ピークの時間間隔(周期)に基づいて求められた再生時運動周期と基準運動周期との比率に応じて楽曲の再生速度を調整させる処理である。
本実施形態では、加速度ピークを1拍とし、加速度ピーク間の時間間隔を楽曲のタイミングを取る拍間の時間間隔とし、その時間間隔を予め定められた演算式を用いて運動周期に変換する。なお、これらの詳細な説明については後述の動作の説明において行うものとする。
【0021】
記憶部22は、内蔵又は外付けされる不揮発性メモリ等の記憶手段であり、再生制御アプリケーションの実行時において参照される再生速度の閾値情報、楽曲データ等のデータが記憶されている。
ここで、再生速度の閾値情報について説明する。図3は、本実施形態における再生速度の閾値情報の構成及びデータ例を示している。図3に示すように、再生速度の閾値情報300は、再生速度の上限の閾値と下限の閾値が含まれている。
本実施形態では、基準運動周期に対する再生時運動周期の比率と、基準再生速度に対する再生速度の比率が同じになるように再生速度を制御する。この例では、基準再生速度を100%とした場合における再生速度の上限の閾値を1200%、下限の閾値を30%として設定されている。従って、再生時運動周期に対応する再生速度が基準再生速度の12倍より大きい場合には、基準再生速度の12倍の再生速度が最高再生速度となる。また、再生時運動周期に対応する再生速度が基準再生速度の0.3倍より小さい場合には、基準再生速度の0.3倍の再生速度が最低再生速度となる。
なお、楽曲データは、BPM(Beats Per Minutes)等のテンポ情報が予め設定されたMP3等のオーディオデータであり、記憶部22内の楽曲データ記憶領域に楽曲毎に記憶されている。また、再生制御アプリケーションの実行によって最後に設定された基準運動周期の情報は楽曲データに対応づけて記憶される。
【0022】
図2(b)に戻り、本体装置20の構成の説明を続ける。表示部23は、液晶ディスプレイ等の表示装置で構成されており、制御部21の制御の下、再生速度アプリケーションのメニュー画面、楽曲選択画面、基準運動周期設定画面等を表示する。操作部24は、電源(図示略)のオンオフを切替えるスイッチや、メニュー画面上のカーソルを移動させる移動キー等のスイッチを有し、ユーザのスイッチ操作を示す操作信号を制御部21へ送出する。
【0023】
音声出力部25は、楽音信号を増幅する増幅部と、増幅された楽音信号の楽音を放音するスピーカや音声出力端子に接続されたイヤホン20a等の放音部を有し、制御部21の制御の下、再生された楽曲の楽音信号を増幅して放音部に出力する。
通信部26は、上述した通信部13と同様、無線LANやBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した通信手段であり、テンポ入力操作子10との間で通信を確立してデータ通信を行う。
【0024】
<動作>
次に、本実施形態における楽音再生装置1の動作について説明する。図4は、楽音再生装置1の基準運動周期設定処理を示す動作フローである。なお、以下の説明において、テンポ入力操作子10及び本体装置20の電源はオンに設定されており、ユーザにより本体装置20において再生速度制御アプリケーションを実行する操作がなされ、本体装置20の通信部26とテンポ入力操作子10の通信部13とは通信が確立されている状態であるものとする。
【0025】
本体装置20の制御部21は、記憶部22に記憶されている楽曲データの楽曲名を表す楽曲選択画面を表示部23に表示して楽曲の選択操作を受付ける(ステップS11)。ユーザは操作部24を用い、楽曲選択画面に表示されている楽曲名のうち所望する楽曲名にカーソルを移動して楽曲を選択する。
【0026】
制御部21は、ユーザによる楽曲選択操作を受付けると(ステップS11:YES)、選択された楽曲に基準運動周期が設定されているか否かを判断する(ステップS12)。即ち、選択された楽曲の楽曲データに対応づけて基準運動周期を示す基準運動周期情報が記憶部22に記憶されているか否か判断する。
【0027】
