説明

機能性ヨーグルトを利用して保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法

【課題】流通過程における保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法を提供する。
【解決手段】家禽肉をクエン酸、硝酸、乳酸の群から選択される少なくとも1種以上の酸溶液によって洗浄し、その包装容器に機能性ヨーグルトを充填する。充填するとき、五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシの群から選択される少なくとも1種以上の抽出液をさらに添加する。該機能性ヨーグルトは、無脂乳固形分の含有量が2〜15%である原料乳に、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を0.01〜0.05%(w/v)接種してpH4.5〜5.0になるべく培養したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性ヨーグルトを利用して流通過程における家禽肉類の保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法に関する。より詳細には、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填して保管する、機能性ヨーグルトを利用することによって流通過程の保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、全世界の肉類消費量の30%程度を家禽肉が占めていると知られている。これは豚肉に次いで2番目にあたる数値であり、このようにグローバルな家禽肉の消費増加とともに国内でも家禽肉の消費量、殊に鶏肉の消費量が持続的に増加している。このような鶏肉消費量の増加に伴って、流通過程の鶏肉製品に対する食品としての安全性と新鮮度、製品の色度及び味などに対する関心とその重要性が漸次注目されている。
【0003】
大部分の鶏肉は新鮮肉の形態で販売されているため、製品が販売網を通じて流通される間、一定水準以上の品質を維持することが必須的である。具体的には、新鮮肉の形態で販売される鶏肉の腐敗は、貯蔵温度、包装方法、初期汚染微生物の種類と程度、また、鶏肉製品に対する微生物抑制物質の添加可否、酸素分圧、pH、水分含量などの最終的組成によって決定される。
【0004】
また、鶏肉の腐敗を起す原因菌としては、シュードモナス(Pseudomonas)、アシネトバクター(Acinetobacter)、シュードモナス・プトレファシエンス(Pseudomonas putrefaciens)、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)などがあり、その中でも、シュードモナス・フルオレセンスが新鮮肉腐敗の主要細菌として知られている。10℃以下の状態で冷蔵流通される新鮮鶏肉の場合には、シュードモナスspp.を包含する耐冷性微生物が腐敗の主要原因菌になるので、これら微生物の成長を抑制することによって流通期限を延長することのできるいろいろな化学的、物理的処理方法などが開示されている(非特許文献1〜3)。
【0005】
また、鶏肉の流通過程において腐敗菌より深刻な問題を起す食中毒微生物としては、サルモネラ(Salmonella spp.)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、大腸菌O157(E.coli O157:H7)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)などを挙げることができ、これらの有害微生物による汚染を防止するための最適の工程を確立することと、初期に汚染された微生物を鶏肉の加工過程及び流通過程において効率的に抑制する対策などが重要な問題である。
【0006】
新鮮鶏肉の流通期限を延長するために、MAP(Modified Atmosphere Package)を包含する新しい包装技術の応用と多様な包装方法の適用、電解酸化水(Electrolyzed oxidizing water)を利用する冷却及び洗浄、リン酸三カリウム(TPP:tripotassium phosphate)と脂肪酸溶液を利用する洗浄技術、ガンマ線照射などと、さらに、導体冷却した後の貯蔵温度の重要性などに対する多様な研究が進行されている。
【0007】
del Rioなどは、12%リン酸三ナトリウム(TSP:trisodium phosphate)、1200ppmの酸性亜塩素酸ナトリウム(ASC:acidified sodium chloride)、2%クエン酸(CA:citric acid)、220ppmのペルオキシ酸(PA;Inspexx 100TM)などを包含する多様な抗微生物製剤をチキンレッグの部分肉に処理した結果、TSP、ASC、CAが貯蔵期間の間に微生物学的な安全性を増加させ、中温性好気性微生物に対してはTSPが最も効果的であり、耐冷性微生物(psychrotrophs)と大腸菌(coliform)に対してはCAが最も高い抑制力を示し、TSP、ASC、CA処理区では全部冷蔵温度で5日間の貯蔵期間を通じて製品に官能的な問題がないとともに、微生物学的な安全性を増大させる効果があると報告している(非特許文献4)。
【0008】
本発明は、機能性ヨーグルトを利用して家禽肉、特に、鶏肉の新鮮肉製品に対して保管期間を延長させることのできる家禽肉類の貯蔵方法に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Cosby,D.B.,Harrison,M.A.,and Toledo,R.T.1999.Vacuum of modified atmosphere packaging and EDTA−Nisin treatment to increase shelf life.J.Appl.Poult.Res.8:185−190.
【非特許文献2】Goksoy,E.O.,James,C.,and Corry J.E.L.2000.The effect of short−time microwave exposure on inoculated pathogens on chicken and shelf−life of uninoculated chicken meat.J.Food Eng.45:153−160.
【非特許文献3】Russell,S.M.2000.Effect of a novel sanitizer on pathogenic,spoilage,and indicator populations of bacteria from chicken carcasses.J.Appl.Poult.Res.9:393−402.
