説明

標準化された回転アクチュエータ

外殻と、出力板と、外殻内に出力板を拘束するクロス・ローラベアリングとを含む回転アクチュエータである。外殻内に配置された原動機が、外殻内の歯車列にトルクを作用させる。クロス・ローラベアリングのどちらかの側に配置された1対の歯車が歯車列の1つ以上の歯車とかみ合う。用途に応じて、歯車列は、遊星歯車の外転サイクロイド形か、偏心歯車の内転サイクロイド形のいずれかを選択できる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2002年11月25日提出の米国特許仮出願番号第60/429,276の優先権を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、広くは回転動力装置に係わり、より具体的には自動化された機構内で使用される回転アクチュエータに関するものである。
【0003】
現在開発されている大抵の自動機構システムは、ほとんど又は全く標準化されていない構造形式を用いた特注による1回限りのシステムとして構成されている。この1回限りの設計方法では、システムに比較的高いコストがかかり、変更や新しい技術の普及する率も低くなる傾向がある。
特注機構設計の別の望ましくない効果は、急速に時代遅れになることである。概して操作員のインターフェースは負担が大きく、保守訓練は複雑で、後に続く保守用のロジスティックは、永久的なもので、使用者が出費を負わねばならない。
自動機構システムの設計者が、しばしば、最初に直面するのは機構の継ぎ手の設計だが、この継ぎ手は、標準化された継ぎ手の解決策が相対的に欠けているため、プレート、ビーム、ベアリング等の基本的な構成部材から始めねばならない。
【0004】
十分に剛度を有する機構継ぎ手を得るために、機構設計者は、原動機、原動機用動力源、継ぎ手用の位置・速度フィードバックセンサ、原動機用の制御システム、必要なすべての配線、何らかの必要な間接的歯車列、伝動部材の仕様と選択を行おうとする。概して、これらの構成部品は、別個の構成部品である。ある部品を関連部品とインタフェースでつなぐように設計できはするが、種々の部品がさまざまな作業条件下で一緒に適正に動作するよう保証するには、比較的高度の技術的な努力が必要である。
統合が或る程度成功裏に実現された1つの領域は、原動機と歯車列の統合である。原動機と歯車列の両方を有するモジュールは、「ギヤモータ」または「ギヤヘッド」として知られている。或る程度成功はしたものの、この統合は、不適切な歯車列設計の仕様で我慢せざるを得ず、このため、このモジュールの全体的な効率には制限があった。
【0005】
歯車列の開発作業は多年の間、極めて停滞的で、利用可能な科学を利用して得られた実現可能な成果は、いずれも従来型の知識によるものだった。概して、システム設計者は、歯車列を、その重量、バックラッシ、騒音、費用、予想される複雑さをひっくるめて、完全に排除することを好む。
内転サイクロイド歯車列は、十九世紀後半に初めて開発され、特許が取得された。1930年代半ばには、更に特許取得が殺到した。現在、幾つかの工業製品製造者は、内転サイクロイド歯車列を使用して歯車式変速機を製造しているが、それらの設計は、多くの部品とベアリングを含み、遠回りの力の経路や、バランス目的の対向する2個の揺動板歯車を含んでいる。バランスの問題は、或る程度まで、揺動板歯車の設計の使用を制限したが、これらの歯車用の駆動偏心歯車が比較的少ない限り、つまり3%以下程度である限り、精密バランシングの現代的な方法を用いて十分にバランスさ外殻ことが可能である。
【0006】
現在、製造されている幾種類かの内転サイクロイド歯車列では、1個だけの揺動板板歯車のかみ合いが使用されている。これらの設計では、トルクを出力板へ伝えるために複数プレートを貫通するピンが使用され、別のレベルの複雑さと、臨界的な公差を有する幾つかの次元が加わる。
ほぼ30年間、低速で高トルク発生を要求される内転サイクロイド・モータの設計には、高い関心が示されなかった。高トルクは得られたが、その高トルクを同心的な回転出力軸へ伝える満足のよく手段が、これまで見出されなかった。
【0007】
駆動サイクロイド歯車列には、現在、少なくとも3つの主な変化形がある。これらには、スミトモ(日本)、テイジン・セイキTM(日本)、アンダンテックスTM(フランス)が含まれる。これらの設計は、すべて2重揺動板差動歯車に依存し、該歯車が、バランシングのために180度の損失角に設定され、精密サイクロイド面又は2組の偏心歯車のいずれかによって駆動される。これらの装置の場合、入力部出力部間の力の経路は、長く、迂遠であり、すべての力を維持するには、大型で、きわめて重いたが(フープ)構造物を要する。
これらの装置は、曲面上のローラと片持ちピンとを使用し、それによって出力板への最終駆動力が得られる。また、この種の駆動装置は、付加的なベアリングに支持された小型出力軸に接続される。こうしたことのすべてが、歯車列のコンプライアンス及び剛度不足にかなりの程度加算される。これらの歯車列は、その特殊な幾何形状、複雑性、体積、重量のゆえに、自蔵式アクチュエータモジュールへ統合することは極めて難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、自動機構システムは、概して特注の1回限りの、事実上何から何まで新たに設計されたシステムである。ここで説明する標準化された回転アクチュエータモジュールの発明者は、運動制御システム実現のために必要とされる特注技術レべルは、ここで説明される種類の標準化モジュールの開発および使用によって、著しく低減されると考える。
自動機械の場合の「特注設計」のジレンマの解決策として、本発明人は、開放構造物の実現を示唆する。この構造物には、標準化された建築ブロックが使用され、これらブロックには、標準化されたアクチュエータ、リンク、エンド・エフェクタ工具、制御装置、要求により組み立て可能かつ標準化操作システムソフトウェアにより操作可能な関連構成部品が含まれる。
【0009】
この目的のため、本発明は、原動機、歯車列、回転機械継ぎ手が単一パケージとして組み込まれた統合標準化回転アクチュエータとして構成されている。これらの構成部品は、単一の自蔵式モジュールに統合され、該モジュールは、極めて様々の用途上の要求に適応するように容易に規模設定可能(scaleable)である。回転アクチュエータは、最小臨界公差で取り付けられる僅か5つの主要部品を有するだけでよく、その結果、公差及び温度の変化に事実上不感のシステムが得られる。
或る実施例では、本発明の回転アクチュエータモジュールは、標準化された幾何形状及び寸法で製造できる。適宜な1組の標準化寸法によって、機構の標準化も容易になる。この標準化により、機構設計者は、現在、パソコンの構成に採用されているのに似た形式で、要求に応じて機構を組み立て又は再構成することができる。複数標準の使用は、新技術の普及を可能にし、性能を高める一方、コストを低減するのに役立つ。
【0010】
本発明の1目的は、標準化された回転アクチュエータ、それも低コストで量産可能な、軽量、小型で、かつ高性能が維持される回転アクチュエータを製造することである。種々の用途に応じて、種々のレベルの堅牢度−例えば軽度、中等度、高度−のものを開発できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、何らかの特定の特徴を分け持つ種々の実施例で示される新規な高性能回転アクチュエータである。高レベルの性能は、本発明の低コスト型にも維持できる。用途に応じて、実施例の各々が、1つ以上の特定の利点を生じさ外殻特徴を有している。
本発明の或る実施例の新規な設計は、最少数の部品と最低限のパラメータを使用することで設計を簡単化し、それによって、静かな効率的な作動に加えて、比較的小型の、例外的にコンパクトな形状因子、剛度、荷重負荷能力が可能になる。該実施例は、組み立てが容易にでき、種々の品質レベルで量産が可能に設計されている。
