説明

構造体およびこれを備えた画像形成装置

【課題】把持部に掛かる荷重に起因した構造体の変形を防止することにより、構造体の外観品質を維持するとともに把持部の機能を確保することができる構造体および画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】切り欠き穴1aが形成された第1のフレーム1と、第1のフレーム1に対向して設けられ、切り欠き穴2aが形成された第2のフレーム2と、第1のフレーム1の一方の側端部1bおよび第2のフレーム2の一方の側端部2bに取り付けられる第3のフレーム3と、第1のフレーム1、第2のフレーム2および第3のフレーム3に当接する外周面14を有し、外周面14の全周が切り欠き穴1a、2aの上部に位置するよう第1のフレーム1、第2のフレーム2および第3のフレーム3に取り付けられる第4のフレーム4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体に関し、特に、装置内部に収容される構造体およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、構造体を内部に収容する装置として、例えば画像形成装置が知られている。
一般に、画像形成装置は、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像を読み取る読取部と、読取部によって読み取られた画像を記録紙に形成する画像形成部と、画像形成部に記録紙を給紙する給紙部とを備え、画像形成部が有する光書込装置によって感光体表面に光を照射することにより静電潜像を形成し、感光体表面に形成された静電潜像にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色成分からなるトナーを供給しトナー像として可視像化し、これら各色成分のトナー像を転写材に転写することにより、カラー画像を形成するようにしている。
【0003】
このような画像形成装置は、光書込装置やその他画像形成に必要となる機器、これら機器を駆動する駆動装置等を正確に位置決めして保持する構造体を画像形成装置の本体内部に収容するとともに、画像形成装置の本体外装に運搬用の取っ手部を設けたものがある。
【0004】
従来、この種の画像形成装置としては、図17(a)に示すように、画像形成装置の外装部材201に設けられた運搬用の彫り込み式の取っ手部202の引っ張り方向の強度を改善することを目的として、画像形成装置の外装部材201の取っ手部202の裏面側上部202aに対向する位置に、構造体200のフレーム210(図17(b)参照)に固定される補強材212を設けるとともに、取っ手部202の裏面側上部202aに掛合されるリブ203を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、図17(b)に示すように、上述の補強材212は、その長手方向の両端が構造体200のフレーム210に締結部材により固定されている。
これにより、上述の特許文献1に記載の画像形成装置においては、補強材212が、外装部材201に設けられた取っ手部202の上部に掛かる上方向の荷重(図17(a)中、矢印Aで示す方向)を受けるとともに、取っ手部202のリブ203との掛合により取っ手部202に掛かる横方向の荷重(図17(a)中、矢印Aで示す方向)を受けることにより、上方向と横方向とに掛かる荷重を構造体200のフレーム210に固定される補強材212で受けることができ、外装面の破損等を防止することができる。また、上述の構造体200には、光書込装置やその他画像形成に必要となる機器等を備える画像形成部が位置決めされて設置されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された従来の画像形成装置にあっては、外装面の破損等を防止するため、取っ手部202に掛かる上方向や横方向の荷重を構造体200のフレーム210に固定される補強材212で受けるようにしているので、補強材212を介して構造体200のフレーム210自体にも上述の荷重が掛かることとなる。特に、画像形成装置の偏重心や画像形成装置の運搬状況等に応じて、上述の取っ手部202を引っ張るような力が加わると、取っ手部202に横方向の荷重が掛かり、この横方向の荷重が、取っ手部202のリブ203を介して補強材212に対しても作用する。これにより、補強材212を固定している構造体200のフレーム210に対しても横方向の荷重すなわち曲げ方向の荷重が掛かる。そのため、このような曲げ方向の荷重に起因して、構造体200のフレーム210がフレームの曲げ方向に歪み、このフレーム210の歪みにより構造体200自体も変形することとなる。
【0007】
このため、構造体200を収容する画像形成装置の運搬時において、上方向や横方向、または上方向および横方向に垂直な方向の荷重が取っ手部202に掛かることにより、構造体200が変形するおそれがあり、この構造体200の変形に起因して構造体200の外観品質を損なうばかりか、取っ手部202の機能が損なわれてしまうおそれがあった。
【0008】
また、上述の画像形成装置の運搬時等において、画像形成装置の本体内部に正確に位置決めされた画像形成部が備える光書込装置やその他画像形成に必要な機器の設置位置が、構造体200の変形に起因してずれることとなる。そのため、転写材に対して形成される画像の平行度や直線性および直角度のずれ、色ずれ等による影響を抑えることができず、画像品質の劣化を生じ得るという問題もあった。
【0009】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、把持部に掛かる荷重に起因した構造体の変形を防止することにより、構造体の外観品質を維持するとともに把持部の機能を確保することができる構造体および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的達成のため、本発明の構造体は、把持部を有する第1のフレームと、把持部を有し、前記第1のフレームに対向して設けられた第2のフレームと、前記第1のフレームの一方の側端部および第2のフレームの一方の側端部に取り付けられる第3のフレームと、前記第1のフレーム、前記第2のフレームおよび前記第3のフレームに当接する外周面を有し、前記外周面の全周が前記把持部の上部に位置するよう前記第1のフレーム、前記第2のフレームおよび前記第3のフレームに取り付けられる第4のフレームとを備えた構成を有する。
【0011】
この構成により、本発明は、第1のフレーム、第2のフレームおよび第3のフレームに当接する外周面を有し、この外周面の全周が把持部の上部に位置するよう第1のフレーム、第2のフレームおよび第3のフレームに取り付けられる第4のフレームを備えているので、例えば構造体を内部に収容した装置の運搬等を把持部を用いて行う場合において、上方向から横方向にかけて最も荷重の掛かる第1のフレームおよび第2のフレームの把持部の上部が補強されることとなる。このため、例えば各把持部に対して上方向の荷重が掛かることにより第1のフレームおよび第2のフレームが変形してしまうことを防止することができる。また、上述の各把持部に横方向の荷重が掛かる場合にあっては、構造体外方に向けて各把持部が互いに引っ張り合うこととなり、各把持部に掛かる横方向の荷重が第4のフレームを介して相殺される。そのため、横方向の荷重に対して第1のフレームおよび第2のフレームの剛性を高めることができ、第1のフレームおよび第2のフレームのそれぞれに掛かる横方向の荷重すなわち曲げ方向の荷重により第1のフレームおよび第2のフレームが変形してしまうことを防止することができる。
【0012】
したがって、装置の運搬時等において各把持部に荷重が掛かった場合であっても、第1のフレームおよび第2のフレームを含む構造体の外観品質を維持することができるばかりか、各把持部の機能も確保することができ、装置の運搬時等における安全性を確保することができる。
【0013】
また、本発明の構造体は、短手方向の一方の端部が前記第3のフレームに取り付けられるとともに、長手方向の両端部が前記把持部の下部に位置するよう前記第1のフレームおよび前記第2のフレームに取り付けられる第5のフレームを備え、前記第1のフレーム、前記第2のフレーム、前記第3のフレーム、前記第4のフレームおよび前記第5のフレームにより筺体状の筺体空間が形成される構成を有する。
【0014】
この構成により、本発明は、第1のフレーム、第2のフレーム、第3のフレーム、第4のフレームおよび第5のフレームにより筺体状の筺体空間が形成されることにより、構造体の剛性をさらに向上させることができる。このため、第1のフレームおよび第2のフレームの各把持部に荷重が掛かる場合であっても、構造体の外観品質を維持することができるとともに、各把持部の機能も確保することができ、装置の運搬時等の安全性を確保することができる。