【非特許文献4】del Rio,E.,Panizo−Moran,M.,Prieto,M.,Alonso−Calleja,C.,and Capita R.2007.Effect of various chemical decontamination treatments on natural microflora and sensory characteristics of poultry.Int.J.Food Microbiol.115:268−280.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、流通過程における保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、本発明は、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填して保管することによって、機能性ヨーグルトを利用して流通過程における家禽肉類の保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法を開示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の家禽肉の貯蔵方法によれば、流通過程における家禽肉類の保管期間を延長させることのできる家禽肉を提供することができる。本発明の家禽肉の貯蔵方法によって、流通過程の保管期間を一定期間延長させることができるため、相当の期間より新鮮な家禽肉を消費者に提供することができるとともに、食品としての安全な家禽肉を消費者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】互いに異なる濃度の無脂乳固形分を有する機能性ヨーグルトを利用して鶏胸肉を包装したときの鶏胸肉のpH変化を示したグラフである。
【図2】互いに異なる濃度の無脂乳固形分を有する機能性ヨーグルトを利用して鶏胸肉を包装して10℃での貯蔵期間中総菌数の変化を示したグラフである。
【図3】互いに異なる濃度の無脂乳固形分を有する機能性ヨーグルトを利用して鶏精肉を包装して10℃での貯蔵期間中総菌数の変化を示したグラフである。
【図4】互いに異なる濃度の無脂乳固形分を有する機能性ヨーグルトを利用して鶏胸肉を包装して10℃での貯蔵期間中大腸菌群の変化を示したグラフである。
【図5】互いに異なる濃度の無脂乳固形分を有する機能性ヨーグルトを利用して鶏精肉を包装して10℃での貯蔵期間中大腸菌群の変化を示したグラフである。
【図6】機能性ヨーグルトを充填・包装したときの鶏胸肉に汚染させたサルモネラ菌の生存率に及ぼす影響を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、流通過程における保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法を好適な実施形態を通じて詳細に説明する。本発明は、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填して保管することを特徴とする。また、機能性ヨーグルトを利用することによって、家禽肉の保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法である。
【0015】
本発明において使用する「機能性ヨーグルト」とは、有害微生物の生育阻害物質を分泌させるか、または、有害微生物の生育環境に変化を起こせしめて有害微生物の成長を制限する機能性菌株(Probiotic Strain)を使用して製造したヨーグルトである。
【0016】
このとき、機能性菌株は、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)の群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を示す。
【0017】
本発明において、機能性ヨーグルトは、原料乳にラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を接種した後、これを培養して製造したヨーグルトを使用することができる。
【0018】
前記において、好ましくは家禽肉100重量部に対して前記機能性ヨーグルト50〜100重量部を家禽肉の保管容器内に充填することができる。また、好ましくは、前記家禽肉100重量部に対して前記機能性ヨーグルト50〜80重量部を充填することができる。
【0019】
前記において、家禽肉の保管容器内に充填する機能性ヨーグルトは、無脂乳固形分の含量が2〜15%である原料乳に、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を接種・培養して製造したヨーグルトを使用することができる。
【0020】
また、前記において、家禽肉の保管容器内に充填する機能性ヨーグルトは、原料乳にラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を0.01〜0.05%(w/v)接種して、pH4.5〜5.0になるように培養したヨーグルトを使用することができる。
【0021】
前記において、家禽肉の保管容器内に充填する機能性ヨーグルトは、無脂乳固形分の含量が2〜15%である原料乳に、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を、0.01〜0.05%(w/v)接種してpH4.5〜5.0になるように培養したヨーグルトを使用することができる。
【0022】
前記において、家禽肉の保管容器内に充填する機能性ヨーグルトは、無脂乳固形分の含量が2〜7%である原料乳に、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を、0.01〜0.05%(w/v)接種してpH4.5〜5.0になるように培養したヨーグルトを使用することができる。
【0023】
前記の機能性ヨーグルトを充填する時の容器は、ビニール袋、スタイロフォーム・トレイ、ガラス瓶の中から選択されるいずれか1種の容器である。さらに、ポリエチレン袋、ポリプロピレン袋、ポリエチレン及びポリプロピレンからなるビニール袋から選択されるいずれか1種を使用することもできる。好ましくは、前記家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填して10℃以下の温度で保管することができる。
【0024】
また、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填して10℃以下の温度、より好ましくは4〜10℃で保管することができる。前記において、家禽肉は、鶏肉、鴨肉、鵞鳥肉、七面鳥肉、駝鳥肉、雉肉から選択されるいずれか1種以上である。またの家禽肉は、好ましくは、鶏肉、鴨肉の中から選択するいずれか1種である。本発明において、前記の家禽肉は、鶏肉が好適である。
【0025】
本発明の家禽肉の貯蔵方法において、家禽肉の保管容器内に、機能性ヨーグルトを充填するとき、五倍子(ふし、または、ごばいしとも云う)、覆盆子(韓国産クマイチゴまたはトックリイチゴの果実)、訶子肉(ターミナリアチェブラの種皮を除去した実)、三枝九葉草(チョウセンイカリソウ)、シンジュ(ニワウルシ)、ウスバサイシン(Asarum sieboldii)、アレチウリ(Sicyos angulatus L.)、コウライカキドウシ(Glechoma grandis(A.Gray)Kuprian)などから選択される少なくとも1種以上の抽出液をさらに添加することができる。
【0026】
前記家禽肉の貯蔵方法において、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填するとき、家禽肉の100重量部に対して前記の五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシなどから選択されるいずれか1種以上の抽出液10〜50重量部をさらに添加することができる。
【0027】
前記の抽出液は、熱水抽出液を使用することができる。例えば、五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシの中から選択されるいずれか1種以上の物質を、前記物質重量対比3〜15倍の精製水に入れて、70℃以上の温度、好ましくは70〜120℃の温度で最初精製水の体積対比50%以下、好ましくは5〜50%、より好ましくは5〜30%になるまで抽出した後、冷却及びろ過した熱水抽出液を使用することができる。
【0028】
