説明

樹脂成形用金型及び光ピックアップ装置用対物レンズ並びに光学素子製造方法

【課題】対物レンズを構成する2つの光学機能面の芯ズレを抑えることができ、安定した
性能を有した光ピックアップ装置用対物レンズを得る。
【解決手段】光学機能部とフランジ部が形成され光学機能部のNA値が0.7以上の光学
素子を製造する樹脂成形用金型において、金型は、型開き状態で光学素子が残る第1の金
型部と、型開き状態で光学素子が残らない第2の金型部とを有し、第1の金型部に、フラ
ンジ部を突き出して第1の金型部から光学素子を離型させる突き出し部を設けた樹脂成形
用金型とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ピックアップ装置用対物レンズ及びこの光ピックアップ装置用対物レンズを形成するための樹脂成形用金型及び光学素子製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、CD、DVD等の光情報記録媒体への記録、又は再生用の光ピックアップ装置用の対物レンズとして、樹脂成形されたプラスチックレンズが使用されている。
【0003】
プラスチックレンズはガラスモールドレンズに比べ、比重が小さくこのため軽量化が可能である。このため、レンズを駆動するアクチュエータへの負荷を軽減でき、且つ慣性モーメントが小さいため、その応答性を向上させることが容易である利点を有している。
【0004】
このような樹脂成形による光ピックアップ装置用の対物レンズの製造方法として、型開き状態で対物レンズが残る金型と型開き状態で対物レンズが離れる金型とで形成される型内に溶融した樹脂を射出し、型を開いた後、入子で構成された対物レンズの光学機能面を形成する型の部位を突き出して離型させるものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2002−200638号公報
【特許文献2】特開2004−130703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載の金型においては、対物レンズを構成する2つの光学機能面のうち、一方の光学機能面を形成する金型を入子にし、この入子部を突き出すことにより対物レンズを金型から離型させるものである。これは、バリの発生を光軸中心の円周上に限定でき、金型の部品点数も減少できるため金型コストを下げることができるものである。
【0006】
図10は、従来技術(上記特許文献2)に記載された金型により成形された対物レンズが、ピックアップ装置の鏡枠に取り付けられた際の模式的断面図である。
【0007】
同図に示すように、対物レンズ30は、鏡枠31にフランジ部30fの取り付け基準面を当接させて固定されている。破線は、対物レンズの光学機能面を形成する入子部32とフランジ部30fを形成する金型の境界線である。このように鏡枠31は、入子部32とフランジ部30fを形成する金型の境界線に発生するバリに干渉せずに、対物レンズ30を受けることができる。
【0008】
しかしながら、この対物レンズを成形する金型では入子部が突き出し部を兼ねるため、入子部が移動できるように、入子部を保持している金型との境界(破線部)に嵌合する隙間(クリアランス)を必要とする。このため、入子部を保持している金型(フランジ部30fを形成する金型)に対して、このクリアランス分だけ入子部がシフトやティルトをする余地が有ることになる。ここで、シフトとは金型の理想光軸Oに垂直な方向の変位のことであり、ティルトとは理想光軸Oに対する傾きのことである。よって光軸に、突き出しによる移動を入子部が毎ショット繰り返すことで、入子部のシフト量やティルト量が毎ショット異なってしまう可能性を有しており、結果として対物レンズを構成する2つの光学機能面の芯ズレによる偏芯量が毎ショット異なってしまうという可能性を有するという問題がある。この芯ズレは、コマ収差となり光学性能の悪化を引き起こすものである。よって、芯ズレによる偏芯量が毎ショット異なるということはコマ収差が安定しないということになるため、毎ショット安定した光学性能を有する対物レンズを得ることができないということになる。
【0009】
また、入子部のティルト量が毎ショット異なってしまう可能性を有しているということは、フランジ部30fの取り付け基準面に対する光学機能面(入子部32により形成された光学機能面)のティルト量が毎ショット異なってしまうという可能性を有するということにもなり、その点からも問題である。このフランジ部の取り付け基準面に対する光学機能面のティルトは、フランジ部の取り付け基準面を当接させて対物レンズを鏡枠に取り付けた後にコマ収差となり光学性能の悪化を引き起こすものである。よって、フランジ部の取り付け基準面に対する光学機能面のティルト量が毎ショット異なってしまうということは鏡枠に取り付けた後のコマ収差が安定しないということになるため、毎ショット安定した光学性能を有する対物レンズを得ることができないということになる。
【0010】
また、近年では、従来のDVDよりさらに高密度のピットで、400nm近傍の青紫色レーザを使用し、対物レンズのNA値が0.85程度であるブルーレイディスク(BD)のような高記憶容量のディスク及び、このディスクを使用する光ピックアップ装置も実用化されている。このような青紫色レーザを使用する高記憶容量のディスクへの記録、又は再生に使用する対物レンズは、CDや従来のDVDに対応した対物レンズよりも高いNA値が必要とされている。
