説明

機械の内部室の監視システム

機械(2)の内部室に対する監視システム(20)は内部室(6)にレーダービーム(28)を入射するレーダー源(26)、内部室(6)で反射するレーダービーム(32)を受信しこのビームを受信信号(36)として出力するレーダー受信機(34)、受信信号(36)からの実際値シグネチャ(40a)を検出しこれを記憶されている機械(2)の無欠陥を表わす設定値シグネチャ(40b)と比較するための制御・評価ユニット(38)、実際値シグネチャ(40a)の設定値シグネチャ(40b)からの偏倚が許容尺度(44)を越える時に欠陥信号(46、52a、b)を出力するための出力ユニット(42)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械の内部室の監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここで対象となる機械とは、たとえばその内部室がタービン車を含む燃焼室であるガスタービンである。またたとえば運転中に汲み出すべき媒体により貫流される内部室が翼車を備えたポンプ室であるポンプも対象となる。
【0003】
上述のガスタービンでは内部室はたとえば熱保護部材で被覆され、この部材は機械の金属製外套部を燃焼室内で燃焼するガスから保護する。この種の部材は完全にまたは部分的に溶解して機械の内部室に落ちることがある。またタービン翼の一部がタービン車からまたは翼が翼車から脱落してその機械の運転を阻害することもある。また亀裂または破損が機械もしくはその壁またはケーシングに生じるか、何らかの異物が内部室に侵入することもある。
【0004】
特許文献1からタービン翼の振動を観察できるタービン監視システムが知られている。このためタービン翼はミリメータ波レーダーシステムにより照射され、反射信号が異常な振動を検知するため解析される。崩壊する熱保護部材または内部室における何らかの異物の存在は公知の監視システムでは報知することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,507,658号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、機械の内部室用の改良された監視システムを提供することにある。
【0007】
本発明は、機械内部室における上述の溶解部材もしくは異物も検出できる無接触監視システムを提供するという考えに基づく。この場合使用される監視システムは、たとえばガスタービンにおける個々のまたは一部の熱保護部材の欠陥を検出できるようにするため良好な位置解析手段を備えなければならない。同時に監視システムは、機械の内部室からの情報を得ることができるようにするために、たとえば気体、蒸気および液体のような種々のコンシステンシーの媒体が良好に侵入できるようにしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は請求項1による機械の内部室監視システムにより解決される。このシステムは内部室にレーダービームを入射するレーダー源を有する。この場合すなわちタービン翼だけでなく機械の内部室全体が照射される。ここで問題になるのは、内部室が一般に完全に金属製のケーシングで囲われていることである。内部室全体がレーダービームを反射する。従来公知のレーダー技術は、照射される空間範囲に個々の反射部材(たとえば通常何もない大気圏における飛行機)だけがあることを常に前提にしている。そのエコーがレーダー画像形成に利用される。内部室の全体照射を伴うレーダー技術の使用は従って公知の対処方法からの離反を意味する。
【0009】
レーダー受信機は内部室で反射したレーダービームを受信し、受信したレーダービームに応じて受信信号を出力する。監視システムはさらに制御・評価ユニットを有する。このユニットは次いで−同様に従来のレーダー技術とは異なり−受信信号からたとえばデジタル信号処理により実際値シグネチャを検出する。このユニットは画像形成を優先するものではなく、単に受信信号の特徴を検出するものである。この特徴は内部室のジオメトリと相関関係にあるので、観察すべき内部室の偏倚(たとえば欠陥のある熱保護部材、タービン翼の欠陥部分、機械の一部の亀裂または破損または内部室におけるその他の異物)が実際値シグネチャにおける変化を生じさせる。
【0010】
たとえば実際値シグネチャは受信信号の時間または周波数解析の結果である。ここでは、受信信号の振幅および/または位相を評価するかまたはスペクトルにおける周波数の移動を求めるかもしくは二重評価を実施することが考えられる。時間領域ではたとえばUWB−レーダー−パルスの送出から受信までの走行時間測定により内部室ジオメトリの変化が検出される。他方ではUWB−レーダー−パルスのスペクトル分布の変化により内部室の変化が推量される。