また、前記の抽出液は、エタノール抽出液を使用することができる。例えば、五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシの中から選択されるいずれか1種以上の物質を前記物質重量対比3〜10倍のエタノールに入れて、70℃以下の温度、好ましく40〜70℃の温度で5〜24時間抽出した後、冷却・ろ過したエタノール抽出液を使用することができる。前記のエタノールの濃度は70%以上、好ましくは70〜99%であるエタノールを使用することができる。
【0029】
本発明の家禽肉の貯蔵方法において、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填する前に、家禽肉を酸溶液にて洗浄する段階をさらに含めることによって家禽肉の流通過程における保管期間の延長がより効果的になることができる。
【0030】
また、本発明の家禽肉貯蔵方法において、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填する前に、家禽肉をクエン酸、硝酸、乳酸の群から選択されるいずれか1種以上の酸溶液にて洗浄する段階をさらに含めることによって家禽肉の流通過程における保管期間の延長がより効果的になる。
【0031】
また、本発明の家禽肉の貯蔵方法において、家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトを充填する前に、家禽肉をアスコルビン酸の酸溶液にて洗浄する段階をさらに含めることによって家禽肉の流通過程における保管期間の延長がより効果的になることができる。
【0032】
本発明の家禽肉の貯蔵方法において、前記の他にも多様な条件を付加して保管期間の延長方法に対して実験を通じて検討した結果、本発明の目的達成のためには、前記の条件によって家禽肉を貯蔵する方法が最も好ましい方法であることを確認した。以下、本発明の内容を実験例、製造例、実施例及び試験例を通じて具体的に説明する。ただ、これらは本発明をより詳細に説明するための一例であって本発明の権利範囲がこれらによって限定されない。
【0033】
ヨーグルトの組成と最終pHが貯蔵中の鶏肉の品質に及ぼす影響を確認するために予備実験を実施した結果、ヨーグルトのpHが低すぎる場合には、貯蔵中に保水力の減少、ドリップの発生、及び、肉質の低下などのような問題が観察された。これはヨーグルトの低いpHによって鶏肉のpHがミオグロブリン(myoglobulin)の等電点範囲であるpH5.2〜5.6程度に減少されながら、保水力が最下位になるためであると判断された。したがって、本発明に使用されるヨーグルトは、pH4.6以上を有するように製造してpHの減少による保水力の低下を最少化するようにした。
【0034】
一方、ヨーグルトの物性にも重要な役割をなす無脂乳固形分(MSNF:milk solid non fat)の含量もヨーグルトと一緒に包装・収納される鶏肉の肉質に重要な役割をなすことが確認された。すなわち、MSNFの含量が多いほどヨーグルトの粘度が高くなり、鶏肉と一緒に包装される場合、鶏肉の表皮に長い間残存することによって鶏肉の全体的な貯蔵性を増加させることができた。
【0035】
製造例1.無脂乳固形分(MSNF)含量が2%の機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分(MSNF)の含量が2%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターター(Culture System,USA)と、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)ATCC55730(Chr.Hansen,Denmark)とをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例1の機能性ヨーグルトを製造した。
【0036】
製造例2.無脂乳固形分含量が4%の機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が4%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給される前記と同様のヨーグルトスターターと、ラクトバチルス・ロイテリATCC55730とをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例2の機能性ヨーグルトを製造した。
【0037】
製造例3.無脂乳固形分含量が7%の機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給される前記と同様のヨーグルトスターターと、ラクトバチルス・ロイテリATCC55730とをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例3の機能性ヨーグルトを製造した。
【0038】
製造例4.機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターターと、ラクトバチルス・アシドフィルスとをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例4の機能性ヨーグルトを製造した。
【0039】
製造例5.機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターターと、ラクトバチルス・カゼイとをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例5の機能性ヨーグルトを製造した。
【0040】
製造例6.機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターターと、ラクトバチルス・ヘルベティカスとをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるように静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例6機能性ヨーグルトを製造した。
【0041】
製造例7.機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターターと、ストレプトコッカス・サーモフィルスとをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例7の機能性ヨーグルトを製造した。
【0042】
製造例8.機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターターと、ビフィドバクテリウムとをそれぞれ0.02%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例8の機能性ヨーグルトを製造した。
【0043】
製造例9.機能性ヨーグルトの製造
市販乳に脱脂粉乳を添加して無脂乳固形分の含量が7%になるように調整し、これを攪拌して完全に溶解させた後、95℃で20分間の熱処理により殺菌した後、40℃に冷却させた原料乳に凍結乾燥状態で供給されるヨーグルトスターター0.02%(w/v)と、ラクトバチルス・ロイテリATCC55730(Chr.Hansen,Denmark)0.01%(w/v)、及びラクトバチルス・アシドフィルス0.01%(w/v)接種して最終pHが4.6になるべく静置培養した後、直ちに冷却させて本製造例9の機能性ヨーグルトを製造した。
【実施例1】
【0044】
韓国の株式会社チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0045】
鶏胸肉300gと製造例1から得られた無脂乳固形分(MSNF)含量2%の機能性ヨーグルト200gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記の機能性ヨーグルトが鶏胸肉の表面に万遍無く粘着して覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターにて保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
【実施例2】
【0046】
前記製造例2から得られた無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルトを使用することの他は、前記実施例1と同様の方法によって鶏胸肉を保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
【実施例3】
【0047】
前記製造例3から得られた無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルトを使用することの他は、前記実施例1と同様の方法によって鶏胸肉を保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
【実施例4】
