説明

殺菌剤としての置換型芳香族複素環式化合物

本発明は式(I)の化合物


(式中、XはS、O、又はNR5である)、及びその塩、並びにそれを含有する組成物を提供する。本化合物は、菌類の侵襲に抵抗し、又はこれを予防するための、或いは、作物に有害な他の生物、例えば雑草、昆虫、又はコナダニを制御するための作物保護剤として特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年12月19日付米国特許仮出願第60/751,558号明細書に基づく利益を主張する。その開示の全体が援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、例えばチオフェン、フラン、及びピロール等の置換型芳香族複素環式組成物、並びにこれらの組成物を、植物に対する有害微生物、特に有害菌類の制御のために使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
植物、動物及びヒトにおける全身性又は局所性の重篤な菌感染の発生が増大し続けている。菌類の多くは環境中に普通に存在し、植物又は哺乳動物に無害である。しかし、植物、ヒト及び/又は動物に疾患を引き起こすおそれのある菌類もある。
【0004】
殺菌剤は、卵菌等の菌類によって引き起こされる損傷から植物を保護する作用を有する、天然又は合成起源の化合物である。現在の農業法は、殺菌剤の使用に大きく依存している。事実、殺菌剤を使用しなければ実用的に栽培できない作物も存在する。殺菌剤を使用することで、栽培者は作物の収穫高を増大させ、ひいては、作物の価値を高めることが可能となる。これまで膨大な数の殺菌剤が開発されてきた。しかし、菌類の侵襲及び感染の処理は、依然として大きな問題である。更に、殺菌剤及び抗菌薬に対する耐性が深刻な問題となり、これらの薬剤を一部の農業用途及び治療用途において効果のないものにしてしまった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、新しい殺菌・抗菌化合物の開発が必要とされている(例えば米国特許第6,673,827号明細書;殺菌剤としてのピリミジン−4−エナミンが記載されている米国特許第6,617,330号明細書(Walter)も参照されたい)。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点は、式I:
【化1】

の化合物又はその塩であって、
上記式中:
XはS、O、又はNR5であり;
Rは、H;アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
1は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
2は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール、特に2−、3−、又は4−ピリジル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換された5−ピリミジニル;又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換された2−又は5−チアゾリルであり;
3は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
4は、H;アシル(例えばアセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル);ハロアシル;アルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル;アルキルアミノカルボニル;又はジアルキルアミノカルボニルであり;
5は、H;アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルである、式Iの化合物又はその塩である。
【0007】
また、本発明は、本明細書に記載の活性化合物を、好適な担体(例えば農業用担体)との組み合わせで含んでなる、或いは実質的にこれらからなる、組成物に関する。
【0008】
本発明の化合物及び組成物は、菌類の侵襲に抵抗し、又はこれを予防するための、又は作物に有害な他の生物、例えば雑草、昆虫、又はコナダニを制御するための、作物保護剤として有用である。
【0009】
本発明の第2の観点は、植物病原性微生物を制御及び予防するための組成物であって、本明細書に記載の活性化合物を、好適な担体との組み合わせで含んでなる組成物である。
【0010】
本発明の第3の観点は、栽培植物への病原性微生物の侵襲を制御又は予防する方法であって、本明細書に記載の活性化合物を、前記微生物を制御するのに有効な量で、前記植物、前記植物の一部、又は前記植物の現場に投与することを含んでなる方法である。
【0011】
本発明の更なる観点は、工業用材料への病原性微生物の侵襲を制御又は予防する方法であって、本明細書に記載の活性化合物を、前記微生物を制御するのに有効な量で、前記工業用材料、前記工業用材料の一部、又は前記工業用材料の現場に投与することを含んでなる方法である。
【0012】
本発明の更なる観点は、菌感染症の治療を必要とする患者において菌感染症を治療する方法であって、本明細書に記載の活性化合物を、前記菌感染症を治療するのに有効な量で、前記患者に投与することを含んでなる方法である。
【0013】
本発明の更なる観点は、本明細書に記載の方法(例えば本明細書に記載の農業的処理、本明細書に記載の工業用材料の処理、本明細書に記載の患者の菌感染症の治療)を実施するための組成物(例えば農業用製剤、医薬製剤)を調製するために、本明細書に記載の活性化合物を使用することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の前記及びその他の目的及び観点について、以下に更に詳しく説明する。
【0015】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和型炭化水素基を意味する。直鎖状又は分枝鎖状(例えばエチル、イソプロピル、t−アミル、又は2,5−ジメチルヘキシル)でも、或いは環状(例えばシクロブチル、シクロプロピル、又はシクロペンチル)でもよく、炭素原子数は1〜24である。この定義は、この用語を単独で使用する場合と、「ハロアルキル」等の化合物用語及び類似の用語の一部として使用する場合との両方に当てはまる。一部の実施態様によれば、アルキル基としては炭素原子数1〜4のもの(別名「低級アルキル」)が好ましい。一部の実施態様によれば、アルキル基としては炭素原子数6〜24のもの(別名「高級アルキル」)が好ましい。
【0016】
本明細書で使用される「アルケニル」は、炭素原子数2〜24であり、2つの水素の除去により形成された炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。「アルケニル」の代表的な例としては、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、及び3−デセニルなどが挙げられる。本明細書で使用される「低級アルケニル」は、アルケニルの部分集合であり、炭素原子数1〜4の直鎖又は分枝鎖状の炭化水素基を意味する。
【0017】
本明細書で使用される「アルキニル」は、炭素原子数2〜24であり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。アルキニルの代表的な例としては、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、及び1−ブチニルなどが挙げられる。本明細書で使用される「低級アルキニル」は、アルキニルの部分集合であり、炭素原子数1〜4の直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する。
【0018】
「アルコキシ」は、上記のアルキル基に、別の炭化水素基と共有結合可能な酸素置換基が更に担持された基(例えばメトキシ、エトキシ、及びt−ブトキシ)を意味する。
【0019】
本明細書で使用される「アルキルチオ」は、本明細書で定義されたアルキル基が、本明細書で定義されたチオ部分を介して親分子部分に付加された基を意味する。アルキルチオの代表的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、及びヘキシルチオなどが挙げられる。
【0020】
「アリール」又は「芳香環部分」は、芳香族置換基を指す。これは単環でも多環でもよく、多環の場合は、互いに縮合していてもよく、共有結合していてもよく、又は共通の基、例えばエチレン又はメチレン部分に結合していてもよい。芳香環は各々、ヘテロ原子を含有していてもよい。即ち「アリール」には、本明細書で使用される「ヘテロアリール」も含まれる。アリールの代表的な例としては、アズレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル、2,2−ジフェニル−1−エチル、チエニル、ピリジル、及びキノキサリルが挙げられる。特に断りのない限り、「アリール」は置換型又は無置換型のアリールを意味する。即ち、アリール部分は、任意によりハロゲン原子、又はその他の基、例えばニトロ、カルボキシル、アルコキシ、フェノキシなどで置換されていてもよい。加えて、アリール基は、本来は水素原子が占めるアリール基上の任意の位置で、他の部分に結合されていてもよい(例えば2−ピリジル、3−ピリジル、及び4−ピリジル)。
【0021】
「ヘテロアリール」は、1つ又は2つ以上の炭素原子がヘテロ原子に置き換えられている環状芳香族炭化水素を意味する。ヘテロアリール基が2つ以上のヘテロ原子を含有する場合、ヘテロ原子は同じであっても、異なっていてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チエニル、フリル、ピラジニル、ピロリル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、トリアゾリル、ピリダジニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、イソチアゾリル、及びベンゾ[b]チエニルが挙げられる。好ましいヘテロアリール基は、5及び6員環であり、O、N、及びSから独立に選択された1〜3つのヘテロ原子を含有するものである。各ヘテロ原子を有するヘテロアリール基は、無置換型であってもよいが、化学的に可能な限りにおいて、1〜4つの置換基で置換されていてもよい。例えば、ヘテロ原子Sは、1つ又は2つのオキソ基(=Oとして示される)で置換されていてもよい。
【0022】
「農業的に許容可能な塩」は、農業又は園芸の分野において、塩を形成する上で当業者に知られており、且つ許容されているカチオンの塩を意味する。塩は水溶性であることが好ましい。
【0023】
本明細書で使用される「シアノ」は、−CN基を意味する。
【0024】
本明細書で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」は、−Cl、−Br、−I、又は−Fを意味する。
【0025】
本明細書で使用される「ハロアルキル」は、本明細書で定義された少なくとも1つのハロゲンが、本明細書で定義されたアルキル基を介して親分子部分に付加された基を意味する。ハロアルキルの代表的な例としては、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び2−クロロ−3−フルオロペンチルなどが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される「ヒドロキシ」は、−OH基を意味する。
【0027】
本明細書で使用される「ニトロ」は、−−NO2基を意味する。
【0028】
本明細書で使用される「オキシ」は、−O−部分を意味する。
【0029】
本明細書で使用される「チオ」は、−S−部分を意味する。
【0030】
本明細書で引用された米国特許文献は、何れもその開示の全体が完全に記載されているものとして、本明細書に組み込まれる。
【0031】
2.化合物
本発明の化合物は、式Iによって表され、式Ia〜Ic:
【化2】

