説明

止水装置及び止水装置の施工方法

【課題】連通溝の形状に応じて容易に施工できる止水装置を得る。
【解決手段】建築物の壁2の両側を連通して形成され、線状体1を敷設した連通溝4に連通溝4の底から少なくとも線状体1を超える高さに間隔を開けて経時的に硬化する粘土状材料で形成された一対の堰部材8,10を設ける。一対の堰部材8,10の間に経時的に硬化する液状の止水剤を注入・硬化させて連通溝4と線状体1とに密着させた止水部材11を形成する。連通溝4の両側壁4b,4cに保持部材12,14を取り付け、両側壁4b,4cの保持部材12,14に両端が装着される補強部材16を一対の堰部材8,10の間の止水部材11に密着させて設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電ケーブルや通信ケーブルあるいは電線管等を建築物の外部から内部に引き込むために形成され、建築物の壁の両側を連通して形成される連通溝を止水する止水装置及び止水装置の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、通電ケーブルや通信ケーブルあるいは電線管等の線状体を発変電所等の建築物の外部から内部の制御装置等に引き込む際には、建築物の壁の下側を通って地表面に連通溝が形成され、この連通溝に線状体を敷設して、建築物の外部から内部に線状体を引き込んでいる。
【0003】
外部から内部に線状体を引き込む際、雨水等の侵入を防止するために、特許文献1にあるように、円筒状弾性体の中間シール部材の両側に板状弾性体の前シール板と後シール板とを設け、更に、前シール板と後シール板との両側を前押え板と後押え板とにより挟んで、それぞれにケーブルを貫挿して中間シール材内にシール材を詰め込む。そして、前押え板と後押え板とをボルトにより締め付けて、中間シール部材を圧縮変形させて壁面に圧接して止水する装置が知られている。
【特許文献1】実開平6−10695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、建築物の壁の下側を通って地表面に形成される連通溝は、敷設する線状体の本数や太さ等に応じて、種々の形状に形成される。また、連通溝は一般にコンクリートで形成され、形状の寸法精度の誤差が大きい。従って、こうした従来のものでは、予め中間シール部材、前後シール板、前後押え板を形成しても、施工箇所の連通溝の形状に一致せず、例えば、隙間が生じて止水が不完全になったり、あるいは、連通溝が小さく施工できない場合が生じ、中間シール部材、前後シール板、前後押え板を作り直さなければならない、あるいは、施工をやり直さなければならない場合があるという問題があった。また、施工後に、複数の線状体のうちの一部に交換の必要が生じた場合、装置全体を取り外さなければならず、交換作業も容易でない場合があるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、連通溝の形状に応じて容易に施工できる止水装置及び止水装置の施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
建築物の壁の両側を連通して形成され、線状体を敷設した連通溝を止水する止水装置において、
前記連通溝に前記連通溝の底から少なくとも前記線状体を超える高さに間隔を開けて粘土状材料で形成された一対の堰部材を設けると共に、一対の前記堰部材の間に液状の止水剤を注入・硬化させて前記連通溝と前記線状体とに密着させた止水部材を設けたことを特徴とする止水装置がそれである。
【0007】
前記連通溝の両側壁に保持部材を取り付け、前記両側壁の前記保持部材に両端が装着される補強部材を一対の前記堰部材の間の前記止水部材に密着させて設けた構成としてもよい。また、前記補強部材は主補強部材と補助補強部材とを備え、前記主補強部材は粘土状材料で形成されると共に、前記補助補強部材は前記主補強部材と異なる材質で、かつ、非通水性を有する構成としてもよい。更に、前記補強部材は主補強部材と弾性補強部材とを備え、前記主補強部材は粘土状材料で形成されると共に、前記弾性補強部材は前記主補強部材の側面に配置され前記主補強部材と異なる材質の板状で弾性を有する構成としてもよい。あるいは、前記補強部材の縁部に嵌合して、前記補強部材の変形を抑制する拘束部材を備えた構成としてもよい。
