説明

構造物表面の剥落防止構造

【課題】コンクリート仕上またはモルタル仕上された構造物の表面の剥落を防止するための剥落防止構造であって、施工性に優れ且つ耐候性に優れ、しかも、一層大きな強度を発揮し得る構造物表面の剥落防止構造を提供する。
【解決手段】剥落防止構造は、構造物(1)の表面に少なくともプライマー層(2)及び補強層(4)を設けて成る。補強層(4)は、炭素繊維を含有するウレタン硬化物によって形成されている。また、補強層(4)においては、当該補強層に含まれる炭素繊維セグメントの数に対し、炭素繊維が3本以上凝集した炭素繊維束の数の比率が10%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物表面の剥落防止構造に関するものであり、詳しくは、コンクリート仕上またはモルタル仕上された構造物の表面の剥落を防止するための構造物表面の剥落防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート仕上された構造物においては、各種の要因による表面の剥離、具体的には、施工の際のひび割れから発生する剥落、地震や交通振動による剥落、中性化などの劣化による剥落等を防止するため、表面に樹脂を塗布して補強する方法が種々検討されている。
【0003】
コンクリート構造物表面の補強に関する技術としては、例えば、セメントおよび/またはシラン系カップリング剤が添加されたプライマー層を構造物表面に設け、引張り強さ7N/mm以上で且つ引張り伸び300%以上の樹脂から成る塗膜を含む複層の塗膜層を補強層として前記のプライマー層の表面に設けることにより、施工性の向上、低コスト化、および、耐久性の向上を企図した「コンクリート剥落防止方法」、「補強層付きコンクリート構造物」が提案されている。なお、補強層の塗膜を構成する樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂などが使用されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−60197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の様な樹脂塗膜によって構造物表面を補強する場合、エポキシ樹脂は、高い硬度が得られる反面、低温脆化により割れ易く、かつ、粘度が高いために施工性に欠ける。一方、ウレタン樹脂は、塗布性に優れている反面、高温環境下で強度が低下すると言う問題がある。従って、樹脂を使用した構造物表面の補強においては、施工性に優れ、しかも、環境の変化に拘わらず常に優れた強度を発揮し得る一層改良された技術が望まれる。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンクリート仕上またはモルタル仕上された構造物の表面の剥落を防止するための剥落防止構造であって、施工性に優れ且つ耐候性に優れ、しかも、一層大きな強度を発揮し得る構造物表面の剥落防止構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明においては、構造物表面に少なくともプライマー層および補強層を設けて剥落防止構造を構成すると共に、補強層を構成する樹脂として、施工性に優れ且つ低温脆化を惹起しないウレタン樹脂を使用し、更に、ウレタン樹脂中に炭素繊維を含有させることにより、高温環境下での強度低下を補完する様にした。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、コンクリート仕上またはモルタル仕上された構造物の表面の剥落を防止するための剥落防止構造であって、構造物の表面に少なくともプライマー層および補強層を設けて成り、かつ、前記補強層は、炭素繊維を含有するウレタン硬化物によって形成されていることを特徴とする構造物表面の剥落防止構造に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、補強層がウレタン硬化物によって形成されているため、施工性に優れ、しかも、補強層を形成するウレタン硬化物に炭素繊維が含有されているため、耐候性に優れ、低温、高温の何れの環境下においても高い強度を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る構造物表面の剥落防止構造の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る構造物表面の剥落防止構造の一例を部分的に示した模式的な縦断面図である。図2は、本発明に係る構造物表面の剥落防止構造における補強層の炭素繊維の分散状態を示す図面代用の顕微鏡写真である。なお、以下の説明においては、構造物表面の剥落防止構造を「剥落防止構造」と略記する。また、以下の説明は本発明の一実施形態の説明であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0010】
