説明

橋梁用支承装置

【課題】 大型車両等の通過等により鉛直方向に活荷重が生じたときに、これを受け止めて過大な沈み込みによる騒音や振動の発生を抑えることができる橋梁用支承装置を提供する。
【解決手段】 支承装置10は、橋桁1側に取り付けられる上取付プレート11と、橋脚2側に取り付けられる下取付プレート13と、上下取付プレート11,13の間に配設されて軟質層16と硬質層18が交互に積層された弾性支承部15と、弾性支承部15内に配設された鉛直荷重支持部25及び回転変位支持部27とにより構成されている。硬質層18は、鋼鉄製の厚板である上下鋼板19,21と、鋼鉄製の薄板である複数の内部鋼板22とからなり、上鋼板19及び内部鋼板22は、中心に貫通孔19a,22aがそれぞれ形成された枠形状になっている。貫通孔19a,22a内の空間部23に、鉛直荷重支持部25及び回転変位支持部27が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋桁側と橋脚側間に配設されて、橋桁側からの荷重を受ける橋梁用支承装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴム支承装置を、橋脚や橋台と橋桁の間に設けた場合、大型車両の通過時に橋桁の沈み込みが発生し、橋桁への乗り移りの際に、大きな振動や騒音を引き起こすという問題があった。通常のゴム支承装置は、硬質板とゴムからなる軟質板との積層構造にすることにより、水平方向よりも鉛直方向のバネ定数が高くなるように設定されてはいるものの、ゴム支承装置には水平変位に加えて回転変位を吸収する機能も必要であり、過度に鉛直バネ定数を高くするとこれらの機能に悪影響を及ぼすことになる。さらに、ゴム支承装置は、引張りの力が作用しないように圧縮された状態にしておく必要があるが、鉛直方向のバネ定数が高すぎると、その圧縮量が少なくなり、回転変位時の上取り付けプレートの傾斜により、部分的に圧縮代以上に引張りの変位が加わることになるので、結果的にゴム支承装置が早期に損傷するおそれがある。
【0003】
これに対して、特許文献1に示すように、基礎と建築物との間に、免震積層ゴムに加えて、基礎に設けたすべり支持体と建築物に設けたすべり鋼板を対向配置した免震構造が知られている。この免震構造は、鉛直方向の荷重を受ける滑り支持体及び滑り鋼板と、水平方向の変位に対応する免震積層ゴムとで、お互いの機能がわかれているため、鉛直方向に活荷重が加わっても、建築物の沈み込みによる影響は少ない。しかし、この免震構造では、免震積層ゴムと滑り支持体及び滑り鋼板を別個に用意する必要があり高価になると共に、設置のための広いスペースが必要になるという問題がある。特許文献2にも、同様にゴム支承と鉛直荷重の支承を別部材で行う免震構造が開示されている。
【特許文献1】特開平9−196116号公報
【特許文献2】特開平2−104834号公報
【0004】
また、他の免震装置として、特許文献3に示すように、弾性部材と、その上下両端部に固着された建造物及び地盤にそれぞれ接触固定される一対の剛性部材とを備え、弾性部材の内部に形成した孔の内部に震動減衰用ダンパを設けたものが開示されている。震動減衰用ダンパーは、震動減衰部材が上下側支持部材間に積層され、さらに上側支持部材側に設けた押圧部材によって常に一定の押圧力が加えられている。この免震装置は、あくまで水平方向の変位に対して減衰力を高めるために震動減衰部材間の摩擦を利用しているものであり、活荷重が加わった場合の沈み込みを防止するような効果はない。すなわち、この免震装置の震動減衰用ダンパーは、その名の示すように地震時の水平方向の震動を減衰させるための機能を有するものであり、平常時の走行荷重に対して鉛直方向の荷重を支持する目的で設置されるものではないのである。よって、仮にこの装置に鉛直方向の活荷重が加わったとしても、震動減衰部材の押圧力が一時的に高くなるのみであり、このような免震装置を橋桁の端支点に用いても、結果的に大きな振動やそれに伴う騒音を抑えることはできない。特許文献4にも、同様な構造の免震アイソレータが開示されている。
【特許文献3】特開平2−248551号公報
