説明

欠陥修正装置

【課題】 基板の欠陥検出ユニットを備えることによって、正確かつ短時間で欠陥の修正を行うことが可能な欠陥修正装置を提供する。
【解決手段】 基板1の欠陥を修正する欠陥修正機構を備えた欠陥修正装置Aにおいて、基板1を支持するステージ部2と、ステージ部2に支持された基板1の画像を撮像する画像読取手段6d及び画像読取手段6dで撮像された画像を処理して欠陥を検出する画像処理手段13とからなる欠陥検出ユニット6と、欠陥検出ユニット6により検出された欠陥の位置座標に移動し、同一のステージ部2上で、基板1の欠陥を修正する欠陥修正ユニット7とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばFPD基板などの欠陥を修正する欠陥修正装置に関し、特に修正すべき欠陥の検出機構を備えた欠陥修正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば液晶ディスプレイ等に使用されるFPD(Flat Panel Display)基板(以下、基板という)は、基板表面に照明光を照射し、その反射光や透過光を検査者が目視観察し、異常な反射光または透過光を検知することによって基板表面に塗布されたレジストの膜むらやITO(Indium Tin Oxide)膜上のピンホールなどの欠陥、塵埃付着の有無など(以下、欠陥という)が検査されている。この種の検査で用いられる欠陥検査装置では、検知された欠陥に対し、例えばその種類や大きさ、基板表面上の位置座標などが欠陥情報として取得される。
【0003】
欠陥検査装置などによって欠陥情報の取得が行われた基板は、例えば搬送ロボットを用いて欠陥修正装置に搬送され、欠陥の修正が施されている。一般に、欠陥修正装置には、搬入された基板を載置して一方向(X方向)に移動可能とされたステージ部や、基板の上方に配されステージ部の移動方向と直交する方向(Y方向)に移動可能とされ、欠陥位置に例えばYAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザーを照射し欠陥を除去するレーザー照射機構などの欠陥修正機構が備えられている。また、欠陥修正機構には、欠陥位置の穴埋めを行う例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を塗布する樹脂塗布機構や、塗布した樹脂を硬化させるための例えば紫外線、可視線、赤外線などの光を照射する樹脂硬化機構などを備えたものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この種の欠陥修正装置では、基板がステージ部上に搬送された段階で、まず、基板の位置決めが行われる。これは、前段の欠陥検査装置で取得された欠陥情報、特に欠陥の位置座標をもとに、基板表面の修正すべき欠陥位置を特定するために行うものである。基板の位置決めが完了した段階で、欠陥の位置座標をもとに、ステージ部と例えばレーザー照射機構の欠陥修正機構が移動され、レーザー照射機構が欠陥位置の直上に配置される。これにより、レーザーが欠陥位置に照射可能とされ、欠陥を除去して修正が施される。また、樹脂塗布機構や樹脂硬化機構といった他の欠陥修正機構を備えた場合においても、欠陥情報の位置座標をもとに欠陥位置を特定し、それぞれの処理が施されている。
【特許文献1】特開2002−71939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の欠陥修正装置では、欠陥検査装置に代表される前段の欠陥検査装置で検査を終えた後に、搬送ロボットなどを用いて欠陥修正装置に基板を搬送しなければならず、検査から修正までに時間を要するという問題があった。
【0006】
また、装置間で基板の搬送を要することにより、欠陥修正装置で改めて基板の位置決めを行わなければならないという問題があった。このとき、位置座標に装置間の誤差が生じる場合もあり、この場合には、装置間の位置座標の補正を行わなければならず、補正を行った場合においても、欠陥修正機構の位置合わせを行った時に、欠陥位置からずれる場合があるという問題があった。また、このように位置座標のずれが生じた場合に、前段の欠陥検査装置で検出された欠陥が欠陥修正機構の視野から外れ認識できなくなる場合があるという問題があった。
【0007】
