説明

樹脂組成物

【課題】従来技術として被覆としてはウレア樹脂の記載はがあるが、シーリング材としては被覆材とは伸びの評価方法が異なる。このシーリング材として手塗りが可能なウレアウレタン組成物の提供である。
【解決手段】ポリオールとイソシアネート化合物からなる末端イソシアネートプレポリマーと芳香族アミンとを含む手塗り可能なウレアウレタン樹脂組成物で、10%硫酸水溶液40℃に30日浸漬後の重量増加率が1%以下、10%硫酸水溶液40℃に44日浸漬後のEPMAでの硫黄侵入深さが実質100μm以下、末端イソシアネートプレポリマーイソシアネート基に対して芳香族アミンのアミノ基の比を0.6〜1.1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐酸性目地シーリング材用樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の目地組成物は伸縮に応じて大きな伸びに対応でき、硬化は次工程との調整で短時間で硬化することが望まれる。1液湿気硬化型シーラントは伸縮には対応できるが、深部硬化までは時間を要し、工程管理及び品質維持の点で不安が残るものである。また、目地組成物の用途として耐酸性が要求される下水処理設備、下水道等があるが、コンクリート構造物の伸縮に追従でき、さらに硫化水素が発生し、耐酸性が要求される下水関連の目地に対応できるもので現場施工で塗付できるものはなかった。
【0003】
粉末状のメチルメタクリレート樹脂と、加熱時に該メチルメタクリレート樹脂を溶解膨潤せしめる液状の溶解膨潤剤と、室温湿気硬化性有機シリコーン化合物と、充填剤とからなる一液常温湿気硬化型組成物で、パテ状で使いやすく、硬化後の物性がゴム状で目地の動き振動に対応でき、被着材に取り付ける時垂直面にたいしても止着できることが開示されている。(特許文献1)
【0004】
(A)非共役ポリエンである末端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有し、かつ分子中に加水分解性シリル基を含有するシリル基含有エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム、および(B)硬化触媒として、式:QSn(OZ)、又は[QSn(OZ)]O(式中、Qは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、Zは炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は自己内部にSnに対して配位結合を形成し得る官能性基を有する有機基を表す。)で示される化合物を配合してなる硬化性組成物で硬化速度が速いことが開示されている。(特許文献2)
【0005】
主剤、硬化剤の2液混合型であり、少なくともエポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、シリル基末端ポリアルキレンオキサイド樹脂、シリル基末端ポリアルキレンオキサイド樹脂の硬化触媒からなる可撓性目地材であって、エポキシ樹脂の硬化剤が環状脂肪族アミンである耐酸性目地材であり、エポキシ樹脂とシリル基末端ポリアルキレンオキサイド樹脂の固形分配合重量比が1:20〜1:1である耐酸性目地材で目地材の耐酸性を高め、接着強さ及び伸びが満足できることが開示されている。(特許文献3)
【0006】
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分で構成された組成物であって、ポリオール成分が、分子量350以下のポリオールで構成された無溶剤型コーティング組成物で、ポリオール成分の粘度は25℃において500cps以下、C2−6アルキレングリコール、ポリイソシアネートの変性体又は誘導体で、コーティング組成物は、ヒドロキシル基を有していて、エポキシ基含有化合物(脂肪族ジオールグリシジルエーテルやヒドロキシル基を有する脂肪族ポリオールグリシジルエーテルなど)を含む組成物で環境に対する負荷が小さく、塗膜物性が優れ、かつ施行能率の高いウレタン系コーティング組成物となることが開示されている。(特許文献4)
【0007】
配合物のベース成分中のヒドロキシ末端ポリオキシアルキレンポリオールプレポリマー、及び活性剤成分中のイソシアネート末端ポリイソシアネートプレポリマーを使用して調製されるポリウレタンシーラントを提供する。シーラントの製造に使用されるプレポリマー成分を調製するのに使用されるポリオールのポリオキシアルキレン部分の約20質量%以下が約1600より大きいヒドロキシル当量を有することを特徴とするポリウレタンシーラントが低モジュラス、高い伸び、及び良好な塗料接着の性質を有することが開示されている。(特許文献5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平06−088006号公報
【特許文献2】特開2002−037957号公報
【特許文献3】特開2007−224092号公報
【特許文献4】特開2005−179535号公報
【特許文献5】特開2007−51295号公報
【特許文献6】特開2009−91414号公報
【特許文献7】特開昭63−202612号公報
【特許文献8】特開平6−271640号公報
【0009】
