説明

歯科用根管治療ハンドピース

【課題】根管長測定信号伝達用の導電体と、切削回転工具とが、ヘッド部の内部で工具保持部材を介して安定的に電気的導通状態とされる根管長測定機能を有した歯科用根管治療ハンドピースを提供する。
【解決手段】先端ヘッド部2と、該先端ヘッド部2に連接される細径のネック部3と、該ネック部3に連接され手指によって把持される把持部4と、前記先端ヘッド部2に軸回転可能に内装される導電性部材からなる工具保持部材28と、を備える歯科用根管治療ハンドピースにおいて、前記工具保持部材28に保持される切削回転工具5と前記工具保持部材28を介して電気的導通状態とされる根管長測定信号伝達用の導電体85が前記把持部4及びネック部3内に設けられ、前記工具保持部材28は、前記切削回転工具5を軸方向に沿って抜差し可能に且つ相互に軸回転不能に保持するチャック機構部31を含む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用根管治療ハンドピース、特に歯牙の根管拡大治療及び根管長測定に用いられる歯科用根管治療ハンドピースに関し、より詳しくは、把持部に設けられる根管長測定信号伝達用の導電体と、切削回転工具との電気的導通状態を確立させる機構の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、歯牙の根管を切削拡大する治療に用いられるハンドピースであって、根管長の測定にも用いられる歯科用根管治療ハンドピースが広く用いられている。このような歯科用根管治療ハンドピースにおいては、切削回転工具に電気的導通状態とされる根管長測定信号伝達用の導電体が、ハンドピースの把持部更にはネック部に設けられる。そして、切削回転工具が歯牙の根管内に挿入されて根管長測定用の一方の電極とされ、患者の唇等に引っ掛けられる口腔電極を他方の電極として、両電極間に電圧を印加し、両電極間のインピーダンスを測定することによって、根管長の測定がなされる。この場合、前記切削回転工具と根管長測定信号伝達用の導電体との電気的導通状態を確立する方法として、主に次の2つの方法が採用されている。第1の方法は、ヘッド部から突出する切削回転工具にヘッド部の外部で前記導電体を、接点部片を介して接触させる方法である。また、第2の方法は、ヘッド部に内装される導電性部材から、工具保持部材に、ヘッド部内でブラシ接点等によって接触させ、工具保持部材を介して導電体を切削回転工具と電気的導通状態とする方法である。前者の方法の場合、導電体の接点部片が外部に露出することから、後者のようにヘッド部内に接点を設ける方法も広く採用されるようになった。
【0003】
特許文献1及び2には、ヘッド部内に導電体と工具保持部材を介した切削回転工具との接点を設けた根管長測定機能付歯科用ハンドピースが開示されている。特許文献1には、ハンドピース本体に装着するためのヘッドの装着部が導電性部材で構成され、ハンドピース本体に装着することによって、装着部とハンドピース本体内の根管長測定用回路を構成する導電性部材(駆動伝達機構等)と電気的に接続されるように構成した根管長測定機能付きハンドピース用ヘッドが記載されている。そして、本特許文献1におけるこの例では、装着部とヘッドに切削工具を装着するための工具保持機構(工具保持部材)との間が、装着部に設けられたブラシ機構を経由して電気的に接続され、これによって切削工具に至る根管長測定用の信号伝達回路の一方が構成される(同文献の図2、図3に示す例)。また、特許文献2には、ハンドピース本体が導電性部材で構成され、ハンドピース本体内に絶縁被覆された根管長測定信号を伝達するための導線を配設し、この導線の先端が二股状とされた根管長測定機能を有するハンドピースが記載されている。そして、この二股状の導線の一方を頭部軸部材(工具保持部材)に接触手段を介して接触させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3213480号公報
【特許文献2】特許第4638796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、工具保持部材を介して、切削回転工具と根管長測定信号伝達用の導電体との電気的導通状態を確立させるためには、工具保持部材とこれに保持される切削回転工具とが安定した電気的導通状態とされることが肝要である。ところで、切削回転工具は、工具保持部材に対して抜差し自在に嵌挿保持されるので、この抜差しが容易になし得るよう、工具保持部材の保持用筒部の内径は、切削回転工具の胴部(シャンク部)の外径より約10μm程大きく設計され、且つ嵌挿面に潤滑油が塗布される。また、工具保持部材は、チャック機構部を備え、切削回転工具を嵌挿保持させた使用状態では、切削回転工具の抜出しが阻止されるよう構成されるが、このチャック機構部では、例えば、切削回転工具が軸方向に若干の遊びを持った係止関係で保持される。その為、切削回転工具と工具保持部材との前記嵌挿部分の界面における電気的な接触状態が安定せず、根管長の測定精度にばらつきが生じることがある。特に、根管切削を行いつつ切削回転工具の先端位置の検出を行い、根管長の測定を行おうとする場合、このように、根管長の測定精度にばらつきが生じると、表示部による表示が安定しない為術者は治療中に不安を感じることとなる。その結果、切削をためらって根管内の充分深い位置まで根管拡大治療が行えなかったり、逆に切削し過ぎて根尖孔を工具の先端が通過してしまったりするような事態に至る懸念も生じる。