【0011】
制御・評価ユニットはさらに設定値シグネチャを有し、これはその特徴により実際値シグネチャに相当するが、欠陥のない既知の機械を基礎にするかもしくはこの機械を表わすものである。換言すれば設定値シグネチャは、欠陥のない既知の機械において受信信号から実際値シグネチャとして検出されるものである。監視システムはさらに出力ユニットを有する。このユニットは、実際値シグネチャと設定値シグネチャとの偏倚が許容尺度を越えるときに欠陥信号を出力する。設定値シグネチャはたとえばいわゆるチャネル−サウンディング技術により検出される。
【0012】
換言すれば監視システムにより機械の内部室からたとえば従来のレーダー画像のように実際のリアル画像が作られるのではなく、抽象的な実際値シグネチャが作られるのであり、これは十分な位置解析における内部室のジオメトリ表示または材料特性を情報として含有する。次いで監視システムにより、機械の運転中に繰り返し測定される実際値シグネチャの欠陥のない機械の実際値シグネチャに相当する設定値シグネチャからの偏倚が観察される。このような手段によりそれ自体は完全な空間観察に不適当であったレーダー技術を機械の金属製の内部室においても使用することに成功した。
【0013】
受信信号の変化を確認するためには、従って設定値シグネチャを通常の、すなわち欠陥のない既知の運転に対して規定する必要がある。ここでたとえば機械の内部室にある媒体の密度変動および乱流による受信信号の変化がある場合を考える。シグネチャ中にたとえば機械の内部室もしくは外部スリーブの表面構造に溶解部材並びに欠陥などにより惹起される著しい変化が生じると、これは実際値シグネチャと設定値シグネチャとの偏倚を生じ、上述の媒体変動などを表わすことになる。これにより機械に欠陥があることが検出され、それに応じて欠陥信号が出力される。
【0014】
本発明による監視システムによれば、上述のような機械の上述のような内部室だけでなく一般的な技術的設備の内部室、たとえば鉱山の横抗などの異常な変化も調べることができる。なぜなら内部室の観察すべき異常な変化に対応する位置解析を可能にするように単にレーダー源を構成すれば良いからである。
【0015】
この方法により機械の内部室を場合によって貫流する媒体も、この媒体がレーダービームにより貫通され、欠陥時に、たとえば媒体の不足または一緒に異物が運ばれる時に実際値シグネチャが変化すれば、内部室において観察可能である。
【0016】
この監視システムは新しいレーダー方式を示すもので、たとえば大気圏の飛行機から個々の点の別々のエコーを受信するだけでなく、空間全体から戻ってくるレーダーエコーも受信される。さらにこの受信信号の形のレーダーエコーは画像形成ではなく抽象的に評価される。忠実なもしくは画像的にすなわち観察者によって評価可能な内部室の写像の形での実際の画像形成は望ましいが、これはこのシステムによって内部室における欠陥だけを認識すれば良いので必要ではない。「無欠陥」または「機械欠陥」の欠陥信号としてデジタル的なイエス/ノー信号の出力だけで十分である。勿論実際値シグネチャにより内部室の実際の具体的画像を提供するような受信信号の労力を有する処理も考えられるが、これは必ずしも必要ではない。
【0017】
本発明の有利な実施形態では、レーダービームは狭帯域(たとえばマイクロ波領域)または超広帯域(UWB)レーダービームである。この周波数領域用のレーダー技術は成熟しており、レーダーの応用に多くの実績がある。レーダー源はレーダービームをたとえば狭帯域もしくは正弦波信号の形で送出し、機械の内部室で反射させアンテナもしくはレーダー受信機で再び受信させる。ここでは一般に周波数領域における評価が行われる。狭帯域レーダーはたとえばEMCW(周波数変調連続波)レーダーとして実現される。EMCWレーダーは可動部分の検出精度を高めるという利点を提供する。
【0018】
UWBレーダーではたとえば約1GHzの帯域幅の広い周波数スペクトルを有する短いレーダーパルスが送出される。信号は従って時間領域においてできるだけ短いパルスから形成される。この場合にも内部室で反射されたレーダー信号が受信されて処理され、それに応じて受信信号から実際値シグネチャが作られる。時間領域における受信信号のパルス形状の変化は熱保護部材の配置およびジオメトリを推量させる。実際にはこの場合センチメートル範囲の解析が実現可能である。評価はここではたとえばパルス形状に基づきほぼ整合フィルタ処理により行われる。UWBレーダーは苛酷な環境にも適している。
【0019】
この場合種々のビームが機械内部室を対象とする種々の用途もしくは媒体に適している。たとえばガス充填物または蒸気充填物には狭帯域レーダーが適している。UWBレーダーはこれに対しほぼすべての媒体、すなわち液体および固形物にも利用できる。