さらに、近年、例えば液晶ディスプレイ装置などの大型化に伴い、これに使用されるマザーガラス基板も大型化してきている。これに伴い、基板の欠陥を検出する欠陥検査装置や、これを修正する欠陥修正装置も大型化している。このため、両装置が個別に設けられている場合には、占有スペースが大きくなるという問題があった。また、両装置が個別に設けられていることで、基板を搬送する搬送ロボットなどが必要となり、さらに占有スペースが大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑み、基板の欠陥検出機構を備えることによって、省スペース化を図ることが可能で、正確かつ短時間で欠陥の修正を行うことができる欠陥修正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0010】
本発明は、基板の欠陥を修正する欠陥修正機構を備えた欠陥修正装置において、前記基板を支持するステージ部と、該ステージ部に支持された前記基板の画像を撮像する画像読取手段及び該画像読取手段で撮像された前記画像を処理して前記欠陥を検出する画像処理手段とからなる欠陥検出ユニットと、該欠陥検出ユニットにより検出された前記欠陥の位置座標に移動し、同一の前記ステージ部上で、前記基板の前記欠陥を修正する欠陥修正ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の欠陥修正装置によれば、欠陥検出ユニットと欠陥修正ユニットとを1つの装置に備えていることによって、欠陥検出ユニットで欠陥の種類や大きさ、位置座標などの欠陥情報を取得することができ、この欠陥の位置座標をもとに、欠陥修正機構を移動することで、同一ステージ部上で欠陥の修正を行うことができる。
【0012】
これにより、従来の欠陥検査装置と欠陥修正装置とが個別に設けられているものと比較し、基板の検査及び修正を行う装置の占有スペースを大幅に削減することができる。また、同一ステージ部に保持された基板に対して欠陥修正ユニットで修正を行うことができるため、修正を行う際に改めて基板の位置決めや位置座標の補正を行う必要がなく、確実に欠陥位置を特定して修正することができる。よって、検査から修正に要する時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る欠陥修正装置Aについて説明する。
【0014】
本発明の一実施形態は、例えば液晶ディスプレイ等に使用されるFPD基板(以下、基板という)の欠陥の修正を行う欠陥修正装置Aに関するものである。この欠陥修正装置Aは、図1に示すように、基板1が載置されてこれを保持する略矩形状のステージ部2と、このステージ部2をX方向へ移動可能に支持する基台3と、ステージ部2と基台3とを内方に納める装置本体部4と、装置本体部4に支持された2つの支柱部材5aと両支柱部材5aの上端に固定されつつ連架された水平梁部材5bとからなる門型支持部5と、門型支持部5の水平梁部材5bにその上面5cから一方の側面5d側に垂下状態で支持された欠陥検出ユニット6と、同水平梁部材5bの上面5cから他方の側面5e側に垂下状態で支持された欠陥修正ユニット7とから構成されている。
【0015】
ステージ部2は、基台3の上面3aに当接される下面2aの両側端部2bに突出部2cが設けられており、この突出部2cと下面2aとで画成される凹状の部分が基台3の上面3aと側面3bで画成される凸状の部分に合わされている。また、ステージ部2には図示せぬ駆動手段が備えられ、基台3に係合された状態で、ステージ部2が基台3に沿ってX方向に移動可能とされている。
【0016】
門型支持部5は、2つの支柱部材5aがステージ部2の移動方向Xに沿う装置本体部4の上面4aに、水平梁部材5bがステージ部2の上方に位置するように取り付けられており、このとき、水平梁部材5bは、その軸線O1がステージ部2の移動方向Xに直交するものとされている。また、水平梁部材5bは、内部が中空とされているとともに、上面5cに軸線O1方向と平行する2条の開口部5fが形成されている。内部には、後述する第1支持ブロック6aと第2支持ブロック7aを水平梁部材5bに沿ってY方向に移動させる駆動手段として、図示せぬ例えば軸線がステージ部2の移動方向Xと直交するボールネジと、このボールネジの一端に連結されたモータと、リニアスケールとが2組設けられ、各ボールネジに第1支持ブロック6aと第2支持ブロック7aとがそれぞれ接続されている。これにより、第1支持ブロック6aおよび第2支持ブロック7aがステージ部2の移動方向Xに直交する方向(Y方向)で移動可能とされるとともに、リニアスケールによってその位置が特定可能とされている。なお、門型支持部5は、ステージ部2の移動方向Xと直交するY方向にステージ部2を跨ぐように装置本体部4に架橋され、欠陥検出機構6および欠陥修正機構7をY方向に移動するYステージ部を構成する。
【0017】