【0008】
また、建築物の壁の両側を連通して形成された連通溝に、線状体を敷設すると共に、前記連通溝の底から少なくとも前記線状体を超える高さに粘土状材料で一対の堰部材を間隔をあけて形成し、その後、前記一対の堰部材の間に経時的に硬化する液状の止水剤を注入して止水部材を形成することを特徴とする止水装置の施工方法がそれである。前記止水剤を注入した後、注入した前記止水剤に下端を接触させて補強部材を装着してもよい。あるいは、一対の前記堰部材を設けた後、一対の前記堰部材の間に補強部材の下端を挿入し、その後に、前記止水剤を注入してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の止水装置は、連通溝の形状に合わせた施工が容易であるという効果を奏する。請求項2に記載の発明は、補強部材を設けたので、一対の堰部材の高さを低くでき、耐圧性を向上させることができると共に、施工が容易になる。請求項3に記載の発明は、非通水性を有する補助補強部材を設けたので、補強性、止水性がより向上する。請求項4に記載の発明は、弾性補強部材を設けたので、主補強部材の耐久性を向上させることができる。請求項5に記載の発明は、拘束部材を設けたので、補強部材の補強性及び耐久性をより向上させることができる。
【0010】
また、請求項6に記載の止水装置の施工方法の発明は、連通溝の形状に応じて止水装置を現場で容易に施工できるという効果を奏する。請求項7及び請求項8に記載の発明は補強材と止水部材とを容易に密着させて施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1は図示しない鉄塔等から発変電所等の建築物内に引き込まれる通電ケーブルや、建築物の外部に設けられた機器から建築物内の制御装置等に接続される通信ケーブルあるいは電線が挿入された電線管、更には流体が内部を流れる配管等の線状体である。線状体1はケーブルやフレキシブルチューブ等のように可撓性があるものでも、電線管のように可撓性のないものでもよい。
【0012】
建築物の壁2の下側を通って、壁2の両側を連通する連通溝4が地表面6に形成されている。例えば、図5に示すように、地表面6はコンクリートで覆われると共に、地表面6から掘り下げられた連通溝4もコンクリートで形成されて、連通溝4は底壁4a及び両側壁4b,4cにより三面が囲まれ、上面が開放されている。建築物の壁2は、連通溝4の内部に入り込んでいてもよく、連通溝4が壁2の両側に連通していればよい。
【0013】
連通溝4には、建築物の壁2の下側を通って外部から内部に引き込まれる複数の線状体1が連通溝4に沿って敷設されている。線状体1は、本実施形態では、複数の場合を例にするが、1本の場合でも実施可能であり、また、複数の線状体1が通電ケーブルと電線管とからなる場合でも、また、太さが異なる通電ケーブルや通信ケーブル等からなる場合でもよい。連通溝4に敷設される線状体1は、必ずしも平行に敷設される必要はなく、多少蛇行していてもよい。線状体1の本数が多い場合には、1段に限らず、2段、3段等に積層してもよい。
【0014】
連通溝4の断面形状は、本実施例では、長方形状であるが、これに限らず、正方形状でも、円弧状でも、多角形状でもよい。連通溝4には、その幅方向にわたって、一対の堰部材8,10が間隔を開けて設けられている。堰部材8,10は粘土状材料から形成されており、粘土状材料は時間の経過と共に硬化、即ち、経時的に硬化するものが用いられている。尚、粘土状材料は経時的に硬化するものに限らず、現場で堰部材8,10を形成できると共に、後述する止水剤を注入する際に、壊れない程度の硬さがあれば、経時的に硬化しないものでもよい。
【0015】
粘土状材料の構成材料には、本実施形態では、不燃性繊維、無機質増量材、軽量材、無機質硬化剤(白色セメント等)等が用いられ、水を加えて練り、粘土状材料としている。必要に応じて、小動物忌避材を混ぜ、小動物忌避材を混ぜることにより、小動物の侵入をも防止できる。
【0016】
一対の堰部材8,10の間には、止水部材11が設けられている。止水部材11は時間の経過と共に硬化、即ち、経時的に硬化する液状の止水剤を用いて形成され、本実施形態では、止水剤は、例えば、変性MDIやポリブタジエン系ポリオール等からなる2液を混合した液体で、経時的に硬化してゲル状のポリウレタンとなるものである。
