樹脂製のブシュによる軸受け構造
【課題】過大な荷重が支持軸に加わっても、ブシュの潰れ破損が生じない樹脂製のブシュによる軸受け構造を構成する。
【解決手段】掛止め縁13から円筒胴11に至って張出し鍔12までを開放する所定幅の切割り部15と、切割り部15の両側辺から円筒胴11の外周面に亘って円筒胴11の厚みを薄くする薄肉部16a,16bをブッシュ10a,10bに設けると共に、切割り部15の間隔内で通し穴14の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部7aを受け穴7の穴縁に設け、支持軸1に加わる荷重により、円筒胴11が薄肉部16a,16bで撓み変位し、通し穴14の内径面を受け穴14の穴縁と整合すると共に、支持軸1を突起部7aの突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けた。
【解決手段】掛止め縁13から円筒胴11に至って張出し鍔12までを開放する所定幅の切割り部15と、切割り部15の両側辺から円筒胴11の外周面に亘って円筒胴11の厚みを薄くする薄肉部16a,16bをブッシュ10a,10bに設けると共に、切割り部15の間隔内で通し穴14の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部7aを受け穴7の穴縁に設け、支持軸1に加わる荷重により、円筒胴11が薄肉部16a,16bで撓み変位し、通し穴14の内径面を受け穴14の穴縁と整合すると共に、支持軸1を突起部7aの突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のブシュを一方の構成部材に設けた受け穴の穴内に嵌込み装着し、他方の構成部材より突出する支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて支持軸を回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートにおいては、片軸端をバックサイドフレームの下寄りに固定した支持軸をバックサイドフレームより側方に突出し、該支持軸を左右の相対するアームレストフレームの基部寄りに設けた受け穴の穴内に挿通させて幅方向に掛け渡し、支持軸を支点に、アームレストをシートバックの側部に立付け収納し乃至はシートバックの側部より前方に倒出し可能に備え付けるものがある。
【0003】
そのアームレストを備えるに、支持軸を中心とする円弧状のガイド穴をアームレストフレームの板面に設け、アームレストの回転領域を規制するストッパピンを支持軸の突出位置から離れたバックサイドフレームの板面より側方に突出させてガイド穴の穴内に挿通し、更に、アームレストをシートバックの側部に立付け収納するに、ストッパピンと係合し乃至は離脱可能なフック状のロックカムをバックサイドフレームに設けることが提案されている。
【0004】
そのアームレストの構成中、ストッパピンには、ロックカムをストッパピンと円滑に係合し乃至は離脱し得るよう、金属製のブシュが軸線上に嵌込み装着されている。
【0005】
その金属製のブシュとしては、ストッパピンの軸線上に嵌り合う円筒部を主体に、張出し鍔部を円筒部の片筒端に設け、摩擦係数の低い樹脂コーテイングを円筒部の筒内面並びにアームレストフレームと相対する張出し鍔の鍔面に施したものが組み付けられている(特許文献1)。
【0006】
そのアームレストにおいては、ストッパピンの他に、支持軸を挿通する受け穴に、ブシュを嵌込み装着すると、アームレストの立付け収納し乃至は前方の倒出しを円滑に行えることから好ましい。
【0007】
上述した金属製のブシュをアームレストフレームの受け穴に嵌込み装着する場合、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わると、ブシュの樹脂コーテイングが摩滅してしまい易い。また、ブシュが金属製のものであるから、ブシュが受け穴より抜け外れないよう円筒部の筒端または支持軸の軸端をカシメ加工することが必要になって組み立てにも手間が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−287724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
金属製のブシュに代えて、樹脂製のブッシュであれば、簡単な構成により外止め可能なものに形成するようにできる。但し、樹脂製のブッシュをアームレストの支持軸を挿通する受け穴の穴内に嵌込み装着する場合、上述したと同様に、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わると、ブシュが潰れて破損してしまうおそれがある。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、車両用シートのアームレストを代表例として挙げると、樹脂製のブシュをバックサイドフレーム側に設けた受け穴の穴内に嵌込み装着し、アームレストの支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて軸受けするに、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わっても、ブシュの潰れ破損が生じない樹脂製のブシュによる軸受け構造を構成するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の請求項1に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記支持軸に加わる荷重により、ブッシュ全体が撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けたことを特徴とする。
【0012】
本願の請求項2に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌め合わす円筒胴を有し、該受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を円筒胴の片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を円筒胴の他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を該張出し鍔から円筒胴,掛止め縁の中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記掛止め縁から前記円筒胴に至って前記張出し鍔までを開放する所定幅の切割り部と、該切割り部の両側辺から前記円筒胴の外周面に亘って前記円筒胴の厚みを薄くする薄肉部を前記ブッシュに設けると共に、前記切割り部の間隔内で前記通し穴の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部を受け穴の穴縁に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記円筒胴が前記薄肉部で撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記突起部の突端面と整合すると共に、前記支持軸を前記突起部の突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0013】
本願の請求項3に係る発明は、前記請求項3に係る発明の構成に加えて、前記張出し鍔または掛止め縁を残し、前記円筒胴に至って開放する所定幅の切込み部を前記切割り部より離間させて設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0014】
本願の請求項4に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記ブシュの張出し鍔をベースに、前記通し穴の穴内に挿通する前記支持軸の軸部と相対する軸受け片を前記通し穴の穴縁より立ち上げて設けると共に、前記掛止め縁を軸受け片の先端側より連続させて設け、該軸受け片の立上り基部に相応させて抜き穴部を前記張出し鍔の外周寄り鍔面に形成し、前記通し穴の穴縁に至らない穴縁を有する前記ブッシュの受け穴と、前記受け穴の穴縁より軸受け片を受入れる切欠き部を前記一方の構成部材に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記軸受け片が前記抜き穴部で前記切欠き部の奥側に撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0015】
