止水シート及び止水構造体
【課題】 スムーズな水流が確保できると共に上流端部が捲れ上がったりしない止水シートを提供する。
【解決手段】 止水シート17は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流22から止水するためにコンクリートブロック20の内面に取付られる。止水シート17を構成するシート本体18の上流側の端部は、その内面側の面をコンクリートブロック20側の面に向かって傾斜するように形成されている。これによって止水シート17の端部19における水流22に対する抵抗が低減する。その結果水流22が停止した際にあっても、端部19周りに水やゴミ等が滞留することが防止される。
【解決手段】 止水シート17は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流22から止水するためにコンクリートブロック20の内面に取付られる。止水シート17を構成するシート本体18の上流側の端部は、その内面側の面をコンクリートブロック20側の面に向かって傾斜するように形成されている。これによって止水シート17の端部19における水流22に対する抵抗が低減する。その結果水流22が停止した際にあっても、端部19周りに水やゴミ等が滞留することが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は止水シート及び止水構造体に関し、特に水路等のコンクリート製構造物の目地部を止水する止水シート及び止水構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は特許文献1に開示されているコンクリート構造物の目地止水継手についての概略構造を示した図である。
【0003】
図を参照して、コンクリートブロック20a,コンクリートブロック20bが目地部35を介して、隣接状態に設置されている。これらの内面には目地部35を跨ぐようにして止水シート17が配置され、その両端部は押え板40a,押え板40bを介してボルト41a,ボルト41bによって取付られている。止水シート17はその中央部が折り畳まれて折り畳み部37が形成されている。これによって地震等によって目地部35の間隔が広がったような場合には、折り畳み部37の折り畳み状態が解除されて止水シート17による目地部35に対する止水性能が維持される。
【0004】
【特許文献1】特開平9‐144148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図13は図12で示した止水シートの問題点を説明するための概略断面図である。
【0006】
図を参照して、止水シート17の端部19はコンクリートブロック20aに対して、切り立った状態に設置されている。そのため矢印方向に水流22が生じると、水流22が停止した状態にあっては、端部19に水61が残ることになる。この水61の残存に伴ない水流22に交じったゴミ等も残ることになるため水路として好ましいものではない。
【0007】
図14は図12で示した止水シートの構造に対して、更に他の問題点を説明するための概略断面図である。
【0008】
図を参照して、水流22の勢いが強くなると、止水シート17自体は可撓性を有するものであるため、その端部19が捲れ上がることになる。端部19が捲れ上がると隙間63が形成されるため、この隙間63に水流22に交じって流れてきたゴミ等が侵入することになり、やはり好ましいものではない。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、スムーズな水流が確保できると共に、上流端部が捲れ上がったりしない止水シート及び止水構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、シート本体の上流側の端部が、その内面側の面をコンクリートブロック側の面に向かって傾斜するように形成されたことを特徴とするものである。
【0011】
このように構成すると、止水シートの上流側端部における水流に対する抵抗が低減する。
【0012】
請求項2記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、上流側の端部が、先端に向うにつれてその厚さが増加するように形成されたことを特徴とするものである。
【0013】
このように構成すると、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加する。
【0014】
請求項3記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートであって、シート本体と、シート本体の上流側の端部に接続され、シート本体より大きな曲げ剛性を有する剛性体とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加する。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、剛性体は先端に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック側の面に向かって減少する形状を有するものである。
【0017】
このように構成すると、止水シートの上流側端部は水流に対する抵抗が低減する。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、先端部のコンクリートブロック側の位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、シート本体の端部のコンクリートブロック側の面は、後方部と重なり合い、その合計厚さがシート本体の他の部分の厚さに一致するように切り欠かれたものである。
【0019】
このように構成すると、剛性体のコンクリートブロックから離れる方向への移動がシート本体により阻止される。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、先端部のコンクリートブロック側の位置に接続され、断面が後方に向うにつれてその厚さがコンクリートブロックの面に向かって減少する直角三角形形状を有する後方部とからなり、シート本体の端部のコンクリートブロック側の面は、後方部と重なり合い、その合計厚さがシート本体の他の部分の厚さと一致するように切り欠かれたものである。
【0021】
このように構成すると、剛性体のコンクリートブロックから離れる方向への移動がシート本体により阻止されると共に、シート本体と剛性体との密着状態がより高まる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、先端部のコンクリートブロック側から最も離れた位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、先端部のコンクリートブロック側の面を含む平面と、後方部のコンクリートブロック側の面を含む平面との垂直距離がシート本体の厚さに一致するものである。
【0023】
このように構成すると、剛性体はシート本体の端部を覆うように取付られる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体とコンクリートブロックの面との間に取付られ、剛性体と合わせた形状の断面は、シート本体の厚さを一辺とした直角三角形形状を有する弾性体を更に備えたものである。
【0025】
このように構成すると、コンクリートブロックの表面形状に応じて弾性体は変形する。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8の何れかに記載の止水シートを用いた止水構造体において、シート体には折り畳み部が形成され、折り畳み部を覆うカバーシートを備えたことを特徴とするものである。
【0027】
このように構成すると、シート本体の折り畳み部の段差がカバーシートにより覆われる。
【0028】
請求項10記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、シート本体とシート本体の上流側に接続された端部とからなる止水シートと、シート本体の上流側の端部に配置され、シート本体をコンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、端部はその内面側の面がコンクリートブロック側の面に向かって傾斜すると共に、その一辺がシート本体の厚さと押え板の厚さとの合計厚さに一致する直角三角形形状の断面を有するものである。
