説明

歯磨剤組成物

【課題】口腔内のバイオフィルムと浮遊性細菌とに対して優れた殺菌効果を発揮し、口腔内の病原性細菌を効果的に殺菌でき、かつイソプロピルメチルフェノール由来の特有の嫌味が低減され、口腔粘膜に対する刺激も少ない使用感に優れた歯磨剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)イソプロピルメチルフェノール、
(B)トリクロサン、
(C)ピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩、
(D)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる少なくとも1種の香料成分
を含有してなり、(C)成分の配合量が0.10〜2.0質量%であることを特徴とする歯磨剤組成物。更に、上記組成物に(E)アニスアルデヒドを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内細菌のバイオフィルム殺菌力及び浮遊菌の殺菌力に優れ、かつ構成成分から生じる嫌味や、口腔粘膜への刺激の少ない、使用感に優れた歯磨剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
う蝕、歯周病の2大口腔疾患の原因は、口腔内バイオフィルム中の各種細菌によるものであると考えられている。特に、う蝕はストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)等の連鎖球菌、歯周病はポルフィロモナス ジンジバリス(P.gingivalis)等の偏性嫌気性グラム陰性桿菌を主とした細菌による感染症であり、また、口臭の原因としてはフゾバクテリウム ヌクレアタム(F.nucleatum)等の口腔内細菌が関与している。従って、口腔内疾患の予防、改善に有効な手段として、口腔内バイオフィルム中の病原性細菌数を低レベルに保つことが有用であると言われている。
【0003】
一方、口腔内の病原性細菌数を低下させるには、難水溶性殺菌剤やカチオン性殺菌剤、アニオン性殺菌剤を用いることが有効であり、特に口腔バイオフィルム内の細菌に対してはイソプロピルメチルフェノールが好適に使用されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
また、これまでにイソプロピルメチルフェノールと非カチオン性殺菌剤を併用することにより殺菌力を向上させる技術が提案されているが、この場合は浮遊菌に対しては高い殺菌力があるものの(特許文献1、3参照)、バイオフィルム内細菌への殺菌力の向上は認められず改善の余地があった。バイオフィルム内部の病原性細菌を効果的に殺菌するためには、イソプロピルメチルフェノールを局所的に作用させると共に、併用する非カチオン性殺菌剤のバイオフィルム内部への浸透性を高めることが有効であるが、上記技術では改善し難い。
【0005】
更に、バイオフィルム内部の病原性細菌に適するとされるイソプロピルメチルフェノールは、バイオフィルム内への浸透性が他の殺菌成分より優れることが知られている。しかし、イソプロピルメチルフェノールを含有する組成物は、特有な嫌味を有するために使用感を著しく損なうという欠点が生じ、この点の改善が求められていた。
【0006】
この課題に対し、例えば特定のアシルサルコシン塩をフェノキシエタノールに対し特定の配合割合で組み合わせて配合することで抗菌成分の異味を低減させる技術(特許文献4参照)、l−メントール及び塩化ナトリウムをイソプロピルメチルフェノールに対して特定の質量比で配合することにより異臭・異味を低減する技術(特許文献5参照)が提案されているが、アシルサルコシン塩を多く配合した場合にはアシルサルコシン塩由来と考えられる口腔粘膜刺激が生じたり、塩化ナトリウムを配合した場合には塩味により香味のタイプが限定される場合があるなどの新たな課題が生じ、満足な使用感とは言い難かった。
【0007】
また、サッカリンなどの甘味剤により嫌味をマスキングして低減する方法もあるが、この場合は、甘味剤の味が強調され過ぎたりして必ずしも嫌味を抑えることができるとは言えなかった。よって、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を低減する新たな技術が求められていた。
【0008】
一方、縮合リン酸塩は、金属イオンに対するキレート作用を有することから、口腔用組成物において、歯石を抑制する有効成分や歯の美白効果を得る成分として用いられている(特許文献6〜9参照)。しかしながら、その作用メカニズムから口腔粘膜に対しても影響を与え、少なからず口腔粘膜に対する刺激が生じるといった課題が生じていた。
【0009】
従って、イソプロピルメチルフェノールを含有する歯磨剤組成物において、口腔内細菌のバイオフィルムへの殺菌作用と浮遊性細菌の殺菌効果とを高め、しかも、イソプロピルメチルフェノール由来の特有の嫌味を低減し、口腔粘膜に対する刺激も抑え、優れた殺菌効果と使用感とを兼ね備えた製剤が求められるが、従来の技術では種々の課題があり、これら全てを満たすことは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−179266号公報
【特許文献2】特開2006−182662号公報
【特許文献3】特開2006−69909号公報
【特許文献4】特開2007−161613号公報
【特許文献5】特開2008−143825号公報
【特許文献6】特公平6−27058号公報
【特許文献7】特開平7−10726号公報
【特許文献8】特開平9−12438号公報
