説明

機能水およびその生成方法

【課題】テラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気による熱風で、曝気することにより生成され、長時間保存可能な活性機能水とその生成方法を提供する。
【解決手段】規定の圧力と温度に調整されることによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気の熱風で、一定時間水を曝気することにより水分子の水素結合の固有振動数と共振するテラヘルツ波様の共鳴電磁波で、空気中や水分中の窒素(N2)や水蒸気(H2O)の水素結合を切り離し、分離した水素から放出される電子が窒素の外殻に取り込まれ活性窒素となり、アミノ基(NH2)を結成し、水に溶解し水酸基(OH-)を生成し、クラスターの微細な、弱アルカリ性の、還元電位の高い活性機能水を低コストで容易に生成し、提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定の圧力と温度に調整されることによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気による温風で、一定時間水を曝気処理することにより活性化された機能水とその生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水を活性機能水化させる方法として共鳴電磁波を放射する天然石やセラミックを筒体に充填した中を、通水させる方法(例えば、特許文献1)や電磁場の中を、通水させる方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
【0003】
上記方法で生成されたクラスターの微細化された活性機能水は、界面活性能力の大きいことを活用して洗浄用に使用され、浸透能力の大きいことを活用して農業用水として使用され、還元側電位の大きい酸化防止効果を活用して健康飲料水として使用されている。
【特許文献1】特開2007−289910号 公報
【特許文献2】特開2006−136810号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の天然石やセラミックの放射する共鳴電磁波や電磁場のエネルギーで活性化された機能水は、機能効果の内容や持続性に問題があった。また活性機能水の生成装置も高価なものが多く汎用性に問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、規定の圧力と温度に調整されることによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気で水を一定時間曝気することにより、小型で簡単な装置で低コストの汎用性に優れた活性機能水とその生成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明者らは、自ら発明した暖房装置(特願2006−298315号参照)を用いて空気を圧縮することで発生させた熱風について、サーモグラフィ等により鋭意研究を重ねた結果、この熱風の発生条件を適宜変更することにより、テラヘルツ波様の共鳴電磁波を放射することを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、上記課題を解決するために本発明の活性機能水およびその生成方法では、空気の吐出圧力及び吐出温度を調節することにより、加熱圧縮空気から発生される5〜10THzの遠赤外線領域の共鳴電磁波で、空気中の窒素(N2)、水蒸気(H2O)の水素結合を切り離された熱風で水を曝気することにより、機能水を生成するようにしたものである。したがって、水をクラスターの微細化した弱アルカリ性で還元電位の大きい活性化された機能水が得られるという作用を有するものである。
【0008】
また本発明のテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する熱風による活性機能水の生成方法は、前記吐出圧力は30kPa以上150kPa以下の範囲に調節するとともに、前記吐出温度は40℃以上250℃以下の範囲に調節するようにしたものである。したがって、水を熱風で曝気するだけで簡単に大量の活性化された機能水を効率よく低コストで生成できる作用を有することとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の活性化された機能水の生成方法によれば、小型装置で持続性の高い活性機能水を低コストで効率良く生成できる。
【0010】
また本発明の活性化された機能水は、水分子の水素結合を分離し水分子の回転運動を励起するために、テラヘルツ波様の電磁波による共振エネルギーを活用しているので水のクラスターが微細化された、弱アルカリ性で還元電位の大きい、溶存酸素を多く含んだ活性機能水効果が持続または増幅される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明にかかる活性化された機能水の生成方法のフローチャートを示し、図2は水を活性機能化するための曝気用の加熱圧縮空気調整装置の内部の円板を示す平面図である。
【0012】