【0020】
別の有利な実施形態では監視システムは制御・評価ユニットを有し、このユニットは入射および反射レーダービームの時間または周波数領域の評価に基づき実際値シグネチャを検出する。換言すれば実際値シグネチャは入射および反射レーダービームの位相状態および/または走行時間および/またはスペクトル信号分布に基づき検出される。純粋な走行時間測定とは異なり位相状態の評価により内部室に関する付加的な情報が得られ、実際値シグネチャに利用することができる。レーダービームが金属に当たるとこのビームは反射する。しかしレーダービームが部分的にのみ反射する材料、たとえば非金属の表面被覆に当たり、次いで金属に当たると、レーダービームはまず位相がずれて次いで反射する。たとえばこの場合ひずみのようなUWB−レーダー−パルスの変化が起こる。この位相のずれは検出することができ、実際値シグネチャと設定値シグネチャとの比較による欠陥検知に関して監視システムの信憑性にかなり作用する。換言すればすなわち位相状態の評価は監視システムの明確な改良を生じる。
【0021】
別の有利な実施形態では、監視システムはそれぞれレーダービームの送信および/または受信のためにレーダー源および/または制御・評価ユニットに接続された多数のアンテナを有する。
【0022】
多数のアンテナを使用することによりいわゆるアンテナアレイが実現される。多数のアンテナの送信および受信信号の相関により高度の付加情報が得られる。機械の内部室に種々の位置で入射する複数のアンテナからのレーダー信号の送出によりおよび種々のアンテナの受信信号の評価により内部室における方向依存性の反射が実際値シグネチャにおいて考慮される。たとえばガスタービンの内部室において個々の熱保護部材を正確にその存在および欠陥の有無を監視することが可能となる。換言すればすなわちアンテナアレイの使用によりレーダービームから照射される一定の空間範囲がより良好に位置解析される。内部室におけるレーダービームの上述の多数の反射に関してもアンテナアレイにより実際値シグネチャにおけるより詳細な情報が期待できる。
【0023】
たとえば実際値シグネチャの設定値シグネチャからの偏倚の振幅の値により欠陥の大きさもしくは程度を推量することができる。上述のアンテナアレイにより付加的に内部室の欠陥の位置を推量することができる。たとえばガスタービンにおいて実際値シグネチャと設定値シグネチャとの差の振幅によりただ1個の熱保護部材だけがまたはその破片が溶解しておりこれが実際値シグネチャのアレイ情報により内部室の特に問題にならない箇所で生じていると判断されると、欠陥信号の評価に基づき当該熱保護部材を機械の次の保守点検時に初めて交換し機械を非常停止しないようにすることを決定できる。
【0024】
本発明の有利な実施形態では内部室にレーダービームの送信および/または受信用のアンテナが配置される。レーダービームによる内部室の最大照射を達成するためには、すなわち内部室の表面のどの点もレーダービームが到達するようにするには、複数個のアンテナをたとえば均等分布して内部室に設置すると有利である。アンテナはそのため電磁的に透過性の材料からなる中間層の背後または直接機械の内部室に設置される。中間層の使用によりレーダービームは機械の内部室に侵入するがアンテナ自体は高温から保護されることが可能になる。
【0025】
別の実施形態ではアンテナは機械の外部室に配置され、アンテナから内部室に至るビーム行程にある機械壁にレーダービームの透過領域が配置される。このような透過領域はたとえば機械壁に埋め込まれた石英窓とすることができる。たとえば酸化層または有機的汚染によるアンテナ、中間層または透過領域の内面の汚染による監視システムの能力の低下などはレーダービームの性質により考えられない。
【0026】
アンテナの位置決めに際しては常に、アンテナの付属電子機器が熱、光線および化学的影響から保護されるように注意する必要がある。これは一実施形態ではアンテナの電子部品をアンテナ自体から離して設置すれば実現される。
【0027】
別の有利な実施形態では、監視システムは設定値シグネチャと実際値シグネチャとの差シグネチャを検出するための制御・評価ユニットを有する。監視システムにはさらに機械のそれぞれ特徴的な欠陥事例に対する多数の特徴的差パターンが記憶される。たとえば熱保護部材の欠陥時またはガスタービンのタービン翼の損傷時にそれぞれ設定値シグネチャと実際値シグネチャから差シグネチャが検出され、「欠陥熱保護部材」もしくは「損傷タービン翼」の欠陥事例用の特徴的な差パターンとして記憶される。出力ユニットは次いで機械の運転中にその都度実際に検出された差シグネチャが許容範囲の枠内においてそれぞれの差パターンに相応するかどうかを検証し、その時の差パターンに対応付けられた欠陥信号を出力する。この実施形態では監視システムはすなわちイエス/ノーの欠陥信号だけでなく、換言すればたとえば「熱保護部材の欠陥」「タービン翼の損傷」などの欠陥コードを提供する。