【0029】
このように構成すると、押え板も含め止水構造体の上流側端部における水流に対する抵抗が低減する。
【0030】
請求項11記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、シート本体からなる止水シートと、シート本体の上流側の端部に配置され、シート本体より曲げ剛性の大きな剛性板と、剛性板の上面に配置され、シート本体と剛性板とをコンクリートブロックに押圧して固定する押え板とを備え、剛性板はシート本体と押え板との間に位置する水平部と、水平部の上流側に接続され、その先端がコンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなるものである。
【0031】
このように構成すると、シート本体の上流側端部は剛性板の傾斜部によって囲われる。
【0032】
請求項12記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、シート本体からなる止水シートと、シート本体の上流側の端部に配置され、シート本体をコンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、押え板は端部の上面に位置する水平部と、水平部の上流側に接続され、その先端がコンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなるものである。
【0033】
このように構成すると、シート本体の上流側端部は押え板の傾斜部によって囲われる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、止水シートの上流側端部における水流に対する抵抗が低減するため、水流は端部に浴ってスムーズに流れ、水流停止時に端部に水等が溜まることが防止される。
【0035】
請求項2記載の発明は、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加するため、水流によって端部が捲れ上がる虞が軽減される。
【0036】
請求項3記載の発明は、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加するため、水流によって端部が捲れあがる虞が軽減される。又、止水シートの先端部が石等の衝突に対して保護される。
【0037】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、止水シートの上流側端部は水流に対する抵抗が低減するため、水流は端部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に端部に水等が溜まることが防止される。
【0038】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、剛性体のコンクリートブロックからの移動がシート本体によって阻止されるため、剛性体の取付状態が安定し、止水シートの信頼性が向上する。
【0039】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、剛性体の移動が阻止されると共にシート本体との密着状態が高まるため、剛性体の取付状態がより安定し、止水シートの信頼性がより向上する。
【0040】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、剛性体はシート本体の端部を覆うように取付られるため、シート本体の端部は加工する必要がなく、又石等の衝突から確実に保護されることになる。
【0041】
請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、コンクリート面の表面状態に応じて弾性体が変形するため、コンクリート面の表面状態に関わらずその間の隙間の発生が防止されるので、止水シートの信頼性が向上する。
【0042】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8の何れかに記載の発明の効果に加えて、シート本体の折り畳み部の段差がカバーシートにより覆われるため、段差に水等が溜まることが防止される。
【0043】
請求項10記載の発明は、止水構造体の上流側端部における水流に対する抵抗が低減するため、水流は端部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に端部に水等が溜まることが防止される。
【0044】
請求項11記載の発明は、シート本体の上流側端部は剛性板の傾斜部によって囲われるため、水流は傾斜部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に止水シートの端部に水等が溜まることが防止される。又、シート本体の端部は何ら加工する必要はない。
【0045】
請求項12記載の発明は、シート本体の上流側端部は押え板の傾斜部によって囲われるため、水流は傾斜部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に止水シートの端部に水等が溜まることが防止される。又、シート本体の端部は何ら加工する必要がなく、押え板の形状を変えるだけで良いため効率的な構造となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1はこの発明の第1の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0047】
図を参照して、コンクリートブロック20の内面には止水シート17が設置されている。止水シート17において、シート本体18の水流22に対する上流側の端部19は、その内面側の面がコンクリートブロック20の面に向かって傾斜するように形成されている。これによって、水流22はスムーズに端部19に沿って流れることになる。このようにして止水シート17の端部19における水流22に対する抵抗が低減する。この結果、水流22が停止した際には、止水シート17の端部19において水やゴミ等が溜まることが防止される。
【0048】
図2はこの発明の第2の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0049】
図を参照して、その(1)に示されているように、止水シート17を構成するその厚さがほぼ一定のシート本体18に対して、その上流側に先端に向うにつれてその厚さが増加するように形成された端部19が一体的に接続されている。端部19は少なくともその厚さがシート本体18より大きく形成されているため、同一構成材料ではあるため、端部19の曲げ剛性はシート本体18のそれに比べて大きくなる。そのため、その(2)に示されているように、端部19の端面24に対して水流22が加わった時、その曲げ剛性の大きさによって下端25が捲れ上がることが防止される。その結果、隙間が生じることによるゴミ等の溜まりから止水シート17は防止されることになる。
【0050】
図3はこの発明の第3の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【0051】
図を参照して、コンクリートブロック20の内面に配置される止水シート17は、シート本体18とシート本体18の上流側の端部19に接続された剛性体27とから構成されている。シート本体18は従来から用いられている通常の止水シートと何ら変わるものではない。一方、剛性体27は例えば金属材料により形成され、上流側に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック20側の面に向かって減少する直角三角形断面形状を有している。又、剛性体27はシート本体18より大きな曲げ剛性を有している。
【0052】
これによって水流は剛性体27に沿ってスムーズに流れ、水流が停止時に剛性体27の周りに水、ゴミ等が溜まることが防止される。又、剛性体27の曲げ剛性が大きいため、水流によってその先端が捲れ上がる虞が軽減される。又、シート本体18の端部19の端面は剛性体27によって覆われることになるため、シート本体18の先端部が石等の衝突に対して保護されることになる。
【0053】
図4はこの発明の第4の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0054】
