説明

樹脂軸受とその製造方法

【課題】 金属製裏金と樹脂摺動部材からなる樹脂軸受において、潤滑性などの軸受としての特性が良好であるとともに、製造コストが安価である金属製裏金と樹脂摺動部材からなる樹脂軸受を提供する。
【解決手段】 樹脂軸受は、相手材である軸と摺動する円筒形状の樹脂摺動部材101と、この樹脂摺動部材101の外周側に位置する円筒形状の金属製裏金102とを備えており、また樹脂摺動部材101と金属製裏金102との間に、摩擦撹拌肉盛り法によって充填された金属中間材103を備え、この金属中間材103によって樹脂摺動部材101と金属製裏金103は一体化している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製裏金とこの金属製裏金の内周側に樹脂系の摺動部材を固着して構成される樹脂軸受とその製造方法に係り、特に、各種機械の摺動部分に用いられるすべり軸受として好適な樹脂軸受とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、すべり軸受においては、軸受台金の内周部に軟質金属のホワイトメタルを遠心鋳造等により注入密着させて軸受摺動部材を形成する方法が採られている。
【0003】
近年、低摩擦で高耐熱、高耐摩耗性のエンジニアリングプラスチック材が摺動部材として注目され、特に大型回転機の軸受摺動部材として熱可塑性樹脂のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を中心とし、これにガラス繊維、炭素繊維、グラファイト等を添加し、機械的強度、摺動特性及び耐摩耗性等の改善を図った高分子複合樹脂材料が摺動部材として用いられてきている。
【0004】
このような樹脂摺動部材を用いた樹脂軸受では、高剛性の金属製の裏金(強度部材)に樹脂材を一体的に結合して使用することが多い。ここで、金属製裏金と樹脂摺動部材との密着強度が不十分であると、運転時に樹脂摺動部が剥離して事故を引き起こす要因となるため、樹脂材料と裏金との接合技術が重要である。
【0005】
樹脂材料を裏金に結合する方法としては、例えば特許文献1には、金属製の裏金と樹脂摺動部材との二層で構成された樹脂軸受において、金属製裏金の内周側に溝加工をし、一部を溶融させて軟化させた樹脂摺動部材を加温,加圧して金属製裏金の溝に含浸させて固着させた樹脂軸受が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−19857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、軸受が使用される環境はその適用箇所や機械の用途等に応じて様々であり、その環境に適した性能を備えることが求められる。例えば、油圧ショベルのフロント作業機を構成するブーム、アーム、バケットの連結部に用いられる軸受は、回転機械の駆動軸等のように比較的高速回転する軸と比較して、低速で摺動されるとともに高い面圧がかかる軸を支持している。
【0008】
しかし樹脂摺動部材のみからなる軸受や金属製裏金と樹脂摺動部材からなる樹脂軸受を低速高荷重の条件下で用いる場合、例えば、樹脂摺動部材が軸と一緒に回転してしまう供回りと呼ばれる現象が発生する。また、軸にラジアル荷重のような偏荷重がかかった場合に、軸受の抜けだし強度が低くなるとの問題がある。そこで、樹脂摺動部材のみからなる軸受では、摺動部材自体を厚肉化したり、高強度ファイバー等を編み込んだ樹脂で強度を向上させた上に圧入代を大きくしているが、圧入後の変形で円筒度などの軸受精度の維持が非常に難しい等の問題がある。また樹脂軸受では、樹脂摺動部材を金属製裏金に圧入する時にエポキシ等の接着剤を塗布する対策がとられるが、この方法では抜けだし強度を高めることはできても、供回りに対してはほとんど効果がない。更に、摺動性能に富んだPTFEやPEEKのような樹脂材は接着性が低いために抜けだし強度を高める事は難しい。そのため、抜けだし強度を改善するためには、樹脂摺動部材を鍔付きとしたり、樹脂摺動部材の抜けだし防止用のストッパを設けてメカニカルに押さえる必要がある。
【0009】
上述の特許文献1に記載の従来技術では、金属製裏金の内周側に溝加工をし、この溝に樹脂摺動部材を加温,加圧して含浸させて固着させているため、供回りや抜けだしの問題は解決できるものの、以下に示すような問題がある。
【0010】