制御部21は、選択された楽曲に基準運動周期が設定されていないと判断した場合には(ステップS12:NO)、選択された楽曲に予め設定されているテンポ情報に基づく基準再生速度で楽曲の再生を開始して音声出力部25から楽音を放音すると共に、基準運動周期入力要求画面を表示部23に表示して、テンポ入力操作子10を用いてユーザに基準運動周期の入力を行わせる(ステップS13)。これにより基準運動周期決定処理が開始される。
【0028】
ユーザは、再生中の楽曲の再生速度に対応する基準運動周期を設定するために、テンポ入力操作子10が設けられたベルト2を装着した腕を一定周期で振る。テンポ入力操作子10の制御部11は、ユーザの運動によって得られる加速度を検出部12において一定時間毎に検出し(ステップS21:YES)、各軸方向の加速度を加速度情報として通信部13を介して本体装置20へ送信する(ステップS22)。
【0029】
本体装置20の制御部21は、テンポ入力操作子10から送信された加速度情報を通信部26を介して受信すると(ステップS14:YES)、所定数毎の加速度情報を用いて加速度ピークを検出し、加速度ピークにおける運動周期と基準運動周期を判定する閾値範囲を求める(ステップS15)。
具体的には、受信した時系列の加速度情報毎に、加速度情報に含まれる各軸(XYZ)の加速度値(ax,ay,az)の二乗和の平方根の絶対値を当該加速度情報の加速度aとして求め、時系列の加速度aが極大値となる加速度ピークを検出する。つまり、加速度aの経時的変化を表す曲線における傾き(微分値)が正から負へ変化するタイミングを加速度ピークとして検出する。
そして、検出した隣接する一対の加速度ピーク間の時間間隔(以下、拍間時間と言う)を求め、所定数(例えば過去3回分)毎の拍間時間を用いて各加速度ピークタイミングにおける拍間時間の移動平均値を算出すると共に、予め定められた演算式により各平均値を運動周期に変換する。
【0030】
このようにして求められた各加速度ピークタイミングにおける運動周期が時々刻々変化する例を図5に示す。図5において、実線で示す波形50は加速度ピークタイミングにおける運動周期の時系列データを表している。また、破線で示す波形51及び波形52は、各加速度ピークタイミングにおける運動周期に基づいて算出された閾値の時系列を示している。本実施形態では、所定数(例えば過去3回)毎の加速度ピークタイミングにおける運動周期の平均値を算出し、当該平均値の±10%までの値を閾値範囲として設定している。なお、この閾値範囲はこれに限定されず、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0031】
図4に戻って説明を続ける。本体装置20の制御部21は、ステップS15において算出された閾値範囲内に、一定回数(例えば3回)以上の運動周期が連続して含まれている場合には(ステップS16:YES)、一定の安定した運動周期が入力されたものとしてその閾値範囲内の運動周期の平均値を基準運動周期として決定し、決定した基準運動周期を選択されている楽曲データと対応づけて記憶部22に記憶する(ステップS17)。
図5の波形では、経過時間3.09s〜4.68sの間に4つの運動周期が含まれているため、この例ではこの間の運動周期の平均値が基準運動周期として設定される。なお、ステップS16において、閾値範囲内に一定回数以上運動周期が含まれていない場合には(ステップS16:NO)、一定した運動周期が入力されるまでステップS15とS16の処理を継続して行う。
【0032】
そして、制御部21は、ステップS17において決定した基準運動周期と選択された楽曲名とを示す基準運動周期設定画面を表示部23に表示する(ステップS18)。これにより、ユーザは、選択した楽曲の基準再生速度に対応する基準運動周期が設定されたことを確認する。
【0033】
なお、ステップS12において、選択された楽曲に基準運動周期が既に設定されている場合(ステップS12:YES)、制御部21は、設定済の基準運動周期を表示部23に表示して設定を変更するか否かの選択を受付ける(ステップS19)。ユーザが基準運動周期の設定を変更する選択操作を行った場合には(ステップS19:YES)、ステップS13以下の処理を行う。
【0034】
