説明

樹状細胞の受容体

Th1介在免疫応答の選択的阻害に関する標的としての使用のためのGPBAR1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特異的受容体、例えば、とりわけ樹状細胞で発現するGタンパク質共役受容体GPBAR1に関する。
【背景技術】
【0002】
Gタンパク質共役受容体GPBAR1、例えば、WO03051923で開示されたものは、Gタンパク質共役受容体ファミリーのメンバーである。GPBAR1の生物学的特性は、単球/マクロファージ遊走/活性化の制御、樹状細胞分化/活性化の制御、リンパ球活性化、増殖および分化の制御、炎症の制御、サイトカイン産生および/または放出の制御、炎症性メディエーター産生および/または放出の制御、免疫応答、GLP(グルカゴン様ペプチド)−1分泌、インスリン分泌、食欲、膵臓再生、膵臓β細胞分化、膵臓β細胞成長、インスリン耐性の制御を含む。したがって、GPBAR1は、例えば、そのような生物学的特性が原因的役割となるか、または関与的役割を果たす疾患を含む障害を処置する方法に関して、興味が向けられる。そのような障害は、非限定的に、(慢性)炎症性疾患、自己免疫疾患、例えば、乾癬、炎症性腸疾患、関節リウマチ、全身性エリトマトーデスまたは多発性硬化症、例えば、AIDSのようなウイルス疾患を含む重要な病的要素が免疫抑制である疾患または症候群、拒絶反応危機および移植後の他の疾患、癌;神経CNS障害のような神経障害、心臓血管障害を含む。
【0003】
乾癬(疣贅(vulgaris))は、損傷皮膚における多数の樹状細胞、1型エフェクターT細胞および相当するサイトカインの存在により示されるとおり、免疫介在疾患である。免疫病因に関する主要な作業仮説は、樹状細胞および活性化Tリンパ球を、直接または間接的なケラチノサイト過剰発現のトリガーとして、皮膚における複雑な一連の炎症反応のレギュレーターであると考えている(例えば、Chamian F., and Krueger J.G., Curr Opin Rheumatol. 16:331-337, 2004を参照のこと)。悪化した1型炎症性免疫応答を抑制するおよび/またはTh2表現型へバランスを移動する薬剤は、乾癬の治療的介入の新しい戦略を提示することが期待される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、驚くべきことに、GBPAR1が、例えば、活性化、例えば、胆汁酸を用いた活性化で、セカンドメッセンジャーであるcAMPおよびIP3の形成を誘導し、それにより、標的細胞での細胞特異的生物学的応答プログラムを誘導することが発見された。活性化樹状細胞では、GPBAR1のアゴニストは、選択的にTh1サイトカインおよびTNFαの産生を阻害し、Th2サイトカインの誘導には影響しない。また、他方で、樹状細胞における表面活性化マーカーの発現が変化しないことが発見され、これは、アゴニスト処理細胞の抗原提示機能が影響を受けていないことを示している。したがって、GPBAR1のアゴニストは、持続したTh1に偏った炎症過程、例えば、乾癬を、例えば、Th2細胞型の発生を促進することにより抑制できる。GPBAR1は、例えば、特に、炎症を起こしている皮膚におけるそのような細胞の浸潤をモニタリングする、樹状細胞のバイオマーカーとして有用であることが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある局面では、本発明は、
Th1介在免疫応答の選択的阻害に関する、樹状細胞における標的、例えば、バイオマーカーとしての使用のためのGPBAR1;
Th1細胞活性化および分化の選択的阻害に関する、樹状細胞における標的、例えば、バイオマーカーとしての使用のためのGPBAR1;例えば、および
Th2型細胞の発生を促進することに関する、樹状細胞における標的、例えば、バイオマーカーとしての使用のためのGPBAR1、を提供する。
【0006】
本明細書で使用するとき、GPBAR1は、配列番号2のアミノ酸のポリペプチド;例えば、配列番号1のヌクレオチド配列によりコードされたもの、および、配列番号4のアミノ酸のポリペプチド、例えば、配列番号3のヌクレオチド配列によりコードされたものを、それぞれ含み、
さらに、
配列番号1または配列番号3のポリヌクレオチドにコードされたポリペプチドと、少なくとも、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性を有するポリペプチド;および
配列番号2または配列番号4のポリペプチド配列のそれぞれと、少なくとも、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性を有するポリペプチド;
遺伝コードの余剰(縮重)の結果として、また、配列番号2のポリペプチドをコードする、配列番号1以外の配列によりコードされた配列番号2のポリペプチド;
遺伝コードの余剰(縮重)の結果として、また、配列番号4のポリペプチドをコードする、配列番号3以外の配列によりコードされた配列番号4のポリペプチド;
