説明

機能性咀嚼物及びその製造方法並びにその使用方法

【課題】グミ菓子より長く、様々な時間長さの咀嚼時間を有すると共に、咀嚼後の廃棄を防止し、健康の維持又は回復に役立つ生理作用及び疾病の治療効果を有する機能材を、それらの水溶解性等の性質に依存せずに、摂取し得る機能性咀嚼物及びその製造方法並びにその使用方法を提供することを目的としている。
【解決手段】プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くするよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康の維持又は回復に役立つ生理作用及び疾病の治療効果を有する機能性成分を含み、且つ咀嚼力を強化する機能性咀嚼物及びその製造方法並びにその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国では食生活やライフスタイルの欧米化に伴って糖尿病、高血圧症、高脂血症等の生活習慣病が増大しており、少子高齢化社会の到来と相俟って国民の健康指向が高まり、「自分の健康は自分で守る」というセルフメディケーションの考えが広く普及した結果、さまざまな機能性食品、いわゆる健康食品が市場に投入され、その市場規模はいまや1兆円にまで達している。又、加工食品の増加や嗜好の変化等により、若年層では強い咀嚼力を要しない柔らかい食品や糖分を多く含んだ菓子やジュース類を好んで摂取する傾向が強まった結果、う蝕の増加と歯茎の弱体化が進行している。一方、高齢者は歯や歯茎等の口腔内疾患により咀嚼力が減退するため流動食や経腸剤等に頼るケースが多くなる結果、消化器官や舌の機能が減退して言語消失や体力低下をきたし、究極的には老人性痴呆や寝たきり状態になるという問題がある。
【0003】
このような社会情勢を背景として、咀嚼機能を改善しつつ健康の維持と回復を図ることを目的として様々な機能性成分を配合したグミ菓子から成る咀嚼物が開発されている(特許文献1参照)。又、キシリトールやカテキン等の抗う蝕性成分を配合した機能性チューインガムも開発されている。更に、小麦グルテンより分画されたグリアジン分画物と、小麦グルテンとを含水状態で混捏して製造する可食性の機能性咀嚼物も開発されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特願2000−276112号公報
【特許文献2】特開2006−109751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、グミ菓子系の咀嚼物では、1粒4g前後のグミゼリーを咀嚼した場合に1分以内で溶解してしまい、1度に3粒摂取しても咀嚼時間は2分程度で、咀嚼物としてその咀嚼時間の長さは充分とは言い難いという問題があった。又、小麦グルテンをガムベースとした可食性ガムにおいては、含水状態で混捏した湿塊物のため、咀嚼性が経時的に劣化しやすい問題があった。更に機能性成分を配合したチューインガムの場合には、ガムベースが合成高分子で、可食性でないため、咀嚼後の放棄による環境汚染の問題があると同時に、機能性成分もガムベースと一緒に廃棄され、機能性成分を十分に有効利用できないという問題があった。
【0005】
一方、グリアジン分画物と小麦グルテンとを含水状態で混捏して製造する機能性咀嚼物の場合は、水分含有量が25重量%前後と高く、カビが生えやすいため、糖衣やコーティング皮膜等の防カビ処理を施す必要があった。又、このように水分含有量の高い機能性咀嚼物は、水分に影響の受けやすい乳酸菌や酵素を配合することができないため、機能性成分が制限されるという問題があった。更に、この機能性咀嚼物は、40℃の温度で1ヶ月保存した際に、咀嚼の弾力性が低下することが明らかになっている。更に又、咀嚼開始後15分越えてもだれることのない機能性咀嚼物では、人によって、例えば高齢者、小児や女性においては、飲み込み難いため、水不溶性の固体状機能成分は摂取し難いという問題があった。更に又、湿塊物から成る機能性咀嚼物を製造する際には、混捏、圧延に大きな力を必要とするため、通常の攪拌機や圧延機を使用できず、特殊な製造装置が必要になり、製造コストが大幅に高くなるという問題があった。
【0006】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、すなわちグミ菓子より長く、様々な時間長さの咀嚼時間を有すると共に、咀嚼後の廃棄を防止し、健康の維持又は回復に役立つ生理作用及び疾病の治療効果を有する機能材を、それらの水溶解性等の性質に依存せずに、摂取し得る機能性咀嚼物及びその製造方法並びにその使用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、プロラミン類と、小麦グルテン又は/及びポリフェノール類との混合物に種々の機能性成分を添加、混合し、これを製錠又は顆粒化することによって、咀嚼時には唾液を含んで適度な弾力性と集合性を有し、咀嚼力を強化すると共に、可食性で機能性成分を確実に摂取し、更には水無しで服用可能な製剤としても有用な機能性咀嚼物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1は、プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くするよう構成されたことを特徴とする機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0009】
本発明の請求項2は、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で8:2〜2:8であるように構成された請求項1の記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0010】
本発明の請求項3は、プロラミン類、ポリフェノール類及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くすると共に、ポリフェノール類により弾力性及び伸展性を向上して構成されたことを特徴とする機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0011】
本発明の請求項4は、プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くすると共に、ポリフェノール類により弾力性及び伸展性を向上して構成されたことを特徴とする機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0012】
本発明の請求項5は、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8であるように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0013】
本発明の請求項6は、プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合することを特徴とする請求項3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0014】
本発明の請求項7は、プロラミン類が小麦のグリアジン、トウモロコシのツェイン、大麦のホルディンから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0015】
本発明の請求項8は、機能材を、お茶カテキン、エピガロカテキンガレート、ブドウ種子プロアントシアニジン、フランス海岸松樹皮抽出物を含むポリフェノール類、ゴマリグナン類、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン、γ―アミノ酪酸、降圧ペプチド、キシリトール、マスティック(乳香)抽出エキス、プロポリス、フノラン、ニクズクやヨモギの生薬エキス類、アガリクス、メシマコブやヤマブシタケのキノコエキス類、フコイダン、乳酸菌加熱処理菌体末、ラクトフェリン、イソフラボン、イチョウ葉エキス、ビンカマイナーエキス、ホスファジルセリン、アラキドン酸、EPAやDHAの魚類由来高度不飽和脂肪酸、唐辛子末、ラズベリーケトン、カプシエイト、コエンザイムQ―10、α―リポ酸、塩化カルニチン、シトラスエキス、サラシアエキス、ギムネマシルベスタ抽出物、白インゲン豆エキス、桑葉抽出物、ビタミン類、緑黄色野菜エキス類、ローヤルゼリー、カルシウム化合物・マグネシウム化合物・亜鉛イースト、鉄剤のミネラル類、滋養強壮用生薬エキス類、セラミド類、ヒアルロン酸、システイン、シスチン、シャンピニオンエキス、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、乳酸菌類、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ニコチン、カフェイン、テアニンのうち少なくとも1種以上にしたことを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0016】
本発明の請求項9は、機能材を、リンゴプロアントシアニジン、カシス抽出物、ブルーベリー抽出物を含むポリフェノール類、黒豆由来シアニジングリコシド、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ポリコサノール、オクタコサノール、コラーゲン、フィチン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン、クエン酸チペピジン、塩化リゾチーム、セネガ流エキス、カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、クレゾールスルホン酸カリウム、オウヒ、カンゾウ、l−メントール、アズレンスルホン酸ナトリウムのうち少なくとも1種以上にしたことを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである
【0017】
本発明の請求項10は、ポリフェノール類がカテキン類、エピガロカテキンガレート、プロアントシアニジン、アントシアニン、フラボノール、イソフラボン、セサミノール、ケルセチン、クルクミン、柿タンニンから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0018】
本発明の請求項11は、1〜40%の蛋白質分解酵素剤を配合してなることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0019】
本発明の請求項12は、蛋白分解酵素剤が糸状菌、細菌、担子菌、放線菌及び植物起源の蛋白質分解酵素より選ばれたことを特徴とする請求項11に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0020】
本発明の請求項13は、5〜40%の崩壊助剤を配合してなることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0021】
本発明の請求項14は、崩壊助剤がゼラチン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム及びコラーゲンの蛋白質、又はカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、トラガント、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシセルロースカルシウム、アルギン酸ナトリウムの多糖類、ポリビニルポリピロリドン、グリセリンモノ脂肪酸エステルより選ばれたことを特徴とする請求項13に記載の機能性咀嚼物、にかかるものである。
【0022】
このように本発明の請求項1によれば、プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じるので、グミ菓子より長く、様々な時間長さの咀嚼時間をもたらすことができる。又、プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として可食性を備えるので、機能材の水溶解性等の性質に依存することなく、機能性成分を含む機能材を十分に摂取して健康の維持や増進又は回復を図ると共に、チューイングガムのような咀嚼後の廃棄を防止し、環境汚染を抑制することができる。更に、機能性咀嚼物を咀嚼して食した際には、消化管で完全に消化するので、機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を行うこともできる。更に又、この機能性咀嚼物は、可食性を備えるので、水無しで服用可能な製剤としても有用である。
【0023】
ここで、本発明で用いる小麦グルテンは、活性グルテン又はバイタルグルテンと呼ばれている粉末状小麦蛋白であり、全体量の約8割を分子量約20万〜数百万のグルテニンと、分子量約3万〜8万のグリアジンとで組成し、グルテニンとグリアジンを夫々当量含んでいる。
【0024】
本発明の請求項3によれば、プロラミン類、ポリフェノール類及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じると共に、ポリフェノール類により弾力性及び伸展性を向上するので、グミ菓子よりも長く、様々な時間長さの咀嚼時間をもたらすことができる。又、プロラミン類、ポリフェノール類及び機能材を原料として可食性を備えるので、機能材の水溶解性等の性質に依存することなく、機能性成分を含む機能材を十分に摂取して健康の維持や増進又は回復を図ると共に、チューイングガムのような咀嚼後の廃棄を防止し、環境汚染を抑制することができる。更に、機能性咀嚼物を咀嚼して食した際には、消化管で完全に消化するので、機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を行うこともできる。更に又、この機能性咀嚼物は、可食性を備えるので、水無しで服用可能な製剤としても有用である。
【0025】
本発明の請求項4によれば、プロラミン類、ポリフェノール類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じると共に、ポリフェノール類により弾力性及び伸展性を向上するので、グミ菓子より長く、様々な時間長さの咀嚼時間をもたらすことができる。又、プロラミン類、ポリフェノール類、小麦グルテン及び機能材を原料として可食性を備えるので、機能材の水溶解性等の性質に依存することなく、機能性成分を含む機能材を十分に摂取して健康の維持や増進又は回復を図ると共に、チューイングガムのような咀嚼後の廃棄を防止し、環境汚染を抑制することができる。更に、機能性咀嚼物を咀嚼して食した際には、消化管で完全に消化するので、機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を行うこともできる。更に又、この機能性咀嚼物は、可食性を備えるので、水無しで服用可能な製剤としても有用である。
【0026】
又、本発明の請求項1,3,4によれば、製錠又は顆粒化した機能性咀嚼物を得る際には、原料末をそのまま打錠するか、或いは原料末を乾式造粒して得た顆粒を打錠するか、或いは原料末を流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥した顆粒を打錠する等医薬品や健康食品の製造において汎用される製造プロセスを用いて製錠又は顆粒化することにより、水分含有量の低い機能性咀嚼物を得ることができる。従って湿塊物から成る水分含有量の高い機能性咀嚼物と異なり、水分活性の低い本発明の機能性咀嚼物では糖衣やフィルムコーティングによる防カビ処理が不要であり、且つ混捏・圧延等の特殊設備が不要で、汎用性の高い造粒・乾燥・打錠の製造工程により製造されるので、製造コストを大幅に低減することができる。
【0027】
