説明

殺微生物剤

本発明は、殺菌活性を有する一般式(I)の化合物:


式中Hetは、5又は6員の複素環であり、酸素、窒素及び硫黄から各々独立に選ばれた1個から3個の複素原子を含み、該環は基R3、R4及びR5で置換されている;R1及びR2は独立にH、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;そしてR3、R4及びR5は、各々独立にH、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個はHでない;これらの化合物の調製法、それらの調製に用いられる新規中間体、少なくとも1つのこれら新規化合物を活性成分として含む農薬組成物、該組成物の調製法、及び該活性成分もしくは該組成物の、植物病原性微生物ことに菌類による植物への襲撃を抑制または予防するための、農業又は園芸における使用、に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なオルト-置換アニリンから誘導される、新規なカルボキサミドに関する。カルボキサミドは殺微生物剤活性、殊に殺菌活性を有する。本発明はまた、これら化合物の製造法、これら化合物の調製に用いられる新規なオルト-置換アニリン中間体、少なくとも1種の新規なカルボキサミドを活性成分として含む農薬組成物、該組成物の調製法、及び、植物病原微生物、特に菌、による植物への襲撃を抑制し又は予防するための、農業又は園芸における、活性成分又は組成物の使用、に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なカルボキサミド及び殺微生物剤としての使用は文献、例えばWO 03/074491及びWO 04/035589に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、殺微生物活性を有する、新規なカルボキサミドの提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、一般式(I):
【化1】

の化合物(式中Hetは、5又は6員の複素環であり、酸素、窒素及び硫黄から各々独立に選ばれた1個から3個の複素原子を含み、該環は群R3、R4及びR5で置換されている;R1及びR2は独立にH、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;そしてR3、R4及びR5は、各々独立にH、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個はHでない)、を提供する。
【0005】
該シクロプロピル環は、該シクロブチル環の2-又は3-位に結合することができ、該アニリド部分はシクロブチル環の1位に結合している。
【0006】
Hetは、1から3個の酸素、窒素又は硫黄複素原子を含む、任意の5-又は6-員の複素環であることができる。特に重要な化合物は、Hetがピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、2,3-ジヒドロ-[1,4]オキサチイニル、オキサジニル、チアジニル又はトリアジニルであるものである。該複素環は、基R3、R4及びR5の内の一つがHでない、少なくとも1個の置換基を含む。基R3、R4及びR5は、典型的にはH、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル及びモノフルオロメチルを意味する。
【0007】
R1及びR2は、独立にH、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルである。通常、それらは同一である。典型的には、それらは共にH又は共にC1-4アルキルであり、通常は共にH又は共にメチルである。
【0008】
ハロは、孤立の場合も他の置換基と結合した場合(例えばハロアルキル)も、一般にはフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードであり、通常はフルオロ、クロロ、ブロモであり、特にはフルオロ又はクロロである。
【0009】
各々のアルキル基(又はハロアルキルのアルキル部分)は、1から4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖であり、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-プロピル、sec-ブチル、iso-ブチル又はt-ブチルである。典型的にはメチル又はエチルである。
【0010】
ハロアルキル部分は、1個又はより多くの同一の又は異なるハロゲン原子で置換されたアルキル部分であり、例えばモノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2,-トリフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。
【0011】
式(I)の化合物は、異なる幾何異性体又は光学異性体、又は異なる互変異性型として存在できる。これらはよく知られた(通常クロマトグラフィーの)技術によって分離又は単離できる、そして、全てのそのような異性体、互変異性体及びそれらのあらゆる比率での混合物は、重水素化化合物のような同位体型をも含めて、本発明の部分である。特に、シクロブタン環の異なる炭素原子に異なる置換基があるため、シス-トランス異性が存在する。本発明は、そのような異性体が存在する場合の新規化合物のシス異性体及びトランス異性体の両方を、分離されたものとして又は任意の比率の混合物として、含む。通常、式(I)の化合物及び後述する新規中間体(II)及び(III )は、シクロプロピル環がシクロブチル環の3位に結合した場合はシス/トランス混合物として、そして、シクロプロピル環がシクロブチル環の2位に結合した場合は、優勢的にシス異性体として、得られる。
【0012】
本発明の一態様において、Het、R1、R2及びR3は上に定義されたようなものであり、R1及びR2は共にHか又は共にC1-4アルキルである。シクロプロピル環はシクロブチル環の2位又は3位のどちらかに結合している。
【0013】
本発明のもう一つの態様において、R1及びR2は上に定義されたようなものであり、Hetはピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、2,3-ジヒドロ-[1,4]オキサチイニル、オキサジニル、チアジニル又はトリアジニルであり、環は上に定義した基R3、R4及びR5の少なくとも1つで置換されている。該シクロプロピル環は、シクロブチル環の2位又は3位のどちらかに結合している。
【0014】
通常、Hetは、ピロリル(特にピロール-3-イル)、ピラゾリル(特にピラゾール-4-イル)、チアゾリル(特にチアゾール-5-イル)、オキサゾリル(特にオキサゾール-5-イル)、1,2,3トリアゾリル(特に2-H-1,2,3-トリアゾリル)、ピリジル(特にピリド-3-イル)又は2,3-ジヒドロ[1,4]オキサチイニル(特に2,3-ジヒドロ-[1,4]オキサチイン-5-イル)である。典型的には、それは、ピロール-3-イル、ピラゾール-4-イル、チアゾール-5-イル又はピリド-3-イルであり、好ましくはピラゾール-4-イルである。
【0015】
Hetの置換基(R3、R4及びR5)、互いに独立である、は、通常H、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1-4アルキル(特にメチル及びエチル)又はC1-4ハロアルキル(特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル及びクロロジフルオロメチル)である。
【0016】
Hetは、典型的には、一般式(Het1) のピロール-3-イル及び一般式(Het2) のピラゾール-4-イル:
【化2】

【化3】

(両一般式において、R3はC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はモノフルオロメチル)、R4はC1-4アルキル(特にメチル又はエチル)、そしてR5はH又はハロ(特にH、フルオロ又はクロロ));一般式(Het3):
【化4】

のチアゾール-5-イル及びオキサゾール-5-イル(式中Qは酸素又は硫黄であり、R3はC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチル)であり、R4はC1-4アルキル(特にメチル又はエチル);一般式(Het4):
【化5】