【0048】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏精肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0049】
鶏精肉300g及び前記製造例1から得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記実施例1と同様の方法によって鶏精肉を保管しながら日付別試料を採取して各種分析に利用した。
【実施例5】
【0050】
前記製造例2で得られた無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルトを使用することの他は、前記実施例4と同様の方法によって鶏精肉を保管しながら日付別試料を採取して各種分析に利用した。
【実施例6】
【0051】
前記製造例3で得られた無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルトを使用することの他は、前記実施例4と同様の方法によって鶏精肉を保管しながら日付別試料を採取して各種分析に利用した。
【実施例7】
【0052】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉の保管期間試験に使用した。
【0053】
前記鶏胸肉300gと前記製造例1で得られた無脂乳固形分の含量2%の機能性ヨーグルト200g及び本発明の家禽肉の貯蔵方法において添加物として利用する漢薬材の一種である、五倍子の熱水抽出液100gとをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記機能性ヨーグルトと五倍子の熱水抽出液が鶏肉の表面に良く粘着して覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターにて保管した。
【0054】
前記の五倍子の熱水抽出液は、五倍子を五倍子重量対比10倍に当る精製水に入れて100℃の温度で最初精製水の体積対比30%になるまで濃縮・抽出した後、冷却及びろ過して作製した五倍子の熱水抽出液を使用した。
【実施例8】
【0055】
前記実施例7の五倍子の熱水抽出液の代わりに、覆盆子を材料にした覆盆子の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例9】
【0056】
前記五倍子の熱水抽出液の代わりに、訶子肉を材料にした訶子肉の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例10】
【0057】
前記五倍子の熱水抽出液の代わりに、三枝九葉草を材料にした三枝九葉草の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例11】
【0058】
前記五倍子の熱水抽出液の代わりに、シンジュを材料にしたシンジュの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例12】
【0059】
前記五倍子の熱水抽出液の代わりに、ウスバサイシンを材料にしたウスバサイシンの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例13】
【0060】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、コウライカキドウシを材料にしたコウライカキドウシの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例14】
【0061】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、アレチウリを材料にしたアレチウリの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例15】
【0062】
前記五倍子の熱水抽出液の代わりに、前記の五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシを、1:1:1:1:1:1:1:1の重量比で混合した混合物を材料にした五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、及び、コウライカキドウシ混合物の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例7と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例16】
【0063】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0064】
鶏胸肉300gと前記製造例1で得られた無脂乳固形分の含量2%の機能性ヨーグルト200g及び五倍子のエタノール抽出液150gとをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記機能性ヨーグルトと五倍子のエタノール抽出液が鶏肉の表面に良く粘着して覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターにて保管した。
【0065】
前記の五倍子のエタノール抽出液は、五倍子を五倍子の重量対比7倍に当るエタノールに入れて60℃の温度で12時間抽出した後、冷却・ろ過して作製したエタノール抽出液を使用した。前記エタノールは濃度85%のエタノールを使用した。
【実施例17】
【0066】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、覆盆子を材料にした覆盆子のエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例18】
【0067】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、訶子肉を材料にした訶子肉のエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例19】
【0068】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、三枝九葉草を材料にした三枝九葉草のエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例20】
【0069】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、シンジュを材料にしたシンジュのエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例21】
【0070】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、ウスバサイシンを材料にしたウスバサイシンのエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例22】
【0071】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、アレチウリを材料にしたアレチウリのエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例23】
【0072】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、コウライカキドウシを材料にしたコウライカキドウシのエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例24】
【0073】
前記五倍子のエタノール抽出液の代わりに、前記五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシを、1:1:1:1:1:1:1:1の重量比で混合した混合物を材料にした五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、及び、コウライカキドウシ混合物のエタノール抽出液を使用することの他は、前記実施例16と同様の方法によって鶏胸肉を保管した。
【実施例25】
【0074】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0075】
まず、鶏胸肉をクエン酸溶液で1次洗浄した後、鶏胸肉の表面に残存するクエン酸溶液を除去した後、前記鶏胸肉300g及び前記製造例1で得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記の機能性ヨーグルトが鶏胸肉の表面に粘着して万遍なく覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターにて保管した。