本発明の水分含量の低い機能性咀嚼物は、医薬品業界や健康食品業界で汎用される、造粒機・乾燥機・打錠機等の製造設備を用いて錠剤や顆粒として製造される。ここで、水分含量の低い機能性咀嚼物を製造する場合に、乾式造粒法では、水を加えることなく、混合した原料末を乾式造粒機で造粒して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。又、湿式造粒法のうち流動層造粒乾燥法では、原料末にα化デンプンなどのバインダー水溶液を噴霧して造粒、乾燥して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。なおグリアジンは水分を含むと粘稠になって粘着性を生じるため、湿式造粒法では製造設備の清浄が容易でなく、従って結合液としての水を用いる必要のない乾式造粒法が本発明の機能性咀嚼物の造粒法として特に好ましい。一方、湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を製造する場合には、グリアジン等の原料末に15〜25%の水を加えて混捏する際に、湿塊物が極めて粘稠になるため、混捏に大きな負荷が掛かり、チューインガムベース製造に用いるような大型で強力なニーダーが必要となる。更にそれらの湿塊物を薄く引き伸ばし、裁断するためには、チューインガム製造に用いられるような2〜3段の圧延ローラーと裁断ローラーのような特殊な設備が必要となる。また湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を熱風乾燥し、破砕して得られる顆粒を打錠して錠剤を製造する場合には、湿塊物の高い粘稠性から乾燥に長時間を有すると共に、得られる顆粒が硬いため打錠時の成形性が悪く、錠剤を効率的に製造するのが困難であり、当然大幅な製造コストアップとなる。一方湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物をフリーズドライする場合にあっては、乾燥に2日以上の長時間を要し、且つ1片おおよそ10mmの板状の小さな湿塊物を数十万個も凍結乾燥機に収納するのは極めて煩雑な操作となり、1日当たり100万錠以上の生産量を確保できる本発明の製造方法に比べると製造コストが著しく増大する。
【0028】
又、本願発明は、水分活性の低い条件で製錠又は顆粒化するので、水分による影響を受けやすい乳酸菌や酵素を配合することができる。更に又、水不溶性の固体状機能成分、例えばドロマイト等の無機化合物を配合した処方にあっては、数分から10分程度の咀嚼時間となるように、プロラミン/小麦グルテンの基材比率やポリフェノール配合量を調整し、或いは咀嚼物重量を1錠当たり300〜400mgと小さ目に調整することによって、飲み込み易くなるので、咀嚼物に含まれる機能性成分を十分に、且つ確実に摂取することができる。
【0029】
本発明の請求項2の如く、請求項1において、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で8:2〜2:8であるように構成すると、咀嚼時間を好適に長くして咀嚼回数を増すと共に、可食性により、機能材を廃棄することなく十分に摂取し得るので、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、機能性咀嚼物の完全な消化によって機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を一層適切に行うことができる。ここで、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で8:2である場合において、これよりも小麦グルテンの割合が少なくなると弾力性が弱くなり、咀嚼時間が短くなるので好ましくない。一方、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で2:8である場合において、これよりも小麦グルテンの割合が多くなると、伸展性が極度に小さくなり、ガム様の噛み応えが充分でないと同時に、成形性が悪く且つ錠剤硬度が低く、取り扱いにくいので好ましくない。なお、本発明の機能性咀嚼物の噛み応えのよさを確保するには、プロラミン類と小麦グルテンをあわせた基材の最小配合量を40重量%程度にすることが好ましい。
【0030】
本発明の請求項5の如く、請求項4において、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8であるように構成すると、咀嚼時間を十分に長くして咀嚼回数を増すと共に、可食性により、機能材を廃棄することなく十分に摂取し得るので、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、機能性咀嚼物の完全な消化によって機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を一層適切に行うことができる。ここで、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で2:8である場合において、これよりも小麦グルテンの割合が多くなると、伸展性が極度に小さくなり、ガム様の噛み応えが充分でないと同時に、成形性が悪く且つ錠剤硬度が低く、取り扱いにくいので好ましくない。なお本発明の機能性咀嚼物の噛み応えのよさを確保するには、プロラミン類と小麦グルテンをあわせた基材の最小配合量を30重量%程度にすることが好ましい。
【0031】
本発明の請求項6の如く、請求項3、4において、プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合すると、咀嚼時間を十分に長くして咀嚼回数を増すと共に、可食性により、機能材を廃棄することなく十分に摂取し得るので、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、機能性咀嚼物の完全な消化によって機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を一層適切に行うことができる。ここで、ポリフェノール類の割合が1%より小さくなると弾力性が弱くなり、咀嚼時間が短くなりすぎるので好ましくない。一方、ポリフェノール類の割合が20%より大きくなると苦味が増し、且つコスト高になるので好ましくない。
【0032】
本発明の請求項7の如く、請求項1、3又は4において、プロラミン類が小麦のグリアジン、トウモロコシのツェイン、大麦のホルディンから選択された少なくとも1種からなると、咀嚼時間を好適に長くして咀嚼回数を増すと共に、可食性により機能材を廃棄することなく十分に摂取し得るので、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、機能性咀嚼物の完全な消化によって機能材を確実に吸収し、健康の維持や増進又は回復を図るのみならず、疾病の治療を一層適切行うことができる。なお、プロラミン類は、ライ麦のグリアジン等のタンパク質でも良いが、小麦のグリアジンは、最も安価で入手しやすく、且つ製錠時の成形性がトウモロコシのツェイン、大麦のホルディンよりも優れているため、小麦のグリアジンを使用することが特に好ましい。
【0033】
本発明の請求項8の如く、請求項1、3又は4において、機能材を、お茶カテキン、エピガロカテキンガレート、ブドウ種子プロアントシアニジン、フランス海岸松樹皮抽出物を含むポリフェノール類、ゴマリグナン類、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン、γ―アミノ酪酸、降圧ペプチド、キシリトール、マスティック(乳香)抽出エキス、プロポリス、フノラン、ニクズクやヨモギの生薬エキス類、アガリクス、メシマコブやヤマブシタケのキノコエキス類、フコイダン、乳酸菌加熱処理菌体末、ラクトフェリン、イソフラボン、イチョウ葉エキス、ビンカマイナーエキス、ホスファジルセリン、アラキドン酸、EPAやDHAの魚類由来高度不飽和脂肪酸、唐辛子末、ラズベリーケトン、カプシエイト、コエンザイムQ―10、α―リポ酸、塩化カルニチン、シトラスエキス、サラシアエキス、ギムネマシルベスタ抽出物、白インゲン豆エキス、桑葉抽出物、ビタミン類、緑黄色野菜エキス類、ローヤルゼリー、カルシウム化合物・マグネシウム化合物・亜鉛イースト、鉄剤のミネラル類、滋養強壮用生薬エキス類、セラミド類、ヒアルロン酸、システイン、シスチン、シャンピニオンエキス、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、乳酸菌類、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ニコチン、カフェイン、テアニンのうち少なくとも1種以上にすると、機能材の種類を選択することにより、風邪、口腔内疾患や生活習慣病等の特定疾患の治療薬や予防食品として活用したり、あるいは特定の年齢層や性別の人を対象とする機能性食品すなわちダイエット志向や美白・美肌に関心を持つ女性向け食品として利用したり、更に、骨、免疫力や記憶力の衰えを抑制したい高齢者向けの食品として利用したり、又は、う蝕を防ぎ、歯茎を強化したい小児や若年者向けの食品として利用できる。従って、予防又は治療したい疾患、世代、性別に対応した機能性成分を配合した本発明の機能性咀嚼物を食することにより健康を維持し、より一層増進、回復を図り、或いは疾病の治療を行うことができる。
【0034】
本発明の請求項9の如く、請求項1、3又は4において、機能材を、リンゴプロアントシアニジン、カシス抽出物、ブルーベリー抽出物を含むポリフェノール類、黒豆由来シアニジングリコシド、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ポリコサノール、オクタコサノール、コラーゲン、フィチン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン、クエン酸チペピジン、塩化リゾチーム、セネガ流エキス、カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、クレゾールスルホン酸カリウム、オウヒ、カンゾウ、l−メントール、アズレンスルホン酸ナトリウムのうち少なくとも1種以上にすると、機能材の種類を選択することにより、風邪、口腔内疾患や生活習慣病等の特定疾患の治療薬や予防食品として活用したり、あるいは特定の年齢層や性別の人を対象とする機能性食品すなわちダイエット志向や美白・美肌に関心を持つ女性向け食品として利用したり、更に、骨、免疫力や記憶力の衰えを抑制したい高齢者向けの食品として利用したり、又は、う蝕を防ぎ、歯茎を強化したい小児や若年者向けの食品として利用できる。従って、予防又は治療したい疾患、世代、性別に対応した機能性成分を配合した本発明の機能性咀嚼物を食することにより健康を維持し、より一層増進、回復を図り、或いは疾病の治療を行うことができる。
【0035】
具体的には、機能材のうち、茶カテキン、エピガロカテキンガレート、ブドウ種子プロアントシアニジン、リンゴプロアントシアニジン、フランス海岸松樹皮抽出物、カシス抽出物、ブルーベリー抽出物を含むポリフェノール類、ゴマリグナン類、黒豆由来シアニジングリコシド、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン、コエンザイムQ―10、α―リポ酸は抗酸化剤として、ポリコサノールはコレステロール低下剤や血小板凝集抑制剤として生活習慣病の予防や回復に有用であり、機能性アミノ酸であるγ―アミノ酪酸や降圧ペプチドは高血圧の改善に有用であり、キシリトール、マスティック(乳香)抽出エキス、プロポリス、フノランに加えて、ニクズクやヨモギの生薬エキス類、フィチン酸は口腔内疾患の予防に有用な成分である。又マスティック(乳香)抽出エキスは胃癌や胃炎の発症に関与しているヘリコバクターピロリ菌の除菌に有用な成分である。アガリクス、メシマコブやヤマブシタケのキノコエキス類、フコイダン、乳酸菌加熱処理菌体末、ラクトフェリンは免疫力を高める成分であり、イソフラボン、イチョウ葉エキス、ビンカマイナーエキス、ホスファジルセリン、アラキドン酸、EPAやDHAの魚類由来高度不飽和脂肪酸は痴呆や更年期障害に有用な成分であり、唐辛子末、ラズベリーケトン、カプシエイト、コエンザイムQ―10、塩化カルニチン、シトラスエキス、サラシアエキス、ギムネマシルベスタ抽出物、白インゲン豆エキス、お茶カテキン、桑葉抽出物、オクタコサノールは抗肥満物質として有用な成分であり、ビタミン類、緑黄色野菜エキス類、ローヤルゼリー、カルシウム化合物・マグネシウム化合物・亜鉛イースト、鉄剤のミネラル類、滋養強壮用生薬エキス類は滋養強壮成分として繁用されるものであり、セラミド類、コラーゲン、ヒアルロン酸、システイン、シスチンは美白・美肌用として有用な成分である。又シャンピニオンエキス、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、お茶カテキン、アップルフェノン等は消臭成分として汎用されるものであり、乳酸菌類、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖は有用な整腸成分である。ニコチンは禁煙補助剤の有効成分として用いられ、カフェインやテアニンは眠気防止やリラックス用成分として有用なものである。アスピリン、アセトアミノフェン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン、クエン酸チペピジン、塩化リゾチーム、セネガ流エキス、カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素アスピリン、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、クレゾールスルホン酸カリウム、オウヒ、カンゾウ、l−メントール、アズレンスルホン酸ナトリウムは、風邪の諸症状の治療、鎮咳去たん、解熱鎮痛及び口腔咽喉炎症に有用な成分である。
【0036】
なお、他の機能材としては、特に制限は無いが、糖尿病、高血圧、高脂血症等の生活習慣病に有用な抗酸化剤やアミノ酸類、歯周病等の口腔内疾患に有用な成分、免疫力を高める成分、痴呆や更年期障害に有用な成分、ヴィールス疾患に有用な成分、抗肥満物質、滋養強壮成分、美白・美肌用成分等が挙げられており、他にハーブ類、催眠誘導成分であるグリシン等を用いても良い。
【0037】
本発明の請求項10の如く、請求項3又は4において、ポリフェノール類がカテキン類、エピガロカテキンガレート、プロアントシアニジン、アントシアニン、フラボノール、イソフラボン、セサミノール、ケルセチン、クルクミン、柿タンニンから選択された少なくとも1種からなると、咀嚼時間を好適に長くして咀嚼回数を増すと共に、可食性により、機能材を廃棄することなく十分に摂取し得るので、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、同時に疾病の治療を一層適切に行うことができる。
【0038】
本発明の請求項11の如く、請求項1、3又は4において、1〜40%の蛋白質分解酵素剤を配合してなると、蛋白質分解酵素剤により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短めに調整して可食を容易にできるので、機能材を廃棄することなく容易に摂取でき、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、同時に疾病の治療を一層適切に行うことができる。
【0039】
本発明の請求項12の如く、請求項11において、蛋白分解酵素剤が糸状菌、細菌、担子菌、放線菌及び植物起源の蛋白質分解酵素より選ばれると、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、可食を一層容易にすることができる。
【0040】
本発明の請求項13の如く、請求項1、3又は4において、5〜40%の崩壊助剤を配合してなると、崩壊助剤により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短めに調整して可食を容易にできるので、機能材を廃棄することなく容易に摂取し、健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、同時に疾病の治療を一層適切に行うことができる。
【0041】
本発明の請求項14の如く、請求項13において、崩壊助剤がゼラチン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム及びコラーゲンの蛋白質、又はカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、トラガント、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシセルロースカルシウム、アルギン酸ナトリウムの多糖類、ポリビニルポリピロリドン、グリセリンモノ脂肪酸エステルより選ばれると、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、可食を一層容易にすることができる。