また、ステップS11において楽曲の選択が一定時間内になされなかった場合(ステップS11:NO)、又は、ステップS14において、制御部21は、テンポ入力操作子10から一定時間を経過しても加速度情報を受信しなかった場合 (ステップS14:NO)、又は、ステップS19において、基準運動周期の設定を変更する選択操作がなされなかった場合には(ステップS19:NO)、制御部21は、基準運動周期設定処理を終了する。
なお、テンポ入力操作子10の制御部11は、ユーザによってテンポ入力操作子10の電源スイッチがオフに切替えられるまで(ステップS23:NO)、ステップS21及びS22の処理を継続して行い、電源スイッチがオフに切替えられたときに(ステップS23:YES)、処理を終了する。
【0035】
次に、楽音再生装置1の再生速度制御処理の動作について説明する。図6は、再生速度制御処理を示す動作フローである。なお、以下の説明では、上述した基準運動周期設定処理において選択された楽曲の再生速度の制御を行い、ユーザは、テンポ入力操作子10が設けられたベルト2を腕に装着してジョギングを行うものとする。また、図6におけるテンポ入力操作子10の処理は基準運動周期設定処理における処理と同様であり、同じステップ番号を用いて表している。
【0036】
本体装置20の制御部21は、選択されている楽曲の再生指示がユーザによってなされると(ステップS31:YES)、記憶部22から当該楽曲の楽曲データに対応づけられている基準運動周期を読み出してRAMに記憶する(ステップS32)。
【0037】
ユーザは、楽曲の再生指示を行った後、テンポ入力操作子10が設けられているベルト2を腕に装着してジョギングを開始する。テンポ入力操作子10は、検出部12において加速度の検出を一定時間毎に行い、ユーザが腕を振った際の加速度を検出し(ステップS21:YES)、検出部12において検出された加速度を含む加速度情報を通信部13を介して送信する(ステップS22)。
【0038】
本体装置20の制御部21は、テンポ入力操作子10から加速度情報を受信すると(ステップS33:YES)、時系列に受信した各加速度情報に基づいて再生時運動周期を求める(ステップS34)。即ち、上述した基準運動周期設定処理と同様、受信した各加速度情報について加速度aを求めて加速度aの加速度ピークを検出し、検出した各加速度ピークについて拍間時間を求める。そして、予め定められた演算式に基づいて拍間時間に対応する運動周期を再生時運動周期として算出する。
【0039】
制御部21は、RAMに記憶されている基準運動周期とステップS34において求めた再生時運動周期とに基づいて再生速度を算出する(ステップS35)。具体的には、基準運動周期に対する再生時運動周期の比率を、基準再生速度に対する再生速度の比率として算出し、基準再生速度に当該比率を乗じた速度を再生速度として求める。例えば、基準運動周期が120である場合において、再生時運動周期が180であるときの再生速度は基準再生速度の1.5倍の再生速度となる。
【0040】
制御部21は、記憶部22から再生速度の閾値情報300を読み出し、ステップS35において算出した再生速度の基準再生速度に対する比率が上限の閾値以内又は下限の閾値以上であるか否か判断する(ステップSS36)。そして、算出した再生速度の基準再生速度に対する比率が上限の閾値以内又は下限の閾値以上でない場合には(ステップS36:NO)、上限又は下限の閾値の比率を基準再生速度に乗じた再生速度で楽曲を再生し、楽曲の楽音信号を音声出力部25に出力して放音する(ステップS37)。
【0041】
また、制御部21は、算出した再生速度の基準再生速度に対する比率が上限の閾値以内又は下限の閾値以上である場合には(ステップS36:YES)、算出した再生速度で楽曲の再生を行い、楽曲の楽音信号を音声出力部25に出力して放音する(ステップS38)。
【0042】
制御部21は、楽曲データを全て読み出して演奏が終了するまでステップS33〜S37又はS38の処理を行い(ステップS39:NO)、楽曲データの演奏が終了したときに再生速度制御処理を終了する(ステップS39:YES)。