【実施例26】
【0076】
前記実施例25の鶏胸肉の代わりに、鶏精肉を使用することの他は、前記実施例25と同様の方法によって鶏精肉を保管した。
【実施例27】
【0077】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0078】
前記の鶏胸肉をクエン酸溶液で1次洗浄した後、鶏胸肉の表面に残存するクエン酸溶液を除去した後、前記鶏胸肉300gと、前記製造例1で得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200g及び五倍子の熱水抽出液100gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記機能性ヨーグルトが鶏胸肉の表面に粘着して万遍なく覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターに保管した。
【0079】
前記の五倍子の熱水抽出液は、五倍子を五倍子重量対比10倍に当る精製水に入れて100℃の温度で最初精製水の体積対比30%になるまで濃縮・抽出した後、冷却及びろ過して作製した熱水抽出液を使用した。
【実施例28】
【0080】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0081】
前記の鶏胸肉をクエン酸溶液で1次洗浄した後、鶏胸肉の表面に残存するクエン酸溶液を除去した後、前記鶏胸肉300gと、前記製造例1で得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200g及び五倍子のエタノール抽出物150gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記機能性ヨーグルトが鶏胸肉の表面に粘着して万遍なく覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターに保管した。
【0082】
前記の五倍子のエタノール抽出物は、五倍子を五倍子重量対比7倍に当るエタノールに入れて60℃の温度で12時間抽出した後、冷却してろ過したエタノール抽出液を使用した。前記エタノールは濃度が85%であるエタノールを使用した。
【実施例29】
【0083】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏精肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0084】
前記の鶏精肉をクエン酸溶液で1次洗浄した後、鶏精肉の表面に残存するクエン酸溶液を除去した後、前記鶏胸肉300gと、前記製造例1で得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200g及び五倍子の熱水抽出液100gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記機能性ヨーグルトが鶏精肉の表面に粘着して万遍なく覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターに保管した。
【0085】
前記の五倍子の熱水抽出液は、五倍子を五倍子重量対比10倍に当る精製水に入れて100℃の温度で最初精製水の体積対比30%になるまで濃縮・抽出した後、冷却及びろ過して作製した熱水抽出液を使用した。
【実施例30】
【0086】
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏精肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0087】
前記の鶏精肉をクエン酸溶液で1次洗浄した後、鶏精肉の表面に残存するクエン酸溶液を除去した後、前記鶏精肉300gと、前記製造例1で得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200g及び五倍子のエタノール抽出物150gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、前記機能性ヨーグルトが鶏精肉の表面に粘着して万遍なく覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターに保管した。
【0088】
前記の五倍子のエタノール抽出物は、五倍子の重量対比7倍のエタノールに添加して60℃の温度で12時間抽出した後、冷却してろ過したエタノール抽出液を使用した。前記エタノールは濃度が85%であるエタノールを使用した。
【実施例31】
【0089】
鴨を屠殺処理した後、血、内臓、頭部などの不可食部位を除去した後、空冷法によって急速冷却された鴨の脚肉を鴨肉保管期間の試験に使用した。
【0090】
鴨の脚肉300gと前記製造例1から得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200gをポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、機能性ヨーグルトが鴨脚肉の全体に万遍なく粘着して覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターにて保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
【実施例32】
【0091】
前記製造例2から得られた無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルトを使用することの他は、前記実施例31と同様の方法によって鴨脚肉を保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
【実施例33】
【0092】
前記製造例3から得られた無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルトを使用することの他は、前記実施例31と同様の方法によって鴨脚肉を保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
【実施例34】
【0093】
鴨を屠殺処理した後、血、内臓、頭部などの不可食部位を除去した後、空冷法によって急速冷却された鴨の脚肉を鴨肉保管期間の試験に使用した。
【0094】
鴨の脚肉300g、前記製造例1から得られた無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト200g、及び、五倍子の熱水抽出液100gとポリエチレン・バックに一緒に入れて密封した後、機能性ヨーグルトと五倍子熱水抽出液が鴨脚肉全体に良く粘着して覆われるように混交させた後、10℃のインキュベーターにて保管した。
【0095】
前記の五倍子の熱水抽出液は、五倍子を五倍子重量対比10倍に当る精製水に入れて100℃の温度で最初精製水の体積対比30%になるまで濃縮・抽出した後、冷却及びろ過して作製した五倍子の熱水抽出液を使用した。
【実施例35】
【0096】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、覆盆子を材料にした覆盆子の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例36】
【0097】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、訶子肉を材料にした訶子肉の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例37】
【0098】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、三枝九葉草を材料にした三枝九葉草の熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例38】
【0099】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、シンジュを材料にしたシンジュの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例39】
【0100】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、ウスバサイシンを材料にしたウスバサイシンの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例40】
【0101】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、アレチウリを材料にしたアレチウリの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例41】
