説明

機能ブリックを有する玩具組立システム

組立要素を分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立システムである。該玩具組立システムは前記連結手段を有する機能組立要素を備え、該機能組立要素はそれぞれ、制御可能な機能を実行するようになっている機能デバイスと、前記制御可能な機能を実行するために前記機能デバイスにエネルギーを提供するためのエネルギー源と、を有する。前記各機能組立要素は、制御信号をコード化した可視光を受信するための光センサーと、該光センサー及び前記機能デバイスに接続され、前記受信した制御信号をデコードすると共に該デコードした制御信号に応答して前記制御可能な機能を制御するようになっている制御回路とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、組立要素を分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような玩具組立システムは数十年にわたって知られている。単純な組立ブロックには、遊びの価値を高めるために特有の外観、又は機械的な機能若しくは電気的な機能を有する専用の組立要素が追加されてきた。このような機能には例えばモーター、スイッチ及びランプが含まれるが、センサーからの入力を受け取りかつ受け取ったセンサー入力に応答して機能要素を作動することができるプログラム可能なプロセッサも含まれる。
【0003】
事前構成された機能を実行するようになっている機能デバイスと、機能を実行するためにエネルギーを機能デバイスに提供するためのエネルギー源と、外部のトリガーイベントに応じて機能デバイスをトリガーして機能を実行するためのトリガーとを有する自己完結型の機能組立要素が存在する。通常、このような既知の機能組立要素は機械的トリガーを手動で作動するように設計され、限られた遊びの価値を提供するに過ぎない。
【0004】
特許文献1は、機能要素及び制御要素を備える玩具組立システムを開示している。機能要素及び制御要素は、機能要素が制御要素から電力及び制御信号の両方を受け取るように、ワイヤー及びプラグのシステムを介して電気的に相互接続可能である。このシステムでは、機能要素における電力源の必要性が回避されるが、そのようなシステムから機能玩具モデルを構築するよう組立要素を正確に相互接続するために、或る程度の抽象的思考及び技術的洞察が必要である。特に、そのような組立システムから構築される制御構造の働き方を理解するには、電気に関する基礎知識及び電気信号を用いて機能が制御され得るという基礎知識が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO2007/137577号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、小さな子供、例えば未就学児童が単純な制御システムを構築及び理解することを可能にする玩具組立システムを提供することが依然として課題である。
【0007】
したがって、このようなシステムで使用するのに適しておりかつシステムの教育的価値及び遊びの価値を高める新規の組立要素を有する玩具組立システムを提供することが一般的に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書では、組立要素を分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立システムが開示される。前記玩具組立システムの実施の形態は、前記連結手段を有する機能組立要素を備え、該機能組立要素はそれぞれ、制御可能な機能を実行するようになっている機能デバイスと、前記制御可能な機能を実行するために前記機能デバイスにエネルギーを提供するためのエネルギー源と、を有する。前記機能組立要素は、それぞれ、制御信号をコード化した可視光を受信するための光センサーと、該光センサー及び前記機能デバイスに接続され、前記受信した制御信号をデコードすると共に該デコードした制御信号に応答して前記制御可能な機能を制御するようになっている制御回路とを備える。
【0009】
前記玩具組立システムの実施の形態は、1つ又は複数の機能組立要素及び1つ又は複数の制御組立要素を備え、これらそれぞれが連結手段を有することで、組立要素を分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立システムと適合可能(compatible)になる。
【0010】
前記連結手段を有する制御組立要素の実施の形態は、所定の入力に応答するセンサー及び可視光を放射するための発光体(light emitter)を備え、前記制御組立要素は、前記所定の入力に応じて、前記発光体を介して前記所定の入力に対応する制御信号をコード化した可視光を出力するようになっている。
【0011】
結果として、制御組立要素と機能組立要素との間に可視光に基づく制御インタフェースが提供されることで、制御可能な機能の制御をもたらす可視指示をこの因果連鎖(cause-and-effect chain)のユーザーに提供する。したがって、制御機構は、直観的に理解でき、小さな子供にも扱いやすい。
【0012】
本明細書において、可視光という用語は、人間の眼に見える光、例えば約380nm〜約780nmの波長範囲から主に選択される波長を有する光を含むことが意図される。放射光が、例えば、赤色光(例えば、主に約625nm〜約740nmの波長範囲)、緑色光(例えば、主に約520nm〜約570nmの波長範囲)、又は青色光(例えば、主に約440nm〜約490nmの波長範囲)等の光スペクトルの一部を用いた着色光である場合、ユーザーが検出して周辺光から区別することがより行いやすい。
【0013】