図を参照して、シート本体18の上流側に剛性体27が設置されている点は先の第3の実施の形態と同様であるが、剛性体27の形状が若干異なっている。即ち、剛性体27は断面が直角三角形形状の先端部29と、先端部29のコンクリートブロック20側の位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部30とから構成されている。
【0055】
シート本体18の端部19のコンクリートブロック20側の面は、後方部30と重なり合い、その合計厚さがシート本体18の他の部分の厚さに一致するように切り欠かれている。これによって先端部29はシート本体18の端部19の上流側端面を完全に覆うことが可能となる。又、剛性体27の後方部30は端部19によってコンクリートブロック20側に押圧された状態となる。そのため、水流によって、剛性体27がコンクリートブロック20から離れる方向に移動することが防止され、安定した取付状態が確保できる。
【0056】
このように構成することによって、先の第3の実施の形態と同様にスムーズな水流の確保され、水流停止時の水、ゴミ等の滞留が防止される。
【0057】
図5はこの発明の第5の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0058】
基本的な構造は先の第4の実施の形態によるものと同一であるが、剛性体27の後方部30の形状が若干異なっている。即ち、剛性体27の後方部30は先端部29のコンクリートブロック20側の位置に接続され、その断面が後方に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック20の面に向かって減少する直角三角形形状を有している。そして、シート本体18の端部19のコンクリートブロック20側の面は後方部30と重なり合い、その合計厚さがシート本体18の他の部分の厚さと一致するように切り欠かれている。これによってシート本体18と剛性体27の後方部30との密着状態がより高まり、剛性体27の取付状態がより安定する。これによって水流のスムーズな流れが確保されると共に、水流停止時において、剛性体27に水やゴミ等が滞留することが防止される。
【0059】
図6はこの発明の第6の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0060】
図を参照して、シート本体18より大きな曲げ剛性を有する剛性体27は、断面が直角三角形形状の先端部29と、先端部29に接続された後方部30とから構成されている。後方部30は先端部29のコンクリートブロック20側から最も離れた位置に接続され、その断面が矩形形状を有している。そして、先端部29のコンクリートブロック20側の面を含む平面と後方部30のコンクリートブロック20側の面を含む平面との垂直距離はシート本体18の厚さに一致するように設定されている。
【0061】
これによって、先端部29がコンクリートブロック20の内面に接した状態でシート本体18の端部19の上流側端面を完全に覆うことが可能となる。これによって、スムーズな水流が確保されると共に、水流の停止時に先端部29の周辺に水やゴミ等が滞留する虞がない。又、シート本体18の端部19の上流側端面は加工する必要はなく、又水流に交じって流れてくる石等の衝突から剛性体27によって端部19が確実に保護されるため、その耐久性が向上する。
【0062】
図7はこの発明の第7の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0063】
図を参照して、シート本体18の端部19の上流側端面にシート本体18より大きな曲げ剛性を有する剛性体27と、弾性変形自在な弾性体33とが取付られている。剛性体27と弾性体33とを合わせた形状の内面側の面はコンクリートブロック20側の面に向かって傾斜するように形成されている。そして、それらの断面形状はシート本体18の厚さを一辺とした直角三角形形状を有している。
【0064】
このように構成することによって、スムーズな水流が確保されると共に、水流停止時に剛性体27及び弾性体33の周囲に水やゴミ等が滞留する虞がない。又、コンクリートブロック20の内面側には弾性体33が配置されているため、コンクリートブロック20の表面状態に応じて弾性体33は自在に密着状態に変形することが可能となる。この結果、コンクリートブロック20の表面状態に関わらず弾性体33とコンクリートブロック20との間の隙間の発生が防止されるため、止水シート17の信頼性がより向上する。
【0065】
図8はこの発明の第8の実施の形態による止水構造体の取付状態を示した概略断面図であって、背景技術として示した図12の図に対応したものである。
【0066】
図を参照して、止水シート17の折り畳み部37を含むその内面側を全面的に覆うようにカバーシート38が取付られている。そして、カバーシート38の端部は、押え板40a,押え板40bを介してボルト41a,ボルト41bによって一体的にコンクリートブロック20a,コンクリートブロック20bに固定されている。
【0067】
カバーシート38がない状態にあっては、折り畳み部37の構造によって止水シート17には段部が生じることになる。この段部は止水シート17の上流側端部と同様に水流に対する抵抗となる。又、水流の停止時に段部に水やゴミ等が滞留することにもなる。ところが、カバーシート38によって止水シート17を全体的に覆うことによって、カバーシート38による段部が水流に対して露出しないことになる。その結果、スムーズな水流が確保されると共に、折り畳み部37の段部に水やゴミ等が滞留することが防止される。このようなカバーシート38の構造は、先の第1から第7の実施の形態による止水シートに対しても折り畳み部を有するものには同様に適用できるものである。
【0068】
図9はこの発明の第9の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【0069】
尚、この図にあっては、止水シート17の上流側部分を表している。図を参照して、止水シート17は、ほぼ一定厚さのシート本体18と、シート本体18の上流側に接続された端部19とから構成されている。そして、シート本体18の上流側の部分の上面に配置され、シート本体18をコンクリートブロック20aにボルト41aを介して固定する押え板40aが配置されている。止水シート17の端部19は、内面側の面がコンクリートブロック20a側の面に向かって傾斜すると共に、その一辺がシート本体18の厚さと押え板40aの厚さとの合計厚さに一致する直角三角形形状の断面を有している。
【0070】
これによって水流は押え板40aの上流側端面の影響も受けることなく、端部19に沿ってスムーズに確保される。その結果、止水シート17の上流側及び押え板40aの上流側においては水やゴミ等が滞留する虞がない。
【0071】
図10はこの発明の第10の実施の形態による止水構造体の概略構造を示した断面図である。
【0072】
図を参照して、止水シート17としては、シート本体18の上流側の端部19が何の加工もされていない通常のものが用いられている。シート本体18の上流側の上面にはシート本体18より曲げ剛性の大きな剛性板43が配置され、更に、剛性板43の上面には、ボルト41aを介してシート本体18と剛性板43とをコンクリートブロック20aに押圧して固定する押え板40aが配置されている。剛性板43は、シート本体18と押え板40aとの間に位置する水平部44と、水平部44の上流側に接続されその先端がコンクリートブロック20aの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部45とから構成されている。
【0073】
このように構成することよって、スムーズな水流が確保されると共に、シート本体18の上流側には水やゴミ等が滞留する虞がない。又、止水シート17の上流側端面は剛性板43によって覆われることになるため、水流に交じって流れてきた石等による損傷が防止される。
【0074】
図11はこの発明の第11の実施の形態による止水構造体の概略構造を示した断面図である。
【0075】