この加熱圧縮空気調整装置2は、図1に示すように、公知の送風ブロア1から空気を取り込み、この空気の吐出圧力及び吐出温度を調節することで、空気中の水分子の固有振動数と共振するテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させ、空気中の水分子の水素結合を分離させ、水素原子から電子を放出させ、窒素の最外殻に電子を供給し、窒素をイオン化する。
すなわち、加熱圧縮空気調整装置2は、金属製の円筒体からなる容器と、容器の内部であって、長さ方向中央部に設けられた金属製の円板(吐出圧力及び吐出温度の調節手段)3と、容器の外部に設けられ、円板3により容器の内部に形成された二つの空間を連結させる配管とを備えている。
【0013】
加熱圧縮空気調整装置2をなす円筒体は、その長さ方向一端部に送風ブロア1から空気が送り込まれる入口が設けられ、その長さ方向他端部に加熱圧縮空気調整装置2の外部に加熱圧縮空気を放出する出口が設けられている。そして、入口と送風ブロア1との間は配管10で接続されているとともに、出口には、加熱圧縮空気調整装置2の外部に加熱圧縮空気を放出させるための配管が接続されている。
【0014】
ここで、各配管には、それぞれ調節バルブ5,6が設けられており、空気の流入量や加熱圧縮空気の放出量が調節できるように構成されている。7は活性機能水生成タンクで 原水供給管8から原水9が供給されるようになっている。11は活性機能水生成タンク7の内部に設けられた曝気用ヘッダーパイプを示す。また、加熱圧縮空気調整装置2の内部には、金属製の線状部材が巻きつけられてなるサイレンサー(防音手段)4が充填されている。
【0015】
円板3は、図2に示すように、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔3Aを有し、その貫通孔3Aの貫通方向と空気の流出方向とが同一となるように、加熱圧縮空気調整装置2内部の長さ方向中央部に立てて配置されている。なお、円板3に形成する貫通孔3Aの個数や孔径は、加熱圧縮空気調整装置2の寸法や、空気の吐出圧力及び吐出温度の調節範囲に応じて、適宜変更可能である。
そして、この円板3の貫通孔3Aを通過する空気の吐出圧力及び吐出温度を調節することで、加熱圧縮空気を発生させるように構成されている。
【0016】
配管10の一部には、加熱圧縮空気調整装置2の内部に形成された二つの空間に封入された空気の温度や圧力を調節し、円板3の貫通孔3Aを通過する空気の吐出圧力及び吐出温度を微調節するための調節バルブ(補助調節手段)5を備えている。
【0017】
次に、この加熱圧縮空気調整装置2を用いて、加熱圧縮空気を発生させる方法について説明する。
まず、送風ブロア1から、配管10及び入口を経て、加熱圧縮空気調整装置2の内部に空気を送り込む。
【0018】
次に、加熱圧縮空気調整装置2の内部に封入された空気を、所定の吐出圧力(例えば、30kPa以上150kPa以下)及び吐出温度(40℃以上250℃以下)に調節しつつ、円板3の貫通孔3Aを通過させることで、加熱圧縮空気を発生させる。つまり、円板3の貫通孔3Aを通過した後の空気には温風加熱加工用の空気が存在する。これは加熱圧縮された高圧空気が円板3の貫通孔3Aを通過した際にジェット気流となって急激に拡散するため、空気中の水分子の固有振動数と共振すると推測される共鳴電磁波が発生し、空気中の水分子を共振させて水素結合を分離させ、水素原子から放出された電子を窒素の外郭に取り込んでマイナスイオン化されるものと考えられる。そして、加熱圧縮空気調整装置2の出口から配管10を経て、適宜温風加工用過熱圧縮空気を放出させる。
【0019】
本実施形態に係わる活性機能水及びその生成方法は、以下のように作用する。
【0020】
本発明に係わる加熱圧縮空気調整装置2から放出される熱風が放射するテラヘルツ波様の共鳴電磁波で、空気中や水中の水分子の水素結合を分離し、水分子の回転運動を励起する。
【0021】
そして水素結合から分離した水素から放出される電子を窒素の外殻に取り込むことで活性窒素となり、アミン(NH2)またはアンモニア(NH3)を結合する。
【0022】
この熱風で、1立方メーターの水に対して、0.5立方メーター/分〜2立方メーター/分の空気量で、30分〜3時間程度、微細空気状態で曝気することにより、水の水素結合も前述と同様に切り離され水のクラスターが微細化し、小さくなった隙にナノバブル化された酸素と水素が安定して溶存される。この事は、この空気で曝気された水の溶存酸素が長期間に渡り通常水の1.5〜2倍の数値を示すことで証明されている。
【0023】
また前述の活性窒素から結合されたNH2またはNH3が水溶し、水素ガスと水酸基OH−を発生し、水素はナノバブル化し水に溶解し、水のpHが上昇し、酸化還元電位が低くなる。この事は、この空気で曝気された水のpHが長期間に渡り通常水より1〜2.5上昇することと酸化還元電位が還元側電位となることで証明されている。
【0024】
さらに本発明のクラスターが微細化され、界面活性力の大きい、弱アルカリ性で、還元電位の大きい、溶存酸素を多く含んだ活性機能水は、その効果が長期間持続または増幅されることが生成された活性機能水を長時間屋外に放置した状態で、効果の目安であるpHや還元電位や溶存酸素量が生成直後と同等か数値が増えていることで証明されている。