【0042】
続いて、本発明の機能性咀嚼物の製造方法について説明する。
【0043】
本発明の請求項15は、プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化することを特徴とする機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0044】
本発明の請求項16は、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で8:2〜2:8であることを特徴とする請求項15に記載の機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0045】
本発明の請求項17は、プロラミン類、ポリフェノール類及び機能材を製錠又は顆粒化することを特徴とする機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0046】
本発明の請求項18は、プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類及び機能材を製錠又は顆粒化することを特徴とする機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0047】
本発明の請求項19は、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8であることを特徴とする請求項18に記載の機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0048】
本発明の請求項20は、プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合することを特徴とする請求項17又は18に記載の機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0049】
本発明の請求項21は、1〜40%の蛋白質分解酵素剤を配合することを特徴とする請求項15、17又は18に記載の機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0050】
本発明の請求項22は、5〜40%の崩壊助剤を配合してなることを特徴とする請求項15、17又は18に記載の機能性咀嚼物の製造方法、にかかるものである。
【0051】
本発明の請求項15、16により、錠剤の機能性咀嚼物を製造する際には、まず配合比率8:2〜2:8のプロラミン類と小麦グルテンからなる基材原料粉を準備し、この基材原料粉に機能材、甘味料、香料、滑沢剤等を加えてそのまま打錠するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味料、香料、滑沢剤等からなる混合末を乾式造粒して得た顆粒を打錠するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味剤等の混合末を、デンプンノリを結合剤として流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥して得た顆粒に香料、滑沢剤等を加えて打錠し、錠剤の機能性咀嚼物を製造する。一方、顆粒の機能性咀嚼物を製造する際には、まず配合比率8:2〜2:8のプロラミン類と小麦グルテンからなる基材原料粉を準備し、この基材原料粉に機能材、甘味料、香料、滑沢剤等を加えて乾式造粒するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味剤等の混合末を、デンプンノリを結合剤として流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥して得た顆粒に香料等を加えて顆粒の機能性咀嚼物を製造する。ここで、錠剤や顆粒タイプの機能性咀嚼物の製造工程は、医薬品や健康食品の製造において汎用される製造工程でよく、すなわち乾式造粒機、流動層造粒乾燥機、転動流動造粒機、打錠機等の一般的製剤機械を用いることができる。
【0052】
これにより、本発明の請求項15、16によれば、プロラミン類と小麦グルテンの基材原料粉に機能材等を添加し、造粒、乾燥、打錠等の一般的な製剤手法を施すと言う非常に簡便な操作で水分含有量の低い機能性咀嚼物を製造することができる。従って湿塊物から成る水分含有量の高い機能性咀嚼物と異なり、水分活性の低い本発明の機能性咀嚼物では糖衣やフィルムコーティングによる防カビ処理が不要であり、且つ混捏・圧延等の特殊設備が不要で、汎用性の高い造粒・乾燥・打錠の製造工程により製造されるので、製造コストを大幅に低減することができる。
【0053】
本発明の水分含量の低い機能性咀嚼物は、医薬品業界や健康食品業界で汎用される、造粒機・乾燥機・打錠機等の製造設備を用いて錠剤や顆粒として製造される。ここで、水分含量の低い機能性咀嚼物を製造する場合に、乾式造粒法では、水を加えることなく、混合した原料末を乾式造粒機で造粒して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。又、湿式造粒法のうち流動層造粒乾燥法では、原料末にα化デンプンなどのバインダー水溶液を噴霧して造粒、乾燥して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。なおグリアジンは水分を含むと粘稠になって粘着性を生じるため、湿式造粒法では製造設備の清浄が容易でなく、従って結合液としての水を用いる必要のない乾式造粒法が本発明の機能性咀嚼物の造粒法として特に好ましい。一方、湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を製造する場合には、グリアジン等の原料末に15〜25%の水を加えて混捏する際に、湿塊物が極めて粘稠になるため、混捏に大きな負荷が掛かり、チューインガムベース製造に用いるような大型で強力なニーダーが必要となる。更にそれらの湿塊物を薄く引き伸ばし、裁断するためには、チューインガム製造に用いられるような2〜3段の圧延ローラーと裁断ローラーのような特殊な設備が必要となる。また湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を熱風乾燥し、破砕して得られる顆粒を打錠して錠剤を製造する場合には、湿塊物の高い粘稠性から乾燥に長時間を有すると共に、得られる顆粒が硬いため打錠時の成形性が悪く、錠剤を効率的に製造するのが困難であり、当然大幅な製造コストアップとなる。一方湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物をフリーズドライする場合にあっては、乾燥に2日以上の長時間を要し、且つ1片おおよそ10mmの板状の小さな湿塊物を数十万個も凍結乾燥機に収納するのは極めて煩雑な操作となり、1日当たり100万錠以上の生産量を確保できる本発明の製造方法に比べると製造コストが著しく増大する。
【0054】
又、本発明は、水分活性の低い条件で製錠又は顆粒化するので、水分による影響を受けやすい乳酸菌や酵素を配合することができる。更に又、水不溶性の固体状機能成分、例えばドロマイト等の無機化合物を配合した処方にあっては、数分から10分程度の咀嚼時間となるように、プロラミン/小麦グルテンの基材比率やポリフェノール配合量を調整し、或いは咀嚼物重量を1錠当たり300〜400mgと小さ目に調整することによって、飲み込み易くなるので、咀嚼物に含まれる機能性成分を十分に且つ確実に摂取することができる。
【0055】
本発明の請求項17、20により、錠剤の機能性咀嚼物を製造する際には、プロラミン類に対して1〜20%のポリフェノール類を配合するよう、プロラミン類、ポリフェノール類からなる基材原料粉を準備し、この基材原料粉に機能材、甘味料、香料、滑沢剤等を加えてそのまま打錠するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味料、香料、滑沢剤等からなる混合末を乾式造粒して得た顆粒を打錠するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味剤等の混合末を、デンプンノリを結合剤として流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥して得た顆粒に香料、滑沢剤等を加えて打錠し、錠剤の機能性咀嚼物を製造する。一方顆粒の機能性咀嚼物を製造する際には、同様に、プロラミン類に対して1〜20%のポリフェノール類を配合するよう、プロラミン類、ポリフェノール類からなる基材原料粉を準備し、この基材原料粉に機能材、甘味料、香料、滑沢剤等を加えて乾式造粒するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味剤等の混合末を、デンプンノリを結合剤として流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥して得た顆粒に香料等を加えて顆粒の機能性咀嚼物を製造する。ここで、錠剤や顆粒タイプの機能性咀嚼物の製造工程は、医薬品や健康食品の製造において汎用される製造工程でよく、すなわち乾式造粒機、流動層造粒乾燥機、転動流動造粒機、打錠機等の一般的製剤機械を用いることができる。
【0056】
これにより、本発明の請求項17、20によれば、プロラミン類、ポリフェノール類の基材原料粉に機能材等を添加し、造粒、乾燥、打錠等の一般的な製剤手法を施すと言う非常に簡便な操作で水分含有量の低い機能性咀嚼食品を製造することができる。従って湿塊物から成る水分含有量の高い機能性咀嚼物と異なり、水分活性の低い本発明の機能性咀嚼物では糖衣やフィルムコーティングによる防カビ処理が不要であり、且つ混捏・圧延等の特殊設備が不要で、汎用性の高い造粒・乾燥・打錠の製造工程により製造されるので、製造コストを大幅に低減することができる。
【0057】
本発明の水分含量の低い機能性咀嚼物は、医薬品業界や健康食品業界で汎用される、造粒機・乾燥機・打錠機等の製造設備を用いて錠剤や顆粒として製造される。ここで、水分含量の低い機能性咀嚼物を製造する場合に、乾式造粒法では、水を加えることなく、混合した原料末を乾式造粒機で造粒して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。又、湿式造粒法のうち流動層造粒乾燥法では、原料末にα化デンプンなどのバインダー水溶液を噴霧して造粒、乾燥して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。なおグリアジンは水分を含むと粘稠になって粘着性を生じるため、湿式造粒法では製造設備の清浄が容易でなく、従って結合液としての水を用いる必要のない乾式造粒法が本発明の機能性咀嚼物の造粒法として特に好ましい。一方、湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を製造する場合には、グリアジン等の原料末に15〜25%の水を加えて混捏する際に、湿塊物が極めて粘稠になるため、混捏に大きな負荷が掛かり、チューインガムベース製造に用いるような大型で強力なニーダーが必要となる。更にそれらの湿塊物を薄く引き伸ばし、裁断するためには、チューインガム製造に用いられるような2〜3段の圧延ローラーと裁断ローラーのような特殊な設備が必要となる。また湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を熱風乾燥し、破砕して得られる顆粒を打錠して錠剤を製造する場合には、湿塊物の高い粘稠性から乾燥に長時間を有すると共に、得られる顆粒が硬いため打錠時の成形性が悪く、錠剤を効率的に製造するのが困難であり、当然大幅な製造コストアップとなる。一方湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物をフリーズドライする場合にあっては、乾燥に2日以上の長時間を要し、且つ1片おおよそ10mmの板状の小さな湿塊物を数十万個も凍結乾燥機に収納するのは極めて煩雑な操作となり、1日当たり100万錠以上の生産量を確保できる本発明の製造方法に比べると製造コストが著しく増大する。
【0058】
又、本発明は、水分活性の低い条件で製錠又は顆粒化するので、水分による影響を受けやすい乳酸菌や酵素を配合することができる。更に又、水不溶性の固体状機能成分、例えばドロマイト等の無機化合物を配合した処方にあっては、数分から10分程度の咀嚼時間となるように、ポリフェノール配合量を調整し、或いは咀嚼物重量を1錠当たり300〜400mgと小さ目に調整することによって、飲み込み易くなるので、咀嚼物に含まれる機能性成分を十分に且つ確実に摂取することができる。
【0059】
本発明の請求項18、19、20により、錠剤の機能性咀嚼物を製造する際には、プロラミン類と小麦グルテンの比率を重量比で9.9:0.1〜2:8にすると共に、プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合するよう、プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類からなる基材原料粉を準備し、この基材原料粉に機能材、甘味料、香料、滑沢剤等を加えてそのまま打錠するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味料、香料、滑沢剤等からなる混合末を乾式造粒して得た顆粒を打錠するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味剤等の混合末を、デンプンノリを結合剤として流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥して得た顆粒に香料、滑沢剤等を加えて打錠し、錠剤の機能性咀嚼物を製造する。一方顆粒の機能性咀嚼物を製造する際には、同様に、プロラミン類と小麦グルテンの比率を重量比で9.9:0.1〜2:8にすると共に、プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合するよう、プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類からなる基材原料粉を準備し、この基材原料粉に機能材、甘味料、香料、滑沢剤等を加えて乾式造粒するか、或いは基材原料粉、機能材、甘味剤等の混合末を、デンプンノリを結合剤として流動層造粒乾燥法等の湿式造粒法により造粒、乾燥した得た顆粒に香料等を加えて顆粒の機能性咀嚼物を製造する。ここで、錠剤や顆粒タイプの機能性咀嚼物の製造工程は、医薬品や健康食品の製造において汎用される製造工程でよく、すなわち乾式造粒機、流動層造粒乾燥機、転動流動造粒機、打錠機等の一般的製剤機械を用いることができる。
【0060】
これにより、本発明の請求項18、19、20によれば、プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類の基材原料粉に機能材等を添加し、造粒、乾燥、打錠等の一般的な製剤手法を施すと言う非常に簡便な操作で水分含有量の低い機能性咀嚼食品を製造することができる。従って湿塊物から成る水分含有量の高い機能性咀嚼物と異なり、水分活性の低い本発明の機能性咀嚼物では糖衣やフィルムコーティングによる防カビ処理が不要であり、且つ混捏・圧延等の特殊設備が不要で、汎用性の高い造粒・乾燥・打錠の製造工程により製造されるので、製造コストを大幅に低減することができる。
【0061】