本願の請求項5に係る発明は、前記請求項4に係る発明の構成に加えて、前記軸受け片が前記抜き穴部で撓み変位するに、前記切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部を前記軸受け片の両側に設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項6に係る発明は、アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか一方に設ける受け穴の片穴縁回りで該一方の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該一方の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、前記アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか他方より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする車両用シートのアームレストにおいて、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂製ブシュによる軸受け構造を備えてなる特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る樹脂製のブシュによる軸受け構造並びに車両用シートのアームレストは、一方の構成部材(アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか一方)に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、他方の構成部材(前記アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか他方)より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを張出し鍔,掛止め縁で受け穴の穴内より抜外れないよう組み付けることを前提に構成されている。
【0018】
本願の請求項1に係る発明は、ブシュを一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌込み装着し、他方の構成部材より突出する支持軸をブッシュの通し穴に挿通させて回転可能に軸受けするもので、支持軸に加わる荷重により、ブッシュ全体が撓み変位し、通し穴の内径面を受け穴の穴縁と整合すると共に、支持軸を受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けることにより、樹脂製のブッシュによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0019】
本願の請求項2に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌め合わす円筒胴を有し、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を張出し鍔から円筒胴,掛止め縁の中央に設けた樹脂製のブシュを備え、ブシュを受け穴の穴内に嵌込み装着し、支持軸をブシュの通し穴に挿通させて回転可能に軸受けするもので、掛止め縁から円筒胴に至って張出し鍔までを開放する所定幅の切割り部と、切割り部の両側辺から円筒胴の外周面に亘って円筒胴の厚みを薄くする薄肉部をブシュに設けると共に、切割り部の間隔内で通し穴の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部を受け穴の穴縁に設け、支持軸に加わる荷重により、円筒胴が前記薄肉部で撓み変位し、通し穴の内径面を突起部の突端面と整合すると共に、支持軸を突起部の突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けることにより、樹脂製のブッシュによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。また、切り割部,薄肉部による撓み部分を設けることにより、ブシュ全体を撓ませて受け穴の穴内に容易に組み付けられ、更に、切り割部が突起部に相対していることから、ブシュを受け穴の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を容易に決められる。
【0020】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明の構成に加えて、張出し鍔または掛止め縁を残し、円筒胴に至って開放する所定幅の切込み部を切割り部より離間させて設けた樹脂製のブシュを組み付けることにより、円筒胴が薄肉部で撓み変位するに伴って、ブシュ全体が切込み部で追従変形するのを許容し、薄肉部による撓み変位を助長できると共に、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう確実に組み立てられる。
【0021】
本願の請求項4に係る発明は、ブシュの張出し鍔をベースに、通し穴の穴内に挿通する支持軸の軸部と相対する軸受け片を通し穴の穴縁より立ち上げて設けると共に、軸受け片の立上り基部に相応させて抜き穴部を張出し鍔の外周寄り鍔面に形成し、一方、通し穴の穴縁に至らない穴縁を有するブッシュの受け穴と、受け穴の穴縁より軸受け片を受入れる切欠き部を設け、支持軸に加わる荷重により、軸受け片が抜き穴部で切欠き部の奥側に撓み変位し、通し穴の内径面を受け穴の穴縁と整合すると共に、支持軸を受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けることにより、樹脂製のブッシュによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。また、軸受け片による撓み部分を設けることにより、ブシュ全体を撓ませて受け穴の穴内に容易に組み付けられ、更に、軸受け片が切欠き部に相対していることから、ブシュを受け穴の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を容易に決められる。
【0022】
本願の請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の構成に加えて、軸受け片が抜き穴部で撓み変位するに、切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部を軸受け片の両側に設けた樹脂製のブシュを組み付けることにより、軸受け片をガイド翼部で安定よく抜き穴部に撓み変位させるよう組み立てられる。
【0023】
本願の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂製ブシュによる軸受け構造を備えて車両用シートのアームレストを構成することから、樹脂製のブシュをバックサイドフレーム側に設けた受け穴の穴内に嵌込み装着し、アームレストの支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて軸受けするに、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わっても、ブシュの潰れ破損が生じないよう構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る樹脂製ブシュによる軸受け構造で組み立てた車両用シートのアームレストをフレーム構造で示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の樹脂製ブシュによる軸受け構造を部材毎に展開させて示す斜視図である。
【図3a】図3aは、図2の樹脂製ブシュを示す正面図である。
【図3b】図3bは、図3aの樹脂製ブッシュを示す断面図である。
【図4】図4は、図3bのブシュを嵌め合わす受け穴を示す正面図である。
【図5】図5は、図1の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す断面図である。
【図6】図6は、図5の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す斜視図である。
【図7a】図7aは、図5の樹脂製ブシュによる軸受け構造を主要部で示す説明図である。
【図7b】図7bは、図7aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図8a】図8aは、図7aの樹脂製ブシュによる軸受け構造の第1変形例を示す説明図である。
【図8b】図8bは、図8aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図9a】図9aは、図7aの樹脂製ブシュによる軸受け構造の第2変形例を示す説明図である。
【図9b】図9bは、図9aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態に係る樹脂製ブシュによる軸受け構造で組み立てた車両用シートのアームレストをフレーム構造で示す斜視図である。
【図11】図11は、図10の樹脂製ブシュによる軸受け構造を部材毎に展開させて示す斜視図である。
【図12a】図12aは、図11の樹脂製ブシュを示す正面図である。
【図12b】図12bは、図12aの樹脂製ブッシュを示す側面図である。
【図12c】図12cは、図12aの樹脂製ブッシュを示す断面図である。
【図13】図4は、図12cのブシュを嵌め合わす受け穴を示す正面図である。
【図14】図14は、図12cの樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す断面図である。
【図15】図5は、図14の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す斜視図である。
【図16a】図16aは、図12aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を主要部で示す説明図である。
【図16b】図16bは、図16aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図17】図17は、図12aの樹脂製ブシュの変形例を示す正面図である。
【図18】図18は、図17のブシュを嵌め合わす受け穴を示す正面図である。
【図19a】図19aは、図17の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す説明図である。