【0102】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、コウライカキドウシを材料にしたコウライカキドウシの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【実施例42】
【0103】
五倍子の熱水抽出液の代わりに、五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシが1:1:1:1:1:1:1:1の重量比で混合された混合物を材料として得られた五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、及び、コウライカキドウシの熱水抽出液を使用することの他は、前記実施例34と同様の方法によって鴨脚肉を保管した。
【0104】
前記において、混合物の熱水抽出液は、五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシが1:1:1:1:1:1:1:1の重量比で混合された混合物を前記混合物の重量対比10倍の精製水に入れて、100℃の温度で最初精製水の体積対比30%になるまで濃縮・抽出した後、冷却及びろ過して作製した五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、及び、コウライカキドウシの混合物熱水抽出液を使用した。
【実施例43】
【0105】
比較例1
前記(株)チェリブロ社の鎭川工場で屠殺処理した後、空冷法によって急速冷却された鶏胸肉を鶏肉保管期間の試験に使用した。
【0106】
鶏胸肉300gをポリエチレン・バックに入れて密封した後、10℃のインキュベーターに保管しながら日付別試料を採取して各種の分析に利用した。
全ての試料の採取は、包装容器を開封する前にアルコール綿で容器表面を消毒した後実施した。
【実施例44】
【0107】
比較例2
前記比較例1で使用した鶏胸肉の代わりに、鶏精肉を使用したことの他は比較例1と同様にして比較分析した。
【実施例45】
【0108】
比較例3
鴨を屠殺処理した後、血、内臓、頭部などの不可食部位を除去した後、空冷法によって急速冷却された鴨脚肉を鴨肉保管期間の試験に使用した。
【0109】
鴨脚肉300gをポリエチレン・バックに入れて密封した後、10℃のインキュベーターで保管しながら日付別試料を採取して分析に利用した。全ての試料の採取は、包装容器を開放する前にアルコール綿で容器の表面を消毒した後実施した。
【実施例46】
【0110】
試験例1.PH測定
保管期間による鶏肉のpH変化を測定するために、滅菌蒸留水90mlに無菌的に採取した鶏肉試料10gをミキサーで混合した後、pHメータ(HM−21P,TOA,Japan)を利用してpHの変化を測定した。なお、ヨーグルトのpHは、鶏肉を取り出した後、包装容器に残っているヨーグルトを良く混交させた後に測定した。
【0111】
機能性ヨーグルトの処理をしていない比較例1の鶏胸肉(対照区、コントロール)のpHは、初期のpH5.83から一週間後にもpH6.03で殆ど変化がなかった。前記機能性ヨーグルトの製造例1〜製造例3で製造された互に異なる濃度のMSNFを含有する機能性ヨーグルトを入れて包装した鶏胸肉においては、MSNF含量2%の機能性ヨーグルト処理区と、MSNF含量4%の機能性ヨーグルト処理区においては大きな差異がなかった。しかし、MSNF含量7%の機能性ヨーグルトを入れて包装した鶏胸肉のpHは、他の処理区より低く、特に、10℃で一週間保管した後にはpH4.72まで低下された(図1参照)。
【0112】
本願発明の機能性ヨーグルトを使用する鶏肉の包装において、鶏肉および/または機能性ヨーグルトの低いpHは、微生物学的には品質を維持することに有利に作用するが、鶏肉の保水力のような全般的な肉質の品性には逆に作用することがあるため、機能性ヨーグルトの最終pHと、無脂乳固形分の含量を適切に調節することによって鶏肉のpHが肉質の品性に影響を与えることなく、保管期間を延長させることのできる範囲に維持されるようにすることが重要な事項と判断される。
【実施例47】
【0113】
試験例2.微生物分析
滅菌鋏とピンセットを利用して実施例1〜実施例6及び比較例1、2のそれぞれの鶏肉試料25gを無菌的に採取した。次いで滅菌生理食塩水(0.85%)225mlとともに、それぞれストマッカー袋に入れ、ストマッカーを作動させて完全に均質化した。前記の均質化された試料1mlを滅菌生理食塩水にて10進希釈法によって希釈し、希釈された試料を取って微生物の分析に利用した。
【0114】
一方、実施例1〜実施例6において、包装容器に有る機能性ヨーグルトは、無菌的に1mlを取って前記と同様の方法によって微生物の分析に利用した。
【0115】
1)一般細菌
一般細菌数は、SPC(standard plate count agar,Oxoid Ltd.,Hampshire,UK)を利用して計数した。10進希釈法によって希釈されたそれぞれの試料1mlずつを2回反復して、予め準備されたSPC培地を利用して注入(pouring)方法によって処理して、35℃で48時間培養した後に形成された菌落数(コロニーカウント)を測定した。
【0116】
鶏胸肉の初期細菌数は、1.5×10cfu/gで、機能性ヨーグルトを添加しない対照区の場合、貯蔵2日後に1.5×10cfu/g、7日後には5.0×10cfu/gレベルに増加した。初期汚染微生物の数は、鶏肉の貯蔵性に関しては最も重要な要因の1つとして、鶏肉は、Patsiasなどが報告(Patsias,A.,Chouliara,I.,Badeka,A.,Savvaidis I.N.,and Kontominas,M.G.2006.Shelflife of a chilled precooked chicken product stored in air and under modified atmospheres:microbiological,chemical,sensory attributes.Food Microbiol.23:423−429.)したことと類似するレベルの初期微生物数を有していた。Ismailなどは、多様な新鮮鶏肉と、加工された鶏肉の総細菌数の範囲は、3.32〜5.77Log cuf/gを有すると報告(Ismail,S.A.S.,Deak,T.,Abd El−Rahman,H.A.M.,Yassien,A.M.,and Beuchat,L.R.2000.Presence and changes in populations of yeasts on raw and processed poultry products stored at refrigerated temperature.Int.J.Food Microbiol.62:113−121.)したことがあり、実験に利用された鶏肉は、比較的に微生物学的安全性に優れた製品として評価された。新鮮鶏肉の新鮮度を示す総細菌数の上限線を、Log cfu/g値7とすることが一般的であるが(Dainty,R.H.,and Mackey,B.M.1992.The relationship between the phenotypic properties of bacteria from chilled−stored spoilage processes.Pages 103−114 in Ecosystems:Microbes:Foods.Vol.21 Symposium Series.R.G.Board,D.Jones,and R.G.Kroll,ed.Blackwell Scientific Publications,Oxford.)、前記比較例1のように機能性ヨーグルトを添加しない鶏胸肉を10℃で貯蔵する場合には、2日目にこの基準値を超過し、無脂乳固形分2%の機能性ヨーグルトの処理区(実施例1)と、無脂乳固形分4%の機能性ヨーグルトの処理区(実施例2)においては4日まで安全であり、無脂乳固形分7%の機能性ヨーグルトの処理区(実施例3)においては7日後に総細菌数が2.9×10cfu/gとなって微生物学的に安全な流通期限を10℃の条件で7日まで延長させることができることを確認した(図2参照)。
【0117】
次の実施例4〜実施例6のように皮を除去しないままの鶏精肉の場合には、初期細菌数が5.2×10cfu/gであって鶏胸肉(1.5×10cfu/g)に比べて初期汚染微生物の数がより多いが、鶏精肉を機能性ヨーグルトとともに包装容器に入れて保管するとき、保管期限中において微生物抑制の効果が優れることが観察された(図3参照)。
【0118】
2)乳酸菌