本発明の水分含量の低い機能性咀嚼物は、医薬品業界や健康食品業界で汎用される、造粒機・乾燥機・打錠機等の製造設備を用いて錠剤や顆粒として製造される。ここで、水分含量の低い機能性咀嚼物を製造する場合に、乾式造粒法では、水を加えることなく、混合した原料末を乾式造粒機で造粒して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。又、湿式造粒法のうち流動層造粒乾燥法では、原料末にα化デンプンなどのバインダー水溶液を噴霧して造粒、乾燥して顆粒を製造し、錠剤を製造する際には次いでこの顆粒を打錠する。なおグリアジンは水分を含むと粘稠になって粘着性を生じるため、湿式造粒法では製造設備の清浄が容易でなく、従って結合液としての水を用いる必要のない乾式造粒法が本発明の機能性咀嚼物の造粒法として特に好ましい。一方、湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を製造する場合には、グリアジン等の原料末に15〜25%の水を加えて混捏する際に、湿塊物が極めて粘稠になるため、混捏に大きな負荷が掛かり、チューインガムベース製造に用いるような大型で強力なニーダーが必要となる。更にそれらの湿塊物を薄く引き伸ばし、裁断するためには、チューインガム製造に用いられるような2〜3段の圧延ローラーと裁断ローラーのような特殊な設備が必要となる。また湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物を熱風乾燥し、破砕して得られる顆粒を打錠して錠剤を製造する場合には、湿塊物の高い粘稠性から乾燥に長時間を有すると共に、得られる顆粒が硬いため打錠時の成形性が悪く、錠剤を効率的に製造するのが困難であり、当然大幅な製造コストアップとなる。一方湿塊物から成る水分含量の高い機能性咀嚼物をフリーズドライする場合にあっては、乾燥に2日以上の長時間を要し、且つ1片おおよそ10mmの板状の小さな湿塊物を数十万個も凍結乾燥機に収納するのは極めて煩雑な操作となり、1日当たり100万錠以上の生産量を確保できる本発明の製造方法に比べると製造コストが著しく増大する。
【0062】
又、水分活性の低い条件で製錠又は顆粒化するので、水分による影響を受けやすい乳酸菌や酵素を配合することができる。更に又、水不溶性の固体状機能成分、例えばドロマイト等を配合した処方においても、数分から10分程度の咀嚼時間となるように、プロラミン/小麦グルテンの基材比率やポリフェノール配合量を調整し、或いは咀嚼物重量を1錠当たり300〜400mgと小さ目に調整することによって、飲み込み易くなるので、咀嚼物に含まれる機能性成分を十分に且つ確実に摂取することができる。
【0063】
本発明の請求項21に示す如く、請求項15、17又は18において、1〜40%の蛋白質分解酵素剤を配合すると、咀嚼時間を調整可能にして製造することができる。
【0064】
本発明の請求項22に示す如く、請求項15、17又は18において、5〜40%の崩壊助剤を配合すると、咀嚼時間を調整可能にして製造することができる。
【0065】
更に、本発明の機能性咀嚼物の使用方法について説明する。
【0066】
本発明の請求項23は、請求項1〜8,10のいずれか1項に記載の機能性咀嚼物を咀嚼後、請求項11に記載の機能性咀嚼物を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0067】
本発明の請求項24は、請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼後、請求項11記載の機能性咀嚼物を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0068】
本発明の請求項25は、咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0069】
本発明の請求項26は、咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0070】
本発明の請求項27は、固形状咀嚼物がプロラミン類又はプロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜8.1:1.9であることを特徴とする請求項25又は26に記載の機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0071】
本発明の請求項28は、咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、有機酸の錠剤を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0072】
本発明の請求項29は、咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、有機酸の錠剤を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0073】
本発明の請求項30は、有機酸がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸から選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項28又は29に記載の機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0074】
本発明の請求項31は、咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、速崩壊錠を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0075】
本発明の請求項32は、咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、速崩壊錠を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0076】
本発明の請求項33は、速崩壊錠がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸の有機酸、ゼラチン、カゼインナトリウム、コラーゲンの蛋白質、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、トラガント、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシセルロースカルシウム、アルギン酸ナトリウムの多糖類、ポリグルタミン、アルギニン、ココアパウダー、バターミルクパウダーから選択された少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項31又は32に記載の機能性咀嚼物の使用方法、にかかるものである。
【0077】
本発明の請求項23に示す如く、請求項1〜8,10のいずれか1項に記載の機能性咀嚼物を咀嚼後、請求項11記載の機能性咀嚼物を追加して咀嚼すると、請求項11記載の蛋白質分解酵素剤により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の可食を容易にして健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、同時に疾病の治療を一層適切に行うことができる。
【0078】
本発明の請求項24に示す如く、請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼後、請求項11記載の機能性咀嚼物を追加して咀嚼すると、請求項11記載の蛋白質分解酵素剤により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の可食を容易にして健康の維持や増進又は回復を一層適切に図ることができる。又、同時に疾病の治療を一層適切に行うことができる。
【0079】
本発明の請求項25に示す如く、咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物を新たに追加して咀嚼すると、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物でプロラミン類との比率又はポリフェノール類との比率を変化させることにより、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の高咀嚼性能と易可食性を両立して健康の維持や増進又は回復、及び疾病の治療を一層適切に図ることができる。更に詳しく説明すると、例えばドライバーの眠気防止用製品にあっては、最初に咀嚼時間が30分以上の充分噛み応えのあるカフェイン入りの錠剤を好みの時間、例えば30分程度咀嚼して咀嚼に飽きたところで、咀嚼時間が2分以下のビタミン入りの錠剤を追加咀嚼することにより、咀嚼物は2,3分以内に弾力性と集合性が小さくなって、ばらけ、女性でも容易に飲み込み込むことができる。
【0080】
本発明の請求項26に示す如く、咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物を新たに追加して咀嚼すると、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物でプロラミン類との比率又はポリフェノール類との比率を変化させることにより、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の高咀嚼性能と易可食性を両立して健康の維持や増進又は回復、及び疾病の治療を一層適切に図ることができる。更に詳しく説明すると、例えばドライバーの眠気防止用製品にあっては、最初に咀嚼時間が30分以上の充分噛み応えのあるカフェイン入りの錠剤を好みの時間、例えば30分程度咀嚼して咀嚼に飽きたところで、咀嚼時間が2分以下のビタミン入りの錠剤を追加咀嚼することにより、咀嚼物は2,3分以内に弾力性と集合性が小さくなって、ばらけ、女性でも容易に飲み込み込むことができる。
【0081】
本発明の請求項27に示す如く、請求項25又は26において、固形状咀嚼物がプロラミン類又はプロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜8.1:1.9であると、プロラミン類との比率又はポリフェノール類との比率を簡易に変化させることにより、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間が短めになり機能性咀嚼物の可食を容易にすることができる。
【0082】
本発明の請求項28に示す如く、咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、有機酸の錠剤を追加して咀嚼すると、有機酸の錠剤に含まれる成分により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の高咀嚼性能と易可食性を両立して健康の維持や増進又は回復、及び疾病の治療を一層適切に図ることができる。
【0083】
本発明の請求項29に示す如く、咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、有機酸の錠剤を追加して咀嚼すると、有機酸の錠剤に含まれる成分により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の高咀嚼性能と易可食性を両立して健康の維持や増進又は回復、及び疾病の治療を一層適切に図ることができる。
【0084】
本発明の請求項30に示す如く、請求項28又は29において、有機酸がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸から選択された少なくとも1種からなると、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を調整して機能性咀嚼物の可食を容易にすることができる。
【0085】
本発明の請求項31に示す如く、咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、速崩壊錠を新たに追加して咀嚼すると、速崩壊錠に含まれる成分により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の高咀嚼性能と易可食性を両立して健康の維持や増進又は回復、及び疾病の治療を一層適切に図ることができる。更に詳しく説明すると、例えばドライバーの眠気防止用製品にあっては、最初に咀嚼時間が30分以上の充分噛み応えのあるカフェイン入りの錠剤を好みの時間、例えば30分程度咀嚼して咀嚼に飽きたところで、ビタミン入りの速崩壊錠を追加咀嚼することにより、咀嚼物は2,3分以内に弾力性と集合性が小さくなって、ばらけ、女性でも容易に飲み込むことができる。
【0086】
本発明の請求項32に示す如く、咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、速崩壊錠を新たに追加して咀嚼すると、速崩壊錠に含まれる成分により弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を短縮するので、好みに応じて咀嚼時間を調整し、結果的に、機能性咀嚼物の高咀嚼性能と易可食性を両立して健康の維持や増進又は回復、及び疾病の治療を一層適切に図ることができる。更に詳しく説明すると、例えばドライバーの眠気防止用製品にあっては、最初に咀嚼時間が30分以上の充分噛み応えのあるカフェイン入りの錠剤を好みの時間、例えば30分程度咀嚼して咀嚼に飽きたところで、ビタミン入りの速崩壊錠を追加咀嚼することにより、咀嚼物は2,3分以内に弾力性と集合性が小さくなって、ばらけ、女性でも容易に飲み込むことができる。
【0087】
本発明の請求項33に示す如く、請求項31又は32において、速崩壊錠がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸の有機酸、ゼラチン、カゼインナトリウム、コラーゲンの蛋白質、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、トラガント、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシセルロースカルシウム、アルギン酸ナトリウムの多糖類、ポリグルタミン、アルギニン、ココアパウダー、バターミルクパウダーから選択された少なくとも1種からなると、弾力性と集合性を小さくしてばらけ易くすることによって、咀嚼時間を調整して機能性咀嚼物の可食を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0088】
上記した本発明の機能性咀嚼物を咀嚼した際には、グミ菓子よりも咀嚼時間を長くして咀嚼回数を増すと共に、可食性により機能材を廃棄することなく摂取し得るので、健康の維持や増進又は回復を適切に図ることができる。又、同時に疾病の治療を一層適切に行うことができる。更に、可食性により、チューインガムのような咀嚼後の廃棄による環境汚染の問題を防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0089】
以下のように実施例がある。
【実施例1】
【0090】
[実施例1]では、プロラミン類のグリアジン(グリアジン分画物)と、小麦グルテンの活性グルテン(バイタルグルテン)と、機能材のキシリトール及びステアリン酸カルシウム(滑沢剤)を配合し、グリアジンとグルテンの割合が、機能性咀嚼物の打錠時の成形性、並びにその物性、すなわち咀嚼時間(分)、弾力性及び伸展性について、どのように影響するか以下のモデル処方で調べた。なお、錠剤は、静的圧縮機を用いて、錠径15mm、1錠1000mg、錠剤硬度4〜5kg/cm前後で製錠し、各評価項目は次のようにして評価した。
(1)成形性
錠剤硬度を測定した。
○:錠剤硬度が4〜5kg/cm以上を示したもの
△:錠剤硬度が3kg/cm前後のもの
×:錠剤硬度が2kg/cm以下で製錠しても破損しやすく、錠剤として扱い難いもの
(2)物性
(a)咀嚼時間
機能性咀嚼物1錠を1分間に70〜80回の速度で咀嚼し、ばらけて飲み込めるまでの時間を測定し、咀嚼時間(分)とした。「15分以上」としたものは、15分間咀嚼後もばらけることなく一塊の集合物を形成しているものである。
(b)弾力性
咀嚼時間評価のおよそ2分前または咀嚼10分後の状態を調べた。
◎ :弾力性の強いしっかりしたガム状の塊を形成しているもの
○ :やや柔らかいが一塊のガム状の塊を形成しているもの
△ :弾力性が小さくぼそぼその塊
(c)伸展性
咀嚼時間評価のおよそ2分前または咀嚼10分後に、咀嚼物を歯でくわえ、指で引き伸ばした際の状態を調べた。
◎ :10cm以上引き伸ばせるもの
○ :5cm程度引き伸ばし可能なもの
△ :3cm程度引き伸ばし可能なもの
× :1cm以下または引き伸ばしできないもの
【0091】
【表1】