図を参照して、止水シート17自体はその端部19が何ら加工されていない通常のシート本体18が使用されている。シート本体18の上流側の上面にはシート本体18をボルト41aを介してコンクリートブロック20aに押圧して固定する押え板40aが配置されている。そして、押え板40aは止水シート17の端部19の上面に位置する水平部48と、水平部48の上流側に接続され、その先端がコンクリートブロック20aの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部49とから構成されている。
【0076】
これによって、スムーズな水流が確保されると共に、傾斜部49の周辺には水やゴミ等が滞留する虞はない。又、押え板40aは止水シート17の押圧固定を兼用しているため、効率的な構造となる。更に、止水シート17の上流側端面は押え板40aの傾斜部49によって囲われることになるため、水流に交じって流れてきた石等による止水シート17の損傷が防止される。
【0077】
尚、上記の第3の実施の形態では、剛性体を断面直角三角形形状としているが、シート本体と同一厚さの矩形断面形状であっても良い。この場合であっても、曲げ剛性の違いから水流による端部の捲れ上がりを防止することができる。
【0078】
又、上記の第2の実施の形態では、端部は先端に行くにつれてシート本体の内面側と外面側とに対称形状に広がっているが、対称形状でなくても良く、又一方の面側にのみ広がるように形成しても同様の効果を奏する。
【0079】
更に、上記の各実施の形態では、止水シートはコンクリートブロックの内面に密着状態に取り付けられているが、これらの間に隙間が存在しても同様に適用できる。この場合、シート本体の上流側の端部や剛性体をコンクリートブロックの内面に接するようにすればより効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】この発明の第1の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図4】この発明の第4の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図5】この発明の第5の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図6】この発明の第6の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図7】この発明の第7の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図8】この発明の第8の実施の形態による止水構造体の概略構造を示した断面図である。
【図9】この発明の第9の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図10】この発明の第10の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図11】この発明の第11の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図12】従来の止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図13】図12で示した止水構造体の問題点を説明するための概略断面図である。
【図14】図12で示した止水構造体の他の問題点を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
【0081】
17…止水シート
18…シート本体
19…端部
20…コンクリートブロック
22…水流
27…剛性体
29…先端部
30…後方部
33…弾性体
35…目地部
37…折り畳み部
38…カバーシート
43…剛性板
44,48…水平部
45,49…傾斜部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は止水シート及び止水構造体に関し、特に水路等のコンクリート製構造物の目地部を止水する止水シート及び止水構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は特許文献1に開示されているコンクリート構造物の目地止水継手についての概略構造を示した図である。
【0003】
図を参照して、コンクリートブロック20a,コンクリートブロック20bが目地部35を介して、隣接状態に設置されている。これらの内面には目地部35を跨ぐようにして止水シート17が配置され、その両端部は押え板40a,押え板40bを介してボルト41a,ボルト41bによって取付られている。止水シート17はその中央部が折り畳まれて折り畳み部37が形成されている。これによって地震等によって目地部35の間隔が広がったような場合には、折り畳み部37の折り畳み状態が解除されて止水シート17による目地部35に対する止水性能が維持される。
【0004】
【特許文献1】特開平9‐144148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図13は図12で示した止水シートの問題点を説明するための概略断面図である。
【0006】
図を参照して、止水シート17の端部19はコンクリートブロック20aに対して、切り立った状態に設置されている。そのため矢印方向に水流22が生じると、水流22が停止した状態にあっては、端部19に水61が残ることになる。この水61の残存に伴ない水流22に交じったゴミ等も残ることになるため水路として好ましいものではない。
【0007】
図14は図12で示した止水シートの構造に対して、更に他の問題点を説明するための概略断面図である。
【0008】
図を参照して、水流22の勢いが強くなると、止水シート17自体は可撓性を有するものであるため、その端部19が捲れ上がることになる。端部19が捲れ上がると隙間63が形成されるため、この隙間63に水流22に交じって流れてきたゴミ等が侵入することになり、やはり好ましいものではない。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、スムーズな水流が確保できると共に、上流端部が捲れ上がったりしない止水シート及び止水構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、シート本体の上流側の端部が、その内面側の面をコンクリートブロック側の面に向かって傾斜するように形成されたことを特徴とするものである。
【0011】
このように構成すると、止水シートの上流側端部における水流に対する抵抗が低減する。
【0012】
請求項2記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、上流側の端部が、先端に向うにつれてその厚さが増加するように形成されたことを特徴とするものである。
【0013】
このように構成すると、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加する。
【0014】
請求項3記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートであって、シート本体と、シート本体の上流側の端部に接続され、シート本体より大きな曲げ剛性を有する剛性体とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加する。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、剛性体は先端に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック側の面に向かって減少する形状を有するものである。
【0017】
このように構成すると、止水シートの上流側端部は水流に対する抵抗が低減する。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、先端部のコンクリートブロック側の位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、シート本体の端部のコンクリートブロック側の面は、後方部と重なり合い、その合計厚さがシート本体の他の部分の厚さに一致するように切り欠かれたものである。
【0019】
このように構成すると、剛性体のコンクリートブロックから離れる方向への移動がシート本体により阻止される。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、先端部のコンクリートブロック側の位置に接続され、断面が後方に向うにつれてその厚さがコンクリートブロックの面に向かって減少する直角三角形形状を有する後方部とからなり、シート本体の端部のコンクリートブロック側の面は、後方部と重なり合い、その合計厚さがシート本体の他の部分の厚さと一致するように切り欠かれたものである。