なお、ステップS31において楽曲を再生する指示が一定時間内に行われない場合(ステップS31:NO)、又は、ステップS33においてテンポ入力操作子10からの加速度情報が一定時間内に通信部26を介して受信できなければ(ステップS33:NO)、制御部21は、再生制御処理を終了する。
【0043】
なお、テンポ入力操作子10の制御部11は、上述した基準運動周期設定処理と同様、電源スイッチがオフに切替えられるまでステップS21及びS22の処理を行い(ステップS23:NO)、電源スイッチがオフに切替えられたときに処理を終了する(ステップS23:YES)。
【0044】
上述の実施形態では、ユーザがテンポ入力操作子10を振る動作を行うことで、楽曲毎に基準再生速度に対応する基準運動周期が設定される。また、基準運動周期が設定された後、楽曲の再生中においてテンポ入力操作子10に対して行われる周期的な運動から得られる再生時運動周期に応じて楽曲の再生速度が調整される。そのため、例えば、ユーザは腕等にテンポ入力操作子10を装着するなどしてジョギング等を行う場合、自分の運動ペースに応じたテンポで音楽を聴くことができると共に、基準運動周期の設定時より自分の動きが遅いか早いかを音楽を聴くことで直感的に確認することができる。
【0045】
<変形例>
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよく、各変形例を組み合わせて実施してもよい。以下、本発明に係る実施形態の変形例について説明する。
【0046】
(1)上述した実施形態では、楽曲の再生中における再生時運動周期の変化量の大きさに関わらず、再生時運動周期と基準運動周期に基づいて楽曲の再生速度を制御する例について説明したが、以下のようにして再生速度を制御してもよい。例えば、再生時運動周期の変化量、即ち、現在の再生時運動周期と直前の再生時運動周期との差分が所定量を超えている場合には、直前の再生時運動周期に予め定められた変化量を加えた運動周期を現在の再生時運動周期として再生速度を求めるようにしてもよい。
直前と現在の再生時運動周期の差分の閾値が、直前の再生時運動周期の±30%以内として定められている場合において、直前の再生時運動周期が120、現在の再生時運動周期が60に設定されているとき、再生時運動周期と直前の再生時運動周期の差分は−50%である。
この場合には、再生時運動周期120に閾値−30%を増分した運動周期84が現在の再生時運動周期として決定される。また、現在の再生時運動周期が240であるときは、再生時運動周期と直前の再生時運動周期の差分は+50%であるため、再生時運動周期120に閾値30%だけ増分した運動周期156が現在の再生時運動周期として決定される。
【0047】
(2)また、上述した実施形態において、例えば、ユーザがジョギングの最中に一時停止する等によりテンポ入力操作子10を動かす動作が一旦停止された場合など、楽曲の再生途中に加速度ピークが所定時間内に検出できなかった場合、楽曲の再生を一時停止するか、又は直前の再生速度で再生を継続する。そして、楽曲の再生速度の制御処理を再開させる場合には、例えば、テンポ入力操作子10を振る動作が2回以上行われた場合に再生速度制御処理を再開させるようにする。
【0048】
以下、この場合の制御について図7を用いて説明する。図7は、本体装置20の本変形例に係る制御処理を示す動作フローである。なお、以下の説明において、本体装置20の記憶部22には、加速度ピークが所定時間内に検出できなかった場合の制御内容を定義した制御情報が記憶されている。制御情報は、所定時間内に加速度ピークが検出できなかった場合に楽曲の再生を一時停止することを定めた第1設定と、直前の再生時運動周期を用いて再生を継続することを定めた第2設定の何れか一方が定義されている。
【0049】
本体装置20の制御部21は、楽曲の再生中においてテンポ入力操作子10からの受信した加速度情報に基づいて加速度ピークが検出できなかった場合において(ステップS41:NO)、最後に加速度ピークを検出してからの経過時間が所定時間を経過した場合(ステップS42:YES)、記憶部22から上記制御情報を読み出し(ステップS43)、制御情報において第1設定が定義されている場合には(ステップS44:YES)、楽曲の再生を一時停止する(ステップS45)。また、制御部21は、読み出した制御情報において第2設定が定義されている場合には(ステップS44:NO)、直前の再生時運動周期に対応する再生速度で楽曲の再生を継続して行う(ステップS46)。