欠陥検出ユニット6は、L字状の第1支持ブロック6aと、第1支持ブロック6aの先端に接続されて支持された照明支持部材6bと、第1支持ブロック6aに設けられた例えばラインCCDカメラなどの第1画像読取部(画像読取手段)6dと、照明支持部材6bの先端に設けられた、例えばライン状の照明光を照射するライン照明光源などの第1光源6eとから構成されている。第1支持ブロック6aは、前述の水平梁部材5bの開口部5fを介して適宜手段でボールネジに接続されており、水平梁部材5bの上面5cから一方の側面5d側に垂下されるように支持されている。照明支持部材6bは第1支持ブロック6aの垂下側の先端と接続されており、第1支持ブロック6aを基準に、水平梁部材5bに直交し水平梁部材5bとは反対の方向に延設されている。第1光源6eは照明支持部材6bの延設方向の先端側に設けられており、第1画像読取部6dは、第1支持ブロック6aに設けられている。また、第1光源6eと第1画像読取部6dとは、第1光源6eから基板1表面1aに向けて所定の入射角度でライン状の照明光を照射し、基板1表面1aからの光を所定の反射角度で第1画像読取部6dにより撮像可能な相対位置とされている。第1光源6eと第1画像読取部6dは、基板1表面1aに対して入射角度と反射角度を調整できるように少なくとも一方を回動できる回動機構を備えることが好ましい。この入射角度と反射角度を調整することにより、基板1表面1aからの干渉光、回折光または散乱光を第1画像読取部6dで撮像することが可能となる。
【0018】
この構成において、欠陥検出ユニット6は、基板1表面1aに光を照射しつつステージ部2の移動方向X(基板1の移動方向X)と直交するY方向に移動可能とされ、下方に位置する基板1表面1aをスキャンしながら画像を取得することが可能とされる。なお、欠陥検出ユニット6は、ステージ部2の移動方向Xに対して直交するY方向に第1画像読取部6dを撮像領域の幅ピッチ分ずつ移動させ、且つステージ部2をX方向に移動させることで、基板1全面の画像取得が可能となる。本実施形態では、基板1の幅寸法に対して1/nの撮像領域を撮像するようにしたが、欠陥検出ユニット6をn個並べて配置し、ステージ部2をX方向に移動させて基板1の全面を撮像するようにしてもよい。
【0019】
欠陥修正ユニット7は、L字状の第2支持ブロック7aと、レーザー光により基板1上の欠陥を修正するレーザー発振器を備えたレーザーヘッド7bと、レーザーヘッド7bに並設して取り付けられた例えばCCDカメラなどの第2画像読取部7c及び第2光源7dを備えた修正用顕微鏡ユニット7eとから構成されている。レーザーヘッド7bは、修正用顕微鏡ユニット7eの対物レンズ7fを含む光学系の一部を共用している。第2支持ブロック7aは、前述の欠陥検出ユニット6の第1支持ブロック6aが接続されたボールネジとは異なる他方のボールネジに接続され、水平梁部材5bの上面5cから他方の側面5e側に垂下されるように支持されている。レーザーヘッド7bは、レーザー発振器から出射されたレーザー光を欠陥の大きさに応じて光束形状を成形するスリット手段を介して修正用顕微鏡ユニット7eの対物レンズ7fに導かれる。修正用顕微鏡ユニット7eは、図2に示すように第2光源7dの出射光路上に配置されたビームスプリッタ7gと、第2画像読取部7cの光路上に配置されたビームスプリッタ7hとを備えている。この構成において、欠陥修正ユニット7は、ステージ部2の移動方向Xに対して直交する方向Yに移動可能とされ、修正用顕微鏡ユニット7eにより特定された基板1表面1aの欠陥位置にレーザー光を照射可能とされている。
【0020】
また、欠陥修正装置Aには、図2に示すように、ステージ部2や欠陥検出ユニット6、欠陥修正ユニット7の動作を制御するための例えばコンピュータなどの主制御部10が設けられている。ステージ部2は、ステージ部駆動制御部11を介して主制御部10に接続されている。欠陥検出ユニット6は、第1光源6eが第1光源制御部12を介して主制御部10に接続され、第1画像読取部6dは、第1画像処理手段(画像処理手段)13を介して主制御部10に接続されている。また、欠陥検出ユニット6には、基板1の移動方向Xに直交する方向Yの移動を制御する欠陥検出ユニット駆動制御部14を介して、門型支持部5の水平梁部材5bの内部に納められた図示せぬボールネジを駆動させる一方の駆動手段とリニアスケールとが主制御部10に接続されている。他方、欠陥修正ユニット7は、第2光源7dが第2光源制御部15、第2画像読取部7cが第2画像処理手段16、レーザーヘッド7bがレーザー制御部17にそれぞれ接続され、これらを介して主制御部10に接続されている。さらに、欠陥修正ユニット7の基板1の移動方向Xに直交する方向Yの移動を制御する欠陥修正ユニット駆動制御部18を介して、門型支持部5の他方の駆動手段とリニアスケールとが主制御部10に接続されている。
【0021】
ついで、図1から図3を参照し、上記の構成からなる欠陥修正装置Aを用いて基板1表面1aの欠陥を検出し、修正を行う方法について説明する。