の2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル(式中R3はC1-4アルキル又はハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はモノフルオロメチル)であり、R4はC1-4アルキル(特にメチル又はエチル)である);一般式(Het5):
【化6】

のピリド-3-イル(式中R3はハロ又はC1-4アルキル(特にクロロ、ブロモ又はトリフルオロメチルである);又は、一般式(Het6):
【化7】

の2,3-ジヒドロ[1,4]オキサチイン-5-イル(式中R3はC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル又はトリフルオロメチル)である)、を意味する。
【0017】
特に重要な化合物は、Hetが直上に述べた典型的な意味のものであり且つR1及びR2が共にHであるか又は共にメチルのものである。
【0018】
本発明のもう1つの態様において、一般式(I)を有し、Hetが、1位がC1-4アルキル(特にメチル又はエチル)で置換され、4位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はモノフルオロメチル)で置換され、及び所望により2位がハロ(特にフルオロ又はクロロ)で置換されたピロール-3-イル;1位がC1-4アルキル(特にメチル又はエチル)で置換され、3位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はモノフルオロメチル)で置換され、及び所望により5位がハロ(特にフルオロ又はクロロ)で置換されたピラゾール-4-イル;2位がC1-4アルキル(特にメチル又はエチル)で置換され、且つ4位がC1-4アルキル又はハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチル)で置換されたチアゾール-5-イル又はオキサゾール-5-イル(通常チアゾール-5-イル);6位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル又はトリフルオロメチル)で置換された2,3-ジヒドロ[1,4]オキサチイン-5-イル;2位がハロ又はC1-4アルキル(特にクロロ、ブロモ又はトリフルオロメチル)で置換されたピリド-3-イル;又は2位がC1-4アルキル(特にメチル又はエチル)で、且つ5位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキル(特にメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はモノフルオロメチル)で置換された2H-1,2,3-トリアゾ-4-イルであり;R1及びR2は共にH又は共にアルキル(特にメチル)、である化合物が提供される。
【0019】
本発明の更にもう1つの態様において、一般式(I)を有し、Hetが2-C1-4アルキル-4-C1-4ハロアルキルチアゾール-5-イル、2-ハロピリド-3-イル、1-C1-4アルキル-4-C1-4-ハロアルキルピロール-3-イル又は1-C1-4アルキル-3-C1-4ハロアルキルピラゾール-4-イルであり;R1及びR2は共にハロゲンであり;シクロプロピル環はシクロブチル環の2-又は3-位のいずれかに結合している、化合物が提供される。
【0020】
本発明の又更なるもう1つの態様において、一般式(I)を有し、Hetが2-メチル-4-トリフルオロメチルチアゾール-5-イル、2-クロロピリド-3-イル、1-メチル-4-トリフルオロメチルピロール-3-イル、1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イル又は1-メチルー3−ジフルオロメチルピラゾール-4-イルであり;R1及びR2は共にHであり;シクロプロピル環はシクロブチル環の2-又は3-位のいずれかに結合している、化合物が提供される。
【0021】
本発明は、下記表1から12に挙げた式(I)の個々の化合物により更に説明される。物性データは表13中で与えられる。
【0022】
表1:式(IA)
【化8】

の化合物。
【0023】
【表1】

【0024】
表2:式(IB)
【化9】

の化合物。
【0025】
【表2】

【0026】
表3:式(IC)
【化10】

の化合物。
【0027】
【表3】

【0028】
表4:式(ID)
【化11】

の化合物。
【0029】
【表4】

【0030】
表5:式(IE)
【化12】

の化合物。
【0031】
【表5】

【0032】
表6:式(IF)
【化13】

の化合物。
【0033】
【表6】

【0034】
表7:式(IG)
【化14】

の化合物。
【0035】
【表7】

【0036】
表8:式(IH)
【化15】

の化合物。
【0037】
【表8】

【0038】
表9:式(Ii)
【化16】

の化合物。
【0039】
【表9】

【0040】
表10:式(IJ)
【化17】

の化合物。
【0041】
【表10】

【0042】
表11:式(IK)
【化18】

の化合物。
【0043】
【表11】

【0044】
表12:式(IL)
【化19】

の化合物。
【0045】
【表12】

【0046】
表13:物性データ
表13は表1から12の化合物の選ばれた融点とNMRデータを示す。NMR測定溶剤には、別途断らない限りCDCl3 を用いた。混合溶剤の場合は、例えばCDCL3/d6−DEMSOのように示した。全部のケースにつき全部のデータを挙げることはしなかった。
【0047】
表13中及び以下の記載を通して、温度は摂氏で与えられ;「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを意味し;MSは質量分析スペクトルのことであり;%は、相当する濃度が他の単位で示されていない限りは重量パーセントである。この記載を通して、次の略字が用いられた。
m.p =融点 b.p. =沸点
S =1重項 br =ブロード
D =2重項 dd =2重項の2重線(doublet of doublets)
t =3重項 q =4重項
m =多重項 ppm =百万分のI重量比
【0048】
【表13】

【0049】
一般式(I)
【化20】

の化合物(式中Het、R1及びR2は上に与えられた意味を持つ)は、式Het-C(O)Rの化合物(式中Rはハロゲン、水酸基又はC1-6アルコキシであるが、好ましくはクロロ)と、シクロプロピル環がシクロブチル環の2-位又は3-位のどちらに結合しているかにより、式(II)の化合物、又は式(III )の化合物と反応させて調製できる:
【化21】

【化22】

【0050】
該反応は、トリエチルアミン、Huhnig塩基、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピリジン又はキノリンのような塩基、好ましくはトリエチルアミン、の存在下、そしてジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド又はN-メチルピロリジノンのような溶媒中、10分超48時間未満好ましくは12から24時間、0℃超還流温度未満好ましくは20から25℃で行われる。Rが水酸基の場合、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸、ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスフィン酸クロライド、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド又は1.1'-カルボニル-ジイミダゾールのようなカップリング剤、又はオキザリル酸クロライドのような活性化剤を使用することもできる。
【0051】
このようなo-置換アニリン類(II)及び(III )は計画1及び2に関して下記したようにして調製することが出来る。
【化23】