【0021】
このように構成すると、剛性体のコンクリートブロックから離れる方向への移動がシート本体により阻止されると共に、シート本体と剛性体との密着状態がより高まる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、先端部のコンクリートブロック側から最も離れた位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、先端部のコンクリートブロック側の面を含む平面と、後方部のコンクリートブロック側の面を含む平面との垂直距離がシート本体の厚さに一致するものである。
【0023】
このように構成すると、剛性体はシート本体の端部を覆うように取付られる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、剛性体とコンクリートブロックの面との間に取付られ、剛性体と合わせた形状の断面は、シート本体の厚さを一辺とした直角三角形形状を有する弾性体を更に備えたものである。
【0025】
このように構成すると、コンクリートブロックの表面形状に応じて弾性体は変形する。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8の何れかに記載の止水シートを用いた止水構造体において、シート体には折り畳み部が形成され、折り畳み部を覆うカバーシートを備えたことを特徴とするものである。
【0027】
このように構成すると、シート本体の折り畳み部の段差がカバーシートにより覆われる。
【0028】
請求項10記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、シート本体とシート本体の上流側に接続された端部とからなる止水シートと、シート本体の上流側の端部に配置され、シート本体をコンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、端部はその内面側の面がコンクリートブロック側の面に向かって傾斜すると共に、その一辺がシート本体の厚さと押え板の厚さとの合計厚さに一致する直角三角形形状の断面を有するものである。
【0029】
このように構成すると、押え板も含め止水構造体の上流側端部における水流に対する抵抗が低減する。
【0030】
請求項11記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、シート本体からなる止水シートと、シート本体の上流側の端部に配置され、シート本体より曲げ剛性の大きな剛性板と、剛性板の上面に配置され、シート本体と剛性板とをコンクリートブロックに押圧して固定する押え板とを備え、剛性板はシート本体と押え板との間に位置する水平部と、水平部の上流側に接続され、その先端がコンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなるものである。
【0031】
このように構成すると、シート本体の上流側端部は剛性板の傾斜部によって囲われる。
【0032】
請求項12記載の発明は、隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、シート本体からなる止水シートと、シート本体の上流側の端部に配置され、シート本体をコンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、押え板は端部の上面に位置する水平部と、水平部の上流側に接続され、その先端がコンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなるものである。
【0033】
このように構成すると、シート本体の上流側端部は押え板の傾斜部によって囲われる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、止水シートの上流側端部における水流に対する抵抗が低減するため、水流は端部に浴ってスムーズに流れ、水流停止時に端部に水等が溜まることが防止される。
【0035】
請求項2記載の発明は、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加するため、水流によって端部が捲れ上がる虞が軽減される。
【0036】
請求項3記載の発明は、止水シートの上流側端部の曲げ剛性が増加するため、水流によって端部が捲れあがる虞が軽減される。又、止水シートの先端部が石等の衝突に対して保護される。
【0037】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、止水シートの上流側端部は水流に対する抵抗が低減するため、水流は端部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に端部に水等が溜まることが防止される。
【0038】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、剛性体のコンクリートブロックからの移動がシート本体によって阻止されるため、剛性体の取付状態が安定し、止水シートの信頼性が向上する。
【0039】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、剛性体の移動が阻止されると共にシート本体との密着状態が高まるため、剛性体の取付状態がより安定し、止水シートの信頼性がより向上する。
【0040】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、剛性体はシート本体の端部を覆うように取付られるため、シート本体の端部は加工する必要がなく、又石等の衝突から確実に保護されることになる。
【0041】
請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、コンクリート面の表面状態に応じて弾性体が変形するため、コンクリート面の表面状態に関わらずその間の隙間の発生が防止されるので、止水シートの信頼性が向上する。
【0042】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8の何れかに記載の発明の効果に加えて、シート本体の折り畳み部の段差がカバーシートにより覆われるため、段差に水等が溜まることが防止される。
【0043】
請求項10記載の発明は、止水構造体の上流側端部における水流に対する抵抗が低減するため、水流は端部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に端部に水等が溜まることが防止される。
【0044】
請求項11記載の発明は、シート本体の上流側端部は剛性板の傾斜部によって囲われるため、水流は傾斜部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に止水シートの端部に水等が溜まることが防止される。又、シート本体の端部は何ら加工する必要はない。
【0045】
請求項12記載の発明は、シート本体の上流側端部は押え板の傾斜部によって囲われるため、水流は傾斜部に沿ってスムーズに流れ、水流停止時に止水シートの端部に水等が溜まることが防止される。又、シート本体の端部は何ら加工する必要がなく、押え板の形状を変えるだけで良いため効率的な構造となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1はこの発明の第1の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0047】
図を参照して、コンクリートブロック20の内面には止水シート17が設置されている。止水シート17において、シート本体18の水流22に対する上流側の端部19は、その内面側の面がコンクリートブロック20の面に向かって傾斜するように形成されている。これによって、水流22はスムーズに端部19に沿って流れることになる。このようにして止水シート17の端部19における水流22に対する抵抗が低減する。この結果、水流22が停止した際には、止水シート17の端部19において水やゴミ等が溜まることが防止される。