【実施例】
【0025】
本発明の実施態様では、下記の5要素が単独または組み合わされて効果を発揮することが証明されている。
(1)活性機能水やその生成用の加熱圧縮空気中の水分子や電子が遠赤外線領域テラヘル ツ帯(5〜10HTz)の振動数に共鳴・共振している。(TH効果)
(2)活性機能水やその生成用の加熱圧縮空気中の窒素が活性化されている。(N ̄効果)
(3)水素結合が分離されたクラスターが小さく、界面活性能力の大きな水となっている 。 (H+効果)
(4) 弱アルカリ性の水。(pH効果)
(5) ナノバブル化された溶存酸素の多い水。(DO効果)
【0026】
上記要素が組み合わされて、下記のようにいろいろな効果が確認されている。
(1)本活性機能水を使用した水耕栽培では、肥料の量を50%以上少なくしても、収穫量 はむしろ多くなり、品質も向上した。(N ̄,H+,DO効果)
(2)本活性機能水を水槽にいれてメダカを飼育したら成長が非常に早く、水質も長期間 保持されることが確認された。(N ̄,H+,DO効果)
(3)本活性機能水を注水することで、池や浄化槽や風呂等の即効的な水質浄化作用が確 認できた。たとえば3500m3の貯水容量の池に160Lの本活性機能水を注ぐことで、12時間 以内に、ヘドロが浮上し始め微生物の活動が活性化されたことを確認した。(N ̄ ,H+,DO効果)
(4)本活性機能水に浸けることにより、切り花の鮮度を保持することができた。また茎 から根が出てくることも確認でき植物を活性化することが確認された。(TH,N ̄ ,DO効果)
(5)熱交換機に付着したスケールが、本活性機能水を通すことにより除去されることが 確認出来た。ボイラー用水や冷却用水のスケール除去にも効果があることが確認できた 。(H+,pH効果)
(6)本活性機能水で、植物、動物、鉱物油分を安定してエマルジョン化でき、安定した 燃焼の可能なエマルジョン燃料化することが確認できた。(H+,pH,DO効果)
(7)本活性機能水を、油性ペイントの溶剤として使用できた。(H+,pH効果)
(8)本活性機能水を散水するだけで、工場床の油汚れが剥離され除去できした。(H+ ,pH効果)
(9)本活性機能水で車を洗浄すると汚れが容易に落ち、光沢が出た(ワックスが不要) 。
また入れ歯、貴金属の洗浄に使用すると汚れと臭いが落ち、光沢が出た。(H+,p H
効果)
(10)ニンニクやグレープフルーツを本活性機能水につけると臭いや味が変わることが 確認された。(TH,N ̄効果)
(11)本活性機能水を化粧水として使用すると高い保湿性が確認された。また本活性機 能水を風呂用水として使用した場合、温泉効果が確認できた。(TH,N−効 果)
(12)本活性機能水でアルツハイマーの症状が軽減されたと報告された。
(TH,N−効果)
(13)切り傷の傷口に本活性機能水を塗布することにより早く傷が治った。
(TH,N−効果)
(14)本活性機能水を毎日飲用することによりダイエット効果が現われた。(TH,p H,H+効果)
(15)本活性機能水で炊飯すると、外はしっかり、中はふんわり炊け、冷えても蒸れ臭 さがないことが確認された。(N−,H+,pH効果)
(16)本活性機能水で煮炊き調理をすると、調理時間が短縮され、旨みが凝縮されるこ とが確認された。(N−,H+,pH効果)
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の活性化された機能水は、前述の5つの要素を組み合わせて得られる効果により、医療・健康美容分野、農水蓄産業分野、環境保全分野、工業分野、食品加工分野等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の活性機能水の生成方法のフローチャート
【図2】円板の平面図
【符号の説明】
【0029】
1 送風ブロア
2 加熱圧縮空気調整装置
3 円板(空気の吐出圧力及び吐出温度の調節手段)
4 金属製網
5 調節バルブ
6 調節バルブ
7 活性機能水生成タンク
8 原水供給管
9 原水
10 配管
11 曝気用ヘッダーパイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気で、一定時間水を曝気することにより生成される活性化した機能水。
【請求項2】
規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気で、一定時間水を曝気することにより活性化した機能水の生成方法。
【請求項3】
前記規定圧力は、30kPa以上150kPa以下の範囲に調節するとともに、前記温度は、40℃以上250℃以下の範囲に調節することを特徴とする請求項2に記載の機能水の生成方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−99601(P2010−99601A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274071(P2008−274071)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(506195376)株式会社鈴矢電機サービス (12)
【Fターム(参考)】