【図19b】図19bは、図19aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図示実施の形態は、車両用シートのアームレストを樹脂製のブシュによる軸受け構造で組み立てるに適用されている。具体的には、図1で示すように両軸端を側方に突出する支持軸1を左右の相対するアームレストフレーム2a,2bの間に掛渡し固定し、後述するブシュの受け穴(符号なし)をシートバックの片側部に位置するバックサイドフレーム3a,3bのブラケットプレート4a,4bに設け、アームレストをシートバックの側部に立付け収納し乃至はシートバックの側部より前方に倒出し可能に備え付けるに適用されている。
【0026】
そのアームレストは、支持軸1を中心とする円弧状のガイド穴5a,5bをブラケットプレート4a,4bの板面に設け、アームレストの回転領域を規制するストッパ軸6を支持軸1と離れたアームレストフレーム2a,2bの板面より側方に突出させてガイド穴5a,5bの穴内に挿通することにより、シートバックの側部に立付け収納位置乃至はシートバックの側部より前方に倒出し位置に配置可能に構成されている。
【0027】
上述した構成中、図1と共に、図2で示す(片側のみ図示)ようにブシュの受け穴7をブラケットプレート4a,4bの板面に設け、第1の実施の形態に係る樹脂製のブシュ10a,10bを受け穴7の穴内に嵌込み装着することにより、樹脂製のブシュによる支持軸1の軸受け構造が組み立てられている。ブシュ10a,10bとしては、ポリアセタール,ナイロン,ポリプロピレン等から樹脂成形したものが組み付けられる。
【0028】
第1の実施の形態に係る樹脂製のブッシュ10a,10b(以下、符号「10a」に基づいて説明する。)は、図3a,図3bで示すように受け穴7(図2参照)の穴内に嵌り合う円筒胴11と、円筒胴11の片端部に位置する張出し鍔12と、円筒胴11の他端部に位置する掛止め縁13と、張出し鍔12から円筒胴11,掛止め縁13の中央に至る円形の通し穴14とを備えて形成されている。このうち、張出し鍔部12は円板状に、掛止め縁13は断面略直角三角形を呈するよう形成されている。
【0029】
そのブシュ10aにおいては、掛止め縁13から円筒胴11に至って張出し鍔12までを開放する所定幅の切割り部15と、切割り部15の両側辺から円筒胴11の外周面に亘って円筒胴1の厚みを薄く(図3a中,符号a<b参照)する薄肉部16a,16bが設けられている。切割り部15は、外周面から内径面に至って狭幅になるハの字状を呈するよう形成すればよい。薄肉部16a,16bは、円筒胴11の略中腹辺に亘るよう形成すればよい。
【0030】
そのブシュ10aに対し、図4で示すように切割り部15(図3a参照)の間隔内で通し穴14の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部7aが受け穴7の穴縁に設けられている。この突起部7aの立上りはブシュ10aに設けた薄肉部11a,11bの厚みに略相応する程度でよく、突端面は支持軸1(図1参照)の円周面に略相応する円弧状に形成するとよい。
【0031】
その突起部7aは、後述するように支持軸1に加わる荷重を受けるよう設けられている。この支持軸1に加わる荷重は、上述したアームレストの回転領域を規制するストッパ軸6を支持軸1と離れたアームレストフレーム2aの板面より側方に突出させてガイド穴5aの穴内に挿通するという構造から(図1参照)、ブシュ10aに対して下方向きに作用する。このため、突起部7aは受け穴7の穴下縁に設けられている。
【0032】
ブシュ10aは、図5,図6で示すように円筒胴11を受け穴7の穴内に嵌め合わせ、張出し鍔12を受け穴7の片穴縁回りでブラケットプレート4aの板面にあてがい、掛止め縁13を受け穴7の他穴縁回りでブラケットプレート4aの板面に係止し、支持軸1を通し穴14に挿通することにより、受け穴7より抜け外れないようブラケットプレート4aに組み付けられる。このブシュ10aの組付けにあたり、ブシュ全体を切割り部15で小さく窄めることから、掛止め縁13より受け穴7の穴内に容易に嵌め込むようにできる。また、切り割部15が突起部7aに相対していることから、ブシュ10aを受け穴7の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を決められる。
【0033】
そのブシュ10aの組付け状態では、図7aで示すように突起部7aが切割り部15の間隔内で通し穴14の内径面まで至らないよう位置する。
【0034】
一方、図7bで示すように支持軸1に加わる荷重(下向きの直線矢印方向)がブシュ10aに作用すると、ブシュ10aが通し穴14の内径面を突起部7aの突端面と整合すると共に、支持軸1を突起部7aの突端面で受け止めさせるよう切割り部15で撓み変位する。これにより、樹脂製のブッシュ10aによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュ10aの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0035】
荷重がアームレストの支持軸1より解除されると、円筒胴11が薄肉部16a,16bでバネ復元することから、図7aで示すのと同様に、支持軸1を円筒胴11の通し穴14で受け止められる。
【0036】
第1の実施の形態においては、図8aで示すように掛止め縁13を残し、張出し鍔12から円筒胴11までを開放する切込み部17を切割り部15の反対側に離間させて一つ設けるようにできる。図示実施の形態では、切込み部17を張出し鍔12より円筒胴11までに設けたが、これを掛止め縁13より円筒胴11までに設けるようにもできる。
【0037】
その切込み部7bを設ける場合、図8bで示すように円筒胴11が薄肉部16a,16bで撓み変位するに伴って、ブシュ全体が切込み部17で追従変形するのを許容し(上向きの円弧矢印方向)、薄肉部16a,16bによる円筒胴11の撓み変位を助長できると共に、当該ブシュ10aの潰れ破損が生じないよう確実に組み立てられる。
【0038】
切込み部は、図9aで示すように切割り部15を介して略120°間隔毎に二つ17a,17b設けてもよい。この場合にも、図9bで示すように薄肉部16a,16bによる円筒胴11の撓み変位に伴って、ブシュ全体が切込み部17a,17bで追従変形するのを許容し得る(上向きの円弧矢印方向)。
【0039】
上述した第1の実施の形態に係る樹脂製のブシュ10a,10bに代えて、図10,図11で示すように第2の実施の形態に係る樹脂製のブシュ20a,20bを組み付けることにより、アームレストをシートバックに取り付けるようにできる。このアームレストの取付け構成中、図1,図2で示すと同じ構成部材は共通の符号で示し、当該部材の詳細な説明は省略する。
【0040】
その樹脂製のブシュ20a,20b(以下、「符号20a」に基づいて説明する。)は、図12a〜図12cで示すように支持軸1(図10参照)の軸部を挿通する円形の通し穴21を鍔面中央に開口した張出し鍔22をベースに、三つの軸受け片23a〜23cを通し穴21の穴回り定間隔毎に備えて形成されている。このブシュ20a,20bも、ブシュ全体がポリアセタール,ナイロン等から樹脂成形されている。
【0041】
軸受け片23a〜23cは、通し穴21の穴内に挿通する支持軸1の軸部と相対し、通し穴21の穴縁と面一に保って起立するよう通し穴21の穴周りに所定の間隔を隔てて設けられている。軸受け片23a〜23cは、張出し鍔22の鍔面側に向かって斜め外方に伸びる掛止め縁24a〜24cを突端側より連続させて形成されている。掛止め縁24a〜24cは、段部を先端側に設けることにより逆さ爪状の係止片として形成されている。
【0042】
張出し鍔22には、軸受け片23a〜23cの起立基部に相応させて抜き穴部25a〜25cが外周寄りの鍔面に設けられている。軸受け片23a〜23cの両側には、後述する受け穴70に設ける切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部26a,26b〜28a,28bが設けられている。
【0043】
受け穴70は、ブラケットプレート4a,4bの板面に形成されている。その受け穴70の穴縁は、図13で示すように円形状を呈し、穴縁より板面に向かう凹状の切欠き部71a〜71cを各軸受け片23a〜23cの間隔と相応させて受け穴70の穴回りに設けることにより形成されている。切欠き部71a〜71cは、軸受け片23a〜23cを奥行き方向に向けて撓み変位可能に形成されている。
【0044】
受け穴70は、図14で示すようにブシュ20aの支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りが穴内にはみ出さない程度の径を有するものに形成されている。具体的には、支持軸1の径ψ1<通し穴21の径ψ2<受け穴70の径ψ3に設定されている。
【0045】
受け穴70の切欠き部71a〜71cは、各軸受け片23a〜23cのガイド部26a,26b〜28a,28bを含めて受け入れると共に、掛止め縁24a〜24cを段付きの係止片で奥側縁と係合可能な奥行きを持って形成されている。
【0046】
ブシュ2は、図14,図15で示すように張出し鍔22をブラケットプレート4aの片面側にあてがい、軸受け片23a〜23cを受け穴70の切欠き部71a〜71cよりブラケットプレート4aの他面側に突出させて掛止め縁24a〜24cを切欠き部71a〜71cの奥側縁に係止片で係合することにより受け孔70の穴内に嵌込み装着する。支持軸1は、張出し鍔22の通し穴21から軸受け片23a〜23cの相対間に挿通させてブシュ2で軸受けするよう組み付ける。
【0047】