【0028】
相応する差パターンはたとえば実験または具体的に生じた差パターンの評価もしくはシーケンス学習により検出される。すなわち実際値シグネチャに対してどのような欠陥がまさに問題になっているかどうかが既知であれば、相応する差シグネチャから特徴的な差パターンを検出することができる。
【0029】
本発明の詳細を図面に示す実施例により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は本発明による監視システムを備えた機械の概略原理図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は機械2、たとえば内部室6を囲む金属製の機械壁4を備えたガスタービンを示す。内部室6はタービン翼10a−dを備えたタービン車8を含む。機械壁4は内部室6に向板面が熱保護部材12a−dで被覆されている(それぞれたとえば数個の部材だけが図示されている)。機械2は外部室14により囲まれている。
【0032】
機械2には監視システム20が付設されている。このシステムは中央ユニット22並びに多数のアンテナを有し、そのうちたとえばアンテナ24a、bだけが図示されている。この場合アンテナ24aは外部室14に、アンテナ24bは内部室6に配置されている。中央ユニット22はレーダー源26を含み、これは図示しない接続導線を介してアンテナ24a、bを制御してレーダービーム28を送信する。機械壁4がレーダービーム28により貫通されない金属からなるため、アンテナ24aと内部室6との間に図1に破線で示した機械壁4へのレーダービーム28のビーム行路27に石英窓の形の透過範囲30が設けられる。
【0033】
レーダービーム28は内部室6全体を充填する、すなわちビームは内部室6に向いた機械壁4もしくは熱保護部材12a−d及びタービン車8の全内部表面に達する。レーダービーム28は上述の部材で反射される。反射されたレーダービーム32(矢印で表示)はアンテナ24a、bで再び受信され、符号を付けていない制御導線を介して中央ユニット22のレーダー受信機34に導かれる。レーダー受信機34は反射レーダービーム32から受信信号36を発生し、中央ユニット22の制御・評価ユニット38に送る。
【0034】
このユニットは受信信号36から実際値シグネチャ40aを作る。制御・評価ユニット38にはさらに設定値シグネチャ40bが記憶されており、このシグネチャは機械4が欠陥のない状態にあるときに実際値シグネチャ40aに相応する。中央ユニット22に所属する出力ユニット42は、実際値シグネチャ40aが許可された偏倚に対する許容尺度44の枠内で設定値シグネチャ40bに相応するかどうかをチェックする。相応する場合ユニットは「無欠陥運転」の値の欠陥信号46を発信する。この例では欠陥信号は2つの値、すなわち「無欠陥運転」と「欠陥」の値を取ることができる。
【0035】
「欠陥」の値を取る欠陥信号46はたとえば以下のようにして作られる。
【0036】
タービン翼10aは機械4の運転中に部分破損もしくはその一部がタービン車8から外れたとする。内部室6に照射されたレーダービーム28は欠陥のあるタービン翼10aにより以降無傷のタービン翼10aとは異なる仕方で反射される。反射レーダービーム32は欠陥のない場合に対して変化するので、受信信号36も変化する。これにより実際値シグネチャ40aも変化し、欠陥以降その前に測定された実際値シグネチャ40aとはもはや一致しなくなる。特に実際値シグネチャ40aはそれ故許容尺度44を越えて設定値シグネチャ40bから偏倚する。出力ユニット42はこの偏倚を検出して欠陥信号46を「欠陥」として出力する。
【0037】
代替的な欠陥事例ではこれに対しタービン翼8は正常であるが、熱保護部材12cが溶解するものとする。無変化で入射されたレーダービーム28はそれゆえ改めて異なる仕方で反射されるので、結局改めて異なる実際値シグネチャ40aが生じる。このシグネチャも許容尺度44以上に設定値シグネチャ40bから偏倚するので、欠陥信号は改めて「欠陥」として出力される。
【0038】
代替的な実施形態では実際値シグネチャ40aと設定値シグネチャ40bから常にたとえば引き算により差シグネチャ48a、bが作られる。また特徴的な差パターン50a、bが出力ユニット42に記憶される。この実施形態では欠陥時に、すなわち実際値および設定値シグネチャ40a、bの上述の偏倚があるときに、出力ユニット42はその時の差シグネチャ48a、bを特徴的な差パターン50a、bと比較する。この場合後者のパターンはそれぞれ機械2の特徴的な欠陥事例に対応付けられている。たとえば差パターン50aはタービン翼10a−dの欠陥時の典型的な差シグネチャに相当し、差パターン50bは欠陥のある熱保護部材12a−dの特徴的な差シグネチャに相当する。