【0006】
特許文献1及び2には、根管長測定信号伝達用の導電体と切削回転工具とを工具保持部材を介して電気的導通状態とする根管長測定機能付歯科用ハンドピースが開示されているが、工具保持部材と切削回転工具との安定した電気的導通状態を維持することについては何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、根管長測定信号伝達用の導電体と、切削回転工具とが、ヘッド部の内部で工具保持部材を介して安定的に電気的導通状態とされる根管長測定機能を有した歯科用根管治療ハンドピースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る歯科用根管治療ハンドピースは、先端ヘッド部と、該先端ヘッド部に連接される細径のネック部と、該ネック部に連接され手指によって把持される把持部と、前記先端ヘッド部に軸回転可能に内装される導電性部材からなる工具保持部材と、を備える歯科用根管治療ハンドピースにおいて、前記工具保持部材に保持される切削回転工具と前記工具保持部材を介して電気的導通状態とされる根管長測定信号伝達用の導電体が前記把持部及びネック部内に設けられ、前記工具保持部材は、前記切削回転工具を軸方向に沿って抜差し可能に且つ相互に軸回転不能に保持するチャック機構部を含み、且つ、前記チャック機構部によって前記切削回転工具の軸方向先端側に抜出し不能に保持された状態の前記切削回転工具に対して前記切削回転工具の軸方向先端側に付勢力を付与する弾性体を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の歯科用根管治療ハンドピースにおいて、前記工具保持部材が、前記切削回転工具の基部側を保持する前記チャック機構部を含む基部側構造体と、該基部側構造体より前記切削回転工具の先端側に位置して前記切削回転工具の胴部を同心的に保持するロータ部とよりなり、前記切削回転工具の基部側には段部が形成され、前記弾性体は、前記段部において前記切削回転工具に前記付勢力を付与するよう前記基部側構造体に内包されているものとしても良い。
【0010】
また、本発明の歯科用根管治療ハンドピースにおいて、前記弾性体が、コイルばね、板ばね、皿ばね、及び波形座金のいずれかであっても良く、更に、前記弾性体が、導電性部材からなるものであっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記先端ヘッド部に軸回転可能に内装された工具保持部材に切削回転工具を保持させ切削回転工具を軸回転させることによって、歯牙の根管切削拡大を行うことができる。また、切削回転工具は工具保持部材にチャック機構部によって抜差し可能に保持されているから、径や形状の異なる切削回転工具を適宜交換保持させて根管拡大過程に応じて的確な根管拡大治療を実施することができる。更に、導電性部材からなる工具保持部材に保持される切削回転工具が、該工具保持部材を介して根管長測定信号伝達用の導電体と電気的導通状態とされるから、これによって、根管長測定信号伝達用の回路の一方が簡易に構成され、根管長測定に供することができる。しかも、根管長測定信号伝達用の導電体は、把持部及びネック部内に設けられ、且つ工具保持部材がヘッド部に内装されているから、導電体から切削回転工具に至る根管長測定信号伝達用の回路を構成する為の接点部がハンドピース外に露出することがない。そして、工具保持部材は、軸方向先端側に抜出し不能に保持された状態の切削回転工具に対して、前記切削回転工具の軸方向先端側に付勢力を付与する弾性体を備えている。即ち、切削回転工具を抜出し不能に保持する力に抗した付勢力が弾性体によって作用するから、切削回転工具と工具保持部材とには突っ張り合うような力が作用し、切削回転工具と工具保持部材との安定した電気的導通状態が確立される。これによって、根管長測定信号伝達用の回路の一方が安定的に構成され、根管長測定精度の信頼性が飛躍的に向上する。
【0012】
また、前記弾性体は、工具保持部材の基部側構造体に内包されて、切削回転工具の基部側に形成された段部において、切削回転工具に前記付勢力を付与するように構成されている場合、前記突っ張り合うような力がより効果的発揮される。そして、切削回転工具は、その胴部をして、工具保持部材の一部を構成するロータ部に同心的に保持されるから、ロータ部を介した回転動力は、切削回転工具に的確に伝達される。