本発明の剥落防止構造は、コンクリート仕上またはモルタル仕上された構造物の表面の剥落を防止するための剥落防止構造であり、鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造などの表面がコンクリート仕上された建物の外壁、梁、床スラブ、柱、橋脚、道路床版、あるいは、モルタル仕上された建物の外壁などの各種の構造物に適用される。本発明の剥落防止構造は、図1に示す様に、構造物(1)の表面に少なくともプライマー層(2)及び補強層(4)を設けて構成される。
【0011】
プライマー層(2)は、構造物(1)の表面のコンクリートやモルタルと後述する樹脂層(平坦化層または補強層)との結合力を高めるための樹脂下地層である。プライマー層(2)を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。中でも、コンクリート(又はモルタル)表面からコンクリート(又はモルタル)内部への浸透性の良さの観点から、エポキシ樹脂が好ましい。プライマー層(2)は、上記の樹脂を構造物(1)の表面に塗布して形成される。塗布方法は、スプレー塗布、刷毛、ローラー又はレーキによる塗布の何れでもよい。プライマー層(2)の厚さは、通常は0.05〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.8mm、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。
【0012】
プライマー層(2)の表面(以下、構築物(1)の表面から離間する側の面を表面と言う。)には、平坦化層(3)が設けられているのが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様において、上記の補強層(4)は、プライマー層(2)の表面側に平坦化層(3)を介して設けられる。
【0013】
平坦化層(3)は、プライマー層(2)の表面に現れる構築物(1)表面の凹凸を修正するいわゆる不陸調整層である。平坦化層(3)を構成する材料としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられ、中でも、エポキシ樹脂またはウレタン樹脂が好ましい。平坦化層(3)は、刷毛、ローラー又はレーキによる塗布によりプライマー層(2)の表面に形成され、平坦化層(3)の表面は、平滑に仕上げられる。平坦化層(3)の厚さは、通常は0.05〜1.5mm、好ましくは0.1〜1.0mm、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。上記の様な平坦化層(3)を設けることにより、補強層(4)を形成する場合の施工性を向上でき、補強層(4)の固着力を高めることが出来る。
【0014】
本発明においては、実質的に構築物(1)の表面を補強する補強層(4)の強度を高めるため、補強層(4)は、炭素繊維(6)(図2参照)を含有するウレタン硬化物によって形成される。ウレタン硬化物を構成するものとしては、イソシアネート及びポリオールが挙げられる。イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等のプレポリマー又は変性物が挙げられる。ポリオールとしては、グリコール系、エステル系、エーテル系、ヒマシ油系などが挙げられ、中でも、ヒマシ油系が好ましい。上記のウレタン硬化物には、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ゼオライト、シリカ等のフィラーが添加されていてもよい。特に、耐熱性の観点から、補強層(4)を構成するウレタン硬化物は、ウレア結合を有しているのが好ましい。
【0015】
本発明で使用する炭素繊維(6)は、公知の方法で得ることが出来る。その場合、炭素繊維(6)の表面に付着している不純物を除去するために、通常300〜500℃で不純物を焼成除去することが好ましい。炭素繊維(6)の表面に不純物が付着していると、後述するポリオールと炭素繊維(6)とを十分に混合し難い。上記の炭素繊維(6)は、分散した状態でウレタン硬化物に含有される。炭素繊維(6)としては、その平均繊維長が通常は50〜12000μm、好ましくは500〜10000μm、更に好ましくは1000〜5000μmのいわゆる短繊維が使用される。炭素繊維(6)の繊維長を規定する理由は次の通りである。すなわち、炭素繊維(6)の平均繊維長が50μm未満の場合は、臨界繊維長に達し難い傾向にある。一方、平均繊維長が12000μmよりも長い場合は、繊維の分散が十分に行われ難い傾向にある。
【0016】
補強層(4)における炭素繊維(6)の含有率は、補強層(4)の全体積に対して、通常は0.05〜1.5vol%、好ましくは0.1〜1.2vol%、更に好ましくは0.5〜1.0vol%である。炭素繊維(6)の含有率を規定する理由は次の通りである。すなわち、炭素繊維(6)の含有率が0.05vol%未満の場合は、補強効果が十分に発現し難い傾向にある。一方、炭素繊維(6)の含有率が1.5vol%よりも多い場合は、繊維の分散が十分に行われ難い傾向にある。なお、以下の記載においては、補強層(4)の全体積に対する炭素繊維(6)の含有率をVfで適宜表記する。
【0017】