まず、樹脂摺動部材を加熱するために耐熱性の高い樹脂を用いる必要があり、用いることができる樹脂の種類が限定される。例えばPTFEは耐熱性に優れているため好適ともいえるが、一部を溶融させて軟化させることが困難である。また樹脂摺動部材が破断しないようにクリープ変形の範囲で含浸させる必要があるために溝への含浸に時間がかかり、製造コストが高いという問題がある。また樹脂摺動部材の強度を上げるために炭素繊維やガラス繊維を樹脂摺動部材に織り込んでいるが、これにより流動性が低下するため含浸に要する時間がさらにかかってしまう。更に、樹脂摺動部材を加熱加圧する際の雰囲気を酸素含有雰囲気で行うと、樹脂摺動部材が酸化劣化し、樹脂軸受としての特性が保てないため、真空下等の酸素をなるべく含まない雰囲気で加温加熱を行う必要があり、製造コストが高くなる。また、金属製裏金の内溝の加工をワイヤカット等で行う必要があるため、加工コストも高いという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、潤滑性などの軸受としての特性が良好であるとともに、製造コストが安価である金属製裏金と樹脂摺動部材からなる樹脂軸受とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、円筒形状の金属製裏金と円筒形状の樹脂摺動部材とを備える樹脂軸受において、前記金属製裏金と前記樹脂摺動部材との間に、摩擦撹拌肉盛り法によって金属中間材を充填し、この金属中間材によって前記金属製裏金と前記樹脂摺動部材を一体化したものである。
【0013】
このように構成した本発明においては、金属中間材が、鋳造に比べて低温で作業でき、樹脂摺動部材の熱ダメージを少なくできる摩擦撹拌肉盛り法によって充填されたため、軸受としての特性の劣化が強く抑制される。また、金属中間材を摩擦撹拌肉盛り法で形成しているため、製造工程の雰囲気に配慮する必要も、樹脂を加熱する必要も、ワイヤカット等の複雑な工程を行う必要もないため、製造コストが高くなることがなく、安価な樹脂軸受となる。
【0014】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の樹脂軸受において、前記樹脂摺動部材は、直径方向と高さ方向の少なくとも一方で肉厚が異なる。
【0015】
これにより、樹脂摺動部材の肉厚が薄い部分と厚い部分が存在するため、樹脂摺動部材と金属中間材とがかみ合い、供回りや偏荷重による抜けだしを防止でき、また、樹脂摺動部材の肉厚が薄い部分の内周面側に、軸受として使用している際に摺動によって凹凸が形成され、この凹部が有効な油溜め機構として機能し、摩耗粉のトラップも行うため、潤滑性が向上し、信頼性の高い樹脂軸受となる。
【0016】
また請求項3記載の発明は、請求項2記載の樹脂軸受において、前記樹脂摺動部材は、外周面に少なくとも1本以上の溝を有することにより、肉厚が異なる。
【0017】
これにより、外周面に少なくとも1本の溝が形成されていると、この溝部分に金属中間材が充填され、樹脂摺動部材が円周方向および軸方向に強固に固定されて、供回りや偏荷重による抜けだしが確実に防止され、より信頼性の高い樹脂軸受となる。
【0018】
また請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂軸受において、前記樹脂摺動部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のいずれか1つの樹脂からなる。
【0019】
良好な潤滑性を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が樹脂摺動部材に用いられれば、樹脂軸受の性能がより高いものとなる。
【0020】
また、上記目的を達成するために、請求項5記載の発明は、円筒形状の樹脂摺動部材と円筒形状の金属製裏金とを備える樹脂軸受の製造方法において、前記樹脂摺動部材として外周面に少なくとも1本以上の溝を有するものを用い、この樹脂摺動部材を内側に、前記金属製裏金を外側にして、前記樹脂摺動部材と前記金属製裏金を治具上に同軸に配置固定する第1手順と、前記樹脂摺動部材と前記金属製裏金との間の空間に摩擦撹拌肉盛り用の金属パイプを回転しながら供給し、前記治具上に配置した金属プレートに対して押し付けることで、摩擦撹拌肉盛り法によって前記空間に金属中間材を充填する第2手順と、この金属中間材の冷却固化後、前記治具から一体となった樹脂摺動部材及び金属製裏金を取り出し、前記一体となった樹脂摺動部材及び金属製裏金における前記樹脂摺動部材の円筒内面を機械加工で仕上げる工程を含む仕上げ加工を施すことにより、前記樹脂摺動部材の前記溝部分の内周面側に凹部を形成する第3手順とを有する。
【0021】
このように構成した本発明においては、金属中間材を、樹脂摺動部材の熱ダメージを少なくできる摩擦撹拌肉盛り法によって充填するため、軸受としての特性の劣化が抑制される。また外周面に少なくとも1本の溝が形成されているため、この溝部分の内周面側に軸受として使用している際に摺動によって凹凸が形成されて油溜め機構として機能して潤滑性が向上し、更にこの溝部分に金属中間材が充填されるため樹脂摺動部材が円周方向および軸方向に強固に固定されて、供回りや偏荷重による抜けだしが確実に防止され、信頼性の高い樹脂軸受となる。その上、製造工程の雰囲気に配慮する必要も、樹脂を加熱する必要も、ワイヤカット等の複雑な工程を行う必要もなく、安価な樹脂軸受の製造方法となる。