【0015】
また、本発明の構造体は、各種部品を収容する装置に適用される構造体であって、前記第4のフレームの上方側および下方側のいずれか一方、および双方に比較的大重量の部品を配置させるようにした構成を有する。
【0016】
この構成により、本発明は、例えば構造体が各種部品を収容する装置に適用された場合に、第4のフレームの上方側および下方側のいずれか一方、および双方に比較的大重量の部品を配置させるようにしたので、第3のフレームおよび第4のフレームの配置された側に構造体を含む装置全体の重量が偏ることとなる。すなわち、前述の重量の偏りに応じて把持部を含む第1のフレームおよび第2のフレームに対して最も強度が要求される側に第3のフレームおよび第4のフレームを配置することができる。この結果、構造体を含む装置全体の重量の偏りに応じて最も剛性の必要とされる側の構造体の強度を確保することができる。
【0017】
また、本発明の構造体は、前記第1のフレーム、前記第2のフレームおよび前記第3のフレームが一体化されて第1のフレーム体を構成するようにしている。
【0018】
この構成により、本発明は、第1のフレーム体を構成するよう第1のフレーム、第2のフレームおよび第3のフレームを一体化したので、構造体の剛性をより向上させることができる。このため、装置の運搬時等において各把持部に荷重が掛かった場合であっても、構造体の外観品質を維持することができるばかりか、各把持部の機能も確保することができ、装置の運搬時等における安全性を確保することができる。また、部品点数の削減により組付け工数の削減や部品管理の簡素化によるコスト削減を図ることができる。
【0019】
また、本発明の構造体は、前記第1のフレーム体と前記第4のフレームとが一体化されて第2のフレーム体を構成するようにしている。
【0020】
この構成により、本発明は、第2のフレーム体を構成するよう第1のフレーム体と第4のフレームとを一体化したので、構造体の剛性をより向上させることができる。このため、装置の運搬時等において各把持部に荷重が掛かった場合であっても、構造体の外観品質を維持することができるばかりか、各把持部の機能も確保することができ、装置の運搬時等における安全性を確保することができる。また、部品点数の削減により組付け工数の削減や部品管理の簡素化によるコスト削減を図ることができる。
【0021】
また、本発明の構造体は、前記第2のフレーム体と前記第5のフレームとが一体化されて第3のフレーム体を構成するようにしている。
【0022】
この構成により、本発明は、第3のフレーム体を構成するよう第2のフレーム体と第5のフレームとを一体化したので、構造体の剛性をより向上させることができる。このため、装置の運搬時等において各把持部に荷重が掛かった場合であっても、構造体の外観品質を維持することができるばかりか、各把持部の機能も確保することができ、装置の運搬時等における安全性を確保することができる。また、部品点数の削減により組付け工数の削減や部品管理の簡素化によるコスト削減を図ることができる。
【0023】
さらに、本発明の画像形成装置は、請求項1〜6に記載の構造体を備えた構成を有する。
【0024】
この構成により、本発明は、第1のフレーム、第2のフレームおよび第3のフレームに当接する外周面を有し、この外周面の全周が把持部の上部に位置するよう第1のフレーム、第2のフレームおよび第3のフレームに取り付けられる第4のフレームを備えているので、構造体を備えた画像形成装置の運搬等を把持部を用いて行う場合において、上方向から横方向にかけて最も荷重の掛かる第1のフレームおよび第2のフレームの把持部の上部が補強されることとなる。このため、例えば各把持部に対して上方向の荷重が掛かることにより第1のフレームおよび第2のフレームが変形してしまうことを防止することができる。また、上述の各把持部に横方向の荷重が掛かる場合にあっては、構造体外方に向けて各把持部が互いに引っ張り合うこととなり、各把持部に掛かる横方向の荷重が第4のフレームを介して相殺される。そのため、横方向の荷重に対して第1のフレームおよび第2のフレームの剛性を高めることができ、第1のフレームおよび第2のフレームのそれぞれに掛かる横方向の荷重すなわち曲げ方向の荷重により第1のフレームおよび第2のフレームが変形してしまうことを防止することができる。
【0025】
したがって、画像形成装置の運搬時等において各把持部に荷重が掛かった場合であっても、第1のフレームおよび第2のフレームを含む構造体の外観品質を維持することができるばかりか、各把持部の機能も確保することができ、画像形成装置の運搬時等における安全性を確保することができる画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、把持部に掛かる荷重に起因した構造体の変形を防止することにより、構造体の外観品質を維持するとともに把持部の機能を確保することができる構造体および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る構造体の要部の簡略した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る構造体における第3のフレームおよび第4のフレームの設置位置を説明する簡略した斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る構造体における第4のフレームの設置位置を説明する簡略した斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体を備えたフルカラー画像(モノクロ画像を含む)の画像形成装置の概略を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体を備えたフルカラー画像(モノクロ画像を含む)の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の概略を表す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の補強フレームの取り付け構造を示す部分拡大斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体に外装カバーが一部取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の後右フレームに外装カバーが取り付けられた際の取っ手部分を示す拡大斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の一部を上から見た一部上面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の後側面部側を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の後側面部側の正面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の一部を上から見た一部上面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体にハーネス等の部品が配置された状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体にハーネス等の部品が配置された状態の画像形成装置用構造体の一部を上から見た一部上面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体にハーネス等の部品が配置された状態の画像形成装置用構造体の一部を示す斜視図である。
【図17】(a)および(b)は、従来の画像形成装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る構造体の要部の簡略した斜視図である。
図1に示すように、構造体10は、例えば画像形成装置等の装置内部に収容され、第1のフレーム1と、第2のフレーム2と、第3のフレーム3と、第4のフレーム4と、第5のフレーム5とを含んで構成されている。
【0030】
第1のフレーム1は、矩形の略平板状の例えば鋼板等により構成され、把持部としての切り欠き穴1aが長手方向の下方側、すなわち第5のフレーム5側の側面に形成されている。また、第1のフレーム1は、短手方向の一方の側端部1bが第3のフレーム3に接合されるとともに、長手方向の一方の側端部1cが第5のフレーム5に接合されるようになっている。
【0031】