【0013】
弾性体が、コイルばね、板ばね、皿ばね、及び波形座金のいずれかであるものとすれば、市場で入手し易いこれら部品を採用することができ、実益が大である。また、弾性体が、導電性部材からなるものとすれば、切削回転工具と工具保持部材との電気的導通がこの弾性体を通じてもなし得、根管長測定精度の信頼性がより高められる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る歯科用根管治療ハンドピースの一実施形態の全体構成を示す断面図である。
【図2】同歯科用根管治療ハンドピースを組み込んだ根管拡大及び根管長測定システムの一例を示す概略図である。
【図3】同根管拡大及び根管長測定システムの概略的制御ブロック図である。
【図4】図1におけるX部の拡大図である。
【図5】(a)(b)(c)は同実施形態の歯科用根管治療ハンドピースに組み込まれる工具保持部材の分解斜視図であり、その組立過程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の歯科用根管治療ハンドピースの実施の形態について図面に基づき説明する。先ず、図2及び図3を参照して本発明に係る歯科用根管治療ハンドピースを組み込んだ根管拡大及び根管長測定システムの一例を説明する。図2及び図3において、歯科用根管治療ハンドピース1は、先端ヘッド部2と、該先端ヘッド部2に連接される細径のネック部3と、該ネック部3に連接され手指によって把持される把持部4とを備えている。そして、把持部4の基部には、先端ヘッド部2に装着される切削回転工具5を回転駆動させるためのモータユニット6が着脱自在に接続される。ハンドピース1にモータユニット6が連結された状態で歯科用インスツルメント10が構成される。このモータユニット6には、該モータユニット6に内蔵されるマイクロモータ7への電源供給用リード線71及び根管長測定信号回路用の一方の信号用リード線8等を内装するホース61が連結され、該ホース61は制御ボックス9に連結されている。信号用リード線8は、後記するようにモータユニット6及びハンドピース1内を経て切削回転工具5と電気的導通状態とされ、該切削回転工具5が後記する根管長測定回路12の一方の電極とされる。
【0016】
制御ボックス9は、制御部11、根管長測定回路12、モータードライバ13、オートストップ位置設定部14、操作部15及び表示部16等を備え、側部には前記インスツルメント10を不使用時に保持するためのホルダ17が取付けられている。また、制御ボックス9には、フートコントローラ18が連結され、更に、根管長測定回路12に連結された根管長測定信号回路用の他方の信号用リード線19が制御ボックス9から導出されている。該信号用リード線19の先端には、患者の唇に引っ掛けられる口腔電極(他方の電極)19aが電気的導通状態で接続されている。制御部11は、根管拡大及び根管長測定システム全体の制御を行うもので、主要部はマイクロコンピュータで構成されている。オートストップ位置設定部14は、切削回転工具5を回転させながら歯牙の根管拡大治療を行う際、予め基準となる根管内の位置を、表示部16を見ながら設定しておき、切削回転工具5の先端がこの設定位置に達したとき、切削回転工具5の回転を自動的に停止或いは逆回転させるものである。このような自動停止等の制御を行うかについての選択は、操作部15で行われる。切削回転工具5のマイクロモータ7による回転制御は、フートコントローラ18の足踏操作によってなされるが、ハンドピース1の把持部4に操作スイッチ(不図示)を設け、この操作スイッチとフートコントローラ18とを併用して回転制御を行うようにしても良い。また、例えば、フートコントローラ18の足踏操作がなされている状態で、さらに根管長測定回路12によって切削回転工具5が根管内に挿入され始めたことが検知されたことをもって、回転を開始するようにしても良い。
【0017】
根管長測定回路12は、前記のようにハンドピース1のヘッド部2に装着される切削回転工具5を一方の電極とし、口腔電極19aを他方の電極として、口腔電極19aを患者の唇に引っ掛け、切削回転工具5を歯牙の根管内に挿入した状態でその回路が構成される。根管長測定回路12は、両電極5,19a間に電圧を印加し、両電極5,19a間のインピーダンスを計測することによって、切削回転工具5の先端が根尖位置に達したときのインピーダンスを検出することで根尖位置を検出する、即ち、根管長の測定を行うもので、この種の根管長測定装置においては従来公知のものである。例示の制御ボックス9は、歯科用診療台の側部に設置されるトレーテーブルやサイドテーブル上に載置されて使用されるが、これらトレーテーブルやサイドテーブルに組み込まれたものであっても良い。また、ハンドピース1をコードレスタイプのもとし、ハンドピース1の把持部4にバッテリーパック、マイクロモータ及び前記制御ボックス9に相当する制御系を組み込み、各種操作部を把持部4の表面に設けると共に、口腔電極19a用のリード線19を把持部4より導出するよう構成しても良い。