また、本発明においては、補強層(4)における強度を高め且つその強度の均一化を図るため、炭素繊維(6)は、補強層(4)において均一に分散しているのが好ましい。すなわち、図2に示す様に、補強層(4)においては、当該補強層に含まれる炭素繊維セグメントの数に対し、炭素繊維(6)が3本以上凝集した炭素繊維束(6A)のセグメント数の比率が通常は10%以下、好ましくは8%以下とされる。補強層(4)における炭素繊維束(6A)のセグメント数の比率が上記の値よりも大きい場合は十分な補強効果を得難い傾向にある。
【0018】
なお、上記の補強層(4)に含まれる全炭素繊維の本数に対し、炭素繊維(6)が3本以上凝集した炭素繊維束(6A)の数の比率の測定は、例えば、補強層(4)の表面または断面において500μm×500μmの部位を光学顕微鏡で観察測定することにより行う。ここで、凝集とは、炭素繊維(6)が略平行に且つ5μm以下の距離で隣接した状態を言う。また、炭素繊維セグメントとは、分散状態において混在する1本の炭素繊維(6)及び炭素繊維束(6A)(複数の炭素繊維(6)が凝集した束)のそれぞれの形態のことを言う。そして、炭素繊維セグメントの数とは、炭素繊維(6)が凝集した束の数と、単独で存在する炭素繊維(6)の本数とを加えたものを言う。
【0019】
炭素繊維(6)を前記の様に分散させるためには、予め凝集を少なくした炭素繊維または凝集していない炭素繊維を一定長さに裁断したものと、ポリオールとをミキサーで十分に攪拌混合する。そして、得られた混合物に対してイソシアネートを添加し、更にミキサーで混合することにより、炭素繊維(6)が分散されたウレタン硬化物を得る。なお、混合の際には、ミキサーの温度、ミキサーの攪拌翼の回転数、攪拌時間を適宜調整する。例えば、5lのプラネタリーミキサーに対し、ポリオール1〜4lと炭素繊維とをVfが0.05〜1.5vol%となる様に装入し、ミキサーの回転数を100〜150rpmに設定し、5〜130℃で3分以上攪拌する。補強層(4)は、平坦化層(3)の表面に上記のウレタン硬化物をその硬化前に塗布して形成される。塗布方法は、スプレー塗布、刷毛、ローラー又はレーキによる塗布の何れでもよい。補強層(4)の厚さは、通常は0.5〜3.0mm、好ましくは1.0〜2.0mmとされる。
【0020】
また、図1に示す様に、補強層(4)の表面には、日射透過率が通常は10%以下、好ましくは8%以下、更に好ましくは5%以下の表面保護層(5)が設けられていてもよい。表面保護層(5)を構成する材料としては、ハードコート剤として知られている公知の材料を適宜使用することが出来、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。中でも、耐候性の観点から、ウレタン樹脂が好ましい。表面保護層(5)は、上記の樹脂を補強層(4)の表面に塗布して形成される。塗布方法は、スプレー塗布、刷毛、ローラー又はレーキによる塗布の何れでもよい。表面保護層(5)の厚さは、通常は0.05〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.5mm、更に好ましくは0.05〜0.2mmである。上記の様に、日射透過率が10%以下の表面保護層(5)を設けることにより、紫外線の透過量を制限でき、補強層(4)の耐候性を高めることが出来る。
【0021】
本発明の剥落防止構造は、構造物(1)の表面に上記のプライマー層(2)、平坦化層(3)、補強層(4)及び表面保護層(5)を順次に設けて構成される。具体的には、先ず、構造物(1)の表面に対し、ブラスティング処理、ブラッシング処理を施すことにより、構造物(1)表面の塵埃や異物を除去し、また、脆弱部分を除去する。次いで、プライマーである前述の樹脂を構造物(1)の表面に塗布し、十分に乾燥させ、プライマー層(2)を形成する。
【0022】
プライマー層(2)を設けた後は、パテ等をプライマー層(2)の表面に塗布し、その表面を平滑にならして十分に乾燥させ、平坦化層(3)を形成する。そして、平坦化層(3)の表面に対し、予め炭素繊維(6)を含有させた前述のウレタン樹脂を塗布し、これを十分に乾燥させ、補強層(4)を形成する。なお、構造物(1)の表面が略平滑な場合は、平坦化層(3)を設けることなく、プライマー層(2)の表面に補強層(4)を直接設けてもよい。更に、補強層(4)を設けた後は、前述のハードコート剤を塗布し、表面保護層(5)を形成する。
【0023】
上記の様に、本発明の剥落防止構造においては、構造物(1)の表面に少なくともプライマー層(2)及び補強層(4)を設けると共に、補強層(4)を構成する樹脂として、施工性に優れ且つ低温脆化を惹起しないウレタン樹脂を使用し、更に、ウレタン樹脂中に炭素繊維(6)を含有させることにより、高温環境下でのウレタン樹脂の強度低下を補完する。従って、本発明の剥落防止構造によれば、施工性に優れ、しかも、耐候性に優れ、低温、高温の何れの環境下においても高い強度を発揮することが出来、構造物(1)の表面の剥落を一層確実に防止することが出来る。また、本発明においては、補強層(4)の全炭素繊維セグメントに対する炭素繊維束のセグメント数の比率を特定の比率以下とすることにより、補強層(4)の強度をより一層向上させることが出来、剥落防止効果を更に高めることが出来る。