制御信号は、任意の適当な方法で、例えば、振幅変調、周波数変調、パルス幅変調、パルス密度変調、一組の所定のオン/オフシーケンス等によって、放射光にコード変換され得る。可視光が可視光パルスとして放射され、制御信号が放射された光パルスの幅、順次パターン、及び/又は持続時間にコード変換されると、種々の制御信号がユーザーによって区別可能であり得ることにより、玩具構築システムの教育的価値をさらに高める。本明細書において、制御信号をコード化した可視光は、可視光信号とも呼ばれる。
【0014】
いくつかの実施の形態では、すべての制御組立要素が、それぞれの受信した入力をすべての制御組立要素に共通の離散的な一組の制御コードにマッピングし、各可視光信号が、その一組の制御コードの1つを示す。同様に、各機能組立要素は、共通の一組の制御コードの制御コードを、機能組立要素の機能デバイスによって実行可能なそれぞれの機能にマッピングする。
【0015】
さらに、制御インタフェースの実施の形態は、移動部品無しで動作可能であり、制御組立要素と機能組立要素との間の電気接点の確立を必要としないことにより、小さな子供にも適した機械的に強固なシステムを提供する。
【0016】
さらに、本明細書に記載の玩具構築システムの実施の形態では、機能組立要素及び制御組立要素は、動作するために互いに直近にある必要はなく、互いに直接物理的に接触している必要さえない。結果として、機能組立要素に対する制御組立要素の相対移動又は他の操作を必要とする傾斜又は回転等の入力を含む、制御組立要素への入力として用いられ得るタイプの入力に、高い自由度が与えられる。
【0017】
機能要素が、制御インタフェースを変更する必要なく所与の玩具構造内で容易に交換可能であり得ることが、本明細書に記載の玩具構築システムの実施形態のさらなる利点である。
【0018】
玩具組立システムが、可視光を伝送するための少なくとも1つのライトガイド、例えば光ファイバーライトガイド等の可撓性ライトガイドをさらに備え、かつ各光センサー及び各発光体が、ライトガイドを対応するセンサー又は発光体に接続して光通信させるためのコネクタを備える場合、センサー及び発光体は、視線上で互いに一致する必要はない。すなわち、ユーザーは、センサーに当たるように光ビームを向ける必要がない。
【0019】
ライトガイドが光の周面及び入射結合/出射結合(coupling in/out of)用の2つの端面を有し、かつ周面が端面の一方に入射結合される光の一部を放射するようになっている場合、受信した光信号に応答して機能が実行されること、及び制御組立要素が制御組立要素への入力に応答して光信号を放射することが、ユーザーに直接見える。
【0020】
いくつかの実施の形態では、連結手段は、接続方向を規定すると共に各組立要素と別の組立要素との相互接続をその組立要素に対する離散的な数の所定の相対向きで可能にするようになっており、すべての光センサーが、規定された接続方向に対して所定の方向からの光を受信するように配置される。同様に、すべての発光体が、規定された接続方向に対して少なくとも主に所定の方向に光を放射するように配置され得る。したがって、そのような玩具構築システムは、発光体及び光センサーの適切な位置合わせが容易に確保されるように制御要素及び機能要素が玩具組立システムの他の組立要素と相互接続される玩具構造の構築を可能にする。
【0021】
機能組立要素のいくつかの実施の形態は、可視光信号、例えば受信した可視光信号、又は受信した可視光信号から他の方法で得られた可視光信号、例えば受信した可視光信号におけるコード化された制御コードから得られる共通の一組の制御コードの1つをコード化した可視光信号を出力するための発光体をさらに備えることにより、機能組立要素のチェーンを含む制御構造の構築を可能にし得る。この場合、各機能組立要素は、可視光信号を受信すると、チェーン内の次の機能組立要素に可視光信号を転送する。
【0022】
同様に、玩具構築システムは、制御信号をコード化した可視光信号を受信するための光センサーと、可視光信号、例えば受信した可視光信号、又は受信した可視光信号から他の方法で得られる可視光信号を放射するための発光体とを備える、1つ又は複数の中継組立要素を備え得る。したがって、可視光信号を受信すると、中継組立要素は、そのような組立要素の制御チェーン内の次の機能組立要素又は中継組立要素に可視光信号を転送し得るが、それ自体は別の機能を実行しない。
【0023】
機能組立要素、制御組立要素、又は中継組立要素が、それぞれの方向に可視光信号を放射する複数の発光体、及び/又は発光体への複数のライトガイドの接続を可能にするコネクタを含むことで、そのような制御組立要素、機能組立要素、又は中継組立要素が制御チェーン内で分割/分岐ノード(divider/diverge node)として動作することを可能にし得ることが認識されるであろう。
【0024】
機能組立要素又は中継組立要素によって出力される可視光信号は、いくつかの方法で、例えば、一組の入力信号及び/又は入力制御コードから一組の出力信号及び/又は出力制御コードへの所定のマッピングを実行することによって、受信した可視光信号から得られ得る。いくつかの実施形態では、機能組立要素又は中継組立要素は、それぞれの可視光信号を受信するための複数の、例えば2つの光センサーを含み得る。例えば、機能組立要素は、受信した可視光信号の所定の関数、例えば、論理的AND又はOR関数に応答して機能を制御するようにされ得る。同様に、機能組立要素又は中継組立要素は、受信した可視光信号のそのような所定の関数に応答して可視光信号を出力し得る。機能組立要素又は中継組立要素が、並列の可視光信号の複数のチャネル、例えば赤色光及び青色光等のそれぞれの波長帯域の可視光信号を受信するための代替的な手段を含み得ることが認識されるであろう。
【0025】