シリル基末端ポリアルキレンオキサイド樹脂にエポキシ樹脂を配合し、特定硬化剤を使用した特許文献3でも耐酸性と可撓性のバランスは採ることができず、下水用の目地に対して耐酸性は不十分であった。また、特許文献6で手塗りが可能なもので、ウレア樹脂組成硬化物は常態強度を有し、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性がよく、機械強度保持できることを開示しているが、シーリング材として使用できるものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする課題は、下水道に耐えうる耐酸、耐アルカリ性を有し、コンクリート構造物の伸縮に追従でき、鏝等の手作業塗付ができ、現場施工ができる目地シーリング材用樹脂組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、ポリオールとイソシアネート化合物からなる末端イソシアネートプレポリマーと芳香族アミンとを含む手塗り可能なウレアウレタン樹脂組成物あって、10%硫酸水溶液40℃に30日浸漬後の重量増加率が1%以下であることを特徴とする下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物で下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアルに準拠できる。
【0012】
請求項2の発明は、前記10%硫酸水溶液40℃に44日浸漬後のEPMAでの硫黄侵入深さが実質100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物で下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアルに準拠できる。
【0013】
請求項3の発明は、前記、末端イソシアネートプレポリマーイソシアネート基に対して芳香族アミンのアミノ基の比が0.6〜1.1であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物で耐酸性とシーリング材としての伸びが確保できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は手塗りが可能なウレアウレタン樹脂の組成物で10%硫酸水溶液40℃に30日浸漬後の重量増加率が1%以下であれば下水道のシーリング材として耐えうる特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特許文献6に記載の手塗り可能なウレアウレタン樹脂組成物は、剥落防止等に適応できる初期強度とその経時劣化を防ぐ、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を有するものである。しかし、用途は主に剥落防止であり、塗膜として強靱であることが求められるものてある。本願の下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物は下水道環境下で発生する硫酸に腐食耐性と周辺コンクリートの破壊をせずに目地としての機能を維持する必要があり、単に強靱であるのではなく、柔軟で耐酸性に優れ、コンクリートによるアルカリ性に耐えるものである。
【0016】
ウレアウレタン樹脂
本発明のウレアウレタン樹脂は下記末端イソシアネートプレポリマーと芳香族アミンを当量比で アミノ基:イソシアネート基=0.5〜1.0:1.0の範囲で配合されることがより好ましい。以下アミノ基/NCO基比と略す。
【0017】
末端イソシアネートプレポリマー
2官能、3官能のポリオールを混合したものと通常ポリウレタンエラストマー製造に使用されているポリイソシアネートとの反応によって得られる。
ポリオールの種類はポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ひまし油変性ポリオールなどが上げられ、いずれの種類のものでも範囲内の分子量のものであれば2種類以上混合して使用しても良い。
分子量1000〜4000、好ましくは分子量1500〜2500の2官能ポリオールと、分子量500〜3000好ましくは分子量700〜2000の3官能のポリオールを、2官能:3官能=60〜90:40〜10で配合し、2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と反応させ末端イソシアネートプレポリマーとする。前記ポリオールは2官能、3官能とも所定の分子量より小さいと増粘し、手塗作業を難しくし、また大きいと硬化までの時間を要することとなる。
【0018】
前記末端イソシアネートプレポリマーに用いるイソシアネート化合物は通常ポリウレタンエラストマー製造に使用されているイソシアネート化合物でよく、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、トリス(6−イソシアネートヘキシル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートの付加体、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)及びこれら2,4−TDIと2,6−TDIの混合物、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、キシレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジトルエン−4,4′−ジイソシアネート(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(TTI)等があげられる。また カルボジイミド変性MDIは末端イソシアネートプレポリマーの低温での保存安定性を向上させ、また、組成物の粘度を下げる効果があり、適宜配合する。カルボジイミド変性MDIの市販品としてルプラネートMM−103(BASFINOACポリウレタン(株)、商品名、カルボジイミド変性MDI、NCO含有率29〜30%)がある。末端イソシアネートプレポリマー合成時の低粘化し、作業性等を良くし一部配合することが好ましい。