【0048】
図2はこの発明の第2の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0049】
図を参照して、その(1)に示されているように、止水シート17を構成するその厚さがほぼ一定のシート本体18に対して、その上流側に先端に向うにつれてその厚さが増加するように形成された端部19が一体的に接続されている。端部19は少なくともその厚さがシート本体18より大きく形成されているため、同一構成材料ではあるため、端部19の曲げ剛性はシート本体18のそれに比べて大きくなる。そのため、その(2)に示されているように、端部19の端面24に対して水流22が加わった時、その曲げ剛性の大きさによって下端25が捲れ上がることが防止される。その結果、隙間が生じることによるゴミ等の溜まりから止水シート17は防止されることになる。
【0050】
図3はこの発明の第3の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【0051】
図を参照して、コンクリートブロック20の内面に配置される止水シート17は、シート本体18とシート本体18の上流側の端部19に接続された剛性体27とから構成されている。シート本体18は従来から用いられている通常の止水シートと何ら変わるものではない。一方、剛性体27は例えば金属材料により形成され、上流側に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック20側の面に向かって減少する直角三角形断面形状を有している。又、剛性体27はシート本体18より大きな曲げ剛性を有している。
【0052】
これによって水流は剛性体27に沿ってスムーズに流れ、水流が停止時に剛性体27の周りに水、ゴミ等が溜まることが防止される。又、剛性体27の曲げ剛性が大きいため、水流によってその先端が捲れ上がる虞が軽減される。又、シート本体18の端部19の端面は剛性体27によって覆われることになるため、シート本体18の先端部が石等の衝突に対して保護されることになる。
【0053】
図4はこの発明の第4の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0054】
図を参照して、シート本体18の上流側に剛性体27が設置されている点は先の第3の実施の形態と同様であるが、剛性体27の形状が若干異なっている。即ち、剛性体27は断面が直角三角形形状の先端部29と、先端部29のコンクリートブロック20側の位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部30とから構成されている。
【0055】
シート本体18の端部19のコンクリートブロック20側の面は、後方部30と重なり合い、その合計厚さがシート本体18の他の部分の厚さに一致するように切り欠かれている。これによって先端部29はシート本体18の端部19の上流側端面を完全に覆うことが可能となる。又、剛性体27の後方部30は端部19によってコンクリートブロック20側に押圧された状態となる。そのため、水流によって、剛性体27がコンクリートブロック20から離れる方向に移動することが防止され、安定した取付状態が確保できる。
【0056】
このように構成することによって、先の第3の実施の形態と同様にスムーズな水流の確保され、水流停止時の水、ゴミ等の滞留が防止される。
【0057】
図5はこの発明の第5の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0058】
基本的な構造は先の第4の実施の形態によるものと同一であるが、剛性体27の後方部30の形状が若干異なっている。即ち、剛性体27の後方部30は先端部29のコンクリートブロック20側の位置に接続され、その断面が後方に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック20の面に向かって減少する直角三角形形状を有している。そして、シート本体18の端部19のコンクリートブロック20側の面は後方部30と重なり合い、その合計厚さがシート本体18の他の部分の厚さと一致するように切り欠かれている。これによってシート本体18と剛性体27の後方部30との密着状態がより高まり、剛性体27の取付状態がより安定する。これによって水流のスムーズな流れが確保されると共に、水流停止時において、剛性体27に水やゴミ等が滞留することが防止される。
【0059】
図6はこの発明の第6の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0060】
図を参照して、シート本体18より大きな曲げ剛性を有する剛性体27は、断面が直角三角形形状の先端部29と、先端部29に接続された後方部30とから構成されている。後方部30は先端部29のコンクリートブロック20側から最も離れた位置に接続され、その断面が矩形形状を有している。そして、先端部29のコンクリートブロック20側の面を含む平面と後方部30のコンクリートブロック20側の面を含む平面との垂直距離はシート本体18の厚さに一致するように設定されている。
【0061】
これによって、先端部29がコンクリートブロック20の内面に接した状態でシート本体18の端部19の上流側端面を完全に覆うことが可能となる。これによって、スムーズな水流が確保されると共に、水流の停止時に先端部29の周辺に水やゴミ等が滞留する虞がない。又、シート本体18の端部19の上流側端面は加工する必要はなく、又水流に交じって流れてくる石等の衝突から剛性体27によって端部19が確実に保護されるため、その耐久性が向上する。
【0062】
図7はこの発明の第7の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【0063】
図を参照して、シート本体18の端部19の上流側端面にシート本体18より大きな曲げ剛性を有する剛性体27と、弾性変形自在な弾性体33とが取付られている。剛性体27と弾性体33とを合わせた形状の内面側の面はコンクリートブロック20側の面に向かって傾斜するように形成されている。そして、それらの断面形状はシート本体18の厚さを一辺とした直角三角形形状を有している。
【0064】
このように構成することによって、スムーズな水流が確保されると共に、水流停止時に剛性体27及び弾性体33の周囲に水やゴミ等が滞留する虞がない。又、コンクリートブロック20の内面側には弾性体33が配置されているため、コンクリートブロック20の表面状態に応じて弾性体33は自在に密着状態に変形することが可能となる。この結果、コンクリートブロック20の表面状態に関わらず弾性体33とコンクリートブロック20との間の隙間の発生が防止されるため、止水シート17の信頼性がより向上する。
【0065】
図8はこの発明の第8の実施の形態による止水構造体の取付状態を示した概略断面図であって、背景技術として示した図12の図に対応したものである。
【0066】
図を参照して、止水シート17の折り畳み部37を含むその内面側を全面的に覆うようにカバーシート38が取付られている。そして、カバーシート38の端部は、押え板40a,押え板40bを介してボルト41a,ボルト41bによって一体的にコンクリートブロック20a,コンクリートブロック20bに固定されている。
【0067】
カバーシート38がない状態にあっては、折り畳み部37の構造によって止水シート17には段部が生じることになる。この段部は止水シート17の上流側端部と同様に水流に対する抵抗となる。又、水流の停止時に段部に水やゴミ等が滞留することにもなる。ところが、カバーシート38によって止水シート17を全体的に覆うことによって、カバーシート38による段部が水流に対して露出しないことになる。その結果、スムーズな水流が確保されると共に、折り畳み部37の段部に水やゴミ等が滞留することが防止される。このようなカバーシート38の構造は、先の第1から第7の実施の形態による止水シートに対しても折り畳み部を有するものには同様に適用できるものである。
【0068】
図9はこの発明の第9の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【0069】