【特許文献9】特開2002−68947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、口腔内のバイオフィルムと浮遊性細菌とに対して優れた殺菌効果を発揮し、口腔内の病原性細菌を効果的に殺菌でき、かつイソプロピルメチルフェノール由来の特有の嫌味が低減され、口腔粘膜に対する刺激も少ない使用感に優れた歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、(A)イソプロピルメチルフェノールと、(B)トリクロサンと、(C)ピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩を0.10〜2.0質量%と、(D)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる1種又は2種以上の香料成分とを併用することにより、口腔内細菌のバイオフィルム及び口腔内の浮遊性細菌に対する殺菌効果を高めることができる上、イソプロピルメチルフェノール由来の特有な嫌味が低減され、口腔粘膜への刺激が少なく、使用感の良好な歯磨剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明によれば、イソプロピルメチルフェノールとトリクロサンとを併用し、かつピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩を適切な量で配合することで、非カチオン性殺菌剤の口腔バイオフィルム内部への浸透量が向上し、かつイソプロピルメチルフェノールの局所的な作用も改善し、バイオフィルム内部の病原性細菌への殺菌効果が高まって、バイオフィルム内に存在する病原性細菌と口腔内の浮遊性細菌とを殺菌できる優れた殺菌効果が発揮される。更に、これら成分と共に、上記特定の香料成分を併用することで、イソプロピルメチルフェノール特有の嫌味を満足に低減でき、口腔粘膜に対する刺激もほとんど生じることがない優れた使用感となる。それ故、本発明では、上記(A)〜(D)成分の併用により、バイオフィルム内部に存在する病原性細菌と口腔内に浮遊している病原性細菌との両方を効果的に殺菌できる高い殺菌効果と、嫌味や口腔粘膜への刺激がほとんどない優れた使用感とを兼ね備えた歯磨剤組成物を得ることができる。
なお、上記(D)成分の香料成分は、いずれも特徴的な香気を有しており、チーズなどの調合フレーバーに微量用いられることはあるが、それ自体不快な香気であるため、歯磨剤組成物の香料としての使用は限定的であった。本発明者らは、このような上記(D)成分の特定香料をイソプロピルメチルフェノールと併用して歯磨剤組成物に配合すると、意外にもイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味を十分に抑制できることを見出した。
【0014】
更に、本発明では、(C)成分/(B)成分が質量比で5〜20であることで、(B)成分のバイオフィルムへの浸透力、バイオフィルム殺菌効果をより高めることができる。
【0015】
また、本発明では、上記(A)〜(D)成分を配合した歯磨剤組成物に更に(E)アニスアルデヒドを配合することで、特有な嫌味をより低減でき、使用感をさらに改善できる。
【0016】
従って、本発明は下記の歯磨剤組成物を提供する。
請求項1:
(A)イソプロピルメチルフェノール、
(B)トリクロサン、
(C)ピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩、
(D)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる少なくとも1種の香料成分
を含有してなり、(C)成分の配合量が0.10〜2.0質量%であることを特徴とする歯磨剤組成物。
請求項2:
(C)成分/(B)成分の質量比が5〜20であることを特徴とする請求項1記載の歯磨剤組成物。
請求項3:
(A)成分を0.01〜0.2質量%、(B)成分を0.02〜0.2質量%、(D)成分を0.0001〜0.1質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
請求項4:
更に、(E)アニスアルデヒドを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。
請求項5:
(E)成分を0.0001〜0.1質量%含有することを特徴とする請求項4記載の歯磨剤組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明の歯磨剤組成物は、口腔内細菌のバイオフィルムと口腔内の浮遊性細菌への殺菌効果に優れ、口腔内の病原性細菌を効果的に殺菌でき、かつイソプロピルメチルフェノール由来の特有の嫌味が低減され、口腔粘膜に対する刺激も少ない使用感に優れた歯磨剤組成物であり、歯周病等の口腔疾患の予防又は改善に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、特に練歯磨として好適に調製され、(A)イソプロピルメチルフェノール、(B)トリクロサン、(C)ピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩、(D)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる香料成分を含有する。
【0019】
本発明で用いる(A)イソプロピルメチルフェノールは、4−イソプロピル−3−メチルフェノールであり、大阪化成(株)製の市販品を使用できる。
(A)イソプロピルメチルフェノールの配合量は、組成物全体の0.01〜0.2%(質量%、以下同様)、特に0.02〜0.1%が好適であり、0.01%未満では十分な殺菌効果が発揮されないことがあり、0.2%を超えると嫌味が生じて味が悪くなる場合がある。
【0020】
(B)成分のトリクロサンは、広範囲な抗菌スペクトルを持つハロゲン化ジフェニルエーテル型の殺菌剤であり、化学名は2’,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテルである。トリクロサンとしては、市販品、例えば商品名イルガサンとしてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)から販売されているものなどを使用できる。
【0021】