【0092】
以上の結果から、グリアジン分画物/活性グルテンの割合が10/0(実験番号01)と9/1(実験番号02)では咀嚼時間が短すぎ、グリアジン分画物/活性グルテンの割合が1/9(実験番号10)と0/10(実験番号11)は錠剤として成形し難い。このため、錠剤の機能性咀嚼物が得られるのは、グリアジン分画物/活性グルテンの比率が8/2(実験番号03)から2/8(実験番号09)の範囲であり、プロラミン類と小麦グルテンの比率は重量比で8:2〜2:8の範囲であることが明らかである。
【実施例2】
【0093】
[実施例2]では、プロラミン類のグリアジン(グリアジン分画物)と、小麦グルテンの活性グルテン(バイタルグルテン)とに対してポリフェノール類のお茶カテキンを添加量0.20gで併用した場合において、[実施例1]と略同様に、ポリフェノール類のお茶カテキンが、機能性咀嚼物の打錠時の成形性、並びにその物性、すなわち咀嚼時間(分)、弾力性及び伸展性に対し、どのように影響するか以下のモデル処方で調べた。なお、お茶カテキンの総ポリフェノール含量は90.4%、エピガロカテキンガレート(EGCg)含量は47.4%であった。
【0094】
【表2】

【0095】
以上の如く、ポリフェノール類(お茶カテキン)がグリアジン分画物中の蛋白質を凝集、集合させる結果、グリアジン分画物比率の大きい、すなわちグリアジン分画物/バイタルグルテン=10/0〜6/4の基材組成(実験番号21〜25)においても咀嚼時間が15以上と長く、弾力性と伸展性に富んだ咀嚼物が得られた。又、その他の基材組成においても弾力性が向上した。更に、グリアジン分画物が1割又はバイタルグルテンのみの基材組成(実験番号30,31)では、お茶カテキンの蛋白質集合作用による物性改善効果を認めず、錠剤の成形性も向上しなかった。更に、機能性咀嚼物として利用できる基材組成は、グリアジン分画物/バイタルグルテン=10/0〜2/8であった。
【0096】
このため、機能性咀嚼物が得られるのは、プロラミン類と小麦グルテンの合算量(4.0g)に対してポリフェノール類(お茶カテキン0.20g)5%の状態で、グリアジン分画物/活性グルテンの比率が10/0から2/8の範囲の場合であり、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8の範囲であるならば問題のないことが明らかである。
【実施例3】
【0097】
[実施例3]では、プロラミン類のグリアジン(グリアジン分画物)と、小麦グルテンの活性グルテン(バイタルグルテン)とに対してポリフェノール類のお茶カテキンを添加量0.10gで併用した場合において、[実施例1]及び[実施例2]と略同様に、ポリフェノール類のお茶カテキンが、機能性咀嚼物の打錠時の成形性、並びにその物性、すなわち咀嚼時間(分)、弾力性及び伸展性に対し、どのように影響するか以下のモデル処方で調べた。なお、お茶カテキンの総ポリフェノール含量は90.4%、エピガロカテキンガレート(EGCg)含量は47.4%であった。
【0098】
【表3】