尚、この図にあっては、止水シート17の上流側部分を表している。図を参照して、止水シート17は、ほぼ一定厚さのシート本体18と、シート本体18の上流側に接続された端部19とから構成されている。そして、シート本体18の上流側の部分の上面に配置され、シート本体18をコンクリートブロック20aにボルト41aを介して固定する押え板40aが配置されている。止水シート17の端部19は、内面側の面がコンクリートブロック20a側の面に向かって傾斜すると共に、その一辺がシート本体18の厚さと押え板40aの厚さとの合計厚さに一致する直角三角形形状の断面を有している。
【0070】
これによって水流は押え板40aの上流側端面の影響も受けることなく、端部19に沿ってスムーズに確保される。その結果、止水シート17の上流側及び押え板40aの上流側においては水やゴミ等が滞留する虞がない。
【0071】
図10はこの発明の第10の実施の形態による止水構造体の概略構造を示した断面図である。
【0072】
図を参照して、止水シート17としては、シート本体18の上流側の端部19が何の加工もされていない通常のものが用いられている。シート本体18の上流側の上面にはシート本体18より曲げ剛性の大きな剛性板43が配置され、更に、剛性板43の上面には、ボルト41aを介してシート本体18と剛性板43とをコンクリートブロック20aに押圧して固定する押え板40aが配置されている。剛性板43は、シート本体18と押え板40aとの間に位置する水平部44と、水平部44の上流側に接続されその先端がコンクリートブロック20aの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部45とから構成されている。
【0073】
このように構成することよって、スムーズな水流が確保されると共に、シート本体18の上流側には水やゴミ等が滞留する虞がない。又、止水シート17の上流側端面は剛性板43によって覆われることになるため、水流に交じって流れてきた石等による損傷が防止される。
【0074】
図11はこの発明の第11の実施の形態による止水構造体の概略構造を示した断面図である。
【0075】
図を参照して、止水シート17自体はその端部19が何ら加工されていない通常のシート本体18が使用されている。シート本体18の上流側の上面にはシート本体18をボルト41aを介してコンクリートブロック20aに押圧して固定する押え板40aが配置されている。そして、押え板40aは止水シート17の端部19の上面に位置する水平部48と、水平部48の上流側に接続され、その先端がコンクリートブロック20aの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部49とから構成されている。
【0076】
これによって、スムーズな水流が確保されると共に、傾斜部49の周辺には水やゴミ等が滞留する虞はない。又、押え板40aは止水シート17の押圧固定を兼用しているため、効率的な構造となる。更に、止水シート17の上流側端面は押え板40aの傾斜部49によって囲われることになるため、水流に交じって流れてきた石等による止水シート17の損傷が防止される。
【0077】
尚、上記の第3の実施の形態では、剛性体を断面直角三角形形状としているが、シート本体と同一厚さの矩形断面形状であっても良い。この場合であっても、曲げ剛性の違いから水流による端部の捲れ上がりを防止することができる。
【0078】
又、上記の第2の実施の形態では、端部は先端に行くにつれてシート本体の内面側と外面側とに対称形状に広がっているが、対称形状でなくても良く、又一方の面側にのみ広がるように形成しても同様の効果を奏する。
【0079】
更に、上記の各実施の形態では、止水シートはコンクリートブロックの内面に密着状態に取り付けられているが、これらの間に隙間が存在しても同様に適用できる。この場合、シート本体の上流側の端部や剛性体をコンクリートブロックの内面に接するようにすればより効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】この発明の第1の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態による止水シートの概略構造を示した断面図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図4】この発明の第4の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図5】この発明の第5の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図6】この発明の第6の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図7】この発明の第7の実施の形態による止水シートの概略形状を示した断面図である。
【図8】この発明の第8の実施の形態による止水構造体の概略構造を示した断面図である。
【図9】この発明の第9の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図10】この発明の第10の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図11】この発明の第11の実施の形態による止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図12】従来の止水構造体の概略形状を示した断面図である。
【図13】図12で示した止水構造体の問題点を説明するための概略断面図である。
【図14】図12で示した止水構造体の他の問題点を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
【0081】
17…止水シート
18…シート本体
19…端部
20…コンクリートブロック
22…水流
27…剛性体
29…先端部
30…後方部
33…弾性体
35…目地部
37…折り畳み部
38…カバーシート
43…剛性板
44,48…水平部
45,49…傾斜部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、
シート本体の上流側の端部が、その内面側の面を前記コンクリートブロック側の面に向かって傾斜するように形成されたことを特徴とする、止水シート。
【請求項2】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、
上流側の端部が、先端に向うにつれてその厚さが増加するように形成されたことを特徴とする、止水シート。
【請求項3】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートであって、
シート本体と、
前記シート本体の上流側の端部に接続され、前記シート本体より大きな曲げ剛性を有する剛性体とを備えた、止水シート。
【請求項4】
前記剛性体は、先端に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック側の面に向かって減少する形状を有する、請求項3記載の止水シート。
【請求項5】
前記剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、前記先端部の前記コンクリートブロック側の位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、
前記シート本体の前記端部の前記コンクリートブロック側の面は、前記後方部と重なり合い、その合計厚さが前記シート本体の他の部分の厚さに一致するように切り欠かれた、請求項4記載の止水シート。
【請求項6】
前記剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、前記先端部の前記コンクリートブロック側の位置に接続され、断面が後方に向うにつれてその厚さが前記コンクリートブロックの面に向かって減少する直角三角形形状を有する後方部とからなり、
前記シート本体の前記端部の前記コンクリートブロック側の面は、前記後方部と重なり合い、その合計厚さが前記シート本体の他の部分の厚さと一致するように切り欠かれた、請求項4記載の止水シート。
【請求項7】
前記剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、前記先端部の前記コンクリートブロック側から最も離れた位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、前記先端部の前記コンクリートブロック側の面を含む平面と前記後方部の前記コンクリートブロック側の面を含む平面との垂直距離が前記シート本体の厚さに一致する、請求項4記載の止水シート。