トリクロサンの配合量は、組成物全体の0.02〜0.2%、特に0.05〜0.15%が好適である。0.02%未満では十分な殺菌効果が発揮されないことがあり、0.2%を超えると嫌味が生じて味が悪くなる場合がある。
【0022】
(C)成分は、ピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩であり、トリクロサンのバイオフィルムへの浸透殺菌力の改善、及びバイオフィルム殺菌力の向上に有効である。ピロリン酸塩及びトリポリリン酸塩は、リン酸の脱水縮合によって生じた縮合リン酸塩であり、ピロリン酸塩は2量体であり、トリポリリン酸塩は3量体であり、直鎖状のポリリン酸塩である。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩などが挙げられるが、水溶解性などの点からナトリウム塩が好ましい。更に、溶解時のpHを中性域とするには、ピロリン酸塩では4ナトリウム塩、ポリリン酸塩では5ナトリウム塩が好適である。
【0023】
(C)成分の配合量は、組成全体の0.10〜2.0%、特に0.5〜1.5%が好ましい。配合量が0.10%未満ではトリクロサンのバイオフィルムへの浸透殺菌力が満足に向上しない場合があり、2.0%を超えると口腔粘膜刺激が強くなる場合がある。
【0024】
更に、(C)成分のピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩と(B)成分のトリクロサンとの配合比率は、質量比で(C)成分/(B)成分が1〜50、特に5〜20であることが、バイオフィルムへの浸透力の向上効果の点から好ましい。配合比率が1未満、あるいは50を超える場合は、(B)成分のバイオフィルムへの浸透力向上効果が満足に得られず、高いバイオフィルム殺菌力が得られない場合がある。
【0025】
(D)成分は、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味をマスキングするのに有効な香料成分であり、3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる1種又は2種以上の香料成分である。
上記香料成分の2種以上を組み合わせる場合は、3−オクタノールと3−オクチルアセテート及び/又はフェンコンとの組み合わせが好適である。
なお、オクタノールであっても、歯磨剤組成物の香料として一般的な1−オクタノールは、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味をマスキングする効果がないため、本発明にかかわる香料成分として相応しくない。
【0026】
上記(D)成分は市販品を用いることができ、例えば3−オクタノールは塩野香料(株)の製品、3−オクチルアセテート、3−オクタノンはそれぞれ(株)井上香料製造所の製品、フェンコンは香栄興業(株)の製品などを用いることができる。
【0027】
(D)成分の総配合量は特に限定されないが、組成物全量に対して、0.0001〜0.1%、特に0.0005〜0.05%、とりわけ0.001〜0.02%が望ましい。配合量が0.0001%未満では、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味をマスキングできず、使用感が悪くなる場合があり、0.1%を超えると、香料成分自体の香味が強すぎて嫌味を生じる場合がある。
【0028】
更に、本発明では、(E)成分としてアニスアルデヒドを配合することが好ましく、(D)成分の香料成分に加えてアニスアルデヒドを添加することで、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味に対するマスキング効果をより高めることができ、より良好な香味を得ることができる。
【0029】
アニスアルデヒドとしては、大洋香料(株)の製品などの市販品を用いることができる。その配合量は、組成物全量に対して、0.0001〜0.1%、特に0.001〜0.02%が望ましい。配合量が0.0001%未満では、嫌味のマスキング効果を十分に高めることができない場合があり、0.1%を超えると、(B)成分と同様にアニスアルデヒド自体の香味が強すぎて嫌味を生じる場合がある。
【0030】
(E)アニスアルデヒドを配合する場合、イソプロピルメチルフェノール由来の嫌味のマスキング効果をより高める点から、(D)成分と(E)成分の合計配合量が0.0002〜0.15%、特に0.002〜0.03%であることが望ましい。合計配合量が0.0002%未満では、嫌味のマスキング効果を十分高めることができない場合があり、0.15%を超えると、(D)及び(E)成分自体の香味が強すぎて嫌味を生じる場合がある。
なお、(D)成分と(E)成分との組み合わせとしては、特に3−オクタノールとアニスアルデヒドとの組み合わせが好ましく、これによりイソプロピルメチルフェノール由来の嫌味に対して、とりわけ優れたマスキング効果が発揮される。
【0031】
本発明の歯磨剤組成物は、上記した構成成分に加えて、任意成分として通常歯磨剤組成物に配合されるその他の成分、例えば研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味料、着色料、防腐剤、pH調整剤、薬効成分等の適宜の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。
【0032】
研磨剤としては、研磨性シリカ、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、二酸化チタン、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウムなどが挙げられる。研磨剤の配合量は、組成物全体の10〜50%、特に15〜40%が好適である。