第2のフレーム2は、第1のフレーム1に対向して設けられ、把持部としての切り欠き穴2aが長手方向の下方側、すなわち第5のフレーム5側の側面に形成されている。また、第2のフレーム2は、矩形の略平板状の例えば鋼板等により構成され、短手方向の一方の側端部2bが第3のフレーム3に接合されるとともに、長手方向の一方の側端部2cが第5のフレーム5に接合されるようになっている。
【0032】
また、上述の切り欠き穴1a、2aは、互いに対向する位置に設けられるようになっている。また、切り欠き穴1a、2aには、構造体10が適用される装置の外装に設けられた掘り込み式の取っ手等が嵌合または掛合するようになっている。なお、前述の取っ手は、掘り込み式の取っ手に限られるものではなく、例えば構造体内部および外部に出し入れ可能な引き出し式の取っ手であってもよい。
【0033】
なお、本実施の形態においては、前述の切り欠き穴1a、2aを第1のフレーム1および第2のフレーム2の第5のフレーム5側に形成するようにしているが、これに限定されるものではなく、装置または構造体の仕様に応じて任意の位置に配置される。また、把持部としては、切り欠き穴1a、2aに限らず、例えば絞り加工により形成されるものであってもよい。
【0034】
第3のフレーム3は、第1のフレーム1の一方の側端部1bおよび第2のフレーム2の一方の側端部2bのそれぞれに接合されるようになっている。
具体的には、第3のフレーム3は、略平板状の例えば鋼板等により構成され、第1のフレーム1の一方の側端部1bおよび第2のフレーム2の一方の側端部2bが両側の側端部3a、3bにそれぞれ接合されるようになっている。また、第3のフレーム3は、図1中、下方に位置する側端部3cが第5のフレーム5に接合されるようになっている。
【0035】
第4のフレーム4は、第1のフレーム1、第2のフレーム2および第3のフレーム3(以下、第1のフレーム1〜第3のフレーム3という)に当接する外周面14を有し、この外周面14の全周が第1のフレーム1および第2のフレーム2に形成された切り欠き穴1a、2aの上部に位置するよう第1のフレーム1〜第3のフレーム3に接合されるようになっている。ここで、上述の切り欠き穴1a、2aの上部とは、切り欠き穴1a、2aの近傍であって、第5のフレーム5側と反対側に位置する部分をいう。
【0036】
具体的には、第4のフレーム4は、矩形の略平板状の例えば鋼板等により構成され、短手方向の一方の側端面4aと長手方向の両側の側端面4bおよび側端面4cとにより構成された第1のフレーム1〜第3のフレーム3に当接する外周面14を有している。また、第4のフレーム4は、側端面4aが第3のフレーム3の側面に接合されるとともに、側端面4b、4cがそれぞれ切り欠き穴1a、2aの上部において対向する第1のフレーム1および第2のフレーム2の対向面に接合されるようになっている。また、第4のフレーム4の側端面4c側の端部には、第3のフレーム3側に切り欠き部4dが形成されており、この切り欠き部4dが形成された位置には、構造体10を装置に適用した際に装置内部に設けられる各種部品等の一部、例えば画像形成装置の所定のローラ等を駆動する駆動装置等が配置されるようになっている。
【0037】
なお、本実施の形態においては、前述の切り欠き部4dを除く側端面4a、4b、4cにより本発明における第4のフレームの外周面が構成されている。
また、本実施の形態においては、切り欠き部4dが側端面4c側の端部であって第3のフレーム3側に形成するようにしたが、これに限らず、例えば装置や構造体の仕様に応じて適正な位置に形成するようにしてもよく、切り欠き部4dを形成しないようにしてもよい。
【0038】
第5のフレーム5は、第4のフレーム4の下方に設けられ、短手方向の一方の側端部5aが第3のフレーム3に取り付けられるとともに、長手方向の両側の側端部5b、5cがそれぞれ切り欠き穴1a、2aの下部に位置するよう第1のフレーム1および第2のフレーム2に取り付けられるようになっている。ここで、上述の切り欠き穴1a、2aの下部とは、切り欠き穴1a、2aの近傍であって、第5のフレーム5側に位置する部分をいう。
【0039】
具体的には、第5のフレーム5は、矩形の略平板状の例えば鋼板等により構成され、短手方向の一方の側端部5aが第3のフレーム3の側端部3cに接合されるようになっている。また、第5のフレーム5は、長手方向の両側の側端部5b、5cが、第4のフレーム4の下方であって切り欠き穴1a、2aの下部において、それぞれ第1のフレーム1の側端部1cおよび第2のフレーム2の側端部2cに接合されるようになっている。
これにより、第1のフレーム1、第2のフレーム2、第3のフレーム3、第4のフレーム4および第5のフレーム5により筺体状の筺体空間が形成されるようになっている。
【0040】
次に、本実施の形態に係る構造体10を装置等に収容した際の第3のフレーム3および第4のフレーム4の設置位置について説明する。
図2に示すように、例えば構造体10が画像形成装置に適用される場合には、画像形成装置内部に収容されるレジストローラ11、搬送ローラ12および給紙コロ13等を駆動する駆動装置や電装ユニット等の各種部品が、図示を省略しているが第3のフレーム3の第4のフレーム4側の側面に配置されるようになっている。すなわち、レジストローラ11や搬送ローラ12および給紙コロ13等に比べて比較的大重量の駆動装置や電装ユニット等の各種部品は、第4のフレーム4の上方側および下方側のいずれか一方、および双方に配置されるようになっており、例えば第4のフレーム4側の第3のフレーム3の側面に取り付けられるようになっている。
【0041】
このように駆動装置や電装ユニットが配置された画像形成装置の運搬時等においては、図2中、Fで示す前面側、Rで示す後面側、Sで示す左側面側およびSで示す右側面側のうち、駆動装置や電装ユニット等の重量に応じて前面側Fに構造体10を含む装置全体の重量が偏ることとなる。このため、本実施の形態においては、例えば画像形成装置に駆動装置や電装ユニット等を収容した状態で重量の偏る前面側Fに上述した第3のフレーム3および第4のフレーム4を配置するようになっている。また、第5のフレーム5についても、前述の第3のフレーム3および第4のフレーム4と同様に、前面側Fに配置するのが好ましい。
【0042】
このように、構造体10は、例えば画像形成装置等のような各種機器を収容する装置に適用された場合には、第3のフレーム3〜第5のフレーム5が最も重量の掛かる側に設けられるようにしたので、装置の重量の偏りに応じて最も剛性の必要とされる側の構造体の強度を確保することができる。
【0043】
なお、本実施の形態において、第3のフレーム3および第4のフレーム4は、前面側Fに配置するようにしたが、構造体10が適用される装置の仕様等に応じて、前面側F、後面側R、左側面側Sおよび右側面側Sのうち、最も重量の偏る側に配置される。
【0044】
以上のように、本実施の形態に係る構造体10は、第1のフレーム1〜第3のフレーム3に当接する外周面14を有し、この外周面14の全周が切り欠き穴1a、2aの上部に位置するよう第1のフレーム1〜第3のフレーム3に取り付けられる第4のフレーム4を備えているので、例えば構造体10を内部に収容した装置の運搬等を切り欠き穴1a、2aに嵌合した掘り込み式の取っ手等を用いて行う場合において、上方向から横方向にかけて最も荷重の掛かる第1のフレーム1および第2のフレーム2の切り欠き穴1a、2aの近傍かつ上部が補強されることとなる。このため、例えば各切り欠き穴1a、2aに対して上方向の荷重が掛かることにより第1のフレーム1および第2のフレーム2が変形してしまうことを防止することができる。また、上述の各取っ手に横方向の荷重が掛かる場合にあっては、構造体10の外方に向けて各取っ手が互いに引っ張り合うこととなり、各取っ手に掛かる横方向の荷重が第4のフレーム4を介して相殺される。そのため、横方向の荷重に対して第1のフレーム1および第2のフレーム2の剛性を高めることができ、第1のフレーム1および第2のフレーム2のそれぞれに掛かる横方向の荷重すなわち曲げ方向の荷重により第1のフレーム1および第2のフレーム2が変形してしまうことを防止することができる。
【0045】
したがって、装置の運搬時等において各取っ手を介して各切り欠き穴1a、2aに荷重が掛かった場合であっても、第1のフレーム1および第2のフレーム2を含む構造体10の外観品質を維持することができるばかりか、各切り欠き穴1a、2aに嵌合する取っ手の機能も確保することができ、装置の運搬時等における安全性を確保することができる。
【0046】
また、本実施の形態に係る構造体10は、第1のフレーム1、第2のフレーム2、第3のフレーム3、第4のフレーム4および第5のフレーム5により筺体状の筺体空間が形成されることにより、構造体10の剛性をさらに向上させることができる。このため、第1のフレーム1および第2のフレーム2に設けられた各切り欠き穴1a、2aに嵌合する掘り込み式の取っ手等に荷重が掛かる場合であっても、構造体10の外観品質を維持することができるとともに、各切り欠き穴1a、2aに嵌合する取っ手の機能も確保することができ、装置の運搬時等の安全性を確保することができる。