を含む。
【0032】
上記式中:
XはS、O、又はNR5であり;
Rは、H;アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
1は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
2は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール、特に2−、3−、又は4−ピリジル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換された5−ピリミジニル;又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換された2−又は5−チアゾリルであり;
3は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
4は、H;アシル(例えばアセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル);ハロアシル;アルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル;アルキルアミノカルボニル;又はジアルキルアミノカルボニルであり;
5は、H;アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルである。
【0033】
形成方法。アセチレンチオレート・アニオンIIとアセチレンケトンIIIとの[3+2]−付加環化によってチオフェンケトンIVを形成させ、これを還元して対応するチオフェンアルコールIaを生じさせることによって、一般構造Ia(R及びR4=H)の組成物を調製することができる(関連するチオフェン合成については、L. S. Rovinova, M. L. Petrov, 及びA. A. Petrov、Zhurnal Organicheskoi Khimii 1981, 17(10), 2071-2075を参照されたい)。
【0034】
【化3】

【0035】
[3+2]−付加環化は、低温、好ましくは−78度で、不活性溶剤、例えばTHF(テトラヒドロフラン)中でアセチレンチオレートを予め形成し、次いでこれを0℃〜−20℃の温度で、アセチレンケトンIIIの不活性溶剤又は溶剤混合物(例えばTHF及びアセトニトリル)中溶液に加えることにより行なう。アセチレンチオレートIIは、硫黄と、末端アセチレンVのリチウム塩(VI)との反応から調製される(H. G. Raubenheimer, G. J. Kruger, C. F. Marais, R. Otte, 及びJ. T. Z. Hattingh, Organometallics 1988, 7, 1853-1858)。
【0036】
【化4】

【0037】
末端アセチレンVを低温、好ましくは−40℃〜−78℃で、強塩基、例えばn−ブチルリチウムによって処理することにより、リチウムアセチリドVIを形成する。低温(−40℃〜−78℃)でアセチリドVIに硫黄を加え、1.5〜3時間にわたって反応させることにより、アセチレンチオレートIIが生じる。チオフェンケトンIVの還元は、不活性溶剤(例えばエーテル又はTHF)中の還元剤(例えばLiAlH4)を用いて、又は溶剤(例えばエタノール)中のNaBH4を用いて、0℃〜20℃の温度で達成される。
【0038】
或いは、R1及びR3がアリールである場合、Iaの合成における中間体である活性化チオフェンをアリール化するには、ヘック(Heck)反応を採用することができる(L. Lavenot, C. Gozzi, K. Ilg, I Orlova, V. Penalva, 及びM. Lemaire, Journal of Organometallic Chem. 1998, 567, 49-55)。即ち、チオフェン−3−カルボキシアルデヒドVIIを、遷移金属触媒(例えばパラジウム(II)触媒)の存在下において、ヨウ化アリールR3Iで選択的にアリール化することにより、2−アリール化中間体VIIIが生じる。別のヨウ化アリールR1Iによる第2のパラジウム触媒型アリール化により、2,4−ジアリールチオフェン−3−カルボキシアルデヒドIXが得られる。
【0039】
【化5】

【0040】
IXを有機金属試薬R2Mで処理することにより、一般構造Ia(R及びR4=H)の組成物が生成する。
【0041】
【化6】

【0042】
ヘック反応は通常、20〜80℃の温度で4〜72時間にわたって、溶剤(例えばアセトニトリル又は水、又はこれら2種の混合物)中で実施される。典型的なパラジウム触媒は、塩化パラジウム(通常は塩化リチウムとの組み合わせで使用される)、又は、酢酸パラジウム(臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムと一緒に使用される)であり、トリフェニルホスフィン等のホスフィンの共存下又は不在下で使用される。
【0043】
有機金属試薬R2Mの添加は、通常は0〜20℃で1〜5時間にわたって、N2雰囲気下で、不活性溶剤(例えばエーテル又はTHF)中で行なわれる。有機金属試薬としては有機リチウム試薬や、好ましくは有機マグネシウム試薬が挙げられる。
【0044】
一般構造Ia(R4=H)の組成物の調製は、置換型α−メルカプトケトンX(R’=H)をアセチレンケトンIIIにマイケル(Michael)付加し、ジヒドロチエニル中間体XIを生じさせることにより行なうこともできる。XIを脱水してチオフェンXIIとし、続いてXIIの還元により一般構造Ia(R4=H)の組成物を生じさせる。
【0045】
【化7】

【0046】
マイケル付加は、高温、例えば還流温度で、1〜8時間にわたって、塩基(好ましくは有機塩基、例えばモルホリン)及び不活性溶剤(例えばジエトキシメタン)の存在下で、α−メルカプトケトンX(R’=H)とアセチレンケトンIIIとを反応させることによって行なわれる。或いは、マイケル付加において、α−アセチルチオケトンX(R’=COCH3)を使用することもできる。この場合、モルホリン等の塩基によってチオエステルを開裂し、原位置で所要のα−メルカプトケトンX(R’=H)を生じさせる。
【0047】
高温(80〜100℃)で12〜48時間にわたって、p−トルエンスルホン酸又は無水酢酸を用いて処理することにより、中間体XIが効率的に脱水され、チエニルケトンXIIが生じる。チエニルケトンXIIの還元は、上述のように、不活性溶剤(例えばエーテル又はTHF)中の還元剤(例えばLiAlH4)を用いて、又は溶剤(例えばエタノール)中のNaBH4を用いて、0℃〜20℃の温度で達成される。
【0048】
α−アセチルチオケトンX(R’=COCH3)及びα−メルカプトケトンX(R’=H)は、対応するα−ブロモケトンXIIIを塩基媒質中のチオ酢酸で処理してX(R’=COCH3)を生じさせ、これを水性塩基(例えば水性NaOH)により処理してX(R’=H)を生じさせることにより、容易に入手可能である。
【0049】
【化8】