【0050】
その後、制御部21は、テンポ入力操作子10から順次受信した加速度情報に基づき、上述した実施形態と同様の方法で加速度ピーク(拍)を検出した場合(ステップS47:YES)、加速度ピークを1拍として、その検出した加速度ピークが2拍目となる加速度ピークであれば(ステップS48:YES)、2拍目の加速度ピークにおける再生時運動周期と基準運動周期とに基づいて実施形態と同様の方法で再生速度を求め、その再生速度で楽曲の再生を再開する(ステップS49)。
【0051】
なお、ステップS48において、制御部21は、2拍目の加速度ピークを検出するまでは(ステップS48:NO)、ステップS47の処理を行って加速度ピークの検出を行う。また、ステップS47において、制御部21は、テンポ入力操作子10からの加速度情報に基づく加速度ピークが検出できず(ステップS47:NO)、ユーザによって楽曲の再生を終了する指示操作が操作部24を介してなされた場合には(ステップS50:YES)、楽曲の再生を終了して本制御処理を終了する。また、制御部21は、ユーザによって楽曲の再生を終了する指示操作が操作部24を介してなされなければ(ステップS50:NO)、楽曲の再生を一時停止又は直前の再生時運動周期の再生速度で楽曲の再生を行っている状態で、ステップS47における加速度ピークの検出を継続して行う。
また、ステップS41において、制御部21は、テンポ入力操作子10から加速度情報を受信した場合には(ステップS41:YES)、本制御処理を終了して実施形態と同様の再生速度制御を行う。
【0052】
なお、上述した本変形例では、2拍目の加速度ピークを検出したときに楽曲の再生速度の制御処理を再開する例について説明したが、例えば、1拍目となる加速度ピークを検出したときに再生速度の制御処理を再開するようにしてもよいし、何拍目から再生速度の制御処理を再開させるかをユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
また、上述した本変形例のステップS42における所定時間は、予め定められた任意の時間であってもよいし、例えば、再生対象の楽曲に設定されている基準運動周期を時間に変換して所定の係数を乗じた時間を設定するなど、基準運動周期と予め定められた演算式に基づいて時間を設定するようにしてもよい。
【0053】
(3)また、上述した実施形態では、加速度ピークにおける基準運動周期を判定する閾値範囲内に一定数含まれている場合に、一定の安定した運動周期が入力されたものとし、その運動周期の平均値を基準運動周期として決定する例について説明したが、以下のように基準運動周期を決定するようにしてもよい。例えば、加速度ピークにおける運動周期の経時的変化を表す波形において、波形の傾斜角度の変化が所定範囲内の区間がある場合、その区間における加速度ピークの運動周期の平均値を基準運動周期として決定する等、予め定めた基準運動周期の波形と相似性を有する部分がある場合に、その部分の運動周期に基づいて基準運動周期を設定するようにしてもよい。
【0054】
(4)また、上述した実施形態では、選択された楽曲を1回だけ再生する例について説明したが、本体装置20が楽曲を繰り返し再生するリピート機能を有する場合において、選択された楽曲の再生前又は再生中にユーザがリピート機能を有効にする操作を行った場合には、1回目の楽曲の再生を終了した後、当該楽曲に設定されている基準運動周期を用いて再生速度制御処理を繰り返し行うようにしてもよい。
【0055】
(5)上述した実施形態では、ユーザによって選択された楽曲に基準運動周期が設定されていない場合、基準運動周期の入力を要求する基準運動周期入力要求画面を表示部23に表示する例について説明したが、例えば、音声により基準運動周期の入力を要求してもよく、基準運動周期の入力の要求を報知する方法はこれに限定されない。