【0018】
次に、図1及び図4を参照してハンドピース1の構成について説明する。ハンドピース1は、前半部が合成樹脂の成型体からなる把持部ハウジング4a及びネック部3を介して合成樹脂の成型体からなるヘッドハウジング2aが連なってコントラアングル形に形成されている。把持部ハウジング4a内には、把持部4の基部にモータユニット6が接続されたときに、マイクロモータ7の出力軸72にカップリング部20aを介して連結される第1駆動伝達軸20が軸回転可能に内装されている。第1駆動伝達軸20の先端には第1減速ギヤ機構21を介して第2駆動伝達軸22が軸回転可能に連設され、更に、ネック部3に至る部分には、屈折部分の第2減速ギヤ機構23を介して第3駆動伝達軸24が軸回転可能に連設されている。把持部4の基部には、前記根管長測定信号回路用の一方の信号用リード線8に連結されてモータユニット6の先端部に設けられるソケット81に差込み接続されるプラグ82が設けられている。該プラグ82からはリード線83が把持部ハウジング4a内を引き回され、ソケット及びピンからなるコネクタ部84を介して前記ネック部3に及ぶ細帯板状の導電体85に電気的導通状態で連結されている。ネック部3の下面には、その表面外周より軸心側に向け凹部3aが凹設され、前記導電体85の先端部がこの凹部3aに露出するように臨んでいる。
【0019】
前記第3駆動伝達軸24は、把持部ハウジング4aに一体に嵌装された金属製のスリーブ25内に軸受26を介して軸回転可能に支持され、その先端部にはベベルギヤ27が固設されている。前記導電体85は、スリーブ25とは空間部を介して電気的絶縁状態とされている。また、スリーブ25の前記凹部3aに対応する部分には、雌ネジ部25aが形成されている。ヘッド部2のヘッドハウジング2aには、前記切削回転工具5を前記第3駆動伝達軸24の軸心に直交する軸心回りに回転自在に保持する工具保持部材28が内装されている。該工具保持部材28は、チャック機構部31を含む基部側構造体30と、該基部側構造体30より切削回転工具5の先端側に位置するロータ部29とよりなる。ロータ部29は、前記ベベルギヤ27に噛合うギヤ部29bを一体に備えた導電性部材からなる中空円筒状のロータ本体29aを含み、該ロータ本体29aの内筒部29aaに前記切削回転工具5のシャンク部(胴部)5aが同心的に挿通可能とされている。前記チャック機構部31は、前記ロータ本体29aに挿通された切削回転工具5の基部側に係止し、切削回転工具5をその軸方向先端側への抜出し不能に保持することが可能とされている。工具保持部材28は、合成樹脂製のすべり軸受32,33を介し、ヘッドハウジング2a内に軸回転可能に支持されている。
【0020】
切削回転工具5は、ファイル或いはリーマと称されるもので、ロータ本体29aの内筒部29aaに抜差自在に挿通されるシャンク部5aと、該シャンク部5aに同心的に圧入一体とされた針状の切削作用部5bとよりなり、全体が導電性部材によって構成される。該切削回転工具5の基端部には、前記チャック機構部31を構成する径方向に可動の導電性部材からなるチャック部材34の爪部34aが弾性的に係止する係止凹部5cが周溝状に形成されている。以下において、上或いは下なる用語は、図4に示される図との関係において、紙面上側を上、下側を下と表すものとして用いている。切削回転工具5を、シャンク部5aをしてロータ本体29aの内筒部29aaに挿入させると、爪部34aが係止凹部5cに弾性的に嵌まり込んで係止され、これによって、切削回転工具5のロータ部29(ロータ本体29a)からの軸方向先端側への抜出が阻止される。また、切削回転工具5の上端側(基部側)には、Dカット部5dが形成されている。一方、前記ロータ本体29aは、上下方向において前記基部側構造体30の位置する部分にまで及んでおり、該ロータ本体29aにおける当該部分には、このDカット部5dを含む切削回転工具5の基部側部分に整合する断面半月形状の受容部29cが形成されている(図5も参照)。該受容部29cは前記内筒部29aaに連通している。切削回転工具5がロータ本体29aに抜出不能に挿入された状態では、Dカット部5dを含む切削回転工具5の基部側部分が受容部29cに受容され、切削回転工具5がロータ部29と一体的に軸回転可能な状態とされる。このとき、切削回転工具5のシャンク部5aがロータ本体29aの内筒部29aaに接触状態とされて、切削回転工具5とロータ部29とが電気的導通状態とされる。前記Dカット部5dの下端は段部5eとされている。チャック機構部31の更に詳細は後記する。
【0021】