【0039】
実際に検出された差シグネチャ48a、bが許容尺度54の枠内の相応する差パターン50a、bに対応する場合には、特別な欠陥信号52a、bが代替的にまたは欠陥信号46に付加して出力される。この信号は機械2に欠陥があることを知らせるだけでなく、この欠陥がどのような性質のものかも知らせるものであり、欠陥信号52aの場合には「熱保護部材の欠陥」を示し、欠陥信号52bの場合は「タービン翼の損傷」を示す。
【0040】
換言すれば機械2の欠陥だけでなく、実際の差シグネチャ48a、bが典型的な差パターン50a、bに相応するかを検討することにより欠陥の性質による分類付けもされる。
【符号の説明】
【0041】
2 機械
4 機械壁
6 内部室
8 タービン車
10 タービン翼
12 熱保護部材
14 外部室
20 監視システム
22 中央ユニット
24 アンテナ
26 レーダー源
28 レーダービーム
32 反射レーダービーム
34 レーダー受信機
36 受信信号
38 制御・評価ユニット
40a 実際値シグネチャ
40b 設定値シグネチャ
42 出力ユニット
44 許容尺度
46 欠陥信号
52 欠陥信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(2)の内部室(6)にレーダービーム(28)を入射するレーダー源(26)、内部室(6)で反射するレーダービーム(32)を受信しこのビームを受信信号(36)として出力するレーダー受信機(34)、受信信号(36)からの実際値シグネチャ(40a)を検出しこれを記憶されている機械(2)の無欠陥を表わす設定値シグネチャ(40b)と比較するための制御・評価ユニット(38)、実際値シグネチャ(40a)の設定値シグネチャ(40b)からの偏倚が許容尺度(44)を越える時に欠陥信号(46、52a、b)を出力するための出力ユニット(42)を備えた機械(2)の内部室の監視システム(20)。
【請求項2】
レーダービーム(28、32)が狭帯域またはUWBレーダービームである請求項1記載の監視システム(20)。
【請求項3】
反射ビーム(32)と入射ビーム(28)の位相状態および/または走行時間および/またはスペクトル信号分布に基づき実際値シグネチャ(40a)を検出するための制御・評価ユニット(38)を備えた請求項1または2記載の監視システム(20)。
【請求項4】
レーダービーム(28,32)のその都度の送信および/または受信のためレーダー源(26)および/または制御・評価ユニット(38)に接続された多数のアンテナ(24a、b)を備えた請求項1から3の1つに記載の監視システム(20)。
【請求項5】
機械の内部室(6)に配置されたアンテナ(24a、b)を備えた請求項1から4の1つに記載の監視システム(20)。
【請求項6】
機械(2)の外部室(14)に配置されたアンテナ(24a、b)、アンテナ(24a、b)から機械壁(4)内の内部室(6)に向かうビーム行路(27)に配置されたレーダービーム(28,32)用の透過範囲(30)を備えた請求項1から5の1つに記載の監視システム(20)。
【請求項7】
設定値シグネチャ(40b)と実際値シグネチャ(40a)から差シグネチャ(48a、b)を検出するための制御・評価ユニット(38)、機械(2)の特徴的な欠陥事例用の記憶されている特徴的な差パターン(50a、b)、差シグネチャ(48a、b)が許容尺度(54)の枠内でその時の差パターン(50a、b)に相当するときに欠陥事例に対応する欠陥信号(52a、b)を出力するための出力ユニット(42)を備えた請求項1から6の1つに記載の監視システム(20)。

【図1】
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【公表番号】特表2013−513752(P2013−513752A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542548(P2012−542548)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069268
【国際公開番号】WO2011/070108
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(501315289)アレヴァ エンペー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (61)
【Fターム(参考)】