好ましくは、少なくとも100ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有し、配列番号1または配列番号3の配列またはその断片、好ましくは、少なくとも15ヌクレオチドであるそれらを含む標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション下でライブラリーをスクリーニングすることにより取得される、ポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチド;
配列番号2または配列番号4のポリペプチドをコードしたDNA配列のRNA転写産物によりコードされた、配列番号2または配列番号4のポリペプチド;例えば、配列番号1または配列番号3のDNA配列のRNA転写産物;または、それに相補的なRNAポリヌクレオチド;
前駆体または融合タンパク質のようなラージタンパク質の部分である、上記したポリペプチド、
例えば、分泌もしくはリーダー配列、プロ配列、例えば、複数のヒスチジン残基のような精製を助ける配列、または組み換え産生の間の安定性に関する付加配列を含む、付加アミノ酸配列およびGPBAR1を含むことはしばしば有利であり、その他“成熟”タンパク質の形態は、前駆体または融合タンパク質のようなラージタンパク質の一部であり得て;
例えば、アレル型およびスプライスバリエントを含む、上記したポリペプチドの変異型;例えば、変異型は、挿入、欠失、および保存的または非保存的であり得る置換またはその任意の組合せにより、GBPAR1から変わり、好ましくは、スプライスバリエント、アレル変異型、または1個またはそれ以上の一ヌクレオチド多型(SNPs)を有するGBPAR1をコードしたポリヌクレオチド含む多型であり、例えば、いくつかの、例えば、50〜30個、30〜20個、20〜10個、10〜5個、5〜3個、3〜2個、2〜1個または1個のアミノ酸が挿入されている変異型、
配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列からの、少なくとも30、50または100個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含むGPBAR1の断片;および、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列から切断または欠失した、少なくとも30、50または100個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含むGPBAR1の断片、好ましくは、単球/マクロファージ遊走/活性化の制御、樹状細胞分化の制御、リンパ球活性化、増殖および分化の制御、炎症の制御、サイトカイン産生および/または放出の制御、炎症性メディエーター産生および/または放出の制御の生物学的活性を介在する断片、例えば、生物学的にGPBAR1と同様に、類似活性もしくは改善活性、または、GPBAR1と比較して、減少した望まない活性を有する断片を含み、例えば、好ましくは、GBPAR1のエピトープを含む断片、例えば、好ましくは、動物で、とりわけ、ヒトで、抗原性または免疫原性がある断片、例えば、断片は、例えば、選択的にTh1細胞活性を阻害する薬剤のスクリーニングのために使用され得て、
好ましくは、GBPAR1は、配列番号2または配列番号4のような配列番号1または配列番号3によりコードされたポリペプチドを含み;
ここで、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4は、WO03051923で開示されている(GPBAR1ヒトヌクレオチド配列:配列番号1、GPBAR1ヒトアミノ酸配列:配列番号2; GPBAR1マウスヌクレオチド配列:配列番号3、GPBAR1マウスアミノ酸配列:配列番号4)。
WO03051923の内容は、引用により本明細書の一部とする。
【0007】
GPBAR1は、例えば、WO03051923で開示されたのと、例えば、同じような方法に従って、適当に調製し得る。
【0008】
本明細書で使用するとき“標的としての使用”は、GPBAR1の、例えば、バイオマーカーとしての、例えば、
Th1細胞駆動である障害を診断するための、
炎症を起こした皮膚での樹状細胞の浸潤をモニタリングするための、
選択的にTh1細胞活性化を阻害する薬剤をスクリーニングするための、
Th2型細胞の発生を促進する薬剤をスクリーニングするための、
方法における使用を含む。
【0009】
他の局面では、本発明は、
Th1細胞駆動である障害を診断するための、
Th1細胞駆動である免疫障害を診断するための、
Th1細胞駆動である自己免疫疾患を診断するための、
Th1細胞駆動である(自己)免疫疾患と関連した、炎症性障害を診断するための、
例えば、Th1細胞駆動である乾癬を診断するための、
炎症を起こした皮膚でのTh1の浸潤をモニタリングするための、例えば、Th1細胞活性化により介在される障害または疾患を軽減または治癒する効果を有することが期待される薬剤を用いた個体の処置における治療効果をモニタリングするための、
GPBAR1、例えば、GPBAR1の使用、例えば、GPBAR1のバイオマーカーとしての使用を提供する。
【0010】