鶏肉の試料とヨーグルト成分の中の乳酸菌数は、BCP plate count agar(Eiken Chemical Co.Ltd.,Japan)を利用して計数した。鶏胸肉の試料25gを225mlの滅菌生理食塩水(0.85%)に均質化した後、希釈(10−2〜10−7)された試料1mlずつを分株して、BCP agarを注入した後、固めたプレートを37℃で72時間の間培養した後、菌落の周囲が黄色に変わった部分を計数して乳酸菌として表示した。
【0119】
鶏精肉の初期乳酸菌数は、3.7×10cfu/gであり、10℃で貯蔵した7日後には、2.9×10cfu/gに増加し、鶏胸肉においては、初期の1.4×10cfu/gから7日後には4.8×10cfu/gの総乳酸菌の増加現象が観察された。したがって、新鮮な鶏肉を10℃で貯蔵する場合に、鶏肉由来の乳酸菌は、速い速度で増殖することができ、これは新鮮な鶏肉の貯蔵性を劣らせる主要細菌叢中の1つとして作用していことを確認することができた。Patsiasなど(2006年度)の報告によれば、予備加熱処理された鶏胸肉において、初期乳酸菌数は、2.7Log cfu/gであったが、冷蔵温度での貯蔵期間によって急激にその数が増加して20日後には7.5〜8.1Log cfu/gに達する。したがって、鶏肉の生産と加工中に残存する乳酸菌は、鶏肉の貯蔵性を劣らせる主要細菌として作用することができると報告した。機能性ヨーグルトを使用する鶏肉の充填包装は、機能性ヨーグルトの低いpHとともに、多い数の乳酸菌スターターが優占種的に存在することによって、鶏肉由来の乳酸菌増殖を抑制して貯蔵性を高めることができると期待される。
【0120】
3)大腸菌と大腸菌群
大腸菌(E.coli)と大腸菌群(coliform)は、10進希釈法によって希釈された試料1mlをE.coli/Coliform用3M(St.Paul,MN,USA)ペトリフィルムに分株して、準備した平板を36℃で30時間培養した後コロニーを確認した。コロニーの周囲に気泡が形成されて青色を帯びる菌体は大腸菌に、コロニーの周囲に気泡が発生された赤色菌体は大腸菌群として計数した。必要な場合、Desoxycholate agar(Oxoid Ltd.,Hampshire,UK)を利用して36℃で48時間培養した後、形成される赤色のコロニーを測定して大腸菌数として計数した。
【0121】
鶏胸肉の初期大腸菌群の数は、3.0×10cfu/gであり、比較例1の対照区(コントロール)においては4日後に1.1×10cfu/gに増加したが、機能性ヨーグルトの添加区においては、無脂乳固形分(MSNF)の含量によって1.0×10cfu/g〜1.0×10cfu/gのレベルに維持されることが観察された(図4参照)。
【0122】
皮を除去しない鶏精肉の場合、鶏胸肉に比べて初期大腸菌群の濃度が高く(1.2×10cfu/g)、機能性ヨーグルトの添加による抑制効果も鶏胸肉より低いことが示されている(図5参照)。
【0123】
微生物学的な品質基準による新鮮鶏肉の貯蔵性は、総細菌数、総乳酸菌数、そして、大腸菌群によって決定されることができる。前記の結果によると、新鮮な鶏肉をポリエチレン・バックに一般包装して10℃で貯蔵する場合、胸肉と精肉において共に2日間に総細菌数と乳酸菌数が共に7log cfu/g以上に増殖されて新鮮肉の微生物学的新鮮度の基準を超過する数値を示した(Dainty&Mackey,1992)。しかし、機能性ヨーグルトを利用する包装鶏肉においては、機能性ヨーグルトの無脂乳固形分(MSNF)の含有量によって、総細菌数が4日、または、7日までも7log cfu/g以下に維持され、大腸菌群と大腸菌の数も効果的に抑制された。その結果、微生物学的安全性が増加されて冷蔵流通される新鮮肉の貯蔵性が確保されていることを確認することができた。
【0124】
4)有害細菌の抑制力の実験
機能性ヨーグルトを充填した包装鶏肉において、機能性ヨーグルトの有害細菌に及ぼす影響を試験するために、鶏肉でよく発見されるサルモネラspp.を人為的に鶏肉の表皮に接種した後、機能性ヨーグルトを充填した包装鶏肉の貯蔵期間による菌数の変化パターンを観察した。
【0125】
Tatlaなどによる方法(Tatler,K.,Moretro,T.,Sveen,I.,Aasen,I.M.,Axelsson,L.,Rorvik,L.M.,and Naterstad,K.2002.Inhibition of Listeria monocytogenes in chicken cold cuts by addition of sakacin P and sakacin P−producing Lactobacillus sakei.J.Appl.Microbiol.93:191−196.)を一部変形して実験に利用した。次に詳細な実験の過程を示す。屠鶏直後の冷蔵状態で実験室に移送された鶏精肉を30gサイズに切断した後、tryptic soy brothに接種して24時間培養した後、0.85%のPBS溶液で希釈されたネズミチフス菌(サルモネラ)の菌株を鶏肉1g当り1.0×10cfuを鶏肉の表皮に接種した後これを良く混ぜた。一方、対照群は、プラスチック袋に予め汚染されている鶏肉だけを包装した。実験群はプラスチック袋に汚染された鶏肉と一定量の機能性ヨーグルトを良く混合してこれを充填・包装して冷蔵温度で保管しながら実験に供した。貯蔵時間別にサルモネラ菌を計数するために、プラスチップ袋に0.1%ペプトン水を添加して良く混ぜた後、それぞれの試料を採取して10進希釈の後XLD agarを利用して菌数を確認した。
【0126】
機能性ヨーグルト充填包装の実験群が冷蔵条件下でサルモネラの生存率に及ぼす影響を図6に示した。鶏肉の表皮に汚染させたサルモネラ菌は、冷蔵温度で4日間は、鶏肉だけを包装した場合、又は、機能性ヨーグルトと一緒に充填した場合、菌数の変化が殆どなかった。しかし、4日以後からは鶏肉だけを包装した場合には、増加する趨勢を示し(−◆−)、機能性ヨーグルトと一緒に充填・包装した場合(−■−)には、減少する傾向を示している。また、同一のサルモネラ菌株を本実験と同様な濃度で機能性ヨーグルトに汚染させた場合には、より速い速度で死滅する傾向を示した(未図示)。このような実験結果は、汚染された鶏肉に機能性ヨーグルトを充填した場合は、pHの差異と鶏肉の表皮に粘着する機能性ヨーグルトの保護効果などによる差異があったと判断される。サルモネラ菌は、鶏肉による食中毒の原因になる主要病原性細菌の1種である。したがって、機能性ヨーグルトの充填・包装は、鶏肉の屠鶏、又は、加工中に汚染されるサルモネラ菌を死滅させる効果、又は、増殖抑制効果によって鶏肉製品の安全性を向上させることができると期待される。
【実施例48】
【0127】
試験例3.官能検査
鶏肉の品質を評価するための官能検査は、食品関連分野で3年以上の官能検査経歴を有する25〜40歳のパネル要員で構成し、10点満点の嗜好尺度評点(1:非常に悪い、・・・10:非常に良い)評価法によって実施した。調理前貯蔵期間による異臭発生の可否は、袋の封筒を開封した直後の臭気を通じて判別し、調理した後の貯蔵期間による調理実験は、試料を適当なサイズに切断した後(胸肉:1.5×1.5、精肉:1.5×1.5)、電子レンジ(LG電子M−M209AR 700W)でのラップ被覆で4分30秒間受動煮を稼働した後、取り出して官能検査を実施した。その結果を下記の表1、表2に示した。評価項目は、調理前の異臭、調理後の風味、多汁性、組織感、全体的な嗜好度などである。
【0128】
この官能検査は、調理前の異臭と調理後の風味、多汁性、組織感、全体的な嗜好度を評価し、このとき、調理前の異臭が非常に強い場合(2以下)は、変質と判断して調理と官能検査から排除した。原料肉は、代表的な生産品目である胸肉と精肉を使用したが、およそ貯蔵期間が長く経過するほど、胸肉に比べて精肉の調理前、異臭が速く発生している。これは原料の部位における初期微生物数によって異なるものと考えられる。
表1と表2を参照して調理前の官能検査の結果を説明する。
【0129】
【表1】

【0130】
表1は、機能性ヨーグルト処理区及び無処理区の鶏精肉の官能検査結果を表したものであり、(表1)−精肉の機能性ヨーグルトの無処理区:2日目(1.8)、無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト処理区、及び、無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルト処理区:7日目(1.8、2.0)、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区:7日目(5.4)を示している。
【0131】
【表2】

【0132】
表2は、機能性ヨーグルト処理区及び無処理区の鶏胸肉の官能検査結果を表したものであり、(表2)−胸肉の機能性ヨーグルトの無処理区:4日目(1.0)、無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト処理区、及び、無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルト処理区:7日目(4.4、4.4)、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区:7日目(8.8)を示している。