【特許文献4】特開2003−269536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のゴム支承装置は、まれに起こる地震時や交通時における水平方向の振動のみに注目し、平常時の交通荷重により発生する鉛直方向の振動を防止することに注目した機能は持ち合わせていなかった。それに対して、本発明は上記したような鉛直方向の振動に起因する騒音等の問題を解決しようとするもので、大型車両の通過等により鉛直方向に活荷重が生じたときに、これを受け止めて過大な沈み込みによる騒音や振動の発生を抑えることができる簡易な構造でかつ安価な橋梁用支承装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、橋桁側に取り付けられる上取付プレートと橋脚側に取り付けられる下取付プレートの間に、鉛直方向に軟質層と硬質層が交互に積層されてなる弾性支承部が挟持された橋梁用支承装置であって、弾性支承部の一部に上下取付プレート間に延びた空間部が設けられ、空間部内に上下方向に連続して積層された複数の硬質板からなる鉛直荷重支持部が配設されており、上取付プレートに橋桁による鉛直荷重を受けて軟質層が圧縮状態にされ、鉛直方向に活荷重が生じても鉛直荷重支持部により橋桁の沈み込みが抑えられることにある。
【0007】
上記のように構成した本発明においては、橋桁からの水平方向の荷重に対しては、上取付プレートからの鉛直荷重を受けて軟質層が圧縮状態にされた弾性支持部によりこれを減衰させることができる。一方、大型車両の通過等により、鉛直方向に活荷重が生じたときは、鉛直荷重支持部がこの活荷重を支持することにより、活荷重による弾性支持部の沈み込みが軽減され、それに伴う大きな振動及び騒音の発生が抑制される。また、橋梁用支承装置は、弾性支持部の一部に鉛直荷重支持部が配設された小型でかつ簡易な構造になっている。そのため、本発明によれば、従来に比べて橋梁用支承装置が安価に提供されると共にその設置スペースが少なくされる。また、鉛直荷重支持部が連続して積層された複数の硬質板で構成されていることから、地震などにより大きな水平変位が生じた場合でも、周囲の弾性支承部と干渉することなく、空間部の中で変位に対応することができる。よって、本発明の支承装置は、高減衰機能を有する免震支承装置としても有効である。さらに、支承装置の長期の使用による軟質層のへたりに対しても、鉛直荷重支持部が橋桁を支持することにより橋桁の位置の沈下を抑えることができる。
【0008】
また、上記橋梁用支承装置の鉛直荷重支持部においては、橋桁の橋軸方向に対する長さが、橋桁の橋軸直角方向に対する長さより長くなっていることが好ましい。これにより、橋桁が橋軸方向に大きく変位している状態であっても、重なり部分の面積を確保することができるため、鉛直荷重支持部により橋桁の鉛直方向の荷重を確実に支持することができる。
【0009】
また、上記橋梁用支承装置において、硬質板の外縁部は、外側に凸の曲面状に形成されたものであってもよい。このように、硬質板の外縁部が凸曲面状に形成されていることにより、橋梁用支承装置に水平方向の変位が加わったときに、硬質板の弾性支承部の内壁面への食い込みが抑えられ、弾性支承部の水平方向の変位が円滑に行われる。
【0010】
また、上記橋梁用支承装置において、硬質板同士の接触面に、すべり加工が施されていてもよい。これにより、硬質板同士の摩擦が抑えられるため、鉛直荷重支持部によって弾性支持部の軟質層による水平方向の変位に対する減衰作用が妨げられない。
【0011】
また、上記橋梁用支承装置において、上取付プレート及び鉛直荷重支持部の対向面間にて、互いに摺動可能に接触する凸曲面と凹曲面を有する凸曲面部材と凹曲面部材とが凸曲面と凹曲面にて上下方向に重ね合わされてなる回転変位支持部が配設されてもよい。これにより、橋桁の傾きによる上取付プレートの回転変位に対して、凸曲面部材の凸曲面と凹曲面部材の凹曲面が互いに摺動できることによって、下側凸曲面部材と上側の凹曲面部材とが摺動しながら回動することができる。その結果、回転変位支持部により、橋梁用支承装置が悪影響を受けることなく、回転変位がスムーズに吸収される。また、凸曲面と凹曲面が曲面により広い面積で接触していることにより、回転変位支持部によって大きな鉛直荷重を支持することが可能である。
【0012】
また、上記橋梁用支承装置において、凸曲面及び凹曲面に、すべり加工が施されていてもよい。これにより、凸曲面と凹曲面同士の摩擦が抑えられるため、回転変位支持部によって橋桁の傾きによる上取付プレートの回転変位をより円滑に吸収することができる。
【0013】