【0017】
止水部材11は一対の堰部材8,10の間に液状の止水剤を注入することにより、止水剤が連通溝4の底壁4a、両側壁4b,4cと各線状体1との狭い隙間にも流れ込んで、連通溝4の底壁4a、両側壁4b,4cと各線状体1及び一対の堰部材8,10に隙間なく密着した状態でゲル状に硬化するものであればよい。
【0018】
図2に示すように、建築物の壁2の外部で、連通溝4の両側壁4b,4cにそれぞれ1組ずつの保持部材12,14(側壁4bのみ図示する)が設けられている。本実施形態では、保持部材12,14としてL型鋼が用いられており、1組の保持部材12,14が間隔を開けて、底壁4aから側壁4b,4cに沿って立設されている。
【0019】
1組の保持部材12,14は、L型鋼の一方の板部が連通溝4の内側に突き出すように設けられ、両方のL型鋼の一方の板部の間に隙間が形成されている。また、L型鋼の他方の板部が隙間の外側に突き出すように、連通溝4の側壁4b,4cと平行に配置されて連通溝4の側壁4b,4cに取り付けられている。
【0020】
1組の保持部材12,14の間の隙間には、補強部材16が挿入される。補強部材16の長さは、一方の側壁4bと他方の側壁4cとの幅にほぼ等しく、補強部材16の一端が一方の側壁4bの1組の保持部材12,14の間の隙間に挿入され、補強部材16の他端が他方の側壁4cの1組の保持部材(図示せず)の間の隙間に挿入される。補強部材16の高さは、連通溝4の上縁に達する高さでもよく、あるいは、建築物の壁2の下端に達するまでの高さでもよく、必要に応じて決定すればよい。
【0021】
補強部材16は、本実施形態では、主補強部材18、補助補強部材20、弾性補強部材22が重ね合わされて板状に形成されており、本実施形態では、主補強部材18は堰部材8,10と同じ粘土状材料により板状に形成されたものである。補助補強部材20は非通水性を有し、補助補強部材20は建築物の外側の主補強部材18の側面に重ね合わされて配置され、主補強部材18と異なる材質で形成され、金属板、例えば、アルミ板により形成されている。
【0022】
弾性補強部材22は建築物の内側の主補強部材18の側面に重ね合わされて配置され、補助補強部材20と弾性補強部材22とにより主補強部材18が挟まれている。弾性補強部材22は主補強部材18と異なる材質で形成され、本実施形態では、エキスパンドメタルにより形成されている。弾性補強部材22は弾性を有し、その弾性により主補強部材18が水圧により破損するのを防止する。
【0023】
尚、補強部材16は、主補強部材18、補助補強部材20、弾性補強部材22を重ね合わせたものに限らず、1枚の材木板や1枚の樹脂板からなるものでもよい。また、補強部材16は、図4(イ)に示すように、長方形状のものに限らず、図4(ロ)に示すように、ドーム状の止水部材11を円弧状に覆うように形成してもよい。
【0024】
補強部材16の上縁部に嵌合する拘束部材24が設けられており、拘束部材24は、例えば、C型鋼から形成されており、上縁部に嵌合して、重ね合わされた主補強部材18、補助補強部材20、弾性補強部材22を拘束して変形を抑制すると共に、上方からの止水を図っている。
【0025】
次に、前述した止水装置の施工方法について説明する。
まず、連通溝4の両側壁4b,4cに保持部材12,14を補強部材16の厚さに応じた隙間を開けて取り付ける。保持部材12,14は建築物の壁2の外側に取り付けると共に、保持部材12,14の隙間に補強部材16を挿入した際に、補強部材16の側面が建築物の壁2の外側側面との間に大きな隙間が出来ないように取り付ける。
【0026】
次に、一対の堰部材8,10を、保持部材12,14の隙間と同じ程度の間隔を開けて、粘土状材料により形成する。堰部材8,10を形成する際には、連通溝4の底壁4aに粘土状材料を所定高さまで積んだ後、その上に複数の線状体1を敷設することにより、線状体1と連通溝4の底壁4aとの間に隙間が生じるのを防ぐことができる。
【0027】