ヘッドハウジング2aの上端部は開口し、この開口部に、支持リング35が螺合されている。この支持リング35の下部は、上側(開口部側)の前記軸受32の外径面に外嵌されると共に軸受32の上面の一部に当止している。また、支持リング35の上部には、キャップリング36が螺合され、該キャップリング36には、キャップを兼ねたチャック解除ボタン37が上方への抜出しが不能の状態で取付けられている。チャック解除ボタン37と支持リング35との間に圧縮コイルばね38が弾装され、チャック解除ボタン37は、この圧縮コイルばね38によって常時上方に弾力付勢されている。チャック解除ボタン37の下面には短寸の作用筒部37aが下向きに突設され、チャック解除ボタン37を、手操作により圧縮コイルばね38の弾力に抗して押下げると、前記チャック部材34に作用して該チャック部材34を、前記爪部34aが前記係止凹部5cから外れる方向(遠心方向)に変位させる。即ち、作用筒部37aの下端面は、傾斜したカム面37bとされ、チャック部材34の上端には、該カム面37bの作用を受ける傾斜したカムフォロア面34bが形成されている。チャック解除ボタン37の押下げによって、カム面37bがカムフォロア面34bに作用すると、この両面のカム作用によって、チャック部材34は図4において右方に変位し、爪部34aが前記係止凹部5cから外れ、切削回転工具5のロータ部29からの抜出しが可能とされる。チャック部材34の更に詳細な構成についても後記する。支持リング35、キャップリング36及びチャック解除ボタン37により形成される空間に、前記チャック機構部31を含む基部側構造体30が収容される。また、支持リング35、キャップリング36及びチャック解除ボタン37は、チャック解除ボタン37の前記圧縮コイルばね38の弾力に抗した押下げ操作による応力が繰返し負荷されるから、これに耐え得るよう金属によって作製される。
【0022】
ヘッドハウジング2aの下端部は、前記ロータ本体29aの下端部周辺部分が露出するよう円形に切欠かれており、この切欠部2bは、ネック部3の下面に形成された前記凹部3aと連続するように形成されている。前記の連続する凹部3a及び切欠部2bには、カバー部材39が嵌め込み装着される。該カバー部材39は、非導電性の金属部材或いは合成樹脂部材からなり、凹部3a及び切欠部2b内に、その内周部に密接する状態で嵌まり込み得る形状とされている。該カバー部材39は、前記凹部3aに嵌り込む第1部分39Aと、切欠部2bに嵌り込む第2部分39Bとが段差状に連なるよう一体に形成されている。第1部分39Aの上面には、板状の導電性部材からなる接点部片40が、面接触状態で固着され、また、該接点部片40に一体連接されて互いに向き合う円弧形状部41aを有する一対の挟片状電極部片41(図4では一方のみ図示)が第2部分39Bの上面に及ぶように形成されている。電極部片41は、その板面が第2部分39Bの上面に垂直となるように形成され、また、両電極部片41の円弧形状部41aの内周による仮想円の径が、ロータ本体29aの下端部における外径より若干小さくなるように設定されている。
【0023】
前記カバー部材39における第1部分39Aの下面には下向きに開口する溝状凹部39Aaが形成され、その略中央部には円孔39Abが開設されている。また、第2部分39Bの略中央部には、前記円弧形状部41aの内周による仮想円と同心の円孔39Baが開設されている。第1部分39Aに開設される円孔39Abは、止具42を挿通するための孔であり、前記接点部片40の対応する位置にも同心の透孔40aが形成されている。止具42は、雄ネジ部42aを有し、前記円孔39Ab及び透孔40aを貫通させ、頭部42bにドライバー等の工具を作用させることによって、前記雌ネジ部25aに雄ネジ部42aを螺合させることができる。これによって、前記凹部3a及び切欠部2aに嵌め込まれたカバー部材39がスリーブ25に装着固定される。この固定状態では、図4に示すように、止具42の頭部は前記溝状凹部39Aaよりほとんど突出することなく収まり、第1部分39Aも凹部3a内に概略収まって該凹部3a近傍のネック部3の外形状の一部をなすよう整合した状態とされる。導電体85の先端部85aは前記凹部3aに臨む自由端とされ、該凹部3a内で若干下向きに垂れ下がるような屈折或いは湾曲された形状とされている(図4の2点鎖線参照)。従って、カバー部材39をスリーブ25に取付けた時、先端部85aが接点部片40に当接した状態で押し上げられて実線のように変形し、この復元弾力によって先端部85aと接点部片40とが強く弾接して両者が確実に電気的導通状態とされる。この先端部85aの近傍部に原形状が2点鎖線で示す切起し部85bが形成され、導電体85の配設状態では、スリーブ25の下面にこの切起し部85bの切起し端が当接し、実線で示すように弾性変形した状態とされる。切起し部85bの弾性変形による復元弾力により、先端部85aに強い下向きの力が作用し、前記先端部85aと接点部片40との弾接がより強固になされ、両者の電気的導通状態がより確実なものとされる。
尚、切起し部85bとスリーブ25との当接部のいずれか一方に、絶縁皮膜等を介在させ、両者が電気的絶縁状態とされる。