【0099】
以上の如く、お茶カテキンを[実施例2]の1/2の0.10gにすると、グリアジン分画物比率の高い基材組成(実験番号41〜43)では、咀嚼時間が10分以下と短くなり、弾力性もやや弱まった。この場合、口持ちが長すぎない咀嚼物が得られる。又、機能性咀嚼物として利用できる基材組成は、グリアジン分画物/バイタルグルテン=10/0〜2/8であった。
【0100】
このため、機能性咀嚼物が得られるのは、プロラミン類と小麦グルテンの合算量(4.0g)に対してポリフェノール類(お茶カテキン0.10g)2.5%の状態で、グリアジン分画物/活性グルテンの比率が10/0から2/8の範囲の場合であり、同様に、プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8の範囲であるならば問題のないことが明らかである。
【0101】
又、[実施例1]〜[実施例3]の結果から、機能性咀嚼物の物性に影響を及ぼす因子としては、基材組成(グリアジン分画物/バイタルグルテン比率)と、お茶カテキン等のポリフェノール配合量とが関係することが明らかである。
【実施例4】
【0102】
[実施例4]では、本発明の機能性咀嚼物を咀嚼した際の機能性成分の溶出挙動を調べたもので、水溶性物質としてカフェイン、脂溶性物質としてビタミンE(酢酸トコフェロール)を選び、モデル処方として[表4]及び[表5]の原料を用いて打錠し、径13mm、1錠0.6gの錠剤を得た。
【0103】
【表4】

【0104】
【表5】

【0105】
咀嚼による機能性成分の溶出パターンは下記のようにして測定した。錠剤1錠を所定時間咀嚼後、咀嚼物を簡単に水で洗ってから重量を測定し、その水洗済みの咀嚼物の約100mgを正確に量りとる。カフェイン錠と酢酸トコフェロール錠について以下のように前処理して試料溶液を調製し、それぞれの成分を定量して残存率(%)を求め、次いで(100−残存率(%))より溶出率(%)を算出し、溶出パターンを求めた。その結果を図1に示した。
【0106】
カフェイン錠:
約100mg精秤した水洗済み咀嚼物に0.02N水酸化ナトリウムの30%メタノール水溶液40mL加えながら乳鉢で擂り潰し、溶解させる。この溶解液に0.2N塩酸6mL及び水を加えて50mLにメスアップ後、遠心分離(3000rpm、5分間)して得た上清液を試料溶液とした。この試料溶液を用いて高速液体クロマトグラフ法によりカフェインを定量した。咀嚼時間0分、2分、5分、10分及び20分において、それぞれ3回実験を繰り返し、咀嚼物中に残存するカフェインを定量し、その3回の平均値で残存率(%)を求め、それから溶出率(%)を算出して溶出パターンを求めた。
【0107】
酢酸トコフェロール錠:
約100mg精秤した水洗済み咀嚼物に0.02N水酸化ナトリウムの30%メタノール水溶液を加えながら乳鉢で擂り潰し、溶解させて50mLにメスアップする。この溶液を
10mL採り、90%エタノールを加えて5分間振盪し、50mLにメスアップした後、更に10分間超音波処理する。この溶液を遠心分離(3000rpm、5分間)して得た上清液を試料溶液とした。この試料溶液を用いて高速液体クロマトグラフ法により酢酸トコフェロールを定量した。なお試料溶液調製中に酢酸トコフェロールの一部がトコフェロールにかわるので、酢酸トコフェロールとトコフェロールの両方を定量し、両方のモル数の和より酢酸トコフェロール量を求めた。咀嚼時間0分、2分、5分、10分、20分、30分、45分及び60分において、それぞれ3回実験を繰り返し、咀嚼物中に残存する酢酸トコフェロールを定量し、その3回の平均値で残存率(%)を求め、それから溶出率(%)を算出して溶出パターンを求めた。
【0108】
図1から明らかなように、水溶性物質のカフェインでは、咀嚼10分で約8割、20分で約9割溶出された。一方は脂溶性物質の酢酸トコフェロールでは、咀嚼10分で約4割、20分で約6割、30分で7割、45分で9割弱、60分で9割超溶出されるが、カフェインより溶出が遅れた。このように、機能材の機能成分を咀嚼により摂取できることが明らかである。
【実施例5】
【0109】
[実施例5]は、本発明の機能性咀嚼物を咀嚼し、食した際に消化管で完全に消化されることを確認した結果である。[表6]の原料を用いて打錠し、径13mm、1錠0.6gの錠剤を得た。
【0110】
ヒトによる消化実験は次のようにして行った。8名のボランティアにつき、1名あたり毎食後1〜2錠で、1日に5錠、3日間で15錠服用した。咀嚼物服用の2日目から、服用後の3日間までの5日間のボランティアの糞便を1日毎に全量採取し、糞便中に咀嚼物由来の白色の塊が排泄されていないか糞便を細かくより分け、観察した。その結果、8名のボランティアの糞便中には、咀嚼物由来の未消化の白色の塊は見出されなかった。
【0111】
又、本発明の機能性咀嚼物は、豚胃粘膜由来ペプシンからなる人工胃液及び豚すい臓
由来パンクレアチンからなる人工腸液中でも消化されることを確認した。このため、機能性咀嚼物は、可食性を有すると共に消化管で完全に消化され、機能材の機能成分を確実に吸収できることが明らかである。
【0112】
【表6】

【実施例6】
【0113】
[実施例6]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第一例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、グリアジン、バイタルグルテン、お茶カテキン及びキシリトールを攪拌造粒機に入れ、攪拌しながらマスティックオイル、ニクズクエキス、ヨモギエキスを順次加える。次いでこれらの混合物を流動層造粒乾燥機に移し、甘味剤を溶解したα化デンプンの3%水溶液を噴霧して造粒、乾燥した。以下、[表7]に流動層造粒条件を示す。
【0114】
【表7】