【0011】
芯ズレによるコマ収差の発生量は、高NA値となるほど大きくなり、上記の青紫色レーザを使用する高記憶容量のディスクに対応する対物レンズの場合には、この芯ズレを抑えることがより重要となる。
【0012】
本発明は上記問題に鑑み、対物レンズを構成する2つの光学機能面の芯ズレによる偏芯量のばらつきを抑えることができ、更にフランジ部の取り付け基準面に対する光学機能面のティルト量のばらつきも抑えることができ、安定した性能を有した光ピックアップ装置用対物レンズを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、下記に記載する発明により達成される。
【0014】
1.光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を製造する樹脂成形用金型において、前記樹脂成形用金型は、型開き状態で前記光学素子が残る第1の金型部と、型開き状態で前記光学素子が残らない第2の金型部とを有し、前記第1の金型部に、前記フランジ部を突き出して前記第1の金型部から前記光学素子を離型させる突き出し部を設けたことを特徴とする樹脂成形用金型。
【0015】
2.前記突き出し部と前記第1の金型との隙間を用いて脱気することを特徴とする1に記載の樹脂成形用金型。
【0016】
3.前記第1の金型部で、前記光学素子の光学機能面のうち有効径の小さい方の光学機能面である第1光学機能面を成形することを特徴とする1又は2に記載の樹脂成形用金型。
【0017】
4.前記第1の金型部の前記フランジ部に相当する部位の深さが、前記第2の金型部の前記フランジ部に相当する部位の深さより深いことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の樹脂成形用金型。
【0018】
5.前記第1の金型部の前記フランジ部に相当する部位の抜きテーパの角度が、前記第2の金型部の前記フランジ部に相当する部位の抜きテーパの角度以下であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の樹脂成形用金型。
【0019】
6.前記フランジ部に配置された前記突き出し部と円周方向の異なる位置にゲート部を設けたことを特徴とする1〜5のいずれかに記載の樹脂成形用金型。
【0020】
7.光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を製造する樹脂成形用金型において、前記樹脂成形用金型は、型開き状態で前記光学素子が残る第1の金型部と、型開き状態で前記光学素子が残らない第2の金型部とを有し、前記光学素子のフランジ部の外周の半径方向には突起部が形成され、前記第1の金型部に、前記突起部またはゲート部の少なくとも一方を突き出して前記第1の金型部から前記光学素子を離型させる突き出し部を設けたことを特徴とする樹脂成形用金型。
【0021】
8.前記突き出し部の光学素子側の端部が、前記突き出し部が配置されている側の光学機能部の光軸上の位置より0.005mm〜0.5mm他方の光学機能部側に位置していることを特徴とする1〜7のいずれかに記載の樹脂成形用金型。
【0022】
9.前記第2の金型部は、前記光学素子の光学機能部のうち有効径が大きい方の光学機能面である第2光学機能面と前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面とが、前記第2の金型部の同一部材により一体に形成されていることを特徴とする1〜8のいずれかに記載の樹脂成形用金型。
【0023】
10.前記第2光学機能面と前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面とが、それぞれの延長線で繋いだ形状に形成されていることを特徴とする9に記載の樹脂成形用金型。
【0024】
11.光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部を有し、前記光学機能部のNA値が0.7以上であり、前記光学機能部は互いに向かい合う第1光学機能面と第2光学機能面とを有し、前記第1光学機能面のほうが前記第2光学機能面よりも曲率が小さく、前記フランジ部の前記第1光学機能面側の面に複数の凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0025】
12.前記第2光学機能面と前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面とが、それぞれの延長線で繋いだ形状に形成されていることを特徴とする11に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0026】
13.前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面に、表面粗さRyが0.3μm以下となる部分を有することを特徴とする12に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0027】
14.樹脂成形用金型により成形され、光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光ピックアップ装置用対物レンズであって、前記フランジ部の少なくとも一部に、前記樹脂成形用金型に設けられた突き出し部の突き出し部跡を有することを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0028】
