説明

殺虫特性を有する4’−及び4”−位において置換されたエバーメクチン及びエバーメクチンモノサッカライド

以下の式の化合物


(式中、炭素原子22と23の間の結合は単結合又は二重結合であり;
mは、0又は1であり;R1は、C1−C12アルキル、C3−C8シクロアルキル、又はC2−C12アルケニルであり;そして一方(A)R2は、−N(R3)R4であり;そして、(1)XはOであり、ここで、R3は、例えば、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキルであり、そしてR4は、例えば、一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキルであり;又は(2)XはSであり、ここで、R3は、例えば、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキルであり、そしてR4は、例えば、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキルであり;又は(3)XはO又はSであり、ここで、R3及びR4は一緒に、三員〜七員のアルキレン又は四員〜七員アルケニレン橋であり;あるいは(B)R2はOR5であり、且つXはO又はSであり、ここで、R5は、例えば、C1−C12アルキル、一置換〜五置換されたC1−C12アルキルである);あるいは、適当な場合には、遊離形態又は塩形態の各ケースにおける、これらのE/Z異性体、E/Z異性体混合物、及び/又は互変異性体;このような化合物は殺微生物活性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は(1)以下の式の化合物
【化1】

(式中、炭素原子22と23の間の結合は単結合又は二重結合であり;
mは、0又は1であり;
1は、C1−C12アルキル、C3−C8シクロアルキル、又はC2−C12アルケニルであり;そして、
(A)R2は、−N(R3)R4であり、且つ、
(1)XはOであり、ここで、
3は、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニル、アリール、又はヘテロシクリルであり、そして、
4は、一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニル、置換されていない及び一置換〜三置換されたヘテロシクリル、置換されていない及び一置換〜五置換されたアリール、NH2、NHC1−C12アルキル、N(C1−C12アルキル)2、C1−C6アルキル−N(C1−C12アルキル)2、−C1−C6アルキル−N+(C1−C12アルキル)3、SO2NH2、SO2NHC65、SO2フェニル、SO2ベンジル、OH、−OC1−C12アルキル、−OC1−C12アルケニル、又は−OC1−C12アルキニルであり;又は、
(2)XはSであり、ここで、
3は、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C2アルキニル;アリール、又はヘテロシクリルであり、そして、
4は、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニル、置換されていない及び一置換〜三置換されたヘテロシクリル、置換されていない及び一置換〜五置換されたアリール、NH2、NHC1−C12アルキル、N(C1−C12アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC65、SO2フェニル、SO2ベンジル、OH又は−OC1−C12アルキルであり;又は、
(3)XはO又はSであり、ここで、R3及びR4は一緒に、三員〜七員のアルキレン又は四員〜七員アルケニレン橋であり、ここでCH2基は、O、S、C=O又はNR6により置換されてもよい;あるいは、
(B)R2はOR5であり、且つXはO又はSであり、ここで、R5はC1−C12アルキル、一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニルである;いずれかであって、
ここで、R3、R4、及びR5において述べられた、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、アルキレン−、アルケニレン−、ヘテロシクリル−、アリール−、及びシクロアルキル−ラジカルの置換基は、OH、ハロゲン、ハロ−C1−C2アルキル、CN、SCN、NO2、C2−C6アルキニル、置換されていない又は1〜3のメチル基により置換されているC3−C8シクロアルキル;ノルボルニレニル;置換されていない又は1〜3の置換基により置換されているC3−C8シクロアルケニル;C3−C8ハロシクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12アルコキシC1−C12アルコキシ、C3−C8シクロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、C3−C8シクロアルキルチオ、C1−C12ハロアルキルチオ、C1−C12アルキルスルフィニル、C3−C8シクロアルキルスルフィニル、C1−C12ハロアルキルスルフィニル、C3−C8ハロシクロアルキルスルフィニル、C1−C12アルキルスルホニル、C3−C8シクロアルキルスルホニル、C1−C12ハロアルキルスルホニル、C3−C8ハロシクロアルキルスルホニル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、−N(R62(ここで当該2つのR6はそれぞれ独立している);−C(=O)R7、−O−C(=O)R8、−NHC(=O)R7、−S−C(=S)R8、−P(=O)(OC1−C6アルキル)2、−S(=O)211;−NH−S(=O)211、−OC(=O)−C1−C6アルキル−S(=O)211;アリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールチオ、ベンジルチオ、ヘテロシクリルチオ;及びまた環における置換の可能性に依存して、OH、ハロゲン、CN、NO2、C1−C12アルキル、C3−C8シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、C1−C12ハロアルキルチオ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、ジメチルアミノ−C1−C6アルコキシ、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、フェノキシ、フェニル−C1−C6アルキル、メチレンジオキシ、−C(=O)R7、−O−C(=O)−R8、−NH−C(=O)R8、−N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である);C1−C6アルキルスルフィニル、C3−C8シクロアルキルスルフィニル、C1−C6ハロアルキルスルフィニル、C3−C8ハロシクロアルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、C3−C8シクロアルキルスルホニル、C1−C6ハロアルキルスルホニル、及びC3−C8ハロシクロアルキルスルホニルから成る群から選択される置換基により一置換〜五置換されたアリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールチオ、ベンジルチオ、ヘテロシクリルチオから成る群から選択され;
6は、H、C1−C8アルキル、ヒドロキシC1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、フェニル、ベンジル、−C(=O)R7、又は−CH2−C(=O)−R7であり;
7は、H、OH、SH、−N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である);C1−C24アルキル、C2−C12アルケニル、C1−C8ヒドロキシアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロ−アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、−C1−C12アルキルチオ、C2−C8アルケニルオキシ、C2−C8アルキニルオキシ、NH−C1−C6アルキル−C(=O)R9、−N(C1−C6アルキル)−C1−C6アルキル−C(=O)−R9、−O−C1−C2アルキル−C(=O)R9、−C1−C6アルキル−S(=O)29;アリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルオキシ;又は置換されていない又は互いに独立して環中にハロゲン、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロ−アルキル又はC1−C6ハロアルコキシにより一置換〜三置換されたアリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ又はヘテロシクリルオキシであり;
8は、H、C1−C24アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12ヒドロキシアルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である);−C1−C6アルキル−C(=O)R10、−C1−C6アルキル−S(=O)29、アリール、ベンジル、ヘテロシクリル;あるいは、環の置換の可能性に依存して、OH、ハロゲン、CN、NO2、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ及びC1−C12ハロ−アルキルチオから成る群から選択される置換基により一置換〜三置換されたアリール、ベンジル又はヘテロシクリルであり;