【0115】
続いて、得られた造粒末に下記の[表8]の割合で香料と滑択剤を加え、混合して得た打錠末を、径13mmで、1錠0.7g重量で製錠した。
【0116】
【表8】

【0117】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、15分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0118】
又、[実施例6]で得た機能性咀嚼物の機能性として口腔内清淨作用を評価するため、機能性咀嚼物1粒を咀嚼した前後の口臭を口腔内ガス検知器を用いて測定すると、機能性咀嚼物服用前には、呼気中に60ppmのアンモニアを検出したが、15分間咀嚼後に検出された呼気中のアンモニアは10pmm以下であった。このことは[実施例6]の機能性咀嚼物が、口腔内の細菌を大幅に減らす清淨作用を有することを示すものであり、口腔内環境を清浄化することが明らかである。
【実施例7】
【0119】
[実施例7]では、プロラミン類のグリアジンと、ポリフェノール類のブドウ種子プロアントシアニジンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第二例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表9]の原料混合末を乾式造粒機に供給して、平均粒子径約500μ、嵩比容積1.8mL/gの顆粒を得た。次に、径15mm、1錠1g重量で製錠した。
【0120】
【表9】

【0121】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、7分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0122】
又、[実施例7]で得た機能性咀嚼物は、ミネラルとビタミンを配合したので、不足しがちな中高年やダイエット志向の女性に効果があると共に、女性ホルモン様の生理作用を有するイソフラボンを配合したので、若年者から高齢者まで幅広い年齢層の女性に好適に適用することができる。
【実施例8】
【0123】
[実施例8]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第三例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、[実施例6]と略同様に、グリアジン、バイタルグルテン、イチョウ葉エキス末、お茶カテキン、亜鉛イーストを攪拌造粒機に入れ、攪拌しながらDHAオイルとEPAオイルを順次加える。次いでこれらの混合物、ラクトフェリン及びイヌリンを流動層造粒乾燥機に移し、甘味剤を溶解したα化デンプンの3%水溶液を噴霧して造粒、乾燥した。続いて、得られた造粒末に下記の[表10]の割合で香料と滑択剤を加え、混合して得た打錠末を、径13mmで1錠0.7g重量に製錠した。
【0124】
【表10】

【0125】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、10分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0126】
又、[実施例8]で得た機能性咀嚼物は、イチョウ葉エキス、ラクトフェリン、DHA等を配合したので、抗痴呆作用、免疫力増強作用、発ガン予防作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用及び脂質低下作用等を有し、痴呆、ガン、関節炎、動脈硬化等の疾患に罹患しやすい高齢者に好適に適用することができる。
【実施例9】
【0127】
[実施例9]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第四例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、[実施例6]と略同様に、グリアジン、バイタルグルテン及びお茶カテキンを流動層造粒乾燥機に入れ、α化デンプンの3%水溶液を噴霧して造粒、乾燥した。次に、得られた造粒末に下記の[表11]の割合で機能材、甘味剤、香料及び滑択剤を加えた混合末を、乾式造粒機へ供給し、平均粒子径約350mg、嵩比容積2.0mL/gの顆粒を得た。更に、この顆粒を打錠し、径13mm、1錠0.65gの錠剤を得た。
【0128】
【表11】

【0129】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、10分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0130】
又、[実施例9]で得た機能性咀嚼物は、アップルフェノン、シャンピニオンエキス、鉄クロロフィリンナトリウムの消臭機能材を配合したので、口臭や便臭抑制のエチケット用品として好適に使用できる。
【実施例10】
【0131】
[実施例10]では、プロラミン類のツェインと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のエピガロカテキンガレートと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第五例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、[実施例7]と略同様に、下記の[表12]の原料を用い、乾式造粒機で製造した顆粒を打錠し、径15mm、1錠0.8gの錠剤を得た。
【0132】
【表12】

【0133】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、15分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0134】
又、[実施例10]で得た機能性咀嚼物は、[実施例9]と同様に、アップルフェノン、シャンピニオンエキス、鉄クロロフィリンナトリウムの消臭機能材を配合したので、口臭や便臭抑制のエチケット用品として好適に使用できる。
【実施例11】
【0135】
[実施例11]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のフランス海岸末樹皮抽出液と、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第六例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表13]の原料を乾式造粒機に供給し、平均粒子径約350μ、嵩比容積1.9mL/gの顆粒を得て、径15mm、1錠0.85g重量で製錠した。
【0136】
【表13】

【0137】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、7分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0138】
又、[実施例11]で得た機能性咀嚼物は、イチョウ葉エキス末、コエンザイムQ―10、γ―アミノ酪酸、アスタキサンチン、ビンカマイナーエキスを配合したので、痴呆の心配がある高齢者に好適に適用することができる。
【実施例12】
【0139】
[実施例12]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のエピガロカテキンガレートと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第七例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表15]の原料の内、グリアジン、バイタルグルテン及びエピガロカテキンガレートを流動層造粒乾燥機に入れ、[実施例6]と略同様に、α化デンプンの3%水溶液を噴霧して造粒、乾燥した。次に、得られた造粒末に下記の[表14]の割合で機能材、甘味剤、香料及び滑択剤を加えた混合末を、乾式造粒機へ供給し、平均粒子径約300mg、嵩比容積2.2mL/gの顆粒を得た。この顆粒を打錠して径15mm、1錠0.8gの錠剤を得た。
【0140】
【表14】

【0141】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、15分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0142】
又、[実施例12]で得た機能性咀嚼物は、カフェイン、ブルーベリー、ビタミンB1を配合したので、ドライバーの眠気防止用品として好適に使用できる。
【実施例13】
【0143】
[実施例13]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第八例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表15]の原料混合末を乾式造粒機に供給して平均粒子径約500μ、嵩比容積1.8mL/gの顆粒を得た。次に、この顆粒を径15mm、1錠0.9g重量で製錠した。
【0144】
【表15】

【0145】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、10分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0146】
又、[実施例13]で得た機能性咀嚼物は、美白・美肌用成分のヒアルロン酸、アップルフェノン、コエンザイムQ―10、ビタミンC等と、抗肥満用成分のL―カルニチン、ガルシニアと、女性ホルモン用の生理作用を有するイソフラボンとを配合したので、若年者から高齢者までの幅広い年齢層で美容と肥満に関心の高い女性向きのサプリメントとして好適である。
【実施例14】
【0147】
[実施例14]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第九例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表16]の原料混合末を乾式造粒機に供給して平均粒子径約500μ、嵩比容積1.7mL/gの顆粒を得た。次に、この顆粒を径15mm、1錠0.9g重量で製錠した。
【0148】
【表16】

【0149】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、15分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0150】
又、[実施例14]で得た機能性咀嚼物は、ニコチンを配合したので、禁煙補助用サプリメントとして好適である。
【実施例15】
【0151】
[実施例15]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第十例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表17]の原料を乾式造粒機に供給して平均粒子径約500μ、嵩比容積1.8mL/gの顆粒を得た。
【0152】
【表17】

【0153】
以上により得られた機能性咀嚼物0.8gを1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、15分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0154】
又、[実施例15]で得た機能性咀嚼物は、[実施例9]と同様に、アップルフェノン、シャンピニオンエキス、鉄クロロフィリンナトリウムの消臭機能材を配合したので、口臭や便臭抑制のエチケット用品として好適に使用できる。
【実施例16】
【0155】
[実施例16]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第十一例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表18]の原料混合末を乾式造粒機に供給して平均粒子径約350μ、嵩比容積1.8mL/gの顆粒を得た。次に、この顆粒を径15mm、1錠0.8g重量で製錠した。
【0156】
【表18】

【0157】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、10分でばらけて飲み込めた。
【0158】
又、[実施例16]で得た機能性咀嚼物は、アスピリンとカフェインを配合したので、水なしで服用できる解熱鎮痛剤として好適に使用できる。
【実施例17】
【0159】
[実施例17]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第十二例であって、咀嚼時間と機能材の効果を確認した。製造方法では、[表19]のグリアジンとバイタルグルテンとを攪拌造粒機に入れ、攪拌しながらマスティックオイルを順次加える。次いでこれらの混合物に、お茶カテキン、マスティックオイル以外の機能材、甘味剤及び流動促進剤の半量を加えて混合した後、その混合末を乾式造粒機に供給した。得られた造粒末に結晶セルロース、香料及び流動促進剤の半量を加えた混合末を製錠して径15mm、1錠0.8gの錠剤を得た。
【0160】
本実施例のように、機能材としてマスティックオイルのような油状物を用いた乾式造粒
末を製錠する場合には、成形性が低下するので、結晶セルロースのような成形助剤を配合
すると好適に製錠できる。しかし成形助剤の配合量は10%前後が好ましく、15%を超えると咀嚼物の伸展性が低下し、柔らかく噛み応えが悪くなるので好ましくない。
【0161】
【表19】

【0162】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、15分間、弾力性と集合性のある食感を保つことができた。
【0163】
又、[実施例17]で得た機能性咀嚼物は、[実施例6]と同様に、マスティックオイルを配合したので、口腔内清浄化剤として好適に使用できる。
【実施例18】
【0164】
[実施例18]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、蛋白質分解酵素剤の枯草菌起源中性プロテアーゼ製剤と、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第十三例であって、蛋白質分解酵素剤と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表20]の原料混合末を乾式造粒機に供給して平均粒子径約350μ、嵩比容積1.9mL/gの顆粒を得た。次に、この顆粒を径15mm、1錠0.9g重量で製錠した。
【0165】
【表20】

