説明

樹脂組成物ならびにそれからなる成形品、フィルムおよび繊維

【課題】成形性、加工性、機械特性、耐熱性、透明性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸樹脂及びポリアセタール樹脂を特定の割合で配合してなる樹脂組成物であり、さらには、ポリ乳酸樹脂及びポリアセタール樹脂との相溶性配合物である上記樹脂組成物、樹脂組成物中のホルムアルデヒド含有量がポリアセタール樹脂に対して500ppm未満である上記樹脂組成物、ならびにそれからなる成形品、フィルム及び繊維である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂とを配合してなり、成形性、加工性、機械特性、耐熱性、透明性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリ乳酸は、高い融点を持ち、また溶融成形可能で実用上優れた生分解性ポリマ−と期待されている。しかしながら、ポリ乳酸は結晶化速度が遅く、結晶化させて成形品として用いるには限界があった。例えば射出成形する場合、長い成形サイクル時間や成形後の熱処理を必要とするだけでなく、成形時や熱処理時の変形が大きいなど、実用的には大きな問題があった。
【0003】
ポリアセタール樹脂は、機械特性や成形性などバランスに優れた樹脂であり、射出成形品として、広く用いられているが、結晶化速度が速いために、フイルムや繊維に加工するのは難しく、利用は限定されたものであった。
【0004】
2種もしくはそれ以上のポリマーを混合することは、ポリマーブレンドまたはポリマーアロイとして広く知られており、個々のポリマーの欠点を改良する目的で広く利用されている。しかしながら、2種のポリマーを混合した場合、多くは個々の相に分離しており、そのために劣った特性を示す傾向にある。
【0005】
一方、まれに2種のポリマーが均一な非晶相を形成する場合がある。この種のものは、一般に相溶性または混和性として記載されており、優れた特性を示すことが期待されているが、その例は少ない。
【0006】
ポリ乳酸と相溶性のあるポリマーとしては、ポリエチレングリコール(例えば、非特許文献1)やポリメチルメタクリレート(例えば、非特許文献2)など数例が知られているのみである。また、ポリアセタールと相溶性のあるポリマーとしては、ポリビニルフェノール(例えば、非特許文献3)など数例が知られているのみである。
【0007】
特許文献1には、ポリアセタールに生分解性を付与する目的で、脂肪族ポリエステルと微量のホルムアルデヒドを含有させた樹脂組成物が開示され、その中で脂肪族ポリエステルの1例として、ポリ乳酸の使用例が開示されているが、ポリ乳酸とポリアセタールの相溶性に関しては開示はない。また、同公報記載の発明は、特にポリアセタール樹脂を比較的多く含む組成物におけるポリアセタール樹脂の生分解性の付与を主目的としているため、通常の用途でポリアセタール樹脂の特性を生かした組成物を得ようとする場合、耐久性が乏しく、実用上好ましくない。
【特許文献1】特開平5−43772号公報
【非特許文献1】Polymer 37(26),5849−5857(1996)
【非特許文献2】Polymer 39(26),6891−6897(1998)
【非特許文献3】Polymer 33(4),760−766(1992)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、成形性、加工性、機械特性、耐熱性、透明性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂が相溶性配合物を形成し、両者を混合した樹脂組成物が優れた特性を有することを見い出した。
【0010】
すなわち、本発明は、
1.ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれるポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂60〜40重量部及びポリアセタール樹脂40〜60重量部を配合してなりポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂との相溶性配合物である樹脂組成物。
2.ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれるポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂40重量部未満1重量部以上及びポリアセタール樹脂60超99重量部以下を配合してなりポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂との相溶性配合物である樹脂組成物。
3.樹脂組成物のポリアセタール樹脂由来の降温時の結晶化温度が、用いたポリアセタール樹脂単独の降温時の結晶化温度よりも低い温度である1または2に記載の樹脂組成物。
4.樹脂組成物中のホルムアルデヒド含有量がポリアセタール樹脂に対して500ppm未満であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.ポリアセタール樹脂がポリアセタールコポリマーであることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.膜厚100μmで90%以上の光線透過率かつ50%以下0%以上のヘイズ値を有するフイルムを形成することのできることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
7.ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が8万以上、28万以下であることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
である。
【0011】
さらに、上記いずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品、フイルムまたは繊維である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、成形性、加工性、機械特性、耐熱性、透明性に優れた樹脂組成物が得られるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような共重合成分は、全単量体成分中、通常30モル%以下の含有量とするのが好ましく、10モル%以下であることが好ましい。
