説明

樹脂組成物及び成形体

【課題】密閉効果に優れ、高い難燃性、寸法安定性を有する成形体を得ることができる樹
脂組成物を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂100質量部、リン酸系可塑剤1〜30質量部、及び無機
充填剤1〜50質量部を含有する樹脂組成物。無機充填剤がタルクである樹脂組成物。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が500以上である樹脂組成物。塩化ビニル系樹脂が塩素含有量60質量%以上の塩素化塩化ビニル系樹脂である樹脂組成物。樹脂組成物を用いた成形体、シール材、及び樹脂組成物を造粒してなるコンパウンド。樹脂組成物と軟質塩化ビニル樹脂とを共押出成形する成形体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物、該樹脂組成物を用いた成形体、シール材、コンパウンド、及び成
形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築、自動車、及び厨房器具等の構造物の気密性を保ち、雨水や粉塵等が構造物の内部へ侵入するのを防ぐために、パッキンやガスケット等のシール材が使用されている。シール材には密閉効果に優れる軟質部材の特徴と、組み立て作業に必要な剛性という硬質部材の特徴という、相反する要素を持つ構成が要求されている。
【0003】
シール材の材質として、塩化ビニル系樹脂、クロロプレンゴム、及びシリコンゴムが知られている。クロロプレンゴムやシリコンゴムを用いた場合には、組み立て作業に必要な剛性が不足する場合があり、剛性の制御が容易な塩化ビニル系樹脂が注目されている。
【0004】
塩化ビニル系樹脂を成形してシール材とする方法として、押出成形及び射出成形をする方法が知られている。押出成形では金属と樹脂を金型の内部で溶融一体化する共押出法が用いられていた。金属と共押出されたシール材は、リサイクル工程で塩化ビニル系樹脂と金属とを分離する手間が必要であり、コスト増加の原因となる場合があった。
【0005】
リサイクル工程での手間を省くため、金属のかわりに硬質塩化ビニル系樹脂を使用し、この硬質塩化ビニル系樹脂と軟質塩化ビニル系樹脂とを共押出してシール材とする方法が知られている(特許文献1等参照)。
【0006】
シール材の耐熱性を向上するために、塩素化塩化ビニル系樹脂や塩化ビニル系樹脂を主
体とする硬質塩化ビニル系樹脂を用い、これと軟質塩化ビニル樹脂とを共押出成形してなる成形体をシール材とする方法が知られている(特許文献2等参照)。
【0007】
シール材の寿命を長くするため、80〜110℃の実使用温度範囲での寸法安定性が要求されている。シール材の軟質樹脂側の熱膨張や収縮を低減する方法として、塩化ビニル系樹脂にタルクを添加する方法が知られている(特許文献3等参照)。
【0008】
自動車用途や建築用途、特に乙種防火戸と呼ばれる建築用途では、火災時の防火という観点から、難燃性が必要とされていた。
【0009】
【特許文献1】特開昭62−011787号公報
【特許文献2】特開平08−099343号公報
【特許文献3】特開平11−279360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、密閉効果に優れ、高い難燃性、寸法安定性を有する成形体を得ることができる樹脂組成物、その様な成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部、リン酸系可塑剤1〜30質量部、及び無機充填剤1〜50質量部を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の樹脂組成物を用いたシール材等の成形体は、密閉効果に優れ、高い難燃性、寸法安定性を有する。そのため、建材の中でも難燃性を要求される部品、例えば外壁材、窓枠、及びガラスガスケット等の用途に適しており、特に複層ガラスガスケットに好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、単量体単位とは単量体に由来
する構造単位を意味する。また、本明細書の部及び%は、特に記載がない限り質量基準と
する。
【0014】
<塩化ビニル系樹脂>
塩化ビニル系樹脂は主鎖に塩化ビニル単位又は塩素化塩化ビニル単位を有する樹脂であればよく、例えば塩化ビニルのホモポリマーが挙げられる。また、塩化ビニル系樹脂は、
塩化ビニル以外のビニル化合物単量体に由来する単量体単位を、主鎖又は側鎖に有する共
重合体であっても良い。このような共重合体は、例えば側鎖にエチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、又は塩素化ポリエチレン等を有する塩化ビ
ニルグラフト重合体等が挙げられる。
【0015】
塩化ビニル系樹脂に用いる、塩化ビニル以外のビニル化合物単量体は、例えば
(1)酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、
(2)メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
(3)メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