【0047】
なお、本実施の形態においては、第1のフレーム1〜第3のフレーム3、第4のフレーム4および第5のフレーム5をそれぞれ別体として構成したが、これに限らず、例えば、第1のフレーム1〜第3のフレーム3を一体化して第1のフレーム体を構成、またはこの第1のフレーム体に第4のフレーム4を一体化して第2のフレーム体を構成、もしくはこの第2のフレーム体に第5のフレーム5を一体化して第3のフレーム体を構成するようにしてもよい。なお、上述の各フレーム体を構成する組み合わせは、任意に設定可能であって、特に上述の組み合わせに限られるものではなく、例えば第1のフレーム1と第2のフレーム2と第4のフレーム4とを一体化する構成のものであってもよい。
【0048】
このように、別体で設けられた各フレームを一体化することにより、構造体10の剛性をより向上させることができる。このため、装置の運搬時等において各切り欠き穴1a、2aに嵌合する掘り込み式の取っ手等に荷重が掛かった場合であっても、構造体10の外観品質を維持することができるばかりか、各切り欠き穴1a、2aに嵌合する取っ手の機能も確保することができ、装置の運搬時等における安全性を確保することができる。また、部品点数の削減により組付け工数の削減や部品管理の簡素化によるコスト削減を図ることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、第1のフレーム1の側端部1cおよび第2のフレーム2の側端部2c、第3のフレーム3の側端部3cに第5のフレーム5を接合するようにしたが、これに限らず、切り欠き穴1a、2aの近傍かつ下部において接合されるものであればよく、例えば、切り欠き穴1a、2aの位置に応じて適宜設定される。すなわち、図3に示すように、切り欠き穴1a、2aの位置が図1に示される切り欠き穴1a、2aの位置に比べて上方に形成された場合には、第5のフレーム5が、切り欠き穴1a、2aの位置に応じて切り欠き穴1a、2aの近傍かつ下部において、第1のフレーム1〜第3のフレーム3に接合されるようにしてもよい。このとき、第5のフレーム5には、第4のフレーム4に形成された切り欠き部4dに対応する位置に切り欠き部5dを形成するようにしてもよい。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、上述した構造体として、画像形成装置の内部に収容される画像形成装置用構造体を例に挙げて説明する。
【0051】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体を備えたフルカラー画像(モノクロ画像を含む)の画像形成装置の概略を示す外観斜視図である。なお、本実施の形態は、画像形成装置をタンデム方式を採用する複写機に適用しているが、これに限らず、例えばプリンタやファクシミリ等にも適用することができる。
【0052】
まず、構成について説明する。
図4に示すように、画像形成装置としての複写機30は、画像読取ユニットとしてのスキャナ部32と、スキャナ部2の下部に配置された排紙部33と、排紙部33の下部に配置された画像形成部34と、画像形成部34の下部に配置された2段の給紙ユニットとしての給紙部35とから構成されている。また、スキャナ部2の正面側には、例えばスタートキー、テンキー、機能設定キー、リセットキー、クリア/ストップキー等を含む複写機30の各種機能を操作するための各種入力キーと、各種入力情報や画像形成装置の状態などを表示する表示部とを有する操作部36が設けられている。
【0053】
一方、画像形成部34および給紙部35が設けられる装置本体の外装は、プラスチックを用いた樹脂成型により形成された外装カバー37Rやその他の外装カバーおよび開閉扉等の部材で構成されている。この外装カバー37Rには、画像形成装置の運搬用の把持部として取っ手38Rが設けられている。なお、複写機30の外装カバー37Rが設けられている面と反対側の面にも、外装カバー37Rと同様の外装カバー37Lが設けられており、取っ手38Rと同様の取っ手38Lも設けられている(図8参照)。これにより、両側の外装カバー37R、37Lに設けられた取っ手38R、38Lを用いて、複写機30の運搬等を行うことができる。なお、外装カバーに設けられる取っ手は、2つ以上であってもよい。さらに、上述の取っ手38R、38Lは、対向する位置関係にあれば装置本体の外装のいずれの部分に設けられていてもよい。
【0054】
このような複写機30は、スキャナ部32により読み取られた画像を画像形成部34によって給紙部35から搬送される転写材としての記録紙に画像形成して、画像形成された記録紙を排紙部33に排紙するようになっている。
【0055】
次いで、上述の複写機30の構成について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体を備えたフルカラー画像(モノクロ画像を含む)の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【0056】
図5に示すように、スキャナ部32は、第1コンタクトガラス32aと、光源32bと、第1ミラー部材32cと、第2ミラー部材32dと、第3ミラー部材32eと、結像レンズ32fと、CCD等のイメージセンサ32gと、第2コンタクトガラス32hとを備えており、光源32bおよび第1ミラー部材32cは、第1走行体に保持され、第2ミラー部材32dおよび第3ミラー部材32eは、第2走行体に保持されるようになっている。このようなスキャナ部32は、光源32bにより第1コンタクトガラス32a上に載置された原稿に光を照射し、各ミラー部材32c〜32eにより原稿からの反射光を折り返させ、その反射光を結像レンズ32fにより結像してイメージセンサ32gで読み取らせるようになっている。
【0057】
なお、スキャナ部32の上部には、第2コンタクトガラス32h上に原稿を自動で搬送してシートスルー方式の原稿読取を実行する自動原稿搬送装置39(以下、単にADF39)が設けられている。なお、図1においては、このADF39が取り除かれた状態の複写機30を示している。
【0058】
画像形成部34は、画像形成装置本体内にタンデム式に並べられた4つの作像ステーション41C、41M、41Y、41B(以下、単にプロセスカートリッジ41(C、M、Y、B))と、光書込装置42と、それぞれ異なる色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナーを収容する画像形成装置本体内に並列された4つのトナーボトル43C、43M、43Y、43B(以下、単にトナーボトル43(C、M、Y、B))と、中間転写装置44と、中間転写クリーニング装置45と、定着装置46とを備えている。
【0059】
各作像ステーション41(C、M、Y、B)には、それぞれ潜像を担持する感光体としての感光体ドラム47が備えられている。各作像ステーション41(C、M、Y、B)は、光書込装置42から照射された光によって、帯電装置により表面が一様に帯電された感光体ドラム47上に静電潜像が形成され、この感光体ドラム47上に形成された静電潜像に現像装置によりトナーを供給しトナー像として可像化するようになっている。
【0060】
光書込装置42は、各作像ステーション41(C、M、Y、B)の下部に配置され、各色に対応する例えばレーザダイオード方式の4つの光源と、光源から出射されたレーザ光束をコリメートする光学系と、ポリゴンミラーおよびポリゴンモータからなる1つの偏向器と、各光源の光路上に配置されたfθレンズなどの走査、結像用のレンズや補正用レンズ、ミラーなどからなる光学系とにより構成されている。この光書込装置42は、各色の画像情報に基づき4つの光源から出射されたレーザ光束を1つの偏向器により4系統に振り分けて偏光走査し、帯電装置により帯電された各色の感光体ドラム47の表面にレーザ光を照射し、4つの感光体ドラム47上に静電潜像を書き込むようになっている。
【0061】
各トナーボトル43(C、M、Y、B)は、同一の構成であり、それぞれ排紙部33の下部に配置され、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のトナーが充填されるようになっている。これら各トナーボトル43(C、M、Y、B)は、それぞれ各色に対応する各作像ステーション41(C、M、Y、B)に図示しない供給路を介して、充填された各色のトナーを供給するようになっている。
【0062】