【0024】
前記カバー部材39の第2部分39Bに開設された円孔39Baの径は、切削回転工具5のシャンク部5aの外径より若干大とされている。前記のように第1部分39Aの凹部3aに対する嵌め込み装着は、同時に第2部分39Bが前記切欠部2bに収まるようになされる。このとき、前記一対の挟片状電極部片41を押し広げ、前記ロータ本体29aの下端部外周部を挟むようにして円弧形状部41aをロータ本体29aの外周部に弾接させる。これによって、電極部片41がロータ本体29aの外周部にブラシ状に接し、両者の電気的導通状態が達成される。
尚、電極部片として、一対の挟片状電極部片41を例示したが、1個の舌片状の部片をロータ本体29aに弾接させるようにしても良い。
【0025】
前記のようにカバー部材39が凹部3a及び切欠部2bに嵌め込み装着された状態で、前記切削回転工具5を第2部分39Bの透孔39Baを貫通させ、ロータ本体29aの内筒部29aaに挿入して前記チャック機構部31等を介して工具保持部材28に保持させる。この保持状態では、ロータ部29と切削回転工具5とは一体的に軸回転可能で、前記マイクロモータ7の回転動力を伝達させ、切削回転工具5を軸回転させることによって、その切削作用部5bをして歯牙の根管拡大治療を実施することができる。このとき、挟片状電極部片41は、ブラシ接点としてロータ本体29aの外周部に摺接する。また、切削回転工具5はロータ本体29aの内筒部29aaに接触した状態とされ、ロータ部29は、電極部片41、接点部片40、導電体85及びリード線83等を介して根管長測定用信号回路用の一方の信号用リード線8と電気的導通状態とされる。従って、切削回転工具5を根管長測定用の一方の電極として歯牙の根管に挿入し、前記口腔電極19aを他方の電極として患者の唇に引っ掛けた状態で、図2に示す根管長測定回路12を駆動させることによって、根管長の測定を実施することができる。
【0026】
ところで、前記のような根管治療に際しては、切削回転工具5の着脱交換が頻繁になされる。その為、切削回転工具5の内筒部29aaに対する挿通性を考慮して、内筒部29aaの内径は切削回転工具5のシャンク部5aの外径より約10μm程度大とされると共に、シャンク部5aの周面には潤滑性のオイルが塗布される。従って、シャンク部5aの外周面と内筒部29aaの内周面とは接触状態ではあっても、切削回転工具5の回転過程でこの接触状態が一瞬途切れることがある。このような接触状態の一瞬の途切れは、根管長測定信号に影響し、誤検出の要因となることがある。その為、本発明では、以下に述べる工具保持部材28の構成によって、このような誤検出の発生の懸念をなくすようにしている。
【0027】
工具保持部材28の構成について、図5(a)(b)(c)も参照して詳細に説明する。前記チャック部材34は、平面視して半円環状体であって、前記ロータ本体29aの上端部の側周部に配置される。ロータ本体29aの該側周部には前記受容部29cと連通する切込孔29dが形成され、チャック部材34を当該側周部に配置した状態では、爪部34aが受容部29c内に突出するよう切込孔29dに挿通される(図4及び図5(c)参照)。チャック部材34は、前記配置状態で、開環ばね部材43によって、ロータ本体29aの上端部に包持され、この開環ばね部材43の弾力に抗して遠心方向への変位が可能とされている。また、前記受容部29cを構成する壁部であって、肉厚の壁部には、ロータ本体29aの上端面より軸心方向に沿った有底の縦穴29eが、底部で一部が前記内筒部29aaに連通するよう形成されている。この縦穴29e内には、導電性部材からなる圧縮コイルばね(弾性体)44が収納され、この収納状態で導電性金属部材からなるばね押さえキャップ44aが縦穴29eの開口部に固着されて、圧縮コイルばね44の抜出しが防止されている。縦穴29eに収納された圧縮コイルばね44は、その下端部分が前記内筒部29aaに臨んだ状態とされる。
尚、弾性体として図例のような圧縮コイルばね44を例示したが、引張コイルばね、板ばね、皿ばね、波形座金等も用いることができる。
【0028】
工具保持部材28は、図5(a)の分解斜視図で示すような部品構成からなる。その組立において、図5(b)に示すように先ず圧縮コイルばね44が前記縦穴29eに収納され、更に、ばね押さえキャップ44aが縦穴29eの開口部に固着されて該開口部が封止される。圧縮コイルばね44は、この収納状態で、縦穴29eの底部とばね押さえキャップ44aとの間で若干圧縮された状態とされると共に、下端部分の一部が内筒部29aaに臨む状態とされる。そして、下部軸受33を、下方よりロータ本体29aの下端部分に外装し、上部軸受32を上方よりロータ本体29aに外装してロータ本体29aに形成された鍔部29fに支持させる。更に、チャック部材34をロータ本体29aの上端部の側周部に配置し、爪部34aを切込孔29dに挿入した上で、開環ばね部材43によってチャック部材34をロータ本体29aの上端部に包持させる。これによって、図5(c)に示すように、チャック機構部31を含む基部側構造体30とロータ部29とからなる工具保持部材28の組立が完了する。