【0033】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合し得る。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルサルコシン酸ナトリウム等のN−アシルサルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのエーテル型の界面活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチンなどが挙げられる。
界面活性剤の配合量は通常、組成全体の0.1〜10%、特に0.3〜5%である。
【0034】
粘稠剤としては、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、エリスリトールなどの糖アルコール、多価アルコールを配合してもよい。粘稠剤の配合量は通常10〜50%、特に20〜40%である。
【0035】
粘結剤としてはポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースなどを配合できる。粘結剤の配合量は通常0.5〜2%である。
【0036】
薬効成分としては、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサンに加えて、その他の薬効成分、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン塩類、ソルビン酸塩、ヒノキチオール、アズレンスルホン酸塩等の抗菌性物質、プロテアーゼ、グルカナーゼ、リゾチーム等の分解酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症物質、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化ストロンチウムなどの無機塩類、ゼオライト、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性化合物、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ピリドキシン等の各種ビタミン類、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の天然抽出物などが挙げられる。これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
【0037】
甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、アスパルテーム等が配合できる。
【0038】
(D)成分、更には(E)成分に加えて、その他の香料として、例えば、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、バジル油、カルダモン油、コリアンダー油、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、オレンジ油、レモン油、マンダリン油、ライム油、グレープフルーツ油、柚子油、スウィーティー油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、セロリ油、ベイ油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、レモングラス油、ローズ油、ジャスミン油、パチュリ油、イリスコンクリート、ローズアブソリュート、オレンジフラワーアブソリュート、バニラアブソリュート、マンゴーアブソリュート、パチュリアブソリュート、ジンジャーオレオレジン、ペッパーオレオレジン、カプシカムオレオレジン、トウガラシ抽出物等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、リモネン、ピネン、ブタノール、イソアミルアルコール、n−ヘキセノール、cis−3−ヘキセノール、cis−6−ノネノール、リナロール、α−テルピネオール、メントール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、アネトール、チモール、メチルチャビコール、オイゲノール、カルボン、メントン、プレゴン、1,8−シネオール、ヨノン、キャロン、n−ヘキサナール、trans−2−ヘキセナール、シトラール、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、エチル2−メチルブチレート、アリルヘキサノエート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、リナリルアセテート、メンチルアセテート、メンチルラクテート、カルビールアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、メチルジャスモネート、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、メチルシンナメート、メチルアンスラニレート、フェニルエチルグリシデート、エチルラクテート、バニリン、マルトール、炭素数4〜12のガンマ及びデルタラクトン、アンブレットリド、ジメチルサルファイド、トリメチルピラジン、エチルβ−メチルチオプロピオネート、フラネオール、エチルシクロペンテノロン、シクロテン、2−メチルブチリックアシッド、プロピオニックアシッド、p−メトキシシンナミックアルデヒド、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メントングリセリンアセタール、スピラントール、モノメンチルサクシネート、リナロールオキサイド、バニリルブチルエーテル、イソプレゴール等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、メロンフレーバー、バナナフレーバー、ピーチフレーバー、ラズベリーフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、マンゴーフレーバー、ウメフレーバー、オレンジフレーバー、レモンフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ティーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー等の調合香料、及び、エチルアルコール、プロピレングリコール、トリアセチン、グリセリン脂肪酸エステル等の香料溶剤等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。これらの香料素材の配合量は特に限定されないが、組成物中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、組成物中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