本発明の或る実施例は、複合的なデューティサイクルを有する機敏な機構に見出される種類の低速、高トルクの用途に特に有用なものである。この種の使用事例は、ロボット、製造セル(manufacturing cell)、航空機アクチュエータに見出されるものを含んでいる。
【0012】
ここで説明する回転アクチュエータは、以前に開発された回転アクチュエータよりもコンパクトで、簡単で、より一層組み立てが容易で、より安価となる潜在能力を有している。該回転アクチュエータは、また低慣性を有するように構成でき、従来のどの回転アクチュエータより高い剛度を有することもできる。
本発明の第1実施例は、内部に遊星歯車ケージが配置されたアクチュエータ外殻を有する回転アクチュエータである。アクチュエータ外殻に剛性固定された第1原動機部分と、第1原動機部分に隣接し第1原動機に対して運動可能な第2原動機部分とを有する原動機が遊星歯車ケージに剛性固定されている。クロス・ローラベアリングを介して、外殻内に出力取り付け板が配置されている。外殻歯車が、アクチュエータ外殻に剛性結合され、出力歯車が出力取り付け板に剛性固定されている。遊星歯車ケージ内に配置された1つ以上の遊星歯車は、各々が、外殻歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接し出力歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している。
【0013】
本発明の第2実施例は、内部に偏心歯車ケージと原動機とが配置されたアクチュエータ外殻を有する回転アクチュエータである。原動機の第1部分が外殻に剛性固定され、第2部分が偏心歯車ケージに剛性固定されている。クロス・ローラベアリングを介して、外殻内に出力取り付け板が固定されている。外殻歯車が、アクチュエータ外殻に剛性固定され、出力歯車が出力取り付け板に剛性固定されている。偏心歯車ケージ周囲に配置された偏心歯車は、外殻歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接し出力歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している。
本発明の第3実施例は、原動機を有するアクチュエータ外殻と、その内部に配置された2段遊星歯車組と有する回転アクチュエータである。原動機は、アクチュエータ外殻に対し第1段歯車組の遊星歯車ケージを回転させるように接続されている。剛性固定された軸歯車を有する軸が、アクチュエータ外殻内に配置されている。
【0014】
また、この第3実施例では、第1遊星歯車ケージと軸とに対し回転可能な第2遊星歯車ケージが、これに剛性固定されたケージ歯車を有している。第1遊星歯車ケージ内に配置された1個以上の第1段遊星歯車は、各々が、軸歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接しケージ歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している。クロス・ローラベアリングによって、外殻内に出力取り付け板が固定されている。
アクチュエータからの機械的動力の伝達を容易にするために、外殻歯車は、アクチュエータ外殻に剛性固定され、出力歯車は、出力取り付け板に剛性固定される。最後に、1個以上の第2段遊星歯車が第2遊星歯車ケージに配置され、各々が、外殻歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接し出力歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の特徴及び利点を更によく理解するように、以下で添付図面につき本発明を詳細に説明する。図面では対応部品には対応符号が付せられている。
本発明の種々の実施例の製造及び使用を以下で詳細に説明するが、本発明が、多くの適用可能な発明性のある概念を提供し、それらが種々の具体的な関連の中で具体化されうることが理解されよう。ここに説明する具体例は、本発明を製造し、使用する具体的な仕方を単に説明するもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0016】
本発明の或る実施例は、低コストで量産可能、かつ高レベルの性能を保持可能な標準化された回転アクチュエータである。種々のレベルの堅牢度−例えば軽度、中等度、高度−が、種々の用途に合わせて適用される。実際には、ここで説明されるアクチュエータ概念の或るものは、その基本設計が十分に堅牢であることが分かるだろう。コスト削減のためにプラスチック製又は成形金属製の部品を使用できる一方、種々の用途に有用な極めて汎用的なアクチュエータが得られる。これらの用途には、携帯用の工具、ロボット、玩具、自動車が含まれるが、これらに限定はされない。
本発明は幾つかの特徴を分け持つ種々の実施例で示される新たな高性能回転アクチュエータである。用途に応じて、実施例の各々が1つ以上の何らかの利点を生じさせる特徴を有している。
【0017】
本発明の或る実施例の新設計は、比較的少数の部品と最低限のパラメータを使用することにより簡単な設計を提供することで、静かで効率的な動作に加えて、格別にコンパクトな比較的小さい形状因子、剛度、荷重負荷能力が可能になる。該実施例は、容易に組み立て可能に設計され、種々の品質レベルでの量産に理想的である。
これらのアクチュエータは、概して、温度および公差効果に相対的に不感の、格別に堅牢な設計である。本発明のアクチュエータは、高剛性のクロス・ローラベアリングを通る比較的短い力の経路を有することで、剛度と強度とが最大化されている。或る実施例では、本発明のアクチュエータは標準化された取り付け構造物を有している。
【0018】
標準化を促進するために、本発明の回転アクチュエータは、システム内で標準化された「構築ブロック」として役立つように構成できる。この構築ブロックは、例えば知能があり、かつ適応可能で、最大性能の包絡線を得ることができ、コンパクトで堅牢であり、その構造設計を最適化でき、世界中どこにいる技術者によっても迅速に交換できる標準化されたインターフェースを備えており、経済的に有利な規模で製造できるように、十分に大量に製造できる。
原動機に対する要求は、円筒型又はパンケーキ型のD.C.ブラシなしモータ又は切換式リラクタンスモータによって満たされる。歯車列は、量産により、独特のコンパクトで堅牢な、費用効果のよいものが製造される。
【0019】
或る実施例では、クロス・ローラベアリングを使用して継ぎ手ベアリング自体が形成される。クロス・ローラベアリングが選択されたのは、それらが剛性であるためだけではなく、それらの幾何形状が適切だからである。或る実施例では、クロス・ローラベアリングが、同時に主歯車列ベアリングとして働いている。大型と小型の精密アクチュエータは別個に、又は組み合わせて使用することで、位置精度上の要求を満足させることができる。
製造セルの場合には、本発明の回転アクチュエータモジュールは、簡単な移転装置、コンベアの駆動装置、自由度2度のマニピュレータ内のジョイントアクチュエータのいずれかとして直接に使用できる。複雑性の連続体の他方の限界点では、10度の自由度を超える自由度の高度に器用なマニピュレータを、求めに応じて組み立て可能である。上記システムの各々は、必要に応じて組み立て可能で、すべてが等しいインタフェース、等しい保守要求を有し、各外殻に使用される5つだけの基本寸法を有し、すべてが1つの汎用ソフトウェアパッケージにより駆動されることでコストが削減され、性能が高まり、そのようなシステムの構築の可能性が開かれる。
【実施例】
【0020】
(図1)
図1は、本発明の1実施例による回転アクチュエータ100の一部を除去して示した等角図である。図1に示した回転アクチュエータ100は、極めて堅牢に構成され、高レベルの剛性と耐衝撃性の両方を備えている。