いくつかの実施の形態では、制御組立要素、機能組立要素、及び/又は中継組立要素の少なくともいくつかは、受信した入力に応答して実行される動作を所定の遅延期間だけ遅延させるための遅延回路を含む。例えば、制御組立要素は、受信した入力に対する可視光信号の出力を遅延させるための遅延回路を含み得る。同様に、機能組立要素は、受信した可視光信号に対して実行された機能を遅延させるための遅延回路を含み得る、また、機能組立要素又は中継組立要素は、受信した可視光信号に対して可視光信号の出力を遅延させるための遅延回路を含み得る。応答動作のそのような遅延は、制御構造の因果連鎖をさらにより直観的にし得ると共にユーザーによって容易に知覚可能にし得る。例えば、所定の遅延は、ユーザーによって知覚可能であるほど十分に大きく、かつシステムの機能障害と誤解されないほど十分に短いように選択され得る。例えば、遅延は、約1秒よりも短く約0.1秒よりも長いように選択され得る。
【0026】
結果として、可視光信号に基づく一定の制御インタフェースを有する機能組立システムは、機能組立要素を玩具組立システムで用いるのに適したものにすると共に、教育的及び遊戯的価値を高める。
【0027】
玩具組立システムの実施の形態は、一定の様式でかつ優れた構造で、限られた一組の異なる構築要素を用いて、ユーザーが多種多様の機能及び機能関係を構築することを可能にする。例えば、玩具構築システムは、異なるトリガーセンサーを有するいくつかの制御組立要素と、それぞれの機能を実施するいくつかの機能組立要素とを備える、玩具構築セットとして提供され得る。場合によっては、そのような玩具構築セットは、いくつかの中継組立要素、制御組立要素及び機能組立要素の数に対応するライトガイド、従来の組立要素、取扱説明書等の1つ又は複数を備え得る。
【0028】
本明細書に記載の玩具構築システムの実施の形態が、機能組立要素及び/又は中継組立要素のチェーン又はネットワークを通した制御組立要素から下流への一方向通信を提供することで、小さな子供でも理解しやすい制御構造を構築するシステムを提供すると同時に、さまざまな異なる興味深い制御構造の構築を可能にすることが認識されるであろう。
【0029】
同様に、機能組立要素及び中継組立要素が、ボタン等の付加的なユーザー入力部を伴わずに提供される場合、及び/又は各制御組立要素に外部トリガー入力を受信する単一のセンサーが設けられる場合、直観的な制御構造の構築のために子供が用いることができる単純なシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来技術の玩具組立ブリックを示す。
【図2】従来技術の玩具組立ブリックを示す。
【図3】従来技術の玩具組立ブリックを示す。
【図4】本明細書に開示される玩具組立システムの実施形態を示す。
【図5】本明細書に開示される玩具組立システムの実施形態を示す。
【図6】本明細書に開示される玩具組立システムの実施形態を示す。
【図7】スイッチを有する玩具組立ブリックを概略的に示す。
【図8】電気的機能を有する機能組立ブリック及び電気的機能を駆動するためのバッテリーを概略的に示す。
【図9】機械的機能を有する機能組立ブリック及び機械的機能を駆動するためのバッテリーを概略的に示す。
【図10】中継組立要素の例を概略的に示す。
【図11】中継組立要素の例を概略的に示す。
【図12】玩具組立システムの別の実施形態を概略的に示す。
【図13】玩具組立システムの別の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本明細書に開示される玩具組立システムの種々の態様及び実施形態を、ブリックの形態の玩具組立要素を参照して説明する。しかしながら、本発明は、構築組立セットで用いられる組立要素の他の形態に適用することができる。
【0032】
図1には、上面に連結スタッドを有する玩具組立ブリック及び底部からブリック内に広がる空洞が示される。空洞は中央管を有し、別のブリックの連結スタッドが米国特許第3 005 282号に開示されるように摩擦係合で前記空洞に収容することができる。図2及び図3はこのような別の従来技術の組立ブリックを示す。残りの図で示される組立ブリックは協働スタッド及び空洞の形態でこの既知のタイプの連結手段を有する。しかしながら、他のタイプの連結手段を用いることもできる。連結スタッドは、正方形平面格子状に、すなわち、連結スタッドの配列(シーケンス)が配置される互いに直交する方向を画定するように配置される。連結手段のこの配置は、玩具ブリックが互いに対して離散的な数の向きで、特に互いに対して直角に相互接続されることを可能にする。
【0033】
図4は、側面の一方に光センサー11及び上面に連結スタッド12を有する玩具組立ブリック10と、側面のそれぞれ一方にセンサー21及び発光体22を有する玩具組立ブリック20とを示している。図示の実施形態では、玩具組立ブリック10は、光センサー11が制御ブリック20から放射される可視光信号を受信する機能組立要素を示している。したがって、玩具組立ブリック10は、機能ブリック10とも呼ばれる。玩具組立ブリック10は、光センサー11に接続される制御回路14、例えば、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサ、又は他の適当な制御回路機構を備える。組立ブリック10は、制御回路14に接続される機能デバイス15をさらに備える。組立ブリック10は、制御回路及び機能デバイスに電力を供給するための電源16、例えばバッテリーをさらに備える。制御回路14は、受信した光信号をデコードすると共にデコードした受信信号に応答して機能デバイスを制御するように構成される。制御信号を受信すると、制御回路14は、さらに、機能の実行を所定の遅延期間だけ遅延させるようにされ得る。
【0034】
概して、光信号は、任意の適当な光源によって提供され得る。特に、玩具組立ブリック10が、後述するような制御ブリック及び/又は中継ブリックを含むシステムの一部として用いられる場合、光信号は、制御ブリック又は中継ブリックの対応する発光体によって印加され得る。
【0035】
例えば、図4に示されている実施形態では、玩具ブリック20は、組立ブリック、例えば図1〜図3に示されている既知のブリックを分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立セットで用いるための制御組立要素の実施形態を示している。玩具ブリック20は、制御ブリック20とも呼ばれる。制御ブリック20は、所定の入力に応答するセンサー21を有する。そのような所定の入力の例として、機械力、押し、引き、回転、傾斜、人的操作、接触、物体の接近、電気信号、無線周波信号、光信号、可視光信号、赤外線信号、磁気信号、温度、湿度、放射エネルギー等が挙げられる。