【0039】
着色料としては、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号、雲母チタン、酸化チタン等を挙げることができる。
【0040】
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0041】
pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、グリセロリン酸やこれらの各種塩、水酸化ナトリウムなどを挙げることができる。本発明の歯磨剤組成物は、pH6〜10、特に7〜9に調整されることが好ましい。
【0042】
本発明の歯磨剤組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨剤組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において%は特に記載のない限りいずれも質量%である。
【0044】
〔実施例、比較例〕
表1〜3に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を下記製造法により調製した。
(製造法)
(1)精製水中に(C)成分及び水溶性成分(粘結剤、プロピレングリコールを除く)を常温で混合溶解させたA相を調製した。
(2)プロピレングリコール中に(A)成分:イソプロピルメチルフェノール及び(B)成分:トリクロサンを溶解させた後、粘結剤を常温で分散させたB相を調製した。
(3)撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。
(4)C相中に、(D)成分、必要により(E)成分、及び表4,5に示した香料成分(香料組成物)、研磨剤等の水溶性成分以外の成分、更に界面活性剤を、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用いて常温で混合し、減圧(4kPa)による脱泡を行い、歯磨剤組成物1.2kgを得た。
【0045】
これら歯磨剤組成物の調製に用いた各成分は、研磨性シリカ(Tixosil73,ローディア日華(株)、メジアン径14μm)、ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学工業(株))、ソルビット(70%水溶液品、東和化成工業(株))、イソプロピルメチルフェノール(ビオゾール、大阪化成(株))、トリクロサン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))、ピロリン酸ナトリウム(太平化学産業(株))、トリポリリン酸ナトリウム(太平化学産業(株))、3−オクタノール(塩野香料(株))、3−オクチルアセテート及び3−オクタノンは((株)井上香料製造所)、フェンコン(香栄興業(株))、アニスアルデヒド(大洋香料(株))、1−オクタノール(高砂香料工業(株))、その他成分であるキサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ソルビット液、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、無水ケイ酸、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、水については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。任意に配合される香料としては表4,5に示す組成の香料組成物A〜Iを調製して用いた。
【0046】
得られた歯磨剤組成物を、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mmのラミネートチューブ(LDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30、厚み257μm(大日本印刷(株)製))に50g充填した。
使用したラミネートチューブの層構成における略号と名称は以下の通りであり、略号に続く数字は各層の厚み(μm)を示したものである。
LDPE:低密度ポリエチレン
白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
【0047】
得られた歯磨剤組成物の(1)バイオフィルム(モデルバイオフィルム)殺菌効果、(2)トリクロサンの浸透力向上効果、(3)浮遊性細菌の殺菌力、(4)刺激のなさ、(5)嫌味のなさについて以下の方法により評価した。結果を表1〜3に併記する。
【0048】
(1)モデルバイオフィルム殺菌効果の評価法