15.前記突き出し部跡は、前記光ピックアップ装置用対物レンズの光学機能面のうち有効径の小さい方のフランジ面にあることを特徴とする14に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0029】
16.前記フランジ部の厚み方向で、前記突き出し部跡のある側が厚くなる位置にパーティングラインが形成されていることを特徴とする14又は15に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0030】
17.前記パーティングラインを境にして、前記突き出し部跡のある側のフランジ部の抜きテーパ角度が、前記突き出し部跡の無い側のフランジ部の抜きテーパ角度以下に形成されていることを特徴とする14〜16のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0031】
18.前記突き出し部跡の円周方向の異なる位置にゲート部が形成されていることを特徴とする14〜17のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0032】
19.樹脂成形用金型により成形され、光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光ピックアップ装置用対物レンズであって、前記フランジ部の外周の半径方向に突起部を形成し、前記突起部またはゲート部の少なくとも一方に前記樹脂成形用金型に設けられた突き出し部の突き出し部跡を有することを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0033】
20.前記突き出し部跡は、前記突き出し部跡のある側の光学機能部の光軸上の位置より0.005mm〜0.5mm他方の光学機能部側に位置していることを特徴とする14〜19のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0034】
21.前記突き出し部跡のある面は、前記突き出し部跡のある周囲の面と異なる高さであることを特徴とする14〜20のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【0035】
22.光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を金型により成形する光学素子製造方法において、前記金型は、型開き状態で前記光学素子が残る第1の金型部と、型開き状態で前記光学素子が残らない第2の金型部とを有し、型開き工程の後、前記第1の金型部に配置された突き出し部を用いて前記フランジ部の少なくとも一部を突き出すことにより、前記第1の金型部から前記光学素子を離型させる離型工程を有することを特徴とする光学素子製造方法。
【0036】
23.前記突き出し部と前記第1の金型との隙間を用いて脱気することを特徴とする22に記載の光学素子製造方法。
【0037】
24.前記脱気は、前記金型に溶融された樹脂材料が流入される前に吸引して事前に脱気しておくことを特徴とする23に記載の光学素子製造方法。
【0038】
25.前記脱気は、前記金型に溶融された樹脂材料の流入中に吸引を行って脱気することを特徴とする23に記載の光学素子製造方法。
【0039】
26.前記脱気は、前記金型に溶融された樹脂材料が流入される前より吸引を開始し、流入中も吸引を行って脱気することを特徴とする23に記載の光学素子製造方法。
【0040】
27.前記突き出し部は複数設けられ、各突き出し部の突き出しタイミングの差が0.5秒以内であることを特徴とする22〜26のいずれかに記載の光学素子製造方法。
【0041】
28.光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を金型により成形する光学素子製造方法において、前記光学素子のフランジ部の外周の半径方向には突起部を形成しておき、前記突起部またはゲート部の少なくとも一方を突き出す、突き出し工程を有することを特徴とする光学素子製造方法。
【0042】
29.前記突き出し工程の後、前記突起部と前記ゲート部を除去する工程を有することを特徴とする28に記載の光学素子製造方法。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、対物レンズを構成する2つの光学機能面の芯ズレを抑えることができ、安定した性能を有した光ピックアップ装置用対物レンズを得ることが可能となり、高いNA値の光ピックアップ装置用対物レンズを形成する場合には、特に有効なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
図1は、本実施の形態に係る光学素子である光ピックアップ装置用対物レンズの一例を示す側面図である。
【0046】
同図に示す光ピックアップ装置用対物レンズ1(以下、対物レンズとも称す)は、光学機能部である光学機能面1aと光学機能面1b及びこの光学機能面の周辺に形成された鍔状のフランジ部1fを有している。なお、以下で、円形の光学機能面及び円形のフランジ部を有するもので説明するが、フランジ部が部分的に形成されたものや外形が矩形状のものであってもよい。また、光学機能面1a、1bの少なくとも一方に輪帯状の段差を有する回折面等の光路差付与構造が形成されたものであってもよい。