【0015】
本発明において、特に高い耐熱性を有する樹脂組成物を得るためには、ポリ乳酸樹脂として乳酸成分の光学純度が高いものを用いることが好ましい。ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれるものを使用する。L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることが更に好ましい。また、L体またはD体の含有量の上限は通常100%以下である。
【0016】
ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
【0017】
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば、特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上28万以下であることが好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
【0018】
ポリ乳酸樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。
【0019】
本発明に用いられるポリアセタール樹脂は、オキシメチレン単位を主たる繰り返し単位とするポリマーであり、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを主原料として、重合反応によって得られる、いわゆるポリアセタールホモポリマーであっても、主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を15重量%以下含有するいわゆるポリアセタールコポリマーのいずれであってもよく、また他の構成単位を含有するコポリマー、即ち、ブロックコポリマー、ターポリマー、架橋ポリマーの何れであっても良く、これらは1種または2種以上で用いることができる。
【0020】
なかでも、ポリアセタールコポリマーが好ましく、主鎖中に2個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を2重量%以下含有するポリアセタールコポリマーまたは主鎖中に4個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を5重量%以下含有するポリアセタールコポリマーがさらに好ましく、主鎖中に2個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を1.4重量%以下0.2重量%以上含有するポリアセタールコポリマーまたは主鎖中に4個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を3重量%以下0.5重量%以上含有するポリアセタールコポリマーが特に好ましい。
【0021】
本発明におけるポリアセタール樹脂の製造方法は特に制限はなく、公知の方法により製造できる。ポリアセタールホモポリマーの代表的な製造方法の例としては、高純度のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別した後、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱してポリマー末端をアセチル化して製造する方法などが挙げられる。
【0022】
また、代表的なポリアセタールコポリマーの製造方法としては高純度のトリオキサンおよび、エチレンオキシドや1,3−ジオキソランなどの共重合成分をシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化を行うことによる製造法、あるいは溶媒を全く使用せずに、セルフクリーニング型攪拌機の中へトリオキサン、共重合成分、および触媒を導入して塊状重合した後、さらに不安定末端を分解除去して製造する方法などが挙げられる。
【0023】
これらポリマーの粘度は、成形材料として使用できる程度のものであれば特に制限はないが、ASTMD1238法によるメルトフローレート(MFR)が測定可能であり、MFRが1.0〜50g/10分の範囲のものが好ましく、1.5〜35g/10分のものが特に好ましい。
【0024】
本発明におけるポリアセタール樹脂には、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、カルシウムリシノレート、シアノグアナジン、ヘキサメチレンビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシアナメート)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン6/66、ナイロン66/610/6、ナイロン612/6、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシアナメート)]メタン、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の少なくとも1種が含有されていることが好ましい。
【0025】
本発明の樹脂組成物は、後述するようにポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂が相溶性配合物を形成し、それにより、通常の相溶性ではない組成物の場合にはみられない独特の特性が得られ、成形性、加工性、機械特性、耐熱性、透明性に優れた組成物が得られることを特徴とするが、ポリ乳酸とポリアセタール樹脂の配合組成によって特に効果を奏する特性が異なる。
【0026】
ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂60〜40重量部及びポリアセタール樹脂40〜60重量部を配合してなる樹脂組成物においては、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の特性をバランスよく併せ持った樹脂組成物が得られる。
【0027】
ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂40重量部未満1重量部以上及びポリアセタール樹脂60重量部超99重量部以下を配合してなる樹脂組成物においては、ポリアセタール樹脂の特性を改良することが可能であり、特に加工性や機械特性の改良に効果がある。
【0028】
なお、ポリアセタール樹脂を用いる場合、ポリアセタールの分解が促進されることにより組成物の耐久性を損なうなど、組成物自体の特性に強い影響を与える可能性の高いホルムアルデヒドは、配合しないことが好ましい。ポリアセタール樹脂自体に含まれるホルムアルデヒドを考慮して、ポリアセタール樹脂に対して、多くとも500ppm未満にとどめておくのが好ましく、250ppm未満とするのがさらに好ましく、100ppm未満とするのが特に好ましい。このようなホルムアルデヒド含有量を達成するには、前述したようにポリアセタールホモポリマーの重合後、ポリマー末端をアセチル化したり、ポリアセタールコポリマーの重合後、不安定末端を分解除去するなどの方法により安定化処理を行ったポリアセタール樹脂を用いることが好ましい。上記樹脂組成物中のホルムアルデヒド含有量は、樹脂組成物を粉砕して得られる粉体1gを、水100ml中、50℃で6時間攪拌して、ホルムアルデヒドを抽出し、アセチルアセトン法で定量することにより測定することができる。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の相溶性配合物からなることを特徴とする。ここでいう「相溶性」とは、分子レベルで非晶相内に均一相を形成する重合体の混合物を説明するために用いられる。配合物の一方または両方が結晶相及び非晶相の両方を形成する場合、相溶性とは、非晶相が分子レベル混合していることを意味する。
【0030】
配合物中の相溶性の判断は、いくつかの方法で行うことができる。
【0031】
相溶性について判断する最も一般的な方法は、ガラス転移温度で判断する方法である。相溶性配合物中では、ガラス転移温度が各々単独のものより変化し、多くの場合、単一のガラス転移温度を示す。ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の配合物でも、この方法を用いることができ、本発明の樹脂組成物では、樹脂組成物はポリ乳酸樹脂単独のガラス転移温度よりも低い温度を示す。ガラス転移温度の測定方法としては、差動走査熱量計(DSC)で測定する方法、動的粘弾性試験により測定する方法のいずれも用いることができる。
【0032】
しかしながら、ポリアセタール樹脂は高結晶性であるために、ポリアセタール樹脂の含有量が多い場合には、ガラス転移温度が不明確になるという問題がある。この場合、相溶性の判断としては、ポリアセタール樹脂の結晶化温度を用いることができる。ポリアセタール樹脂がそれ自体よりも結晶化速度の遅い樹脂と相溶性配合物を形成した場合、ポリアセタール樹脂の結晶化速度が単体の場合よりも低下する。この結晶化速度の低下を、DSCで測定した降温時の結晶化温度で判断することができる。
【0033】
例えば、Polymer 38(25),6135−6143(1997)には、脂肪族ポリエステルであるポリ(3−ヒドロキシブチレート)とポリメチレンオキサイド(ポリアセタール)のブレンドが非相溶性であることが報告されているが、この場合、DSCで測定した組成物中のポリアセタールの降温時の結晶化温度は、ポリアセタール単体の結晶化温度とほとんど変わらないことが示されている。一方、Polymer33(4),760−766(1992)には、ポリアセタールとポリビニルフェノールが相溶性であることが報告されているが、この場合、組成物中のポリアセタールの降温時の結晶化温度が、ポリアセタール単体の結晶化温度に比べて、低下することが示されている。
【0034】
本発明の樹脂組成物では、樹脂組成物中のポリアセタール樹脂の降温時の結晶化温度が、ポリアセタール樹脂単独の結晶化温度よりも低い温度を示す。好ましい結晶化温度の低下は組成によって異なる。そして、この結晶化温度は、用いるポリ乳酸樹脂の光学純度が高くなると、低下の程度が大きくなる傾向にある。
【0035】
ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂60〜40重量部及びポリアセタール樹脂40〜60重量部を配合する場合には、DSCにより降温速度20℃/分で測定したポリアセタール樹脂の結晶化温度の低下は2℃以上であることが好ましく、4℃以上であることがさらに好ましい。ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂40重量部未満1重量部以上及びポリアセタール樹脂60重量部超99重量部以下を配合した場合には、DSCにより降温速度20℃/分で測定したポリアセタール樹脂の結晶化温度の低下は0.2℃以上であることが好ましく、0.5℃以上であることがさらに好ましい。
【0036】
また、相溶性配合物からフイルムを作成する場合、光学的に透明なものであるのに対して、非相溶性の配合物から作成したフイルムは一般的に不透明である。この方法も、相溶性の判断として用いることができる。しかしながら、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の配合物のように、両者が結晶性樹脂である場合には、どちらか一方の結晶化により不透明になる場合があるため、フイルムが不透明であるからといって、非相溶性であることを示しているわけではないが、本発明において、ポリ乳酸の含有量が比較的多い場合には、相溶性の判断として有効である。
【0037】
例えば、本発明の樹脂組成物において、ポリ乳酸の含有量が60重量部以下でも、膜厚100μmで90%以上100%以下の光線透過率、50%以下0%以上のヘイズ値を有するフイルムを形成することができ、さらに低い温度に急冷することによって、ポリ乳酸の含有量が少ない領域でも、実質的に透明のフィルムを得ることができる。
【0038】
また、このようにして得られた実質的に透明なフイルムは、相溶化しているポリマー量が多いため、靱性に優れ、延伸などの後加工性に優れる特徴がある。また、同様のことは、繊維などの他の成形品にも当てはまる。
【0039】
本発明に対して、本発明の目的を損なわない範囲で充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土など)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤等)、滑剤、離形剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、アンチモン化合物)、染料および顔料を含む着色剤、核化剤などを添加することができる。