9は、H、OH、OH又は−S(=O)2−C1−C6アルキルで任意的に置換されたC1−C24アルキル;C1−C12アルケニル、C1−C12アルキニル、C1−C12アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルコキシ、C2−C8アルケニルオキシ、アリール、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ又は−N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である)であり;
10は、H、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、及びシアノから成る群から選択される1〜5の置換基により任意的に置換されたC1−C6アルキル、;C1−C8−シクロアルキル、アリール、ベンジル、ヘテロシクリル;又は環における置換の可能性に依存して、OH、ハロゲン、CN、NO2、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、及びC1−C12ハロアルキルチオから成る群から選択される置換基により一置換〜三置換されたアリール、ベンジル若しくはヘテロシクリルである)、
あるいは、適当な場合、遊離形態又は塩形態の各ケースにおける、これらのE/Z異性体、E/Z異性体混合物、及び/又は互変異性体;
これらの化合物、これらの異性体、及びこれらの互変異性体の調製方法、及びこれらの化合物、これらの異性体、及びこれらの互変異性体の使用;活性化合物が、これらの化合物、及びこれらの互変異性体から選択される殺虫性組成物;式(I)の上記化合物の調製のための中間体、及びこのような組成物を使用する有害生物、特に植物障害有害生物の調製方法に関する。
【0002】
本明細書の前後において、式(I)及び以下の式(II)〜(V)中の記号
【化2】

により記された結合は、ε−位(4’−又は4”−位)におけるS−並びにR−異性体が意味されることを示す。
【0003】
文献は、有害生物を制御うるための一定のマクロライド化合物を提唱する。しかしながら、これらの既知の化合物の生物特性は完全には満足されず、そして、結果として、未だ、特に、昆虫及び代表的なダニ目の制御のための殺虫特性を有する更なる化合物を供する必要性が存在する。本発明に従い、当該目的は、当該式(I)の化合物を供することにより達成される。
【0004】
本発明に従い要求される化合物は、エバーメクチンの誘導体である。エバーメクチンは当業者に既知である。これらは、微生物ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)種が発行することにより得られる殺虫化性化合物に構造的に近似した群である。エバーメクチン誘導体は、慣習的な化学合成により得ることができる。
【0005】
ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)から得ることができるエバーメクチンは、A1a、A1b、A2a、A2b、B1a、B1b、B2a、及びB2bと呼ばれる。「A」及び「B」と呼ばれる当該化合物は、5位において、メトキシラジカル及びOH基をそれぞれ有する。「a」系及び「b」系は、置換基R1(25位における)が、それぞれsec−ブチルラジカル及びイソプロピルラジカルである化合物である。化合物名中の番号1は、原子22及び23が二重結合により連結されていることを意味し;番号2は、これらが単結合により連結され、且つC原子23がOH基を保有することを意味する。上記命名法は、天然エバーメクチンに対応する本発明に従う非天然のエバーメクチン誘導体の特別な構造タイプを表示するために、本発明の記載中において支持される。本発明は、B1系、特にエバーメクチンB1の誘導体の混合物、特にB1a及びB1bの化合物の誘導体とともに、炭素原子22と23の間に単結合を有する誘導体、及び25位においてほかの置換基を有する誘導体、並びに対応するモノサッカライドを利用可能にする。
【0006】
いくつかの式(I)の化合物は、互変異性体として存在してよい。従って、本明細書の前後において、式(I)の化合物は、適当な場合、たとえ後者が各ケースにおいて特別に言及されていなくても、対応する互変異性体を含むように理解される。
【0007】
式(I)の化合物、及び適用可能な場合、これらの互変異性体は、塩、例えば、酸付加塩を形成することができる。これらの酸付加塩は、例えば、強無機酸、例えば、鉱酸、例えば、硫酸、リン酸、又はハロゲン化水素酸により、強有機カルボン酸、例えば、置換されていない又は置換されている、例えば、ハロ−置換されたC1−C4アルカンカルボン酸、例えば、不飽和又は飽和時カルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、又はフタル酸、ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、又はクエン酸、又は安息香酸により、あるいは有機スルホン酸、例えば、置換されていない又は置換されている、例えば、ハロ−置換されている、C1−C4アルカン、又はアリール−スルホン酸、例えば、メタン−又はp−トルエン−スルホン酸により形成される。少なくとも1つの酸性基を有する式(I)の化合物は、更に塩基と塩を形成することができる。塩基を伴う適合な塩は、金属塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はマグネシウム塩、あるいはアンモニア又は有機アミンを伴う塩、例えば、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−、又はトリ−低級アルキルアミン、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、又はジメチルプロピルアミン、あるいはモノ−、ジ−、又はトリヒドロキシ−低級アルキルアミン、例えば、モノ−、ジ−、又はトリ−エタノールアミンである。対応する内部塩はまた、適当な場合に形成される。遊離形態が好ましい。式(I)の化合物の塩中、農芸化学的に有利な塩が好ましい。本明細書の前後において、式(I)の遊離化合物又はこれらの塩に対する関連は、適当な場合、対応する塩又は式(I)の遊離化合物をそれぞれ含むことが理解される。同じことは式(I)の化合物の互変異性体及びこれらの塩にも適用する。
【0008】
他に定義しないかぎり、本明細書の前後において使用される一般的な語は、以下の意味を有する。
【0009】
他に定義しないかぎり、炭素含有基は、1〜6、好ましくは1〜4、特には1又は2の炭素原子を含む。
【0010】
基それ自体及び他の基及び化合物、例えば、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びハロアルキルチオの構造要素としてのハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素、特にはフッ素、塩素、又は臭素、特にはフッ素又は塩素である。
【0011】
基それ自体、並びに他の基及び化合物の構造要素、例えば、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、及びアルキルチオとしてのアルキルは、問題の基又は化合物中に含まれる炭素原子の数を考慮した場合、直鎖、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、又はオクチル、あるいは分岐鎖、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はイソヘキシルである。アルキル基中の好ましい炭素原子の数は、1〜6、例えば、1〜4である。
【0012】
基それ自体、並びに他の基及び化合物の構造要素、例えば、ハロシクロアルキル、シクロアルコキシ、及びシクロアルキルチオとしてのシクロアルキルは、問題の基又は化合物中に含まれる炭素原子の数を考慮した場合、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルである。シクロアルキル基中の好ましい炭素原子の数は、3〜6、例えば、3〜4である。
【0013】
基それ自体、並びに他の基及び化合物の構造要素としてのアルケニルは、問題の基又は化合物中に含まれる炭素原子の数、及び接合又は分離した二重結合の数を考慮した場合、直鎖、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1、3−ヘキサジエニル、又は1、3−オクタジエニル、あるいは分岐鎖、例えば、イソプロペニル、イソブテニル、イソプレニル、tert−ペンテニル、イソヘキセニル、イソヘプテニル、又はイソオクテニルである。好ましくは、3〜12、特に3〜6、特に3又は4の炭素原子を有するアルケニル基を与える。
【0014】