【0047】
また、この対物レンズ1は、光ピックアップ装置においては、光学機能面1aが光源側に面し、光学機能面1bが光ディスク側に面するように配置されることが好ましい。なお、本実施の形態においては、光ディスク側に面する光学機能面1bが第1の光学機能面に相当し、光源側に面する光学機能面1aが第2の光学機能面に相当する。
【0048】
同図に示すように、第2の光学機能面(光学機能面1a)は光ディスク側に面する第1の光学機能面(光学機能面1b)より曲率が大きく、更に、有効径は第2の光学機能面(光学機能面1a)が第1の光学機能面(光学機能面1b)より大きいことが好ましい。また、第2の光学機能面の有効径は0.3mm以上7mm以下であることが好ましく、0.5mm以上4mm以下であることがより好ましい。
【0049】
図2は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズ1を製造するための樹脂成形用金型の概略構成を示す断面図である。
【0050】
なお、以下の図においては、説明の重複を避けるため、同機能部材には同符号を付与して説明する。
【0051】
同図に示す樹脂成形用金型は、パーティングラインPLを境にして第1の金型部である金型部11と第2の金型部である金型部12で構成されている。また、金型部11が可動側、金型部12が固定側の金型に相当する。
【0052】
金型部11には、対物レンズ1の光学機能面1bを形成するための形状11bが形成されている。更に、対物レンズ1のフランジ部1fの位置には突き出し部13が、例えば円周上の4箇所に、設けられている。この突き出し部13は、金型部11に対し相対的にフランジ部1f側に移動可能とされている。この突き出し部13と金型部11は、直径のクリアランス0.001〜0.06mmで嵌合しており、更に図示の如く、金型部11内部では、突き出し部13と金型部11との間にはより大きな隙間が形成されている。
【0053】
金型部12は、対物レンズ1の光学機能部のうち有効径が大きい方の光学機能面である光学機能面1a(第2光学機能面)を形成するための形状12aと、フランジ部1fの第2光学機能面側の面とが、同一部材により一体に形成されている。また、光学機能面1a(第2光学機能面)とフランジ部1fの第2光学機能面側の面との間には凹部又は凸部を形成せず、それぞれの延長線を繋いだ形状に形成されていることが好ましい。なお、本明細書で言うところの、それぞれの延長線を繋いだ形状とは、上記のみに限るものでなく、それぞれの延長線の交点近傍でそれぞれの延長線に接するような角丸め(R)で接続した形状をも含むものである。
【0054】
パーティングラインPLは、金型部11のフランジ部1fの深さが、金型部12のフランジ部の深さより深くなる位置に設定されている。また、1gはゲートであり、ここから溶融した樹脂材料が射出される。
【0055】
図9は、図2に示す樹脂成形用金型により成形された対物レンズ1が、ピックアップ装置の鏡枠に取り付けられた際の模式的断面図である。
【0056】
同図に示すように、対物レンズ1は、鏡枠31にフランジ部1fを当接させて取り付け固定されている。より詳しくは、有効径の大きな光学機能面1a(第2光学機能面)側のフランジ部1fの面が鏡枠31に当接している。即ち、対物レンズ1の光学機能面1a(第2光学機能面)側のフランジ部1fの面がピックアップ装置に取り付ける際の基準面となる。この面は光軸Oと垂直な面であって、少なくとも表面粗さRyが0.3μm以下となる部分を有することが好ましい。より好ましくは、フランジ部1fの面であって光学機能面1aと連続している部分の表面粗さRyが0.3μm以下であることである。更に、表面粗さRyが0.1μm以下であればより好ましい。なお、表面粗さRyとは、当該面の微小凹凸における最低谷底から最大山頂までの高さのことである。
【0057】
図3は、本実施の形態に係る樹脂成形用金型の型開き状態及び突き出し部の作動状態を示す図である。同図(a)は型開き状態を示し、同図(b)は突き出し部の作動状態を示している。
【0058】
以下、図2及び図3を用いて対物レンズ1の製造工程を説明する。
【0059】
図2に示す状態で、ゲート1gから溶融状態の樹脂材料が流し込まれる。この時、突き出し部13と金型部11に形成されたクリアランスから、金型内部の気体が流出する。この金型内部の脱気に関しては、真空ポンプ等の吸気する機器及びOリング等を用いた金型内部密封機構を設け、金型に溶融された樹脂材料が流入される前に吸引して事前に脱気しておく方法、金型に溶融された樹脂材料の流入中に吸引を行って脱気する方法、金型に溶融された樹脂材料が流入される前より吸引を開始し、流入中も吸引を行って脱気する方法等が用いられるとより好ましく、このようにすることにより、金型の形状の対物レンズ1への転写性がより向上し、より高精度の光学機能面1a、1bを形成することが可能となる。
【0060】
次いで、図3(a)に示すように、金型部11が金型部12から離間するよう移動する。この時、対物レンズ1は、金型部11側に残った状態となる。
【0061】