【発明の効果】
【0022】
上述した本発明によれば、金属中間材が樹脂摺動部材の熱ダメージを少なくできる摩擦撹拌肉盛り法によって充填されたため、軸受としての特性の劣化が抑制され、かつ金属中間材を摩擦撹拌肉盛り法で形成しているため、製造工程の雰囲気に配慮する必要も、樹脂を加熱する必要も、ワイヤカット等の複雑な工程を行う必要もないため製造コストが高くならず、安価な樹脂軸受とその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態の樹脂軸受の立体断面図である。
【図2】図1のA−A’部分の断面を示す図である。
【図3】第1の実施形態の樹脂軸受の樹脂摺動部材の正面図である。
【図4】図3のB−B’部分の断面を示す図である。
【図5】図3のC−C’部分の断面を示す図である。
【図6】第1の実施形態の樹脂軸受の製造方法の第1手順の途中段階を示す図である。
【図7】第1の実施形態の樹脂軸受の製造方法で用いるプレートの外観を示す図である。
【図8】第1の実施形態の樹脂軸受の製造方法の第2手順の途中段階を示す図である。
【図9】第1の実施形態の樹脂軸受の製造方法の第2手順の途中段階を示す図である。
【図10】第1の実施形態の樹脂軸受の製造方法の第2手順の途中段階を示す図である。
【図11】第1の実施形態の樹脂軸受が用いられたすべり軸受に対してかかる荷重のかかり方を示した図である。
【図12】第1の実施形態の樹脂軸受の部分断面図である。
【図13】第1の実施形態の樹脂軸受の製造方法の仕上げ加工の一環である機械加工の途中段階を示す図である。
【図14】第2の実施形態の樹脂軸受の樹脂摺動部材の正面図である。
【図15】第3の実施形態の樹脂軸受の樹脂摺動部材の正面図である。
【図16】本発明の樹脂軸受が用いられたすべり軸受装置を備える油圧ショベルの外観図である。
【図17】図16のA部に設けられる本発明のすべり軸受の断面を示す図である。
【図18】図16のB部に設けられる本発明のすべり軸受の断面を示す図である。
【図19】本発明の樹脂軸受が用いられる箇所の周速度と荷重との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態の樹脂軸受の立体断面図、図2は図1のA−A’部分の断面図である。
【0025】
図1及び図2において、樹脂軸受は、相手材である軸と摺動する円筒形状の樹脂摺動部材101と、この樹脂摺動部材101の外周側に位置する円筒形状の金属製裏金102とを備えている。また樹脂摺動部材101と金属製裏金102との間に、摩擦撹拌肉盛り法によって充填された金属中間材103を備えている。
【0026】
樹脂摺動部材101は、例えば内径が80mm、外径が88mm、長さ60mmの円筒形状で、その肉厚を直径方向と高さ方向で変化させるために外周面に溝101a,101a…を有する。この溝101aは溝ピッチが60度、溝部のピッチは40度、溝の軸方向長さ20mm、溝101a,101aとの間隔が5mmとなっている。また、この溝101aの底面101bは、樹脂摺動部材101の内周面と同軸同心になっており、更に底面101bのコーナー部がR形状となっている。樹脂摺動部材101の材質は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)等や、これらに炭素繊維、グラファイト、ガラス繊維などを添加した熱可塑性の組成物が好適に用いられ、特にPTFE、PEEKが適している。
【0027】
金属製裏金102は、例えば内径が94mm、外径が105mm、長さ60mmの円筒形状で、この金属製裏金102は、樹脂軸受とした際に、ボスに樹脂軸受を圧入するときに樹脂摺動部材101の形状を保つための強度部材として働く。この金属製裏金102の材質としては、例えば炭素鋼や、ステンレススチール等の合金鋼、アルミニウム等が好適である。
【0028】
金属中間材103は、例えば内径が88mm、外径が94mm、長さ60mmで、樹脂摺動部材101と金属製裏金102との間に摩擦撹拌肉盛り法によって充填されており、樹脂摺動部材101の溝101aの部分にも充填されている。この金属中間材103によって樹脂摺動部材101と金属製裏金103は一体化している。材質は、アルミニウムなどの低融点金属が好適である。この金属中間材103を摩擦撹拌肉盛り法によって樹脂摺動部材101と金属製裏金102との間に充填する方法については詳しくは後述する。
【0029】
次に、上述のように構成される樹脂軸受の製造方法について、図3〜図11を用いて説明する。