【0050】
組成物Ibは、XIII(R=H)又はそのクロロ類似体から、塩基触媒条件下でこれをβ−ケトエステルXIVと反応させることによりジヒドロフランXV(F. Feist, Chem, Ber. 1902, 35, 1537-44参照)を提供し、XVを脱水してフランXVIを製造することによって調製することができる。高温(80〜100℃)で12〜48時間にわたってp−トルエンスルホン酸又は無水酢酸を用いてXVを処理することにより、効率的な脱水が達成される。フリルエステルXVIを還元してフリルアルコールXVIIにし、続いて酸化によりフリルカルボキシアルデヒドXVIIIにし、更に有機金属試薬R2Li又はR2MgX’を加えることにより、化合物Ib(R4=H)が得られる。XVIの、アルコールXVIIへの還元は、不活性溶剤(例えばエーテル又はTHF)中の水素化物試薬(例えばLiAlH4)を用いて、又は水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)を用いて達成される。XVIIのアルデヒドへの酸化は、活性化MnO2、DMSO中のo−ヨードソ安息香酸(IBX)、又は不活性溶剤(例えばジクロロメタン)中のCrO3/pyr等の試薬を用いて達成することができる。アルデヒドXVIIIへの有機金属試薬の添加は、通常は0〜20℃で1〜5時間にわたって、N2雰囲気下で不活性溶剤、例えばエーテル又はTHF中で行なわれる。有機金属試薬としては、有機リチウム試薬や、好ましくは有機マグネシウム試薬が挙げられる。
【0051】
【化9】

【0052】
或いは、水性塩基条件下、例えば水性NaOH又はLiOH条件下で、フリルエステルXVIを加水分解することにより、フロ酸XIXにすることもできる。不活性溶剤(例えばジクロロメタン(DCM))中のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下、1−ヒドロベンゾトリアゾール(HOBT)及びジイソプロピルカルボジイミド(DIC)を使用して、XIXと塩酸N,O−ヒドロキシルアミンとをカップリングすることにより、酸XIXをワインレブ(Weinreb)アミドXXへ変換することができる。0〜20℃で1〜5時間にわたって、N2雰囲気下、不活性溶剤(例えばエーテル又はTHF)中の有機金属剤R2MgX’をXXに加えることによって、ケトンXXIが得られる。不活性溶剤(例えばエーテル又はTHF)中の還元剤(例えばLiAlH4)を用いて、又は溶剤(例えばエタノール)中のNaBH4を用いて、0℃〜20℃の温度でXXIの還元を行なうことにより、化合物Ib(R4=H)を製造する。
【0053】
【化10】

【0054】
組成物Icの調製は、チオフェンIaに使用したものと同様のアプローチを用いて行なうことができる。但し、マイケル付加ではアルキニルケトンIIIにα−アミノケトンXXIIを加える。ジヒドロピロールXXIIIを脱水してピロリルケトンXXIVを生じさせ、次いでLiAlH4又はNaBH4で還元することにより、Ic(R4=H)が得られる。上述のフランIbの調製に使用される条件と同様の反応条件を採用することができる。
【0055】
【化11】

【0056】
或いは、塩基性条件下でα−アミノケトンXXIIとβ−ケトエステルXIVとを縮合させてジヒドロピロールXXVを生じさせ(L. Knorr, Chem. Ber. 1884, 17, 1635; A. H. Corwin, Heterocyclic Compounds, 1950, 1, 287)、XXVの脱水によりピロールエステルXXVIを製造する。R5IによるXXVIのアルキル化により、N置換型ピロリルエステルXXVVIIを生じさせる。フラン系に関して記述したものと同様の反応により、エステルXXVIIを化合物Ic(R4=H)に変換する。
【0057】
【化12】

【0058】
エステルXXVIIを加水分解して対応する酸XXXにし、上述のように、ワインレブ・アミドXXXIに変換することもできる。有機金属剤R2MgX’を加えることによってケトンXXXIIが生じ、これを還元することにより化合物Ic(R4=H)が生じる。
【0059】
【化13】

【0060】
化合物の例。菌類病原体を制御するのに特に有用な本発明の化合物Iaは:
R=H又はアルキルであり;
1=任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリールであり;
2=任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール、特に2−、3−又は4−ピリジル;又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換された5−ピリミジニルであり;
3=アルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで(例えば1、2、3又は4箇所)置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
4=Hであり;
5=H,アルキル、又はハロアルキルである
化合物である。
【0061】
本発明の化合物の例としては、下記の化合物が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
【表6】