【0036】
制御ブリック20は、発光体22と、制御回路24と、発光体、制御回路24、及び場合によってはセンサー21に電力を供給するための電源25、例えばバッテリーとをさらに備える。制御回路24、例えば、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサ、又は他の適当な制御回路機構は、センサー21及び発光体22に接続される。センサー21が所定の入力を検出すると、制御回路24は、対応する可視光信号を出力するように発光体22を制御する。センサー21を介して所定の入力を受信すると、制御回路24は、可視光信号の放射を所定の遅延期間だけ遅延させるようにされ得る。可視光信号は、センサー21を介して受信した入力の存在を示し得る制御信号をコード化し、かつ/又は制御信号は、受信した入力の特性、例えば、回転若しくは傾斜の方向、又は検出量の程度、例えば、回転若しくは運動の速度、力、温度、音圧、光強度等を示し得る。
【0037】
発光体22は、発光ダイオード(LED)又は任意の他の適当な光源であり得る。光源は、有色光、例えば、赤色光、青色光、又は緑色光を生成するように所定の波長範囲の光を放射するようにされ得る。発光体は、光を例えば平行光ビームとして主に一方向に放射させるための付加的な光学素子、例えば、レンズ、アパーチャ等をさらに含み得る。
【0038】
玩具構築セットは、複数の制御組立要素を含み得る。好ましくは、各制御組立要素は、特定のタイプのそのような物理的イベント/条件のみに応答する。さらに、玩具構築システムのすべての制御組立要素が、例えば同じ波長帯域を用いた一定の性質の可視光信号、及び可視光信号を介して制御信号を通信するための一定のプロトコルを出力することが好ましい。好ましくは、すべての制御組立要素発光体が、連結手段に対して、例えば、玩具ブリック20の上面上の連結スタッドに対して及び/又は底部の連結空洞に対して、一定の様式で配置される。これにより、制御組立要素が交換可能になり、図1〜図3におけるようなブリックから組み立てられる玩具構造物体において、いくつかの制御ブリックを交換可能に用いることができ、かつ特定の制御ブリックをいくつかの構築物で用いることができる。
【0039】
図4に示されている実施形態では、発光体22及び光センサー11が、それぞれの玩具ブリックの側面に位置付けられているため、発光体22は、上面及び底面と平行な方向に、すなわち連結スタッドによって画定される規則的な平面格子によって画定される平面に対する接線方向に、かつ主に連結スタッドの規則的な格子によって規定される方向に沿って、主に光を放射する。
【0040】
制御ブリックは、玩具組立セットと共に単独で、又は上述の1つ又は複数の機能ブリックと組み合わせて用いることができる。
【0041】
図5は、制御ブリック20、第1の機能ブリック50、及び第2の機能ブリック10を備える玩具組立システムの別の例を示している。制御ブリック20及び機能ブリック10は、図4に示されている制御ブリック及び機能ブリックそれぞれと同一である。機能ブリック50は、機能ブリック10と同様であり、光センサー51、制御回路54、電源55、及び図4に示されている機能デバイス10の対応する要素に関連して説明されたような機能デバイス56を備える。機能ブリック50は、制御ブリック20の発光体22と同様の発光体52をさらに備える。発光体52は、機能ブリック50の側面、例えば、光センサー52が位置付けられる側面とは反対側の側面に位置付けられる。発光体52は、制御回路54に接続される。機能ブリック50が可視光信号を受信すると、制御回路54は、図4に示されている機能ブリック10に関連して説明されたような対応する機能を実行するように機能デバイス56を制御する。さらに、制御回路54は、可視光信号、例えば受信した可視光信号、又は受信した可視光信号から得られる可視光信号を出力するように発光体52をさらに制御する。センサー51から可視光信号を受信すると、制御回路54は、さらに、可視光信号の放射を所定の遅延期間だけ遅延させるようにされ得る。
【0042】
したがって、機能ブリック50は、受信した可視光信号に応答して機能を実行することに加えて可視光信号を出力することにより、2つ、3つ、又は4つ以上の機能組立要素を含む機能組立要素のチェーンの構築を可能にする、機能組立要素の例を示している。
【0043】
特に、図5は、制御ブリック及び機能ブリックの使用目的を示している。制御ブリック20、機能ブリック50、及び機能ブリック10は、図示のように直列に配置され、玩具組立システムの他の組立ブリックと相互接続され得る。図5の例では、制御ブリック20は、その発光体22で出力可視光信号を提供することによって、センサー21によって感知された所定の入力に応答し得る。機能ブリック50は、制御ブリック20によって放射された可視光信号をその光センサー51で受信する。機能ブリック50は、受信した可視光信号に応答して機能を実行し、その発光体52で出力可視光信号を出力する。機能ブリック10は、機能ブリック50によって出力された可視光信号を光センサー11で受信し、対応する機能を実行する。
【0044】
図6は、制御ブリック20、機能ブリック10、及び中継ブリック60を備える玩具組立システムの別の例を示している。制御ブリック20及び機能ブリック10は、図4に示されている制御ブリック及び機能ブリックそれぞれと同一である。中継ブリック60は、図5に示されている機能ブリック50と同様であるが、中継ブリックは機能デバイスを含んでいない。したがって、中継ブリックは、光センサー61、制御回路64、電源65、及び発光体62を備える。中継ブリック60が可視光信号を受信すると、制御回路64は、可視光信号、例えば受信した可視光信号、又は受信した可視光信号から得られる可視光信号を出力するように発光体62を制御する。センサー61によって可視光信号が受信されると、制御回路64は、可視光信号の放射を所定の遅延期間だけ遅延させるようにされ得る。