回転アクチュエータ100のような回転アクチュエータは、幾つかの幾何形状を有することができる。そうした1つの形状では、回転アクチュエータは、中心線に沿った厚さが比較的薄く、かつ直径が比較的大きい「パンケーキ」型の幾何形状を有している。図1に示した回転アクチュエータ100は、そのような幾何形状を有している。別の実施例の場合、回転アクチュエータは「コーヒー缶」型の幾何形状を有し、中心線に沿って比較的厚く、直径が比較的小さい。図2に示した回転アクチュエータ200は、この型の幾何形状を有している。
【0021】
概して、パンケーキ型は切換式リラクタンスモータ(SRM)によって駆動され、低速で高トルクを発生させるように最適化される。コーヒー缶型は、概して、スリムで器用な機械、例えば連続式のロボットマニピュレータ内に使用されるように最適化される。この型は、通常、SRMに比較すると幾分低トルクで高速域のブラシなしD.C.モータによって駆動される。
概して、出来るだけ多くの設計目的を満足させることが望ましいが、他方、同時に複雑度を最小化することが望ましい。設計規準をこのように組み合わせることが、可能であれば、諸機能の組み合わせに好都合になる。或る実施例の場合、本発明の回転アクチュエータは、継ぎ手に対し回転力を供給するだけではなく、外部の付加的な回転ベアリング構造物を作る場合については、十分な構造上の剛度を有する継ぎ手自体として機能するようにされる。
【0022】
或る実施例の場合、回転アクチュエータの出入力付属構造物内への急速交換インタフェースの組み込みは、注文に応じて機械を組み立てる能力を設計者に与えることになる。この迅速交換インタフェースの1実施例の幾何形状は、図8との関連で詳細に後述する。或る実施例では、自蔵式アクチュエータが、エレクトロニクス、ブレーキ、バス、センサ、ベアリング、モータ、歯車列、必要なすべての付属品及びインタフェースを含む機械の複合要因の80%を有していることがあり得る。回転アクチュエータ100は、内部ブルギヤ104及び太陽歯車106を、主クロス・ローラベアリングにより分離された、回転アクチュエータ100の付属構成部品の一部として利用する。ブルギヤ104と太陽歯車106とは、遊星歯車ケージ118の側部を貫通するプレスばめ軸116上にベアリング114によって支持された遊星歯車110,112によって駆動される。
【0023】
ブルギヤ104と太陽歯車106とは、回転アクチュエータ100の構造物の一部なので、所要重量は小さくなるが、剛度は増す。また、この設計は大直径のクロス・ローラベアリング108を使用しているので、回転アクチュエータ100の構造剛度も著しく改善される。或る実施例では、ベアリングのレースがブルギヤ104及び/又は太陽歯車106に直接に機械加工によって設けられることにより、設計の構造上の統一が改善される。要求のより低い用途には、クロス・ローラベアリング108の代わりにボールベアリングを使用することができる。したがって、回転アクチュエータ100の構造は、部品数を少なくし、組み立てを簡単にすることにより、より小型に、より軽量に、より費用効果をよくすることが出来る。遊星歯車110,112は、ファーガソン・パラドックス歯車列機構に使用されることで、更に製造の簡便性が増す。
【0024】
原動機122の磁気ディスク120は、遊星歯車ケージ118に剛性取り付けされることで、原動機122と歯車列124との間の可能な最も簡単な配置が形成される。遊星歯車ケージ118と磁気ディスク120とは、ブルギヤ104内のベアリング126と固定軸130上のニードルベアリング128とにより支持されている。この設計により、回転アクチュエータ100の可動構造物用の極めて堅牢な支持が得られ、それによって最良の耐衝撃性が得られる。
遊星歯車ケージ118は付加的応答性が望ましい場合、慣性を低減するために、より軽量に製作できる。遊星歯車110,112の数は、相対的な寸法、速度、所要剛度、慣性要求、過重負荷に要する歯寸法、その他の要因に応じて、少なくとも2個、多くて9個とすることができる。
【0025】
軸130上のベアリング132は、回転アクチュエータ100の出力取り付け板134に対する付加的な支持を得るために使用されている。剛度が重要と考えられる場合には、外殻102と出力取り付け板134との隣接構造物に対する付加部材をベアリング108の直近に配置することで、システムの構造的な剛性が最大化される結果となるようにすることができる。回転アクチュエータ100の場合、区域136が磁気ディスク120より大きい。この付加的な寸法によって、区域136の端部が受容される。
(図2)
【0026】
図1に示した切換式リラクタンスモータ(SRM)の幾何形状は、トルクを最大化するように設計され、この設計は、高回転速度が主要関心事でない用途の場合に最適となろう。縦横比について考慮すべきさまざまな事情に応えられるように、SRMとDC原動機の両方が採用されている。円筒形の原動機が切換式リラクタンスモータに比して相対的に高速かつ低トルクのD.C.ブラシなしモータ等であれば、アクチュエータ100の幾何形状を修正して、コーヒー缶形状にして、パンケーキ型の回転アクチュエータ100が有する他のすべての属性を有するようにすることができる。その種のアクチュエータが図2に示され、全体を符号200で示されている。
一実施例では、回転アクチュエータ200は、図1の回転アクチュエータ100より、10倍の高速で動作し、かつ10分の1の低トルクを発生させることができる。回転アクチュエータ200の場合、可動構造物の慣性にはるかに高い関心が注がれ、予測される低トルク能力のため、歯車歯の応力に対する関心は低い。
【0027】
図2には、一部を除去した等角図で回転アクチュエータ200が示されている。回転アクチュエータ200は、通常、回転アクチュエータ100より長く、遊星歯車ケージ218の剛度により大きい関心が払われている。したがって、付加的な支持が、アクチュエータ200の剛性の外殻202に埋収されたベアリング226により得られている。回転アクチュエータ200の設計を簡単化するために、遊星歯車210,212は、軸216上のベアリング214によって支持され、軸216は、遊星歯車ケージ218にプレスばめされ、それによって更にケージ218の剛度が高められる。まで
出力取り付け板234と固定中心軸230とは、ベアリング232によって相互支持されている。D.C.モータが高速であるため、概して、慣性が低減されるように遊星歯車ケージ218の構造は軽量化され、ベアリング208,214,226は、この高速用の構成のために選択されている。
【0028】
当業者には理解されようが、付加遊星歯車は、剛度を増し、バックラッシを減少させ、配置精度を改善するには役立つが、その代わりに複雑性が増し、慣性が増大する。大きい歯車列比の場合は、多段式又はファーガソン・パラドックス型外転サイクロイド歯車列の使用が要求される。概して、遊星歯車ケージは、コスト、複雑性、組み立ての問題に加えて、回転アクチュエータの最も複雑な部品をなしている。
別の実施例では、或る場合には、複式歯車列を使用できる。これらの種類の歯車では、10:1を超えない実減速比が得られる。更に、これらの歯車列は、かなりのバックラッシを有し、高い回転慣性を有する傾向がある。最後に、これらの歯車列は、回転コンプライアンスの点で剛度が不十分であり、重量があり空間効率が乏しい。
【0029】
したがって、外転サイクロイド歯車列のほうが、回転原動機に適合する幾何形状を有しているため、回転アクチュエータにはより適している。残念ながら、この種の歯車列も同じように限界がある。この種の歯車列機構の最大実減速比は、100:1程度である。外転サイクロイド複式歯車列では、もちろん、多段の使用により100:1より高い減速比を得ることができる。複式歯車列は、しかし、前記の限界を有している。概して、外転サイクロイド複式歯車列は、かなりの程度のバックラッシを有し、大きい公差を必要とし、温度に敏感である。事実、バックラッシは、概して、温度に関連する寸法変化を考慮に入れて設計せねばならない。最後に、外転サイクロイド歯車列に使用されるインボリュート歯車の歯は、かみ合う1対2の歯の間に保持されるように、しばしば比較的高く設計される。この幾何形状は、歯元の荷重や滑り速度を増し、機構の強度と効率を低下させる。