【0040】
本発明に対して、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)および熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)および軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)などの少なくとも1種以上をさらに含有することができる。
【0041】
本発明の組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えばポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、融点以上において、1軸または2軸押出機で、均一に溶融混練する方法や溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられる。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、独特の特性を持つ相溶性の組成物であり、射出成形、や押出成形などの方法によって、各種成形品に加工し利用することができる。成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フイルム、繊維、シートなどとして利用でき、フイルム、シートとしては、未延伸、一軸延伸、二軸延伸などの各種フイルム、シートとして、繊維としては、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維として、織物、編物、不織布(スパンボンド,メルトブロー,ステープル)、ロープ,ネットとして利用することができる。また、これらの物品は、電気・電子部品、建築部材、自動車部品、機械部品、日用品などとして利用することができる。
【0043】
具体的には、リレーケース、コイルボビン、光ピックアップシャーシ、モーターケース、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、記録媒体(CD、DVD、PD、FDDなど)ドライブのハウジングおよび内部部品、コピー機のハウジングおよび内部部品、ファクシミリのハウジングおよび内部部品、パラボラアンテナなどに代表される電気・電子部品を挙げることができる。更に、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、ビデオカメラ、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、などに代表される家庭・事務電気製品部品を挙げることができる。また電子楽器、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機などのハウジングや内部部品、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドホン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子部品、サッシ戸車、ブラインドカーテンパーツ、配管ジョイント、カーテンライナー、ブラインド部品、ガスメーター部品、水道メーター部品、湯沸かし器部品、ルーフパネル、断熱壁、アジャスター、プラ束、天井釣り具、階段、ドアー、床などの建築部材、釣り糸、漁網、海藻養殖網、釣り餌袋などの水産関連部材、植生ネット、植生マット、防草袋、防草ネット、養生シート、法面保護シート、飛灰押さえシート、ドレーンシート、保水シート、汚泥・ヘドロ脱水袋、コンクリート型枠などの土木関連部材、エアフローメーター、エアポンプ、サーモスタットハウジング、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブースター部品、各種ケース、各種チューブ、各種タンク、各種ホース、各種クリップ、各種バルブ、各種パイプなどの自動車用アンダーフード部品、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジングなどの自動車用内装部品、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプベゼル、ドアハンドルなどの自動車用外装部品、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクターなど各種自動車用コネクター、歯車、ねじ、バネ、軸受、レバー、キーステム、カム、ラチェット、ローラー、給水部品、玩具部品、ファン、テグス、パイプ、洗浄用治具、モーター部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの機械部品、マルチフィルム、トンネル用フィルム、防鳥シート、植生保護用不織布、育苗用ポット、植生杭、種紐テープ、発芽シート、ハウス内張シート、農ビの止め具、緩効性肥料、防根シート、園芸ネット、防虫ネット、幼齢木ネット、プリントラミネート、肥料袋、試料袋、土嚢、獣害防止ネット、誘因紐、防風網などの農業資材、紙おむつ、生理用品包材、綿棒、おしぼり、便座ふきなどの衛生用品、医療用不織布(縫合部補強材、癒着防止膜、人工器官補修材)、創傷被服材、キズテープ包帯、貼符材基布、手術用縫合糸、骨折補強材、医療用フィルムなどの医療用品、カレンダー、文具、衣料、食品等の包装用フィルム、トレイ、ブリスター、ナイフ、フォーク、スプーン、チューブ、プラスチック缶、パウチ、コンテナー、タンク、カゴなどの容器・食器類、ホットフィル容器類、電子レンジ調理用容器類化粧品容器、ラップ、発泡緩衝剤、紙ラミ、シャンプーボトル、飲料用ボトル、カップ、キャンディ包装、シュリンクラベル、蓋材料、窓付き封筒、果物かご、手切れテープ、イージーピール包装、卵パック、HDD用包装、コンポスト袋、記録メディア包装、ショッピングバック、電気・電子部品等のラッピングフィルムなどの容器・包装、天然繊維複合、ポロシャツ、Tシャツ、インナー、ユニホーム、セーター、靴下、ネクタイなどの各種衣料、、カーテン、イス貼り地、カーペット、テーブルクロス、布団地、壁紙などのインテリア用品、キャリアーテープ、プリントラミ、感熱孔版印刷用フィルム、離型フィルム、多孔性フィルム、コンテナバッグ、クレジットカード、キャッシュカード、IDカード、ICカード、紙、皮革、不織布等のホットメルトバインダー、磁性体、硫化亜鉛、電極材料等粉体のバインダー、光学素子、導電性エンボステープ、ICトレー、ゴルフティー、ゴミ袋、レジ袋、各種ネット、歯ブラシ、文房具、水切りネット、ボディタオル、ハンドタオル、お茶パック、ふろしき、排水溝フィルター、クリアファイル、コート剤、接着剤、カバン、イス、テーブル、クーラーボックス、クマデ、ホースリール、プランター、ホースノズル、食卓、机の表面、家具パネル、台所キャビネット、ペンキャップ、ガスライターなどとして有用である。