【0068】
【表7】

【0069】
【表8】

【0070】
【表9】

【0071】
【表10】

【0072】
【表11】

【0073】
【表12】

【0074】
【表13】

【0075】
【表14】

【0076】
【表15】

【0077】
【表16】

【0078】
【表17】

【0079】
塩。本明細書に記載された化合物や、任意により、これらの全ての異性体は、その塩の形態で得られてもよい。化合物Iの中には塩基性中心を有するものがあり、これらは例えば酸付加塩を形成し得る。前記酸付加塩の形成は、例えば鉱酸、通常は硫酸、リン酸、又はハロゲン化水素を用いるか、有機カルボン酸、通常は酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、又はフタル酸を用いるか、ヒドロキシカルボン酸、通常はアスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、又はクエン酸を用いるか、安息香酸を用いるか、或いは有機スルホン酸、通常はメタンスルホン酸、又はp−トルエンスルホン酸を用いて行なわれる。少なくとも1つの酸性基を有する式Iの化合物は、塩基との間で塩を形成することもできる。塩基との好適な塩としては、例えば金属塩、通常はアルカリ金属塩;又はアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、又はマグネシウム塩、又はアンモニア又は有機アミンを有する塩、例えばモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−、又はトリアルキルアミン、通常はエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、又はジメチルプロピルアミン、又はモノ−、ジ−、又はトリヒドロキシアルキルアミン、通常はモノ−、ジ−、又はトリエタノールアミンが挙げられる。適切な場合には、対応する内部塩の形成も可能である。本発明の範囲内において、農薬的な、又は医薬的に許容可能な塩が好ましい。
【0080】
3.農薬組成物及び使用
本発明の活性化合物は、農薬組成物を調製するために使用することができ、そして他の抗菌化合物と同様に菌類を制御するために使用することができる。例えば米国特許第6,617,330号明細書を参照されたい。また、米国特許第6,616,952号;同第6,569,875号;同第6,541,500号、及び同第6,506,794号の各明細書も参照されたい。
【0081】
本明細書に記載された活性化合物は、菌類によって生じる疾患から植物を保護するために使用することができる。本明細書の目的において、卵菌は菌類と見なすものとする。活性化合物は、農業部門及び関連分野において、植物有害生物を制御するための活性成分として使用することができる。活性化合物は、有用植物の種々異なる作物の植物又は植物の一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)に発生する有害生物を阻害又は破壊すると同時に、後から成長する植物部分を、例えば植物病原性微生物から保護するために使用することができる。
【0082】
活性化合物は、植物繁殖物質(特に種子(果実、塊茎、穀物)及び植物切片(例えばイネ))の処理用の化粧剤として、菌感染並びに土壌中で発生する植物病原性微生物からの防御のために、使用することができる。
【0083】
活性化合物は、例えば、不完全菌類(Fungi imperfecti){例えばボトリティス(Botrytis)、ピリクラリア(Pyricularia)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、フサリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)、及びアルテルナリア(Alternaria)}、及び担子菌類{(Basidiomycetes){例えばリゾクトニア(Rhizoctonia)、ヘミレイア(Hemileia)、プッチニア(Puccinia)}の綱に属する植物病原性菌類に対して使用することができる。加えて、子嚢菌類(Ascomycetes)クラス{例えばヴェントゥリア(Venturia)及びエリシフェ(Erysiphe)、ポドスファエラ(Podosphaera)、モニリニア(Monilinia)、ウンシヌラ(Uncinula)}、及び卵菌類(Oomycetes){例えばフィトフトラ(Phytophthora)、フィチウム(Pythium)、プラスモパラ(Plasmopara)}の綱に対して使用することもできる。治療可能な菌類の具体例としては、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、及びモニリニア・フルクチコラ(Monilinia fructicola)が挙げられる。
【0084】
本発明の活性化合物及び組成物によって保護すべき標的作物となる植物種としては、典型的には:穀類(小麦、大麦、ライ麦、カラス麦、イネ、トウモロコシ、ソルガム、及び関連種);ビート(甜菜及び飼料用ビート);ナシ状果、石果、及び軟質果実(リンゴ、洋ナシ、プラム、桃、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、及びブラックベリー);豆科植物(マメ、レンズ豆、エンドウ豆、大豆);油脂植物(セイヨウアブラナ、カラシ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油植物、ココア豆、ラッカセイ);キュウリ植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維植物(綿、亜麻、麻、ジュート);柑橘果実(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);クスノキ科(アボカド、シナモン、ショウノウ)、又はタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウを有するツルを含むツル植物、ホップ、バナナ、芝、及び天然ゴム植物等の植物、並びに鑑賞植物が挙げられる。
【0085】
活性化合物は組成物の形態で使用することもでき、処理対象の作付け地又は植物に、更なる化合物と同時に、又は連続して投与してもよい。これらの更なる化合物としては、例えば、肥料、微量栄養素供与体、又は植物の成長に影響を与えるその他の製剤が挙げられる。これらは、選択的除草剤、並びに殺虫剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、線虫駆除薬、軟体動物駆除剤、植物成長調整剤、植物活性化剤、又はこれらの製剤のうち数種の混合物であってもよく、所望により、製剤分野で慣例的に用いられている更なる担体、界面活性剤、又は投与促進アジュバントと組み合わせてもよい。
【0086】
活性化合物は他の殺菌剤と混合してもよい。その結果、場合によっては、予期せぬ相乗活性化がもたらされる。
【0087】
特に好ましい混合成分としては、アゾール、例えばアザコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、マイクロブタニル、ペルフラゾエート、ペンコナゾール、ブロムコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリフルミゾール、又はトリチコナゾール;ピリミジニルカルビノール、例えばアンシミドール、フェナリモール、又はヌアリモール;2−アミノ−ピリミジン、例えばブピリメート、ジメチリモール、又はエチリモール;モルホリン、例えばドデモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、スピロキサミン、又はトリデモルフ;アニリノピリミジン、例えばシプロジニル、ピリメタニル、又はメパニピリム;ピロール、例えばフェンピクロニル、又はフルジオキソニル;フェニルアミド、例えばベナルアキシル、フララキシル、メタラキシル、R−メタラキシル、オフラース、又はオキサジキシル;ベンズイミダゾール、例えばベノミル、カルベンダジム、デバカルブ、フベリダゾール、又はチアベンダゾール;ジカルボキシミド、例えばクロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジン、マイクロゾリン、プロシミドン、又はビンクロゾリン;カルボキサミド、例えばカルボキサミド、例えばカルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、メプロニル、オキシカルボキシン、又はチフルザミド;グアニジン、例えばグアザチン、ドジン、又はイミノクタジン;ストロビルリン、例えばアゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、SSF−129、メチル2[(2−トリフルオロメチル)−ピリド−6−イルオキシメチル]−3−メトキシ−アクリレート、又は2−[{アルファ[(アルファ−メチル−3−トリフルオロメチル−ベンジル)イミノ]−オキシ}−o−トリル]−グリオキシル酸−メチルエステル−O−メチルオキシム(トリフロキシストロビン);ジチオカルバメート、例えばフェルバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、又はジラム;N−ハロメチルチオ−ジカルボキシミド、例えばキャプタフォル、キャプタン、ジクロフルアニド、フルオロミド、フォルペット、又はトリフルアニド;銅化合物、例えばボルドー液、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、亜酸化銅、マン銅、又はオキシン−銅;ニトロフェノール誘導体、例えばジノキャプ、又はニトロタール−イソプロピル;有機リン誘導体、例えばエジフェンフォス、イプロベンフォス、イソプロチオラン、ホスジフェン、ピラゾフォス、又はトクロフォス−メチル;及び、種々様々な構造のその他の化合物、例えばアシベンゾラル−S−メチル、ハルピン、アニラジン、ブラスチシジン−S、チノメチオナート、クロロネブ、クロロタロニル、シモキサニル、ジクロン、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、ジチアノン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェンチン、フェリムゾン、フルアジナム、フルスルファミド、フェンヘキサミド、フォセチル−アルミニウム、ヒメキサゾール、カスガマイシン、メタスルホカルブ、ペンシクロン、フタリド、ポリオキシン、プロベナゾール、プロパモカルブ、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、硫黄、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリフォリン、バリダマイシン、(S)−5−メチル−2−メチルチオ−5−フェニル−3−フェニルアミノ−3,5−ジ−ヒドロイミダゾル−4−オン(RPA 407213)、3,5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(RH-7281)、N−アリル−4,5−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド(MON 65500)、4−クロロ−4−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホン−アミド(IKF-916)、N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−プロピオンアミド(AC 382042)、又はイプロバリカルブ(SZX 722)が挙げられる。
【0088】
活性化合物を単独で、或いは上記殺菌剤と組み合わせて、1種又は2種以上の全身性獲得抵抗性誘導剤(「SAR」誘導剤)と混合してもよい。SAR誘導剤は公知であり、例えば米国特許第6,919,298号明細書に記載されている。一般に、SAR誘導剤は、病原体に対する植物の抵抗性を作動させる能力を有する任意の化合物である。かかる病原体としては、特に制限されるものではないが、例えばウィルス、バクテリア、菌類、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。更に、SAR誘導剤は、Enyedi他(1992; Cell 70: 879-886)による定義の通り、植物において昆虫摂食に対する抵抗性を誘導するものであってもよい。SAR誘導剤の例示範囲は多数の化合物構造群に及ぶが、植物疾患及び/又は有害生物摂食に対する抵抗性を誘導する能力は共通している。SAR誘導剤の1つの群として、サリチル酸塩が挙げられる。商用のSAR誘導剤アシベンゾラル−S−メチル(SyngentaからActigard(登録商標)として入手可能)、ハルピンタンパク質(Eden BiosciencesからMessenger(登録商標)として入手可能)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)からの酵母抽出加水分解物(フロリダ州MiamiのMorse Enterprises Limited, Inc.からKeyples(登録商標)350-DP(登録商標)として入手可能)、及びオリゼメート(Oryzemate)が、本発明では有用である。Goemar製品等のエリシターも、使用可能な別のSAR誘導剤の群として挙げられる。加えて、エチレン、その生合成前駆体、又はエチレン放出化合物、例えばエトレル(Ethrel)も、この関連における有用性を有するSAR誘導剤として考えられる。米国特許第6,919,298号明細書も参照されたい。
【0089】
好適な担体及びアジュバントは、固形でも液状でもよく、製剤技術において有用な物質、例えば天然又は再生鉱物物質、溶剤、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、バインダー、又は肥料が挙げられる。
【0090】
本発明の活性化合物、又は前記化合物のうち少なくとも1種を含有する農薬組成物の好ましい投与方法は、葉への投与である。投与頻度及び投与率は、対応病原体の侵襲リスクに依存する。しかし、植物の現場を液状製剤で浸すことにより、又は土壌に化合物を固形の形態で、例えば顆粒形態で投与(土壌投与)することにより、活性化合物を土壌を介して、根を通じて植物に浸透させてもよい(浸透作用)。水作物、例えば水稲作物の場合、このような顆粒を水田に投与することができる。活性化合物は、種子又は塊茎に殺菌剤の液状製剤を含浸させるか、又はこれらに固形製剤を塗布することによって、種子に投与(塗布)することもできる。
【0091】
本明細書で使用される「現場」という用語は、処理される作物植物が成長しつつある田畑、又は栽培植物の種子が播かれる田畑、又は後に土壌中に種子が蒔かれることになる場所を包含する意である。「種子」という用語は、植物繁殖物質、例えば切片、苗、種子、及び発芽又は浸漬された種子を包含する意である。
【0092】