この後、図3(b)に示すように、金型部11からフランジ部1fに相当する位置に配置された突き出し部13を図示矢印方向に突出させて対物レンズ1を離型させることで、ゲート1gが付いた状態の対物レンズ1となる。この突き出し部13は、複数箇所に設けられており、それぞれの突き出し部13の作動は同時もしくは異なったとしても突き出しタイミングの差が0.5秒以内に収まって、全ての突き出しが完了するようになっていることが、対物レンズ1の変形を防止する上で好ましい。なお、金型部11が第1の金型部に相当し、金型部12が第2の金型部に相当する。
【0062】
図4は、ゲート1gが付いた状態の対物レンズ1を示す図である。同図(a)は対物レンズ1を突き出し部側から見た平面図、同図(b)は側面図である。
【0063】
同図(a)は、突き出し部が略90度間隔でフランジ部1f上の13nで示す4箇所に配置された場合を示している。この突き出し部による突き出し部跡は、その後の光ヘッド部への組み込み時に、光学機能面1aと1bの判別をする指標となり、組み込みをより容易にする効果をも有している。
【0064】
この突き出し部による突き出し部跡は凹部となっていることが好ましいが、凸部となっていてもよい。この場合、フランジ部は複数の凸部を有することになる。また、同図に示すように円形であることが好ましい。更に、突き出し部跡すなわち、凹部又は凸部の数は良好な成形性を保ちつつ離型するという観点から2〜4個程度が好ましい。
【0065】
同図(b)に示すように、フランジ部1fの突き出し部が当接する側の面は、光学機能面1bの光軸上の位置より、フランジ部1fの厚みを超えない範囲でd=0.005mm〜0.5mmだけ光学機能面1a側に位置していることが望ましく、d=0.02mm〜0.12mmだけ光学機能面1a側に位置していることがより好ましい。このような形状とすることにより、フランジ部1f上の面の一部の表面粗さRyを0.1μm以下に形成することが容易となり、この対物レンズ1を光ピックアップ装置に組み込む際の調整に、この表面粗さRyが0.1μm以下の部分を利用することができるようになる。更に、図2における突き出し部13と金型部11の嵌合クリアランスによるバリが突き出し部跡に発生しても、上記dの段差があるため光ピックアップ装置に対物レンズが組み込まれた際にもワーキングディスタンスが短くなることがない。
【0066】
更に、突き出し部が当接する面は、有効径がD1とD2の2つの光学機能面のうち、有効径の小さい光学機能面側、即ち光学機能面1b(第1の光学機能面)側のフランジ部に設けられることが望ましい。このようにすることにより、フランジ部を含む対物レンズ外形を小さく保ったままで突き出し部を大きく形成することができる。
【0067】
なお、同図に示すゲート1gが付いた状態の対物レンズ1から、ゲート1gが除去されて対物レンズ1が完成する。
【0068】
このように、対物レンズ1を成形し、離型する際に光学機能面の外周に形成されたフランジ部の一部を突き出すことで、第1の金型部11側の第1光学機能面を形成する金型を移動させる必要がなくなり、これにより第1の光学機能面を形成する金型のシフト量やティルト量が毎ショット異なってしまうということがなくなる。更に第2の金型部12は型開き状態で対物レンズ1が残らないため突き出しを行う必要がないため、第2の光学機能面を形成する金型を入子構造としなくて良くなる。これにより第2の光学機能面を形成する金型がシフトやティルトをする余地となる隙間(クリアランス)をなくすことができる。このため、対物レンズを構成する2つの光学機能面の芯ズレによる偏芯量が毎ショット異なってしまうということがなくなり、安定した性能を有した光ピックアップ装置用対物レンズを得ることが可能となる。
【0069】
また、第2の金型部12は、第2の光学機能面とフランジ部の第2光学機能面側の面とが、第2の金型部の同一部材により一体に形成されていることにより、対物レンズ1の鏡枠31への取り付け基準面であるフランジ部の第2光学機能面側の面に対する第2光学機能面(光学機能面1a)のティルト量が毎ショット異なってしまうということがなくなる。このため、安定した性能を有した光ピックアップ装置用対物レンズを得ることが可能となる。
【0070】
また、突き出し部のクリアランスを利用して脱気することで、別途脱気部を形成する必要が無く、良好な光学機能面を形成することができる。更に、突き出し部のクリアランス精度は比較的緩いものでよく、光学機能面の形成に影響を与えることがない。
【0071】
図5は、パーティングラインPLがフランジ部1fの厚みの間に設定された際の、フランジ部1f周辺の型形状を示す拡大断面図である。
【0072】
同図に示すように、パーティングラインPLを境に、突き出し部13がある方の金型部11側の深さをt1とし、他方の金型部12側の深さをt2としたとき、t1>t2とすることが好ましい。なお、図11に示す例のように、t2=0であってもよい。更に、突き出し部13がある方の金型部11側の抜きテーパの角度をαとし、他方の金型部12側の抜きテーパの角度をβとしたとき、α≦βとすることが好ましい。また、図11に示す例のように、α=0であってもよい。好ましくは、0°≦α≦3°である。
【0073】
このように金型部11、12を形成することにより、型開きの際に対物レンズが金型部12側に持って行かれることがなく、確実に突き出し部を備えた金型部11側に残るようにすることができる。
【0074】