【0052】
計画1において、一般式(II)の化合物(式中R1及びR2は上に定義されている)は、式(IV)のシクロブタノールを、例えば硫酸のような強酸及び炭素担持パラジウムのような触媒の存在下での水素化により脱水酸基を行って合成できる。シクロブタノール(IV)は、ホルムアミド(V)を、メタノールのような適当な溶媒中、典型的には溶媒の還流温度下、水酸化カリウムのような強塩基で処理して調製できる。ホルムアミド(V)は、低温、典型的には約-100℃におけるN-(2-ブロモフェニル)ホルムアミドとの反応によって調製でき、その際、後者はテトラヒドロフランとジエチルエーテルの混合物のような適当な溶媒に溶解された状態において最初にメチル-及びn-ブチルリチウム溶液と低温下で混合される。2-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(VI)(式中R1及びR2は共にH)の合成は、G. Auchterの博士論文(University of Tuhbingen, 1983)に記載されている。2-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(R1及びR2は上に定義した他の意味を持つ)は、対応する(1,3-ジブロモプロピル)シクロプロパン(VIII)から、同様にして調製できる。従って、2-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(VI)は、1-(2-シクロプロピル-1-イソシアノシクロブタンスルホニル)-4-メチルベンゼン(VII )を、スルホランのような適当な溶媒中、室温で、硫酸で処理することにより調製できる。化合物(VII )は、(1,3-ジブロモプロピル)シクロプロパン(VIII)から、1-イソシアノメタンスルホニル-4-メトキシベンゼン(TosMIC)との、水酸化ナトリウム又はカリウムtert-ブトキサイドのような強塩基存在下、テトラヒドロフラン又はジメチルスルホキシドを含むジメチルエーテルのような適当な溶媒又は混合溶媒中での反応により調製できる。
【化24】

【0053】
計画2で示されるように、一般式(III )の化合物は、上記したホルムアミド(V)及びブタノール(IV)を経る2-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(VI)からの化合物(II)の合成法と同様にして、ホルムアミド(X)及びブタノール(IX)を経て3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(XI)から合成できる。2-シクロプロピルシクロブタノール(VI)(式中R1及びR2は共にHである)の合成は、G. Auchterの博士論文(University of Tuhbingen, 1983)に記載されている。3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン類(式中R1及びR2は上に定義した他の意味を持つ)は、対応するビニルシクロプロパン(XII)からと同様にして調製できる。従って、該3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(XI)は2段階で調製できる。最初に、ビニルシクロプロパン(XII)がn-ペンタンのような適当な溶媒中、トリエチルアミンのような適当な塩基の存在下、高められた温度でジクロロアセチルクロライドと反応させられる。得られる粗2,2-ジクロロ-3-シクロプロピルシクロブタン-1-オンは、精製されなくてもよく、亜鉛/酢酸混合物と高められた温度で処理され望ましい3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(XI)となる。
【0054】
出発物質の(VIII)及び(XII)は、商業的供給元から入手可能であるか、又は文献によく説明された方法で調製できる。
【0055】
該o-置換アニリン類(II)及び(III )は、新規化合物であり、本発明に含まれる。かくて、本発明の更に又もう1つの態様において、一般式(II)又は一般式(III )の化合物:
【化25】