Th1細胞駆動である障害は、Th1細胞活性化により介在される障害を含み、例えば、免疫疾患、例えば、自己免疫疾患、例えば、炎症と関連した(自己)免疫疾患、例えば、乾癬、多発性硬化症、強皮症、クローン病(例えば、潰瘍性大腸炎を含む)、ベーチェット病、関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、例えば、1型糖尿病;またはTh-1細胞駆動感染疾患を含み、例えば、ヘリコバクター疾患および糖尿病のマウスモデルにおけるTh1-介在病態は、寄生虫抗原に対する同時の抗炎症Th2応答により改善し、これらの原理の最初の適用は、ヘリコバクター感染を患っているヒト患者に有益であることが見い出され(例えば、Mark T. Whary et al, Medicinal Chemistry, Volume 4, No. 5, p. 531-538, 2004を参照のこと)、または、IL-12B遺伝子およびTh-1介在感染疾患の間に相関があることが見い出され、IL-12発現は、強く、Th-1介在疾患と関連していることは既知である(例えば、International Journal of Immunogentics, 33, p. 231-232, 2006を参照のこと)。
【0011】
他の局面では、本発明は、
炎症を起こした皮膚での樹状細胞の浸潤をモニタリングする方法であって、皮膚の炎症を患っている個体由来の炎症した皮膚からの試料中で、樹状細胞のレベルを決定し、該レベルを炎症した皮膚および炎症を起こしていない皮膚からの試料中で決定したTh1細胞のレベルと比較することを含む方法;
Th1細胞活性化により介在される障害または疾患を軽減または治癒することが期待される物質を用いた個体の処置における、治療効果をモニタリングする方法であって、該個体中の試料におけるGPBAR1のレベルを決定し、該レベルを該物質の投与前のGPBAR1のレベルと比較することを含む方法
を提供する。
【0012】
WO03051923では、GPBAR1をコードしたポリヌクレオチドが診断キットとして使用し得ることが開示されている。そのようなキットはまた、Th1細胞駆動障害、例えば、乾癬を診断するのに有用であり得る。
【0013】
他の局面では、本発明は、Th1細胞駆動障害を診断するためのキットを提供し、主な構成要素として、
(a)GPBAR1をコードしたポリヌクレオチド、好ましくは、WO03051923の配列番号1または配列番号3のポリヌクレオチド、例えば、または、その断片もしくはRNA転写産物;
(b)(a)のそれに相補的なヌクレオチド配列;
(c)GPBAR1、好ましくは、WO03051923の配列番号2または配列番号4のポリペプチド、例えば、または、その断片;または
(d)GPBAR1に対する抗体、好ましくは、WO03051923の配列番号2または配列番号4のGPBAR1に対する抗体
を含む。
【0014】
WO03051923では、GPBAR1が、ポリペプチドの機能またはレベルを刺激または阻害する化合物を同定するための、化合物のスクリーニングのために使用され得ることを開示している。そのような方法は、Th1駆動障害、例えば、乾癬の処置のために有用であることが期待されるアゴニストを同定し得る。
【0015】
他の局面では、本発明は、Th1細胞駆動障害、例えば、乾癬の処置における使用のための、GPBAR1の機能またはレベルを介在する化合物を同定するスクリーニングのためのキットを提供し、主な構成要素として、
(a)GPBAR1、
(b)GPBAR1を発現する細胞または膜、または
(c)GPBAR1を含む融合タンパク質
を含む。
【0016】
本発明に記載したキットは、(a)、(b)、(c)もしくは(d);または、(i)、(ii)、もしくは(iii)のそれぞれに加えて、重要な構成要素、例えば、試験する試料の適当な環境、例えば、および、試験する試料中のa)、b)、c)またはd)のいずれかの効果を決定する適当な手段を含む構成要素を含み得る。
【0017】
他の局面では、本発明は、個体の試料中でTh1細胞活性化により介在される障害または疾患を診断するためのキットまたはTh1細胞駆動障害を診断するためのキットを提供し、
(a)所望により標識型で、GPBAR1を認識する分子、
(b)使用のための指示、
(c)所望により検出手段、および
(d)所望により固相
を含む。
【0018】
他の局面では、本発明は、Th1細胞活性化により介在される障害または疾患を診断する方法を提供し、
(a)個体の試料を提供すること、
(b)該試料中のGPBAR1のレベルを決定すること、
(c)工程b)で決定したGPBAR1のレベルを、健康なコントロール個体の試料からの参照レベルと比較すること、および
(d)工程b)で決定したGPBAR1のレベルが、該参照レベルと異なるか否かを決定することにより、Th1細胞活性化により介在される障害または疾患の診断をすること
を含む。
【0019】
他の局面では、本発明は、Th1細胞活性化を調節する薬剤を同定するための方法、例えば、そのような薬剤を使用する方法を提供し、
a)GPBAR1のレベルを調節することが期待される候補化合物の非存在下および存在下、GPBAR1特異的試験系でGPBAR1のレベルを決定すること、
b)工程a)で決定した、薬剤としてGPBAR1のレベルを調節する候補化合物を同定すること;および
薬学的に活性薬剤として使用される同定した薬剤を、例えば、Th1細胞活性化により介在される障害または疾患の処置における医薬の製造のために使用することを含む。
【0020】