【0022】
はじめに、図示せぬ搬送ロボットなどによって基板1がステージ部2上に搬送されるとともに、アライメント機構により基準位置に位置決めされて載置される。ついで、主制御部10に動作指令が入力された段階で、ステージ部駆動制御部11および欠陥検出ユニット駆動制御部14に指令が出される。これにより、ステージ部2がX方向に移動されるとともに、欠陥検出ユニット6がY方向の第1のスキャン位置に移動され、第1画像読取部(画像読取手段)6dの撮像位置および第1光源6eの光の照射位置が基板1の先端1bに合わされる。この検査開始位置に合わされた段階で、主制御部10から第1光源制御部12に動作指令が出され、欠陥検出ユニット6の第1光源6eから基板1表面1aに向けてライン状の照明光が照射される。照明光の照射開始とともに、表面1aからの反射光を第1画像読取部6dが受光し基板1の表面1a画像の撮像を開始する。また、主制御部10から欠陥検出ユニット駆動制御部14に動作指令が出され、ステージ部2が一定速度でX方向に移動を開始する。この動作が、基板1の後端1cの画像が取得されるまで継続される。基板1の後端1cが欠陥検出ユニット6の撮像領域(照明領域)に達するとステージ部2の移動が停止される。この状態で欠陥検出ユニット駆動制御部14により欠陥検出ユニット6がX方向に撮像領域の幅寸法だけ移動制御され、第2のスキャン位置に設定される。欠陥検出ユニット6が第2のスキャン位置に設定されると、ステージ部駆動制御部11によりステージ部2が反対方向に移動される。このような動作を繰り返し行なうことにより、基板1全面の画像取得が行われる。
【0023】
第1画像読取部6dにより取得された基板1の画像は、第1画像処理手段(画像処理手段)13に送られ、基板1表面1aの欠陥が検出され、その欠陥の種類や大きさなどが特定される。この第1画像処理手段13で処理された画像及び基板1の欠陥情報(欠陥の種類や大きさなど)は、主制御部10の記憶部に記憶される。また、主制御部10には、検査時にステージ部2の駆動手段や門型支持部5の水平梁部材5bに備えられたリニアスケールから信号が送られており、この信号と第1画像処理手段13から送られ記憶された基板1の画像及び欠陥情報とをもとに、第1画像処理手段13で検出された各欠陥の位置座標の算出が行われ、欠陥情報に欠陥の位置座標データ(欠陥の位置座標)が記憶される。
【0024】
基板1に対する欠陥検査が終了すると、記憶された欠陥の位置座標をもとに、主制御部10からステージ部駆動制御部11および欠陥修正ユニット駆動制御部18に、ステージ部2および欠陥修正ユニット7の動作指令が出され、修正用顕微鏡ユニット7eの対物レンズ7fの光軸に基板1の第1番目の欠陥が配置される。この段階で、主制御部10から第2光源制御部15と第2画像処理手段16に指令が出されて、第2光源7dから光を出射して、対物レンズ7fを介して基板1上を照明するとともに、例えば図3に示すような欠陥が検出された画像20が第2画像読取部7cによって撮像される。この画像20は、第2画像処理手段16に送られ、例えば図4に示すような予め記憶してある参照画像(良品画像)21とのパターンマッチング処理が行われ、図3に示すような、基板1表面1aに形成されたパターン1dの取得画像20と参照画像21とが比較されて、欠陥22aと欠陥22bが抽出される。抽出された欠陥がパターン1dに悪影響を及ぼし除去する必要のあるものと判断された場合には、その欠陥22aが修正用顕微鏡ユニット7eの視野中心に合わされ、レーザーヘッド7bのレーザー照射領域がスリット手段を制御して欠陥22aに合わされる。この状態で、主制御部10からレーザー制御部17に指令が出され、レーザー制御部17から動作指令を受けたレーザーヘッド7bは、レーザー光を出射する。このレーザー光は、スリット手段と修正用顕微鏡ユニット7eの対物レンズ7fを通して欠陥22aに照射され、欠陥22aが除去される。このような操作が修正必要と判定された全ての欠陥に対して繰り返し行われ、基板1全面の欠陥が除去される。
【0025】
したがって、上記の欠陥修正装置Aによれば、1つの欠陥修正装置Aに欠陥検出ユニット6と欠陥修正ユニット7とを備えることによって、欠陥検出ユニット6で基板1の欠陥を検出するとともに、検出された欠陥の欠陥情報を取得することができ、この欠陥情報をもとに、基板1を同一ステージ部2上に載置したままで欠陥修正ユニット7側に移動して修正を行うことができる。
【0026】