また、フランジ部1fの第1の光学機能面側の面に、光軸と直交する平面部を形成することが好ましい。特に、図11に示す例のように、フランジ部1fの第1の光学機能面側の面において、光軸に近い部分の一部に、光軸と直交する平面部1kを形成することが好ましく、特に好ましくは、第1の光学機能面の終端のすぐ外側に光軸と直交する平面部1kを形成することが好ましい。なお、当該平面部1kの表面粗さRyは0.1μm以下であることが好ましい。なお、この平面部1kの幅W(光軸と直交する方向)は0.1mm以上、0.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2mm以上、0.4mm以下である。この平面部1kに平行光を照射し、その反射光を用いて、対物レンズ1を鏡枠に取り付けた際の傾き等を検知することができる。なお、t1>t2とすることで、型開きの際に対物レンズが金型部12側にもっていかれるような力が小さくなるため、当該平面部が歪みにくくなるという効果もある。
【0075】
図6は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズの他の例を示す斜視図である。
【0076】
同図に示す対物レンズ1は、突き出し部跡周辺の面が他のフランジ部1fの面と異なる高さで形成されたものを示している。突き出し部跡が配置された部位1dは、図示の如く、フランジ部1fの他の面より低く形成され、突き出し部跡13nの面は、1dの面より突出し、フランジ部1fの面より低く形成されている。
【0077】
このようにすることにより突き出し部に発生するバリにより、ワーキングディスタンスが短くなるというような影響をより小さくすることができる。また、突き出し部の突き出しにより突き出し部跡13nの周辺の面の形状が変形したとしても、光ピックアップ装置への組み込みに影響を与えることがない。
【0078】
なお、突き出し部跡13nの面は、1dの面より突出した例で説明したが、1dと同一高さの面であってもよいし、1dの面より凹んでいてもよい。
【0079】
また、このようなフランジ部1fの形状の場合、ゲート1gは図示の如く、突き出し部のある位置と円周方向の異なる位置に設けることが好ましい。このようにすることで、フランジ部1fの厚肉部にゲートが設けられ、樹脂流動性が良好になり圧力損失が減少し、良好な光学機能面を形成することができる。
【0080】
図7は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズの別の例を示す斜視図である。
【0081】
同図は、図4に示す対物レンズ1のフランジ部1fの突き出し部跡13nを図示の如く、フランジ部1fの面より凹んでいるように構成したものである。また、この場合にも、ゲート1gは突き出し部のある位置と円周方向の異なる位置に設けることが好ましい。
【0082】
このようにしても、図6に示した対物レンズと同様な効果を得ることができる。
【0083】
図8は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズ1を製造する別の樹脂成形用金型の概略構成を示す断面図及びこの樹脂成形用金型で製造される対物レンズ1の平面図である。同図(a)は対物レンズ1を製造するための樹脂成形用金型の概略構成を示し、同図(b)は同図(a)の樹脂成形用金型で製造される対物レンズ1を示している。
【0084】
同図に示す対物レンズ1は、フランジ部1fの外周の半径方向に突起部1tが形成されており、この突起部1tとゲート部1gの同図13nに対応する位置に設けられた突き出し部13により突き出され、離型して形成されたものである。この後、同図(b)に示す破線部で、ゲート部1g及び突起部1tが除去されて対物レンズ1が完成する。
【0085】
このようにすることで、突き出し部13によるバリが発生しても除去されるため残らず、光ピックアップ装置への組み込みに影響を与えることのない対物レンズを得ることが可能となる。なお、本例では、突起部1tが1箇所に形成されたもので説明したが、複数箇所に形成したものであってもよく、また、突起部1tとゲート部1gのいずれか一方のみを突き出して、離型するものであってもよい。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態に示す対物レンズは2つの光学機能面が芯ズレを起こさず、基準面からの光学機能面の位置が安定するものであるため、NA値が0.7〜0.9程度で、波長400〜450nm程度の青紫色レーザを用いる高記憶容量のディスクへの記録、又は再生に使用される対物レンズに適用した場合に、より大きな効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施の形態に係る光学素子である光ピックアップ装置用対物レンズの一例を示す側面図である。
【図2】本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズを製造するための樹脂成形用金型の概略構成を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係る樹脂成形用金型の型開き状態及び突き出し部の作動状態を示す図である。
【図4】ゲートが付いた状態の対物レンズを示す図である。
【図5】パーティングラインがフランジ部の厚みの間に設定された際の、フランジ部周辺の型形状を示す拡大断面図である。
【図6】本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズの他の例を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズの別の例を示す斜視図である。