活性化合物は、改質されていない形態で使用してもよいが、製剤分野で従来用いられているアジュバントと一緒に使用することが好ましい。かかる目的には、活性化合物を、乳化可能な濃縮物、塗布可能なペースト、直接にスプレー可能な、又は希釈可能な溶液、希薄エマルジョン、湿潤可能な粉末、可溶性粉末、ダスト、顆粒、及び例えば高分子物質内のカプセル封入物となるように、周知の形式で調製するのが好都合である。組成物の種類と同様、投与方法も、例えばスプレー、噴霧、ダスティング、散布、塗布、又は注入から、所期の目的及び支配的な環境に従って選択される。
【0093】
有利な投与率としては、活性成分(a.i.)が1ヘクタール(ha)当たり通常5g〜2kg、好ましくは10g〜1kg a.i./ha、最も好ましくは20g〜600g a.i./haとなるようにする。種子浸漬剤として使用する場合、好都合な投与率は、種子1kg当たり活性物質が10mg〜1gとなるようにする。
【0094】
製剤、即ち、式Iの化合物と、所望の場合には固形又は液状アジュバントとを含有する組成物は、周知の形式で調製される。通常は化合物を、増量剤、例えば溶剤、固形担体、及び任意により界面活性化合物(界面活性剤)と密に混合及び/又は粉砕することにより調製される。
【0095】
好適な担体及びアジュバントは、固形でも液状でもよく、製剤技術において通常採用される物質、例えば天然又は再生鉱物物質、溶剤、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤、又は肥料が挙げられる。かかる担体は、例えば国際公開第97/33890号パンフレットに記載されている。
【0096】
製剤技術において通常用いられる更なる界面活性剤は、当業者には公知であり、関連する文献に記載されている。
【0097】
農薬製剤は通常、0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜95重量%の式Iの化合物、99.9〜1重量%、好ましくは99.8〜5重量%の固形又は液状アジュバント、及び、0〜25重量%、好ましくは0.1〜25重量%の界面活性剤を含有する。
【0098】
商用製品は濃縮物として調製することが好ましく、末端消費者は通常、希釈製剤を使用することになる。
【0099】
組成物は、更なるアジュバント、例えば安定剤、泡止め剤、粘度調整剤、バインダー、又は粘着付与剤、並びに肥料、微量栄養素供与体、又は特殊効果を得るための他の製剤を含有してもよい。
【0100】
4.工業用材料
本発明の化合物及び組み合わせは、工業用材料の菌感染を制御する分野において、菌類の攻撃からの工業用材料の保護や、かかる感染の発生後における工業用材料の(特にかび、及びうどん粉菌による)菌感染の低減又は根絶等に使用することもできる。工業用材料の一例としては、有機及び無機材料、木材、紙、皮革、天然及び合成繊維、これらの複合材料、パーティクルボード、合板、壁板など、織布及び不織布、建築用表面及び材料、冷却及び加熱システム表面及び材料、並びに、換気及びエアコンディショニング・システム表面及び材料などが挙げられる。本発明による化合物及び組み合わせは、上述のものと同様に、不都合な作用、例えば腐食、変色、又はカビを抑制又は予防するのに有効な量で、このような材料又は表面に投与することができる。このような化合物又は組み合わせが投与された工業用材料を用い、或いはかかる材料を組み込んで建設された構造及び住居は、菌類による攻撃に対して同様に保護される。
【0101】
5.医薬的用途
前述のものに加えて、本発明の活性化合物は、医療及び獣医用途において、ヒト及び動物の患者(例えば馬、牛、羊、犬、猫など)の菌感染の治療に使用することができる。かかる感染の例としては、爪甲真菌症、スポロトリクム症、腐蹄症、ジャングルびらん(jungle rot)、シュードアレシェリア・ボイジ(Pseudallescheria boydii)、スコプラリオプシス、一般に「白線(white-line)」病とも呼ばれる水虫(アスリート・フット)等の病気、並びに、免疫不全患者、例えばAIDS患者及び移植患者における菌感染症が挙げられる。このように、菌感染症は、皮膚、又はケラチン状物質、例えば毛髪、蹄、又は爪の感染症、並びに、肺アスペルギルス症、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystic carinii)肺炎等による全身感染症、例えばカンジダ(Candida)種、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、及びアスペルギルス(Aspergillus)種等によって引き起こされる感染症が挙げられる。本明細書に記載された活性化合物は、周知の技術に従い、医薬的に許容可能な担体との組み合わせで、感染症を治療するのに有効な量で、かかる患者又は感染症に(例えば局所的に、非経口で)投与又は適用することができる。周知の技術としては、例えば、米国特許第6,680,073号;同第6,673,842号;同第6,664,292号;同第6,613,738号;同第6,423,519号;同第6,413,444号;同第6,403,063号;及び同第6,042,845号明細書に記載のものが挙げられる。なお、出願人は具体的に、これらの開示内容の全体を、援用により本明細書に組み込むものとする。
【0102】
本明細書において「医薬的に許容可能な」という用語は、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又はその他の問題又は合併症を生じさせることなしに人間及び動物の組織と接触した状態で使用するのに適した、妥当な損益比に見合った、適切な医学的判断の範囲内にある化合物、材料、組成物、及び/又は投与形態を指す意味で使用される。
【0103】
本明細書で使用される「医薬的に許容可能な担体」という用語は、1つの器官又は身体部分から別の器官又は身体部分への、対象となるペプチド模倣薬の運搬又は輸送に関与する医薬的に許容可能な材料、組成物、又はビヒクル、例えば液状又は固形充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤、又はカプセル封入材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合可能であり、しかも患者に対して有害ではないという意味で、「許容可能」でなければならない。医薬的に許容可能な担体として機能し得る材料の例としては:(1)糖、例えばラクトース、グルコース、及びスクロース;(2)澱粉、例えばトウモロコシ澱粉、及びジャガイモ澱粉;(3)セルロース、及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばココアバター、及び座剤用ワックス;(9)油、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル、及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質なしの水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;及び(21)医薬的な製剤において採用される他の非毒性の適合可能な物質が挙げられる。
【0104】
本発明の製剤には、経口、鼻腔、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸、膣、及び非経口投与に適した製剤が含まれる。これらの製剤は、単位投与形態で提供するのが都合がよく、薬学分野で周知の任意の方法で調製することができる。単一投与形態の製造に際して担体材料と組み合わせ得る活性成分の量は、治療が施される宿主、具体的な投与様式に応じて異なる。単一投与形態の製造に際して担体材料と組み合わせ得る活性成分の量は、一般に、治療効果をもたらす活性成分量となる。通常は、100パーセントのうち、活性成分の量が約1パーセントから約99パーセント、好ましくは約5パーセントから約70パーセント、最も好ましくは約10パーセントから約30パーセントである。
【0105】
これらの製剤の調製方法は、本発明の化合物を担体(及び任意により1種又は2種以上の付属成分)と組み合わせる工程を含んでなる。一般に、製剤は、本発明のペプチド又はペプチド模倣薬を液体担体、又は微粉砕された固形担体、又はその両方と均一且つ密に組み合わせ、次いで必要であれば生成物を成形することによって調製される。
【0106】
軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは、活性成分に加えて、賦形剤、例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物を含有していてもよい。
【0107】
粉剤及びスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、賦形剤、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物を含有していてもよい。スプレー剤は、加えて、習慣的な駆出剤、例えばクロロフルオロ炭化水素及び揮発性の無置換型炭化水素、例えばブタン及びプロパンを含有していてもよい。
【0108】
経口投与に適した製剤は、不連続単位、例えばカプセル剤、サシェ剤、トローチ剤、又は錠剤の形態として提供してもよい。これらは各々、所定量の活性化合物を、粉末又は顆粒として;水性液体又は非水性液体の溶液又は懸濁液として;又は水中油又は油中水エマルジョンとして含有する。かかる製剤は、活性化合物と好適な担体(上記1種又は2種以上の付属成分を含有していてもよい)とを組み合わせる工程を有する、任意の好適な方法によって調製することができる。概して、本発明の製剤は、活性化合物を、液体担体、又は微粉砕された固形担体、又はその両方と均一且つ密に混合し、次いで必要であれば結果として得られた混合物を成形することによって調製される。例えば、任意により1種又は2種以上の付属成分と共に活性化合物を含有する粉末又は顆粒を圧縮又は成形することにより、錠剤を調製することができる。自由流動形態の化合物、例えば任意によりバインダー、潤滑剤、不活性希釈剤、及び/又は界面活性/分散剤と混合された粉末又は顆粒を圧縮することにより、圧縮された錠剤を調製することができる。不活性液体バインダーで湿潤された粉末化合物を好適な機械内で成形することにより、成形錠剤を形成することができる。
【0109】
非経口投与に適した本発明の医薬的組成物は、本発明の1種又は2種以上の活性化合物を、1種又は2種以上の医薬的に許容可能な滅菌等張水性又は非水性の溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョンと、或いは、使用直前に注射可能な滅菌溶液又は分散液に再編成可能な滅菌粉末との組み合わせで含んでなる。これらは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、製剤を所期受容者の血液と等張にする溶質、懸濁剤、又は増粘剤を含有していてもよい。
【0110】
本発明の医薬的組成物に使用可能な好適な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの好適な混合物、植物性油、例えばオリーブ油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性の維持は、例えば被覆材料、例えばレシチンの使用により、分散体の場合は所要粒子サイズを維持することにより、及び、界面活性剤の使用により行なうことができる。これらの組成物は、アジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤を含有していてもよい。微生物作用を確実に予防するには、種々の抗バクテリア剤及び他の殺菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、及びフェノールソルビン酸などを含有させればよい。等張剤、例えば糖、及び塩化ナトリウムなどを組成物に含めることが望ましい場合もある。加えて、吸収を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの含入により、注射可能な医薬的形態の長期吸収を実現することもできる。
【0111】
本発明の化合物が薬剤としてヒト及び動物に投与される場合、これらの化合物はそれ自体で、又は医薬的に許容可能な担体と組み合わされた例えば0.1〜99.5%(より好ましくは0.5〜90%)を含有する医薬的組成物として投与することができる。
【0112】
本発明の調製物は、経口、非経口、局所、経皮、直腸内等の任意の好適な投与手段によって投与することができる。これらの調製物はもちろん、各投与経路に適した形態によって与えられる。例えば、調製物は、錠剤又はカプセル剤の形態の投与、注射、吸入、目薬、軟膏、座剤等による投与、注射、輸液、又は吸入による投与;ローション又は軟膏による局所投与;座剤による直腸投与によって投与される。局所及び非経口投与が好ましい。
【0113】
本明細書で使用される「非経口投与」及び「非経口で投与される」は、腸内及び局所投与以外の(通常は注射による)投与様式を意味する。例えば、静脈内、筋内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、被膜下、くも膜下、脊髄内、及び胸骨内の注射及び輸液が挙げられる。
【0114】
本発明の医薬的組成物中の活性成分の実際の投与レベルは、具体的な患者、組成物、及び投与様式に応じて、患者に対して毒性を有することなく、所期の治療応答、例えば抗菌活性を達成するのに有効な量の活性成分が得られるように、変化させればよい。選択される投与レベルは、採用される特定の活性化合物の活性、投与経路、投与時間、採用される特定の活性化合物の排出速度、治療期間、採用される特定の阻害剤との組み合わせで使用される他の薬物、化合物、及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康、及び以前の病歴、並びに医療分野で周知の同様のファクターに依存することになる。この分野において通常の技術を有する医師又は獣医師であれば、必要とされる医薬的組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、医薬的組成物とされた本発明の化合物の投与を、所期の治療効果を達成するために必要となるレベルよりも低いレベルから始め、そして所期の効果が達成されるまで、投与量を徐々に増やしていくこともできる。一般的な計画として、塩を使用する場合を含め、活性化合物の重量を基準として全ての重量を計算した場合、約0.01又は0.1から約50、100又は200mg/kgの投与量が治療効果を有する。
【実施例】
【0115】
以下の非限定的な実施例において、本発明をより詳しく説明する。
【0116】
実施例1
2,4−ビス−(3−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物1)
【0117】
