説明

欠陥検査方法

【課題】画像処理による擬似的な解像度の向上を実現し、検査対象であるワークに存在する欠陥を高精度に検出可能な欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】ワークWにおける欠陥の有無を画像処理によって検査する欠陥検査工程S1であって、基準位置にてワークWを撮像し、基準画像を作成するステップS11と、基準位置からX方向、Y方向、又はXY方向に1/N(Nは2以上の整数)画素ずつずれた位置にてそれぞれワークWを撮像し、基準画像に対して画素をずらした複数のシフト画像を作成するステップS12と、基準画像、及び複数のシフト画像の各画素の位置に応じて、基準画像の各画素の間に、複数のシフト画像の各画素を補完するように配置して、基準画像のN倍の解像度を有する判定画像を作成するステップS13と、判定画像に基づいて、ワークWにおける欠陥の有無を判定するステップS14と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理による欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常に緻密な回路等が集積したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子の製造等において、CCDカメラ等の所定の撮像装置を用いて検査対象であるワークを撮像し、当該撮像画像に基づいてワークの欠陥(付着した異物等)を検出する検査が行われている。
【0003】
このような画像処理による検査においては、高精度にワークの欠陥を検出するため、様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ワークの所定位置における明るさのバラツキ等の統計情報を生成し、当該統計情報と検出されたワークの画像信号とを比較することでワークの欠陥を検出する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、統計情報を用いて画像処理を行うため、比較的良好な精度でワークの欠陥を検出することができるが、撮像装置のレンズ解像度の制約を必ず受けることとなる。
例えば、図12に示すように、2×2の4画素の画像を考えたときに、検出対象である異物がすべての画素を跨いで存在する場合には、各画素において色情報が平均化されるため、実際は略1画素分の大きさである異物が4画素分の大きさと判定される。そのため、このような各画素において色情報が平均化された画像信号を用いて統計処理を行ったとしても、高精度にワークの欠陥を検出することが困難であり、このような問題を解消するためには、撮像装置の対物レンズの切り替え等を行って撮像装置の解像度を高くする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3660763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像処理による擬似的な解像度の向上を実現し、検査対象であるワークに存在する欠陥を高精度に検出可能な欠陥検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の欠陥検査方法は、検査対象における欠陥の有無を画像処理によって検査する欠陥検査方法であって、基準位置にて前記検査対象を撮像し、基準画像を作成するステップと、前記基準位置からX方向、Y方向、又はXY方向に1/N(Nは2以上の整数)画素ずつずれた位置にてそれぞれ前記検査対象を撮像し、基準画像に対して画素をずらした複数のシフト画像を作成するステップと、前記基準画像、及び前記複数のシフト画像の各画素の位置に応じて、前記基準画像の各画素の間に、前記複数のシフト画像の各画素を補完するように配置して、前記基準画像のN倍の解像度を有する判定画像を作成するステップと、前記判定画像に基づいて、前記検査対象における欠陥の有無を判定するステップと、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検査対象であるワークに存在する欠陥を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る欠陥検査方法に用いられる検査装置を示す図。
【図2】本発明に係る欠陥検査方法を示すフローチャート。
【図3】(a)は、基準位置における撮像範囲を示す図であり、(b)は、基準画像を示す図。
【図4】(a)は、基準位置からX方向にずれた位置における撮像範囲を示す図であり、(b)は、第一シフト画像を示す図。
【図5】(a)は、基準位置からY方向にずれた位置における撮像範囲を示す図であり、(b)は、第二シフト画像を示す図。
【図6】(a)は、基準位置からXY方向にずれた位置における撮像範囲を示す図であり、(b)は、第三シフト画像を示す図。
【図7】(a)は、基準画像の各画素と第一シフト画像の各画素との位置関係を示す図であり、(b)は、基準画像の各画素と第一シフト画像の各画素とを並び替えて作成した画像を示す図。
【図8】(a)は、基準画像の各画素と第二シフト画像の各画素との位置関係を示す図であり、(b)は、基準画像の各画素と第二シフト画像の各画素とを並び替えて作成した画像を示す図。
【図9】(a)は、基準画像の各画素と第三シフト画像の各画素との位置関係を示す図であり、(b)は、基準画像の各画素と第三シフト画像の各画素とを並び替えて作成した画像を示す図。
【図10】判定画像を示す図。
【図11】判定画像に対して二値化処理を施した画像を示す図。