【0030】
まず、内径が80mm、外径が88mm、長さ60mmの円筒形状の樹脂摺動部材101と、内径が80mm、外径が88mm、長さ60mmの円筒形状の金属製裏金102を用意する。樹脂摺動部材101の材料は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)等が好ましい。金属製裏金102の材料には、例えば炭素鋼や、ステンレススチール等の合金鋼、アルミニウム等を用いることが好ましい。
【0031】
また樹脂摺動部材101の外周面に、図3に示すような、予め底面が樹脂摺動部材101の内周面と同軸同心の溝101a,101a,…を形成しておく。またこの溝101a,101a,…の底面101bの形状を、図3のB−B’部分の断面図である図4や、図3のC−C’部分の断面図である図5に示すように、コーナー部をR形状としておくことが望ましい。これは、コーナー部が直角な場合、荷重が繰り返しかかることで変形した場合にコーナー部に応力が集中して樹脂摺動部材が破断する危険性があるためであり、図示するようなR形状になるように面取りを予め行っておき、コーナー部に応力が集中することを避けることが望ましい。
【0032】
次に、図6に示すように、第1手順として、準備した樹脂摺動部材101を治具99のガイド105に嵌める。その樹脂摺動部材101の外周部分に金属製裏金102を設置し、把持手段107で把持する。樹脂摺動部材101はガイド105と緩い嵌め合いとなって、金属製裏金102は把持手段107によって把持されることで、それぞれ治具99に対して固定され、同軸に設置される。
【0033】
ここで、この治具99は、平板の治具本体104と、この治具本体104から突出する円柱状のガイド105と、このガイド105の外周部にあり治具本体104の凹上部に位置する円板状のプレート106と、左右一組の把持手段107を有する。治具本体104は、例えばステンレスなどの剛性の高い金属からなり、プレート106を嵌入することができる凹状部をガイド105の周辺部に有する。ガイド105は銅合金製であり、内部に冷却水を流せる機構を有する。プレート106は、樹脂摺動部材101と金属製裏金102との隙間の下方に位置し、治具本体104に設けられた凹状部に嵌入し、治具本体104から取り外し可能な構造となっている。またプレート106は、図7に示すような形状であり、突起106a等によって、プレート106が治具本体104に対して相対的に回転しないように固定された構造となっている。把持手段107は、金属製裏金102を把持するためのもので、その形状・数などは特に限定されないが、例えば半円筒状で左右一組のものとする。
【0034】
次に、図6に示すように、第2手順として、樹脂摺動部材101と金属製裏金102を固定した状態で、内径89mm、外径93mmのアルミパイプ材108を樹脂摺動部材101と金属製裏金102との隙間に挿入する。アルミパイプ材108の長さについては、樹脂摺動部材101と金属製裏金102の間にアルミニウムを十分に充填することができるように十分長くするが、あまり長いとアルミパイプ材108をプレート106に押し付けることが難しくなるため、適度な長さとすることが望ましい。
【0035】
その後、図8に示すように、挿入したアルミパイプ材108を回転させながら治具本体104上に載置されたプレート106に押し当てる。
【0036】
アルミパイプ材108をプレート106に押し当てながら回転させると、図9に示すように、押し当てられたアルミパイプ材108は、プレート106とアルミパイプ材108との間で発生する摩擦熱によって押し当てられた先端部分108aが軟化し、塑性流動によって金属製裏金102と樹脂摺動部材101との間の空間に軟化したアルミニウムが充填されていき、冷却されて固まる。ここで、アルミパイプ材108を押し当てながら樹脂摺動部材101と金属製裏金102との間に充填させるため、樹脂摺動部材101に対して内側に絞られる力が働くが、ガイド105により樹脂摺動部材101はサポートされるため、初期の内径を維持することが可能である。
【0037】
そして、アルミパイプ材108を連続的に供給することにより、図10に示すように、アルミニウムが樹脂摺動部材101と金属製裏金102との空間に完全に充填され、金属製裏金102および樹脂摺動部材101とは、アルミからなる金属中間材103によって一体化される。なお、治具99のガイド105は、上述のように銅合金を使用しており、また内部には水を循環させる機構となっている。よって充填するアルミから発生した熱で樹脂摺動部材101が熱的に損傷することを避けることが可能である。また、アルミ中間材の充填終了後も樹脂摺動部材101及びアルミ中間材103を冷却できるので、熱膨張した樹脂摺動部材101およびアルミ中間材103を速やかに冷却して収縮させ、一体となった樹脂摺動部材101と金属製裏金102を外し易くすることが可能である。