【0019】
芳香族アミン
本発明に用いる芳香族アミンは、分子内に芳香環を有することを特徴とし、特に芳香環とアミノ基が直接結合しているアミンが可使時間を長くできるもので、特許文献7に記載されるアミノベンゾエート基を有する芳香族ポリアミンが上げられる。市販品にエラスマー1000P(イハラケミカル工業(株)、商品名)、VERSALINKP−1000(エアプロダクツジャパン(株)、商品名)、等がある。さらに特許文献8に示すポリアルキレンエーテル骨格を有するアミノベンゾエートの芳香族ポリアミンは結晶化し難く作業上好ましい。市販品にポレアSL100A(イハラケミカル工業(株)、商品名)がある。
【0020】
希釈剤
希釈剤は作業性とシーリング材としての伸び物性の改善に使用する。希釈剤としては本発明の使用目的の耐酸とコンクリートのアルカリに耐える必要があり、ウレアウレタン樹脂組成物として耐える希釈剤を選定する。アミノ基/NCO基比が0.5では耐酸性は高いが、伸びが小さく、この伸びを大きくするため多く配合する。
希釈剤としては、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系化合物、アジピン酸‐ジ‐イソノニルのアジピン酸エステル系化合物、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフサン等の溶剤が挙げられる。このうちジイソプロピルナフタレンは耐アルカリ性と可塑化効率が高い。
【0021】
その他添加剤
物性向上と作業性調整、塗材・接着剤の粘度調整、揺変性付与等のために充填剤を使用することがある。重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、硅砂、クレー、微粉末シリカなどが例として挙げられる。強度をあけ、発泡がし難い充填剤としてはクレー、タルク、水酸化アルミニウム等が好ましく、カップリング剤併用で強度を上げることができ、中でもエポキシシラン系のカップリング剤が好ましい。また、一般に用いられている消泡剤、接着助剤、老化防止剤、安定剤などの添加剤を必要に応じて含有使用することができる。なお、硬化を促進させる触媒としてはウレタン反応を促進する汎用の触媒を用いることができる。
【0022】
EPMA分析は電子線が照射されている微小領域の特性X線のスペクトルにより構成元素の検出及び同定と、各構成元素の比率(濃度)を分析する装置、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により、断面の表面からの硫黄をマッピングし、判断するが、組成物が侵食された硫黄か否かの判断として周囲と不連続ににマッピングされたものを実質硫黄侵入深さとする。日本下水道事業団の下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアルでは、この硫黄侵入深さは下水道のシーリング材としては100μm以下とされている。
【0023】
プレポリマー1
アデカポリエーテルP2000((株)ADEKA、商品名、分子量2000、2官能、水酸基価56)を80重量部、アデカポリエーテルG1500((株)ADEKA、商品名、ポリプロピレングリコール、分子量1500、3官能、水酸基価109)を20重量部混合し、ミリオネートMT(日本ポリウレタン(株)、商品名、4,4′−MDI、NCO含有率は33.6%)を64重量部加え60℃で3時間混合攪拌し、NCO%が10%であるプレポリマー1を合成した。
【0024】
プレポリマー2
プレポリマー1のミリオネートMT64重量部をミリオネートMT59重量部ルプラネートMM−103(BASFINOACポリウレタン(株)、商品名、カルボジイミド変性MDI、NCO%は29.5%)を6重量部に変えた以外プレポリマー1と同じく行い、NCO%が10%であるプレポリマー2を合成した。
【0025】
プレポリマー3
プレポリマー1のミリオネートMT64重量部を51重量部に変えた以外プレポリマー1と同じく行い、NCO%が8%であるプレポリマー3を合成した。
【0026】
プレポリマー4
プレポリマー1のミリオネートMT64重量部を40重量部に変えた以外プレポリマー1と同じく行い、NCO%が6%であるプレポリマー4を合成した。
【0027】
硬化剤1
ポレアSL100A(イハラケミカル工業(株)、商品名、アミン価90.6)52重量部、エラスマー1000P(イハラケミカル工業(株)、商品名、アミン価90.6)6重量部、KMC−113((株)クレハ、商品名、ジイソプロピルナフタレン、沸点300℃)を24重量部、R960(石原産業(株)、商品名、酸化チタン)6重量部、レオロシールPM−20L((株)トクヤマ、商品名、シリカ)12重量部を配合し、硬化剤1とした。
【0028】
硬化剤2