【0056】
(6)また、上述した実施形態では、本体装置20は携帯機器を例に説明したが、例えばPC(Personal Computer)やカラオケ装置等、携帯機器以外の装置であってもよい。また、実施形態では、楽音再生装置1は、本体装置20とテンポ入力操作子10とで構成されている例を説明したが、本体装置20とテンポ入力操作子10とが一体となっていてもよい。
【0057】
(7)また、上述した実施形態では、楽曲毎に設定された基準運動周期の情報を記憶することについて述べたが、ユーザ毎に各楽曲について設定された基準運動周期の情報を記憶するように構成してもよい。また、各楽曲について、運動の種類毎に運動量の程度(運動の速度等)に応じた運動周期を予め記憶部22に記憶しておくようにしてもよい。ユーザが楽曲を選択する際に、運動の種類と運動量の程度を選択する画面を表示部23に表示して運動の種類と運動量の程度を選択させ、選択された運動の種類と運動量の程度に対応する運動周期をデフォルトの基準運動周期として設定する。そして、実施形態と同様の方法で、ユーザがテンポ入力操作子10を動かしたときの加速度情報に基づいて基準運動周期を求め、デフォルトの基準運動周期との差分に応じた報知を行う。即ち、例えば、デフォルトの基準運動周期との差分が一定値以上である場合には、求めた基準運動周期に対応する運動量の程度を表示部23に表示したり、また、デフォルトの基準運動周期との差分が一定値より小さい場合には、デフォルトの基準運動周期と求めた基準運動周期とが一致していることを示す情報を表示部23に表示する。このように構成することで、ユーザは、自分の運動ペースで運動を行った場合に、選択した運動量を得られるか否かを確認することができる。
【0058】
(8)上述した実施形態では、ユーザに基準運動周期の入力を要求する報知を行ったときを基準運動周期の決定処理を開始する始期とする例としたが、楽曲の再生開始から一定時間経過した時を始期としたり、ユーザによる開始指示の操作があったときを始期とするなど、予め定めた開始条件に基づいて基準運動周期の決定処理を開始するようにしてもよい。また、実施形態では、一定の安定した運動周期が入力されたときを基準運動周期の決定処理の終期とする例としたが、以下のようにしてもよい。
つまり、一定の安定した運動周期が入力されたか否かにか関わらず、基準運動周期決定処理の始期から予め定めた所定時間内が経過した時を終期とする。また、所定時間内に入力された運動周期の平均値を基準運動周期として決定する、あるいは、当該所定時間の最後に検出された運動周期を基準運動周期とするなど種々の変形を行うようにしてもよい。また、テンポ入力操作子10が周期的に動かされた回数によって基準運動周期決定処理の期間を設定してもよい。この場合、最短であれば、1回の動作に基づいて基準運動周期を設定することも可能である。
また、実施形態では、基準運動周期を決定した後は基準運動周期の再設定を行わない例であったが、ユーザによる再設定指示操作がなされたとき、又は、基準運動周期の決定後、楽曲の再生指示が所定時間内になされなかった場合などの条件で基準運動周期の再設定を行うようにしてもよい。
【0059】
(9)また、上述した実施形態では、基準運動周期と再生時運動周期との比率に応じて楽曲データの再生速度を制御する例であったが、例えば、基準運動周期と再生時運動周期との差に応じて再生速度を制御するなど、基準運動周期と再生時運動周期との大きさに基づいて再生速度を制御するようにしてもよい。
【0060】
(10)上述した実施形態では、テンポ入力操作子10が単位時間に周期的に動かされた回数を運動周期とし、加速度ピーク間の時間間隔を予め定義された演算式により運動周期に変換する例であったが、加速度ピーク間の時間間隔を運動周期として用いてもよい。
【0061】
(11)上述した実施形態及び変形例における楽音再生装置によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて楽音再生装置にダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0062】