基それ自体、並びに他の基及び化合物の構造要素としてのアルキニルは、問題の基又は化合物中に含まれる炭素原子の数、及び接合又は分離した二重結合の数を考慮した場合、直鎖、例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、1−ヘプタニル、3−ヘキセン−1−イニル、又は1、5−ヘプタジエン−3−イニル、あるいは分岐鎖、例えば、3−メチルブト−1−イニル、4−エチルペント−1−イニル、4−メチルヘキシ−2−イニル、又は2−メチルヘプト−3−イニルある。好ましくは、3〜12、特に3〜6、特に3又は4の炭素原子を有するアルキニル基を与える。
【0015】
ハロ置換炭素含有基及び化合物、例えば、ハロゲン置換−アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、又はアルキルチオは、部分的にハロゲン化又はペルハロゲン化されていてよく、ポリハロゲン化におけるハロゲン置換基は同一、又は異なっていてもよい。基それ自体、並びに他の基及び化合物の構造要素、例えば、ハロアルコキシ又はハロアルキルチオのハロアルキルは、フッ素、塩素、及び/又は臭素により1〜3回置換されたメチル、例えば、CHF2、又はCF3;フッ素、塩素、及び/又は臭素により1〜5回置換されたエチル、例えば、CH2CF3、CF2CF3、CF2CCl3、CF2CHCl2、CF2CHF2、CF2CFCl2、CF2CHBR2、CF2CHClF、CF2CHBrF、又はCClFCHClF;フッ素、塩素、及び/又は臭素により1〜7回置換されたプロピル又はイソプロピル、例えば、CH2CHBrCH2Br、CF2CHFCF3、CH2CF2CF3、CF(CF32、又はCH(CF32;フッ素、塩素、及び/又は臭素により1〜9回置換されたブチル又はこれらの異性体、例えば、CF(CF3)CHFCF3、又はCH2(CF22CF3;フッ素、塩素、及び/又は臭素により1〜11回置換されたペンチル又はこれらの異性体、例えば、CF(CF3)(CHF2)CF3、又はCH2(CF23CF3;並びにフッ素、塩素、及び/又は臭素により1〜13回置換されたヘキシル又はこれらの異性体、例えば、(CH24CHBrCH2Br、CF2(CHF)4CF3、CH2(CF24CF3、又はC(CF32(CHF)2CF3である。
【0016】
アリールは、特には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ペリレニル、又はフルオレニルであり、好ましくはフェニルである。
【0017】
ヘテロシクリルは、N、O、及びS、特にN及びSから成る群から選択される1〜3つへテロ原子を含む、飽和又は不飽和でよい、5〜7員のモノサイクリック環;あるいは飽和又は不飽和でよく、且つ1つの環のみ又は互いに独立な両方の環に、1又は2のN、O、及びSから選択されるヘテロ原子を含む8〜14の環原子を有するビシクリック環系であると理解される;ヘテロシクリルは、特に、好ましくはC原子を介して付着されるピペリジニル、ピペラジニル、オキシラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピリジル、N−オキシドピリジニオ、ピリミジル、ピラジニル、s−トリアジニル、1、2、4−トリアジニル、チエニル、フルアニル、ジヒドロフルアニル、テトラヒドロフルアニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、オキサジアゾリル、ヂオキサボロラニル、フタリミドリル、ベンゾチエニル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフルアニル、ベンズイミダゾリル、ベンズピロリル、インドリニル、イソインドリニル、クマリニル、インダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、プテリジニル、又はプリニルであり;チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサボロラニル、又はインドリルが好ましく;特にジオキサボロラニル、ピリジル、又はチアゾリルである。上記ヘテロシクリルラジカルは、好ましくは置換されていなくても、又は−上記環系における置換の可能性に依存して−ハロゲン、=0、−OH、=S、SH、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−ハロアルコキシ、フェニル、及びベンジルから成る群から選択される置換基により1〜3回置換されていてもよい。
【0018】
本発明の文脈において、好ましくは、
(2)式中、R1がイソプロピル又はsec−ブチルである、式(I)のグループ(1)に従う化合物、好ましくは当該イソプロピル及び当該sec−ブチル誘導体の混合物が存在するもの;
(3)式中R1がシクロヘキシルである、式(I)のグループ(1)に従う化合物;
(4)式中R1が1−メチル−ブチルである、式(I)のグループ(1)に従う化合物;
(5)式中、炭素原子22と23の間の結合が単結合である、式(I)のグループ(1)〜(4)のいずれかに従う化合物;
(6)式中、炭素原子22と23の間の結合が二重結合である、式(I)のグループ(1)〜(4)のいずれかに従う化合物;
(7)式中、mが0である、式(I)のグループ(1)〜(6)のいずれかに従う化合物;
(8)式中、mが1である、式(I)のグループ(1)〜(6)のいずれかに従う化合物;
(9)式中、ε位における立体配置が(R)である、式(I)のグループ(1)〜(8)のいずれかに従う化合物;
(10)式中、ε位における立体配置が(S)である、式(I)のグループ(1)〜(8)のいずれかに従う化合物;
(11)式中、XがOである、式(I)のグループ(1)〜(10)のいずれかに従う化合物;
(12)式中、XがSである、式(I)のグループ(1)〜(10)のいずれかに従う化合物;
(13)式中、R2が−N(R3)R4であり、R3が水素であり、そしてR4が一置換〜三置換されたC1−C12アルキル、あるいは置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキルである、式(I)のグループ(1)〜(12)のいずれかに従う化合物;
(14)式中、R2がOR5であり、そしてR5がC1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、又はC2−C12アルケニルである、式(I)のグループ(1)〜(12)のいずれかに従う化合物;
が与えられる。
【0019】
本発明の更なる観点は、式中R1が式(I)の(1)に定義されたとおりであり、mが0又は1であり、炭素原子22と23の間の結合が単結合又は二重結合であり、XがOであり、R2が−N(R3)R4であり、そしてR4がH又はC1−C12アルキルであり、特に式中R3がHであり、そしてR4がC1−C12アルキルである、式(I)の化合物である。
【0020】
本発明の文脈において、特に好ましくは表に挙げる式(I)の化合物、及び適当な場合にはこれらのE/Z異性体、及びE/Z異性体混合物が与えられる。
【0021】
また、本発明は以下の式の化合物
【化3】

及び、適当な場合には、これらの互変異性体の調製方法を供する。式中、R1、R3、R4、X、及びmは、式(I)の(1)において上に与えられたものと同じ意味を有し、そして炭素原子22と23の間の結合は単結合又は二重結合であり、ここで
(A)既知であり、又は既知の手順に従い調製することができる以下の式の化合物
【化4】

(式中R1及びmは式(I)において与えられた意味を有し、そしてRは保護基である)は、1、1’−カルボニルジイミダゾール、又は1、1’−チオカルボニルジイミダゾールで、以下の式の化合物
【化5】

(式中、Qは、Qで記された括弧中にある式(II)の部分と同じ意味を有し、XはO又はSである(「アシル化」))に変換される;
(B)式(IV)の化合物
【化6】

(式中、X及びQは、式(III )のために与えられたものと同じ意味を有する)は、式III の化合物とハロアルカン、好ましくはヨウ化メタンと反応させることにより調製される(「活性化」);
(C)式(V)の化合物
【化7】

(式中、R1、m、R2、R3、R4、及びXは、式(I)のために与えられたものと同じ意味を有し、炭素原子22と23の間の結合は単結合又は二重結合であり、そしてRは式(II)におけるような保護基である)は、式(IV)の化合物と式HN(R3)R4(式中R3、R4及びXは式(1)のために与えられたものと同じ意味を有する(「アミノ化」))の化合物を反応させることにより調製される。
(D)式(V)の上記化合物は脱保護される。
【0022】
本発明はまた、
(E)以下の式の化合物の調製方法
【化8】

及び、適当な場合にはこれらの互変異性体を供する。式中R1、R5、X及びmは式(I)のために(1)において上に与えられたものと同じ意味を有し、そして炭素原子22と23の間の結合は単結合又は二重結合である。
【0023】
上記式(IV)の化合物は、式R5−OH(式中R5は式(I)のために(1)において上に与えられたものと同じ意味を有する)と反応させ、そして当該反応混合物は工程(D)と類似する方法において脱保護される。
【0024】
式(Ia)の化合物の調製方法の他の変形において、脱保護工程(D)は、「活性化」工程(B)の前に行うことができる。それから上記「アミノ化」工程(C)は、5位における保護基を有することなく式(IV)の化合物で行なうことができる。
【0025】
同様に、活性化工程(B)は、完全に省略することができる。即ち、式(III )の化合物は最初に工程(C)に従い、化合物(V)に直接変換され、そして上記化合物(V)をされから工程(D)に従い脱保護し、又は化合物(III )を最初に脱保護し、それから工程(C)に類似する方法で化合物(Ia)に変換される。