第2の実施の形態に係るブシュ20a,20bによる軸受け構造は、通常状態では、図16aで示すように支持軸1を通し穴21の穴回り並びに各軸受け片23a〜23cで受け止めることにより、アームレストを支持軸1で円滑に回転可能に組み付けられている。
【0048】
アームレストがシートバックの側部より前方に倒し出され、ストッパ軸6がガイド穴5aの穴上縁に当接した状態にあって、過大な荷重がアームレストの支持軸1に加わると、図16bで示すように支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23b,23cが支持軸1で下方に押されて抜き穴部25b,25cで撓み変位する(矢印方向)ことから、支持軸1を軸受け穴70の穴縁で受け止められる。
【0049】
これにより、第2の実施の形態に係るブッシュ20a,20bによる支持軸1の軸受けであっても、当該ブシュ20a,20bの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0050】
それに加えて、軸受け片23a〜23cを受け穴70の切欠き部71a〜71cより突出させて掛止め縁24a〜24cを切欠き部71a〜71cの奥側縁に係合することから、ブシュ20a,20bの中心を受け穴70の穴中心に合わせられると共に、ブシュ20a,20bが受け穴70の穴内より抜外れ脱落するのも防げるよう組み立てられる。また、軸受け片23a〜23cによる撓み部分を設けることにより、ブシュ全体を撓ませて受け穴70の穴内に容易に組み付けられ、更に、軸受け片23a〜23cが切欠き部71a〜71cに相対していることから、ブシュ20a,20bを受け穴70の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を容易に決められる。
【0051】
支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23b,23cが抜き穴部25b,25cで撓み変位するに、軸受け片23b,23cの両側に設けられたガイド翼部27a,27b、28a,28bが切欠き部71b,71cの両側縁に沿って摺接動する。これにより、支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23b,23cが抜き穴部25b、25cで撓み変位するのをガイド翼部27a,27b、28a,28bで誘導できる。
【0052】
荷重がアームレストの支持軸1より解除されると、切欠き部71b,71cの奥側縁で押えられて軸受け片23b,23cに向け撓んだ状態の掛止め縁24b,24cがバネ復元することから、図16aで示すのと同様に、支持軸1を通し穴21の穴回り並びに各軸受け片23a〜23cで受け止められる。
【0053】
軸受け片から掛止め縁は、図17で示すように左右に二つ23a,23b、24a,24bを設け、または、略90°間隔を隔てて斜め上下に位置するように四つ(図示せず)設けるようにもできる。この場合には、図18で示すように軸受け片から掛止め縁に相応する数の切欠き部71a,71bを受け穴70の穴周りに設ければよい。
【0054】
この場合にも、通常状態では、図19aで示すように支持軸1を通し穴21の穴回り並びに各軸受け片23a,23bで受け止めることにより、アームレストを支持軸1で円滑に回転可能に組み付けられている。
【0055】
過大な荷重がアームレストの支持軸1に加わると、図19bで示すように支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23a,23bが支持軸1で下方に押されて抜き穴部25a,25bで撓み変位する(矢印方向)ことから、支持軸1を軸受け穴70の穴縁で受け止められる。これにより、変形例に係るブッシュ20a,20bによる支持軸1の軸受けであっても、当該ブシュ20a,20bの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0056】
上述した実施の形態では、支持軸をアームレストフレームに固定し、受け穴をブラケットプレートの板面に設ける場合で説明したが、これとは逆に、支持軸をブラケットプレートの板面より側方に突出させて固定し、受け穴をアームレストフレームの板面に設ける場合にも適用できる。
【0057】
上述したブシュによる軸受け構造は、アームレストの支持軸に適用する場合で説明したが、シートクッションの後部側を車体フロアに設置されるベースブラケットで軸承装着する場合、自動車用シートの高さ調整装置におけるリンクバーを軸承装着する場合等にも適用できる。
【0058】
車両関係ばかりでなく、構成部材の支持軸を備えると共に、樹脂製のブシュを軸受け穴の穴内に嵌め込み装着し、支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて軸受けするような各種機構にも適用できる。この各種機構を含め、支持軸に加わる荷重がブシュに対して上方向きに作用するような場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 支持軸
2a,2b アームレストフレーム側
3a,3b(4a,4b) バックサイドフレーム側
10a,10b ブシュ(第1実施の形態)
11 円筒胴
12 張出し鍔
13 掛止め縁
14 通し穴
15 切割り部
16a,16b 薄肉部
17、17a,17b 切込み部
7 受け穴
7a 突起部
20a,20b ブシュ(第2実施の形態)
21 通し穴
22 張出し鍔
23a〜23b 軸受け片
24a〜24c 掛止め縁
25a〜25c 抜き穴部
26a、26b〜28a,28b ガイド翼部
70 通し穴
71a〜71c 切欠き部
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のブシュを一方の構成部材に設けた受け穴の穴内に嵌込み装着し、他方の構成部材より突出する支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて支持軸を回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートにおいては、片軸端をバックサイドフレームの下寄りに固定した支持軸をバックサイドフレームより側方に突出し、該支持軸を左右の相対するアームレストフレームの基部寄りに設けた受け穴の穴内に挿通させて幅方向に掛け渡し、支持軸を支点に、アームレストをシートバックの側部に立付け収納し乃至はシートバックの側部より前方に倒出し可能に備え付けるものがある。
【0003】
そのアームレストを備えるに、支持軸を中心とする円弧状のガイド穴をアームレストフレームの板面に設け、アームレストの回転領域を規制するストッパピンを支持軸の突出位置から離れたバックサイドフレームの板面より側方に突出させてガイド穴の穴内に挿通し、更に、アームレストをシートバックの側部に立付け収納するに、ストッパピンと係合し乃至は離脱可能なフック状のロックカムをバックサイドフレームに設けることが提案されている。
【0004】
そのアームレストの構成中、ストッパピンには、ロックカムをストッパピンと円滑に係合し乃至は離脱し得るよう、金属製のブシュが軸線上に嵌込み装着されている。
【0005】
その金属製のブシュとしては、ストッパピンの軸線上に嵌り合う円筒部を主体に、張出し鍔部を円筒部の片筒端に設け、摩擦係数の低い樹脂コーテイングを円筒部の筒内面並びにアームレストフレームと相対する張出し鍔の鍔面に施したものが組み付けられている(特許文献1)。
【0006】
そのアームレストにおいては、ストッパピンの他に、支持軸を挿通する受け穴に、ブシュを嵌込み装着すると、アームレストの立付け収納し乃至は前方の倒出しを円滑に行えることから好ましい。
【0007】
上述した金属製のブシュをアームレストフレームの受け穴に嵌込み装着する場合、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わると、ブシュの樹脂コーテイングが摩滅してしまい易い。また、ブシュが金属製のものであるから、ブシュが受け穴より抜け外れないよう円筒部の筒端または支持軸の軸端をカシメ加工することが必要になって組み立てにも手間が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−287724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
金属製のブシュに代えて、樹脂製のブッシュであれば、簡単な構成により外止め可能なものに形成するようにできる。但し、樹脂製のブッシュをアームレストの支持軸を挿通する受け穴の穴内に嵌込み装着する場合、上述したと同様に、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わると、ブシュが潰れて破損してしまうおそれがある。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、車両用シートのアームレストを代表例として挙げると、樹脂製のブシュをバックサイドフレーム側に設けた受け穴の穴内に嵌込み装着し、アームレストの支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて軸受けするに、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わっても、ブシュの潰れ破損が生じない樹脂製のブシュによる軸受け構造を構成するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の請求項1に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記支持軸に加わる荷重により、ブッシュ全体が撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けたことを特徴とする。