中間転写装置44は、各作像ステーション41(C、M、Y、B)の上部に配置され、一次転写ローラ44aと、中間転写ベルト44bと、二次転写ローラ44cとを有している。この中間転写装置44は、一次転写ローラ44aに所定の転写電圧が印加されることにより、感光体ドラム47上に形成されたトナー像を回転する中間転写ベルト44b上に一次転写するようになっている。また、二次転写ローラ44cに所定の転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト44b上に転写されたトナー像をさらに記録紙に二次転写するようになっている。
【0063】
中間転写クリーニング装置45は、図5中、中間転写装置44の左側に配置され、記録紙への転写後に中間転写ベルト44b上の残留トナーを除去するようになっている。
定着装置46は、図5中、中間転写装置44の右上部かつ各トナーボトル43(C、M、Y、B)の右側に配置され、記録紙に転写されたトナー像を熱と圧力により記録紙に定着させるようになっている。また、この定着装置46の搬送路上流側には、排紙ローラ48が配置されており、定着装置46により画像が定着された記録紙を排紙部33に排紙するようになっている。
【0064】
このような画像形成部34は、各作像ステーション41(C、M、Y、B)の感光体ドラム47上に、光書込装置42からレーザ光を照射して静電潜像を書込み、静電潜像が書き込まれた感光体ドラム47の表面に、トナーを供給してトナー像として可視像化して、この可視像化されたトナー像を中間転写装置44により記録紙に転写し、定着装置46により転写された画像を記録紙に定着させて、画像を形成するようになっている。
【0065】
給紙部35は、記録紙が収納された2段の第1給紙カセット35aおよび第2給紙カセット35bと、第1給紙装置35cおよび第2給紙装置35dとを備えている。
また、この第1給紙装置35cおよび第2給紙装置35dの給紙方向上流には、第1搬送ローラ50および第2搬送ローラ51が配置されている。さらに、この第1搬送ローラ50および第2搬送ローラ51の給紙方向のさらに上流であって、二次転写ローラ44cの手前には、レジストローラ52が配置されている。
【0066】
さらに、給紙部35は、第1給紙カセット35aおよび第2給紙カセット35bのいずれかから第1給紙装置35cまたは第2給紙装置35dにより記録紙を給紙し、第1搬送ローラ50および第2搬送ローラ51を介してレジストローラ52に向けて給紙するようになっている。また、レジストローラ52は、第1搬送ローラ50および第2搬送ローラ51を介して給紙された記録紙を所定のタイミングにて二次転写ローラ44cに給紙するようになっている。
【0067】
さらに、給紙部35の下部には、給紙テーブル55が配置され、この給紙テーブル55が備える給紙カセット55a、55bから、上述の給紙部35同様、第1給紙装置55cまたは第2給紙装置55dにより記録紙を給紙するようになっている。なお、図4においては、この給紙テーブル55が取り除かれた状態の複写機30を示している。
【0068】
また、図5中、画像形成部34の右側には、両面搬送部60が設けられており、この両面搬送部60にはスイッチバック搬送路61と再給紙搬送路62とが備えられている。また、両面搬送部60には、搬送路を切り換える切換爪63、64や反転可能な反転ローラ65、66等も備えられており、この反転ローラ66には2つのローラ67、68が当接して、反転ローラ66の回転方向に応じて手差しトレイ69から記録紙の給送または片面記録済みの記録紙の再給送を行うようになっている。
【0069】
この両面搬送部60は、記録紙の両面に画像を形成する場合、切換爪63を回動させて定着装置46を通過した片面記録済みの記録紙をローラ対70によって搬送路71に案内し、切換爪64で切り換えてローラ対72によりいったんスイッチバック搬送路61に搬送するようになっている。さらに、スイッチバック搬送路61に搬送された記録紙をローラ対72を逆転駆動することによりスイッチバックして、切換爪64で切り換えられた再給紙搬送路62に搬送し、反転ローラ66およびローラ67によりレジストローラ52に再給送するようになっている。
【0070】
次に、この複写機30の動作について説明する。
まず、複写機30は、第1コンタクトガラス32a上、またはADF39の原稿載置台39aに原稿が載置され、操作部36に設けられたスタートキーがユーザにより押下されると、複写動作を開始する。
【0071】
ここで、ADF39に載置された原稿の読取動作を行う場合には、ADF39により第2コンタクトガラス32h上の読取位置まで原稿を搬送した後、スキャナ部32を駆動する。
一方、第1コンタクトガラス32a上に載置された原稿の読取動作を行う場合には、第1コンタクトガラス32a上に原稿が載置されると、直ちにスキャナ部32を駆動する。
【0072】
次いで、例えば第1コンタクトガラス32a上に載置された原稿の読取動作を行う場合には、光源32bと第1ミラー部材32cとを保持する第1走行体、および第2ミラー部材32dと第3ミラー部材32eとを保持する第2走行体を走行する。なお、第2コンタクトガラス32h上に搬送される原稿の読取動作を行う場合には、上述の第1走行体および第2走行体を走行させることなく、後述する光走査を行うことができる。
【0073】
その後、第1コンタクトガラス32a上の原稿に対して光源32bから光を照射して、原稿から反射する反射光を第1ミラー部材32cによって第2ミラー部材32dに向けて反射させる。さらに第2ミラー部材32dで反射された反射光を、第3ミラー部材32eによって結像レンズ32fに向けて反射する。そして、この反射光を結像レンズ32fにより結像してイメージセンサ32gによって読み取る。その後、操作部36のモード設定に応じて、フルカラーモードまたは白黒モードで画像形成動作を開始する。
【0074】
次いで、画像形成部34において、まず帯電装置により各感光体ドラム47の表面を一様に帯電させる。その後、帯電された各感光体ドラム47の表面に光書込装置42によりレーザ光を照射して、各感光体ドラム47上に静電潜像を形成する。
その後、各感光体ドラム47上に形成された静電潜像に対して、現像装置によってトナーを供給し、トナー像として可視像化する。
【0075】
次に、中間転写装置44の一次転写ローラ44aに転写電圧を印加し、各感光体ドラム47上に形成されたトナー像を回転する中間転写ベルト44bに順次、一次転写する。このとき、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト44bの同じ位置に重ねて転写されるよう上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0076】
次いで、上述の一次転写の動作に合わせて、給紙部35の第1給紙カセット35a、第2給紙カセット35b、または給紙テーブル55の第1給紙カセット55a、第2給紙カセット55bのいずれかから選択的に記録紙が各給紙装置を介して給紙される。なお、本実施の形態においては、手差しトレイ69から記録紙を給紙するようにしてもよい。
【0077】
その後、記録紙の先端がレジストローラ52まで到達すると図示しないセンサによって検知され、この検知信号のタイミングに応じてレジストローラ52により記録紙が二次転写ローラ44cと中間転写ベルト44bとの間の二次転写ニップ部に搬送される。
【0078】
次いで、中間転写ベルト44b上に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト44bの駆動により二次転写ローラ44cの位置まで移動し、記録紙に一括して二次転写される。そしてトナー像が転写された記録紙は、定着装置46に搬送され、熱と圧力によりトナー像が定着されて、排紙ローラ48により排紙部33に排紙される。これにより複写機30は、記録紙に画像を形成することができる。
【0079】
次に、複写機30の内部に収容される画像形成装置用構造体について、図6〜図16を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の概略を表す斜視図である。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の補強フレームの取り付け構造を示す部分拡大斜視図である。
【0080】
図6に示すように、画像形成装置用構造体100は、複写機30(図4参照)の内部に設けられ、金属製のベース部材81と、鋼板製の後側板82と、後右フレーム83と、後左フレーム84と、補強フレーム85と、前側板および前フレームや複数のステー部材等とを備えており、図中矢印Aで示される側面を前側面部91、図中Bで示され、後側板82が設けられている側面を後側面部92、図中矢印Cで示された側面を右側面部93、図中矢印Dで示された側面を左側面部94とする筺体形状に構成されている。
【0081】