【図8】本実施の形態に係る光ピックアップ装置用対物レンズを製造する別の樹脂成形用金型の概略構成を示す断面図及びこの樹脂成形用金型で製造される対物レンズの平面図である。
【図9】図2に示す樹脂成形用金型により成形された対物レンズが、ピックアップ装置の鏡枠に取り付けられた際の模式的断面図である。
【図10】従来技術に記載された金型により成形された対物レンズが、ピックアップ装置の鏡枠に取り付けられた際の模式的断面図である。
【図11】フランジ部周辺の他の型形状を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 光ピックアップ装置用対物レンズ
1a、1b 光学機能面
1f フランジ部
1k 平面部
1t 突起部
11 金型部(第1の金型部)
12 金型部(第2の金型部)
13 突き出し部
13n 突き出し部跡
31 鏡枠
PL パーティングライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を製造する樹脂成形用金型において、
前記樹脂成形用金型は、型開き状態で前記光学素子が残る第1の金型部と、型開き状態で前記光学素子が残らない第2の金型部とを有し、
前記第1の金型部に、前記フランジ部を突き出して前記第1の金型部から前記光学素子を離型させる突き出し部を設けたことを特徴とする樹脂成形用金型。
【請求項2】
前記突き出し部と前記第1の金型との隙間を用いて脱気することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形用金型。
【請求項3】
前記第1の金型部で、前記光学素子の光学機能面のうち有効径の小さい方の光学機能面である第1光学機能面を成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形用金型。
【請求項4】
前記第1の金型部の前記フランジ部に相当する部位の深さが、前記第2の金型部の前記フランジ部に相当する部位の深さより深いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形用金型。
【請求項5】
前記第1の金型部の前記フランジ部に相当する部位の抜きテーパの角度が、前記第2の金型部の前記フランジ部に相当する部位の抜きテーパの角度以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形用金型。
【請求項6】
前記フランジ部に配置された前記突き出し部と円周方向の異なる位置にゲート部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂成形用金型。
【請求項7】
光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を製造する樹脂成形用金型において、
前記樹脂成形用金型は、型開き状態で前記光学素子が残る第1の金型部と、型開き状態で前記光学素子が残らない第2の金型部とを有し、
前記光学素子のフランジ部の外周の半径方向には突起部が形成され、前記第1の金型部に、前記突起部またはゲート部の少なくとも一方を突き出して前記第1の金型部から前記光学素子を離型させる突き出し部を設けたことを特徴とする樹脂成形用金型。
【請求項8】
前記突き出し部の光学素子側の端部が、前記突き出し部が配置されている側の光学機能部の光軸上の位置より0.005mm〜0.5mm他方の光学機能部側に位置していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂成形用金型。
【請求項9】
前記第2の金型部は、前記光学素子の光学機能部のうち有効径が大きい方の光学機能面である第2光学機能面と前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面とが、前記第2の金型部の同一部材により一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂成形用金型。
【請求項10】
前記第2光学機能面と前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面とが、それぞれの延長線で繋いだ形状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の樹脂成形用金型。
【請求項11】
光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部を有し、
前記光学機能部のNA値が0.7以上であり、
前記光学機能部は互いに向かい合う第1光学機能面と第2光学機能面とを有し、
前記第1光学機能面のほうが前記第2光学機能面よりも曲率が小さく、
前記フランジ部の前記第1光学機能面側の面に複数の凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項12】
前記第2光学機能面と前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面とが、それぞれの延長線で繋いだ形状に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項13】