1・・・楽音再生装置、10・・・テンポ入力操作子、11,21・・・制御部、12・・・検出部、13,26・・・通信部、14,24・・・操作部、20・・・本体装置、22・・・記憶部、23・・・表示部、25・・・音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に装着又は把持され、利用者による周期的な運動を表す運動情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された運動情報に基づいて、前記運動の運動周期を決定する運動周期決定手段と、
楽曲を再生する再生手段と、
前記再生手段が前記楽曲を予め定められた基準再生速度で再生中に、当該基準再生速度に対応する前記運動の基準となる運動周期を示す基準運動周期の決定処理の開始を指示する基準運動周期開始手段と、
前記再生手段が前記基準再生速度で前記楽曲を再生中、前記基準運動周期開始手段により基準運動周期の決定処理の開始が指示された後に、前記運動周期決定手段により決定された運動周期に基づいて、当該楽曲の前記基準運動周期を決定し、前記基準運動周期の決定処理を終了する基準運動周期決定手段と、
前記基準運動周期の決定処理後に前記運動周期決定手段によって決定された運動周期が、前記基準運動周期決定手段において決定された基準運動周期の閾値範囲内であるときは、前記基準再生速度に従って前記楽曲を再生し、前記閾値範囲内でないときには、前記基準運動周期と当該運動周期の大きさに応じた再生速度で前記楽曲を再生するよう前記再生手段を制御する再生制御手段と
を備えることを特徴とする楽音再生装置。
【請求項2】
前記再生制御手段は、前記基準運動周期に対する前記運動周期の大きさに応じた再生速度が予め定められた再生速度の範囲内でない場合には、予め定められた再生速度の上限値又は下限値に従って前記楽曲を再生するように前記再生手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の楽音再生装置。
【請求項3】
前記再生制御手段は、前記再生手段による前記楽曲の再生中において、前記運動周期決定手段により決定された現在の運動周期と直前の運動周期との差分が、予め定められた閾値を超えている場合には、前記直前の運動周期に前記閾値を増分した運動周期を現在の運動周期として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音再生装置。
【請求項4】
コンピュータを、
利用者による周期的な運動を表す運動情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された運動情報に基づいて、前記運動の運動周期を決定する運動周期決定手段と、
楽曲を再生する再生手段と、
前記再生手段が前記楽曲を予め定められた基準再生速度で再生中に、当該基準再生速度に対応する前記運動の基準となる運動周期を示す基準運動周期の決定処理の開始を指示する基準運動周期開始手段と、
前記再生手段が前記基準再生速度で前記楽曲を再生中、前記基準運動周期開始手段により基準運動周期の決定処理の開始が指示された後に、前記運動周期決定手段により決定された運動周期に基づいて、当該楽曲の前記基準運動周期を決定し、前記基準運動周期の決定処理を終了する基準運動周期決定手段と、
前記基準運動周期の決定処理後に前記運動周期決定手段によって決定された運動周期が、前記基準運動周期決定手段において決定された基準運動周期の閾値範囲内であるときは、前記基準再生速度に従って前記楽曲を再生し、前記閾値範囲内でないときには、前記基準運動周期と当該運動周期の大きさに応じた再生速度で前記楽曲を再生するよう前記再生手段を制御する再生制御手段と
して機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−257495(P2011−257495A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130256(P2010−130256)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】