(4)ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類、
(5)ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類、
(6)ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビ
ニルエーテル類、
(7)アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
(8)エチレン、プロピレン、及びスチレン等のオレフィン類、
(9)塩化ビニリデンや臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンやハロゲ
ン化ビニル類、
(10)ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類
等が挙げられる。
【0016】
また、塩化ビニル系樹脂は、例えば、塩素化塩化ビニル系樹脂単独、塩素化塩化ビニル
系樹脂と塩化ビニル系樹脂との混合物等、塩素化塩化ビニル系樹脂を含有することが好ま
しい。この場合、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は60質量%以上であることが好
ましい。塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が60質量%以上であれば加熱時に着火及
び着炎しにくく、耐熱温度が向上する効果がある。
【0017】
塩化ビニル系樹脂中の塩素化塩化ビニル単位の割合は、塩化ビニル単位及び塩素化塩化
ビニル単位の合計100質量部中に塩素化塩化ビニル単位を50質量部以上とすることが好ましい。塩素化塩化ビニル単位が50質量部以上であれば、耐熱温度が向上し、機械的強度が高い。
【0018】
塩化ビニル系樹脂の製法は、例えば塩化ビニル等の単量体を懸濁重合法、塊状重合法、
微細懸濁重合法、又は乳化重合法等で重合する方法が挙げられる。また、塩化ビニル単位
塩素化塩化ビニル単位を有する塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂の粉末を気相中、
若しくは水中に懸濁した状態又は溶媒に溶解した状態で塩素化して製造することができる。(例えば特公昭36−888号公報及び特公昭45−30833号公報等参照)
【0019】
(塩化ビニル系樹脂の重合度)
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K−6721で測定される平均重合度で5
00以上が好ましく、500〜1500がより好ましい。平均重合度が前記範囲内であれ
ば成形加工性が良いため、ガスケットの芯材として様々な形状に対応することができる。
【0020】
<リン酸系可塑剤>
リン酸系可塑剤は塩化ビニル系樹脂用のリン酸系可塑剤であれば特に限定されず、例え
ばトリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフ
ェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート
、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホ
スフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロ
プロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピ
ルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、含ハロゲンポリホ
スフェート等が挙げられ、さらにレゾルシノールビス(フェニル)ホスフェート(RDP
)、レゾルシノールビス(2,6−ジキシレニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス
(ジフェニル)ホスフェート(BPADP)、ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホス
フェート(BPADC)等の縮合型リン酸系可塑剤が挙げられ、特に樹脂の軟化点を低下
させない点から縮合型リン酸系可塑剤は好適に用いられ、これらのリン酸系可塑剤を1種
又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
リン酸系可塑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜30質量部で
あり、2〜15質量部がより好ましい。上記範囲であれば、軟質塩化ビニル樹脂との融着
性が良く、成形体の硬度が高く、高温雰囲気下での変形が少ないため好ましい。
【0022】
リン酸系可塑剤と、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、フタル酸系可塑
剤等の非リン酸系可塑剤を併用すると、リン酸系可塑剤が揮発しにくく好ましい。
【0023】
<無機充填剤>
無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、及びシリカの粉