【0133】
また、機能性ヨーグルト無処理区に比べて機能性ヨーグルト処理区の製品(無脂乳固形分2%、4%、7%)が調理前、異臭発生に対する官能検査において、貯蔵期間が経過しても、良好と評価される期間が長くなることを確認することができた。
【0134】
また、互いに異なる無脂乳固形分2%の機能性ヨーグルト処理区、無脂乳固形分4%の機能性ヨーグルト処理区に比べて、無脂乳固形分7%の機能性ヨーグルト処理区が調理前にも拘らず長期間7日目においても良好な数値(胸肉:8.8、精肉:5.4)を示し、無脂乳固形分2%の機能性ヨーグルト処理区と無脂乳固形分4%の機能性ヨーグルト処理区との差異は殆ど無いことが確認された。
【0135】
表1、表2を参照して、調理後の官能検査の結果を説明する。
【0136】
調理後の貯蔵期間0日目は、調理後官能検査項目の中、多汁性、組織感、全体的嗜好度においては、機能性ヨーグルト無処理区が処理区と比べて相当の高い点数を示し、風味面においても、ほぼ同等の点数を示している。
【0137】
しかし、調理前貯蔵期間2日目になる精肉の無処理区の場合(表1参照)、急激な異臭(1.8)によって、官能検査が不可能になり、胸肉の無処理区の点数は、第1の精肉に比べて高いほうであるが(3.4)、異臭の程度が酷くなっている。一方、無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト処理区、無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルト処理区、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区においては、かえって0日目の点数と殆ど差異が無いことを示している。
【0138】
調理後、風味度においては同じような結果を示している。即ち、多汁性、組織感、全体的嗜好度においては、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区が無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト処理区、無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルト処理区と比べて少しずつ低い点数を示していることを確認することができた。これは、pHの低下が味と関連されて製品の品質に影響を与えるためであることと考えられる。
【0139】
貯蔵期間4日目の各項目における官能検査において、精肉の場合、全ての処理区において、調理前の異臭項目と、調理後の風味面においては、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区の点数が高く、調理後の多汁性及び組織感、全体的な嗜好度においては、無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト処理区、無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルト処理区の点数が高く示されている。
【0140】
貯蔵期間7日目の各項目における官能検査において、無脂乳固形分含量2%の機能性ヨーグルト処理区と、無脂乳固形分含量4%の機能性ヨーグルト処理区において調理前の異臭が2以下(1.8)を示して官能検査が不可能になり、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区においては、調理前の異臭発生が普通の点数(5.4)を得ているが、多汁性、組織感、全体的嗜好度においては低い点数を得た。したがって、無脂乳固形分含量7%の機能性ヨーグルト処理区は、貯蔵期間7日以内である場合、品質の異常なしに調理することができることを示している。
【実施例49】
【0141】
試験例4.鴨肉貯蔵期間中の総菌数の測定
実施例31〜実施例42及び比較例3(対照群)とインキュベーターで保管されたそれぞれの鴨肉の試料を20℃で7日間経過させた後、鴨肉試料の総菌数を下記のように比較した。
【0142】
【表3】

【0143】
表3は鴨肉の貯蔵期間中の総菌数を表したものである。総菌数は、それぞれの試料の検体25gに225mLのペプトン水を加えた後、均質器によって均質化させた検液を使用した。検液を1mlに希釈した後、各段階別に1mlを滅菌された3枚のペトリ皿に無菌的に分株し、46±1℃に維持したPCA(plate count agar)16mlを無菌的に加えて検液と混合させた。固形化した後、培地を37℃で24時間培養し、平板当り30〜300個の集落が生成された平板を選択して集落数を計数試料g当りcfuを求めた(表3参照)。
【0144】
前記表3の結果のように、機能性ヨーグルトを添加して貯蔵した実施例31〜実施例42の鴨肉は、機能性ヨーグルトの添加なしに貯蔵した比較例3(対照区)の鴨肉に比べて総菌数が格段に少ないので、菌による汚染を減少させて鴨肉の貯蔵期間をさらに延長させることができた。
【0145】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の当業者であれば、特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域の範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明の家禽肉の貯蔵方法によって、流通過程における保管期間を一定期間延長させることができるので、家禽肉製造企業は、新鮮な家禽肉を消費者に提供することができるとともに、家禽肉の保管期間を延長することによって、衛生学的により安全で良好な新鮮度の高い家禽肉を消費者により多く供給することができる。このような家禽肉の供給量増加による家禽肉製造企業、家禽肉加工企業、及び、家禽肉生産企業の全分野に経済的な利益をもたらすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家禽肉の保管容器内に機能性ヨーグルトと家禽肉を充填して保管することを特徴とする機能性ヨーグルトを利用して保管期間を延長させることのできる家禽肉の貯蔵方法。
【請求項2】
前記家禽肉100重量部に対して前記機能性ヨーグルト50〜100重量部を前記家禽肉の保管容器内に充填することを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。
【請求項3】
前記機能性ヨーグルトは、無脂乳固形分の含有量が2〜15%であることを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。
【請求項4】
前記機能性ヨーグルトは、無脂乳固形分の含有量が2〜15%である原料乳に、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウムの群から選択される少なくとも1種以上の乳酸菌を0.01〜0.05%(w/v)接種してpH4.5〜5.0になるべく培養することを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。
【請求項5】
前記家禽肉の保管容器内に前記機能性ヨーグルトを充填する時の容器は、ビニール袋、スタイロフォーム・トレイ、ガラス瓶の中から選択されるいずれか1種の容器であることを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。
【請求項6】
前記家禽肉は、鶏肉、鴨肉、鵞鳥肉、七面鳥肉、駝鳥肉、雉肉の群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。
【請求項7】
前記家禽肉の保管容器内に前記機能性ヨーグルトを充填するとき、前記家禽肉100重量部に対して、五倍子、覆盆子、訶子肉、三枝九葉草、シンジュ、ウスバサイシン、アレチウリ、コウライカキドウシの群から選択される少なくとも1種以上の抽出液10〜50重量部をさらに添加することを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。
【請求項8】
前記家禽肉の保管容器内に前記機能性ヨーグルトを充填する前に、前記家禽肉をクエン酸、硝酸、乳酸の群から選択される少なくとも1種以上の酸溶液によって洗浄する段階をさらに含めてなることを特徴とする請求項1に記載の家禽肉の貯蔵方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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