【実施例】
【0044】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0045】
実施例1、比較例1
D体の含有量が1.2%であり、PMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂および190℃で測定したメルトインデックス値が27g/10分であり融点が170℃であるポリアセタールコポリマー(東レ株式会社製アミラスS731)を表1に示した割合で配合し、40mm径の一軸押出機で、温度210℃、回転数50rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
【0046】
得られた樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)及びポリアセタール樹脂の降温時の結晶化温度(Tc)を差動走査熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製)を用い、昇降温速度20℃/分で測定した。結果を表1に示す。Tgはポリアセタール樹脂の含有量の増加とともに低下している。また、Tcはポリ乳酸樹脂の含有量の増加とともに低下している。
【0047】
また、得られた組成物を200℃で2分間加熱後、プレスを行い、その後氷水中で冷却することで厚みが100μmのフイルムを得て、フィルムの透明性を目視で判断した。結果を表1に示す。なお、実験No.1−1、1−7は比較データである。また、実験No.1−1、1−2、1−4、1−5、1−7で得られたフイルムの写真を図1に示す。図中、左上が、ポリ乳酸/ポリアセタールの組成比が90/10のフイルム(実験No.1−2)、左中が組成比70/30のフイルム(実験No.1−4)、左下が組成比50/50(実験No.1−5)のフイルムである。また、右上がポリ乳酸単独のフイルム(実験No.1−1)であり、右下がポリアセタール単独のフイルム(実験No.1−7)である。組成比が90/10のフイルム、組成比70/30のフイルム、ポリ乳酸単独のフイルムは下地が明確に見えており、透明性が高いが、残りのフイルムは不透明であり下地が見えていない。この方法では、ポリアセタール含有量30%までは透明なフイルムを得ることができている。
【0048】
次に、得られたフィルムの光線透過率及びヘイズ値をJIS−K6714に準じ、積分球式H.T.Rメーターを用いて測定した。結果を表2に示す。組成比が90/10のフイルム、80/20のフィルム、70/30のフイルム、ポリ乳酸単独のフイルムは、光線透過率が95%以上でありヘイズ値が10%以下である。また、組成比が50/50のフイルム、30/70のフィルムでも、光線透過率が90%以上でありヘイズ値が50%以下であるのに対し、ポリアセタール単独のフィルムでは光線透過率が90%以下でありヘイズ値は85%もある。
【0049】
また、得られた樹脂組成物をシリンダー温度210℃、金型温度40℃で射出成形を行い、引張試験片をえて、ASTM法D638に準じて、引張試験を行った。また、引張試験片を140℃、1時間加熱したときの試験片の変形の度合いを目視で観察した。結果を表3に示す。本発明の樹脂組成物は、各々単独のものに比較して、優れた機械特性、耐熱性を有している。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【0053】
実施例2、比較例2
D体の含有量が1.2%であり、PMMA換算の重量平均分子量が28万であるポリL乳酸樹脂および190℃で測定したメルトインデックス値が9g/10分であり融点が170℃であるポリアセタールコポリマー(東レ株式会社製アミラスS761)を、表4の割合で配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のTg及び組成物のポリアセタール樹脂のTcを実施例1と同様にして測定した。結果を表4に示す。なお、実験No.2−1および2−5は比較データである。実施例1と同様にTgの低下とTcの低下が見られる。また、得られた樹脂組成物について、紡糸温度210℃、紡糸速度1000m/分で溶融紡糸を行ったところ、ポリアセタール樹脂単独(2−5)以外は紡糸性が良好であったが、ポリアセタール樹脂単独では、糸切れが頻発した。
【0054】
【表4】

【0055】
比較例3
D体の含有量が8%であり、PMMA換算の重量平均分子量が18万であるポリL乳酸樹脂および190℃で測定したメルトインデックス値が27g/10分であり融点が170℃であるポリアセタールコポリマー(東レ株式会社製アミラスS731)を、表5の割合で配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のTg及び組成物のポリアセタール樹脂のTcを実施例1と同様にして測定した。結果を表5に示す。なお、実験No.3−1および3−5は比較データである。実施例1と同様にTgの低下とTcの低下が見られるが、低下の程度は小さい。
【0056】
【表5】

【0057】
比較例4
D体の含有量が1.2%であり、PMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂80重量部およびナイロン6(東レアミランCM1010)20重量部を40mm径の一軸押出機で、温度240℃、回転数50rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
【0058】