また、上記橋梁用支承装置が、橋桁の端部に固定されてもよい。このように、橋梁用支承装置が橋桁の端部に固定されることにより、橋桁の乗り移りの際に生じる沈み込みを有効に抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、大型車両等の通過によって鉛直方向に活荷重が生じたときに、鉛直荷重支持部が活荷重を支持することにより、沈み込みに伴う大きな振動及び騒音の発生が抑制される。また、本発明においては、弾性支承部内の一部に荷重支持部が配設された小型でかつ簡易な構造になっているため、橋梁用支承装置が安価に提供されると共にその設置スペースが少なくされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1は、同実施例である橋脚と橋桁端部間に取り付けられる橋梁用支承装置(以下、支承装置と記す)を橋軸直角方向から見た一部破断正面図により示したものであり、図2は支承装置の橋脚と橋桁端部間ヘの取り付け状態を模式図により概略的に示したものである。支承装置10は、橋桁1側に取り付けられる上取付プレート11と、橋脚2側に取り付けられる下取付プレート13と、上下取付プレート11,13の間に所定間隔を隔てて配設されて軟質層16と硬質層18が交互に積層された弾性支承部15と、弾性支承部15間に配設された鉛直荷重支持部25及び回転変位支持部27とにより構成されており、弾性支承部15は1000mm×1000mm×高さ350mmの直方体ブロックである。支承装置10は、図2に示すように、橋桁1の一方の端部(図示右端部)と橋脚2間に配設されて、他方の端部(図示左端部)にて固定用支持装置6に固定された橋桁1の一方の端部における水平方向の変位に追従すると共に鉛直方向の荷重を支承するようになっている。
【0016】
上取付プレート11及び下取付プレート13は、1020mm×1020mm×高さ50mmの鋼鉄製の厚板である。硬質層18は、弾性支承部15より若干面積の小さい正方形であり、鋼鉄製の厚板である上下鋼板19,21と、鋼鉄製の薄板である複数の内部鋼板22とからなり、上鋼板19及び内部鋼板22は、中心に橋軸方向270mm×橋軸直角方向120mmの横長長方形の貫通孔19a,22aがそれぞれ形成された枠形状になっている。上取付プレート11は上鋼板19にボルト12で固定されており、下取付プレート13は下鋼板21にボルト14で固定されている。
【0017】
複数の内部鋼板22は、上下鋼板19,21間においてゴム弾性体製の軟質層16を介して略等間隔で配置されている。また、上下鋼板19,21及び内部鋼板22の外側全面には、軟質層16から繋がったゴム弾性体製の外被覆層17が被覆形成されている。上鋼板19及び複数の内部鋼板22の貫通孔19a,22a内は、軟質層16が突出しておらず、下取付プレート13の上面までストレートに延びた直方体形状の空間部23になっている。空間部23には、鉛直荷重支持部25が配設されている。なお、軟質層16及び外被覆層17は、通常は上下鋼板19,21及び内部鋼板22を成形型にセットしてゴム加硫成形により一体で形成されている。
【0018】
鉛直荷重支持部25は、鋼鉄製で橋軸方向250mm×橋軸直角方向100mm×厚さ10mmの長方形の薄板である複数の硬質板26が上下に連続して積層されて四角柱形状になっている。なお、硬質板26の形状は、長方形の変わりに円形または楕円形であってもよい。鉛直荷重支持部25は、硬質板26を下取付プレート13上に載置した状態で空間部23内に配置され、その各側壁面は空間部23の周壁に対して約10mmの隙間を介して立設されている。ここで隙間を設けない場合は、水平変位した際に周壁部に干渉しないように、上面の角部を切り欠いても同様の効果がある。なお、硬質板26は、その4側面部分が半円弧状に丸められている。鉛直荷重支持部25の上には、鋼鉄製の正方形で厚板状の回転変位支持部27が重ね合わされている。
【0019】
回転変位支持部27は、鉛直荷重支持部25よりわずかに面積が小さく、下側の凸曲面部材28と上側の凹曲面部材29とを重ね合わせて構成されている。さらに、凸曲面部材28の上面が凸曲面28aとなっており、凹曲面部材29の下面が凹曲面29aとなっており、凸曲面28aと凹曲面29aが、互いに摺動可能に重なり合っている。各硬質板26間及び凸曲面部材28及び凹曲面部材29の互いに接触する表面にはフッ素樹脂コーティング等の滑り加工が施されており、水平変位に対する各硬質板26間、凸曲面部材28及び凹曲面部材29相互の水平移動が円滑に行われるようになっている。