【実施例】
【0024】
実施例1:
コンクリート板に図1に示す剥落防止構造を設けた試験体を作製し、押抜き剪断耐力の測定を行った。試験体の作製においては、コンクリート板の表面の汚れおよび脆弱部を除去した後、コンクリート表面に対し、当該コンクリート表面と平坦化層(3)と補強層(4)との結合力を高めるために厚さ0.2mmのエポキシ樹脂から成るプライマー層(2)を設け、次いで、プライマー層(2)の表面に現れるコンクリート表面の凹凸を修正するために厚さ0.5mmのエポキシ樹脂から成る平坦化層(3)を設け、更に、厚さ1.5mmのウレタン硬化物から成る補強層(4)、および、厚さ0.1mmのウレタン樹脂から成る表面保護層(5)を順次設けた。
【0025】
補強層(4)を構成するウレタン硬化物は以下の様に調製した。先ず、OH価180のヒマシ油系のポリオール45重量部、平均長さ3000μmの炭素繊維(Vfで0.7vol%)、炭酸カルシウム(フィラー)30重量部を5lのプラネタリーミキサーに投入し、25℃の温度を保持して回転数120rpmで5分間攪拌混合し、炭素繊維が分散した混合物(A)を得た。次いで、NCO%が31%のMDI系のイソシアネート(B)を混合物(A)に添加し、更にハンドミキサーで混合した。混合物(A)とイソシアネート(B)の混合比率は重量比で3:1であった。
【0026】
上記の補強層(4)について、その断面(500μm×500μm)を光学顕微鏡で観察したところ、炭素繊維セグメントの数に対して炭素繊維(6)が3本以上凝集した炭素繊維束のセグメント数の割合は0.7%であり、最大の炭素繊維束では5本の炭素繊維(6)の凝集が見られた。また、作製した試験体について、旧日本道路公団試験研究所規格の連続繊維シート接着の押抜き試験方法に従い、押抜き剪断耐力の測定を行ったところ、表1に示す結果が得られた。
【0027】
実施例2:
補強層(4)においてVfを0.4vol%とした点を除き、実施例1と同様の試験体を作製した。実施例1と同様に、補強層(4)の断面(500μm×500μm)を光学顕微鏡で観察したところ、炭素繊維セグメントの数に対して炭素繊維(6)が3本以上凝集した炭素繊維束のセグメント数の割合は0.4%であり、最大の炭素繊維束では6本の炭素繊維(6)の凝集が見られた。また、実施例1と同様に、押抜き剪断耐力の測定を行ったところ、表1に示す結果が得られた。
【0028】
比較例1:
補強層に炭素繊維を含有させていない点を除き、実施例1と同様の試験体を作製した。そして、実施例1と同様に、押抜き剪断耐力の測定を行ったところ、表1に示す結果が得られた。
【0029】
【表1】

【0030】
上記の実施例、比較例によれば、補強層(4)に炭素繊維(6)を含有させた構造は、低温環境下(23℃)と高温環境下(50℃)とで押抜き剪断耐力に顕著な差は見られないが、補強層に炭素繊維をさせていない構造は、押抜き剪断耐力が低温環境下(23℃)に比べて高温環境下(50℃)で著しく劣ることが分る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る構造物表面の剥落防止構造の一例を部分的に示した模式的な縦断面図である。
【図2】本発明に係る構造物表面の剥落防止構造における補強層の炭素繊維の分散状態を示す図面代用の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0032】
1 :構造物
2 :プライマー層
3 :平坦化層
4 :補強層
5 :表面保護層
6 :炭素繊維
6A:炭素繊維束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート仕上またはモルタル仕上された構造物の表面の剥落を防止するための剥落防止構造であって、構造物の表面に少なくともプライマー層および補強層を設けて成り、かつ、前記補強層は、炭素繊維を含有するウレタン硬化物によって形成されていることを特徴とする構造物表面の剥落防止構造。
【請求項2】
補強層においては、当該補強層に含まれる炭素繊維セグメントの数に対し、炭素繊維が3本以上凝集した炭素繊維束のセグメント数の比率が10%以下である請求項1に記載の剥落防止構造。
【請求項3】
補強層に含まれる炭素繊維の平均繊維長が50〜12000μmである請求項1又は2に記載の剥落防止構造。
【請求項4】
補強層のウレタン硬化物がウレア結合を有している請求項1〜3の何れかに記載の剥落防止構造。
【請求項5】
補強層は、プライマー層の表面側に平坦化層を介して設けられている請求項1〜4の何れかに記載の剥落防止構造。
【請求項6】
日射透過率が10%以下の表面保護層が補強層の表面に設けられている請求項1〜5の何れかに記載の剥落防止構造。

【図1】
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【図2】
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