【図12】従来の欠陥検査方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、図1を参照して、本発明に係る欠陥検査方法に用いられる検査装置1について説明する。
検査装置1は、検査対象であるワークWの欠陥の有無を検査する装置である。
ワークWは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子が形成されたシリコンウェハである。
【0011】
図1に示すように、検査装置1は、ステージ2と、撮像装置3と、制御装置4とを具備する。
なお、以下の説明において、図1における矢印Xの指す方向に沿った方向を『X方向』とし、矢印Yの指す方向に沿った方向を『Y方向』と規定する。X方向及びY方向は、水平面において互いに直交する。
また、X方向とY方向とを組合わせた方向を『XY方向』と記す。
【0012】
ステージ2は、ワークWを設置するための部材であり、X方向又はY方向に移動可能となっている。
【0013】
撮像装置3は、ワークWを撮像するCCDカメラ等の装置であり、所定の位置に固定されている。
【0014】
制御装置4は、ステージ2、及び撮像装置3を制御する装置である。
詳細には、制御装置4は、ステージ2と電気的に接続され、ステージ2をX方向又はY方向に移動させて所望の位置に保持させることが可能となっている。更に、制御装置4は、撮像装置3と電気的に接続され、撮像装置3によって撮像されたワークWの画像を取得し、当該画像に基づいてワークWに存在する欠陥を検出する。
【0015】
以下では、図2〜図11を参照して、本発明に係る欠陥検査方法の一実施形態である欠陥検査工程S1について説明する。
欠陥検査工程S1は、検査装置1を用いてワークWの欠陥の有無を検査する工程である。
【0016】
図2に示すように、欠陥検査工程S1においては、第一に、ワークWの所定の位置における撮像画像である基準画像が取得される(ステップS11)。
【0017】
詳細には、制御装置4は、ワークWが所定の初期位置(以下、「基準位置」と記す)に配置されるように、ワークWの設置されたステージ2を移動させた後、基準位置において撮像装置3によるワークWの撮像を行い、当該撮像画像(基準画像)を撮像装置3から取得する。
なお、以下の説明においては、取得した撮像装置3による撮像画像が、2×2画素の4画素からなる画像であるとして説明を行う。また、図3における4つの正方形は、それぞれ撮像装置3による撮像画像の画素を示している。
図3(a)に示すように、取得した撮像画像(基準画像)において、ワークWには略1画素分の大きさの異物が存在し、当該異物は、基準位置においてすべての画素を跨ぐように撮像範囲の中央に位置しているものとする。
そのため、図3(b)に示すように、基準画像においては、すべての画素がワークWに存在する異物の一部を含むこととなり、異物の一部の色情報とワークWにおける異物が存在しない部分の色情報とが平均化されてすべての画素に表示される。
【0018】
図2に示すように、欠陥検査工程S1においては、第二に、基準位置からX方向、Y方向、又はXY方向に1/N(Nは2以上の整数)画素ずつずれた位置におけるワークWの撮像画像であって、基準画像に対して画素をずらした複数のシフト画像が取得される(ステップS12)。
【0019】
詳細には、まず、図4(a)に示すように、制御装置4は、基準位置からX方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置においてワークWが撮像されるように、ワークWの設置されたステージ2を移動させた後、当該位置において撮像装置3によるワークWの撮像を行い、当該撮像画像(第一シフト画像)を撮像装置3から取得する。
なお、ワークWが設置されたステージ2の1/N(本実施形態では、N=2)画素分の移動は、ワークWの所定箇所に1/N(本実施形態では、N=2)画素ピッチのターゲットポイントを予め設定しておくことで実現される。この時、基準画像における対象画素の色情報と第一シフト画像における対象画素の色情報との間に所定の差異があれば、1/N(本実施形態では、N=2)画素分のずれが確保できていると判断し、差異がなければ第一シフト画像の再作成(ステージ2の再移動、及び撮像装置3によるワークWの再撮像)を行う。
図4(b)に示すように、第一シフト画像においては、左側の2画素がワークWに存在する異物の一部を含むこととなり、異物の一部の色情報とワークWにおける異物が存在しない部分の色情報とが平均化されて左側の2画素に表示される。
なお、図4において、実線は、基準位置における撮像範囲を示し、破線は、基準位置からX方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像範囲を示している。
【0020】
次に、図5(a)に示すように、制御装置4は、基準位置からY方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置においてワークWが撮像されるように、ワークWの設置されたステージ2を移動させた後、当該位置において撮像装置3によるワークWの撮像を行い、当該撮像画像(第二シフト画像)を撮像装置3から取得する。
図5(b)に示すように、第二シフト画像においては、下側の2画素がワークWに存在する異物の一部を含むこととなり、異物の一部の色情報とワークWにおける異物が存在しない部分の色情報とが平均化されて下側の2画素に表示される。
【0021】
最後に、図6(a)に示すように、制御装置4は、基準位置からX方向、及びY方向にそれぞれ1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置(「XY方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置」と同義とする)においてワークWが撮像されるように、ワークWの設置されたステージ2を移動させた後、当該位置において撮像装置3によるワークWの撮像を行い、当該撮像画像(第三シフト画像)を撮像装置3から取得する。