4mLの無水THF中の3−クロロフェニルアセチレン273mg(2.0mmol)の溶液に、N2雰囲気下、−78℃で、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液1.25mL(2.0mmol)を加えた。溶液を1.5時間に亘って撹拌し、次いで64mg(2.0mmol)の硫黄を加えた。更に−78℃で1.5時間経過した後、赤色の溶液を室温まで加温し、4mLのTHF及び1mLのアセトニトリル中400mg(1.66mmol)の3−(3−クロロフェニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オン溶液に加えた。反応溶液を室温で2時間に亘って撹拌し、次いで水中に注いだ。水性層をエーテルで数回抽出した。組み合わせたエーテル抽出物を、飽和型塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、エーテルを回転蒸発によって除去した。粗生成物をシリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、185mg(0.45mmol)の2,4−ビス−(3−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)カルボニル]チオフェンを得た。1H NMR(CDCl3):7.95(qのd,1)、8.56(dのd,1)、及び8.73ppm(d,1)。MS m/z410.0(M+H)。
【0118】
2mLの無水THF中32mg(0.08mmol)の2,4−ビス−(3−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)カルボニル]チオフェンの溶液に、10mg(0.26mmol)の水素化アルミニウムリチウムを加えた。混合物を0℃で0.5時間に亘って撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、溶剤を回転蒸発によって除去した。粗生成物を調製薄層クロマトグラフィー(prep TLC)によって精製することにより、30mg(0.073mmol)の2,4−ビス−(3−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物1)を91%の収率で得た。1H NMR(CDCl3):5.98(br s,1)、7.44(br d,1)、8.08(br s,1)、及び8.21ppm(br d,1)。MS m/z412.0(M+H)。
【0119】
実施例2
4−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物4)
【0120】
2mLの無水THF中の4−クロロフェニルアセチレン137mg(1.0mmol)の溶液に、N2雰囲気下、−78℃で、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液0.063mL(1.0mmol)を加えた。溶液を1.5時間に亘って撹拌し、次いで32mg(1.0mmol)の硫黄を加えた。更に−78℃で1.5時間経過した後に、赤色の溶液を−10℃まで加温し、溶液の半分を、2mLのTHF及び0.5mLのアセトニトリル中99mg(0.39mmol)の3−(5−クロロ−2−チエニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オンの溶液に加えた。更に0.5時間後、反応物を酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル溶液を、飽和型塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、エーテルを回転蒸発によって除去した。粗生成物をシリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、70mg(0.17mmol)の4−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)カルボニル]−チオフェンを得た。1H NMR(CDCl3):6.76(d,1)、6.95(d,1)、7.96(br d,1)、8.59(br d,1)、及び8.73ppm(br s,1)。MS m/z415.9(M+H)。
【0121】
3mLの無水THF中70mg(0.17mmol)の4−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)カルボニル]チオフェンの溶液に、13mg(0.34mmol)の水素化アルミニウムリチウムを加えた。混合物を0.5時間に亘って0℃で撹拌し、次いで酢酸エチル及び最小量の水で希釈することにより、LiAlH4を分解した。酢酸エチル溶液をデカントにより取り除き、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を調製薄層クロマトグラフィー(prep TLC)によって精製することにより、60mg(0.14mmol)の4−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物4)を84%の収率で得た。1H NMR(CDCl3):6.08(br s,1)、6.81(d,1)、6.87(d,1)、7.39(br d,1)、8.18(br s,1)、及び8.30ppm(br d,1)。MS m/z417.9(M+H)。
【0122】
実施例3
3−(3−クロロフェニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オン
【0123】
30mLの無水THF中の3−クロロフェニルアセチレン5.0gm(36.6mmol)の溶液に、N2雰囲気下、−78℃で、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液23mL(36.6mmol)を加えた。溶液を2時間に亘って撹拌し、次いで5mL中のTHF中の3.9gm(36.6mmol)のピリジン−3−カルボキシアルデヒドの溶液を加えた。反応混合物を−78℃で2時間に亘って撹拌し、次いで氷水中に注ぎ入れた。溶液をエーテルで数回抽出した。合体されたエーテル抽出物を、重亜硫酸ナトリウム水溶液で2回洗浄することにより、残留アルデヒドを除去し、次いで水で、最後に飽和型塩化ナトリウム溶液で洗浄した。エーテル層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、エーテルを回転蒸発によって除去することにより、8.5gm(34.7mmol)の油性生成物3−(3−クロロフェニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オンを得た。
【0124】
50mLのDMSO中の8.5gmの3−(3−クロロフェニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オンを10.7gm(38mmol)のo−ヨードソ安息香酸(IBX)に数回に分けて加えた。結果として生じた混合物を、2時間に亘って室温で撹拌し、次いで酢酸エチル及び水で希釈した。溶液を濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。合体された酢酸エチル抽出物を、水及び飽和型塩化ナトリウム溶液で連続して洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、溶剤を回転蒸発によって除去することにより、6.84gm(28.3mmol)の茶色の固形物3−(3−クロロフェニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オンを全77%の粗収率で得た。1H NMR(CDCl3):8.40(mのd,1)、8.84(dのd,1)、及び9.40ppm(d,1)。MS m/z242.0(M+H)。
【0125】
実施例4
2,4−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン
【0126】
1.1mLのアセトニトリル/H2O(9:1)中の1.54gm(11.1mmol)の炭酸カルシウム、1.44gm(4.46mmol)の臭化テトラブチルアンモニウム、及び0.05g(0.22mmol)の二酢酸パラジウム(II)の懸濁液に、N2雰囲気下、1.83gm(6.69mmol)の2,4−ジフルオロ−1−ヨードベンゼン及び0.50gm(4.46mmol)のチオフェン−3−カルボキシアルデヒドを加えた。混合物を3日間に亘って80℃で加熱し、次いで酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、溶剤を回転蒸発によって除去することにより、赤褐色の固形物を得た。この固形物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、2−(2,4−ジフルオロフェニル)チオフェン−3−カルボキシアルデヒドと、2,4−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)チオフェン−3−カルボキシアルデヒドとの混合物を得た。これを次の反応に使用した。
【0127】
1.7mLの無水THF中の0.41gm(2.6mmol)の3−ブロモピリジンの溶液に、N2雰囲気下、2M 塩化i−プロピルマグネシウム1.3mL(2.6mmol)を加えた。2時間の撹拌後、2mLのTHF中のアルデヒドの上記混合物0.39gmを加えた。更に2時間後、反応物を水で希釈し、酢酸エチルを加えることにより、生成物を抽出した。酢酸エチル抽出物を、飽和型塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過により取り除き、溶剤を回転蒸発によって除去することにより、生成物の混合物を得た。これらの生成物を調製HPLCによって精製した。この反応から、167mgの2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェンと、96mgの所期の2,4−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェンとを単離した。後者に関して、1H NMR(CDCl3):7.67(tのbr d,1)、8.55(dのd,1)、及び8.49ppm(br d,1)。MS m/z416.0(M+H)。
【0128】
実施例5
2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3−[(3−ピリジル)カルボニル]−4,5−ジヒドロチオフェン
【0129】
3mLのジエトキシメタン中の0.20gm(0.83mmol)の3−(3−クロロフェニル)−1−(3−ピリジル)−2−プロピン−1−オン、0.10gm(0.99mmol)の3−メルカプト−2−ブタノン、及び0.072mL(0.83mmol)のモルホリンの溶液を、N2雰囲気下、8時間に亘って還流加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機溶液を、飽和型塩化ナトリウム溶液で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過により取り除き、溶剤を回転蒸発によって除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、0.18gm(0.53mmol)の2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3−[(3−ピリジル)カルボニル]−4,5−ジヒドロチオフェンを2つの異性体の混合物として得た。1H NMR(CDCl3):1.56(d,3)、1.64(s,3)、3.80(t,1)、7.82(mのd,1)、8.45(dのd,1)、及び8.64ppm(d,1)。MS m/z346.0(M+H)。
【0130】
実施例6
2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物55)
【0131】
1.0mLのトルエン中の2つの異性体と0.024mLの無水酢酸との混合物としての、0.050gm(0.14mmol)の2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3−[(3−ピリジル)カルボニル]−4,5−ジヒドロチオフェンの混合物を、密閉バイアル内に入れ、砂浴内で48時間に亘って100℃に加熱した。粗反応生成物を調製薄層クロマトグラフィー(prep TLC)によって精製することにより、0.037g(0.11mmol)の2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[(3−ピリジルカルボニル]チオフェンを得た。1H NMR(CDCl3):2.09(s,3)、2.43(s,3)、8.00(mのd,1)、8.58(dのd,1)、及び8.78ppm(d,1)。MS m/z328.0(M+H)。
【0132】
3mLのジエチルエーテル中0.037gm(0.11mmol)の前記ケトン、2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[(3−ピリジルカルボニル]チオフェンの溶液に、0.020gm(0.45mmol)の水素化アルミニウムリチウムを加えた。混合物を0℃で0.5時間に亘って撹拌し、次いで酢酸エチル及び最小量の水で希釈することにより、LiAlH4を分解した。酢酸エチル溶液をデカントにより取り除き、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を調製薄層クロマトグラフィー(prep TLC)で精製することにより、0.032gm(0.10mmol)の2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物55)を得た。1H NMR(CDCl3):1.82(s,3)、2.31(s,3)、7.64(mのd,1)、8.41(dのd,1)、及び8.46ppm(br s,1)。MS m/z330.0.0(M+H)。
【0133】
実施例7
生物学的スクリーニング
【0134】
本発明において記載された化合物の殺菌活性を、マイクロタイタープレート・フォーマットを使用して測定した。一次スクリーニングにおいて、1μLのジメチルスルホキシド(DMSO)中の試験化合物を、96ウェル・マイクロタイタープレートの個々のウェルに供給する。次いで1.5%の寒天から成る100μLの最小培地を各ウェルに収め、放冷させる。最後に、菌胞子の10μLの水性懸濁液を固形寒天の表面に加えることにより、植菌を行なう。プレートをカバーし、20℃の制御環境中でインキュベートする。病原体に応じて3〜5日後に菌成長の視覚的検査及び光分析により、殺菌活性を測定する。何れのアッセイにも、市販の標準(アゾキシストロビン、ベノミル、キャプタン、クロロタロニル、ファモキサドン、フルシラゾール、及びプロピコナゾール)を含める。試験病原体としては、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、モニリニア・フルクチコラ(Monilinia fructicola)、及びボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)が挙げられる。一次スクリーニングで殺菌性であると判明した化合物を、3倍ずつ段階希釈してスクリーニングすることにより、試験化合物の投与量応答データが得られる。本発明の範囲に含まれる化合物のうち特定の化合物について、殺菌活性(μM濃度中のIC50値で表記)を下記の表1に示す。パーセンテージ表記の変動係数(平均に対する標準偏差の比)を括弧内に示す。
【0135】
【表18】