【0045】
したがって、中継ブリック60は、受信した可視光信号に応答して機能を実行することなく、受信した可視光信号を中継することにより、2つ、3つ、又は4つ以上の機能組立要素及び/又は中継組立要素を含むそのような組立要素のチェーンの構築を可能にする、中継組立要素の例を示している。
【0046】
組立ブロック50におけるセンサー51から発光体52への、又は組立ブロック60におけるセンサー61から発光体62への通信方向は、例えば、適当な符号、適当な色選択によって、組立ブロックの形状によって、かつ/又は任意の他の適当な方法で、それぞれの組立ブロック上で指示され得るため、ユーザーがセンサーと発光体とを容易に区別すること及び組立ブロックを適切に位置合わせすることを可能にする。代替的な実施形態では、組立ブロックは、それぞれの方向に、例えば逆方向に向いた2つのセンサー・発光体対を備え得る。したがって、組立ブロックがセンサー・発光体対の一方のセンサーで入力信号を受信すると、組立ブロックは、他方のセンサー・発光体対の発光体で対応する可視光信号を出力し得る。結果として、不用意に誤った向きで組立ブロックを用いる危険性がなくなる。
【0047】
機能組立要素と、中継組立要素と、制御組立要素との間のインタフェースは、例えば、すべての制御組立要素によって用いられて玩具組立システムのすべての機能組立要素及び中継組立要素によって解釈可能である共通の一組の制御コードに基づいて、一定の様式で設定され得る。制御ブリック、中継ブリック、及び機能ブリックのそれぞれが、同じ群からの他のブリックと交換可能である。したがって、玩具構築セットが、均一に配置された光センサー及び発光体を有すると共に適合可能な可視光信号を介して伝送される一定のコードを用いる、複数の機能ブリック及び/又は複数の制御ブリック及び/又は複数の中継ブリックを含む場合、異なるセンサー入力によってトリガーされる多種多様の異なる機能が、単に種々のブリックを交換することによって構築され得る。
【0048】
以下で、可視光信号を介して通信され得る所定の一組の制御コードに基づく通信プロトコルの例を説明する。以下の例では、制御コードの組は、VLLコード1〜VLLコード12と称する12個の別個のコードを含む。任意の他の数の制御コードを用いることができ、かつ/又は可視光信号を介して実施されるのに適した他のタイプの通信プロトコルを代わりに用いることができることが認識されるであろう。
【0049】
例えば、制御組立要素が、2次元の傾斜動作を検出するように構成される傾斜センサーを含み得ることで、入力センサーが5つの別個の傾斜位置:ニュートラルすなわち傾斜無し(N)、前傾(F)、後傾(B)、右傾(R)、及び左傾(L)を検出することができる。したがって、制御組立要素の制御回路は、例えば表1のマッピングに従って、傾斜位置間の一部又は全部の可能な遷移を制御コードのそれぞれ1つに変換し得る。
【0050】
【表1】

表1:傾斜センサーの制御コードマッピングの例
【0051】
異なるマッピングを用いてもよいことが認識されるであろう。
【0052】
同様に、制御組立要素は、例えば、要素全体の回転、又は回転可能なデバイス、例えば制御組立要素に含まれる車輪又は軸の回転を検出するための回転センサーを含み得る。例えば、回転センサーは、2つの回転方向(それぞれ「前方」(F)及び「後方」(B)と表記する)及び3つの回転速度(それぞれ「低速」(S)、「中速」(M)、及び「高速」(F)と表記する)を区別するように構成され得る。したがって、回転センサーは、ニュートラル/停止状態に加えて6つの回転状態を検出することができ、例えば、各状態が方向及び速度によって、例えば「低速前方」の場合はSF等と表記され、ニュートラル状態はSと表記される。制御回路は、例えば表2に示されているように、各回転状態及び/又は回転状態間の遷移をそれぞれの制御コードに変換し得る。
【0053】
【表2】

表2:回転センサーの制御コードマッピングの例
【0054】
表2において、表記XB及びXFは、速度に関係なく任意の後方状態及び前方状態をそれぞれ示す。したがって、この例では、回転状態間の遷移に関するそれぞれのコードが1回伝送され、それぞれの状態に関するコードが対応する間隔で伝送される。この例では、間隔は検出速度に応じて変わる。
【0055】
上記例は、制御組立要素のセンサーが、例えば組立要素の、及び/又は組立要素の外部環境の、一組の状態及び/又はそのような状態間の遷移の1つを検出するようにされ得ることを示している。したがって、制御組立要素は、一組の制御コードのそれぞれ1つを検出可能な状態のそれぞれ1つに、かつ/又はそのような状態間のそれぞれの遷移に関連付け得る。
【0056】
以下で、受信した可視光信号に応答してそれぞれの動作を実行すると共に出力可視光信号を出力する機能ブリック50によって示されているタイプの、機能組立要素の2つの例を説明する。
【0057】
一実施形態では、機能組立要素が、機能デバイスとしてRGB光源を含み得ることで、着色光、例えば、B、BG、G、GR、R、RY、Y、及びYBと表記される色の光を放出することが可能であり得る。制御回路は、例えば以下の表3に示されているマッピングに従って、受信した可視光信号におけるコード化され受信された制御コードに応答して光源を制御し得る。制御回路は、例えば表3に示されているマッピングに従って、受信した可視光信号から得られる可視光信号を出力するように機能組立要素の発光体をさらに制御し得る。
【0058】
【表3】

表3:機能組立要素の機能及び出力コードの例
【0059】
別の実施形態では、機能組立要素が、機能デバイスとして音響発生器を含み得ると共に、いくつかの速度、例えばsp1、sp2、及びsp3という3つの速度レベルで異なる事前構成された音を発することが可能であり得る。