【0038】
その後、第3手順として、金属中間材103が冷却されて固化した後に、一体となった樹脂摺動部材101および金属製裏金102を治具99から取り外し、一体となった樹脂軸受に仕上げ加工を施す。これにより樹脂軸受が完成する。
この仕上げ加工として、一体化した樹脂軸受の円筒端部を機械加工して平坦にする工程がある。治具99から取り外した時に、プレート105がアルミ中間材103と一体化していることがあるが、この端部の機械加工の際にプレート105も同時に除去する。また樹脂摺動部材101の内径を、図11に示すような工具111を用いて機械加工し、既定寸法に加工する。
【0039】
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0040】
本実施例において、樹脂摺動部材101と金属製裏金102との隙間を充填しているアルミ中間材103は、摩擦撹拌肉盛り法によって充填している。この摩擦撹拌肉盛り法であれば、アルミパイプ材108の先端のみを軟化させて充填させることができるため、アルミニウムの融点まで温度を上げる必要がないという利点がある。鋳造ではアルミを完全に溶融させる必要があるため、樹脂摺動部材101に大きな熱ダメージが加わる問題があるが、摩擦撹拌肉盛り法であればアルミニウムを完全に溶融させる必要がないため、鋳造に比べて低温で作業でき、樹脂摺動部材101の熱ダメージを少なくすることができるので、軸受としての特性の劣化が抑制される。そして鋳造では金属製裏金に炭素鋼等を用いた場合には、冷却した時に金属製裏金102と充填したアルミとの熱膨張係数との違いによって界面ではがれてしまうとの問題があるが、本実施例のように摩擦撹拌肉盛り法でアルミ中間材103を充填している場合、アルミニウムが金属製裏金102側へ拡散するため、金属製裏金102とアルミ中間材103とが緩やかに接合しており、供回りや抜けだしに対して十分な強度を有する。よって、金属製裏金102とアルミ中間材103とが剥がれる危険性が十分に低くなっているとの利点も有する。
【0041】
また、本実施例では、樹脂摺動部材101に、図1及び図3に示すような円筒外周面に溝101aを形成したものを使用しているため、この溝101bの部分にアルミ中間材103が充填され、樹脂摺動部材101が円周方向および軸方向に強固に固定される。この溝101aによって樹脂摺動部材101が金属製裏金102に対して空回りすることを防ぐことができるため、抜けだしや供回りの問題の発生し難い樹脂軸受が提供可能となる。
【0042】
更に、樹脂摺動部材101の外周面には図3に示すような溝101aがあるため、溝101aが形成されていない凸部(肉厚部)の内周面部分と、溝部が形成されている凹部(肉薄部)の内周面部分では、樹脂摺動部材101の厚さが異なるために剛性が異なり、図11に示すように、摺動中の面圧の状態は、凹部(肉薄部分C)で荷重分担が高く、凸部(肉厚部分D)では相対的に荷重分担が低くなるために摺動摩耗は凹部が相対的に多くなり、摺動後にも図12に示すような凹凸表面の形状が表れる。また、最終工程での樹脂摺動部材101の内周面を機械加工で仕上げる際、図13に示すように、肉厚の凸部では樹脂摺動部材101が半径方向に工具111から逃げる量が大きくなる。そのため、機械加工後の内周面は、図12に示すように、肉薄の凹部と比べ肉厚の凸部が盛り上がった微視的に凹凸となった形状となる。この形成された凹凸の凹部は、軸受として有効な油溜め機構として機能し、また摩耗粉のトラップも行う。このため、軸受摩擦係数の低下や、摩耗量の低下に対して大きな効果があり、潤滑性をはじめとした樹脂軸受としての性能を従来の樹脂軸受より向上することが可能である。このように、樹脂摺動部材の樹脂の厚さが異なる場合に摺動によって形成されるこの凹凸形状を、機械加工を行うことで確実に、また摺動初期から得ることができる。
【0043】
このように、本実施形態の樹脂軸受によれば、摩擦係数の低いPTFEやPEEK材等からなる樹脂摺動部材を用いた場合であっても、金属製裏金と強固に機械的に固定することができ、供回りが発生しにくく、抜けだし強度の高い高性能な樹脂軸受を提供することができる。
また主だった製造工程は、摩擦撹拌肉盛り法による金属中間材103の形成であるため、製造工程の雰囲気に配慮する必要も、樹脂を加熱する必要も、ワイヤカット等の複雑な工程を行う必要もないため、製造コストが高くなることがなく、安価な樹脂軸受とすることができる。