【0136】
以上は本発明を例示するものである。本発明を限定するものと解釈すべきではない。本発明は添付の特許請求の範囲により定義される。特許請求の範囲と均等のものも本発明に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(上記式中、
XはS、O、又はNR5であり;
Rは、H;アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
1は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
2は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール、特に2−、3−、又は4−ピリジル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換された5−ピリミジニル;又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換された2−又は5−チアゾリルであり;
3は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
4は、H;アシル;ハロアシル;アルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル;アルキルアミノカルボニル;又はジアルキルアミノカルボニルであり;
5は、H;アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルである)の化合物、又はその塩。
【請求項2】
前記化合物が、式Iaの化合物、式Ibの化合物、及び式Icの化合物:
【化2】

(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記の定義である)
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
RがH又はアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
1が、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;或いは、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
1が、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−トリフルオロ−メチルフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−チエニル、3−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、又は5−クロロ−2−フリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
1が、アルキル、又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
2が、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
2が、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換された3−ピリジル又は5−ピリミジニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
3が、アルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
3が、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−メチルフェニル、2−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、5−メチル−2−チエニル、3−チエニル、t−ブチル、又はトリメチルシリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
3がHである、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
Rが、H又はアルキルであり;
1が、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロで置換されたアリール;又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリールであり;
2が、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリールであり;
3が、アルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
4が、Hであり;
5が、アルキル及びハロアルキルである
請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項13】
1が、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−トリフルオロ−メチルフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−チエニル、3−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、又は5−クロロ−2−フリルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
2が、任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換された3−ピリジル又は5−ピリミジニルである、請求項12記載の化合物。
【請求項15】
3が、フェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−メチルフェニル、2−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、5−メチル−2−チエニル、3−チエニル、t−ブチル、又はトリメチルシリルである、請求項12記載の化合物。
【請求項16】
2,4−ビス−(3−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物1);4−(3−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物2);4−(3−クロロフェニル)−2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物3);4−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物4);4−(4−クロロフェニル)−2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物5);2−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物6);4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物7);2,4−ビス−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物8);4−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−2−(2−チエニル)チオフェン(化合物9);2−(4−クロロフェニル)−4−(5−クロロ−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物10);4−(5−クロロ−2−チエニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物11);2−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−4−(2−チエニル)チオフェン(化合物12);2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−4−(2−チエニル)チオフェン(化合物13);2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−4−(2−チエニル)チオフェン(化合物14);2−(4−ブチルフェニル)−4−(5−メチル−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物15);2,4−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物16);4−(4−クロロフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物17);2,4−ビス−(2−トリフルオロメチルフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物18);2,4−ビス−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物19);2,4−ビス−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物20);4−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−2−(3−チエニル)チオフェン(化合物21);2−(5−ブロモ−2−チエニル)−4−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物22);4−(4−クロロフェニル)−2−(5−メチル−2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物23);2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−4−(3−チエニル)チオフェン(化合物24);2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−4−(3−チエニル)チオフェン(化合物25);2−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物26);2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物27);2−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−4−(3−チエニル)チオフェン(化合物28);3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ−メチル)−4−(3−チエニル)チオフェン(化合物29);4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−2−(3−チエニル)チオフェン(化合物32);4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−2−(2−チエニル)チオフェン(化合物39);2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物45);2,4−ビス−(2−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物49);2,4−ビス−(3−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物50);2,4−ビス−(フェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物51);2,4−ビス−(2,4−ジクロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物52);2,4−ビス−(2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物53);2,4−ビス−(3−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物54);2−(3−クロロフェニル)−4,5−ジメチル−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物55);4−(5−クロロ−2−フラニル)−2−(4−クロロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物56);4−(5−クロロ−2−フラニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物57);2,4−ビス−(2−チエニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物58);2,4−ビス−(4−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物59);及び2−(3−クロロフェニル)−4−フェニル−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物60);2,4−ビス−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物61);2,4−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物62);2,4−ビス−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物63);2,4−ビス−(3−メトキシフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物64);4−(2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]−2−(2−チエニル)チオフェン(化合物65);2,4−ビス−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物66);2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物67);2−(3−クロロフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物68);2−(5−ブロモ−2−チエニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物69);2−(5−クロロ−2−チエニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物70);5−クロロ−2−(5−クロロ−2−チエニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物71);4−(4−クロロフェニル)−2−(2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物72);4−(4−クロロフェニル)−2−(3−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物73);2−(2−クロロフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物74);4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物75);2−(4−クロロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物76);2−(3−クロロフェニル)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物77);4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−3−[(3−ピリジル)ヒドロキシメチル]チオフェン(化合物78);及びこれらの塩からなる群より選択される、請求項12記載の化合物。
【請求項17】
請求項1記載の化合物を、好適な担体との組み合わせで含んでなる、植物病原性微生物を制御及び予防するための組成物。
【請求項18】
少なくとも1種の付加的な殺菌剤又はSAR誘導剤を更に含んでなる、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
栽培植物への病原性微生物の侵襲を制御又は予防する方法であって:
請求項1記載の化合物を、前記微生物を制御するのに有効な量で、前記植物、前記植物の一部、又は前記植物の現場に投与することを含んでなる方法。
【請求項20】
該微生物が菌類生物である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記菌類生物が、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、及びモニリニア・フルクチコラ(Monilinia fructicola)からなる群より選択される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
植物繁殖物質への病原性微生物の侵襲を制御又は予防する方法であって:
請求項1記載の化合物を、前記微生物を制御するのに有効な量で、該植物繁殖物質に投与することを含んでなる方法。
【請求項23】
前記植物繁殖物質が種子を含んでなる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
該微生物が菌類生物である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
工業用材料への病原性微生物の侵襲を制御又は予防する方法であって:
請求項1記載の化合物を、前記微生物を制御するのに有効な量で、該工業用材料に投与することを含んでなる方法。
【請求項26】
菌感染症の治療を必要とする患者において菌感染症を治療する方法であって:
請求項1記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩を、前記菌感染症を治療するのに有効な量で、前記患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項27】
菌感染症の治療を必要とする患者において菌感染症を治療する組成物であって:
請求項1記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を、医薬的に許容可能な担体との組み合わせで含んでなる、菌感染症を治療する組成物。
【請求項28】
式Ia:
【化3】