【0060】
制御回路は、例えば以下の表4に示されているマッピングに従って、受信した可視光信号にコード化された制御コードに応答して音響発生器を制御し得る。制御回路は、例えば表4に示されているマッピングに従って、受信した可視光信号から得られる可視光信号を出力するように機能組立デバイスをさらに制御し得る。
【0061】
【表4】

【0062】
上記例では、それぞれの動作、すなわちRGB光源の起動及び音響発生器の起動は、対応するコードの受信によってトリガーされ得る。新たなコードを受信すると、進行中の動作が中断され得る。出力コードは、入力コードの受信直後に又は所定の遅延を伴って伝送され得る。
【0063】
図7には、ブリック10の機能デバイスがスイッチ71であってもよいことが示される。スイッチ71は通常は開いた、又は通常は閉じたスイッチであってもよく、その端子は上面の連結スタッドに、又は他の組立ブリックの連結スタッドを係合するように意図される空洞の表面に接続されることができる。
【0064】
機能デバイスによって実行される機能は、例えば、機械的機能及び/又は電気的機能であり得る。
【0065】
図8には、電気的なエネルギーを貯蔵するバッテリー82を有する機能ブリックが示され、スイッチ81は受信した光信号に応答して作動することができ、それにより電気的な機能デバイス83はバッテリー82から電力を受け取り、該電気的な機能デバイス83は、電気的な機能を実行する。
【0066】
図9には、電気的なエネルギーを貯蔵するバッテリー82を有する機能ブリックが示され、スイッチ81は受信した光信号に応答して作動することができ、それにより機械的な機能デバイス93はバッテリー82から電力を受け取り、該機械的な機能デバイス93は、機械的な機能を実行する。
【0067】
本明細書に記載の機能ブリックが実行することができる機械的な機能の例は、回転する出力シャフトを駆動すること、物体を機能ブリックに引き寄せることを可能にする紐又は鎖を巻き取ること、例えばドアを開閉することを可能にする機能ブリックのヒンジ部分を高速で又は低速で動かすこと、物体を排出すること等を含む。このような機械的な動きは、バッテリー82により電力供給される電動機若しくは再充電可能な電気コンデンサーにより、又は別の適当な電源により駆動されることができる。
【0068】
本明細書に記載の機能ブリックが実行することができる電気的な機能の例は、アクセス可能な端子を用いてスイッチを動作させること、常時光又は点滅光を放射すること、所定の順序でいくつかのランプを作動させること、警報、アラーム、ベル、サイレン、音声メッセージ、音楽、合成音、遊びの活動をシミュレート及び促進する自然の音又は模倣した音等の可聴音を発生させること、音を録音及び再生すること、超音波等の不可聴音を発生させること、別のコンポーネントにより受信される無線周波信号又は赤外線信号を発生させること等を含む。
【0069】
したがって、機能デバイスは任意の適した機械的なデバイス及び/又は電気的なデバイス、上述した機能若しくは代替の機能のうちの1つ若しくは複数を実行するようになっている構成又は回路機構を含んでもよい。機能デバイスの例は、ランプ又はLED等の光源、音響発生器、モーター、ヒンジ部、回転可能なシャフト、信号発生器等を含む。
【0070】
光センサーが連結手段に対して、すなわち、上面の連結スタッド及び/又は底面の連結用の空洞に対して一定の様式で配置され得る。これにより機能ブリックは交換可能になり、図1〜図3のようなブリックで組み立てられる玩具の構造物ではいくつかの機能ブリックを交換可能に使用することができ、いくつかの構築体で特定の機能ブリックを使用することができる。玩具組立システムはそれぞれの光信号に応じ、異なる機能を提供するこのような機能ブリックのうちのいくつかを含んでもよい。それでもなお、全ての機能ブリックが一定の方法で同じタイプの可視光信号に応じる光センサーを含む場合、このような機能ブリックは本明細書に記載される組立ブリックから組み立てられる玩具構築体内で容易に交換することができる。例えば、ランプを含む機能ブリックも音源又は拡声器を含む機能ブリックも共に同様に作動されるため、構築体のいかなる他の部分も変更することなく、ランプを含む機能ブリックを音源又は拡声器を含む機能ブリックと単純に取り替えることができる。
【0071】
図10は、可視光信号を受信するための1つの光センサー(明確に図示せず)と、それぞれが受信した可視光に応答して可視光信号を放射するようになっている2つの発光体62a及び62bとを有する、中継組立要素60を示している。中継組立要素60は、同じ可視光信号又は異なる可視光信号を出力するように発光体を制御し得る。したがって、図10の中継組立要素は、機能組立要素及び/又は中継組立要素の単一の上流制御チェーンを2つの下流制御チェーンに分割する分岐部(diverge)としての役割を果たし得る。玩具組立システムが、分岐部としての役割を果たし得る2つ以上の発光体を有する機能組立要素を含むこともできることが認識されるであろう。
【0072】
図11は、それぞれの可視光信号を受信するための2つの光センサー61a及び61bと、受信した可視光信号に応答して可視光信号を放射するようになっている発光体62(明確に図示せず)とを有する、中継組立要素60を示している。図11の中継組立要素60は、受信信号の組み合わせから決定される可視光信号を出力するように発光体を制御し得る。例えば、両方のセンサーが同じ可視光信号を同時に又は少なくとも所定の時間窓内で受信する場合、中継要素は可視光信号のみを発し、したがってAND関数を実施し得る。中継組立要素が、代替的に2つの受信信号の他の関数を実施し得ることが理解されるであろう。玩具組立システムが、受信信号の関数を実施し得る2つ以上の光センサーを有する機能組立要素を含むこともできることがさらに認識されるであろう。
【0073】