【0030】
外転サイクロイド歯車列の前記限界を克服するための構成部材を、以下で説明するが、該構成部材は、「揺動板」の設計を行うため、偏心歯車により駆動される単一の遊星歯車を採用する一方、通常、外転サイクロイド歯車列と関連するすべての運動上の要求を満足させる。
(図3)
本発明の一目的は、標準化された電気・機械式アクチュエータを製造することであり、切換式リラクタンスモータか、ブラシなしD.C.モータのいずれかと、多段遊星歯車列か、単一の内転サイクロイド偏心歯車列のいずれかとを選択することで、単一の設計連続体を得ることである。理想的には各選択物は、他に大きな設計変更を行うことなしに、別の部品に替えることのできる差込式代替部品として考えられる。
したがって、本発明の或る実施例は、図1及び図2に用いられた多段遊星歯車列の代わりに単一の偏心遊星歯車列を有することができる。この内転サイクロイド偏心遊星歯車列は、後述するように幾つかの利点を有している。
【0031】
本発明のアクチュエータは、多くの実施例の場合に、5000:1程度の歯車減速比を有する内転サイクロイド遊星歯車列を有している。これらの内転サイクロイド歯車列組み立て体は、1度に接触する最大15以上の歯を有する、比較的短い円弧形歯を有している。
内転サイクロイド歯車列の独特の設計特性により、接触応力や曲げ応力が低減され、滑り速度が抑えられ、エネルギー損が低減され、歯がその中心位置に来た場合のかみ合いの予荷重負荷のポテンシャルが得られる。
歯車の各歯は、その中心位置に来た場合に僅かな予荷重が負荷されるような歯形にでき、それによって比較的低位の調波の発生が低減され、バックラッシやから動きが制御される。この予荷重負荷は、各歯と、歯車が中心位置へ来た場合にかみ合う歯との間に、わずかな干渉を導入することで達せられる。或る実施例では、穴が各歯に設けられ、それによって歯の剛度が調整され、接触騒音が低減される。
【0032】
円形歯形の歯車列は、摩耗度や騒音が小さく、歯間の荷重移転が滑らかで漸進的であり、臨界公差の必要が低減されるか、又は不要となる。これは、円弧形の歯は、概してインボリュート歯形に関係する臨界公差を必要としないからである。円弧形の歯形は、またインボリュート外歯用のクリアランスが不要なので、強度を高めることができる。最後に、或る実施例では、かみ合う歯車間の滑り速度の低減によって、機構内の摩擦損失が低減される。
図3には、内転サイクロイド偏心歯車列を有する回転アクチュエータ300の、一部を除去した等角図が示されている。回転アクチュエータ300は、支持ベアリング328を保持する中心固定軸330を有しており、該ベアリングが偏心歯車218を駆動する回転モータ電機子320を支持している。偏心歯車218上の支持ベアリング314は、揺動シリンダを駆動し、該シリンダは、遊星歯車310,312を含み、該遊星歯車が、主クロス・ローラベアリング308により分離されたブルギヤ304および太陽歯車306とかみ合っている。
【0033】
ブルギヤ304は、回転アクチュエータ300の外殻302に直接に付加される一方、太陽歯車306は、出力取り付け板334に直接に付加されている。モータ電機子336は、アクチュエータ外殻302によって固定保持されている。端板ねじ(図示せず)の補助により、組み立て体がむしろ直接に作られて、支持ベアリング328用の固定軸330を保持する。
出力取り付け板334のベアリング332は、固定軸330の端部を支持している。シール338が、出力取り付け板334を外殻302から分離し、かつ外部材からクロス・ローラベアリング308を保護している。この設計では、偏心歯車318に及ぼされる運動及び力の変化に耐えられるようにするための付加ベアリング326が配置されている。
回転アクチュエータ300で注目すべきは、その固有の単純さである。モータ区域336及び電機子320、偏心歯車318、遊星歯車310,312、ブルギヤ304及び太陽歯車306、主ローラベアリング308が、回転アクチュエータ300の主要構成部品である。二次的構成部品には、ベアリング328,332,326が含まれる。残りの部品は機械加工された固定部品である。
【0034】
回転アクチュエータ300は極めて小型のパッケージ内で極めて高い動力密度を得ることができるとはいえ、広範囲の用途上の要求に応えるためには、例えば、歯車の歯数、モータの巻線特性、電流・電圧レベル等の小規模な設計変更が必要である。回転アクチュエータ300の固有の単純さ及び汎用性により、二次構成部品の大半の量産が可能であり、それによって、規模の面でのコストやや付帯コストを経済的に低減できる。回転アクチュエータ300の一特定実施例の特性は、幾つかの予め選択され標準化された寸法の1つに寸法付け可能であり、それによってシステム設計者には「在庫品の即時提供」が可能になる。標準化された1組の回転アクチュエータの一例の場合、16の別個の標準寸法のアクチュエータが用意でき、広範囲の設計用途に対応できる。図3に示したこの種の1組のアクチュエータは、標準寸法にしたがって構成できる。一例として、直径0.25−45インチ(6.35−101.6ミリメートル)の範囲内で16の寸法を有する1組のアクチュエータは、大きな一群の機械の構成を支えることができ、それらの機械は、必要に応じて迅速に組み立られ、かつ操作可能にされる。
【0035】
簡単な構成の場合、コストが低減されるだけでなく、結果として設計、製造、操作の点で寛大な構成部品が得られる。特に回転アクチュエータ300は、比較的大きい温度変化に当然比較的不感のはずである。
最大15以上の歯が所定時間に接触可能な内転サイクロイド歯車列の使用により、極めて重い荷重の伝搬、バックラッシの除去、から動きの最小化が可能になり、高度の耐衝撃性が得られ、しかも歯車歯の応力は比較的小さく、それによって高い耐久性が得られ、かつ摩耗が低減される。
設計パラメータの数は、むしろ少ない。その数は、大部分が独自に選択されるものであり、各々が設計者にとって明白な意味を有している。したがって、回転アクチュエータ300は、重量、体積、耐久性、出力慣性(output inertia)、動力密度から見た性能の点で並外れているばかりでなく、たいていの設計者が、そのことを容易に理解し、そのことが設計界に確実に受け入れられることを助けている。
【0036】
既述のように、内転サイクロイド歯車列内の偏心オフセットeは、電気式原動機によって駆動され、固定軸上のベアリングによって支持されている。N,Nをブルギヤと太陽歯車との歯数とし、それぞれN,Nを揺動板上の関連かみ合い歯車とすると、全歯車列の比は単純にr=(N)/(N−N)となる。
この比は、10:1から5000:1の範囲となることができ、より高い比は歯の幾何形状の選択に依存し、この幾何形状は、用途に応じて、高負荷能力、低騒音、高精度、低コストのいずれか用に設計できる。或る実施例の場合、適切な比は、歯数が2つの歯数の間で1つの歯だけ変化するかみ合い歯車を使用することで達成できる。
図3に示した内転サイクロイド歯車列と関連して、遊星歯車310,312が並んで配置されている。この構成は剛度を改善するのに役立つ。歯車列比が低い値の場合、歯車310の直径は歯車312の直径と30%以上異なっていてよい。その場合、歯車310,312は、一方が他方の内側に配置されることで、すべての歯車が単一の平面内でかみ合うことができよう。
【0037】
内転サイクロイド歯車列は、どのような外転サイクロイド設計へも直接差し込み接続可能なだけではなく、その主要設計パラメータは、常に、設計者には明白であるため、この設計領域の黒魔術的なアウラが払拭される。遊星歯車は揺動するので、対重によって平衡化せねばならない。多くの実施例の場合に、要求される対重の質量は、遊星歯車自体の質量に比して小さい。或る実施例では、遊星歯車は、遊星歯車の体部に小さい孔を開けることで平衡化される。
(図4)