図6(b)に示すように、第三シフト画像においては、左下の1画素がワークWに存在する異物全体を含むこととなり、異物全体の色情報とワークWにおける異物が存在しない部分の色情報とが平均化されて左下の1画素のみに表示される。第三シフト画像における左下の1画素においては、異物全体が含まれており、ワークWにおける異物が存在しない部分の比率が第一シフト画像及び第二シフト画像における異物の一部が含まれる2画素と比較して少ないため、より異物に近い色情報を有している。こうした理由から、第三シフト画像における異物全体が含まれる1画素は、第一シフト画像及び第二シフト画像における異物の一部が含まれる2画素と比較して濃く図示している。
【0022】
図2に示すように、欠陥検査工程S1においては、第三に、基準画像及び複数のシフト画像に基づいて、ワークWにおける欠陥の有無の判定に用いられ、基準画像のN倍の解像度を有する判定画像が作成される(ステップS13)。
【0023】
詳細には、制御装置4は、撮像装置3から取得した基準画像、第一シフト画像、第二シフト画像、及び第三シフト画像の各画素の位置に応じて、基準画像の各画素の間に、第一シフト画像、第二シフト画像、及び第三シフト画像の各画素を補完するように配置して、基準画像のN倍の解像度を有する判定画像を作成する。
【0024】
ここで、制御装置4による判定画像の作成について詳細に説明する。
まず、基準位置における撮像画像である基準画像と、基準位置からX方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像画像である第一シフト画像とを用いて説明する。
【0025】
図7(a)に示すように、基準画像の各画素と第一シフト画像の各画素との位置関係は、基準画像における左側の2画素と、基準画像における右側の2画素との間に、第一シフト画像における左側の2画素が位置し、基準画像における右側の2画素の右に第一シフト画像における右側の2画素が位置するものとなっている。
つまり、左側から順に、基準画像における左側の2画素、第一シフト画像における左側の2画素、基準画像における右側の2画素、第一シフト画像における右側の2画素が配置されている。
そして、この順番で基準画像の各画素と第一シフト画像の各画素とが隣接するように並び替えることで、図7(b)に示すような画像が作成できる。
【0026】
次に、基準位置における撮像画像である基準画像と、基準位置からY方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像画像である第二シフト画像とを用いて説明する。
【0027】
図8(a)に示すように、基準画像の各画素と第二シフト画像の各画素との位置関係は、基準画像における下側の2画素と、基準画像における上側の2画素との間に、第二シフト画像における下側の2画素が位置し、基準画像における上側の2画素の上に第二シフト画像における上側の2画素が位置するものとなっている。
つまり、下側から順に、基準画像における下側の2画素、第二シフト画像における下側の2画素、基準画像における上側の2画素、第二シフト画像における上側の2画素が配置されている。
そして、この順番で基準画像の各画素と第二シフト画像の各画素とが隣接するように並び替えることで、図8(b)に示すような画像が作成できる。
【0028】
最後に、基準位置における撮像画像である基準画像と、基準位置からXY方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像画像である第三シフト画像とを用いて説明する。
【0029】
図9(a)に示すように、基準画像の各画素と第三シフト画像の各画素との位置関係は、第三シフト画像における左下の1画素が基準画像におけるすべての画素の間に位置し、第三シフト画像における右下の1画素が基準画像における右側の2画素の間、かつ基準画像における右側の2画素の右に位置し、第三シフト画像における左上の1画素が基準画像における上側の2画素の間、かつ基準画像における上側の2画素の上に位置し、第三シフト画像における右上の1画素が基準画像における右側の2画素の右、かつ基準画像における上側の2画素の上に位置するものとなっている。
そして、この位置関係で基準画像の各画素と第三シフト画像の各画素とが隣接するように並び替えることで、図9(b)に示すような画像が作成できる。
【0030】
これらの手順に基づき、制御装置4は、基準画像、第一シフト画像、第二シフト画像、及び第三シフト画像の各画素を互いの位置関係に応じて並べ替えることで、図10に示すような判定画像を作成する。つまり、制御装置4は、撮像装置3から取得した基準画像、第一シフト画像、第二シフト画像、及び第三シフト画像の各画素の位置に応じて、基準画像の各画素の間に、第一シフト画像、第二シフト画像、及び第三シフト画像の各画素を補完するように配置して判定画像を作成する。