ベース部材81は、画像形成装置用構造体100の底部に配置され、後側板82、後右フレーム83および後左フレーム84や前フレームが立接されるようになっている。また、ベース部材81の後側面部92側の矢印C−D方向の両端部には、後右フレーム83および後左フレーム84をねじ等の締結部材により固定するための穴が形成されており、後右フレーム83および後左フレーム84を固定するようになっている。なお、本実施の形態においては、ベース部材81を画像形成装置用構造体100の底部全体を覆う略平板状の部材で構成しているが、これに限らず、例えばステー部材等により構成されていてもよい。
【0082】
後側板82は、各種の絞り加工面や各種部材の取り付け穴等が形成された略平板状に構成されており、矢印C−D方向の両側部がねじ等の締結部材により後右フレーム83および後左フレーム84の後述するフランジ部に固定され、ベース部材81に対して立接するようになっている。なお、後側板82には、第1の駆動装置として給紙用駆動装置96や第2の駆動装置として作像用駆動装置97(図11参照)等の各種装置が取り付けられるようになっている。
【0083】
なお、給紙用駆動装置96は、各種給紙装置や搬送ローラ等を駆動するようになっており、また作像用駆動装置97は、各作像ステーション41(C、M、Y、B)が有する例えば各感光体ドラム47や中間転写装置44等を駆動するようになっている。
【0084】
後右フレーム83は、略平板状に構成されているとともに、その外縁には、画像形成装置構造体100の内部側に向けてフランジ部83aが形成されている。また、後右フレーム83のせん断方向すなわち長手方向の一方の端部であってベース部材81側の端部98のフランジ部83aが、ベース部材81に当接してねじ等の締結部材によりベース部材81に固定されるようになっている。また、後右フレーム83は、上述の後側板82の一方側部をねじ等の締結部材によりフランジ部83aを介して支持するようになっている。
【0085】
一方、後右フレーム83のベース部材81側の端部側面には、外装カバー37Rに設けられた取っ手38Rが嵌合する嵌合穴83bが形成されており、後右フレーム83の嵌合穴83bが形成される縁部には、画像形成装置構造体100の内部側に向けてフランジ部83c(図9参照)が形成されている。
【0086】
他方、後左フレーム84についても、上述の後右フレーム83と同様の構成となっており、外縁にフランジ部84aが形成されているとともに、嵌合穴84bが形成されている。また、後左フレーム84は、ベース部材81側の端部99のフランジ部84aが、ベース部材81に当接してねじ等の締結部材によりベース部材81に固定されるようになっている。また、後左フレーム84は、上述の後側板82の他方側部をねじ等の締結部材によりフランジ部84aを介して支持するようになっている。
【0087】
補強フレーム85は、矢印C−D方向に長い略短冊形状であって絞り加工の施された略平板で構成されており、その外縁にはフランジ部85aが形成されている。また、補強フレーム85の長手方向の一方の端部すなわち後右フレーム83側の端部85bであって、短手方向の一方の端部すなわち後側板82側の端部85cには、切り欠き部85dが形成されている。一方、補強フレーム85の短手方向の他方の端部85eには、2つの凹部状の切り欠き部85f、85gが形成されている。
【0088】
この補強フレーム85は、短手方向の一方の端部すなわち後側板82側の端部85cがフランジ部85aを介して、ねじ等の締結部材により後側板82の裏面に固定されるようになっている。また、長手方向の両端部すなわち後右フレーム83側の端部85bおよび後左フレーム84側の端部85h(図10参照)がそれぞれフランジ部85aを介して、ねじ等の締結部材により後右フレーム83および後左フレーム84に固定されるようになっている。なお、補強フレーム85の後右フレーム83および後左フレーム84に対する固定位置は、後右フレーム83および後左フレーム84にそれぞれ形成された嵌合穴83bおよび嵌合穴84bの上部近傍である。
【0089】
これにより、図7に示すように、補強フレーム85は、3箇所にて後側板82、後右フレーム83および後左フレーム84に固定されて、画像形成装置用構造体100に対して固定されるようになっている。なお、本実施の形態においては、図7に示すように、補強フレーム85の短手方向の他方の端部85e側の両端部85i、85j(図10参照)を後右フレーム83および後左フレーム84それぞれのフランジ部83a、84aに固定するようにしてもよい。これにより、より一層画像形成装置用構造体100全体の剛性を高めることができる。
【0090】
次に、画像形成装置用構造体100に外装カバーが取り付けられた場合について、外装カバー37Rを例に挙げて説明する。なお、外装カバー37Lについても外装カバー37Rと同様の構成であるので、一部説明を省略する。
【0091】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体に外装カバーが一部取り付けられた状態を示す斜視図である。図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の後右フレームに外装カバーが取り付けられた際の取っ手部分を示す拡大斜視図である。
【0092】
図8に示すように、画像形成装置用構造体100の右側面部93および左側面部94には、それぞれ外装カバー37R、37Lが取り付けられている。なお、本実施の形態においては、外装カバー37R、37Lと画像形成装置用構造体100とにより筺体を構成している。
【0093】
この外装カバー37Rは、画像形成装置用構造体100に取り付けられた際、後右フレーム83の嵌合穴83bに対応する位置に取っ手38Rが設けられており、この取っ手38Rは、外装カバー37Rが画像形成装置用構造体100に取り付けられた際に後右フレーム83の嵌合穴83bに嵌合するようになっている。
【0094】
図9に示すように、取っ手38Rは、例えば外装カバー37Rを成型する際にプラスチック等を用いた樹脂一体成型によって、画像形成装置用構造体100の内部に向けて窪み状に形成されたいわゆる掘り込み式の取っ手であり、複写機30の運搬時等においてユーザが手を掛けて使用するようになっている。
【0095】
この取っ手38Rは、裏面上部にストッパリブ101が形成されており、複写機30の運搬時等において、画像形成装置用構造体100外方に取っ手38Rをユーザが引っ張ることによって、取っ手38Rに横方向(図9中、矢印X方向)の荷重が掛かっても、このストッパリブ101が後右フレーム83のフランジ部83cに当接するようになっている。これにより、上述の横方向の荷重を後右フレーム83のフランジ部83cで受けることができる。したがって、取っ手38Rに横方向の荷重が掛かった場合であっても、外装カバー37Rの破損等を防止することができる。
【0096】
一方、複写機30の運搬時においては、上述の横方向以外に、例えば上方向(図9中、矢印Z方向)や、横方向および上方向に垂直な方向(図9中、矢印Y方向)にも荷重が掛かる。ここで、取っ手38Rは、上方向に荷重が掛かった場合には、取っ手38Rの裏面上部が後右フレーム83のフランジ部83cに当接するようになっている。これにより、上述の上方向の荷重を後右フレーム83のフランジ部83cで受けることができる。また、取っ手38Rは、横方向および上方向に垂直な方向に荷重が掛かった場合には、取っ手38Rの側面部が後右フレーム83のフランジ部83cに当接するようになっている。これにより、上述の横方向および上方向に垂直な方向の荷重を後右フレーム83のフランジ部83cで受けることができる。
【0097】
ここで、特に、横方向の荷重すなわち引っ張り方向(図8中、白抜きの矢印で示す方向)の荷重が取っ手38R、38Lに掛かった場合(図8参照)、取っ手38R、38Lのストッパリブ101を介して、後右フレーム83および後左フレーム84に掛かる荷重は、各フレームの曲げ方向に掛かる荷重となる。このため、この各フレームに掛かる曲げ方向の荷重に対して十分に剛性を高めた構造体を提供することが求められる。
【0098】
したがって、本実施の形態における画像形成装置用構造体100は、後右フレーム83および後左フレーム84の嵌合穴83b、84bの上部近傍にて、後右フレーム83と後左フレーム84とを固定する補強フレーム85を設けている(図6参照)。さらに、上述の通り、この補強フレーム85は、後側板82にも固定されるようになっている。
【0099】
このため、後右フレーム83および後左フレーム84に取り付けられる取っ手38R、38Lのそれぞれに画像形成装置用構造体100外方に向けて引っ張り方向の荷重が掛かっても、取っ手38R、38Lが互いに引っ張り合うこととなり、取っ手38R、38Lに掛かる引っ張り方向の荷重が補強フレーム85を介して相殺される。そのため、曲げ方向に掛かる荷重に対して後右フレーム83および後左フレーム84の剛性を高めることができ、この曲げ方向の荷重に起因した後右フレーム83および後左フレーム84の変形を防止することができる。