他の局面では、本発明は、Th1細胞駆動障害、例えば、乾癬の処置における使用のための、GPBAR1の機能またはレベルを介在する化合物を同定するために、スクリーニングする手段を提供し、
(a)候補化合物と直接または間接的に結合した標識により、定量的もしくは定性的に、候補化合物の
(i)GPBAR1、
(ii)GPBAR1を発現する細胞もしくは膜、または
(iii)GPBAR1を含む融合タンパク質
への結合を測定または検出すること、
(b)標識した競合物質(competitor)の存在下、(a)で定義した(i)、(ii)または(iii)のいずれかへの候補化合物の競合の結合を測定すること;
(c)GPBAR1を発現する細胞または細胞膜に適当な検出系を用いて、候補化合物がGPBAR1の活性化により産生されるシグナルを生じるか否かを決定すること、
(d)混合物を形成するために候補化合物をGPBAR1を含む溶液と混合し、混合物中の該GPBAR1の活性を測定し、および、混合物の活性を候補化合物を含まないコントロール混合物と比較すること;および
(e)例えば、ELISAアッセイにより、(a)で定義した(i)、(ii)または(iii)のいずれかをコードしたmRNAの産生における候補化合物の影響を検出すること、
および、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)のいずれかにおけるアゴニスト効果が検出された候補化合物を選択すること;
例えば、および、処置のために、または、Th1細胞駆動障害、例えば、乾癬の処置に関する医薬の製造のために、選択した候補化合物を使用すること
を含む。
【0021】
候補化合物は、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)のいずれかにおける影響が未知の化合物(ライブラリー)を含む。本発明に従う潜在的なアゴニストの例は、本発明に記載したポリペプチドに結合する化合物を含み、例えば、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、模倣体、小分子、例えば、低分子量化合物(LMW's)、好ましくは、LMW'sを含む。
本明細書で使用するとき薬剤は、医薬活性、例えば、GPBAR1アゴニスト活性が、本発明により提供された方法で検出される候補化合物である。
【0022】
GPBAR1のレベル(量)の決定は、例えば、慣用的なまたは本明細書に記載した方法に、例えば従って、例えば準じて、適当に実行し得る。本発明により提供された任意の方法は、慣用的なまたは本明細書に記載した方法に、例えば従って、例えば準じて、適当に実行し得る。
【0023】
他の局面では、本発明は、Th1細胞駆動障害、例えば、乾癬を処置するための医薬の製造に関する、例えば、医薬組成物の形態での、薬剤、例えば、GPBAR1のアゴニストの使用を提供する。
【0024】
他の局面では、本発明は、例えば、Th1細胞駆動障害の処置のために、GPBAR1のアゴニストを薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物を提供する。
【0025】
他の局面では、本発明は、Th1細胞駆動障害、例えば、乾癬を処置する方法を提供し、有効量の薬剤、例えば、GPBAR1のアゴニストをそのような処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0026】
本明細書で使用するとき、障害は疾患を含む。
【0027】
我々はまた、例えば、下記の実施例および図から明らかなように、GPBAR1のアゴニストである化合物を発見した。
【0028】
他の局面では、本発明は、使用における参照物質として、胆汁酸から選択される、例えば、タウロリトコール酸、タウロデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸およびタウロコール酸から選択されるGPBAR1のアゴニストの使用、スクリーニング法または本発明に従って提供するキットを提供する。
【0029】
他の局面では、本発明は、
(a)WO03051923における配列番号1または配列番号3のポリヌクレオチドによりコードされた単離ポリペプチド;
(b)WO03051923における配列番号1または配列番号3のポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチドと、少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%相同性を有する単離ポリペプチド、
(c)WO03051923における配列番号2または配列番号4の単離ポリペプチド、
(d)WO03051923における配列番号2または配列番号4のポリペプチド配列と、少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%相同性を有する単離ポリペプチド、および所望により、
(e)乾癬の処置において有用な化合物のスクリーニングに関する、a)、b)、c)またはd)で定義した、ポリペプチドの断片および変異型
からなる群の1つから選択した単離したポリペプチドの使用を提供する。
【0030】
図の説明
図1
NT50細胞での胆汁酸によるカルシウム動員(実施例1aを参照のこと)