【請求項8】
前記剛性体と前記コンクリートブロックの面との間に取付られ、前記剛性体と合わせた形状の断面は、前記シート本体の厚さを一辺とした直角三角形形状を有する弾性体を更に備えた、請求項4記載の止水シート。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れかに記載の止水シートを用いた止水構造体において、
前記シート本体には、折り畳み部が形成され、前記折り畳み部を覆うカバーシートを備えたことを特徴とする、止水構造体。
【請求項10】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、
シート本体と前記シート本体の上流側に接続された端部とからなる止水シートと、
前記シート本体の上流側の端部に配置され、前記シート本体を前記コンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、
前記端部は、その内面側の面が前記コンクリートブロック側の面に向かって傾斜すると共に、その一辺が前記シート本体の厚さと前記押え板の厚さとの合計厚さに一致する直角三角形形状の断面を有する、止水構造体。
【請求項11】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、
シート本体からなる止水シートと、
前記シート本体の上流側の端部に配置され、前記シート本体より曲げ剛性の大きな剛性板と、
前記剛性板の上面に配置され、前記シート本体と前記剛性板とを前記コンクリートブロックに押圧して固定する押え板とを備え、
前記剛性板は、前記シート本体と前記押え板との間に位置する水平部と、前記水平部の上流側に接続され、その先端が前記コンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなる、止水構造体。
【請求項12】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、
シート本体からなる止水シートと、
前記シート本体の上流側の端部に配置され、前記シート本体を前記コンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、
前記押え板は、前記端部の上面に位置する水平部と前記水平部の上流側に接続され、その先端が前記コンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなる、止水構造体。
【請求項1】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、
シート本体の上流側の端部が、その内面側の面を前記コンクリートブロック側の面に向かって傾斜するように形成されたことを特徴とする、止水シート。
【請求項2】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートにおいて、
上流側の端部が、先端に向うにつれてその厚さが増加するように形成されたことを特徴とする、止水シート。
【請求項3】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水シートであって、
シート本体と、
前記シート本体の上流側の端部に接続され、前記シート本体より大きな曲げ剛性を有する剛性体とを備えた、止水シート。
【請求項4】
前記剛性体は、先端に向うにつれてその厚さがコンクリートブロック側の面に向かって減少する形状を有する、請求項3記載の止水シート。
【請求項5】
前記剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、前記先端部の前記コンクリートブロック側の位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、
前記シート本体の前記端部の前記コンクリートブロック側の面は、前記後方部と重なり合い、その合計厚さが前記シート本体の他の部分の厚さに一致するように切り欠かれた、請求項4記載の止水シート。
【請求項6】
前記剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、前記先端部の前記コンクリートブロック側の位置に接続され、断面が後方に向うにつれてその厚さが前記コンクリートブロックの面に向かって減少する直角三角形形状を有する後方部とからなり、
前記シート本体の前記端部の前記コンクリートブロック側の面は、前記後方部と重なり合い、その合計厚さが前記シート本体の他の部分の厚さと一致するように切り欠かれた、請求項4記載の止水シート。
【請求項7】
前記剛性体は、断面が直角三角形形状の先端部と、前記先端部の前記コンクリートブロック側から最も離れた位置に接続され、断面が矩形形状を有する後方部とからなり、前記先端部の前記コンクリートブロック側の面を含む平面と前記後方部の前記コンクリートブロック側の面を含む平面との垂直距離が前記シート本体の厚さに一致する、請求項4記載の止水シート。
【請求項8】
前記剛性体と前記コンクリートブロックの面との間に取付られ、前記剛性体と合わせた形状の断面は、前記シート本体の厚さを一辺とした直角三角形形状を有する弾性体を更に備えた、請求項4記載の止水シート。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れかに記載の止水シートを用いた止水構造体において、
前記シート本体には、折り畳み部が形成され、前記折り畳み部を覆うカバーシートを備えたことを特徴とする、止水構造体。
【請求項10】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、
シート本体と前記シート本体の上流側に接続された端部とからなる止水シートと、
前記シート本体の上流側の端部に配置され、前記シート本体を前記コンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、
前記端部は、その内面側の面が前記コンクリートブロック側の面に向かって傾斜すると共に、その一辺が前記シート本体の厚さと前記押え板の厚さとの合計厚さに一致する直角三角形形状の断面を有する、止水構造体。
【請求項11】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、
シート本体からなる止水シートと、
前記シート本体の上流側の端部に配置され、前記シート本体より曲げ剛性の大きな剛性板と、
前記剛性板の上面に配置され、前記シート本体と前記剛性板とを前記コンクリートブロックに押圧して固定する押え板とを備え、
前記剛性板は、前記シート本体と前記押え板との間に位置する水平部と、前記水平部の上流側に接続され、その先端が前記コンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなる、止水構造体。
【請求項12】
隣接するコンクリートブロックの目地部を水流から止水するために用いられる止水構造体であって、
シート本体からなる止水シートと、
前記シート本体の上流側の端部に配置され、前記シート本体を前記コンクリートブロックに押圧して固定する押え板とからなり、
前記押え板は、前記端部の上面に位置する水平部と前記水平部の上流側に接続され、その先端が前記コンクリートブロックの面に傾斜した状態で当接するように屈曲した傾斜部とからなる、止水構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−9410(P2007−9410A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187644(P2005−187644)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000106955)シバタ工業株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000106955)シバタ工業株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
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