【0166】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、5分でばらけて飲み込めた。
【0167】
又、[実施例18]で得た機能性咀嚼物は、[実施例9]と同様に、アップルフェノン、シャンピニオンエキス、鉄クロロフィリンナトリウムの消臭機能材を配合したので、口臭や便臭抑制のエチケット用品として好適に使用できる。
【実施例19】
【0168】
[実施例19]では、プロラミン類のグリアジンと、小麦グルテンのバイタルグルテンと、ポリフェノール類のお茶カテキンと、崩壊助剤のゼラチンと、機能材とを配合した機能性咀嚼物の第十四例であって、崩壊助剤と機能材の効果を確認した。製造方法では、下記の[表21]の原料混合末を乾式造粒機に供給して平均粒子径約300μ、嵩比容積2.0mL/gの顆粒を得た。次に、この顆粒を径13mm、1錠0.6g重量で製錠した。
【0169】
【表21】

【0170】
以上により得られた機能性咀嚼物を1分間に70〜80回の速度で咀嚼した結果、7分でばらけて飲み込めた。
【0171】
又、[実施例19]で得た機能性咀嚼物は、有胞子性乳酸菌とビフィズス菌の乳酸菌を
配合したので、整腸剤として好適に使用できる。
【実施例20】
【0172】
[実施例20]では、機能性咀嚼物の使用方法の第一例であって、使用方法の効果を確認した。機能性咀嚼物は[実施例15]と同じものを使用し、更に追加して咀嚼する機能性咀嚼物には、[実施例18]で蛋白質分解酵素剤を配合したものを用いた。
【0173】
[実施例15]の錠菓1錠を5分間咀嚼して弾力性と集合性のあるガム様の塊となった状態で、更に[実施例18]に示す機能性咀嚼物1錠を追加して咀嚼した。その結果、[実施例18]に示す機能性咀嚼物の蛋白質分解酵素剤により5分後に全体がばらけて容易に飲み込めた。
【実施例21】
【0174】
[実施例21]では、機能性咀嚼物の使用方法の第二例であって、使用方法の効果を確認した。機能性咀嚼物は[実施例15]と同じものを使用し、更に追加して咀嚼する固形状咀嚼物には下記の製造方法で製造されたものを用いた。
【0175】
固形状咀嚼物の製造方法では、下記の[表22]の原料混合末を乾式造粒機に供給して平均粒子径約500μ、嵩比容積2.0mL/gの顆粒を得た。次に、この顆粒を径15mm、1錠0.9g重量で製錠した。
【0176】
【表22】

【0177】
以上により、[実施例15]の錠菓1錠を5分間咀嚼して弾力性と集合性のあるガム様の塊となった状態で、更に[実施例21]に示す固形状咀嚼物の錠菓1錠を追加して咀嚼した。その結果、2分後にばらけて容易に飲み込めた。なお、固形状咀嚼物のみの場合は、ポリフェノール類を配合していないことにより、2分前にばらけた。
【実施例22】
【0178】
[実施例22]では、機能性咀嚼物の使用方法の第三例であって、使用方法の効果を確認した。機能性咀嚼物は[実施例15]と同じものを使用し、更に、追加して咀嚼する速崩壊錠には、キサンタンガム300mg、ビタミンB1,微結晶セルロース、ラクチロース、滑沢剤からなる1錠700mgの錠剤を用いた。
【0179】
[実施例15]の錠菓1錠を5分間咀嚼して弾力性と集合性のあるガム様の塊となった状態で、更に[実施例22]に示す速崩壊錠1錠を追加して咀嚼した。その結果、2分後にばらけて容易に飲み込めた。
【0180】
尚、本発明の機能性咀嚼物及びその製造方法並びにその使用方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、機能材は可食により有用な成分を備えるならば他のものでも良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明を実施する形態の実施例4の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くするよう構成されたことを特徴とする機能性咀嚼物。
【請求項2】
プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で8:2〜2:8であるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の機能性咀嚼物。
【請求項3】
プロラミン類、ポリフェノール類及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くすると共に、ポリフェノール類により弾力性及び伸展性を向上して構成されたことを特徴とする機能性咀嚼物。
【請求項4】
プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類及び機能材を原料として製錠又は顆粒化し、咀嚼時には唾液を含んで弾力性と伸展性を生じ、可食性を備えてグミ菓子よりも咀嚼時間を長くすると共に、ポリフェノール類により弾力性及び伸展性を向上して構成されたことを特徴とする機能性咀嚼物。
【請求項5】
プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8であるように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項6】
プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合することを特徴とする請求項3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項7】
プロラミン類が小麦のグリアジン、トウモロコシのツェイン、大麦のホルディンから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項8】
機能材を、お茶カテキン、エピガロカテキンガレート、ブドウ種子プロアントシアニジン、フランス海岸松樹皮抽出物を含むポリフェノール類、ゴマリグナン類、ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン、γ―アミノ酪酸、降圧ペプチド、キシリトール、マスティック(乳香)抽出エキス、プロポリス、フノラン、ニクズクやヨモギの生薬エキス類、アガリクス、メシマコブやヤマブシタケのキノコエキス類、フコイダン、乳酸菌加熱処理菌体末、ラクトフェリン、イソフラボン、イチョウ葉エキス、ビンカマイナーエキス、ホスファジルセリン、アラキドン酸、EPAやDHAの魚類由来高度不飽和脂肪酸、唐辛子末、ラズベリーケトン、カプシエイト、コエンザイムQ―10、α―リポ酸、塩化カルニチン、シトラスエキス、サラシアエキス、ギムネマシルベスタ抽出物、白インゲン豆エキス、桑葉抽出物、ビタミン類、緑黄色野菜エキス類、ローヤルゼリー、カルシウム化合物・マグネシウム化合物・亜鉛イースト、鉄剤のミネラル類、滋養強壮用生薬エキス類、セラミド類、ヒアルロン酸、システイン、シスチン、シャンピニオンエキス、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム、乳酸菌類、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ニコチン、カフェイン、テアニンのうち少なくとも1種以上にしたことを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項9】
機能材を、リンゴプロアントシアニジン、カシス抽出物、ブルーベリー抽出物を含むポリフェノール類、黒豆由来シアニジングリコシド、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ポリコサノール、オクタコサノール、コラーゲン、フィチン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン、クエン酸チペピジン、塩化リゾチーム、セネガ流エキス、カフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、クレゾールスルホン酸カリウム、オウヒ、カンゾウ、l−メントール、アズレンスルホン酸ナトリウムのうち少なくとも1種以上にしたことを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項10】
ポリフェノール類がカテキン類、エピガロカテキンガレート、プロアントシアニジン、アントシアニン、フラボノール、イソフラボン、セサミノール、ケルセチン、クルクミン、柿タンニンから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項11】
1〜40%の蛋白質分解酵素剤を配合してなることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項12】
蛋白分解酵素剤が糸状菌、細菌、担子菌、放線菌及び植物起源の蛋白質分解酵素より選ばれたことを特徴とする請求項11に記載の機能性咀嚼物。
【請求項13】
5〜40%の崩壊助剤を配合してなることを特徴とする請求項1、3又は4に記載の機能性咀嚼物。
【請求項14】
崩壊助剤がゼラチン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム及びコラーゲンの蛋白質、又はカラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、トラガント、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシセルロースカルシウム、アルギン酸ナトリウムの多糖類、ポリビニルポリピロリドン、グリセリンモノ脂肪酸エステルより選ばれたことを特徴とする請求項13に記載の機能性咀嚼物。
【請求項15】
プロラミン類、小麦グルテン及び機能材を原料として製錠又は顆粒化することを特徴とする機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項16】
プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で8:2〜2:8であることを特徴とする請求項15に記載の機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項17】
プロラミン類、ポリフェノール類及び機能材を製錠又は顆粒化することを特徴とする機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項18】
プロラミン類、小麦グルテン、ポリフェノール類及び機能材を製錠又は顆粒化することを特徴とする機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項19】
プロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜2:8であることを特徴とする請求項18に記載の機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項20】
プロラミン類と小麦グルテンの合算量に対して1〜20%のポリフェノール類を配合することを特徴とする請求項17又は18に記載の機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項21】
1〜40%の蛋白質分解酵素剤を配合することを特徴とする請求項15、17又は18に記載の機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項22】
5〜40%の崩壊助剤を配合してなることを特徴とする請求項15、17又は18に記載の機能性咀嚼物の製造方法。
【請求項23】
請求項1〜8,10のいずれか1項に記載の機能性咀嚼物を咀嚼後、請求項11に記載の機能性咀嚼物を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項24】
請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼後、請求項11記載の機能性咀嚼物を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項25】
咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項26】
咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、咀嚼時間が2分以下の固形状咀嚼物又は機能性咀嚼物を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項27】
固形状咀嚼物がプロラミン類又はプロラミン類と小麦グルテンの比率が重量比で9.9:0.1〜8.1:1.9であることを特徴とする請求項25又は26に記載の機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項28】
咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、有機酸の錠剤を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項29】
咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、有機酸の錠剤を追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項30】
有機酸がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸から選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項28又は29に記載の機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項31】
咀嚼時間が10分以上となる請求項1〜8,10のいずれかに記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、速崩壊錠を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項32】
咀嚼時間が10分以上となる請求項9記載の機能性咀嚼物を咀嚼し、速崩壊錠を新たに追加して咀嚼することを特徴とする機能性咀嚼物の使用方法。
【請求項33】
速崩壊錠がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸の有機酸、ゼラチン、カゼインナトリウム、コラーゲンの蛋白質、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、トラガント、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシセルロースカルシウム、アルギン酸ナトリウムの多糖類、ポリグルタミン、アルギニン、ココアパウダー、バターミルクパウダーから選択された少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項31又は32に記載の機能性咀嚼物の使用方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−131620(P2007−131620A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279996(P2006−279996)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(591018648)明治薬品株式会社 (5)
【Fターム(参考)】