胆汁酸刺激後のWO03051923における配列番号2の受容体によるカルシウム動員を示している。96ウェルFLIPR機器(instrument)で測定する。蛍光シグナルは、コントロールウェルでの2.5 μM TLCAにより取得した反応の百分率として表す。
TLCA(タウロリトコール酸、● − ●); TDCA(タウロデオキシコール酸、■ − ■); TCDCA(タウロケノデオキシコール酸、◆ − ◆); TCA(タウロコール酸、▲ − ▲)
【0031】
図2
NT50細胞での胆汁酸による受容体脱感作(実施例1aを参照のこと)
活性化および次の受容体脱感作後の、WO03051923における配列番号2のGPBAR1による胆汁酸により誘導されたカルシウム応答の特異性を示している。飽和量のTLCA(2.5 μM)による第2刺激で試験する。特定のウェルで取得した最大シグナルを、緩衝液のみのアッセイで全処理したコントロールの百分率として表す。化合物を、8つの濃度で2回試験する。
TLCA(タウロリトコール酸、● − ●); TDCA(タウロデオキシコール酸、■ − ■); TCDCA(タウロケノデオキシコール酸、◆ − ◆); TCA(タウロコール酸、▲ − ▲)
【0032】
図3
TLCA誘導cAMPレベルの増加(実施例1bを参照のこと)
Jurkat NT51宿主細胞、Jurkat NT50およびHEK-LFR6.1細胞GBPAR1(WO03051923における配列番号2)を、化合物添加後30分での細胞内cAMPの増加した濃度に関して、TLCAで試験する。データを標準化蛍光値として表し、4回の平均(+/− sd)である。
【0033】
図4
WO03051923における配列番号2のGPBAR1受容体のアゴニストで処理したLPS活性化樹状細胞によるサイトカイン産生
樹状細胞を、GM-CSFおよびIL-4での処理によりヒト単球から作製し、TLCA(10 μM)を、0日またはLPSによる刺激の時点(timepoint)である6日目の培養に添加する。培養上清中のサイトカインレベルを、活性化後48時間で解析する。データを、2回の測定から計算したビヒクル処理コントロールの百分率として表す。
【0034】
図5
TLCAで処理した樹状細胞におけるTh1サイトカイン産生の濃度依存的阻害
樹状細胞を、GM-CSFおよびIL-4での処理によりヒト単球から作製し、TLCAを、0日の培養に添加する。6日目の細胞を、各種量のTLCAの存在下、LPSで刺激する。細胞上清中のサイトカインレベルを、活性化後48時間で解析する。データを、ビヒクル処理(DMSO)コントロールの百分率として表す。
【0035】
図6
TLCAで処理した樹状細胞の表面活性化マーカー
樹状細胞を、LPSおよび10 μM TLCAまたはLPSおよび相当する量のビヒクル(DMSO)による活性化後48時間で、表面マーカーの発現のために染色し、FACSで解析する。
ヒストグラムは、下記を表している:
灰色:LPSで処理したDC;暗色線:LPSで処理していないDC;明色線:アイソタイプコントロール。
配列番号2の受容体のアゴニストを用いた樹状細胞の処理は、抗原提示機能に関与することが既知である表面分子の発現に影響しない。このことは、あるT細胞応答、例えば、Th2細胞応答の発生が、正常に続行することが合理的に予期されることを示している。
【0036】
図7
GPBAR1アゴニスト処理された樹状細胞および同種CD4T細胞の共培養におけるサイトカイン産生
平板培養後6日目にLPSにより活性化する(成熟樹状細胞)か、または未刺激のまま(未成熟樹状細胞)の単球由来樹状細胞を、10 μM TLCAの存在下、72時間、同種CD4T細胞と共に共培養する。上清中のサイトカインレベルを、ビヒクル(DMSO)処理コントロールの百分率として表す。データは、2回ウェルの平均である。
IL-4が存在しないとき、IFNγ産生は大幅に阻害されるので、PBAR1アゴニストによって誘導される樹状細胞に遭遇するナイーブT細胞からのTh1細胞の発生は、Th2細胞の支持で著しく制限されると結論づけられる。
【0037】
下記実施例で、すべての温度は摂氏である。
下記の略称を使用する:
GPBAR1 WO03051923における配列番号2の受容体
TLCA タウロリトコール酸
TDCA タウロデオキシコール酸
TCDCA タウロケノデオキシコール酸
TCA タウロコール酸
【実施例】
【0038】
実施例1
GPBAR1アゴニストを用いたカルシウムおよびcAMP機能アッセイ
A)カルシウムアッセイ
GPBAR1を発現するJurkat細胞(NT50細胞)が、機能的に、PLCの活性化およびカルシウム動員、およびcAMP形成と関連していることを示した。GPBAR1またはベクターコントロールトランスフェクションJurkat細胞における定常カルシウムレベルは、正常な100 nMから200 nMの範囲で観察される。安定的な形質転換体でのGPBAR1のアゴニスト誘導は、細胞質内カルシウムレベルの一時的な上昇を誘導し、一方で、同じ化合物は、コントロール細胞でのカルシウムレベルを変化させない。