最後に、玩具構築システムが、さらなるタイプの中継要素、機能要素、及び/又は制御要素、例えば、3つ以上の光センサー及び/又は3つ以上の発光体を有する機能要素又は中継要素、2つ以上の光センサー及び2つ以上の発光体を有する機能要素又は中継要素、2つ以上の入力センサー及び/又は3つ以上の光源を有する制御要素、入力センサー21に加えて可視光信号を受信する光センサーを有する制御要素等を備え得ることが認識されるであろう。
【0074】
一般的に、機能組立要素の光センサー、制御組立要素の発光体、並びに中継要素の光入力部及び光出力部が、上面及び底面に連結手段を有する組立要素の側面に位置決めされている場合、入力部及び出力部は連結手段を妨害しない。さらに、光インタフェースのこの配置により、1つの水平な層/平面内で、機能要素、制御要素、及び中継要素の全配列(シーケンス)又はネットワークさえも、一定の様式で構築することが可能になり、これにより、トリガーイベントを伝送するさらなる手段を必要とすることなく、特に或る組立要素から次の組立要素にトリガー作用/イベントを伝えるためのいかなる特有の基板も必要とすることなく、制御要素、機能要素、又は中継要素が放射する光と別の機能要素又は中継要素の光センサーとの位置合わせが確保される。
【0075】
図12は、制御ブリック20及び機能ブリック10の別の実施形態を示している。制御ブリック及び機能ブリックは、図4に示されている対応する制御ブリック及び機能ブリックと同様であり、図12には明確に示されていないが、これらは図4の対応するブリックと同じ構成要素を含み得る。図12のブリックは、光センサー11及び発光体22が、例えばそれぞれのめくら穴又は他の開口部若しくはソケットの形態のそれぞれのソケット13及び23内に配置されている点が、図4の対応するブリックとは異なる。ソケットは、主に光を一方向に放射させ、光センサーに主に一方向から光を受信させる。さらに、ソケットは、図13に示されているようなライトガイド用のコネクタとしての役割を果たし得る。図12の制御ブリック及び機能ブリックが、図5及び図6に関連して説明したようなセンサー・発光体対を含むこともできることが認識されるであろう。
【0076】
図13は、可撓性ライトガイド130、例えば光ファイバーライトガイドによって接続される図12の制御ブリック20及び機能ブリック10を示している。ライトガイドの長手方向端面131a及び131bは、ソケット13及び23それぞれに挿入されることにより、発光体22と光センサー11との間に光路を提供して発光体センサーとの直接的な位置合わせの必要性を回避すると共に、発光体22と光センサー11との間の専用(private)通信チャネルを提供するように示されている。
【0077】
ライトガイド130が、受信した光の一部をその周面を通して側方に放射するタイプのものである場合、ライトガイドを介して通信される可視光信号がユーザーに見えるため、通信中の可視光信号の有無、及びおそらくは種々の制御コードをユーザーに見えるようにするための光強度の変化さえも、ユーザーが観察することを可能にすることで、直観的な通信インタフェースが提供される。この目的で、ライトガイドは、ライトガイドを通して伝送される光の一部がライトガイドから漏れることを確実にする任意の適当な方法で適合され得る。例えば、これは、ファイバーのシースに欠陥/不純物がある光ファイバーライトガイドを提供することによって、又は機械的ノッチ、パターン等を有するファイバーを提供することによって達成され得る。
【0078】
光源を含むソケット及び発光体を含むソケットは、異なる形状(例えば、異なる形状の断面)を有していてもよく、又は他の方法で機械的にコード化されてもよく、ライトガイドは、ライトガイドの一端のみがセンサーのソケットに嵌まり込み、ライトガイドの他端のみが発光体のソケットに嵌まり込むように、対応の形状の又は他の方法で機械的にコード化された端部分を有することにより、ユーザーが組立ブロックを互いに対して正しい向きで接続することを自動的に確実にし得る。組立ブロックが、ライトガイドの接続用の他のタイプのコネクタを含み得ることがさらに認識されるであろう。
【0079】
本明細書に記載の組立要素の制御要素の実施形態は、いくつかの別個の要素を備えるハードウェアを用いて、かつ/又は少なくとも一部は適当にプログラムされたマイクロプロセッサを用いて実施され得る。
【0080】
いくつかの手段を列挙している特許請求の範囲において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同一の要素、構成要素、又はアイテムによって具現され得る。特定の措置が互いに異なる従属請求項で挙げられている、又は異なる実施形態で説明されているということだけでは、これらの措置の組み合わせを有利に用いることができないことにはならない。
【0081】
本明細書で用いられる場合の「備える/含む」という用語は、述べられた特徴、要素、ステップ、又は構成要素の存在を明示するものと解釈されるが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、構成要素、又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないことが強調されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立要素を分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立システムであって、前記連結手段を有する機能組立要素を備え、該機能組立要素はそれぞれ、
制御可能な機能を実行するようになっている機能デバイスと、
前記制御可能な機能を実行するために前記機能デバイスにエネルギーを提供するためのエネルギー源と、
制御信号をコード化した可視光を受信するための光センサーと、
前記光センサー及び前記機能デバイスに接続され、前記受信した制御信号をデコードすると共に該デコードした制御信号に応答して前記制御可能な機能を制御するようになっている制御回路と、
を備える、組立要素を分離可能に相互接続するための連結手段を有する組立要素を備える玩具組立システム。