(上記式中:
Rは、Hであり;
1は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
2は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール、特に2−、3−、又は4−ピリジル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換された5−ピリミジニル;又は任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換された2−又は5−チアゾリルであり;
3は、アルキル;アルコキシアルキル;ハロアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールオキシアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリールチオアルキル;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたアリール;任意によりハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、シアノ、又はニトロで置換されたヘテロアリール;又はアルキルシリルであり;
4は、H;アシル(例えばアセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル);ハロアシル;アルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル;アルキルアミノカルボニル;又はジアルキルアミノカルボニルである)
の化合物を製造する方法であって、
(a)式IIのアセチレンチオレート
【化4】

(上記式中、R1は上記の通りである)と、
式IIIのアセチレンケトン
【化5】

(ここでR2及びR3は上記の通りである)とを、不活性溶剤中で反応させることにより、
式IVの化合物
【化6】

を製造し:続いて
(b)式IVの前記化合物を還元することにより、式Iaの化合物(R=H)を製造する
ことを含んでなる方法。
【請求項29】
前記還元工程が、不活性溶剤中のLiAlH4を用いて、又はアルコール溶剤中のNaBH4を用いて実施される、請求項28記載の方法。

【公表番号】特表2009−519959(P2009−519959A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545869(P2008−545869)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/048065
【国際公開番号】WO2007/075487
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】