そして、その上に、更に粘土状材料を積み重ねて、一対の堰部材8,10を形成する。粘土状材料で形成するので、コテ等により一対の堰部材8,10の形状を整えながら形成する。一対の堰部材8,10はその間に間隔を開けて空間が形成されればよく、堰部材8,10の断面形状を長方形状等に形成する必要はなく、山型等に形成してもよい。また、粘土状材料により形成するので、施工現場で連通溝4の形状に応じて堰部材8,10を容易に形成できる。
【0028】
堰部材8,10は、連通溝4の底壁4aから少なくとも線状体1を超える高さにまで形成する。図3に示すように、複数の線状体1を2段に積層して敷設する場合には、1段目の線状体1を敷設した後に、粘土状材料を積み重ねて隙間を埋めた後、2段目の線状体1を敷設する。その上に、粘土状材料を積み重ねて、一対の堰部材8,10を少なくとも線状体1を超える高さにまで形成すればよい。必ずしも、一対の堰部材8,10を建築物の壁2の下端に達する高さにまで形成する必要はない。
【0029】
堰部材8,10を形成した粘土状材料は、経時的に硬化するので、所定の硬さになった際、一対の堰部材8,10の間の空間に、前述した液状の止水剤をノズル等を用いて注入する。堰部材8,10の硬さが止水材の注入に耐えうる場合には、硬化を待つ必要はない。注入は圧力を加える必要はなく、自重による注入でよい。
【0030】
止水剤は液状であるので、連通溝4の底壁4aと線状体1との間にも回り込むと共に、隣り合う線状体1の間にも回り込む。また、線状体1を複数段に重ねて敷設した場合でも、止水剤は線状体1と線状体1との間にも回り込む。止水剤は、少なくとも線状体1を超える高さにまで注入するが、堰部材8,10の高さを超えることなく、堰部材8,10よりも少し低い程度が好ましい。
【0031】
止水剤を注入した後、補強部材16を各保持部材12,14の間の隙間に挿入する。尚、補強部材16は、予め主補強部材18、補助補強部材20、弾性補強部材22を重ね合わせると共に、拘束部材24を取り付ける。主補強部材18、補助補強部材20、弾性補強部材22は施工現場で、連通溝4の形状に合わせて容易に形成できるので、補強部材16は、施工現場で容易に形成できる。補強部材16の高さは、少なくとも壁2の下端に達するまでが好ましく、連通溝4を超える高さに形成する必要はない。
【0032】
補強部材16の挿入は、止水剤が硬化する前に挿入するのがよく、これにより、補強部材16の下端が止水剤に密着する。止水剤は経時的に硬化するので、時間が経過すると止水剤がゲル状に硬化して、止水部材11が形成される。尚、一対の堰部材8,10の間に止水剤を注入する前に、補強部材16を保持部材12,14に沿って挿入してから、一対の堰部材8,10の間に止水剤を注入して止水部材11を形成するようにしてもよい。また、補強部材16の周囲等には、シール剤を塗布して、止水を図るようにしてもよい。
【0033】
連通溝4に外部から雨水等が侵入した際、堰部材8,10が侵入を阻止すると共に、連通溝4の底壁4a、側壁4b,4cや線状体1に沿って雨水等が侵入しようとしても、止水部材11がその侵入を阻止する。雨水等が溜まって、堰部材8,10の高さを超えても、補強部材16が雨水等の侵入を阻止する。
【0034】
その際、補助補強部材20が非通水性であるので、雨水等の浸入を確実に阻止し、弾性補強部材22が水圧により変形して、主補強部材18に加わる力を軽減して、主補強部材18の耐久性を向上させる。拘束部材24が重ね合わされた主補強部材18、補助補強部材20、弾性補強部材22を拘束して変形を抑制すると共に、上方からの雨水等の侵入を阻止する。
【0035】
また、このように、建築物のある現場で、連通溝4の断面形状に関わらず、連通溝4の形状に合わせて、止水装置を容易に施工でき、確実に雨水等の侵入を阻止できる。線状体1を新たな線状体1に交換する場合には、補強部材16を引き抜き、堰部材8,10と止水部材11とを取り壊す。そして、新たな線状体1を敷設して、前述したと同様に、新たに止水装置を施工すればよく、新たに施工し直すことも容易である。
【0036】
多数の線状体1のうちの一部の線状体1を交換する必要が生じた場合、一部の線状体1を長手方向に注意して引き抜いて、一部の線状体1の回りの堰部材8,10を壊すと共に、一部の線状体1の回りの止水部材11を壊すと、長手方向に引き抜くこともできる。
【0037】