【請求項2】
各前記機能は動き、可聴音信号の生成、不可聴音信号の生成、電気的な信号の生成、可視光信号の生成、不可視光信号の生成、及び無線周波信号の生成から選択される、請求項1に記載の玩具組立システム。
【請求項3】
前記連結手段を有する制御組立要素をさらに備え、該制御組立要素は、所定の入力に応答するセンサー及び可視光を放射するための発光体を備え、前記制御組立要素は、前記所定の入力に応じて、前記発光体を介して前記所定の入力に対応する制御信号をコード化した可視光を出力するようになっている、請求項1又は2に記載の玩具組立システム。
【請求項4】
異なる所定の入力に応答する複数の制御組立要素を備える、請求項3に記載の玩具組立システム。
【請求項5】
各前記所定の入力は、機械的な力、押し、引き、回転、人的操作、接触、物体の接近、電気信号、無線周波信号、光信号、可視光信号、赤外線信号、磁気信号、温度、湿度、及び放射から選択される、請求項3又は4に記載の玩具組立システム。
【請求項6】
前記連結手段を有すると共に、制御信号をコード化した可視光を受信するための少なくとも1つの光センサー及び可視光を放射するための発光体を備える、中継組立要素をさらに備え、該中継組立要素は、前記受信した制御信号に応じて該受信した制御信号の関数として出力制御信号を決定すると共に、前記発光体を介して前記決定した出力制御信号をコード化した可視光を出力するようになっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項7】
前記受信した制御信号のそれぞれの関数として出力制御信号を決定するようになっている複数の中継組立要素を備える、請求項6に記載の玩具組立システム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記機能組立要素は、可視光を放射するための発光体を備え、前記機能組立要素は、前記受信した制御信号に応じて該受信した制御信号の関数として出力制御信号を決定すると共に、前記発光体を介して前記決定した出力制御信号をコード化した可視光を出力するようになっている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項9】
前記受信した制御信号の前記関数は、恒等関数、前記受信した制御信号に対する前記出力制御信号の遅延、所定の回数の前記受信した制御信号の反復、該受信した制御信号が所定の条件を満たす場合のみの出力制御信号の出力から選択される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項10】
可視光を伝送するための少なくとも1つのライトガイドをさらに備え、前記光センサーのそれぞれ及び前記発光体のそれぞれは、前記ライトガイドを対応の光センサー又は発光体に接続して光通信させるためのコネクタを備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項11】
前記ライトガイドは、周面並びに光を受信及び/又は放射するための2つの端面を有し、前記周面は、前記端面の一方で受信された前記光の一部を放射するようになっている、請求項10に記載の玩具組立システム。
【請求項12】
複数の機能組立要素を備え、該機能組立要素の機能デバイスが異なる機能を実行するようになっている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項13】
前記連結手段は、接続方向を規定すると共に各組立要素と別の組立要素とをその組立要素に対して離散的な数の所定の向きで相互接続することを可能にするようになっており、前記光センサーはそれぞれ、前記規定された接続方向に対して所定の方向からの光を受信するように配置される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項14】
前記連結手段は、前記接続方向を規定する1つ又は複数の規則的な平面格子状に配置され、前記光センサーはそれぞれ、前記平面格子の少なくとも1つに対して所定の接線方向からの光を受信するように配置される、請求項13に記載の玩具組立システム。
【請求項15】
前記機能組立要素はそれぞれ、上面、底面、及び少なくとも1つの側面を有し、前記連結手段は、前記上面及び前記底面の少なくとも一方に配置され、前記光センサーはそれぞれ、前記側面に配置される、請求項13又は14に記載の玩具組立システム。
【請求項16】
前記連結手段を有する制御組立要素をさらに備え、該制御組立要素は、所定の入力に応答するセンサー及び可視光を放射するための発光体を備え、前記制御組立要素は、前記所定の入力に応じて、前記発光体を介して前記所定の入力に対応する制御信号をコード化した可視光を出力するようになっており、前記発光体は、前記規定された接続方向に対して所定の方向に光を放射するように配置される、請求項13〜15のいずれか1項に記載の玩具組立システム。
【請求項17】
前記連結手段は、1つ又は複数の突起と、1つ又は複数の空洞とを備え、該空洞のそれぞれは摩擦係合で突起の少なくとも1つを収容するようになっている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の玩具組立システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2012−500682(P2012−500682A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524294(P2011−524294)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060121
【国際公開番号】WO2010/023070
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(594012623)レゴ エー/エス (19)
【Fターム(参考)】