図4に示した回転アクチュエータ400は、支持ベアリング428を担持する中心固定軸430を有し、該支持ベアリングは、偏心歯車418を駆動する回転モータ電機子420を支持している。偏心歯車418上の支持ベアリング414は揺動シリンダを駆動し、揺動シリンダは、主クロス・ローラベアリング408によって分離されたブルギヤ404と太陽歯車406とかみ合う遊星歯車410,412を含んでいる。
【0038】
回転アクチュエータ400は、パンケーキ形状を有し、高トルク/低速の回転アクチュエータ400を製造するためのSRM原動機422を有している。
出力取り付け板434内のベアリング432は、固定軸430の端部を支持している。シール438は、出力取り付け板34を外殻402から隔離し、これら部材からクロス・ローラベアリング408を保護している。
(図5)
図5には、回転アクチュエータ500の第5実施例が示されているが、この実施例は、本発明の或る複数実施例のうちの1つである。
内転サイクロイド・アクチュエータ概念用の、この幾何学的に異なる型が、図5に、全体を符号500で示されている。図5に見られるように、アクチュエータ500のブルギヤ504と固定子536とは、外殻502に剛性結合され、端板514によって端部が閉じられている。
【0039】
電機子520は、ブルギヤ504及び太陽歯車506とかみ合う遊星歯車510,512を含んでいる。太陽歯車506は主クロス・ローラベアリング508によりブルギヤ504から隔離されており、ベアリング508は、また回転アクチュエータ500が組み込まれている機械の継ぎ手用の主ベアリングとして機能することができる。
図5に見られるように、回転アクチュエータ500のブルギヤ504及び固定子536は、外殻502に固定結合され、端板514により端部が閉じられている。
回転アクチュエータ500は、更に遊星歯車510,512のかみ合いに予荷重を与えるベアリング542,544を有し、それにより歯車が分離しないように保証され、振動と摩擦作用が低減される。
【0040】
ベアリング542,544は、第2偏心オフセットeにて、すなわち電機子揺動偏心歯車518との損失角180°のところに定心されている。ベアリング542,544は、端板514と出力板34とに機械加工された円筒面のところを転動する。端版と出力板の双方は、回転アクチュエータ500の中心線と同心的である。
図5に示した高トルク、低速の回転アクチュエータ500は、内転サイクロイド切換式リラクタンスモータと内転サイクロイド歯車列との組み合わせであり、該リラクタンスモータは、標準型切換式リラクタンスモータより最大5倍高いトルクを発生させ、該歯車列は、類似の外転サイクロイド歯車列より最大5倍高い負荷能力を有することができる。したがって、回転アクチュエータ500は、或る実施例では、先行設計より最大25倍高い性能包絡線を有するといえる。
この25倍の全性能増強は、回転アクチュエータ500の場合、5つの基本部品を備え、5個の付加的な補助ベアリングを除去し、臨界公差を有する寸法の、あるとしても少数の構成部品とを備えることにより達せられる。
【0041】
回転アクチュエータ500では、モータの揺動電機子520が遊星歯車対と同じ部品内に組み込まれている回転アクチュエータ500は、先行設計よりも幾つかの明らかな利点を有し、それらの利点には、単に1個の主クロス・ローラベアリング508と、2個の補助ベアリングとを要するだけであることと、制御技術が簡単化されたこととが含まれているが、この簡単化は、電機子520が各電気サイクルの間に360°×e(eは揺動構成体の偏心度)の角度にわたり運動するさい、各固定子極が1ウェーブに1度のみオンオフに切換えられることによる。
【0042】
前述のことの結果得られるのは、電気サイクルが電機子520の回転速度に対し1/eの角速度比で発生する磁気歯車装置の形式である。電界の角速度と揺動速度w=w=6667が与えられ、例えばe=0.015とすれば、出力取り付け板34は、100rpmで回転し、出力速度wは、歯車減速比100とすれば、1rpmに等しくなろう。この電波のため、トルクのリプルは事実上存在しない。また、e=0.015の値が与えられた場合、r=30eの平衡質量は、電機子520を完全に平衡化するために除去を要する質量は、電機子520の質量の1/900、つまり0.111%に過ぎないことを意味する。アクチュエータ500の特質により、この設計の或る変化形は、風力タービン等の機械式動力源からエネルギーを産生する逆駆動可能な発生器として効果的に使用可能である。
【0043】
少なくとも図3−図5に示した実施例の場合、歯車の各歯は、それが中心位置に来た場合、僅かに予荷重が与えられるような歯形にされることで、低位の調波の発生が低減され、バックラッシやから動きが制御できる。この予荷重負荷は、歯が中心位置に来た場合に、その歯と、かみ合う歯との間に僅かな干渉が生じるようにすることで達せられる。或る実施例の場合には、各遊星歯車の歯に穴を設けて歯の剛度を調整し、かみ合い騒音を低減することができる。
図9には、太陽歯車の歯が、太陽歯車・ブルギヤ機構900内で、固定ブルギヤ902の体内の中心位置に出入するさいの運動の継起を示したものである。
ブルギヤ902とのかみ合い前の、T0時の太陽歯車の歯の初期位置が、符号904で示されている。T0時より少し後のT1時の太陽歯車の歯の中心位置は904´で示されている。
【0044】
或る実施例では、機構900の幾何形状は、太陽歯車の歯が中心位置904´へ移動したときに、僅かな干渉が生じるようにすることができる。該実施例の場合、歯車の歯の剛度及び中心位置904´での干渉レベルにより、ブルギヤ902及び太陽歯車の歯先の弾性変形により発生する力が決定される。この干渉は、太陽歯車を支持するベアリングのどのような自由運動をも低減又は除去するのに役立つ。図9から分かることは、図示の太陽歯車の歯が、剛度を低減するための穴を有していることだが、これについては、図10−図12と関連して更に詳しく後述する。
最大の干渉及び変形が起こるとすれば起こるT1時が過ぎると、太陽歯車の歯はブルギヤ902とのかみ合いから外れる。T1時の後のT2時での太陽歯車の歯の位置は、符号904′で示されている。
【0045】
歯車機構900及び類似の歯車機構と関連して有用な歯車歯の幾何形状の例が、図10−図12に示されている。図10は、歯体1002と、第1歯面1004と、第2歯面1006と、歯体1002の頂部に設けられた穴1008とを有する円弧形の歯車歯1000の側面図である。穴1008の位置と直径とは特定用途での要求によって決定される。概して、歯車歯1000の先端の剛度は、穴1008の直径が増すか、又は穴の中心軸線が歯1000の先端に近づくにつれて減少する。穴1008の直径を縮小するか、穴を歯体1002の下方へ移動させると、逆の効果が得られ、歯1002の先端の剛度を増すのに役立つ。
【0046】
図11は、歯体1102と、第1歯面1104と、第2歯面1106と、歯体1102の頂部に設けられた円形の穴1108とを有する円弧形の歯車1100の側面図である。歯1100は、更に円形穴1108の頂部にスロット1110を有することで、歯1100の歯体1102の頂部の剛度が減じられている。
図12には、歯体1202と、第1歯面1204と、第2歯面1206と、歯体1202の頂部に設けた穴1208とを有する円弧形歯車歯1200の側面図である。穴1208は、2個の円形穴1110,1112から成り、これらの穴は歯1200の中心で重なっている。この設計では歯1200の頂部の局所的な剛度が保存されている。
前述の各実施例の場合、歯の端部は、概して硬化処理されるのがよい歯面の残りの部分より高い延性を必要としよう。或る実施例では、単数又は複数の穴及び/又はスロットが、硬化処理前に形成できる。その後で歯面は硬化される。歯先は、歯の変形部分での疲れ抵抗を改善するために、局所的に焼きなますことができる。この焼きなましは、或る実施例ではレーザ光によって行うことができる。
【0047】