【化26】

(両式中R1及びR2は、独立にH、ハロ、C1−4アルキル又はC1-4ハロアルキルである)、が提供される。
【0056】
通常R1とR2は同一である。典型的には、それらは共にH又は共にC1-4アルキルであり、通常は共にH又は共にメチルである。本発明は、化合物(II)及び(III )の両方のシス及びトランス異性体を含み、それは、単一の異性体であっても任意の比率の異性体混合物であってもよい。特に、本発明は、式(II)の化合物のシス異性体及び式(III )の化合物のトランス/シス混合物を含み、とりわけ式(II)の化合物であってR1及びR2が共にHか又は共にメチルのもののシス異性体、及び式(III )の化合物であってR1及びR2が共にHか又は共にメチルのもののトランス/シス異性体、を含む。
【0057】
本発明の式(I)の化合物は、実用目的において、有用植物を菌、バクテリア又はウイルスのような植物病原微生物によって起る病気から守るための極めて有利な活性スペクトルを持つことが見出された。
【0058】
本発明は、植物病原性微生物による有用植物への襲撃を抑制し又は予防する方法に関し、その際式(I)の化合物が活性成分として植物、その部分又はその生育位置(locus)に適用される。本発明の式(I)の化合物は、低い適用濃度での優れた活性、植物が適用によく耐えること、及び環境的に安全であることにより際立つ。それらは、極めて有用な治療性、予防性及び浸透性を持ち、数多くの有用植物を保護するのに用いられる。式(I)の化合物は、植物又はその部分(果実、花、葉、茎、塊茎、根)、即ち有用植物の異なった作物、に発生する病気を抑制し又は撲滅し、また同時に、後に生育するそれらの植物の部分を例えば植物病原性微生物から保護するためにも用いることができる。
【0059】
式(I)の化合物はまた、植物繁殖用材料殊に種子類(果実、塊茎、種子)及び植物切片(cuttings)(例えばコメ)を、土壌中に存在する植物病原性の菌ばかりでなく菌性の感染症から保護する処理のための消毒剤(dressing agent)としても使用可能である。
【0060】
更に、本発明の式(I)の化合物は、木材又は木材関連技術製品の保護、食物貯蔵又は衛生管理、のような関連場所での菌の抑制にも使用できる。
【0061】
式(I)の化合物は、例えば、次のような綱(class)の植物病原性菌に対し効果がある:Fungi imperfecti(例えばBotrytis、Pyricularia、Helminthosporium、Fusarium、Septoria、Cercospora及びAlternaria)及びBasidiomycetes(例えばRhizoctonia、Hemileia、Puccinia)。更に、それらは又、Ascomycetes綱(例えばVenturia及びErysiphe、Podosphaera、Monilinia、Uncinula)及びOomycetes綱(例えばPhytophthora、Pythium、Plasmopara)に対しても効果がある。良好な活性が、例えばPuccinia recondita 種(spp)のようなさび病に対して観察された。更に、式(I)の新規化合物は、植物病原性のバクテリア及びウイルスに対して(例えばタバコモザイクウイルスに対してのみならず、Xanthomonas 種、Pseudomonas 種、Erwinia amylovoraに対して)有効である。
【0062】
本発明の範囲で、保護される有用植物は、典型的には次の植物種(species)を含む:穀草類(小麦、大麦、ライ麦、カラス麦、コメ、トウモロコシ、モロコシ及び関連種);
ビート(シュガービート、フォダー(fodder)ビート);梨果(pomes)、核果(drupes)及びソフトフルーツ(soft fruits)(リンゴ、ナシ、プラム、桃、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー);マメ科植物(マメ類、レンズマメ、エンドウマメ、大豆);採油植物(アブラナ、カラシ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマ、ココアマメ、グラウンドナッツ(ground nuts));ウリ科植物(カボチャ、キウリ、メロン);繊維植物(木綿、アマ、アサ、ジュート);柑橘果実(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);?(lauraceae)(アボカド、ニッケイ、クスノキ)、又は、装飾用植物のみならず、タバコ、ナッツ、コーヒー豆、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウ、ホップ、バナナ及び天然ゴム植物のような植物。
【0063】
「有用植物」という用語はまた、常用の育種又は遺伝子工学手法の結果としてブロモキシニル(bromoxynil)又は各種除草剤(例えばHPPD抑制剤、ALS抑制剤例えばプリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)及びトリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、EPSPS(5-エノール-ピロビル-シキメート-3-ホスフェート-シンターゼ)抑制剤、GS(グルタミン合成酵素)抑制剤)に対する耐性を付与された有用植物を含むものと解される。
【0064】
「有用植物」という用語はまた、組換えDNA手法を用いて形質転換され、1種又はより多くの選択的に働く毒素、公知の例えば毒素生産バクテリア特にBacillus属のもの、を合成出来るようになった有用植物をも含むものと解される。
【0065】
「有用植物」という用語はまた、組換えDNA手法を用いて形質転換され、選択的な働きを持つ抗病原性物質、例えばいわゆる「病原性関連たんぱく質(pathogenesis-related protein)」(PRP類、例えばEP-A-0 392 225参照)を合成出来るようになった有用植物をも含むものと解される。
【0066】
ここで用いられる有用植物の「生育位置(locus)」という用語は、そこに有用植物の植物繁殖用材料が播かれ又はそこで有用植物の植物繁殖用材料が土壌の中に置かれ、有用植物が生育する場所を含むことを意図する。
【0067】
「植物繁殖用材料」という用語は、植物の増殖にもちいられる、種子のような、植物の発生部分、及び、切片又は塊茎、例えば馬鈴薯、のような生長材料(vegetative material)を意味すると解される。例えば、種子(狭義の)、根、果実、塊茎、球根、根茎及び植物の部分が挙げられる。発芽後又はその土壌から離されて移植される、発芽期の及び若年期の植物もまた挙げられる。これらの若い植物は、移植前に全体又は部分を浸漬処理して保護することもできる。好ましくは、植物繁殖用材料は種子を意味する。
【0068】
式(I)の化合物は、修飾しない形態で、又は、好ましくは製剤技術に通常用いられるキャリヤー及び助剤と共に、使用できる。
【0069】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物及び不活性キャリヤーを含む植物病原性微生物を抑制し及び予防する組成物、及び、活性成分としての式(I)の化合物及び不活性キャリヤーを含む組成物が植物、その部分又は植物生育位置に適用され植物病原性微生物による有用植物への襲撃を抑制し又は予防する方法、にも関する。