Jurkat NT50をFluo-4 AMに載せ、様々なステロイド性物質(胆汁酸を含む)を、FLIPR機器(Molecular Devices, Sunnyvale, USA)で、アゴニスト誘導カルシウム動員に関して評価する。簡潔には、NT50細胞を、200gでの遠心により組織培養フラスコから収集し、実験の日に、Fluo-4 AM染色ローディング溶液(20 mM HEPESを含む完全RPMI培地緩衝液(pH7.4)に1 μM Fluo-4 AM、2 mM プロベネシドを含む3 ml(1×107 細胞あたり))で再懸濁する。37℃で1時間インキュベーション後、細胞を、2 mMプロベネシドを含む10 mlアッセイ緩衝液(5.4 mM KCl、0.8 mM MgSO4、120 mM NaCl、10 mM D-グルコース、20 mM HEPES (pH 7.4)および2 mM CaCl2)で、2回洗浄する(200gで遠心)。次いで、細胞をカウントし、黒色/透明底96-ウェルプレート(Corning Inc., New York, USA)の中に、75 μlアッセイ緩衝液中、ウェルにつき2×105 細胞で移す。アッセイプレートを、使用前に200 gで2分間、遠心する。試験物質(DMSO中、10 mMストック)の連続希釈を、20% DMSOを含むアッセイ緩衝液で行う。プレ希釈試料を、次いで、96ウェル化合物プレートに移し、4×の試験濃度(6 μl化合物希釈+194 μl緩衝液)を取得するためにアッセイ緩衝液を補充する。25 μlのアリコートをFLIPR 96-チップピペットを用いて細胞に添加し、蛍光強度の変化を2分に1秒の間隔で記録する。試験した200以上のステロイド性化合物の中で、タウロリトコール酸(TLCA)が、最も有力なアゴニストである(EC50 =70.9±13.1 nM)。異なる胆汁酸を用いたある代表的な実験データを、図1に示す。ベクターのみでトランスフェクションしたJurkatコントロール細胞は、胆汁酸によりカルシウムを動員しない。GPBAR1を介して胆汁酸により誘導したカルシウム応答の特異性は、さらに、飽和量のTLCA(2.5 μM)による第2刺激で試験した活性化後のGPBAR1脱感作により示される(図2を参照のこと)。
【0039】
B)cAMPアッセイ
Jurkat NT50、NT51コントロール細胞およびGPBAR1を発現するHEK-LFR細胞へのステロイド性化合物の添加後にcAMPの変化を決定する実験を、製造者の指示に従い、CIS Bio International(Bagnols sur Ceze, France)からのHTRF kitを用いて行う。該方法は、細胞により産生される天然cAMPおよびXL665で標識した添加cAMP間の競合的イムノアッセイに基づく。トレーサーのユーロピウムクリプタートで標識した抗cAMPモノクローナル抗体への結合を、蛍光エネルギー移動(FRET)により検出する。特異的シグナル(HTRF、時間分解蛍光)は、試料中の天然cAMPの濃度に反比例する。データは、2つの波長L1(665 nM)およびL2(620 nM)で、L1/L2の割合としてフィルターされた放射光の強度から計算し、ΔF=[(試料比−ネガティブ比)/ネガティブ比]×100により標準化する。典型的な実験データを、図3に示す。
【0040】
実施例2
GPBAR1アゴニストで処理した樹状細胞におけるサイトカイン産生
樹状細胞を、記載されたとおり(Bender, A., Sapp, M., et al. J. Immunol. Methods 196, 121-135 (1996))、GM-CSFおよびIL-4を含む培地で培養することにより、ヒト単球からインビトロで作製した。簡潔には、白血球濃厚液を、製造者の指示に従いLymphoprep(商標)(Technoclone, Vienna, Austria)を用いて軟膜から調製した。単球を、magnetic beads monocyte isolation kit(Miltenyi Biotec GmbH, Bergisch Gladbach, Germany)を用いて単離した。単球調製物の純度は、蛍光標識抗体(BD Biosciences, New York, USA)を用いてCD14陽性細胞を染色したFACSにより解析し、一般には、95%より大きい。樹状細胞に分化させるために、単球を、抗生物質(1%ペニシリン、1%ストレプトマイシン)、2 mM L-グルタミン、10% FCS、ヒトGM-CSF(100 ng/ml)およびIL-4(80 ng/ml)、および様々な濃度の試験化合物を含むRPMI培地中、0.5×106の密度で再懸濁し、6ウェル Costar細胞培養プレート(Corning Inc., New York, USA)中に、ウェルあたり5 mlで播種する。細胞を、5% CO2を含む加湿チャンバーにおいて、37℃でインキュベートする。平板培養後3日目に、2.5 mlの上清を新鮮培地と交換することによって、細胞に栄養を与える。6日目に、1 mlの上清を新鮮培養培地中試験化合物と共に5倍量のLPSと交換することによって、細胞を、100 ng/mlのLPS(Sigma, Taufkirchen, Germany)で刺激する。インキュベーションの48時間後、BD(商標)Cytometric Bead Array kit (BD Biosciences, New York, USA)を用いて、上清をサイトカイン量に関して解析し、同時に、IL-8、IL-1b、IL-6、IL-10、TNF-α、およびIL-12p70を検出する。細胞培養上清中のIL-12p40を、ELISA (BD Biosciences, New York, USA)により決定する。IL-12は、Th1-介在自己免疫疾患を駆動するキーサイトカインであることが既知であり、一方で、IL-10は、Th2-介在自己免疫疾患を駆動するキーサイトカインであることが既知である。