【0029】
前記のように組立てられた工具保持部材28は、ヘッドハウジング2aの上端開口部より、下部軸受33が装着されている部分を下向きにしてヘッドハウジング2a内に組み込まれる。その後、ヘッドハウジング2aの開口部には、支持リング35、キャップリング36、圧縮コイルばね38及びチャック解除ボタン37が組付けられる。また、把持部4がヘッド部2のネック部3に結合されて、切削回転工具5への駆動伝達系が確立されると共に、カバー部材39も所定の部位に取付けられる。このようなヘッド部2及び把持部4の組立て構造においては、導電体85と工具保持部材28のロータ本体29aとが接点部片40及び電極部片41を介して電気的導通状態とされる。また、ロータ本体29aと支持リング35とが非導電性の上部軸受32を介して電気的絶縁状態とされる。更に、キャップリング36を介して支持されるチャック解除ボタン37は、チャック部材34に対して非接触であり、且つ、圧縮コイルばね38はチャック解除ボタン37と支持リング35との間に弾装されるから、ヘッド部2において露出するチャック解除ボタン37及びキャップリング36は、チャック解除ボタン37を押し込み操作しない限り、ロータ本体29aと電気的絶縁状態に維持される。
【0030】
このように構成された歯科用根管治療ハンドピース1の使用にあたっては、該歯科用根管治療ハンドピース1の基部にモータユニット6が接続され、ヘッド部2には、切削回転工具5が取付けられる。即ち、チャック解除ボタン37を圧縮コイルばね38の弾力に抗して押下げ、前記カム面37b及びカムフォロア面34bの作用をして、開環ばね部材43の弾性拡径を伴いチャック部材34を遠心方向に変位させる。この状態で、図5(c)の1点鎖線でも示すように、切削回転工具5をその基端部より、ロータ本体29aの内筒部29aaに上向きに挿入する。そして、切削回転工具5を手探りするようにその軸心の回りに回転させながら、Dカット部5dを含む切削回転工具5の基部側部分が前記受容部29cに整合した位置で更に切削回転工具5を押上げ、当該基部側部分を受容部29cに嵌挿させる。この嵌挿過程で、切削回転工具5の前記段部5eが圧縮コイルばね44の下端に当接するが、段部5eとばね押さえキャップ44aとの間で圧縮コイルばね44を圧縮させながら、更に押上げを継続する。
【0031】
前記係止凹部5cがチャック部材34の爪部34aの位置にまで達すると、押上げ操作を停止して切削回転工具5をその位置に手持ち保持し、同時にチャック解除ボタン37の押下げ操作も停止してチャック解除ボタン37を手離す。チャック解除ボタン37の手離しによって、チャック解除ボタン37が圧縮コイルばね38の弾力によって上方に移行し、前記カム面37bがカムフォロア面34bから離れ、両者によるカム作用が解かれる。これに伴い、前記開環ばね部材43の縮径復元弾力によって、チャック部材34が求心方向に変位し、爪部34aが係止凹部5cに嵌まり込む。爪部34aが係止凹部5cに嵌まり込んだ状態で切削回転工具5を手離すと、圧縮された圧縮コイルばね44の復元弾力が段部5eに作用し、切削回転工具5には軸方向先端側への付勢力が付与される。切削回転工具5は、係止凹部5cの上側内壁部が爪部34aに係止され、軸方向先端側への抜出しが不能な状態に維持される。この場合、爪部34aによる切削回転工具5を抜出し不能に保持する力に抗した付勢力が圧縮コイルばね44によって段部5eに作用するから、切削回転工具5と工具保持部材28(ロータ本体29a)とには、チャック部材34を介して突っ張り合うような力が作用し、切削回転工具5と工具保持部材28との安定した一体化が図られる。また、Dカット部5dを含む切削回転工具5の基部側部分が前記受容部29cに嵌挿された状態により、ロータ本体29aと切削回転工具5とが相互に軸回転不能の状態で一体化される。これによって、モータユニット6のマイクロモータ7による回転動力は、前記駆動伝達系を介して工具保持部材28に伝達され、工具保持部材28と共に切削回転工具5が一体に軸回転可能とされる。
【0032】
切削回転工具5と工具保持部材28との安定した一体化が図られることにより、切削回転工具5が、チャック部材43、ロータ本体29a、電極部片41及び接点部片40を介して導電体85と安定した電気的導通状態とされる。また、圧縮コイルばね44も導電体からなるから、圧縮状態の圧縮コイルばね44を通じて切削回転工具5とロータ本体29aとの安定した電気的導通状態も維持される。これにより、根管治療時において、切削回転工具5のシャンク部5aとロータ本体29aの内筒部29aaとの接触変動があっても、根管長測定信号伝達用の回路の一方が安定的に構成され、精度の高い根管長測定を実施することができる。また、上部軸受32が合成樹脂製の非導電性すべり軸受からなるから、キャップリング36及びチャック解除ボタン37が工具保持部材28と電気的絶縁状態とされ、根管治療中、キャップリング36及びチャック解除ボタン37が口腔内の生体に触れても、根管長測定信号伝達用の回路に影響せず、根管長測定精度が維持される。更に、上部軸受32が合成樹脂製の非導電性すべり軸受からなるから、金属製軸受を使用する場合のように、磨耗粉が前記カム面37b及びカムフォロア面34bに付着して、両面が電気的に短絡して、根管長測定信号伝達用の回路に影響するような事態が生じる懸念もない。