そして、引き抜いた後に、新たな線状体1を挿入して、新たな線状体1の周囲であって一対の堰部材8,10の間に止水剤を注入して、破損した止水部材11を補修すると共に、破損した堰部材8,10を粘土状材料で補修する。これにより、止水装置全体を取り壊すことなく、一部の線状体1を交換することも容易である。あるいは、一対の堰部材8,10と止水部材11とを破壊することも容易であり、これらを破壊して交換するようにすることであっても、容易に線状体1を交換することができる。
【0038】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態としての止水装置の断面構成図である。
【図2】本実施形態の止水装置の施工を説明する斜視図である。
【図3】他の実施形態としての複数段に重ねた線状体の止水装置の断面構成図である。
【図4】本実施形態の補強部材の形状を示す説明図である。
【図5】本実施形態の連通溝を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1…線状体 2…壁
4…連通溝 4a…底壁
4b,4c…側壁 6…地表面
8,10…堰部材 11…止水部材
12,14…保持部材
16…補強部材 18…主補強部材
20…補助補強部材 22…弾性補強部材
24…拘束部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の壁の両側を連通して形成され、線状体を敷設した連通溝を止水する止水装置において、
前記連通溝に前記連通溝の底から少なくとも前記線状体を超える高さに間隔を開けて粘土状材料で形成された一対の堰部材を設けると共に、一対の前記堰部材の間に液状の止水剤を注入・硬化させて前記連通溝と前記線状体とに密着させた止水部材を設けたことを特徴とする止水装置。
【請求項2】
前記連通溝の両側壁に保持部材を取り付け、前記両側壁の前記保持部材に両端が装着される補強部材を一対の前記堰部材の間の前記止水部材に密着させて設けたことを特徴とする請求項1に記載の止水装置。
【請求項3】
前記補強部材は主補強部材と補助補強部材とを備え、前記主補強部材は粘土状材料で形成されると共に、前記補助補強部材は前記主補強部材と異なる材質で、かつ、非通水性を有することを特徴とする請求項2に記載の止水装置。
【請求項4】
前記補強部材は主補強部材と弾性補強部材とを備え、前記主補強部材は粘土状材料で形成されると共に、前記弾性補強部材は前記主補強部材の側面に配置され前記主補強部材と異なる材質の板状で弾性を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の止水装置。
【請求項5】
前記補強部材の縁部に嵌合して、前記補強部材の変形を抑制する拘束部材を備えたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の止水装置。
【請求項6】
建築物の壁の両側を連通して形成された連通溝に、線状体を敷設すると共に、前記連通溝の底から少なくとも前記線状体を超える高さに粘土状材料で一対の堰部材を間隔をあけて形成し、その後、前記一対の堰部材の間に経時的に硬化する液状の止水剤を注入して止水部材を形成することを特徴とする止水装置の施工方法。
【請求項7】
前記止水剤を注入した後、注入した前記止水剤に下端を接触させて補強部材を装着することを特徴とする請求項6に記載の止水装置の施工方法。
【請求項8】
一対の前記堰部材を設けた後、一対の前記堰部材の間に補強部材の下端を挿入し、その後に、前記止水剤を注入することを特徴とする請求項6に記載の止水装置の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−20280(P2007−20280A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197766(P2005−197766)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000101905)イイダ産業株式会社 (47)
【出願人】(394014560)大淀化工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】