【0026】
式(Ia)の化合物(式中、R3はHでありR4は上に定義の通りである)の調製のための他の変形において、式(II)の化合物は、式R4N=C=X(式中XはO又はSである)の化合物と反応させ、当該反応化合物は工程(D)と類似する方法において脱保護される。
【0027】
式(Ia)の化合物(式中、R3及びR4は上に定義したとおりである)の調製のための更なる変形において、式(II)の化合物は、式R34N(C=X)Cl(式中XはO又はSである)の化合物と反応させ、当該反応化合物は工程(D)と類似する方法において脱保護される。
【0028】
式(Ib)の化合物の調製のための上の方法の他の変形において、脱保護工程(D)は、「活性化」工程(B)の前に行なうことができる。式R5OHの化合物での反応(工程(E))は、それから、式(IV)の化合物で、5位における保護基を有することなく行なわれる。
【0029】
式(Ib)の化合物の調製のための上の方法の他の変形において、上記活性化工程は、完全に省略することができ、そして、酸、好ましくはメタンスルホン酸の存在下における式R5OHの化合物と式(III )の化合物(式中XはOである)の反応は、式(Ib)の化合物(X=Oである)を直接的に供する。
【0030】
式(Ib)の化合物(X=Oである)の調製のための上の方法の更なる変形において、式(II)の化合物は、式R5OCOCl又は式R5O(C=O)O(C=O)OR5(式中R5は式(I)のために定義した同じ意味を有する)の化合物と反応させ、当該反応化合物は、工程(D)と類似する方法において脱保護される。
【0031】
式(I)の化合物の互変異性体に関して上述されたコメントは、本明細書の前後で互変異性体及びジアステレオマーに関して述べられる開示物質に対して、類似して適用される。
【0032】
本明細書の前後で記述される反応は、それ自体既知の方法において、例えば、適当な溶媒又は希釈剤又はこれらの混合物の不存在下、又は慣習的に存在下で行われ、当該反応は、必要であれば、冷却して、室温で、又は加熱して、例えば、約−80℃から反応媒介物の沸点温度の範囲、好ましくは約0℃〜約150℃で、そして必要であれば、密封された容器中で、圧力下において、不活性ガス雰囲気下及び/又は無水条件下で行なわれる。特に有利な反応条件は、実施例において見出せる。
【0033】
反応時間は決定的ではなく;約0.1〜約24時間、特には約0.5〜約10時間の反応時間が好ましい。
【0034】
生成物は、慣習的な方法、例えば、ろ過、結晶化、蒸留、又はクロマトグラフィーの手段により、又はこれらの方法のいずれかの適当な組み合わせにより単離される。
【0035】
保護基は、例えば、式(II)、(III )、(IV)、及び(V)の化合物において定義されたとおりであり、以下を含む:アルキルエーテルラジカル、例えば、メトキシメチル、メチルチオメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジル、2−メトキシエトキシメチル、2、2、2−トリ−クロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、tert−ブチル、アリル、p−メトキシフェニル、2、4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、トリフェニルメチル;トリアルキルシリルラジカル、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル−tert−ブチルシリル、ジメチル−イソプロピルシリル、ジメチル−1、1、2−トリメチルプロピルシリル、ジエチル−イソプロピルシリル、ジメチル−tert−ヘキシルシリル、またフェニル−tert−アルキルシリル基、例えば、ジフェニル−tert−ブチルシリル;エステル、例えば、ホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、フェノキシアセテート、ピバロエート、ベンゾエート;アルキルカルボネート、例えば、メチル−、9−フルオレニル−メチル−、エチル−、2、2、2−トリクロロエチル−、2−(トリメチルシリル)エチル−、ビニル−、アリル−、ベンジル−、p−メトキシ−ベンジル−、o−ニトロベンジル−、p−ニトロベンジル−、またp−ニトロフェニル−カルボネート。
【0036】
好ましくは、トリアルキルシリルラジカル、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル−tert−ブチルシリル、ジフェニル−tert−ブチルシリル、エステル、例えば、メトキシアセテート、及びフェノキシアセテート、及びカルボネート、例えば、9−フルオレニルメチルカルボネート、及びアリルカルボネートが与えられる。ジメチル−tert−ブチルシリルエーテルが特に好ましい。
【0037】
式(I)の化合物の調製のために使用される本明細書の前後に述べられる開始物質、及び適用できる場合には、これらの互変異性体は、既知であり、又はそれ自体既知の方法、例えば、以下に示される方法により調製できる。
【0038】
また、式(III )〜(V)の化合物も、本発明の観点である。当該式(III )〜(V)の化合物は、5位における酸素原子上に保護基を有志、あるいは脱保護されている。保護及び脱保護形態における式(I)及び式(III )〜(V)の化合物は、式(I)の化合物の合成のための価値のある中間体であり、それ自体既知の方法により調製することができる。式(I)の化合物の合成のための保護及び脱保護形態における式(II)及び式(III )〜(V)の化合物の使用もまた、本発明の目的である。置換基の好ましいものは、セクション(2)〜(14)中の式(I)の化合物のために定義したものと同じである。
【0039】
プロセス変形(A)
溶媒及び希釈剤の例は以下を含む:芳香族、脂肪族及び脂環式炭化水素、並びにハロゲン化炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、又はテトラクロロエタン;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、又はジオキサン;カルボン酸のエステル、例えば、酢酸エチル;アミド、例えば、ジメチル−ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又は1−メチル−2−ピロリジノン;ニトリル、例えば、アセトニトリル;スルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド;又は上述の溶媒の混合物。好ましいものはアミド、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド、特にはジメチル−アセトアミドが与えれる。
【0040】
上記反応は、有利には、約−70℃〜50℃、好ましくは−10℃〜25℃の温度範囲において行なわれる。
【0041】
上記反応のために特に好ましい条件は、実施例P.1(工程A)及びP.7(工程A)に記載されている。
【0042】
プロセス変形(B):
溶媒及び希釈剤の例は、プロセス変形(A)で述べたものと同じである。特に、ニトリル、例えば、アセトニトリル、が特に適当である。
【0043】
上記反応は、有利には、約−70℃〜50℃、好ましくは−10℃〜25℃の温度範囲において行なわれる。
【0044】
上記反応のために特に好ましい条件は、実施例P.1(工程C)及びP.7(工程C)に記載されている。
【0045】
プロセス変形(C):
溶媒及び希釈剤の例は、プロセス変形(A)で述べたものと同じである。
【0046】
上記反応は、有利には、約−70℃〜60℃、好ましくは0℃〜25℃の温度範囲において行なわれる。
【0047】
上記反応のために特に好ましい条件は、実施例P.1(工程D)、P.4(工程D)、及びP.7(工程C)に記載されている。
【0048】
プロセス変形(D):
溶媒及び希釈剤の例は、プロセス変形(A)で述べたものと同じである。更に、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、又は2−プロパノール、及び水が適当である。
【0049】
上記反応は、有利には、約−70℃〜100℃、好ましくは−10℃〜25℃の温度範囲において行なわれる。
【0050】
保護基の除去に適当なものは、ルイス酸、例えば、塩酸、メタンスルホン酸、BF3OEt2、ピリジン中のHF、Zn(BF422O、p−トルエンスルホン酸、AlCl3、HgCl2;フッ化アンモニウム、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド;塩基、例えば、アンモニア、トリアルキルアミン、又はへテロシクリック塩基;触媒での水素化分解、例えば、炭素上パラジウム;還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、又は触媒を伴う水素化トリブチルスズ、例えば、Pd(PPh34、又は酢酸を伴う亜鉛である。
【0051】
好ましくは、酸、例えば、メタンスルホン酸、又はピリジン中HF;Pd(0)を伴う水素化ホウ素ナトリウム;塩基、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、又はピリジン;特には、酸、例えば、ピリジン中HF、又はメタンスルホン酸が与えられる。
【0052】
上記反応のために特に好ましい条件は、実施例P.1(工程B)、P.4(工程E)、P.6(工程B)、及びP.10(工程C)に記載されている。