【0041】
図4および図5で示したとおり、特異的および濃度依存的なTLCAによる、単球からの分化の間の樹状細胞の処理は、LPSによる活性化後のIL-12p70およびTNF-αの産生を阻害する。IL-10および他のサイトカインの産生は、TLCAにより影響されない。同様の結果が、TLCAを、LPS刺激と共に6日目の樹状細胞に添加したとき取得される(図4を参照のこと)。
IL-12p70と同様に、IL-12に加えて、また、生物学的に活性なIL-23の構成要素であるIL-12p40の産生は、LPSで活性化された樹状細胞で、TLCAにより濃度依存的に阻害される(図5を参照のこと)。したがって、ナイーブT細胞からのTh1細胞のデノボ形成および記憶T細胞の活性化は、GPBAR1アゴニストと直面した樹状細胞との遭遇で影響される。
【0042】
実施例3
GPBAR1アゴニストを用いて処理した樹状細胞における活性化マーカー
実施例2で記載したとおり、樹状細胞を、ヒト単球からインビトロで作製した。平板培養の6日目に、細胞をLPSおよび各種量のGPBAR1アゴニストまたはビヒクルで活性化するか、または未処理のままし、48時間後、FACSにより表面活性化マーカーの発現のために解析した。細胞の染色は、製造者により提供された標準的なプロトコールに従い、BD Biosciences(New York, USA)からの蛍光標識モノクローナル抗体を用いて行う。典型的な染色プロファイルを、図6で示している。
【0043】
実施例4
GPBAR1アゴニストで処理したT細胞および樹状細胞の共培養におけるサイトカイン産生
樹状細胞を実施例2に記載したとおり培養し、6日目に100 ng/mlで48時間刺激するか、または無刺激のまま48時間おき、GPBAR1アゴニストまたは相当するビヒクルコントロールを刺激と共に提供する。2日後、精製した同種CD4T細胞(Miltenyi Biotec GmbH, Bergisch Gladbach, GermanyからのMACS CD4+ T cell isolation kit)を、成熟(LPS処理)または未成熟(未刺激)DCに対して5:1および15:1の割合で添加する。簡潔には、8日目の樹状細胞を、100 μl培地中、ウェルあたり2.5×104 細胞または8.3×104 細胞で、96 well U-bottom cell culture plates (Corning Inc., New York, USA)に再プレートし、100 μl培地中の1.3×105 CD4+ T細胞をそれぞれのウェルに添加する。共培養を、5% CO2を含む加湿チャンバーで、37℃で72時間、インキュベートする。次いで、上清中のTh1/Th2サイトカインレベルを、BD(商標) Cytometric Bead Array kit (BD Biosciences, New York, USA)を用いて解析する。1つの代表的な実験結果を、図7に示す。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】NT50細胞での胆汁酸によるカルシウム動員(実施例1aを参照のこと)。胆汁酸刺激後のWO03051923における配列番号2の受容体によるカルシウム動員を示している。96ウェルFLIPR機器で測定する。蛍光シグナルは、コントロールウェルでの2.5 μM TLCAにより取得した反応の百分率として表す。TLCA(タウロリトコール酸、● − ●); TDCA(タウロデオキシコール酸、■ − ■); TCDCA(タウロケノデオキシコール酸、◆ − ◆); TCA(タウロコール酸、▲ − ▲)
【図2】NT50細胞での胆汁酸による受容体脱感作(実施例1aを参照のこと)。活性化および次の受容体脱感作後の、WO03051923における配列番号2のGPBAR1による胆汁酸により誘導されたカルシウム応答の特異性を示している。飽和量のTLCA(2.5 μM)による第2刺激で試験する。特定のウェルで取得した最大シグナルを、緩衝液のみのアッセイで全処理したコントロールの百分率として表す。化合物を、8つの濃度で2回試験する。TLCA(タウロリトコール酸、● − ●); TDCA(タウロデオキシコール酸、■ − ■); TCDCA(タウロケノデオキシコール酸、◆ − ◆); TCA(タウロコール酸、▲ − ▲)
【図3】TLCA誘導cAMPレベルの増加(実施例1bを参照のこと)。Jurkat NT51宿主細胞、Jurkat NT50およびHEK-LFR6.1細胞GBPAR1(WO03051923における配列番号2)を、化合物添加後30分での細胞内cAMPの増加した濃度に関して、TLCAで試験する。データは標準化蛍光値として表し、4回の平均(+/− sd)である。
【図4】WO03051923における配列番号2のGPBAR1受容体のアゴニストで処理したLPS活性化樹状細胞によるサイトカイン産生。樹状細胞を、GM-CSFおよびIL-4での処理によりヒト単球から作製し、TLCA(10 μM)を、0日またはLPSによる刺激の時点(timepoint)である6日目の培養に添加する。培養上清中のサイトカインレベルを、活性化後48時間で解析する。データを、2回の測定から計算したビヒクル処理コントロールの百分率として表す。