【0070】
この、式(I)の最終化合物と不活性キャリヤーとは、知られた方法で好都合に配合され、乳化用濃厚液、被覆用ペースト、直接又は希釈噴霧用溶液、希釈乳液、湿潤用(wettable)粉末、微粉末(dust)、粒状物、そして又、例えば高分子物質によるカプセル化物とされる。該組成物のタイプと共に、噴霧、霧化(atomizing)、散布(dusting)、バラマキ(scattering)、被覆又は注入(pouring)のような適用方法は、目的とする作物と優勢(prevailing)環境に従って選択される。該組成物はまた、肥料、微量栄養素供与剤、又は他の特別な効果を得るための配合物ばかりでなく、安定剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤又は粘着剤(tackifier)のような助剤をも含むことができる。
【0071】
適したキャリヤー及び助剤は、固体又は液体であることが出来、配合技術において有用な物質、例えば天然の又は再生された鉱物、溶媒、分散剤、湿潤化剤、粘着剤、濃厚剤、結合剤又は肥料である。そのようなキャリヤーは、例えばWO 97/33890中に記載されている。
【0072】
式(I)の化合物又は活性成分としての式(I)の化合物と不活性キャリヤーとを含む組成物は、植物の生育位置又は処理されるべき植物に、同時に又は更なる組成物に引き続いて適用することが出来る。これらの更なる組成物は例えば肥料、微量栄養素供与剤又は植物の成長に影響を与える他の調合剤である。それらは、殺虫剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、殺線虫剤、殺軟体動物剤のみならず選択された除草剤であることが出来、幾つかの調合剤の混合物でもよく、所望により更なるキャリヤー、界面活性剤、又は配合技術において慣用される適用促進助剤と一緒であってもよい。
【0073】
式(I)の化合物又は活性成分としての式(I)の化合物と不活性キャリヤーとを含む組成物の好ましい適用方法は、葉への適用である。適用の頻度と割合は、対応する病原体による攻撃の危険性に依存する。しかしながら、式(I)の化合物は、植物の生育位置を液状配合物で濡らすか、又は組成物を固形物例えば粒状物として土壌に適用する(土壌適用)ことにより土壌を経て根から植物に浸透させる(全身作用(systemic action))ことが出来る。水稲作では、そのような粒状物は、水を張った稲作圃場に適用することが出来る。式(I)の化合物はまた、種子類又は塊茎を殺菌剤の液状配合物に浸漬するか又は固形配合物でそれらを被覆することにより種子類に適用(被覆)することが出来る。
【0074】
配合物、即ち式(I)の化合物及び所望により固体又は液体の助剤を含む組成物、は、知られている方法、典型的には化合物を増量剤例えば溶媒、固体キャリヤー、及び所望により界面活性化合物(界面活性剤)と共に均質に混合及び/又は粉砕することにより調製できる。
【0075】
農薬用の配合物は、通常0.1から99重量%、好ましくは0.1から95重量%の式(I)の化合物、99.9から1重量%、好ましくは99.8から5重量%の固体又は液体助剤、及び0から25重量%、好ましくは0.1から25重量%の界面活性剤、を含む。
【0076】
商業製品は濃縮物として配合するのが好ましいが、末端消費者は通常希釈配合物を使用する。
【0077】
有利な適用割合は、通常1ヘクタール(ha)当り、活性成分(ai)5gから2kg、好ましくは10gからIkg、特には20gから600gである。種子類浸漬剤として使用する場合、好都合な適用割合は種子類1kg当り、活性成分10mgから1gである。望ましい作用を得るための適用割合は実験で決めることが出来る。それは、例えば作用のタイプ、有用植物の成長段階、及び適用(場所、時期、適用方法)に依存し、そして、これらのパラメーターのため、広い範囲で変えることが出来る。
【0078】
上記した式(I)の化合物又はその薬剤用塩(pharmaceutical salt)はまた、動物への微生物性感染症の治療(treatment)及び/又は予防のために有利な活性スペクトルを持つことが出来る。
【0079】
「動物」は、どのような動物でもよく、例えば虫、哺乳類、爬虫類、魚類、両生類であり、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトである。「治療」は、感染症の増加もしくは拡大を低減し、遅らせもしくは停止させ、又は感染症を低減し、又は治療する(cure)ための、微生物性感染症に罹った動物への使用を意味する。「予防」は、あらゆる将来の感染を予防し、又はあらゆる将来の感染の増加もしくは拡大を低減しもしくは遅らせるための、微生物性感染症の明らかな兆候のない動物への使用を意味する。
【0080】
本発明によれば、動物の微生物性感染症の治療及び/又は予防における使用のための薬剤の製造への、式(I)の化合物の使用、が提供される。また、薬剤としての式(I)の化合物の使用が提供される。また、動物の治療における抗微生物剤としての式(I)の化合物の使用が提供される。
【0081】
本発明によればまた、活性成分としての式(I)の化合物もしくはその薬剤として許容しえる塩、及び薬剤として許容しえる希釈物又はキャリヤーを含む薬剤組成物が提供される。この組成物は、動物の微生物性感染症の治療及び/又は予防に使用することが出来る。この薬剤組成物は、錠剤、糖衣剤、ハードカプセル、水性懸濁液、油性懸濁液、乳濁液、粉状散剤、粒状散剤、シロップ及びエリキシル剤のような、経口投与に適した形態であることが出来る。また代りに、この薬剤組成物は、スプレー、クリーム、ローションのような局所投与に適した形態であることが出来る。また代りに、この薬剤組成物は、注射のような非経口的投与に適した形態であることが出来る。また代りに、この薬剤組成物は、エーロゾルのような吸入形態であることが出来る。
【0082】
式(I)の化合物は、動物の微生物性感染症の原因となりえる様々な微生物種に対して効果的であろう。そのような微生物種の例は、Aspergillus fumigatus、A. flavus、A. terrus、A. nidulans及びA. nigerのような、Aspergillosisの原因となるもの;Blastomyces dermatitidisのような、Blastomycosisの原因となるもの;Candida albicans、C. glabrata、C. tropicalis、C. parapsilosis、C. krusei及びC. lusitaniaeのような、Candidiasisの原因となるもの;Coccidioides immitisのような、Coccidioidomycosisの原因となるもの;Cryptococcus neofoormansのような、Cryptococcosisの原因となるもの;Histoplasma capsulatumのような、Histoplasmosisの原因となるもの、及びAbsidia corymbifera、Rhizomucor pusillus及びRhizopus arrhizusのような、Zygomycosisの原因となるもの、である。更なる例は、Fusarium oxysporum及びFusarium solaniのようなFusarium Spp、及びScedosporium apiospermum及びScedosporium prolificansのようなScedosporium Sppである。また更なる例は、Microsporum 種(Spp)、Trichophyton 種、Epidermophyton 種、Mucor 種、Sporothorix 種、Phialophora 種、Cladosporium 種、Petriellidium 種、Paracoccidioides 種、及びHistoplasma 種である。