【0053】
プロセス変形(E):
溶媒及び希釈剤の例は、プロセス変形(A)で述べたものと同じである。
【0054】
上記反応は、有利には、約−70℃〜60℃、好ましくは0℃〜25℃の温度範囲において行なわれる。
【0055】
上記反応のために特に好ましい条件は、実施例P.21(工程A)、及びP.22に記載されている。
【0056】
式(I)の化合物は、可能な異性体の1つの形態において、又はこれらの混合物の形態において、純粋な異性体の形態において、又は異性体混合物の形態において、即ち、ジアステレオマーの混合物の形態において存在してよい;本発明は、純粋な異性体及びジアステレオマー混合物の両方に関し、そして、たとえ全てのケースにおいて立体化学的な詳細が具体的に述べられていないとしても、本明細書の前後において解釈される。
【0057】
ジアステレオマー混合物は、既知の方法により、例えば、溶媒からの再結晶化により、クロマトグラフィー、例えば、アセチルセルロースにおける高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、適当な微生物の助けにより、特異的な、固定化酵素での切断により、又は封入化合物の形成を介して、例えば、クラウンエーテルを使用して、1つの異性体のみが複合している、純粋な異性体に分離することができる。
【0058】
対応する異性体の混合物の分離により、純粋なジアステレオ異性体は、立体選択的な合成の一般的に既知の方法により、例えば、対応する適当な立体化学を有する開始物質を使用する本発明に従う方法を行なうことにより、得ることができる。
【0059】
各ケースにおいて、個々の成分が異なる生物活性を有する場合、生物学的により活性な異性体を単離又は合成することが有利である。
【0060】
また、式(I)の化合物は、これらの水和物形態において得ることができ、及び/又は他の溶媒、例えば、固形形態における化合物の結晶化のために使用されることができる溶媒を含んでよい。
【0061】
本発明は、当該プロセスのいずれかの工程における開始物質又は中間体として得ることができる化合物が、開始物質として使用され、そしていくつか又は全ての残りの工程が行われ、又は開始物質が誘導体又は塩、及び/又はそのラセミ体、又はエナンチオマーの形態において使用され、又は特に上記反応条件下で形成されることに従うプロセスのこれら全ての態様に関する。
【0062】
本発明のプロセスにおいて、式(I)の化合物をもたらす開始物質及び中間体を使用することが好ましい。
【0063】
本発明は、特に、実施例P.1〜P.20のいずれか1つに記載の調製プロセスに関する。
【0064】
有害生物の制御の分野において、本発明に従う式(I)の化合物は、低い割合の濃度であっても極めて有利な殺生物スペクトルを伴う価値のある防止的及び/又は治療的活性を示す活性成分であり、一方で温血動物、魚、及び植物には許容される。これらは、驚くべきことに、植物有害生物、並びに人における外寄生生物及び内寄生生物、並びにより特には、生産的家畜、家畜及びペットにおける制御のためにも同様に適当である。これらは、全ての又は個々の通常の感受性の有害動物の発生段階に対して有効であるが、抵抗性の有害動物、例えば、昆虫、及び代表的なダニ目、線形動物、条虫、及び吸虫についても有効であり、一方で同時に有用な生物を保護する。本発明に従う活性成分の殺虫又は殺ダニ活性は、それ自身直接的に、即ち、即時に又はほんの少し後に、例えば脱皮の間に発生する有害生物の死亡率において、あるいは間接的に、例えば減少した産卵率、及び/又は孵化率において、少なくとも50〜60%の死亡率に相当する優れた活性を示す。
【0065】
本発明の対象の範囲内の成功した制御は、特に、チョウ目(Lepidoptera)、甲虫目(Coleoptera)、バッタ目(Orthoptera)、シロアリ目(Isoptera)、チャタテムシ目(Psocoptera)、シラミ目(Anoplura)、ハジラミ目(Mallophaga)、アザミウマ目(Thysanoptera)、異翅目(Heteroptera)、同翅目(Homoptera)、ハチ目(Hymenoptera)、ハエ目(Diptera)、ノミ目(Siphonaptera)、シミ目(Thysanura)、及びダニ目(Acarina)、主にチョウ目(Lepidoptera)、及び甲虫目(Coleoptera)の有害生物に可能である。極めて特に優れた制御は、以下の有害生物に可能である。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
【表5】

【0071】
また、本発明に従う化合物を使用して線形動物クラスの有害生物の制御も可能である。これらの有害生物は、例えば、根瘤病線形動物(root knot nematodes)、シスト形成線形動物、並びにまた茎及び葉線形動物;特に、Heterodera spp. , 例えば、Heterodera schachtii, Heterodora avenae 及びHeterodora trifolii;Globodera spp. , 例えば、Globodera rostochiensis;Meloidogyne spp. , 例えば、Meloidogyne incognita 及びMeloidogyne javanica ; Radopholus spp. , 例えば、 Radopholus similis ; Pratylenchus, 例えば、 Pratylenchus neglectans 及び Pratylenchus penetrans; Tylenchulus, 例えば、Tylenchulus semipenetrans;Longidorus, Trichodorus, Xiphinema, Ditylenchus, Apheenchoides 及びAnguina; 特に Meloidogyne, 例えば、Meloidogyne incognita 及びHeterodera, 例えば、Heterodera glycines を含む。
【0072】
本発明の特に重要な観点は、寄生摂食有害生物に対する植物の保護における、本発明に従う式(I)の化合物の使用である。
【0073】
本発明に従う化合物、及び有害動物に対するこれらを含んで成る組成物の作用は、他の殺虫剤、殺ダニ剤、又は殺線虫剤を添加することにより有意に広幅化され、そして与えられた環境に適用させることができる。適当な添加剤は、例えば、代表的な以下の種類の活性成分を含む:有機リン化合物、ニトロフェノール類及び誘導体、ホルムアミジン類、尿素類、カルバメート類、ピレスロイド類、塩化炭化水素、ネオニコチノイド類、及びバチルスチューリンゲンシス調製物を含む。
【0074】
特に適当な混合パートナーの例は:アザメチホス(azamethiphos);クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos);シペルメトリン(cypermethrin)、シペルメトリン ハイ−シス(cypermethrin high-cis); シロマジン(cyromazine); ジアフェンチウロン(diafenthiuron); ジアジノン(diazinon);ジクロルボス(dichlorvos);ジクロトホス(dicrotophos); ジシクラニル(dicyclanil); フェノキシカルブ(fenoxycarb); フルアズロン(fluazuron); フラチオカルブ(furathiocarb);イサゾホス(isazofos); イオドフェンホス(iodfenphos); キノプレン(kinoprene); ルフェヌロン(lufenuron); メタクリホス(methacriphos); メチダチオン(methidathion); モノクロトホス(monocrotophos); ホスファミドン(phosphamidon); プロフェノホス(profenofos); ジオフェノラン(diofenolan);バチルスチューリンゲンシス株GC91又はNCTC11821株から得られる化合物; ピメトロジン(pymetrozine); ブロモプロピレート; メトプレン(methoprene); ジスルホトン(disulfoton) ; キナルホス(quinalphos ); タウフルバリネート(taufluvalinate); チオシクラム(thiocyclam); チオメトン(thiometon); アルジカルブ(aldicarb); アジンホス−メチル(azinphos-methyl); ベンフラカルブ(benfuracarb); ビンフェントリン(bifenthrin); ブプロフェジン(buprofezin); カルボフラン(carbofuran); ジブチルアミノチオ(dibutylaminothio); カルタプ(cartap); クロルフルアズロン(chlorfluazuron); クロルピリホス(chlorpyrifos); シフルトリン(cyfluthrin); ラムダ−シハロトリン(lambda-cyhalothrin); アルファ−シペルメトリン(alpha-cypermethrin);ゼータ−シペルメトリン(zeta-cypermethrin); デルタメトリン(deltamethrin); ジフルベンズロン(diflubenzuron); エンドスルファン(endosulfan); エチオフェンカルブ(ethiofencarb); フェニトロチオン(fenitrothion); フェノブカルブ(fenobucarb); フェンバレレート(fenvalerate); ホルモチオン(formothion); メチオカルブ(methiocarb); ヘプテンホス(heptenophos); イミダクロプリド(imidacloprid); チアメトキサム(thiamethoxam); クロチアニジン(clothianidin); イソプロカルブ(isoprocarb); メタミドホス(methamidophos); メトミル(methomyl); メビンホス(mevinphos); パラチオン(parathion); パラチオン−メチル(parathion-methyl); ホスサロン(phosalone); ピリミカルブ(pirimicarb); プロポキサー(propoxur); テフルベンズロン(teflubenzuron); テルブホス(terbufos); トリアザメート(triazamate); フェノブカルブ(fenobucarb); テブフェノジド(tebufenozide); フィプロニル(fipronil); ベータ−シフルトリン(beta-cyfluthrin); シラフオフェン(silafluofen); フェンピロキシメート(fenpyroximate); ピリダベン(pyridaben); フェナザキン(fenazaquin);ピリプロキシフェン( pyriproxyfen); ピリミジフェン(pyrimidifen); ニテンピラム(nitenpyram); アセタミプリド(acetamiprid); エマメクチン(emamectin); エマメクチン−ベンゾエート(emamectin-benzoate); スピノサド(spinosad);昆虫に対して活性である植物抽出物;線虫動物を含んで成り、そして昆虫に対して活性である調製物;枯草菌(Bacillus subtilis)から得ることができる調製物;真菌を含んで成り、そして昆虫に対して活性である調製物;ウイルスを含んで成り、そして昆虫に対して活性である調製物;クロルフェナピル(chlorfenapyr);アセフェート(acephate); アクリナトリン(acrinathrin); アラニカルブ(alanycarb);アルファメトリン(alphamethrin); アミトラズ(amitraz);AZ60541;アジンホスA(azinphos A);アジンホスM(azinphos M);アゾシクロチン(azocyclotin);ベンジオカルブ(bendiocarb);ベンスルタップ(bensultap);ベータ−シフルトリン(beta-cyfluthrin);BPMC; ブロフェンプロックス(brofenprox);ブロモホスA(bromophos A);ブフェンカルブ(bufencarb);ブトカルボキシン(butocarboxin);ブチルピリダベン(butylpyridaben);カジュサホス(cadusafos);カルバリル(carbaryl);カルボフェノチオン(carbophenothion);クロエトカルブ(chloethocarb);クロエトキシホス(chlorethoxyfos); クロルメホス(chlormephos);シス−レスメトリン(cis-resmethrin);クロシトリン(clocythrin);クロフェンテジン(clofentezine);シアノホス(cyanophos);シクロプロトリン(cycloprothrin);シヘキサチン(cyhexatin);デメトンM(demeton M);デメトンS(demeton S);デメトン−S−メチル(demeton-S-methyl);ジクロフェンチオン(dichlofenthion);ジクリホス(dicliphos);ジエチオン(diethion);ジメトエート(dimethoate);ジメチルビンホス(dimethylvinphos);ジオキサチオン(dioxathion);エジフェンホス(edifenphos);エスフェンバレレート(esfenvalerate);エチオン(ethion);エトフェンプロックス(ethofenprox);エトプロホス(ethoprophos);エトリムホス(etrimphos);フェナミホス(fenamiphos);フェンブタチンオキシド(fenbutatin oxide);フェノチオカルブ(fenothiocarb);フェンプロパトリン(fenpropathrin);フェンピラド(fenpyrad);フェンチオン(fenthion);フルアジナム(fluazinam);フルシクロキスロン(flucycloxuron);フルシトリネート(flucythrinate);フルフェノキスロン(flufenoxuron);フルフェンプロックス(flufenprox);フォノホス(fonophos);フォスチアゼート(fosthiazate);フブフェンプロックス(fubfenprox);HCH;ヘキサフルムロン(hexaflumuron);ヒキシチアゾックス(hexythiazox);IKI−220;イプロベンフォス(iprobenfos); イソフェンホス(isofenphos); イソキサチオン(isoxathion); イベルメクチン(ivermectin); マラチオン(malathion); メカルバン(mecarbam); メスフフェンホス(mesulfenphos); メタルデヒド(metaldehyde); メトルカルブ(metolcarb); ミルベメクチン(milbemectin);モキシデクチン(moxidectin); ナレド(naled); NC184; オメトエート(omethoate); オキサミル(oxamyl); オキシデメトンM(oxydemethon M); オキシデプロフォス(oxydeprofos); ペルメトリン(permethrin); フェントエート(phenthoate); フォレート(phorate); ホスメット(phosmet); ホキシム(phoxim); ピリミホスM(pirimiphos M); ピリミホスE(pirimiphos E); プロメカルブ(promecarb); プロパホス(propaphos); プロチオホス(prothiofos); プロトエート(prothoate); ピラクロホス(pyrachlophos); ピラダフェンチオン(pyradaphenthion); ピレスメトリン(pyresmethrin); ピレスルム(pyrethrum); テブフェノジド(tebufenozide); サリチオン(salithion); セブフォス(sebufos); スルフォテップ(sulfotep); スルプロホス(sulprofos); テブフェンピラド(tebufenpyrad); テブピリムホス(tebupirimphos); テフルトリン(tefluthrin); テメホス(temephos); テルバム(terbam); テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos); チアクロピリド(thiacloprid); チアフェノックス(thiafenox); チオジカルブ(thiodicarb); チオファノックス(thiofanox); チオナジン(thionazin); スリンジェンシン(thuringiensin); トラロメトリン(tralomethrin); トリアラセン(triarathene); トリアゾホス(triazophos); トリアズロン(triazuron); トリクロルホン(trichlorfon); トリフルムロン(triflumuron); トリメタカルブ(trimethacarb); バミドチオン(vamidothion); キシリルカルブ(xylylcarb); YI5301/5302;ゼタメトリン(zetamethrin);DPX−MP062−インドキサカルブ ; メトキシフェノジド(methoxyfenozide);ビフェナゼート(bifenazate); XMC (3,5−キシリル メチルカルバメート);又は真菌病原性メタジウム・アニソプリアエ(Metarhizium anisopliae)を含む。
【0075】
本発明に従う化合物は、植物において、特に農業、園芸、及び林業において有用な植物及び観賞植物、又はこのような植物の部分、例えば、果実、花、葉、茎、塊茎、又は根において生じる上述の種類の有害生物を制御するために、即ち阻害又は駆除するために使用することができ、一方、一定の場合、後に成長する植物は、これらの有害生物に対して依然保護される。
【0076】
標的作物は、特に、穀類、例えば、小麦、大麦、ライ麦、カラスムギ、稲、トウモロコシ、及びソルガム;ビート、例えば、シュガービート、及びフォダービート、例えば、梨状果、石果、及び固い種のない小果実、例えば、リンゴ、洋ナシ、プラム、桃、アーモンド、チェリー、及びベリー、例えば、ストロベリー、ラズベリー、及びブラックベリー;マメ科植物、例えば、豆、レンズマメ、及び大豆;油植物、例えば、アブラナ、マスタード、ポピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油、ココア、及び落花生;ウリ科、例えば、マロウ、キュウリ、及びメロン、繊維植物、例えば、綿、亜麻、麻、及びジュート;柑橘類、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、及びマンダリン;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、及びパプリカ、クスノキ科、例えば、アボカド、シナモン、カンファー;及びタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、蔓草、ホップ、バナナ、天然ゴム植物、及び観賞植物を含む。
【0077】