少なくとも図3−図5に示した実施例の場合、次の詳細な説明を追加しておく:(a)或る実施例では、歯車歯は円形歯であり、それによって滑らかさが高まり、歯の衝突時の騒音が低減し、接触ヘルツ応力が減少する。別の実施例では、三角形歯のほうが、用途上の要求が、よりよく満足せしめられる。更に別の実施例の場合、特殊な用途の要求に応えるための特殊な歯の幾何形状が含まれている。(b)配線が、完全に定置固定子内に外殻及びブルギヤの一部として配置できる。(c)アクチュエータを通る力の経路が短い。(d)電機子は中実又は積層体の金属である。(e)必要な臨界寸法は、あるとしても、少数なので、性能に対する製造公差や温度変化の影響は低減される。(f)短い歯車歯の使用により、曲げ応力や摩擦損失が低減される。(g)最大30の歯のかみ合いにより、荷重が徐々に加わり、かつ徐々に荷重から解放されることにより騒音が低減する。
【0048】
(図6)
或る用途では、構成がコンパクトで、高減速比の剛性出力歯車列を有する堅牢な回転アクチュエータが要求されよう。このアクチュエータは、その仕様に応じて、パンケーキ型の切換式リラクタンスモータ(SRM)原動機、又は円筒型ブラシなしD.C.モータ(DCM)のいずれかで駆動されよう。図6及び図7は、それら各々の実施例の、一部を除去して示した等角図である。
図6の回転アクチュエータ600は、「コーヒー缶」状の外形を有しているが、図7の回転アクチュエータ700は円形パンケーキ型のディスク形状を有している。回転アクチュエータ600は、ロボット内に使用するように設計され、回転アクチュエータ700は、2つの壁部間の間隙内で使用するように設計されている。両回転アクチュエータ600,700とも、比較的低速で比較的高トルクを発生可能である。他の点はすべて同じだが、回転アクチュエータ600のほうが、概して回転アクチュエータ700より高い最高速度と幾分低い最大トルクとを有している。
【0049】
図6は、回転アクチュエータ600の、一部を除去して示した等角図だが、この回転アクチュエータ600は、比較的高速のD.C.モータ区域636の磁気シリンダ620内部に配置された外転サイクロイド歯車列の第1段を有している。遊星歯車652,654は、磁気シリンダ620に付加された遊星歯車ケージ658内のベアリング656に取り付けられ、磁気シリンダ620は、またベアリング660上に配置されている。この実施例は精巧な機械内に使用するのに理想的である。
遊星歯車652,654は、外部可動太陽歯車664と、回転アクチュエータ600の中心軸630に取り付けられた外部固定ブルギヤ662とを駆動するファーガソン・パラドックス構成を形成できる。中心軸630は、機械ボルトを使用して外殻602に取り付けられている。
或る実施例では、第1段は、高速・低トルクで動作するさい、その慣性が低減されるように設計できる。遊星歯車652,654は、比較的狭幅に形成しても、必要な荷重は負荷できる。これらの遊星歯車652,654の具体的な設計パラメータは、用途に応じて決められる。
【0050】
モータ構成部品620,636の寸法と、第1段歯車列650の外径との間には妥協が存在しよう。磁気シリンダ620の内径及び区域636を小さくすれば、それだけ発生するトルクは大きくなる。固定軸630は、この設計では、長いので、曲げにさらされる。したがって、ベアリング640によって支持されている。
太陽歯車664は、第2段の外転サイクロイド歯車列666の駆動ケージ618に剛性結合され、該歯車列は、ベアリング614に支持された遊星歯車610,612を支持する大型のニードルベアリング628に支持されている。これらの遊星歯車610,612は、外殻602に付加された内部固定ブルギヤ604と、出力取り付け板634に直接付加された内部太陽歯車606とにかみ合っている。
シール668は、出力取り付け板634から外殻602を分離している。太陽歯車664とその遊星歯車ケージ658は、ベアリング670を支持し、該ベアリングは、外殻602によって定位置に保持されている。ベアリング670を支持する外殻602の形状は、外殻602を強化するものであるだけでなく、固定中心軸630の剛性を改善もしている。
【0051】
内部太陽歯車606は、主力取り付け板634に剛性取り付けされており、該取り付け板は、更に回転アクチュエータ600の出力構造部を強化するためにベアリング632を含んでいる。
外転サイクロイド歯車列の第2段666には、内部ブルギヤ604と太陽歯車606とが用いられている。この構成は、重量を最小化する一方、同時に回転アクチュエータ600を特に堅牢かつ剛性にする構造物の基本構成に合致している。
第2段666では、速度は比較的低速なので、慣性に対する配慮は乏しいが、剛度及び荷重負荷能への配慮は十分になされている。したがって、第2段666の歯の寸法は、第1優先順位として荷重負荷要求に、第2優先順位として剛度要求に応えられるものでなければならない。このことによって、或る用途では、幾何形状が許すだけ多くの遊星歯車610,612の使用が要求される。
【0052】
この構成の主要ベアリングは、クロス・ローラベアリング608である。このベアリングは、ブルギヤ604と外殻602とを、太陽歯車606と出力取り付け板634とから分離している。ベアリング608も、このアクチュエータを使用する機械に対し荷重支承の仕事を果たしている。ベアリング608の位置のために、ブルギヤ604は、太陽歯車同様、極めて剛性に作ることができる。荷重下で最大の剛度と最小のたわみを得るために、隣接リンクへの取り付け部は、ベアリング608に接近して設けられねばならない。
(図7)
図7は、比較的高トルクを発生させる比較的低速のパンケーキ型SRM用に構成された本発明の回転アクチュエータ700の一実施例を、一部を除去して示した等角図である。ブルギヤ704は、特に堅牢に作られ、外殻702に剛性取り付けされ、支持ベアリング732は主固定軸730に剛性取り付けされていることにより、更に、この設計の場合、出力取り付け板734が強化されている。
【0053】
磁気ディスク720は、区域736と協働して、ベアリング714に支持されている遊星歯車710,712用の第1段遊星歯車ケージ718を直接駆動する。遊星歯車ケージ718は、遊星歯車710,712を収容するように注意深く設計されねばならない一方、構造的な統合性を十分維持せねばならない。
第2段の遊星歯車ケージ740は、太陽歯車764により駆動され、かつ太陽歯車764に剛性取り付けされている。太陽歯車764は、支持が最大化されるように、3つのベアリング742,744,746によって支持されている。この支持は、ベアリング752に支持された第2段遊星歯車748,750によって発生せしめられるねじりモーメントに抵抗するように構成されている。第1段の太陽歯車764とブルギヤ762とは、外歯車である。ベアリング732は、可動太陽歯車764内の第1遊星歯車ケージ718を支持し、太陽歯車764は第2遊星歯車ケージ740を駆動する。
【0054】
第2段の太陽歯車706とブルギヤ704とは、内歯車である。この構成は、回転アクチュエータ700の構造の幾何形状を、剛度を有するようするのに役立つ。太陽歯車706とブルギヤ704とは、主クロス・ローラベアリングによって分離され、該ローラベアリングは、歯車列内の主ベアリングとして働く一方、回転アクチュエータ700が組み込まれている継ぎ手の主ベアリングとしても役立っている。剛度を最大化するために、外殻702と出力取り付け板734とに対する取り付け部はローラベアリング708に近接配置するのがよい。
第2段のブルギヤ704と太陽歯車706とは比較的直径が大なので、更に遊星歯車748,750とより大きい歯車歯を収容できる。したがって、遊星歯車748,750は、遊星歯車710,712と比較して相対的に大きく示されている。
【0055】
第2段歯車列では低速が発生させられるので、慣性に対する配慮よりも歯の荷重負荷能に対する配慮がなされている。このことは、また歯車列の第1段についてもより少ない程度ではあるが、妥当する。第1段の外側包絡面は第2段の外側包絡面より直径が小さいが、このことは、第1段は荷重の負荷はより小さいが、角速度はより大であるため適切である。
(図8)