【0044】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の樹脂軸受について図14を用いて説明する。本実施形態における樹脂軸受も、第1の実施形態における樹脂軸受の場合と同様、樹脂摺動部材と金属製裏金とを備え、摩擦撹拌肉盛り法によって金属中間材を充填し、この金属中間材によって金属製裏金と樹脂摺動部材を一体化したものであり、樹脂摺動部材以外の構成は第1の実施形態の樹脂軸受と略同じであり、詳細は省略する。
【0045】
図14において、本実施形態の樹脂摺動部材201は、樹脂摺動部材201の外周面に形成された溝201a,201a,…が高さ方向で一つのブロックとなるように形成されている構造となっている。
【0046】
このような形状の溝が形成された樹脂摺動部材を備える樹脂軸受であっても、供回りおよび抜けだし強度を高めることが可能であり、最終機械加工時や実際の使用時に樹脂摺動部材の内周面側に微視的な凹凸形状を保つことが可能である。また製造コストについても第1の実施形態と同じ効果が得られる。
【0047】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態の樹脂軸受について図15を用いて説明する。本実施形態における樹脂軸受も、第1の実施形態における樹脂軸受の場合と同様、樹脂摺動部材と金属製裏金とを備え、摩擦撹拌肉盛り法によって金属中間材を充填し、この金属中間材によって金属製裏金と樹脂摺動部材を一体化したものであり、樹脂摺動部材以外の構成は第1の実施形態の樹脂軸受と略同じであり、詳細は省略する。
【0048】
図15において、本実施形態の樹脂摺動部材301は、樹脂摺動部材301の外周面に形成された溝301a,301a,…が樹脂摺動部材の円周方向に対して斜めに形成されたものとなっている。
【0049】
このような溝が形成された樹脂摺動部材を備える樹脂軸受でも、得られる効果は第1及び第2の実施形態と全く同様である。なお、図15に示すような溝形状を有する樹脂摺動部材とする場合、外周面の溝の形状は、円周方向に均等に形成することが望ましい。
【0050】
<樹脂軸受のその他の形態>
上記の実施の形態では、樹脂摺動部材101は、直径方向と高さ方向の少なくとも一方で肉厚が異なる例を外周面に溝が形成されたものとしたが、樹脂摺動部材101の肉厚を異ならせる具体例はこれに限定されない。例えば、樹脂摺動部材の外周面に突起や窪みを設ける、樹脂摺動部材の外周面の表面を曲面形状とする、ことが挙げられる。
【0051】
<樹脂軸受の適用例>
以下、本発明の樹脂軸受を備えるすべり軸受装置が適用された建設機械について図面を用いて説明する。図16は本発明の樹脂軸受が用いられている建設機械の一例である油圧ショベルの側面図である。
【0052】
この図に示す油圧ショベルは、下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2上の一方側(図16中左側)に設けられた運転室3と、上部旋回体2上の他方側(図16中右側)に設けられたエンジン室4と、上部旋回体2上の運転室3側に設けられたフロント作業機5を備えている。
【0053】
フロント作業機5は、フロント部材として、上部旋回体2に俯仰動可能に設けられたブーム6と、このブーム6を俯仰動させるためのブーム用油圧シリンダ7と、ブーム6の先端に回動可能に設けられたアーム8と、このアーム8を回動させるためのアーム用油圧シリンダ9と、アーム8の先端に回動可能に設けられたバケット10と、このバケット10を回動させるためのバケット用油圧シリンダ11を備えている。
【0054】
ブーム6、アーム8、バケット10、及び各油圧シリンダ7,9,11は、すべり軸受装置12によって相互に回動又は揺動可能に連結されている。フロント作業機5に用いられる各軸受装置は設置箇所に応じて大きさや形状等が異なるが、基本的な構成はほぼ同様となっている。
【0055】
このようなフロント作業機5の結合部に用いられるすべり軸受装置12のうち、図16中のA部に示す、アーム8と相手方部材となるアームシリンダ9との間に設けられるすべり軸受装置12Aについて、図17を参照して説明する。
【0056】
すべり軸受装置12Aは、アームシリンダ9のピストンロッドの先端側に設けられたボス21と、アーム8に設けられた左,右一対のブラケット部13,13(以下、ブラケット13という)と、樹脂摺動部材と金属中間材と金属製裏金の3層構造の樹脂軸受15と、軸16と、摺動板19等とにより構成されている。
【0057】
アームシリンダ9のボス21は略円筒状に形成され、その内周側には本発明の樹脂軸受15が嵌着されている。
【0058】
アーム8の各ブラケット13は、ボス21を左,右両側から挟むように配置され、後述の軸16が挿通される軸挿通穴13Aを有している。このブラケット13は、摺動板19に対向する部位が略円形状をなす摺接面としての端面13Bとなっている。なお、図17中の右側に位置する一方のブラケット13には、後述の軸16をブラケット13に対して抜止め、廻止め状態に保持するストッパ筒14が溶接等の手段を用いて固着されている。