具体的には、判定画像においては、基準画像における左下の画素と右下の画素との間に第一シフト画像における左下の画素が配置され、基準画像における右下の画素の右側に第一シフト画像における右下の画素が配置され、基準画像における左下の画素と左上の画素との間に第二シフト画像における左下の画素が配置され、基準画像における右下の画素と右上の画素との間に第二シフト画像における右下の画素が配置され、第二シフト画像における左下の画素と右下の画素との間に第三シフト画像の左下の画素が配置され、第二シフト画像における右下の画素の右側に第三シフト画像の右下の画素が配置され、基準画像における左上の画素と右上の画素との間に第一シフト画像における左上の画素が配置され、基準画像における右上の画素の右側に第一シフト画像における右上の画素が配置され、基準画像における左上の画素の上側に第二シフト画像における左上の画素が配置され、基準画像における右上の画素の上側に第二シフト画像における右上の画素が配置され、第二シフト画像における左上の画素と右上の画素との間に第三シフト画像の左上の画素が配置され、第二シフト画像における右上の画素の右側に第三シフト画像の右上の画素が配置されている。
【0031】
判定画像は、4×4画素となり、2×2画素である基準画像の4倍の解像度となっている。つまり、判定画像は、基準位置における撮像画像である基準画像と、基準位置からX方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像画像である第一シフト画像と、基準位置からY方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像画像である第二シフト画像と、基準位置からXY方向に1/N(本実施形態では、N=2)画素分ずれた位置における撮像画像である第三シフト画像との組合わせによって作成されているため、基準画像のN倍(本実施形態では、4倍)の解像度となっている。
【0032】
図2に示すように、欠陥検査工程S1においては、第四に、判定画像に基づいて、ワークWにおける欠陥の有無が判定される(ステップS14)。
【0033】
詳細には、図11に示すように、制御装置4は、判定画像に対して、所定の閾値を境界として二値化処理を施し、ワークWに存在する異物が所定の比率以上含まれている画素(図11における黒塗り部分参照)を抽出する。本実施形態においては、異物が所定の比率以上含まれている画素を黒とし、異物が所定の比率以上含まれていない画素を白としている。
そして、制御装置4は、ワークWに存在する異物が所定の比率以上含まれている画素の数(本実施形態においては、1画素)を取得することで、異物の大きさを特定し、当該異物の大きさが所定の大きさ以上の場合に、ワークWに欠陥が存在するものとして当該ワークWを不良と判定する。
なお、判定画像に対する二値化処理の閾値は、ワークWに存在する異物等の欠陥が正確に検出されるように、実験結果等に基づいて予め設定される。本実施形態においては、異物全体を含む画素のみが抽出されるように、判定画像に対する二値化処理の閾値が設定されている。
また、ワークWの良否判定における異物等の欠陥の大きさの閾値も適宜設定されるものとする。
【0034】
以上のように、基準位置における撮像画像である基準画像と、基準位置からX方向にずれた位置における撮像画像である第一シフト画像と、基準位置からY方向にずれた位置における撮像画像である第二シフト画像と、基準位置からXY方向にずれた位置における撮像画像である第三シフト画像とに基づいて、判定画像を作成し、当該判定画像を用いてワークWに存在する異物を検出する。
これにより、基準画像のみを用いた従来の検査方法と比較して、より正確にワークWに存在する異物の大きさを特定することができる。したがって、撮像装置3の対物レンズの切り替え等を行うことなく、擬似的に撮像装置3の解像度を向上させてワークWに存在する欠陥を高精度に検出することができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、N=2として、複数のシフト画像を作成する際のステージ2の移動距離を1/2画素としたが、N=2以外の場合においても同様に、基準位置からX方向、Y方向、又はXY方向に1/N画素ずつずれた位置において複数のシフト画像を作成し、基準画像の各画素の間に、シフト画像の各画素を補完するように配置して、基準画像のN倍の解像度である判定画像を作成すればよい。逆に言えば、基準画像のN倍の解像度である判定画像を作成するために、補完すべき画素を把握し、その位置に応じた複数のシフト画像を作成すればよい。
【0036】
また、本実施形態においては、シフト画像を取得する際に、固定された撮像装置2に対して、ワークWの設置されたステージ2を移動させているが、固定されたステージ2に対して、撮像装置2を移動させる等、所謂、画素ずらしの方法は問わない。
【符号の説明】
【0037】
1 検査装置
2 ステージ
3 撮像装置
4 制御装置
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象における欠陥の有無を画像処理によって検査する欠陥検査方法であって、
基準位置にて前記検査対象を撮像し、基準画像を作成するステップと、
前記基準位置からX方向、Y方向、又はXY方向に1/N(Nは2以上の整数)画素ずつずれた位置にてそれぞれ前記検査対象を撮像し、基準画像に対して画素をずらした複数のシフト画像を作成するステップと、
前記基準画像、及び前記複数のシフト画像の各画素の位置に応じて、前記基準画像の各画素の間に、前記複数のシフト画像の各画素を補完するように配置して、前記基準画像のN倍の解像度を有する判定画像を作成するステップと、
前記判定画像に基づいて、前記検査対象における欠陥の有無を判定するステップと、を具備する欠陥検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−68112(P2012−68112A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212687(P2010−212687)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】