前記フランジ部の前記第2光学機能面側の面に、表面粗さRyが0.3μm以下となる部分を有することを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項14】
樹脂成形用金型により成形され、光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光ピックアップ装置用対物レンズであって、
前記フランジ部の少なくとも一部に、前記樹脂成形用金型に設けられた突き出し部の突き出し部跡を有することを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項15】
前記突き出し部跡は、前記光ピックアップ装置用対物レンズの光学機能面のうち有効径の小さい方のフランジ面にあることを特徴とする請求項14に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項16】
前記フランジ部の厚み方向で、前記突き出し部跡のある側が厚くなる位置にパーティングラインが形成されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項17】
前記パーティングラインを境にして、前記突き出し部跡のある側のフランジ部の抜きテーパ角度が、前記突き出し部跡の無い側のフランジ部の抜きテーパ角度以下に形成されていることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項18】
前記突き出し部跡の円周方向の異なる位置にゲート部が形成されていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項19】
樹脂成形用金型により成形され、光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光ピックアップ装置用対物レンズであって、
前記フランジ部の外周の半径方向に突起部を形成し、前記突起部またはゲート部の少なくとも一方に前記樹脂成形用金型に設けられた突き出し部の突き出し部跡を有することを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項20】
前記突き出し部跡は、前記突き出し部跡のある側の光学機能部の光軸上の位置より0.005mm〜0.5mm他方の光学機能部側に位置していることを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項21】
前記突き出し部跡のある面は、前記突き出し部跡のある周囲の面と異なる高さであることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
【請求項22】
光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.
7以上の光学素子を金型により成形する光学素子製造方法において、
前記金型は、型開き状態で前記光学素子が残る第1の金型部と、型開き状態で前記光学素子が残らない第2の金型部とを有し、
型開き工程の後、前記第1の金型部に配置された突き出し部を用いて前記フランジ部の少なくとも一部を突き出すことにより、前記第1の金型部から前記光学素子を離型させる離型工程を有することを特徴とする光学素子製造方法。
【請求項23】
前記突き出し部と前記第1の金型との隙間を用いて脱気することを特徴とする請求項22に記載の光学素子製造方法。
【請求項24】
前記脱気は、前記金型に溶融された樹脂材料が流入される前に吸引して事前に脱気しておくことを特徴とする請求項23に記載の光学素子製造方法。
【請求項25】
前記脱気は、前記金型に溶融された樹脂材料の流入中に吸引を行って脱気することを特徴とする請求項23に記載の光学素子製造方法。
【請求項26】
前記脱気は、前記金型に溶融された樹脂材料が流入される前より吸引を開始し、流入中も吸引を行って脱気することを特徴とする請求項23に記載の光学素子製造方法。
【請求項27】
前記突き出し部は複数設けられ、各突き出し部の突き出しタイミングの差が0.5秒以内であることを特徴とする請求項22〜26のいずれか1項に記載の光学素子製造方法。
【請求項28】
光学機能部と該光学機能部の周辺にフランジ部が形成され前記光学機能部のNA値が0.7以上の光学素子を金型により成形する光学素子製造方法において、
前記光学素子のフランジ部の外周の半径方向には突起部を形成しておき、前記突起部またはゲート部の少なくとも一方を突き出す、突き出し工程を有することを特徴とする光学素子製造方法。
【請求項29】
前記突き出し工程の後、前記突起部と前記ゲート部を除去する工程を有することを特徴とする請求項28に記載の光学素子製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−56321(P2012−56321A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−265777(P2011−265777)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【分割の表示】特願2006−260216(P2006−260216)の分割
【原出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】