得られた樹脂組成物のポリL乳酸樹脂由来のガラス転移温度(Tg)は66℃であった。したがってポリL乳酸樹脂とナイロン6は非相溶性であると考えられる。また、得られた組成物を230℃で2分間加熱後、プレスを行い、その後氷水中で冷却することで厚みが100μmのフイルムを得た。フィルムは不透明であり、フィルムの光線透過率は69%、ヘイズ値は92%であった。
【0059】
比較例5
190℃で測定したメルトインデックス値が27g/10分であり融点が170℃であるポリアセタールコポリマー(東レ株式会社製アミラスS731)および230℃で測定したメルトインデックス値が35g/10分であるポリメタクリル酸メチル樹脂(住友化学株式会社製スミペックスLG35)20重量部を40mm径の一軸押出機で、温度200℃、回転数50rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
【0060】
得られた樹脂組成物のポリアセタール樹脂のTcは140℃であった。したがって、ポリアセタール樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂とは非相溶性であると考えられる。また、得られた組成物を200℃で2分間加熱後、プレスを行い、その後氷水中で冷却することで厚みが100μmのフイルムを得た。フィルムは不透明であり、フィルムの光線透過率は59%、ヘイズ値は90%であった。
【0061】
実施例3
実施例1、2、比較例3で得られたポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂を配合してなる樹脂組成物を粉砕して得られた粉体1gを、水100ml中、50℃で6時間攪拌し、ホルムアルデヒドを抽出した。これをアセチルアセトン法で定量した結果を表6に示す。いずれの組成物中のホルムアルデヒド量もポリアセタール樹脂に対して250ppm未満であった。
【0062】
【表6】

【0063】
実施例4
D体の含有量が1.2%であり、PMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂50重量部および190℃で測定したメルトインデックス値が9g/10分であり融点が170℃であるポリアセタールコポリマー(主鎖中に2個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を1.5重量%含有)50重量部、30重量%のホルマリン水溶液を0.001重量部配合し、40mm径の一軸押出機で、温度200℃、回転数50rpmの条件で溶融混練を行ったところ、発泡が生じるものの、実施例6と同様にして測定したホルムアルデヒド量が500ppmである樹脂組成物を得た。しかしながら、加工時にも臭気を伴う著しい発泡が生じ、フィルムや成形品にすることができず、特性を評価することはできなかった。
【0064】
比較例6
D体の含有量が8%であり、PMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂を使用した以外は、実施例7と同様にしてホルムアルデヒド量が500ppmである樹脂組成物を得た。しかしながら、加工時にも臭気を伴う著しい発泡が生じ、フィルムや成形品にすることができず、特性を評価することはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1、比較例1で作成したフイルムの写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれるポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂60〜40重量部及びポリアセタール樹脂40〜60重量部を配合してなりポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂との相溶性配合物である樹脂組成物。
【請求項2】
ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれるポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、ポリ乳酸樹脂40重量部未満1重量部以上及びポリアセタール樹脂60超99重量部以下を配合してなりポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂との相溶性配合物である樹脂組成物。
【請求項3】
樹脂組成物のポリアセタール樹脂由来の降温時の結晶化温度が、用いたポリアセタール樹脂単独の降温時の結晶化温度よりも低い温度である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
樹脂組成物中のホルムアルデヒド含有量がポリアセタール樹脂に対して500ppm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
ポリアセタール樹脂がポリアセタールコポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
膜厚100μmで90%以上の光線透過率かつ50%以下0%以上のヘイズ値を有するフイルムを形成することのできることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項7】
ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が8万以上、28万以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなるフイルム。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなる繊維。

【図1】
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【公開番号】特開2008−260955(P2008−260955A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188099(P2008−188099)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【分割の表示】特願2002−222594(P2002−222594)の分割
【原出願日】平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】