【0020】
支承装置10は、下取付プレート13にて橋脚2に取り付けられるベースプレート4上に載置して固定され、上取付プレート11上に橋桁1に取り付けられるソールプレート3が固定される。ベースプレート4は、下面から一体で突出したアンカー4aが橋脚2に埋設されることにより橋脚2に固定され、ソールプレート3は、上面から一体で突出したアンカー3aが橋桁1に埋設されることにより橋桁1に固定される。鉛直荷重支持部25は、上取付プレート11に橋桁1が取り付けられていない、すなわち鉛直荷重が加えられていない状態では、図3に示すように、回転変位支持部27上端と上取付プレート11間に隙間がある。上取付プレート11に橋桁1が取り付けられて橋桁1側から鉛直方向の荷重が加えられることにより、図1に示すように、上取付プレート11が回転変位支持部27上端と接触するようになり、圧縮された弾性支承部15と鉛直荷重支持部25及び回転変位支持部28とが鉛直方向荷重を支持する。
【0021】
上記構成の支承装置10においては、大型車両等の通過により鉛直方向に活荷重が加わったときは、これを鉛直荷重支持部25が受け止めることにより、沈み込みが抑えられる。そのため、支承装置10により、橋桁1端部における大きな振動や騒音の発生が抑えられる。また、支承装置10が、橋桁1の伸縮等により水平方向の荷重を受けたときは、図4に示すように、弾性支承部15の変位によりこれを抑えることができる。さらに、支承装置10においては、鉛直荷重支持部25が長方形または楕円形の場合、支持部の寸法を橋桁1の橋軸方向に合わせて長くしてあるため、温度変化により橋桁1が橋軸方向に大きく変位している状態であっても、鉛直荷重支持部25によって橋桁1からの鉛直方向の荷重を確実に支持することができる。また、鉛直荷重支持部25が長方形であっても、硬質板26の4側面部分が半円弧状に丸められているため、水平方向の変位が加わったときに、硬質板26の端部の弾性支承部15の内壁面への食い込みが抑えられ、弾性支承部15の水平方向の変位が円滑に行われる。
【0022】
さらに、支承装置10は、橋桁1の可動端部側に配設されており、橋桁1の傾きにより回転変位が加わるようになっているが、この場合、図5に示すように、回転変位支持部27の下側の凸曲面部材28の凸曲面28aと上側の凹曲面部材29の凹曲面29aとが互いに摺動可能に接触しているため、下側の凸曲面部材28と上側の凹曲面部材29とが摺動しながら回動することができる。その結果、回転変位支持部27により、支承装置10が引張りなどの悪影響を受けることなく、回転変位がスムーズに吸収される。また、凸曲面部材28と凹曲面部材29が曲面による接触となっていることにより、凸曲面部材28によって大きな鉛直荷重を支持することが可能である。さらに、上記支承装置10において、硬質板26同士及び凸曲面部材28と凹曲面部材29の接触面は、すべり加工が施されているため、それぞれの接触面間のすべり摩擦が抑えられ、弾性支承部15の軟質層16による水平方向の変位が妨げられない。
【0023】
また、本実施例では、支承装置10は橋桁1の可動端部側に配設されており支持体である橋脚2に固定されることにより、他の橋桁などから橋桁1への乗り移りの際に生じる沈み込みを有効に抑えることができる。さらに、支承装置10は、弾性支承部15内の一部に鉛直荷重支持部25が配設された小型でかつ簡易な構造になっているため、安価に提供されると共に設置スペースが少なくてもよい。また、支承装置10の長期の使用によるゴム弾性体製の軟質層16のへたりに対しても、鉛直荷重支持部25が橋桁1を支持することにより橋桁1の位置の沈下を抑えることができる。
【0024】
なお、上記実施例において、回転変位支持部27の凸曲面部材28と凹曲面部材29の配置を、図6に示すように、凸曲面部材28を上側にし凹曲面部材29を下側にすることも可能である。また、上記実施例においては、図1に示すように、鉛直荷重支持部25の上に、鋼鉄製の回転変位支持部27が重ね合わされているが、これに代えて回転変位に対する応答があまり問題にならないような部位に使用する場合には、回転変位支持部27を省いて鉛直荷重支持部25のみを設けることも可能である。
【0025】