【0033】
特に、図2に示す表示部16を見ながら、切削回転工具5を回転させて根管切削を行いつつ切削回転工具5の先端位置の検出を行い、根管長の測定を行おうとする場合、表示部16による表示が安定するから、術者は治療中に不安を感じることがない。従って、切削をためらって根管内の充分深い位置まで根管拡大治療が行えなかったりすることがなく、逆に切削し過ぎて根尖孔を工具の先端が通過してしまったりするような事態に至る懸念もなくなる。また、オートストップ位置設定部14と操作部15とで、切削回転工具5の回転を自動的に停止或いは逆回転させる制御を行うよう選択している場合も、精度の高い根管長測定が行われることから、切削回転工具5が設定位置に到達していないにも拘らず自動停止或いは自動逆回転が行われてしまう、といった事態が生じる懸念もない。
【0034】
尚、前記実施形態では、切削回転工具5の駆動源をマイクロモータとしたが、これに限らず、根管拡大に適した低出力のエアモータやその他の駆動手段を駆動源とすることもできる。また、図示及び説明を省略したが、この種のハンドピース(インスツルメント)では、各機構部を冷却するためのエア供給通路や、治療歯牙を照射するための光源及び導光路、更には、歯牙に注水するための注水管路等も必要によって装備される。更に、前記凹部3aをネック部3の下面(切削回転工具5が突出する側)に設けた例を示したが、ネック部3の側面に設けても良い。加えて、基部側構造体30及びロータ部29からなる工具保持部材28の具体的構造も、図例のものに限定されず、他の構造のものも採用可能である。また、チャック部材34及び圧縮コイルばね44が、共に導電性部材からなる例について述べたが、どちらか一方を導電性部材からなるものとしても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 歯科用根管治療ハンドピース
2 ヘッド部
3 ネック部
4 把持部
5 切削回転工具
5a シャンク部(胴部)
5e 段部
28 工具保持部材
29 ロータ部
30 基部側構造体
31 チャック機構部
44 圧縮コイルばね(弾性体)
85 導電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端ヘッド部と、該先端ヘッド部に連接される細径のネック部と、該ネック部に連接され手指によって把持される把持部と、前記先端ヘッド部に軸回転可能に内装される導電性部材からなる工具保持部材と、を備える歯科用根管治療ハンドピースにおいて、
前記工具保持部材に保持される切削回転工具と前記工具保持部材を介して電気的導通状態とされる根管長測定信号伝達用の導電体が前記把持部及びネック部内に設けられ、
前記工具保持部材は、前記切削回転工具を軸方向に沿って抜差し可能に且つ相互に軸回転不能に保持するチャック機構部を含み、且つ、前記チャック機構部によって前記切削回転工具の軸方向先端側に抜出し不能に保持された状態の前記切削回転工具に対して前記切削回転工具の軸方向先端側に付勢力を付与する弾性体を備えていることを特徴とする歯科用根管治療ハンドピース。
【請求項2】
請求項1に記載の歯科用根管治療ハンドピースにおいて、
前記工具保持部材が、前記切削回転工具の基部側を保持する前記チャック機構部を含む基部側構造体と、該基部側構造体より前記切削回転工具の先端側に位置して前記切削回転工具の胴部を同心的に保持するロータ部とよりなり、
前記切削回転工具の基部側には段部が形成され、前記弾性体は、前記段部において前記切削回転工具に前記付勢力を付与するよう前記基部側構造体に内包されていることを特徴とする歯科用根管治療ハンドピース。
【請求項3】
請求項1または2に記載の歯科用根管治療ハンドピースにおいて、
前記弾性体が、コイルばね、板ばね、皿ばね、及び波形座金のいずれかであることを特徴とする歯科用根管治療ハンドピース。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の歯科用根管治療ハンドピースにおいて、
前記弾性体が、導電性部材からなることを特徴とする歯科用根管治療ハンドピース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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