図8は本発明の或る実施例による迅速交換取り付け構造物を有する回転アクチュエータ800を示している。回転アクチュエータ800は、クロス・ローラベアリング808によって分離されたブルギヤ804と太陽歯車806を内蔵するアクチュエータ外殻802を有している。遊星歯車810,812は、それぞれブルギヤ804及び太陽歯車806とかみ合っている。
【0056】
図8に見られるように、アクチュエータ800は、第1機械式リンク820を第2機械式リンク822に剛性結合している。第1機械式リンク820は、第1くさびクランプ824によってアクチュエータ外殻802に剛性結合される一方、第2機械式リンク822は、第2くさびクランプ826によって出力取り付け板834に剛性結合されている。一実施例では、くさびクランプ834,826は、外部バンドクランプによりアクチュエータ800に対し緊締される1対の半円形くさびクランプ半部の形式を有している。もちろん、本発明の精神及び思想を逸脱することなしに、別の等価構造物も採用できる。
図8に示した実施例では、くさびクランプ824,826は1対の締結機構828,830によって緊締される。具体的な用途に応じて、締結機構828,830は、くさびクランプ824,826と一体化するか、又は締結機構828,830を一体化して、くさびクランプ824,826の周囲に配置されるバンドクランプを分離するようにしてもよい。
【0057】
くさびクランプ824,826の各々は、概して円錐形の1対の内面を有し、くさびクランプ824,826の内面に溝が形成されている。これら内面の各々の内輪郭は、アクチュエータ800又は機械式リンク820,822の一方の対応外面に合致する。締結機構828,830が緊締されると、概して円錐形の内面と対応外面との間の法線力が、対応部材を引き合わせ緊密な剛性機械結合を生じさせる。或る実施例では、くさびクランプ824,826の設計は、1組の標準寸法の1つに合致しよう。各標準寸法内には、標準ねじファスナに採用されている種類の分類に似た2つ以上の強化クラスが存在できる。
機械式リンク820,822は、互いに、また主クロス・ローラベアリング808に密接配置される。機械式リンク820,822をこのように、互いに、また主クロス・ローラベアリング808に密接に取り付けることにより、継ぎ手が、6つの自由度のうち、ほぼ5つの自由度の運動に剛性抵抗し、残りの自由度は、原動機と歯車列の組み合わせによって制御されると見ることができる。
【0058】
回転アクチュエータ800を通る「力の経路」は極端に短く、高剛性の機械的構造物及び接続部と関連剛性構造物とを通過すると見ることができる。この短い力の経路と関連剛性構造物とにより、回転アクチュエータ800は、先行技術でのように単なるトルク入力装置としてより、むしろ機械自体のための回転継ぎ手として役立ち得る。
当業者には理解されようが、回転アクチュエータ800の迅速交換取り付け構造物は、本発明の特定実施例と関連させて示されているが、図8に示した取り付け構造物は、本発明の精神と範囲を逸脱することなしに、本明細書に記載されたどの実施例にも採用することができる。簡便さが要求される場合には、インタフェースの精密度や再現性があまり優先されないか、又はシステム中のアクチュエータの迅速交換が用途上重要と見られないのであれば、簡単なボルトを用いることで十分である。
【0059】
図8との関連で説明した構造物は、本明細書に記載のすべての回転アクチュエータに適用される。本明細書に記載のアクチュエータを用いて組み立てられる機械の幾何形状は、主として、アクチュエータ自体よりも、アクチュエータに付加される部材に応じて決まる。用途に応じて、リンクは互いに平行か、互いに直角か、互いに何らかの全体的な空間的な配向で配置できる。リンクの幾何形状によって、機械設計者にシステム設計の大きな自由が与えられ、しかも特注部品を必要としない。多くの場合、標準化された構成部品を使用することで、コストが低減できるが、これは、アクチュエータとアクチュエータを結合するリンクの双方を量産できるからである。同時に、標準化された構成部品を使用する場合でも、設計者には、広い適用性と融通性とが保留され得る。
以上、本発明の複数好適実施例を詳細に説明したが、当業者には、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに、種々の変更態様が可能であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図2】本発明の第2実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図3】本発明の第3実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図4】本発明の第4実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図5】本発明の第5実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図6】本発明の第6実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図7】本発明の第7実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図8】本発明の或る複数実施例による回転アクチュエータの、一部を除去して示す等角図。
【図9】本発明の或る複数実施例による円弧形歯車歯のかみ合いを示す側面図。
【図10】本発明の或る複数実施例による単一の円弧形歯車歯の側面図。
【図11】本発明の或る複数実施例による単一の円弧形歯車歯の側面図。
【図12】本発明の或る複数実施例による単一の円弧形歯車歯の側面図。
【符号の説明】
【0061】
100,200,300,400,500,600,700,800 回転アクチュエータ
102,202,302,402,502,602,702,802 外殻
104,204,304,404、504,604,704,804 ブルギヤ
106,206,306,406,506,606,706,806 太陽歯車
108,208,308,408,508,608,708,808 クロス・ローラベアリング
110,112;210,212;310,312;410,412;510,512;610,612;710,712;810,812 遊星歯車
114,214 ベアリング
116,216 軸
118,218,318,418,518,618,718,818 遊星歯車ケージ
120,220,320,420,520,620,720 磁気ディスク
122,222,422 原動機
126,226,326 ベアリング
128,228,328,428,628 ベアリング
130,230,330,430,630,730 固定軸
132,232,332,432,632,732 ベアリング
134,234,334,434,534,634,734,834 出力取り付け板
740 第2段遊星歯車ケージ
742,744,746,752 ベアリング
762 ブルギヤ
764 第1段太陽歯車
820,822 機械式リンク
824,826 ウェッジクランプ
828,830 緊締機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転アクチュエータにおいて、
アクチュエータ外殻と、
アクチュエータ外殻内に配置された遊星歯車ケージと、
原動機とが含まれ、該原動機が、アクチュエータ外殻に剛性固定された第1原動機部分と、第1原動機部分に隣接し、かつ第1原動機部分に対し可動な第2原動機部分とを有しており、該第2原動機部分が、遊星歯車ケージに剛性固定され、かつ第1原動機部分に対しトルクを作用可能であり、また
アクチュエータ外殻に剛性固定された第1ベアリング部分、及び第1ベアリング部分に対して可動の第2ベアリング部分を有するクロス・ローラベアリングと、
第2ベアリング部分に剛性固定された出力取り付け板と、
アクチュエータ外殻に剛性固定された外殻歯車と、
出力取り付け板に剛性固定された出力歯車と、