直径7mmのハイドロキシアパタイト(HA)板を0.45μmのフィルターで濾過した人無刺激唾液で4時間処理し、ヘミン及びメナジオンを添加したトリプチケースソイブロス中、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、アクチノマイセス ナエスランディ(Actinomyces naeslundii)、ベイヨネラ パルビュラ(Veillonella parvula)、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)及びポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の5菌種混合系で2週間連続培養することにより、HA板上にモデルバイオフィルムを形成させた。2週間培養後より1日1回、下記表1〜3に示した歯磨製剤に人口唾液(50mmol/L KCl+1mmol/L KH2PO4+1mmol/L CaCl2+0.1mmol/L MgCl2(pH7.0))を2倍質量添加し、分散させた後の遠心上清を試験薬剤液として、これにモデルバイオフィルムを3分間浸漬処理し、更に3日間培養した。培養終了時にモデルバイオフィルムを取り出し、分散後、寒天平板上で培養することによりモデルバイオフィルム中の各菌種の生菌数を求めた。生菌数は、培養条件により多少振れるが、試験薬剤液の代わりに人口唾液を作用させた場合では、約8.5log cfu(colony forming units/HA板)であり、5.0log cfu/HA板未満の場合において、バイオフィルム殺菌力が高いと判断した。本発明の構成である、(A)イソプロピルメチルフェノール、(B)トリクロサンに由来するモデルバイオフィルム殺菌効果の向上効果を以下の評価基準で判断した。
◎:4.5log cfu/HA板未満
○:4.5log cfu/HA板以上〜5.0log cfu/HA板未満
△:5.0log cfu/HA板以上〜6.0log cfu/HA板未満
×:6.0log cfu/HA板以上
【0049】
(2)トリクロサンの浸透力向上効果の評価
ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、アクチノマイセス ナエスランディ(Actinomyces naeslundii)、ベイヨネラ パルビュラ(Veillonella parvula)、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)及びポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の5菌種混合系で2週間連続培養することにより、カルチャーインサートのメンブレンフィルター上にモデルバイオフィルムを形成させた。この上に試験薬剤液(表1〜3に示す歯磨剤組成物に人口唾液(上記(1)記載と同様のもの。以下、同様。)を2倍質量添加し、分散させた後の遠心上清)を処置し、37℃で30分間インキュベートし、下層の生理食塩水中に透過したトリクロサン量を定量した。トリクロサンの定量は、シリカゲル基材にオクタデシル基を化学結合させたカラムを用い、液体クロマトグラフィーで行った。
トリクロサンのモデルバイオフィルム浸透力向上効果は、評価する組成(実施例及び比較例)と、評価する組成から(C)成分を除いた組成(対照組成)とを調製して行った。各々組成におけるトリクロサンの浸透量を定量し、対照組成の浸透量に対する評価組成の浸透量の割合を下記式で求め、以下の評価基準で判断した。
トリクロサン浸透力向上効果=評価する組成の浸透量/対照組成の浸透量
◎:20以上
○:10以上〜20未満
△:5以上〜10未満
×:0以上〜5未満
【0050】
(3)浮遊性細菌の殺菌力評価
前もって培養した口腔細菌分散液(アクチノマイセス ナエスランディ(A.naeslundii T14V))を人口唾液に分散し、波長660nmでの濁度(OD660=1に調整したもの)2mLに対し、試験薬剤液(表1〜3に示す歯磨剤組成物に人口唾液を2倍質量添加し、分散させた後の遠心上清)2mLを30秒間作用させた後、50μLを分取してTHB液体培地(4mL)に添加し、殺菌力評価サンプルとした。この殺菌力評価サンプル液を嫌気培養(37℃、8時間)した後、増殖した菌量を濁度(OD660)を指標に測定し、数値の小さいものがより殺菌力が得られたものとして評価した。OD660が0.65未満の場合において、浮遊性細菌の殺菌力が高いと判断した。
なお、人口唾液としては、3.73gの塩化カリウム、0.14gのリン酸2水素1カリウム、0.15gの塩化カルシウム・2水和物、0.02gの塩化マグネシウム・6水和物を精製水に溶解し、水酸化カリウムでpH7に調整し、1,000mLとしたものを使用した。浮遊性細菌の殺菌効果を以下の評価基準で判断した。
◎:OD660 0.5未満
○:OD660 0.5以上〜0.65未満
△:OD660 0.65以上〜0.8未満
×:OD660 0.8以上
【0051】
(4)刺激のなさの評価
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯磨剤組成物約1gを市販品歯ブラシに載せて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた舌及び口腔粘膜刺激について以下の基準で評価した。
評価基準;
4点:刺激が全くない
3点:刺激がほとんどない
2点:刺激がややある
1点:刺激がある
10名の評価結果を平均し、以下の基準で◎及び○の評価が確保されるものを、刺激のない歯磨剤組成物であると判断した。
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
【0052】
(5)嫌味のなさ
専門家パネラー10人を用いた官能試験を実施した。口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨剤組成物約1gを市販品歯ブラシに載せて、通常歯を磨く方法で3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた嫌味のなさを、以下の評点に従って評価した。10名の評価結果の平均値を求め、以下の基準で◎及び○の評価が確保されるものを、嫌味のない歯磨剤組成物であると判断した。
(評点)
4点:嫌味が全くない
3点:嫌味がほとんどない
2点:嫌味がややある
1点:嫌味がある
(専門パネラー10人の評価結果を平均した値の判定基準)
◎ :3.7点以上〜4.0点以下
◎〜○:3.3点以上〜3.7点未満
○ :3.0点以上〜3.3点未満
△ :2.0点以上〜3.0点未満
× :2.0点未満
【0053】
【表1−1】