【0059】
樹脂軸受15は、ボス21の内周側に固定して設けられており、この樹脂軸受15は、例えば圧入等の手段を用いてボス21内に嵌着され、樹脂軸受15の内周側は軸16が摺動可能に挿嵌される軸挿通穴15Aとなっている。
【0060】
軸16は、ブラケット13にボス21を回動可能に連結しており、この軸16は、例えば高周波焼入鋼(S45C)等の高強度材料を用いて円柱状のロッドとして形成されている。軸16は、その軸方向中間部が樹脂軸受15の軸挿通穴15A内に摺動可能に挿嵌され、軸方向両端側は各ブラケット13の軸挿通穴13A内に挿通されている。また、軸16には、ストッパ筒14の内側となる軸方向一端側に径方向に延びるボルト挿通穴16Aが穿設されている。
【0061】
固定ボルト17は、軸16をブラケット13に固定しており、この固定ボルト17は、ストッパ筒14を介して軸16のボルト挿通穴16Aを貫通するように挿通され、その先端側にはナット17Aが締着されている。これにより、固定ボルト17は、ナット17Aと共にストッパ筒14に固定され、軸16をブラケット13に対して抜止め、廻止め状態に保持するものである。
【0062】
ダストシール18,18は、ボス21内に軸方向両側から装着され、樹脂軸受15の軸方向端面に当接した状態に保持されている。このダストシール18は、樹脂軸受15と軸16との間の摺動面に、外部から土砂等の異物が侵入するのを防止する構成となっている。
【0063】
摺動板19,19は、軸16の周囲に位置してボス21とブラケット13との間の隙間内に設けられた左,右一対の構造で、この摺動板19は、例えばフッ素樹脂等を含有したエステル系ウレタン等の合成樹脂材料を用いて環状平板として形成され、その板厚は例えば1〜2mm程度となっている。この場合、摺動板19の材料としては、主剤となるエステル系ウレタンにフッ素、二硫化モリブデン等の自己潤滑性を有した材料を添加するのがよい。また、場合によっては、強度を高めるために上記の材料に硬化剤を加えることにより、所望の機械的強度を得るようにするのがよい。また、主剤となるエステル系ウレタンとしては、例えばポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリ1.4−ブチレンアジペート等の材料が用いられる。なお、これ以外のエステル系ウレタン材料を用いることも可能である。
【0064】
摺動板19は、ボス21とブラケット13との間に組付けた状態で、その両面をボス21の端面21Aとブラケット13の端面13Bに摺接させることにより、ボス21とブラケット13との間の隙間を小さく調整し、両者の端面21A,13B間でガタツキ等が発生するのを抑える機能を有している。例えば、上部旋回体2を旋回駆動するようなときには、ボス21が軸方向に動こうとして、ボス21とブラケット13との間に軸16の軸方向でスラスト荷重が作用する。摺動板19は、このようなスラスト荷重により両者の端面21A,13Bが直に衝突するのを緩和し、金属対金属の接触を防ぐものである。
【0065】
次に、フロント作業機5の結合部に用いられるすべり軸受装置12のうち、図16中のB部に示す、ブーム6とアーム8との間に設けられるすべり軸受装置12Bについて、図18を参照して説明する。
【0066】
すべり軸受装置12Bは、ブーム6の先端に設けられた左,右一対のブラケット部24,24(以下、ブラケット24という)と、アーム8の先端側に設けられたボス25と、このボス25の内部に嵌着された樹脂摺動部材と金属中間材と金属製裏金の3層構造からなる樹脂軸受26と、ボス25の外端面とブラケット24との間に介在させた摺動板27と、樹脂軸受26内に摺動自在に嵌合した軸29と、ボス25内において樹脂軸受26の端面と摺動板27との間に設けたダストシール31等とにより構成されている。
【0067】
軸29はブラケット24、24にそれぞれ設けた軸挿通穴24Aに両端を貫挿し、かつ固定具30によりブラケット24に固定される。
【0068】
このすべり軸受装置12Bにおける樹脂軸受26は、軸29が長尺であるために左右2個の樹脂軸受で構成され、両樹脂軸受26,26と軸29の外周とボス25の内周面との間に潤滑油溜め32が形成される。この油溜め32は、摺動面に油を供給するための‘油溜り’として機能する。ボス25には外部から潤滑油を注入するための油孔33が設けられ、その油孔33には給脂ニップル34が取付けられる。
【0069】
本発明の樹脂軸受は、摺動面に樹脂系材料が位置するため、給脂は必ずしも必須ではないが、給脂した場合の方が軸受としての寿命が延びるため、好適には油孔や給脂ニップル等の給脂機構をすべり軸受装置に設け、給脂できる構造とするほうがよい。
【0070】
<その他>