よって、上記の欠陥修正装置Aによれば、欠陥検出ユニット6で取得された欠陥の位置座標を欠陥修正時に補正することなく、確実に欠陥位置を特定することができる。また、従来のように欠陥検査された基板1を欠陥修正装置に搬送する搬送ロボットが不要になり、且つ改めて基板1の位置決めを行う必要がないため、検査及び修正に要する時間を短縮することができる。さらに、欠陥の検出と修正を同一装置A内で行えることによって、従来、装置間で基板1を搬送するために用いていた搬送ロボットを必要とせず、また、装置を1つにすることで、欠陥検出及び修正に要する占有スペースを大幅に低減させることが可能となる。
【0027】
なお、本発明は、上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、欠陥検出ユニット6と欠陥修正ユニット7とを支持する門型支持部5をX方向に移動可能とし、ステージ部2が固定されて基板1全面の画像取得と欠陥修正を行えるものとされてもよい。この場合には、ステージ部2および基板1が定位置とされるため、欠陥修正装置AのX方向の長さを基板1の長さよりも若干長いものとすればよく、欠陥修正装置Aを小型化することができ、これに要する占有スペースをさらに削減することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態では、欠陥検出ユニット6の第1光源6eと第1画像読取部(画像読取装置)6dと、欠陥修正ユニット7のレーザーヘッド7bと第2光源7dと第2画像読取部7cとをそれぞれ1つずつ備える構成としたが、例えば門型支持部5の水平梁部材5bに複数の欠陥検出ユニット6を設けて、1枚の基板1に対して各欠陥検出ユニット6で同時に欠陥の検出が行える構成とされてもよい。この場合には、基板1全面に対する欠陥検出を1回で行なうことができるため、欠陥検査に要する時間を短縮することが可能となる。
【0029】
さらに、本実施形態で示した欠陥修正ユニット7には、欠陥修正手段としてレーザーヘッド7bが備えられる構成としたが、これに限定される必要はなく、例えば欠陥の穴埋めを行う装置などレーザー発振器以外の欠陥修正機構が搭載されてもよいものであり、また、複数種の欠陥修正機構が搭載されてもよいものである。また、本実施形態では、欠陥検出ユニット6と欠陥修正ユニット7とが同一門型支持部5の水平梁部材5bに取り付けられているものとしたが、欠陥検出ユニット6と欠陥修正ユニット7とが個別の門型支持部5に支持されていてもよい。さらに、例えば2000mmを超える大型のFPD用基板をステージ部2に固定し、この基板の半分の領域に対して欠陥検出と欠陥修正が行えるように、門型支持部5を一対で設け、各門型支持部5に欠陥検査ユニット6と欠陥修正ユニット7を設け、各門型支持部5を独立させて駆動制御できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る欠陥修正装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る欠陥修正装置を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る欠陥修正装置で修正される欠陥を有する基板画像の一例として示した図である。
【図4】図3の基板画像から欠陥を抽出するために使用される参照画像の一例として示した図である。
【符号の説明】
【0031】
1 基板
1a 基板表面
2 ステージ部
5 門型支持部
6 欠陥検出ユニット
6b 第1画像読取部(画像読取手段)
6e 第1光源
7 欠陥修正ユニット
7b レーザーヘッド
7c 第2画像読取部
7d 第2光源
10 主制御部
11 ステージ部駆動制御部
12 第1光源制御部
13 第1画像処理手段(画像処理手段)
14 欠陥検出ユニット駆動制御部
15 第2光源制御部
16 第2画像処理手段
17 レーザー制御部
18 欠陥修正ユニット駆動制御部
A 欠陥修正装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の欠陥を修正する欠陥修正機構を備えた欠陥修正装置において、
前記基板を支持するステージ部と、該ステージ部に支持された前記基板の画像を撮像する画像読取手段及び該画像読取手段で撮像された前記画像を処理して前記欠陥を検出する画像処理手段とからなる欠陥検出ユニットと、該欠陥検出ユニットにより検出された前記欠陥の位置座標に移動し、同一の前記ステージ部上で、前記基板の前記欠陥を修正する欠陥修正ユニットとを備えたことを特徴とする欠陥修正装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−285130(P2006−285130A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108496(P2005−108496)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】