【0054】
【表1−2】

【0055】
【表1−3】

【0056】
表1の結果から、本発明の歯磨剤組成物は、イソプロピルメチルフェノールを含有する歯磨剤組成物において、イソプロピルメチルフェノール特有な嫌味が低減されると共に、トリクロサンのバイオフィルム浸透力が向上し、バイオフィルムと浮遊性細菌への殺菌効果が得られると共に、口腔粘膜に対する刺激も少ないことがわかった。なお、実施例1〜27において、表4記載の香料組成物Aを香料組成物B〜Iのいずれかに置き換えても、同様の結果を得た。
【0057】
【表2】

【0058】
表2の結果から、本発明のいずれかの必須要件を欠くと、イソプロピルメチルフェノール特有な嫌味が低減できなかったり、トリクロサンのバイオフィルム浸透力向上が認められず、高い殺菌効果が得られなかったり、口腔粘膜に対する刺激が強かったりして、本発明の目的を達成できないことが確認された。
【0059】
【表3−1】

【0060】
【表3−2】

【0061】
【表3−3】

【0062】
表3の結果から、本発明の(A)〜(D)成分を含有する歯磨剤組成物に、更に(E)アニスアルデヒドを配合すると、イソプロピルメチルフェノール特有な嫌味をより満足に低減できることが確認された。なお、実施例28〜56において、表4記載の香料組成物Aを香料組成物B〜Iのいずれかに置き換えても、同様の結果を得た。
【0063】
【表4】

*:上記香料組成物中に3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、
フェンコン、アニスアルデヒドは含まれない。
【0064】
【表5−1】

【0065】
【表5−2】

【0066】
【表5−3】

【0067】
【表5−4】

【0068】
【表5−5】

【0069】
【表5−6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)イソプロピルメチルフェノール、
(B)トリクロサン、
(C)ピロリン酸塩及び/又はトリポリリン酸塩、
(D)3−オクタノール、3−オクチルアセテート、3−オクタノン、フェンコンから選ばれる少なくとも1種の香料成分
を含有してなり、(C)成分の配合量が0.10〜2.0質量%であることを特徴とする歯磨剤組成物。
【請求項2】
(C)成分/(B)成分の質量比が5〜20であることを特徴とする請求項1記載の歯磨剤組成物。
【請求項3】
(A)成分を0.01〜0.2質量%、(B)成分を0.02〜0.2質量%、(D)成分を0.0001〜0.1質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
【請求項4】
更に、(E)アニスアルデヒドを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の歯磨剤組成物。
【請求項5】
(E)成分を0.0001〜0.1質量%含有することを特徴とする請求項4記載の歯磨剤組成物。

【公開番号】特開2011−98917(P2011−98917A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255173(P2009−255173)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】