【0012】
本願の請求項2に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌め合わす円筒胴を有し、該受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を円筒胴の片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を円筒胴の他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を該張出し鍔から円筒胴,掛止め縁の中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記掛止め縁から前記円筒胴に至って前記張出し鍔までを開放する所定幅の切割り部と、該切割り部の両側辺から前記円筒胴の外周面に亘って前記円筒胴の厚みを薄くする薄肉部を前記ブッシュに設けると共に、前記切割り部の間隔内で前記通し穴の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部を受け穴の穴縁に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記円筒胴が前記薄肉部で撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記突起部の突端面と整合すると共に、前記支持軸を前記突起部の突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0013】
本願の請求項3に係る発明は、前記請求項3に係る発明の構成に加えて、前記張出し鍔または掛止め縁を残し、前記円筒胴に至って開放する所定幅の切込み部を前記切割り部より離間させて設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0014】
本願の請求項4に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記ブシュの張出し鍔をベースに、前記通し穴の穴内に挿通する前記支持軸の軸部と相対する軸受け片を前記通し穴の穴縁より立ち上げて設けると共に、前記掛止め縁を軸受け片の先端側より連続させて設け、該軸受け片の立上り基部に相応させて抜き穴部を前記張出し鍔の外周寄り鍔面に形成し、前記通し穴の穴縁に至らない穴縁を有する前記ブッシュの受け穴と、前記受け穴の穴縁より軸受け片を受入れる切欠き部を前記一方の構成部材に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記軸受け片が前記抜き穴部で前記切欠き部の奥側に撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0015】
本願の請求項5に係る発明は、前記請求項4に係る発明の構成に加えて、前記軸受け片が前記抜き穴部で撓み変位するに、前記切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部を前記軸受け片の両側に設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項6に係る発明は、アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか一方に設ける受け穴の片穴縁回りで該一方の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該一方の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、前記アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか他方より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする車両用シートのアームレストにおいて、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂製ブシュによる軸受け構造を備えてなる特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る樹脂製のブシュによる軸受け構造並びに車両用シートのアームレストは、一方の構成部材(アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか一方)に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、他方の構成部材(前記アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか他方)より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを張出し鍔,掛止め縁で受け穴の穴内より抜外れないよう組み付けることを前提に構成されている。
【0018】
本願の請求項1に係る発明は、ブシュを一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌込み装着し、他方の構成部材より突出する支持軸をブッシュの通し穴に挿通させて回転可能に軸受けするもので、支持軸に加わる荷重により、ブッシュ全体が撓み変位し、通し穴の内径面を受け穴の穴縁と整合すると共に、支持軸を受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けることにより、樹脂製のブッシュによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0019】
本願の請求項2に係る発明は、一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌め合わす円筒胴を有し、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を張出し鍔から円筒胴,掛止め縁の中央に設けた樹脂製のブシュを備え、ブシュを受け穴の穴内に嵌込み装着し、支持軸をブシュの通し穴に挿通させて回転可能に軸受けするもので、掛止め縁から円筒胴に至って張出し鍔までを開放する所定幅の切割り部と、切割り部の両側辺から円筒胴の外周面に亘って円筒胴の厚みを薄くする薄肉部をブシュに設けると共に、切割り部の間隔内で通し穴の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部を受け穴の穴縁に設け、支持軸に加わる荷重により、円筒胴が前記薄肉部で撓み変位し、通し穴の内径面を突起部の突端面と整合すると共に、支持軸を突起部の突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けることにより、樹脂製のブッシュによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。また、切り割部,薄肉部による撓み部分を設けることにより、ブシュ全体を撓ませて受け穴の穴内に容易に組み付けられ、更に、切り割部が突起部に相対していることから、ブシュを受け穴の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を容易に決められる。
【0020】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明の構成に加えて、張出し鍔または掛止め縁を残し、円筒胴に至って開放する所定幅の切込み部を切割り部より離間させて設けた樹脂製のブシュを組み付けることにより、円筒胴が薄肉部で撓み変位するに伴って、ブシュ全体が切込み部で追従変形するのを許容し、薄肉部による撓み変位を助長できると共に、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう確実に組み立てられる。
【0021】
本願の請求項4に係る発明は、ブシュの張出し鍔をベースに、通し穴の穴内に挿通する支持軸の軸部と相対する軸受け片を通し穴の穴縁より立ち上げて設けると共に、軸受け片の立上り基部に相応させて抜き穴部を張出し鍔の外周寄り鍔面に形成し、一方、通し穴の穴縁に至らない穴縁を有するブッシュの受け穴と、受け穴の穴縁より軸受け片を受入れる切欠き部を設け、支持軸に加わる荷重により、軸受け片が抜き穴部で切欠き部の奥側に撓み変位し、通し穴の内径面を受け穴の穴縁と整合すると共に、支持軸を受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けることにより、樹脂製のブッシュによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。また、軸受け片による撓み部分を設けることにより、ブシュ全体を撓ませて受け穴の穴内に容易に組み付けられ、更に、軸受け片が切欠き部に相対していることから、ブシュを受け穴の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を容易に決められる。
【0022】
本願の請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の構成に加えて、軸受け片が抜き穴部で撓み変位するに、切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部を軸受け片の両側に設けた樹脂製のブシュを組み付けることにより、軸受け片をガイド翼部で安定よく抜き穴部に撓み変位させるよう組み立てられる。