【0083】
次の、発明を限定しない実施例は、上記した本発明をより詳細に説明する。前文に説明の無かった、実施例中の略語の詳細は下記の通りである。
TosMIC = 1-イソシアノメタンスルホニル-4-メチルベンゼン
DMSO = ジメチルスルホキシド
DMF = ジメチルホルムアミド
【実施例】
【0084】
実施例1
この実施例は、1-(2-シクロプロピル-1-イソシアノシクロブタンスルホニル)-4-メチルベンゼン(式(VII )の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、11.1g(0.28mol)の水酸化ナトリウムを80mlのジエチルエーテルと220mlのDMSOの混合物に懸濁した。次いで、19.9g(0.1mol)のTosMICと28.2g(0.115mol)の1,3-ジブロモプロピルシクロプロパンの、30mlのジエチルエーテルと80mlのDMSOの溶液を、90分かけて添加した。1.5時間撹拌後、70mlの水が氷冷下で徐々に添加された。最初の収穫生成物は濾過分離され(16.3g)、母液は蒸発除去された。母液から得られた粗生成物は、次いでシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製した。総合収量:固形物として、19.0g(理論値の68%)の1-(2-シクロプロピル-1-イソシアノシクロブタンスルホニル)-4-メチルベンゼン。
【0085】
実施例2
この実施例は、2-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(式(VI)の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、19.0g(0.069mol)の1-(2-シクロプロピル-1-イソシアノシクロブタンスルホニル)-4-メチルベンゼン(実施例1から)が75mlのスルホランに懸濁された。次いで、内部温度が20-25℃で一定に保たれるように、4mlの水と4mlの濃硫酸を含む混合物が氷冷下で徐々に(10分)添加された。10分間撹拌後、140mlの水酸化ナトリウム濃厚溶液が添加され、得られた混合物はKutsher-Steudel装置中でn-ペンタンにより2回続けて抽出された。溶媒を蒸発除去した後、0.2ミリバールでコールドトラップ中に生成物を凝縮し、純分を得た。収量:3.6g(理論値の47%)の、無色液状の2-シクロプロピル-ブタン-1-オン。
【0086】
実施例3
この実施例は、N-[2-(2-シクロプロピル-1-ヒドロキシシクロブチル)-フェニル]ホルムアミド(式(V)の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、7.8g(0.039mol)のN-(2-ブロモフェニル)ホルムアミドが、150mlの無水テトラヒドロフランと150mlの無水ジエチルエーテルの混合物中に溶解された。該溶液は−75℃まで冷却され、そして、内部温度が−70℃で一定に保たれるように、25.6ml(0.041mol)のメチルリチウム溶液(ジエチルエーテル中1.6モル)が30分かけて添加された。次いで、得られた溶液は−100℃に冷却され、25.6ml(0.041mol)のn-ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6モル)が、内部温度が−100℃(±2℃)で一定に保たれるように、添加された。−70 ℃から−75℃で2時間撹拌した後、溶液は再度−100℃に冷却され、そして、30mlの無水テトラヒドロフランに溶解した4.54g(0.041mol)の2-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(実施例2に記載されたように調製された)が内部温度100℃で徐々に(20分)添加された。−75℃で3時間撹拌した後、温度は約30分かけて0℃まで上げられた。塩化アンモニウム濃厚溶液の添加後、酢酸エチルが添加され、有機相は水で数回洗浄された。脱水及び水噴射減圧による溶媒蒸発除去の後、粗生成物が得られた。精製はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル1:1)で行われた。収量:3.4g(理論値の38%)の、僅かに黄色い液状のN-[2-(2-シクロプロピル-1-ヒドロキシシクロ-ブチル)フェニル]ホルムアミド。
【0087】
実施例4
この実施例は、1-(2-アミノフェニル)-2-シクロプロピルシクロブタノール(式(IV)の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、3.35g(0.0145mol)のN-[2-(2-シクロプロピル-1-ヒドロキシシクロブチル)フェニル]-ホルムアミド(実施例3に記載されたように調製された)、1.3g(0.02mol)の水酸化カリウム及び25mlのメタノールが、還流温度下で3時間撹拌された。次いで、溶媒が水噴射減圧により蒸発除去され、残渣は100mlの酢酸エチルに溶解された。有機相は水で3回洗浄され、硫酸ナトリウムによる脱水後溶媒は水噴射減圧により蒸発除去された。粗生成物はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル2:1)により精製された。収量:2.4g(理論値の84%)の、僅かに茶色がかった油状の1-(2-アミノフェニル)-2-シクロプロピルシクロブタノール(1HMNR(CDCl3:0.2-0.36 ppm/m/2H, 0.55 ppm/m/1H), 1.08 ppm/m/1H), 1.81 ppm/m/2H, 2.3-2.48 ppm/m/3H, 4.2 ppm(ブロード)/3H-NH2+OH), 6.6-6.72 ppm/m/2H, 7.05-7.15/m/2H - 一種類だけの異性体が得られた).).
【0088】
実施例5
この実施例は、2-(2-シクロプロピルシクロブチル)フェニルアミン(式(II)の中間体化合物)の調製を説明する。
2.3g(0.0113mol)の1-(2-アミノフェニル)-2-シクロプロピルシクロブタノール(実施例4に記されたように調製された)が40mlのエタノールに溶解され、3.25gの硫酸(95%)が添加され、そして、10%パラジウム担持活性炭500gの添加後、混合物は室温で1時間水素化された。触媒除去後、エタノールは水噴射減圧により蒸発除去され、残渣はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル4:1)により精製された。収量:黄色油状の、2-(2-シクロプロピルシクロブチル)フェニルアミンのシス異性体(1HNMR(CDCl3):−0.1-0.05 ppm/m/2H, 0.19 ppm/m/1H, 0.55 ppm/m/1H, 1.65 ppm/m/1H, 2.15 ppm/m/3H, 2.52 ppm/m/1H, 3.55 ppm(ブロード)/2H-NH2, 6.68 ppm/d/1H, 6.80 ppm/t/1H, 7.08 ppm/t/1H, 7.18 ppm/d/1H)1.88g(理論値の89%)。