なお、上記実施例においては、鉛直荷重支持部25、回転変位支持部27の平面形状が正方形になっているが、長方形あるいは円形もしくは楕円形とすることも可能である。さらに、上記実施例では、弾性支承部は中央部分が空間部となった枠状にされているが、これに代えて弾性支承部が中間で分離されて、分離部分に鉛直荷重支持部25等を配置させて、弾性支承部で挟むようにすることも可能である。また、支承装置は、高減衰機能を有する免震支承装置であってもよい。その他、上記実施例に示した支承装置については一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の支承装置は、大型車両等の通過により、鉛直荷重より大きな活荷重が生じたときに荷重支持部が活荷重を下方にほとんど変位することなく支持することにより、沈み込みに伴う大きな振動及び騒音の発生が抑制され、さらに弾性支承部内の一部に荷重支持部が配設された小型でかつ簡易な構造になっているため、支承装置が安価に提供されると共にその設置スペースが少なくされるため、特に橋桁と橋脚間に配設される支承装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例である支承装置を概略的に示す一部破断正面図である。
【図2】支承装置の橋脚と橋桁間に取り付けられた状態を概略的に示す模式図である。
【図3】支承装置に鉛直荷重が加えられていない状態を示す正面図である。
【図4】支承装置に水平荷重が加えられた状態を示す一部破断正面図である。
【図5】支承装置に回転荷重が加えられた状態を示す一部破断正面図である。
【図6】回転変位支持部の凸曲面部材と凹曲面部材を上下に配置した状態を示す一部破断正面図である。
【符号の説明】
【0028】
10…支承装置、11…上取付プレート、13…下取付プレート、15…弾性支承部、16…軟質層、17…外被覆層、18…硬質層、19…上鋼板、21…下鋼板、22…内部鋼板、23…空間部、25…鉛直荷重支持部、26…硬質板、27…回転変位支持部、28…凸曲面部材、29…凹曲面部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋桁側に取り付けられる上取付プレートと橋脚側に取り付けられる下取付プレートの間に、鉛直方向に軟質層と硬質層が交互に積層されてなる弾性支承部が挟持された橋梁用支承装置であって、
前記弾性支承部の一部に前記上下取付プレート間に延びた空間部が設けられ、該空間部内に上下方向に連続して積層された複数の硬質板からなる鉛直荷重支持部が配設されており、前記上取付プレートに前記橋桁による鉛直荷重を受けて前記軟質層が圧縮状態にされ、鉛直方向に活荷重が生じても該鉛直荷重支持部により橋桁の沈み込みが抑えられることを特徴とする橋梁用支承装置。
【請求項2】
前記鉛直荷重支持部においては、前記橋桁の橋軸方向に対する長さが、該橋桁の橋軸直角方向に対する長さより長くなっていることを特徴とする前記請求項1に記載の橋梁用支承装置。
【請求項3】
前記硬質板の外縁部は、外側に凸の曲面状に形成されたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の橋梁用支承装置。
【請求項4】
前記硬質板同士の接触面に、すべり加工が施されていることを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載の橋梁用支承装置。
【請求項5】
前記上取付プレート及び前記鉛直荷重支持部の対向面間にて、互いに摺動可能に接触する凸曲面と凹曲面を有する凸曲面部材と凹曲面部材とが該凸曲面と凹曲面にて上下方向に重ね合わされてなる回転変位支持部が配設されたことを特徴とする前記請求項1から4のいずれか1項に記載の橋梁用支承装置。
【請求項6】
前記凸曲面及び凹曲面に、すべり加工が施されていることを特徴とする前記請求項5に記載の橋梁用支承装置。
【請求項7】
前記免震支持装置は橋桁の端部に固定されることを特徴とする前記請求項1から6のいずれか1項に記載の橋梁用支承装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−77395(P2006−77395A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259207(P2004−259207)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【出願人】(591017386)
【Fターム(参考)】