なお、以上の説明では、油圧ショベルのアーム8とアームシリンダ9との間、及びブーム6とアーム8との間に設けられるすべり軸受装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばブーム6、アーム8、バケット10、ブームシリンダ7、アームシリンダ9、バケットシリンダ11等のフロント部材のいずれかの連結部に設けられたすべり軸受装置に適用してもよい。また、本発明の樹脂軸受を油圧ショベルの下部走行体1のローラ部分にも利用することができる。図16におけるA部やB部のフロント作業機5に用いられるすべり軸受装置12は、図19に示すように、例えば面圧10MPa以下、周速度0.05m/sec以下の条件で使用される。また、図16における下部走行体1のローラ部に用いられるすべり軸受装置は、図19に示すように、例えば面圧3MPa以下、周速度0.8m/sec以下の条件で使用される。
【0071】
更には、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械や、農業用機械、産業用機械に装備される樹脂軸受に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 運転室
4 エンジン室
5 フロント作業機
6 ブーム
7 ブーム用シリンダ
8 アーム
9 アーム用シリンダ
10 バケット
11 バケット用シリンダ
12,12A,12B すべり軸受装置
13 ブラケット
13A 軸挿通孔
13B 端面
14 ストッパ筒
15 樹脂軸受
15A 軸挿通穴
16 軸
16A ボルト挿通穴
17 固定ボルト
17A ナット
18 ダストシール
19 摺動板
21 ボス
21A 端面
24 ブラケット
24A 軸挿通孔
25 ボス
26 樹脂軸受
27 摺動板
29 軸
30 固定具
31 ダストシール
32 潤滑油溜め
33 油孔
34 給脂ニップル
99 治具
101 樹脂摺動部材
101a 溝
101b 底面
102 金属製裏金
103 金属中間材
104 治具本体
105 ガイド
106 プレート
106a 突起
107 把持手段
108 アルミパイプ材
108a 先端部
111 工具
201 樹脂摺動部材
201a 溝
301 樹脂摺動部材
301a 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の金属製裏金と円筒形状の樹脂摺動部材とを備える樹脂軸受において、
前記金属製裏金と前記樹脂摺動部材との間に、摩擦撹拌肉盛り法によって金属中間材を充填し、この金属中間材によって前記金属製裏金と前記樹脂摺動部材を一体化したことを特徴とする樹脂軸受。
【請求項2】
請求項1記載の樹脂軸受において、
前記樹脂摺動部材は、直径方向と高さ方向の少なくとも一方で肉厚が異なることを特徴とする樹脂軸受。
【請求項3】
請求項2記載の樹脂軸受において、
前記樹脂摺動部材は、外周面に少なくとも1本以上の溝を有することにより、肉厚が異なることを特徴とする樹脂軸受。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂軸受において、
前記樹脂摺動部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のいずれか1つの樹脂からなることを特徴とする樹脂軸受。
【請求項5】
円筒形状の樹脂摺動部材と円筒形状の金属製裏金とを備える樹脂軸受の製造方法において、
前記樹脂摺動部材として外周面に少なくとも1本以上の溝を有するものを用い、この樹脂摺動部材を内側に、前記金属製裏金を外側にして、前記樹脂摺動部材と前記金属製裏金を治具上に同軸に配置固定する第1手順と、
前記樹脂摺動部材と前記金属製裏金との間の空間に摩擦撹拌肉盛り用の金属パイプを回転しながら供給し、前記治具上に配置した金属プレートに対して押し付けることで、摩擦撹拌肉盛り法によって前記空間に金属中間材を充填する第2手順と、
この金属中間材の冷却固化後、前記治具から一体となった樹脂摺動部材及び金属製裏金を取り出し、前記一体となった樹脂摺動部材及び金属製裏金における前記樹脂摺動部材の円筒内面を機械加工で仕上げる工程を含む仕上げ加工を施すことにより、前記樹脂摺動部材の前記溝部分の内周面側に凹部を形成する第3手順とを有することを特徴とする樹脂軸受の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−251573(P2012−251573A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122639(P2011−122639)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】