【0089】
実施例6
この実施例は、1-メチル-4-トリフルオロメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸[2-(2-シクロプロピルシクロビチル)フェニル]アミド(化合物 No.2.1)の調製を説明する。
190mg(1mmol)の1-メチル-トリフルオロメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸と140mg(1.05mmol)のオキザリル酸クロライドが10mlの塩化メチレンに溶解された。該溶液は触媒量のDMFの存在下、室温で3時間撹拌された。次いで得られた反応混合物は、190g(1mmol)の2-(2-シクロプロピルシクロブチル)フェニルアミン(実施例5記載のように調製された)、200g(2mmol)のトリエチルアミン及び10mlの塩化メチレンからなる溶液に徐々に添加された。室温下16時間の撹拌後、溶媒は蒸発除去され、粗生成物はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/塩化メチレン/酢酸エチル2:2:1)により精製された。収量:240mg(理論値の66%)の1-メチル-4-トリフルオロメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸[2-(2-シクロプロピルシクロブチル)フェニル]アミド(シス異性体)、僅かに黄色い結晶状(融点:167-169℃)。
【0090】
実施例7
この実施例は、3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(式(XI)の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、11.8g(0.173mol)のビニルシクロプロパンと76.5g(0.52mol)のジクロロアセチルクロライドが700mlのn-ペンタンに溶解された。次いで、35.0g(0.35mol)のトリエチルアミンが1時間かけて添加された。混合物は16時間還流温度に加熱された(寒剤による還流コンデンサーの冷却を必要とした)。反応混合物は氷水で希釈され、有機相が分離された。水相はジエチルエーテルで3回抽出され、次いで全ての有機相が一緒にされた。重炭酸ナトリウム溶液およびブラインによる洗浄後、有機相は硫酸ナトリウムにより脱水された。水噴射減圧による溶媒除去により粗生成物(52gの2,2-ジクロロ-3-シクロプロピルシクロ-ブタン-1-オン)が得られ、それは、精製せずに次の工程に用いられた。
【0091】
スルホン化フラスコ中で、70g(0.173mol)の亜鉛が、室温で、250mlの酢酸に添加された。第一工程で得られた粗生成物52gが50mlの酢酸に溶解され、2時間かけて該亜鉛/酢酸混合物に添加された。次いで、該混合物は65℃で5時間撹拌された。濾過後、液相は水で希釈され、ジエチルエーテルで数回抽出された。硫酸ナトリウムによる有機相の脱水及び水噴射減圧による溶媒の蒸発により粗生成物が得られ、それは蒸留により精製された。収量:4.1g(理論値の21%)の3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン、無色液状(沸点:53-57℃/20ミリバール)。
【0092】
実施例8
この実施例は、N-[2-(3-シクロプロピル-1-ヒドロキシシクロブチル)-フェニル]ホルムアミド(式(X)の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、7.8g(0.039mol)のN-(2-ブロモフェニル)ホルムアミドが100mlの無水テトラヒドロフランの混合物に溶解された。溶液は−100℃に冷却され、60ml(0.096mol)のn-ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6モル)が、内部温度が−100℃(±2℃)で一定に保たれるようにして、1時間かけて添加された。−100℃から−110℃で2.5時間撹拌した後、30mlの無水テトラヒドロフランに溶解した5.3g(0.048mmol)の3-シクロプロピルシクロブタン-1-オン(実施例7記載のように調製された)が、内部温度が−100℃(±2℃)で一定に保たれるようにして、30分かけて添加された。−78℃で3時間撹拌後、温度は30分かけて0℃まで高められた。濃厚塩化アンモニウム溶液と酢酸エチルが添加され、有機相は水で数回洗浄された。脱水及び水噴射減圧による溶媒蒸発後、粗生成物が得られた。精製はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により行われた。収量:2.55g(理論の23%)のN-[2-(3-シクロプロピル-1-ヒドロキシシクロブチル)-フェニル]ホルムアミド、樹脂状。
【0093】
実施例9
この実施例は、1-(2-アミノフェニル)-3-シクロプロピルシクロブタノール(式(IX)の中間体化合物)の調製を説明する。
スルホン化フラスコ中で、2.5g(0.0108mol)のN-[2-(3-シクロプロピル-1-ヒドロキシ-シクロブチル)フェニル]-ホルムアミド(実施例8記載のように調製された)、1.4g(0.021mol)の水酸化カリウム及び25mlのメタノールからなる混合物が、還流温度下で4時間撹拌された。次いで、溶媒は水噴射減圧により蒸発除去され、残渣は100mlの酢酸エチルに溶解された。有機相は水で3回洗浄され、硫酸ナトリウムによる脱水後、溶媒は水噴射減圧により蒸発除去された。粗生成物はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製された。収量:1.65g(理論の75%)の1-(2-アミノフェニル)-3-シクロプロピルシクロブタノール、僅かに茶色がかった固体状(融点:58-61℃)。
【0094】
実施例10
この実施例は、2-(3-シクロプロピルシクロブチル)フェニルアミン(式(III )の中間体化合物)の調製を説明する。
1.22g(0.006mol)の1-(2-アミノフェニル)-3-シクロプロピルシクロブタノール(実施例9記載のように調製された)が、40mlのエタノールに溶解され、1.72gの硫酸(96%)が添加され、10%パラジウム担持活性炭250mgを添加した後混合物は室温で5.5時間水素化された。触媒除去後、エタノールは水噴射減圧により蒸発除去され、残渣はシリカゲル充填フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル5:1)により精製された。収量:0.94g(理論の82%)の、2-(3-シクロプロピルシクロブチル)フェニルアミンのシス/トランス混合物、黄色油状(質量分析:M-187のピーク)。
【0095】
式(I)の化合物の配合例:
【0096】
【表14】