遊星歯車ケージ内に配置された1つ以上の遊星歯車とが含まれ、該遊星歯車が、各々、外殻歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接し出力歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している、回転アクチュエータ。
【請求項2】
更に、アクチュエータ外殻と剛性結合された第1構造リンクと、出力取り付け板に剛性結合された第2構造リンクとを含む、請求項1に記載された回転アクチュエータ。
【請求項3】
前記第1リンクと第2リンクとが、それぞれ、迅速交換取り付け構造物によってアクチュエータ外殻と出力取り付け板とに取り付けられている、請求項2に記載された回転アクチュエータ。
【請求項4】
迅速交換取り付け構造物の各々が、構造リンク内の第1半径方向溝と、回転アクチュエータの対応部分の、第1半径方向溝に隣接する第2半径方向溝と、第1、第2の半径方向溝の周囲に延びる半径方向クランプとを含む、請求項3に記載された回転アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1構造リンクが、クロス・ローラベアリングに直接隣接するアクチュエータ外殻に取り付けられ、前記第2構造リンクがクロス・ローラベアリングに直接隣接する出力取り付け板に取り付けられている、請求項2に記載された回転アクチュエータ。
【請求項6】
回転アクチュエータにおいて、
アクチュエータ外殻と、
アクチュエータ外殻内に配置された偏心歯車ケージと、
原動機とが含まれ、該原動機が、アクチュエータ外殻に剛性固定された第1原動機部分と、第1原動機部分に対し回転可能な第2原動機部分とを有しており、該第2原動機部分が、偏心歯車ケージに剛性固定され、第1原動機部分に対しトルクを作用可能であり、また
アクチュエータ外殻に剛性固定された第1ベアリング部分と、第1ベアリング部分に対して自由回転する第2ベアリング部分とを有するクロス・ローラベアリングと、
第2ベアリング部分に剛性固定された出力取り付け板と、
アクチュエータ外殻に剛性固定された外殻歯車と、
出力取り付け板に剛性固定された出力歯車と、
偏心歯車ケージの周囲に配置された偏心歯車とが含まれ、該偏心歯車が、外殻歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接し、出力歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している、回転アクチュエータ。
【請求項7】
更に、アクチュエータ外殻と剛性結合された第1構造リンクと、出力取り付け板に剛性結合された第2構造リンクとが含まれている、請求項6に記載された回転アクチュエータ。
【請求項8】
前記第1リンクと第2リンクとが、それぞれ、迅速交換取り付け構造物によってアクチュエータ外殻と出力取り付け板とに取り付けられている、請求項7に記載された回転アクチュエータ。
【請求項9】
前記迅速交換取り付け構造物の各々が、構造リンク内の第1半径方向溝と、回転アクチュエータの対応部分の、第1半径方向溝に隣接する第2半径方向溝と、第1、第2の半径方向溝の周囲に延びる半径方向クランプとを含む、請求項8に記載された回転アクチュエータ。
【請求項10】
前記第1構造リンクが、クロス・ローラベアリングに直接隣接するアクチュエータ外殻に取り付けられ、前記第2構造リンクが、クロス・ローラベアリングに直接隣接する出力取り付け板に取り付けられる、請求項7に記載された回転アクチュエータ。
【請求項11】
前記第1と第2の歯車部分のうちの1つ以上に、円形の歯形を有する歯車歯が採用されている、請求項6に記載された回転アクチュエータ。
【請求項12】
前記円形の歯形を有する歯車歯が、僅かな干渉を有するように寸法付けされている、請求項11に記載された回転アクチュエータ。
【請求項13】
円形の歯形を有する前記歯車歯のうちの1つ以上に、歯の剛度を低減するために歯に穴が設けられている、請求項12に記載された回転アクチュエータ。
【請求項14】
前記第1と第2の歯車部分のうちの1つ以上の歯車部分内の10以上の歯が、どの箇所でも遅れずに接触する、請求項6に記載された回転アクチュエータ。
【請求項15】
回転アクチュエータにおいて、
アクチュエータ外殻と、
アクチュエータ外殻内に配置された第1遊星歯車ケージと、
原動機とが含まれ、該原動機が、アクチュエータ外殻に剛性固定された第1原動機部分と、第1原動機部分に対して回転可能な第2原動機部分とを有しており、該第2原動機部分が、第1遊星歯車ケージに剛性固定され、第1原動機部分に対しトルクを作用可能であり、また
軸に剛性固定された軸歯車を有する軸と、
第2遊星歯車ケージとが含まれ、該第2遊星歯車ケージが、第1遊星歯車ケージ及び軸に対して回転可能で、剛性固定されたケージ歯車を有し、
第1遊星歯車ケージ内に配置された1つ以上の第1段遊星歯車が含まれ、その各々が、軸歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接しケージ歯車とかみ合う第2歯車部分とを有し、更に
アクチュエータ外殻に剛性固定された第1ベアリング部分と、第1ベアリング部分に対して自由回転する第2ベアリング部分とを有するクロス・ローラベアリングと、
第2ベアリング部分に剛性固定された出力取り付け板と、
アクチュエータ外殻に剛性固定された外殻歯車と、
出力取り付け板に剛性固定された出力歯車と、
第2遊星歯車ケージ内に配置された1つ以上の第2段遊星歯車とが含まれ、その各々が、外殻歯車とかみ合う第1歯車部分と、第1歯車部分に隣接し出力歯車とかみ合う第2歯車部分とを有している、回転アクチュエータ。
【請求項16】
更に、アクチュエータ外殻と剛性結合された第1構造リンクと、出力取り付け板に剛性結合された第2構造リンクとが含まれる、請求項15に記載された回転アクチュエータ。
【請求項17】
前記第1リンクと第2リンクとが、それぞれ、迅速交換取り付け構造物によってアクチュエータ外殻と出力取り付け板とに取り付けられている、請求項16に記載された回転アクチュエータ。
【請求項18】
迅速交換取り付け構造物の各々が、構造リンク内の第1半径方向溝と、回転アクチュエータの対応部分の、第1半径方向溝に隣接する第2半径方向溝と、第1、第2の半径方向溝の周囲に延びる半径方向クランプとを含む、請求項17に記載された回転アクチュエータ。
【請求項19】
前記第1構造リンクが、クロス・ローラベアリングに直接隣接するアクチュエータ外殻に取り付けられ、前記第2構造リンクが、クロス・ローラベアリングに直接隣接する出力取り付け板に取り付けられる、請求項16に記載された回転アクチュエータ。
【請求項20】
前記第1と第2の歯車部分のうちの1つ以上に、円形の歯形を有する歯車歯が採用されている、請求項15に記載された回転アクチュエータ。
【請求項21】
円形の歯形を有する前記歯車歯が、僅かな干渉を有するように寸法付けされている、請求項20に記載された、回転アクチュエータ。
【請求項22】
円形の歯形を有する前記歯車歯のうちの1つ以上が、歯の剛度を低減するために歯に穴が設けられる、請求項21に記載された回転アクチュエータ。
【請求項23】
前記第1と第2の歯車部分のうちの1つ以上の歯車部分内の10以上の歯車歯が、どの箇所でも遅れずに接触する、請求項15に記載された回転アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−507464(P2006−507464A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555752(P2004−555752)
【出願日】平成15年11月21日(2003.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/037753
【国際公開番号】WO2004/048824
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505190954)
【Fターム(参考)】