硬化剤1のポレアSL100Aを36重量部、エラスマー1000Pを4重量部、硬化触媒として、U−CATSA506(サンアプロ(株)、商品名、DBUのp−トルエンスルホン酸塩)を0.2重量部、AC−326F(共栄社化学(株)消泡剤)0.4重量部、KMC−113を14重量部、TOYOCLAY TC−600(東洋化成(株)、商品名、クレー、平均粒径:2.1μm)33重量部、R960を4重量部、PM−20Lを7重量部を配合し、硬化剤2とした。
【0029】
硬化剤3
硬化剤1のポレアSL100Aを43重量部、エラスマー1000Pを5重量部、硬化触媒としてU−CATSA506を0.2重量部、AC−326F(共栄社化学(株)消泡剤)0.4重量部、KMC−113を10重量部、TOYOCLAY TC−600を28重量部、R960 5重量部、PM−20Lを8重量部を配合し、硬化剤3とした。
【実施例1】
【0030】
プレポリマー3を100重量部と硬化剤1を50重量部として実施例1の樹脂組成物とした。
【実施例2】
【0031】
プレポリマー3を100重量部と硬化剤1を60重量部として実施例2の樹脂組成物とした。
【実施例3】
【0032】
プレポリマー3を100重量部と硬化剤1を70重量部として実施例3の樹脂組成物とした。
【実施例4】
【0033】
プレポリマー2を100重量部と硬化剤1を40重量部として実施例4の樹脂組成物とした。
【実施例5】
【0034】
プレポリマー1を100重量部と硬化剤1を50重量部として実施例5の樹脂組成物とした。
【実施例6】
【0035】
プレポリマー1を100重量部と硬化剤1を60重量部として実施例6の樹脂組成物とした。
【実施例7】
【0036】
プレポリマー3を100重量部と硬化剤2を33重量部として実施例7の樹脂組成物とした。
【実施例8】
【0037】
プレポリマー4を100重量部と硬化剤3を50重量部として実施例8の樹脂組成物とした。
【実施例9】
【0038】
プレポリマー4を100重量部と硬化剤3を67重量部として実施例9の樹脂組成物とした。
【0039】
比較例1
特許文献3記載の変成シリコーン樹脂配合としてjER828(ジャパンエポキシレジン(株)、商品名、ビスフェノールA型液状樹脂、エポキシ当量184〜194g/eq)7.5重量部、ネオスタンU−220(日東化成(株)、商品名、ジブチル錫系)1.6重量部、オクチル酸(東洋合成工業(株)、2−エチルヘキサン酸)1.6重量部、レオロシールPM−20L((株)トクヤマ、商品名、気相法シリカ)1.6重量部、JR−701(テイカ(株)、商品名、酸化チタン)1.6重量部、硅石粉(平均粒径23μm)を85.3重量部配合し、混合撹拌してA液とし、SAT350((株)カネカ、商品名、シリル末端ポリアルキレンオキサイド樹脂)を75重量部、アンカミン1770(エアープロダクツ社、商品名、1,2ジアミノシクロヘキサン)1.5重量部、レオロシールPM−20L70重量部、A−1100(OSiスペシャリティズ社、商品名、γ−アミノプロピルトリエトキシラン)20重量部、A−171(OSiスペシャリティズ社、商品名、ビニルトリメトキシシラン)10重量部、硅石粉(平均粒径23μm)12.5重量部を配合し、B液とし、A液とB液を1:2の重量比率で混合撹拌し、比較例1の目地材組成物とした。
【0040】
【表1】

【0041】
アミノ基比:目地組成物として 硬化剤中のアミノ基/プレポリマー中のイソシアネート基を求めた。
JIS A1439伸び率(%):JIS A1439に従い23℃にて測定した。
10%硫酸重量増加率:40℃10%硫酸水溶液に30日間浸漬した後、初期重量に対する重量増加率を測定した。
耐酸性:常温 10%硫酸水溶液中に60日間浸漬し、割れ、ふくれ、軟化、溶出がない場合を○、いずれか一つ以上あった場合×とした。
耐アルカリ性:常温 水酸化カルシウム飽和水溶液60日間浸漬し、割れ、ふくれ、軟化、溶出がない場合を○、いずれか一つ以上あった場合×とした。
硫黄侵入:40℃10%硫酸水溶液に44日間浸漬後断面をEPMA分析し、硫黄侵入が100μm以下を○、測定不能或いは超えるものを×とした。
引っ張り破断時伸び率:JIS K6251に従い、23℃ ダンベル状2号形試験辺にて破断時伸び率を求めた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールとイソシアネート化合物からなる末端イソシアネートプレポリマーと芳香族アミンとを含む手塗り可能なウレアウレタン樹脂組成物あって、10%硫酸水溶液40℃に30日浸漬後の重量増加率が1%以下であることを特徴とする下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
前記10%硫酸水溶液40℃に44日浸漬後のEPMAでの硫黄侵入深さが実質100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
前記、末端イソシアネートプレポリマーイソシアネート基に対して芳香族アミンのアミノ基の比が0.6〜1.1であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の下水道目地シーリング材用ウレアウレタン樹脂組成物。

【公開番号】特開2011−173939(P2011−173939A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36857(P2010−36857)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】