【0023】
本願の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂製ブシュによる軸受け構造を備えて車両用シートのアームレストを構成することから、樹脂製のブシュをバックサイドフレーム側に設けた受け穴の穴内に嵌込み装着し、アームレストの支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて軸受けするに、アームレストの使用状態で過大な荷重がアームレストの支持軸に加わっても、ブシュの潰れ破損が生じないよう構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る樹脂製ブシュによる軸受け構造で組み立てた車両用シートのアームレストをフレーム構造で示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の樹脂製ブシュによる軸受け構造を部材毎に展開させて示す斜視図である。
【図3a】図3aは、図2の樹脂製ブシュを示す正面図である。
【図3b】図3bは、図3aの樹脂製ブッシュを示す断面図である。
【図4】図4は、図3bのブシュを嵌め合わす受け穴を示す正面図である。
【図5】図5は、図1の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す断面図である。
【図6】図6は、図5の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す斜視図である。
【図7a】図7aは、図5の樹脂製ブシュによる軸受け構造を主要部で示す説明図である。
【図7b】図7bは、図7aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図8a】図8aは、図7aの樹脂製ブシュによる軸受け構造の第1変形例を示す説明図である。
【図8b】図8bは、図8aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図9a】図9aは、図7aの樹脂製ブシュによる軸受け構造の第2変形例を示す説明図である。
【図9b】図9bは、図9aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態に係る樹脂製ブシュによる軸受け構造で組み立てた車両用シートのアームレストをフレーム構造で示す斜視図である。
【図11】図11は、図10の樹脂製ブシュによる軸受け構造を部材毎に展開させて示す斜視図である。
【図12a】図12aは、図11の樹脂製ブシュを示す正面図である。
【図12b】図12bは、図12aの樹脂製ブッシュを示す側面図である。
【図12c】図12cは、図12aの樹脂製ブッシュを示す断面図である。
【図13】図4は、図12cのブシュを嵌め合わす受け穴を示す正面図である。
【図14】図14は、図12cの樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す断面図である。
【図15】図5は、図14の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す斜視図である。
【図16a】図16aは、図12aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を主要部で示す説明図である。
【図16b】図16bは、図16aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【図17】図17は、図12aの樹脂製ブシュの変形例を示す正面図である。
【図18】図18は、図17のブシュを嵌め合わす受け穴を示す正面図である。
【図19a】図19aは、図17の樹脂製ブシュによる軸受け構造を示す説明図である。
【図19b】図19bは、図19aの樹脂製ブシュによる軸受け構造を荷重の負荷状態で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図示実施の形態は、車両用シートのアームレストを樹脂製のブシュによる軸受け構造で組み立てるに適用されている。具体的には、図1で示すように両軸端を側方に突出する支持軸1を左右の相対するアームレストフレーム2a,2bの間に掛渡し固定し、後述するブシュの受け穴(符号なし)をシートバックの片側部に位置するバックサイドフレーム3a,3bのブラケットプレート4a,4bに設け、アームレストをシートバックの側部に立付け収納し乃至はシートバックの側部より前方に倒出し可能に備え付けるに適用されている。
【0026】
そのアームレストは、支持軸1を中心とする円弧状のガイド穴5a,5bをブラケットプレート4a,4bの板面に設け、アームレストの回転領域を規制するストッパ軸6を支持軸1と離れたアームレストフレーム2a,2bの板面より側方に突出させてガイド穴5a,5bの穴内に挿通することにより、シートバックの側部に立付け収納位置乃至はシートバックの側部より前方に倒出し位置に配置可能に構成されている。
【0027】
上述した構成中、図1と共に、図2で示す(片側のみ図示)ようにブシュの受け穴7をブラケットプレート4a,4bの板面に設け、第1の実施の形態に係る樹脂製のブシュ10a,10bを受け穴7の穴内に嵌込み装着することにより、樹脂製のブシュによる支持軸1の軸受け構造が組み立てられている。ブシュ10a,10bとしては、ポリアセタール,ナイロン,ポリプロピレン等から樹脂成形したものが組み付けられる。
【0028】
第1の実施の形態に係る樹脂製のブッシュ10a,10b(以下、符号「10a」に基づいて説明する。)は、図3a,図3bで示すように受け穴7(図2参照)の穴内に嵌り合う円筒胴11と、円筒胴11の片端部に位置する張出し鍔12と、円筒胴11の他端部に位置する掛止め縁13と、張出し鍔12から円筒胴11,掛止め縁13の中央に至る円形の通し穴14とを備えて形成されている。このうち、張出し鍔部12は円板状に、掛止め縁13は断面略直角三角形を呈するよう形成されている。
【0029】
そのブシュ10aにおいては、掛止め縁13から円筒胴11に至って張出し鍔12までを開放する所定幅の切割り部15と、切割り部15の両側辺から円筒胴11の外周面に亘って円筒胴1の厚みを薄く(図3a中,符号a<b参照)する薄肉部16a,16bが設けられている。切割り部15は、外周面から内径面に至って狭幅になるハの字状を呈するよう形成すればよい。薄肉部16a,16bは、円筒胴11の略中腹辺に亘るよう形成すればよい。
【0030】
そのブシュ10aに対し、図4で示すように切割り部15(図3a参照)の間隔内で通し穴14の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部7aが受け穴7の穴縁に設けられている。この突起部7aの立上りはブシュ10aに設けた薄肉部11a,11bの厚みに略相応する程度でよく、突端面は支持軸1(図1参照)の円周面に略相応する円弧状に形成するとよい。
【0031】
その突起部7aは、後述するように支持軸1に加わる荷重を受けるよう設けられている。この支持軸1に加わる荷重は、上述したアームレストの回転領域を規制するストッパ軸6を支持軸1と離れたアームレストフレーム2aの板面より側方に突出させてガイド穴5aの穴内に挿通するという構造から(図1参照)、ブシュ10aに対して下方向きに作用する。このため、突起部7aは受け穴7の穴下縁に設けられている。
【0032】
ブシュ10aは、図5,図6で示すように円筒胴11を受け穴7の穴内に嵌め合わせ、張出し鍔12を受け穴7の片穴縁回りでブラケットプレート4aの板面にあてがい、掛止め縁13を受け穴7の他穴縁回りでブラケットプレート4aの板面に係止し、支持軸1を通し穴14に挿通することにより、受け穴7より抜け外れないようブラケットプレート4aに組み付けられる。このブシュ10aの組付けにあたり、ブシュ全体を切割り部15で小さく窄めることから、掛止め縁13より受け穴7の穴内に容易に嵌め込むようにできる。また、切り割部15が突起部7aに相対していることから、ブシュ10aを受け穴7の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を決められる。
【0033】
そのブシュ10aの組付け状態では、図7aで示すように突起部7aが切割り部15の間隔内で通し穴14の内径面まで至らないよう位置する。
【0034】
一方、図7bで示すように支持軸1に加わる荷重(下向きの直線矢印方向)がブシュ10aに作用すると、ブシュ10aが通し穴14の内径面を突起部7aの突端面と整合すると共に、支持軸1を突起部7aの突端面で受け止めさせるよう切割り部15で撓み変位する。これにより、樹脂製のブッシュ10aによる支持軸の軸受けであっても、当該ブシュ10aの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0035】
荷重がアームレストの支持軸1より解除されると、円筒胴11が薄肉部16a,16bでバネ復元することから、図7aで示すのと同様に、支持軸1を円筒胴11の通し穴14で受け止められる。
【0036】
第1の実施の形態においては、図8aで示すように掛止め縁13を残し、張出し鍔12から円筒胴11までを開放する切込み部17を切割り部15の反対側に離間させて一つ設けるようにできる。図示実施の形態では、切込み部17を張出し鍔12より円筒胴11までに設けたが、これを掛止め縁13より円筒胴11までに設けるようにもできる。
【0037】