【図5】TLCAで処理した樹状細胞におけるTh1サイトカイン産生の濃度依存的阻害。樹状細胞を、GM-CSFおよびIL-4での処理によりヒト単球から作製し、TLCAを、0日の培養に添加する。6日目の細胞を、各種量のTLCAの存在下、LPSで刺激する。細胞上清中のサイトカインレベルを、活性化後48時間で解析する。データを、ビヒクル処理(DMSO)コントロールの百分率として表す。
【図6】TLCAで処理した樹状細胞の表面活性化マーカー。樹状細胞を、LPSおよび10 μM TLCAまたはLPSおよび相当する量のビヒクル(DMSO)による活性化後48時間で、表面マーカーの発現のために染色し、FACSで解析する。ヒストグラムは、下記を表している:灰色:LPSで処理したDC;暗色線:LPSで処理していないDC;明色線:アイソタイプコントロール。
【図7】GPBAR1アゴニスト処理された樹状細胞および同種CD4T細胞の共培養におけるサイトカイン産生。平板培養後6日目にLPSにより活性化する(成熟樹状細胞)か、または未刺激のまま(未成熟樹状細胞)の単球由来樹状細胞を、10 μM TLCAの存在下、72時間、同種CD4T細胞と共に共培養する。上清中のサイトカインレベルを、ビヒクル(DMSO)処理コントロールの百分率として表す。データは、2回ウェルの平均である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Th1介在免疫応答の選択的阻害に関する標的としての使用のためのGPBAR1。
【請求項2】
Th1細胞活性化の選択的阻害に関する標的としての使用のためのGPBAR1。
【請求項3】
T細胞駆動障害を診断するためのGPBAR1の使用。
【請求項4】
乾癬を診断するための請求項3に記載の使用。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の使用のための、樹状細胞におけるバイオマーカーとしてのGPBAR1。
【請求項6】
Th1細胞駆動障害を診断するためのキットであって、主な構成要素として、
(a)GPBAR1をコードしたポリヌクレオチド、またはその断片もしくはそのRNA転写産物;
(b)(a)の配列に相補的なヌクレオチド配列;
(c)GPBAR1、または
(d)GPBAR1に対する抗体
を含む、キット。
【請求項7】
Th1細胞駆動障害の処置における使用のための、GPBAR1の機能またはレベルを介在する化合物を同定するスクリーニングのためのキットであって、主な構成要素として、
(a)GPBAR1、
(b)GPBAR1を発現する細胞または膜、または
(c)GPBAR1を含む融合タンパク質
を含む、キット。
【請求項8】
Th1細胞活性化により介在される障害または疾患を診断するための方法であって、
(a)個体の試料を提供すること、
(b)該試料中のGPBAR1のレベルを決定すること、
(c)工程b)で決定したGPBAR1のレベルを、健康なコントロール個体の試料からの参照レベルと比較すること、および
(d)工程b)で決定したGPBAR1のレベルが、該参照レベルと異なるか否かを決定することにより、Th1細胞活性化により介在される障害または疾患を診断すること
を含む、方法。
【請求項9】
Th1細胞活性化により介在される障害または疾患の軽減または治癒に影響を与えることが期待される薬剤を用いた個体の処置における、治療効果をモニタリングするための方法であって、該個体試料中のGPBAR1のレベルを決定し、該レベルを、該薬剤を投与する前のGPBAR1のレベルと比較することを含む、方法。
【請求項10】
Th1細胞活性化を調節する薬剤を同定するための方法であって、
(a)GPBAR1のレベルを調節することが期待される候補化合物の非存在下および存在下で、GPBAR1特異的試験系におけるGPBAR1のレベルを決定すること、
(b)工程a)で決定した、薬剤としてGPBAR1のレベルを調節する候補化合物を同定すること
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、ここで、同定した薬剤を、Th1細胞活性化により介在される障害または疾患の処置において薬学的に活性な薬剤として使用する、方法。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の使用、スクリーニング法またはキットにおける参照物質として、タウロリトコール酸、タウロデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸およびタウロコール酸から選択される、GPBAR1のアゴニストの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−501133(P2009−501133A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515148(P2008−515148)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005561
【国際公開番号】WO2006/131389
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】