本発明に従う化合物の使用の更なる分野は、貯蔵製品、及び貯蔵室の保護、並びに原料の保護、並びに衛生セクター、特に、上述の種類の有害生物に対する家庭動物及び生産的家畜の保護、より特には家庭動物の保護、特に、ネコ及びイヌのノミ、マダニ、及び線虫動物による感染からの保護である。
【0078】
従って、本発明はまた、殺虫組成物、例えば、乳化性濃縮物、懸濁濃縮物、直接噴霧可能な又は希釈可能な溶液、噴霧性ペースト、希釈乳化物、湿潤性粉末、溶解性粉末、分散性粉末、湿潤性粉末、粉塵、顆粒、及びポリマー物質のカプセル化物に関し、少なくとも1つの本発明に従う化合物を含んで成り、処方の選択は、意図する目的及び支配的な環境に関連して行われる。
【0079】
上記活性成分は、純粋な形態、固形活性成分、例えば、一定の粒子サイズにおいて、又は好ましくは1以上の処方技術において慣習的なアジュバント、例えば、増量剤、例えば、溶媒又は固形担体、又は界面活性化合物(界面活性剤)と一緒に、これらの組成物において使用される。ヒト、家庭動物、生産性家畜、及びペットにおける寄生虫の制御の分野において、生理学的に耐性な添加物が使用されることは自明である。
【0080】
溶媒は、例えば、非水素化又は部分的に水素化した芳香族炭化水素、好ましくはC8〜C12の区分のアルキルベンゼン、例えば、キシレン混合物、アルキル化ナフタレン、又はテトラヒドロナフタレン、脂肪族又は環式脂肪族炭化水素、例えば、パラフィン、又はシクロヘキサン、アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、又はブタノール、グリコール、並びにこれらのエーテル及びエステル、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールエーテル、エチレングリコール、又はエチレングリコールモノメチル若しくは−エチルエーテル、ケトン、例えば、シクロヘキサノン、イソホロン、又はジアセトンアルコール、強極性溶媒、例えば、N−メチルピロリド−2−オン、ジメチルスルホキシド、又はN,N−ジメチルホルムアミド、水、非エポキシ化又はエポキシ化植物油、例えば、非エポキシ化又はエポキシ化アブラナ、ヒマシ油、又はソヤ油、及びシリコン油である。
【0081】
例えば、粉塵及び分散性粉末に使用される固形担体は、一般的に、天然の岩の粉末、例えば、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイト、又はアタパルジャイトである。高分散性のケイ酸、又は高分散性の吸収ポリマーもまた、当該物性を向上させるために添加してもよい。顆粒状吸着性顆粒担体は、多孔質型、例えば、軽石、砕いたレンガ、海泡石、又はベントナイトであり、非吸着性担体物質は、方解石、又は砂である。大量の無機又は有機的性質の顆粒物質は、特にドロマイト、又は粉末化植物残留物において、更に使用することができる。
【0082】
界面活性化合物は、処方される活性化合物、非イオン性、陽イオン性、及び/又は陰イオン性の界面活性剤、又は優れた乳化、分散及び湿潤特性を有する界面活性混合物の特性に依存する。以下に挙げる界面活性剤は、単なる一例である;処方技術において慣習的で、本発明に適当な多くの他の界面活性剤は、関連する文献中に記載されている。
【0083】
非イオン性界面活性剤は、特に、脂肪族又は環式脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル誘導体、飽和若しくは不飽和脂肪酸、及びアルキルフェノールであって、(脂肪族)炭化水素ラジカル中に3〜30のグリコールエーテル基、及び8〜20の炭素原子を有し、そしてアルキルフェノールのアルキルラジカル中に6〜18の炭素原子を有する。更に適当な物質は、アルキル鎖中に1〜10の炭素原子を有するプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコール、及びアルキルポリプロピレングリコールにおいて、20〜250のエチレングリコールエーテル及び10〜100のプロピレングリコールエーテル基を含む、水溶性ポリエチレンオキシド付加物である。上述の化合物は、通常、プロピレングリコールあたり1〜5のエチレングリコールユニットを含む。例は、ノニルフェノール−ポリエトキシエタノール、ヒマシ油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン−ポリエチレンオキシド付加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコール、及びオクチルフェノキシポリエトキシエタノールである。他の物質は、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレンソルビタントリオレエートである。
【0084】
陽イオン性界面活性剤は、特に、置換基として、8〜22の炭素原子を有する1以上のアルキルラジカル、更なる置換基として、低級の非ハロゲン化又はハロゲン化アルキル、ベンジル、又は低級ヒドロキシアルキルラジカルを含む、四級アンモニウム塩である。当該塩は、好ましくは、ハロゲン化物、メチルスルフェート、又はエチルスルフェートの形態におけるものである。例は、ステアリル−トリメチル−アンモニウムクロリド、及びベンジル−ジ−(2−クロロエチル)−エチル−アンモニウムブロミドである。
【0085】
適当な陰イオン性界面活性剤は、水溶性石鹸及び水溶性合成界面活性化合物であってよい。適当な石鹸は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び置換されている、又は置換されていないよ高脂肪酸(C10−C22)のアンモニウム塩、例えば、オレイン酸又はステアリン酸のナトリウム又はカリウム塩、あるいは、例えば、ココナッツ油、又はトール油から得ることができる天然脂肪酸混合物;及び更には脂肪酸メチル−タウリン塩である。しかしながら、合成界面活性剤は、より頻繁に使用され、特に、脂肪性スルホネート、脂肪性スルフェート、スルホン化ベンズイミサゾール誘導体、又はアルキルアリールスルホネートである。脂肪性スルホネート、及びスルフェートは、通常、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は置換されている、若しくは置換されていないアンモニウム塩の形態であり、そして、一般的に、8〜22の炭素原子のアルキルラジカルを有し、また、アルキルは、アシルラジカルのアルキル部分を含む;例は、リグニンスルホン酸のナトリウム又はカルシウム塩、ドデシルスルホン酸エステルのナトリウム又はカルシウム塩、あるいは天然脂肪酸から調製された脂肪アルコール硫酸塩混合物のナトリウム又はカルシウム塩である。また、これらは、脂肪アルコール−エチレンオキシド付加物の硫酸エステル及びスルホン酸の塩である。当該スルホン化ベンズイミダゾール誘導体は、好ましくは、2つのスルホン酸基、及び8〜22の炭素原子を有する脂肪酸ラジカルを含む。アルキルアリールスルホネートは、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム、カルシウム、又はトリエタノールアンモニウム塩、ジブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム、カルシウム、又はトリエタノールアンモニウム塩、又はナフタレンスルホン酸のナトリウム、カルシウム、又はトリエタノールアンモニウム塩−ホルムアルデヒド縮合生成物である。対応するホスフェート、例えば、p−ノニルフェノール−(4−14)−エチレンオキシド付加物又はリン脂質のリン酸エステルの塩を、更に使用することができる。
【0086】
上記組成物は、通常0.1〜99%、特には0.1〜95%の活性化合物、及び1〜99.9%、特には5〜99.9%の少なくとも1つの固形又は液体補助物を含んで成り、通常0〜25%、特には0.1〜20%の界面活性剤としての組成物を含んで成る(%は各ケースとも重量パーセントである)。濃縮組生物は、商品としてより好ましいが、末端ユーザーは、通常、かなり低濃度の活性化合物を含んで成る希釈組成物を使用する。好ましい組成物は、特に以下のように構成される(%=重量パーセント):
【0087】
乳化性濃縮物:
活性成分: 1〜90%、好ましくは5〜20%
界面活性剤: 1〜30%、好ましくは10〜20%
溶媒: バランス
【0088】
粉塵:
活性成分: 0.1〜10%、好ましくは0.1〜1%
固形担体: 99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
【0089】
懸濁性濃縮物:
活性成分: 5〜75%、好ましくは10〜50%
界面活性剤: 1〜40%、好ましくは2〜30%
水: バランス
【0090】
湿潤性粉末:
活性成分: 0.5〜90%、好ましくは1〜80%
界面活性剤: 0.5〜20%、好ましくは1〜15%
固形担体: バランス
【0091】
顆粒:
活性成分: 0.5〜30%、好ましくは3〜15%
固形担体: 99.5〜70%、好ましくは97〜85%
【0092】
また、本発明に従う組成物は、更に、固形又は液体アジュバント、例えば、安定化剤、例えば、植物油若しくはエポキシド化植物油(例えば、エポキシド化ココナッツ油、アブラナ油、又は大豆油)、泡止め剤、例えば、シリコン油、防腐剤、粘性調節剤、結合剤、及び/又は粘着付与剤、並びに肥料、又は特別な効果を得るための他の活性成分、例えば、ダニ駆除剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤、又は選択性除草剤を含んでよい。