その切込み部7bを設ける場合、図8bで示すように円筒胴11が薄肉部16a,16bで撓み変位するに伴って、ブシュ全体が切込み部17で追従変形するのを許容し(上向きの円弧矢印方向)、薄肉部16a,16bによる円筒胴11の撓み変位を助長できると共に、当該ブシュ10aの潰れ破損が生じないよう確実に組み立てられる。
【0038】
切込み部は、図9aで示すように切割り部15を介して略120°間隔毎に二つ17a,17b設けてもよい。この場合にも、図9bで示すように薄肉部16a,16bによる円筒胴11の撓み変位に伴って、ブシュ全体が切込み部17a,17bで追従変形するのを許容し得る(上向きの円弧矢印方向)。
【0039】
上述した第1の実施の形態に係る樹脂製のブシュ10a,10bに代えて、図10,図11で示すように第2の実施の形態に係る樹脂製のブシュ20a,20bを組み付けることにより、アームレストをシートバックに取り付けるようにできる。このアームレストの取付け構成中、図1,図2で示すと同じ構成部材は共通の符号で示し、当該部材の詳細な説明は省略する。
【0040】
その樹脂製のブシュ20a,20b(以下、「符号20a」に基づいて説明する。)は、図12a〜図12cで示すように支持軸1(図10参照)の軸部を挿通する円形の通し穴21を鍔面中央に開口した張出し鍔22をベースに、三つの軸受け片23a〜23cを通し穴21の穴回り定間隔毎に備えて形成されている。このブシュ20a,20bも、ブシュ全体がポリアセタール,ナイロン等から樹脂成形されている。
【0041】
軸受け片23a〜23cは、通し穴21の穴内に挿通する支持軸1の軸部と相対し、通し穴21の穴縁と面一に保って起立するよう通し穴21の穴周りに所定の間隔を隔てて設けられている。軸受け片23a〜23cは、張出し鍔22の鍔面側に向かって斜め外方に伸びる掛止め縁24a〜24cを突端側より連続させて形成されている。掛止め縁24a〜24cは、段部を先端側に設けることにより逆さ爪状の係止片として形成されている。
【0042】
張出し鍔22には、軸受け片23a〜23cの起立基部に相応させて抜き穴部25a〜25cが外周寄りの鍔面に設けられている。軸受け片23a〜23cの両側には、後述する受け穴70に設ける切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部26a,26b〜28a,28bが設けられている。
【0043】
受け穴70は、ブラケットプレート4a,4bの板面に形成されている。その受け穴70の穴縁は、図13で示すように円形状を呈し、穴縁より板面に向かう凹状の切欠き部71a〜71cを各軸受け片23a〜23cの間隔と相応させて受け穴70の穴回りに設けることにより形成されている。切欠き部71a〜71cは、軸受け片23a〜23cを奥行き方向に向けて撓み変位可能に形成されている。
【0044】
受け穴70は、図14で示すようにブシュ20aの支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りが穴内にはみ出さない程度の径を有するものに形成されている。具体的には、支持軸1の径ψ1<通し穴21の径ψ2<受け穴70の径ψ3に設定されている。
【0045】
受け穴70の切欠き部71a〜71cは、各軸受け片23a〜23cのガイド部26a,26b〜28a,28bを含めて受け入れると共に、掛止め縁24a〜24cを段付きの係止片で奥側縁と係合可能な奥行きを持って形成されている。
【0046】
ブシュ2は、図14,図15で示すように張出し鍔22をブラケットプレート4aの片面側にあてがい、軸受け片23a〜23cを受け穴70の切欠き部71a〜71cよりブラケットプレート4aの他面側に突出させて掛止め縁24a〜24cを切欠き部71a〜71cの奥側縁に係止片で係合することにより受け孔70の穴内に嵌込み装着する。支持軸1は、張出し鍔22の通し穴21から軸受け片23a〜23cの相対間に挿通させてブシュ2で軸受けするよう組み付ける。
【0047】
第2の実施の形態に係るブシュ20a,20bによる軸受け構造は、通常状態では、図16aで示すように支持軸1を通し穴21の穴回り並びに各軸受け片23a〜23cで受け止めることにより、アームレストを支持軸1で円滑に回転可能に組み付けられている。
【0048】
アームレストがシートバックの側部より前方に倒し出され、ストッパ軸6がガイド穴5aの穴上縁に当接した状態にあって、過大な荷重がアームレストの支持軸1に加わると、図16bで示すように支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23b,23cが支持軸1で下方に押されて抜き穴部25b,25cで撓み変位する(矢印方向)ことから、支持軸1を軸受け穴70の穴縁で受け止められる。
【0049】
これにより、第2の実施の形態に係るブッシュ20a,20bによる支持軸1の軸受けであっても、当該ブシュ20a,20bの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0050】
それに加えて、軸受け片23a〜23cを受け穴70の切欠き部71a〜71cより突出させて掛止め縁24a〜24cを切欠き部71a〜71cの奥側縁に係合することから、ブシュ20a,20bの中心を受け穴70の穴中心に合わせられると共に、ブシュ20a,20bが受け穴70の穴内より抜外れ脱落するのも防げるよう組み立てられる。また、軸受け片23a〜23cによる撓み部分を設けることにより、ブシュ全体を撓ませて受け穴70の穴内に容易に組み付けられ、更に、軸受け片23a〜23cが切欠き部71a〜71cに相対していることから、ブシュ20a,20bを受け穴70の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を容易に決められる。
【0051】
支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23b,23cが抜き穴部25b,25cで撓み変位するに、軸受け片23b,23cの両側に設けられたガイド翼部27a,27b、28a,28bが切欠き部71b,71cの両側縁に沿って摺接動する。これにより、支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23b,23cが抜き穴部25b、25cで撓み変位するのをガイド翼部27a,27b、28a,28bで誘導できる。
【0052】
荷重がアームレストの支持軸1より解除されると、切欠き部71b,71cの奥側縁で押えられて軸受け片23b,23cに向け撓んだ状態の掛止め縁24b,24cがバネ復元することから、図16aで示すのと同様に、支持軸1を通し穴21の穴回り並びに各軸受け片23a〜23cで受け止められる。
【0053】
軸受け片から掛止め縁は、図17で示すように左右に二つ23a,23b、24a,24bを設け、または、略90°間隔を隔てて斜め上下に位置するように四つ(図示せず)設けるようにもできる。この場合には、図18で示すように軸受け片から掛止め縁に相応する数の切欠き部71a,71bを受け穴70の穴周りに設ければよい。
【0054】
この場合にも、通常状態では、図19aで示すように支持軸1を通し穴21の穴回り並びに各軸受け片23a,23bで受け止めることにより、アームレストを支持軸1で円滑に回転可能に組み付けられている。
【0055】
過大な荷重がアームレストの支持軸1に加わると、図19bで示すように支持軸1を挿通する通し穴21の縁回りから軸受け片23a,23bが支持軸1で下方に押されて抜き穴部25a,25bで撓み変位する(矢印方向)ことから、支持軸1を軸受け穴70の穴縁で受け止められる。これにより、変形例に係るブッシュ20a,20bによる支持軸1の軸受けであっても、当該ブシュ20a,20bの潰れ破損が生じないよう組み立てられる。
【0056】
上述した実施の形態では、支持軸をアームレストフレームに固定し、受け穴をブラケットプレートの板面に設ける場合で説明したが、これとは逆に、支持軸をブラケットプレートの板面より側方に突出させて固定し、受け穴をアームレストフレームの板面に設ける場合にも適用できる。
【0057】
上述したブシュによる軸受け構造は、アームレストの支持軸に適用する場合で説明したが、シートクッションの後部側を車体フロアに設置されるベースブラケットで軸承装着する場合、自動車用シートの高さ調整装置におけるリンクバーを軸承装着する場合等にも適用できる。
【0058】
車両関係ばかりでなく、構成部材の支持軸を備えると共に、樹脂製のブシュを軸受け穴の穴内に嵌め込み装着し、支持軸を樹脂製のブシュに挿通させて軸受けするような各種機構にも適用できる。この各種機構を含め、支持軸に加わる荷重がブシュに対して上方向きに作用するような場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 支持軸
2a,2b アームレストフレーム側
3a,3b(4a,4b) バックサイドフレーム側
10a,10b ブシュ(第1実施の形態)
11 円筒胴
12 張出し鍔
13 掛止め縁
14 通し穴
15 切割り部
16a,16b 薄肉部
17、17a,17b 切込み部
7 受け穴
7a 突起部
20a,20b ブシュ(第2実施の形態)
21 通し穴
22 張出し鍔
23a〜23b 軸受け片
24a〜24c 掛止め縁
25a〜25c 抜き穴部
26a、26b〜28a,28b ガイド翼部
70 通し穴
71a〜71c 切欠き部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記支持軸に加わる荷重により、ブッシュ全体が撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けたことを特徴とする樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項2】