末が挙げられ、タルクが好適に用いられる。無機充填剤は複数の成分の混合粉や、複数の
粒度分布を持つ粉末を併用してよい。
【0024】
無機充填剤としてタルクを用いて共押出法で成形体を製造した場合、軟質塩化ビニル樹
脂の熱膨張や熱収縮に伴う成形体の変形が小さく、軟質塩化ビニル樹脂と樹脂組成物の接
触部での密着性が良く、衝撃強度が大きいため好ましい。
【0025】
タルクは含水珪酸マグネシウム塩の粘土鉱物の一種で、その組成は(MgO)x(SiO2y・zH2Oである(x、y、zは正値)。タルク中のMgの一部がCa2+等の2価
の金属イオンに置換されてもよい。タルクの粒径は特に制限はないが、レーザー散乱法に
よるメジアン粒径で0.8μm〜30μmが好ましく、1.0μm〜25μmがより好ま
しく、1.5μm〜20μmが最も好ましい。この範囲内であれば、タルクのメジアン粒
径が小さい場合に比べて分散性が良く平滑な表面が得られ、メジアン粒径が大きい場合に
比べて成形体表面が平滑になり、良好な外観となる。
【0026】
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、及びシリカを用いる場合は、BET比表面積が
1〜100m2/gの粉末が好適に用いられる。
【0027】
無機充填剤の配合量は塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜50質量部であり、
2〜25質量部であることが好ましい。上記範囲内であれば火災時等によりシール材が燃
焼した場合にガラスが窓から外れにくく、成形体の表面が平滑であって成形が容易であり
好ましい。
【0028】
<その他の成分>
樹脂組成物は、必要に応じて安定剤、充填剤、強化剤、加工助剤、滑剤及び顔料等の各
種添加剤を適量含んでもよい。これらの添加剤は環境側面への配慮から、鉛含有量が少量
又はゼロのものが好適に用いられる。
【0029】
安定剤は特に限定されず、鉛系安定剤及び非鉛系安定剤が挙げられる。鉛系安定剤を用
いると優れた持続滑性をもち、良好な成形性を有する樹脂が得られる。安定剤は環境面へ
の配慮から非鉛系安定剤が好ましく、バリウム−亜鉛系安定剤及びカルシウム−亜鉛系安
定剤等が好適に用いられる。
【0030】
顔料は鉛、アンチモン、及びクロムを含まない無機物が好ましく、例えば酸化チタン、
酸化鉄、群青、カーボンブラック等の無機顔料やモノアゾ、ジスアゾ、フタロシアニン、
キナクリドン、ペリレン、イソインドリノン等の有機顔料が好適に用いられる。
【0031】
樹脂組成物には、加工助剤、及び滑剤等の各種添加剤を適宜添加して良い。
【0032】
<樹脂組成物のビカット軟化点温度>
樹脂組成物は、JIS K 7206で規定されるビカット軟化点温度が80℃以上のものが好ましく、85℃以上のものがより好ましい。ビカット軟化点温度がこの範囲であれば高温雰囲気に曝された場合に成形体の変形が小さく好ましい。
【0033】
<樹脂組成物の製造方法>
樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば樹脂組成物の各成分を混合し、溶融成
形する方法が挙げられる。樹脂組成物の製造に用いる手段や各成分の混合手順は限定され
ず、例えば(1)原料を混合してシール材に直接成形する方法や、(2)リン酸系可塑剤
及び無機充填剤を含有するコンパウンドをあらかじめ製造しておき、コンパウンドと塩化
ビニル系樹脂を加熱溶融して押出機で成形する方法が挙げられる。コンパウンドは造粒し
てペレット状に成形したものが好適に用いられる。
【0034】
樹脂組成物の原料の混合方法としては、例えばヘンシェルミキサーやスーパーミキサーのような高速ミキサーやリボンブレンダー等の混合機等が使用される。混合方法としては、上記混合機に各成分を投入し、例えば150℃以下の温度でそれぞれの混合機に見合った時間、均一にブレンドすることが好ましい。造粒にはバンバリーミキサー、ミキシング
ロール及び押出機等が使用可能である。
【0035】
ペレットは、例えば単軸押出機、2軸押出機、斜軸押出機、コニーダー、バンバリーミ
キサー等の造粒機で製造できる。
【0036】
<成形体>
本発明の樹脂組成物やコンパウンドから成形体を得る方法は、例えば複数の混練押出装
置を用い、本発明の樹脂組成物と軟質塩化ビニル樹脂を別々の混練押出装置から同一の金
型に注入して成形する共押出成形法、すなわち2色成形法が好適に用いられる。
【0037】
成形体の用途は限定されず、一般的な建材用途用パッキン、ガスケット等のシール材と
しても使用可能だが、例えば難燃性が必須となる建築用ガスケット、パッキン、目地材等への用途に好適に用いられる。
【0038】
成形体は建材の中でも難燃性を要求される部品、例えば外壁材、窓枠、ガラスガスケッ
ト等の用途に適しており、複層ガラスガスケットに好適に用いられる。
【0039】
本発明の成形体の一例として、本発明の樹脂組成物及び軟質塩化ビニル樹脂を共押出成
形してなる建築用複層ガラスガスケットについて説明する。ガスケット芯材は本発明の樹
脂組成物からなり、ガスケットリップ材は軟質塩化ビニル樹脂からなっている。また、ガ
スケットリップ材は軟質塩化ビニル樹脂の2層からなっており、ガスケットリップ材とガ
スケット芯材が窓ガラスと接触し、シールして気密性を保ち、窓ガラスとの間から雨水等