【0100】
次いで、上述の補強フレーム85について、図10〜図16を用いて詳しく説明する。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の一部を上から見た一部上面図である。図11は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の後側面部側を示す斜視図である。図12は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の後側面部側の正面図である。図13は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体の一部を上から見た一部上面図である。
【0101】
図10に示すように、補強フレーム85の後右フレーム83側に形成された切り欠き部85dは、補強フレーム85の長手方向に切り込まれた辺102aと、補強フレーム85の短手方向に切り込まれた辺102bとにより構成されている。ここで、上述の辺102aは、後側板82に取り付けられた給紙用駆動装置96の大きさに対応した長さとなっている。一方、上述の辺102bは、給紙用駆動装置96が後側板82に取り付けられた際の着脱方向(図11参照)の厚みよりも、着脱方向に所定の長さAだけ長く設定されている。
【0102】
したがって、後側板82に取り付けられる給紙用駆動装置96は、後側板82に取り付けられた際、補強フレーム85に切り欠き部85dが形成されているので、補強フレーム85を縦断するように後側板82に着脱可能に取り付けることができる(図11および図12参照)。
【0103】
これにより、図11に示すように、補強フレーム85を画像形成装置用構造体100から取り外すことなく、メンテナンスや交換等による給紙用駆動装置96の着脱方向(図中矢印で示す方向)への取り外しを容易かつ迅速に行うことができる。これにより、給紙用駆動装置96のメンテナンスや交換に手間がかかることがなく、その分、複写機30のダウンタイムも短くなるので、複写機30の稼働率が向上するとともに効率化を図ることができる。
【0104】
一方、作像用駆動装置97は、補強フレーム85の上面側の後側板82に取り付けられるようになっている(図11および図12参照)。これにより、後側板82の補強フレーム85の短手方向の一方の端部すなわち端部85cが取り付けられる位置(図6参照)よりも上部に作像用駆動装置97を着脱可能に取り付けるようにしたので、補強フレーム85を後側板82から取り外すことなく、メンテナンスや交換等による補強フレーム85の取り外しを容易かつ迅速に行うことができる。これにより、作像用駆動装置97のメンテナンスや交換に手間がかかることがなく、その分、複写機30のダウンタイムも短くなるので、複写機30の稼働率が向上するとともに効率化を図ることができる。
【0105】
次いで、図10に示すように、補強フレーム85には、通気孔102cが3箇所に形成されており、補強フレーム85の下面側と上面側とで空気の流通を行うようになっている。なお、上述の通気孔102cは、3箇所に限られるものではなく、1箇所または2箇所もしくは4箇所以上形成されてもよい。
【0106】
また、この通気孔102cの径は、例えば画像形成装置用構造体100内に各種装置を取り付ける際に用いられるねじやビス等の鍔外径よりも小さい径であることが好ましい。これにより、ねじやビス等が補強フレーム85上に落下等しても、この落下したねじやビス等を補強フレーム85の下面側にさらに落下することを防止することができる。そのため、補強フレーム85の下面側に配置される装置に対して、ねじやビス等の落下に伴う不具合を防止することができる。
【0107】
さらに、図13に示すように、上述の通気孔102cは、補強フレーム85上において、図中、破線で示される位置、すなわち後側板82に取り付けられた作像用駆動装置97の後側板82への取り付け側端部と反対側の端部を基準に、画像形成装置用構造体100外方側(図中矢印で示す側)に形成されるようになっている。これにより、作像用駆動装置97の発する熱による影響が、通気孔102cを介して補強フレーム85の下面側に伝わることを防止することができる。
【0108】
次いで、図14は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体にハーネス等の部品が配置された状態を示す斜視図である。
図14に示すように、画像形成装置用構造体100の補強フレーム85の上部(図中、丸Cで囲んだ部分)には、図示を省略しているが、例えば、複写機30を制御するコントローラやパワーパック、上述の作像用駆動装置97(図12参照)や定着装置を駆動する定着駆動装置等の電装部品やアクチュエータ等が配置されるようになっている。
【0109】
一方、画像形成装置用構造体100の補強フレーム85の下部(図中、丸Cで囲んだ部分)には、図示を省略しているが、例えば、電源供給ユニット(PSU)や給紙ユニット、および各種モータ、クラッチ、ソレノイド等を駆動する駆動アクチュエータ等が配置されるようになっている。
なお、上述の電装部品および装置の配置は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0110】
次いで、図15は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体にハーネス等の部品が配置された状態の画像形成装置用構造体の一部を上から見た一部上面図である。
図15に示すように、上述の通り、補強フレーム85の短手方向の他方の端部すなわち端部85eには、2つの凹部状の切り欠き部85f、85gが形成されており、この凹部状の切り欠き部85f、85gは、それぞれ上述の補強フレーム85の上下に配置される電装部品や装置等を繋ぐハーネス104を補強フレーム85の上下に通すためのハーネスルートを確保するようになっている。
【0111】
これにより、画像形成装置用構造体100は、補強フレーム85に形成された凹部状の切り欠き部85f、85gを介して、補強フレーム85の上下に配置される電装部品や装置等を繋ぐハーネス104を、補強フレーム85と外装カバーとの間に挟み込むことなく通すことができる。また、ハーネス104を凹部状の切り欠き部85f、85gを介して通すことで、ハーネス104を通すための領域すなわちハーネスルートを補強フレーム85の外形より内側に設けることができるので、画像形成装置用構造体100の小型化を図ることができ、ひいては複写機30の小型化を図ることもできる。また、補強フレーム85にハーネス等を束ねるパネルマウント等の中継を設ける必要もないので、このようなパネルマウント等を設けることによるコスト増大や作業工程の増大をも防止することができる。
【0112】
次いで、図16は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置用構造体にハーネス等の部品が配置された状態の画像形成装置用構造体の一部を示す斜視図である。
図16に示すように、本実施の形態においては、上述の補強フレーム85の凹部状の切り欠き部85f、85gにハーネス固定用のハーネス固定部材106、107をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0113】
このハーネス固定部材106、107は、それぞれ補強フレーム85の凹部状の切り欠き部85f、85gの底部に形成されたハーネス固定部材用取り付け部108(図9参照)を介して、補強フレーム85に取り付けられ、ハーネス104を凹部状の切り欠き部85f、85gに固定するようになっている。
【0114】
これにより、画像形成装置用構造体100は、この凹部状の切り欠き部85f、85gを通すハーネス104を確実に凹部状の切り欠き部85f、85gに固定することができる。そのため、例えば補強フレーム85の凹部状の切り欠き部85f、85g以外の部分と外装カバーとの間におけるハーネス104の挟み込みを防止することができる。
【0115】