一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌め合わす円筒胴を有し、該受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を円筒胴の片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を円筒胴の他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を該張出し鍔から円筒胴,掛止め縁の中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記掛止め縁から前記円筒胴に至って前記張出し鍔までを開放する所定幅の切割り部と、該切割り部の両側辺から前記円筒胴の外周面に亘って前記円筒胴の厚みを薄くする薄肉部を前記ブッシュに設けると共に、前記切割り部の間隔内で前記通し穴の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部を受け穴の穴縁に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記円筒胴が前記薄肉部で撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記突起部の突端面と整合すると共に、前記支持軸を前記突起部の突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項3】
前記張出し鍔または掛止め縁を残し、前記円筒胴に至って開放する所定幅の切込み部を前記切割り部より離間させて設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項4】
一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記ブシュの張出し鍔をベースに、前記通し穴の穴内に挿通する前記支持軸の軸部と相対する軸受け片を前記通し穴の穴縁より立ち上げて設けると共に、前記掛止め縁を軸受け片の先端側より連続させて設け、該軸受け片の立上り基部に相応させて抜き穴部を前記張出し鍔の外周寄り鍔面に形成し、前記通し穴の穴縁に至らない穴縁を有する前記ブッシュの受け穴と、前記受け穴の穴縁より軸受け片を受入れる切欠き部を前記一方の構成部材に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記軸受け片が前記抜き穴部で前記切欠き部の奥側に撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項1または3に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項5】
前記軸受け片が前記抜き穴部で撓み変位するに、前記切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部を前記軸受け片の両側に設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項4に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項6】
アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか一方に設ける受け穴の片穴縁回りで該一方の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該一方の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、前記アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか他方より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする車両用シートのアームレストにおいて、
請求項1乃至は5のいずれか1項に記載の樹脂製ブシュによる軸受け構造を備えてなることを特徴とする車両用シートのアームレスト。
【請求項1】
一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記支持軸に加わる荷重により、ブッシュ全体が撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けたことを特徴とする樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項2】
一方の構成部材に設ける受け穴の穴内に嵌め合わす円筒胴を有し、該受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を円筒胴の片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を円筒胴の他端部に設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を該張出し鍔から円筒胴,掛止め縁の中央に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記掛止め縁から前記円筒胴に至って前記張出し鍔までを開放する所定幅の切割り部と、該切割り部の両側辺から前記円筒胴の外周面に亘って前記円筒胴の厚みを薄くする薄肉部を前記ブッシュに設けると共に、前記切割り部の間隔内で前記通し穴の内径面まで至らない立ち上がりを有する突起部を受け穴の穴縁に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記円筒胴が前記薄肉部で撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記突起部の突端面と整合すると共に、前記支持軸を前記突起部の突端面で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項3】
前記張出し鍔または掛止め縁を残し、前記円筒胴に至って開放する所定幅の切込み部を前記切割り部より離間させて設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項4】
一方の構成部材に設ける受け穴の片穴縁回りで該構成部材の板面にあてがう張出し鍔を設け、該受け穴の他穴縁回りで該構成部材の板面に係止する掛止め縁を設け、他方の構成部材より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする樹脂製のブシュによる軸受け構造において、
前記ブシュの張出し鍔をベースに、前記通し穴の穴内に挿通する前記支持軸の軸部と相対する軸受け片を前記通し穴の穴縁より立ち上げて設けると共に、前記掛止め縁を軸受け片の先端側より連続させて設け、該軸受け片の立上り基部に相応させて抜き穴部を前記張出し鍔の外周寄り鍔面に形成し、前記通し穴の穴縁に至らない穴縁を有する前記ブッシュの受け穴と、前記受け穴の穴縁より軸受け片を受入れる切欠き部を前記一方の構成部材に設け、
前記支持軸に加わる荷重により、前記軸受け片が前記抜き穴部で前記切欠き部の奥側に撓み変位し、前記通し穴の内径面を前記受け穴の穴縁と整合すると共に、前記支持軸を前記受け穴の穴縁で受け止めさせる樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項1または3に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項5】
前記軸受け片が前記抜き穴部で撓み変位するに、前記切欠き部の両側縁に沿って摺接動可能なガイド翼部を前記軸受け片の両側に設けた樹脂製のブシュを組み付けてなることを特徴とする請求項4に記載の樹脂製のブシュによる軸受け構造。
【請求項6】
アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか一方に設ける受け穴の片穴縁回りで該一方の板面にあてがう張出し鍔を片端部に設け、該受け穴の他穴縁回りで該一方の板面に係止する掛止め縁を他端部に設け、前記アームレストフレームまたはバックサイドフレームのいずれか他方より突出する支持軸を挿通する円形の通し穴を前記張出し鍔の鍔面に設けた樹脂製のブシュを備え、該ブシュを該受け穴の穴内に嵌込み装着し、該支持軸を該通し穴の穴内に挿通させて回転可能に軸受けする車両用シートのアームレストにおいて、
請求項1乃至は5のいずれか1項に記載の樹脂製ブシュによる軸受け構造を備えてなることを特徴とする車両用シートのアームレスト。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【公開番号】特開2011−137511(P2011−137511A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297669(P2009−297669)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000220066)テイ・エス テック株式会社 (625)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000220066)テイ・エス テック株式会社 (625)
【Fターム(参考)】
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