【0097】
【表15】

【0098】
【表16】

【0099】
【表17】

【0100】
【表18】

【0101】
【表19】

【0102】
実施例F7:種子処理のための流動性濃厚液
表1から12の化合物 40%
プロピレングリコール 5%
共重合ブタノール PO/EO 2%
10から20モルのEOを含むトリスチレンフェノール 2%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(20%水溶液として) 0.5%
モノアゾ-顔料 カルシウム塩 5%
シリコーン油(75%の水乳化液として) 0.2%
水 45.3%
細かく磨砕された活性成分は助剤と均質に混合され懸濁濃厚液となり、該濃厚液は水で希釈して、任意の濃度の懸濁液とすることが出来る。そのような希釈液を用いて、噴霧、注入又は浸漬により、植物繁殖用材料のみならず生育中の植物も、微生物による感染を治療及び予防出来る。
【0103】
生物学的実施例:殺菌作用
実施例B-1:Puccinia reconditaに対する作用/小麦(小麦褐色サビ病)
発芽後1週間の小麦cv.Arinaが、噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用1日後に、該小麦は胞子懸濁液(1×105夏胞子(uredospore)/ml)
の噴霧により試験植物への接種を受ける。20℃、湿度95%で2日間培養した後、該植物は、20℃、湿度60%で8日間温室中に保持される。病気の発生率は接種後10日目に評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す(感染率20%未満)。
【0104】
実施例B-2:Podosphaera leucotrichaに対する作用/リンゴ(リンゴのウドンコ病(powdery mildew))
発芽後5週間の実生リンゴ cv. McIntosh が噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用1日後、該リンゴ植物は、試験植物の上から、リンゴウドンコ病に感染した植物を揺すぶることによって接種を受ける。22℃、湿度60%で、14/10時間(明/暗)の光管理下、12日間培養した後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々強い効果を示す(感染率20%未満)。
【0105】
実施例B-3:Venturia inaequalisに対する作用/リンゴ(リンゴ腐敗病(scab))
発芽後4週間の実生リンゴ cv. McIntosh が噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用1日後、該リンゴ植物は、試験植物上に胞子懸濁液(4×105分生子/ml)を噴霧により接種する。21℃、湿度95%で4日間培養後、該植物は21℃、湿度60%で4日間温室中に置かれる。もう1度21℃、湿度95%で4日間培養した後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々強い効果を示す(感染率20%未満)。
【0106】
実施例B-4:Erysiphe graminisに対する作用/大麦(大麦ウドンコ病)
発芽後1週間の大麦植物 cv. Regina が噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用1日後、該大麦植物は試験植物の上からウドンコ病に感染した植物を揺すぶることにより接種される。20℃/18℃(昼/夜)、湿度60%で6日間、温室中で培養した後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々強い効果を示す(感染率20%未満)。
【0107】
実施例B-5:Botrytis cinereaに対する作用/ブドウ(ブドウボトリティス(Botrytis))
発芽後5週間の実生ブドウ cv. Gutedel が噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用2日後、該ブドウ植物は試験植物上に胞子懸濁液(1×105分生子/ml)を噴霧することにより接種される。温室中、21℃、湿度95%、4日間の培養期間後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す。(病気発生率50%未満)。
【0108】
実施例B-6:Botrytis cinereaに対する作用/トマト(トマトボトリティス)
発芽後4週間のトマト植物 cv. Roter Gnom が噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用2日後、該トマト植物は試験植物上に胞子懸濁液(1
×105分生子/ml)を噴霧して接種される。育成室中、20℃、湿度95%、4日間の培養期間後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々よい活性を示す(病気発生率50%未満)。
【0109】
実施例B-7:Helminthosporium teresに対する作用/大麦(大麦網斑病(Net blotch))
発芽後1週間の大麦植物 cv. Regina が噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用2日後、該大麦植物は試験植物上に胞子懸濁液(3×104分生子/ml)を噴霧して接種される。温室中、20℃、湿度95%、4日間の培養期間後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す(病気発生率20%未満)。
【0110】
実施例B-8:Alternaria solaniに対する作用/トマト(トマト早期胴枯れ病(Early bright)
発芽後4週間のトマト植物 cv. Roter Gnomが噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用2日後、該トマト植物は試験植物上への胞子懸濁液(2×105分生子/ml)噴霧により接種される。生育室中、20℃、湿度95%、3日間の培養期間後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す(病気発生率20%未満)。
【0111】
実施例B-9:Uncinula necatorに対する作用/ブドウ(ブドウウドンコ病)
発芽後5週間の実生ブドウ cv. Gutedelが噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用1日後、該ブドウ植物は、試験植物上でブドウウドンコ病に感染した植物を揺らすことにより接種される。26℃、湿度60%、14/10時間(明/暗)の光管理下、7日間の培養後、病気発生率が評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す(病気発生率20%未満)。
【0112】
実施例B-10:Puccinia reconditaに対する作用/小麦(小麦褐色サビ病)(ポーチ(pouch)試験)
配合された試験化合物(活性成分0.002%)が、前もってろ紙を付けたポーチ中に適用される。適用後、小麦の種(cv. Arina)がろ紙の上部(fault)中に播種される。調製されたポーチは、次いで23℃/18℃(昼/夜)、湿度80%で培養される。播種の1週間後、小麦植物は、試験植物上への胞子懸濁液(1×105夏胞子/ml)噴霧により接種される。23℃、湿度95%、1日間の培養後、該植物は20℃/18℃(昼/夜)、湿度80%で9日間保持される。病気発生率は接種の10日後に評価される。各々の試験化合物の効果は、全身(systemic)活性の指標として用いられる。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す(病気発生率50%未満)。
【0113】
実施例B-11:Septoria triticiに対する作用/小麦(小麦セプトリア葉斑病(septoria leaf spot))
発芽後2週間の小麦植物 cv. Ribandが噴霧室中で、配合された試験化合物(活性成分0.02%)で処理される。適用1日後、該小麦植物は、試験植物上への胞子懸濁液(10×105分生子/ml)噴霧により接種される。23℃、湿度95%で1日間培養後、該植物は温室中に23℃、湿度60%で16日間置かれる。病気発生率は接種の18日後に評価される。
化合物1.1、1.2、2.1、4.1、5.2、7.2、8.1及び10.1は各々この試験でよい活性を示す(病気発生率20%未満)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[式中Hetは、5又は6員の複素環であり、酸素、窒素及び硫黄から各々独立に選ばれた1個から3個の複素原子を含み、該環は基R3、R4及びR5で置換されている;R1及びR2は独立にH、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;そしてR3、R4及びR5は、各々独立にH、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個はHでない]の化合物。
【請求項2】
R3、R4及びR5が、各々独立にH、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり、R3、R4及びR5のうち少なくとも1個はHでない、請求項1記載の一般式(I)の化合物。
【請求項3】
R1及びR2が、共にHであるか又は共にC1-4アルキルである、請求項1記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
Hetが、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、2,3-ジヒドロ-[1,4]オキサチイニル、オキサジニル、チアジニル又はトリアジニルである、請求項1記載の一般式(I)の化合物。
【請求項5】
Hetが、1位がC1-4アルキルで置換され、4位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルで置換され、及び所望により2位がハロで置換された、ピロール-3-イル;1位がC1-4アルキルで置換され、3位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルで置換され、及び所望により5位がハロで置換された、ピラゾリル-4-イル;2位がC1-4アルキルで置換され、4位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルで置換された、トリアゾール-5-イル又はオキサゾール-5-イル;6位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルで置換された、2,3-ジヒドロ[1,4]オキサチイン-5-イル;2位がハロ又はC1-4ハロアルキルで置換されたピリド-3-イル;又は、2位がC1-4アルキルで、且つ5位がC1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルで置換された2H-1,2,3-トリアゾール-4-イルであり;そしてR1及びR2が共にHであるか又は共にC1-4アルキルである、請求項1記載の一般式(I)の化合物。
【請求項6】
Hetが、2-C1-4アルキル-4-C1-4ハロアルキルチアゾール-5-イル、2-ハロピリド-3-イル、1-C1-4アルキル-4-C1-4ハロアルキルピロール-3-イル、又は1-C1-4ハロアルキルピラゾール-4-イルであり;R1及びR2が共に水素である、請求項1記載の一般式(I)の化合物。
【請求項7】
Hetが、2-メチル-4-トリフルオロメチルトリアゾール-5-イル、2-クロロピリド-3-イル、1-メチル-4-トリフルオロメチルピロール-3-イル、1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イル又は1-メチル-3-ジフルオロメチルピラゾール-4-イルであり;R1及びR2が共にHである、請求項1記載の一般式(I)の化合物。
【請求項8】
一般式(II)又は一般式(III ):
【化2】

【化3】

(式中R1及びR2は、独立にH、ハロ、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルである)の化合物。
【請求項9】
R1及びR2が共にHか又は共にメチルである、請求項8記載の一般式(II)又は一般式(III )の化合物。
【請求項10】
請求項Iの一般式(I)の化合物及び不活性キャリヤーを含む、植物病原微生物を抑制し、それらから植物を守るための組成物。
【請求項11】
植物病原微生物による有用植物への襲撃を抑制し又は予防する方法であって、請求項1の一般式(I)の化合物又は該化合物を活性成分として含む組成物を植物、その部分又はその生育位置に適用する方法。

【公表番号】特表2009−515842(P2009−515842A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539356(P2008−539356)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010865
【国際公開番号】WO2007/057139
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】