以上のように、本実施の形態に係る画像形成装置用構造体100は、補強フレーム85の短手方向の一方の端部すなわち端部85cが後側板82に取り付けられ、かつ、長手方向の両端部すなわち端部85b、85hがそれぞれ後右フレーム83および後左フレーム84の嵌合部83b、84bの近傍に取り付けられているので、後右フレーム83および後左フレーム84のそれぞれの嵌合部83b、84bに嵌合する各取っ手38R、38Lに、例えば複写機運搬時等に上方向、横方向、上方向および横方向に垂直な方向等に掛かる荷重に対して、画像形成装置用構造体100の剛性を高めることができる。特に、上述の各取っ手38R、38Lに横方向の荷重が掛かる場合にあっては、画像形成装置用構造体100の外方に向けて各取っ手38R、38Lが互いに引っ張り合うこととなり、各取っ手38R、38Lに掛かる横方向の荷重が補強フレーム85を介して相殺される。そのため、横方向の荷重に対して後右フレーム83および後左フレーム84の剛性を高めることができ、後右フレーム83および後左フレーム84のそれぞれに掛かる横方向の荷重すなわち曲げ方向の荷重に起因した後右フレーム83および後左フレーム84の変形を防止することができる。このため、画像形成装置用構造体100自体の剛性を高めることができる。このように、本発明は、例えば、取っ手38R、38Lを使用して複写機30の運搬等する場合において、複写機30の偏重心や階段を昇降する際の傾き等により突発的な過負荷が取っ手38R、38Lに掛かっても、この各取っ手38R、38Lに掛かる荷重により画像形成装置用構造体100が変形することを防止することができる。これにより、画像形成装置用構造体100を収容する複写機30の外観を維持することができるとともに、画像形成装置用構造体100の変形に起因した複写機30の本体内部に正確に位置決めされた例えば光書込装置やその他画像形成に必要な装置の設置位置のずれを防止することができる。その結果、記録紙に対して形成される画像の平行度や直線性および直角度のずれ、色ずれ等による影響を抑えることができ、画像品質の劣化を防止することができる。
【0116】
また、複写機30の設置場所は、平らな面に限られないが、このように平らな面以外の面に複写機30を設置する場合であっても、補強フレーム85が後側板82、後右フレーム83および後左フレーム84にそれぞれ固定されているので、上述のように画像形成装置用構造体100の剛性を高めることができ、画像形成装置用構造体100の剛性低下に起因した画像形成装置用構造体100の歪みを防止することができる。このため、複写機30の設置平面変動に対しても、画像形成装置用構造体100の保形性を向上させることができ、光書込装置やその他画像形成に必要な装置の設置位置のずれを防止することができる。その結果、記録紙に対して形成される画像の平行度や直線性および直角度のずれ、色ずれ等による影響を抑えることができ、画像品質の劣化を防止することができる。
【0117】
また、本発明は、補強フレーム85に形成された切り欠き部85dが、後側板82に対して給紙用駆動装置96が着脱可能となるよう所定の大きさで形成されているので、補強フレーム85を画像形成装置用構造体100から取り外すことなく、メンテナンスや交換等による給紙用駆動装置96の取り外しを容易かつ迅速に行うことができる。これにより、給紙用駆動装置96のメンテナンスや交換に手間がかかることがなく、その分、複写機30のダウンタイムも短くなるので、複写機30の稼働率が向上するとともに効率化を図ることができる。
【0118】
また、本実施の形態に係る画像形成装置用構造体100は、補強フレーム85に通気孔102cが複数形成されているので、画像形成装置用構造体100に外装カバーを取り付けることにより、後右フレーム83と、後左フレーム84と、補強フレーム85と、後側板82と外装カバーとにより画成された空間内に、例えば電源供給ユニットや駆動アクチュエータ等の発熱体を配置する場合であっても、電源供給ユニットおよび駆動アクチュエータの発する熱を上述の通気孔102cを介して自然対流によって前記画成された空間外に排出することができる。このため、前記画成された空間内に配置される発熱体である例えば電源供給ユニットや駆動アクチュエータ等に対する冷却効果の促進を図ることができる。これにより、発熱体である例えば電源供給ユニットや駆動アクチュエータ等に対して、冷却効果低下に起因する影響を抑えることができる。
【0119】
また、本実施の形態に係る画像形成装置用構造体100は、後右フレーム83および後左フレーム84それぞれの長手方向の一方の端部のベース部材81側の端部98、99がベース部材81に支持されているので、複写機30の運搬時等において、取っ手38R、38Lを介して横方向や上方向およびこれらの方向に垂直な方向への荷重に起因した後右フレーム83および後左フレーム84の変形を簡単な構成でより効果的に防止することができる。そのため、簡単な構成でより画像形成装置用構造体100の剛性を高めることができるので、複写機30の運搬時等に取っ手38R、38Lに掛かる荷重により画像形成装置用構造体100が変形することを防止して、複写機30の本体内部に収容される装置のずれに伴う画像品質の劣化を防止することができる。
【0120】
なお、本実施の形態においては、後右フレーム83および後左フレーム84に取っ手38R、38Lを嵌合するため、それぞれ嵌合穴83b、84bを形成したが、これに限らず、例えば切り欠き部や絞り形状を形成してもよい。
【0121】
また、本実施の形態においては、後側板82、後右フレーム83および後左フレーム84を別部材で構成したが、これに限らず、後側板82、後右フレーム83および後左フレーム84を一体とする構成であってもよい。さらに、本実施の形態においては、ベース部材81と後側板82とを別部材で構成したが、これに限らず、ベース部材81と後側板82とを一体に構成するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上、説明したように、本発明は、把持部に掛かる荷重に起因した構造体の変形を防止することにより、構造体の外観品質を維持するとともに把持部の機能を確保することができ、装置内部に収容される構造体およびこれを備えた画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0123】
1 第1のフレーム
1a 切り欠き穴(把持部)
2 第2のフレーム
2a 切り欠き穴(把持部)
3 第3のフレーム
4 第4のフレーム
5 第5のフレーム
10 構造体
14 外周面
30 複写機(画像形成装置)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開2006−195000号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部を有する第1のフレームと、
把持部を有し、前記第1のフレームに対向して設けられた第2のフレームと、
前記第1のフレームの一方の側端部および第2のフレームの一方の側端部に取り付けられる第3のフレームと、
前記第1のフレーム、前記第2のフレームおよび前記第3のフレームに当接する外周面を有し、前記外周面の全周が前記把持部の上部に位置するよう前記第1のフレーム、前記第2のフレームおよび前記第3のフレームに取り付けられる第4のフレームとを備えたことを特徴とする構造体。
【請求項2】
短手方向の一方の端部が前記第3のフレームに取り付けられるとともに、長手方向の両端部が前記把持部の下部に位置するよう前記第1のフレームおよび前記第2のフレームに取り付けられる第5のフレームを備え、
前記第1のフレーム、前記第2のフレーム、前記第3のフレーム、前記第4のフレームおよび前記第5のフレームにより筺体状の筺体空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
各種部品を収容する装置に適用される構造体であって、
前記第4のフレームの上方側および下方側のいずれか一方、および双方に比較的大重量の部品を配置させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の構造体。
【請求項4】
前記第1のフレーム、前記第2のフレームおよび前記第3のフレームが一体化されて第1のフレーム体を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項5】
前記第1のフレーム体と前記第4のフレームとが一体化されて第2のフレーム体を構成することを特徴とする請求項4に記載の構造体。
【請求項6】
前記第2のフレーム体と前記第5のフレームとが一体化されて第3のフレーム体を構成することを特徴とする請求項5に記載の構造体。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の構造体を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−102290(P2010−102290A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48366(P2009−48366)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】