が内部へ侵入するのを防いでいる。
【実施例】
【0040】
<使用材料>
各実施例、比較例に使用した原材料を以下に示す。
【0041】
(1)塩化ビニル系樹脂
塩素化塩化ビニル系樹脂:H−527(塩素含有量65.0%)鐘淵化学工業社製、平
均重合度700
【0042】
(2)リン酸系可塑剤
トリクレジルホスフェート、市販品
【0043】
(3)無機充填剤
無機充填剤A:タルク、中国産、平均粒径13μm、市販品
無機充填剤B:タルク、中国産、平均粒径3μm、市販品
無機充填剤C:炭酸カルシウム、日東粉化工業社製NS400N
無機充填剤D:水酸化アルミニウム、昭和電工社製ハイジライトH42S
【0044】
(4)その他
安定剤:バリウム−亜鉛系、市販品
顔料:酸化チタン、市販品
【0045】
(5)軟質塩化ビニル樹脂組成物
軟質塩化ビニル樹脂組成物A:塩化ビニル樹脂100質量部(重合度1700、市販品
)及びリン酸系可塑剤90質量部を含有するペレット
軟質塩化ビニル樹脂組成物B:塩化ビニル樹脂100質量部(重合度1300、市販品
)及びリン酸系可塑剤90質量部を含有するペレット
【0046】
<評価方法>
各実施例、比較例における試料の評価方法を以下に示す。
【0047】
(1)組成物の評価
a)引張降伏応力JIS K 7113、曲げ弾性率及び曲げ強さJIS K 7171、ビカット軟化点温度JIS K 7206に準拠して測定した。
【0048】
b)難燃性
乙種防火戸用発熱特性試験で評価した。500℃加熱炉中に試料を10分間設置し、着炎の有無を調べ、着炎したものは着炎時間を評価した。○:着炎なし
×:着炎あり
c)酸素指数
【0049】
JIS K7201に基づき評価した。
【0050】
(2)成形体の評価
a)変形
10mm×10mm×500mmの長さに切断した共押出成形体を70℃の雰囲気下で24時間加熱した後、変形及び反りについて外観の評価を行った。○:変形なし
×:変形あり
【0051】
b)収縮率
共押出成形体を500mmの長さに切断した後、70℃の雰囲気下で24時間加熱した。取り出し後、長さLを測定し、最初の長さ500mmで除して、収縮率=〔(500−L)/500×100〕%を算出した。○:収縮率0.1%超
×:収縮率0.1%以上
【0052】
<実施例1>
塩化ビニル系樹脂100質量部、リン酸系可塑剤1質量部、タルクA20質量部、安定
剤4質量部、及び顔料1質量部を、75リットルのヘンシェルミキサーに入れて攪拌混合
後、90mm単軸押出機(池貝鉄工社製)にて混練ペレット化を行い、樹脂組成物のペレ
ット15Kgを得た。得られた樹脂組成物の特性を表1に示す。
【0053】
得られた樹脂組成物のペレットを押出機Aで、軟質塩化ビニル系樹脂組成物Aのペレッ
トを押出機Bで、それぞれ押出し、ダイス温度170℃で共押出成形を行ってガスケット
を製造した。押出機A:65mm単軸押出機(池貝鉄工社製)
押出機B:40mm単軸押出機(プラスチック工学研究所社製)
【0054】
共押出成形体用のダイは2個の注入口を有するもので、2つの注入口から樹脂組成物と、軟質塩化ビニル系樹脂とを別々に注入する構造のものを使用した。
【0055】
得られた成形体の特性を表2に示す。
【0056】
<実施例2〜7、比較例1,2>
組成を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。評価結
果を表1に示す。
【0057】
更に、表2に示す軟質塩化ビニル系樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を
得た。評価結果を表2に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニル系樹脂100質量部、リン酸系可塑剤1〜30質量部、及び無機充填剤1〜50質量部を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記無機充填剤がタルクであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記塩化ビニル系樹脂の平均重合度が500以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記塩化ビニル系樹脂が塩素含有量60質量%以上の塩素化塩化ビニル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする成形体。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とするシール材。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を造粒してなることを特徴とするコンパウンド。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物と軟質塩化ビニル樹脂とを共押出成形することを特徴とする成形体の製造方法。

【公開番号】特開2008−150588(P2008−150588A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293945(P2007−293945)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】