【0093】
本発明に従う作物保護製品は、アジュバントの不存在下において、既知の方法により、例えば、固形活性成分又は活性成分の混合物を、例えば、一定の粒子サイズに粉砕し、篩にかけ、及び/又は圧縮することにより、及び1以上のアジュバントの存在下において、例えば、活性成分又は活性成分混合物をアジュバントとよく混合すること、及び/又は粉砕することにより調製される。本発明は、同様に、本発明に従う組成物のこれらの調製プロセス、及びこれらの組成物の調製における式(I)の化合物の使用に関する。
【0094】
また、本発明は、作物保護製品の適用方法、即ち、上述の種類の有害生物の制御方法、例えば、噴霧、微粒化、粉塵化、コーティング、ドレッシング、散乱化、又は注入に関し、それらは意図される目的及び支配的な環境に従い選択され、そして上述の種類の有害生物の制御のための組成物の使用に関する。典型的な濃度割合は、0.1〜1000ppm、好ましくは0.1〜500ppmの活性成分である。ヘクタールあたりの適用割合は、一般的にヘクタールあたり1〜2000gの活性成分、特には10〜1000g/ha、好ましくは20〜600g/ha、もっとも好ましくは20〜100g/haである。
【0095】
作物保護の部分における適用の好ましい方法は、植物の葉に対する適用であり(葉適用)、適用の頻度及び割合は、問題の有害生物による感染のリスクに依存する。しかしながら、当該活性成分はまた、植物の場所が液体製剤に浸透されている場合、あるいは当該活性成分が植物の場所に、例えば、土壌に、例えば、顆粒形態において固形形態において組み入れられている場合(土壌適用)、根を通して植物に浸透することができる(全身作用)。水田作物の場合、このような顆粒は測定量において冠水田に適用することができる。
【0096】
また、本発明に従う作物保護製品は、有害動物に対して、植物増殖原料、例えば、種子、例えば、果実、塊茎又は子実、あるいは植物のカッティングを保護するために適当である。当該増殖原料は、定植の前に当該組成物で処理することができる:例えば、種子は、蒔く前にドレッシングすることができる。本発明に従う活性成分はまた、種子を液体製剤に浸透させることにより、又は固形製剤でこれらをコーティングすることにより子実に適用することができる(コーティング)。また、当該組成物は、増殖原料が定植される場合、定植場所、例えば、種を蒔く溝に適用することができる。本発明はまた、植物増殖原料の処理方法、及びこのように処理された植物増殖原料に関する。
【実施例】
【0097】
調製例:
ほとんどの場合、上記化合物は、エバーメクチン誘導体B1a及びB1bの混合物として存在し、慣習的な物理データ、例えば、融点又は屈折率による特徴づけはほとんど意味を成さない。この理由のために、当該化合物は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)による分析において測定される保持時間により特徴づけられる。ここで、B1aの語は、通常80%異常の含有量を伴う、R1がsec−ブチルである主成分に関する。B1bは、R1がイソプロピルである、微量成分を示す。2つの保持時間がB1aとB1b誘導体の両方とも与えられる化合物は、クロマトグラフィー的に分離できるジアステレオマーの混合物である。保持時間がカラムB1aにおいてのみ、又はカラムB1bにおいてのみ与えられる化合物の場合、純粋なB1a又はB1b成分は、それぞれ、検査を通して得ることができる。B1a及びB1b成分の正確な構造は、マススペクトル法により割り当てられる。
【0098】
【表6】

【0099】
化合物のクロマトグラフィーのために使用される上記YMC−Pack ODS−AQカラムは、YMC, Alte Raesfelderstrasse 6,46514 Schermbeck, Germanyにより製造される。
【0100】
実施例P.1: 4’−(S)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
工程A: ジクロロメタン(210ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1モノサッカライド(18g)の溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(5.2g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(11.4g)を添加する。当該混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後当該混合物を氷水(350ml)に注ぐ。ジクロロメタンで抽出し、続いて有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下で蒸留することにより溶媒を除去する。得られた粗物質を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0101】
工程B: アイスバス中で冷却されるメタノール(145ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(13.1g)に、メタノール(2.5ml)中のメタンスルホン酸(1.0ml)の溶液を添加する、当該混合物を3時間撹拌し、その後、当該混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(200ml)に注ぐ。酢酸エチルで抽出し、その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去する。得られた粗物質を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0102】
4’−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4562212,MW:822MS:823(M+H).1HNMR(300MHz,CDCl3)セレクトデータ,δH(ppm):8.23(s,1H,イミダゾール),7.61(s,1H,イミダゾール),7.13(s,1H,imidazole),3.42(s,3H,OCH3).
【0103】
工程C: 室温におけるアセトニトリル(20ml)中の4’−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(2.9g)に、ヨウ化メチル(5.4ml)を添加する。当該混合物を3時間撹拌し、その後、当該揮発性成分を減圧下で蒸留することにより除去し、4’−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。
【0104】
工程D: ジクロロメタン(5ml)中の4’−(S)−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(232mg)に、メチルアミンハイドロクロライド(81ml)及びトリエチルアミン(88μl)を添加する。当該混合物を0.5時間撹拌し、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0105】
4’−(S)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンモノサッカライド:B1a4363NO12,MW:785.4 LCMS:tRT:7.15, 808.4(M+Na);1H NMR(300MHz,CDCl3)セレクトデータ,δH(ppm):3.28(m,1H,CH−2),3.44(s,3H,OCH3),2.84(d,J=6Hz,3H,NCH3);B1b4261NO12,MW:771.4 LCMS:tRT:6.51,808.4(M+Na).
【0106】
実施例P.2: 4’−(S)−O−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
ジクロロメタン(5ml)中の4’−(S)−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(実施例P1、工程C、192mg)に、シクロヘキシルアミン(114μl)を添加する。室温で1.5時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(シクロヘキシルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0107】
4’−O−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4871NO12,MW:853.5 LCMS:tRT:9.49,876.4(M+Na);B1b4769NO12,MW:771.4 LCMS:tRT:8.85,876.4(M+Na).
【0108】
実施例P.3: 4’−(S)−O−[(ベンジルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
ジクロロメタン(5ml)中の4’−(S)−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(実施例P1、工程C、192mg)に、ベンジルアミン(109μl)を添加する。室温で1.5時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(ベンジルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0109】
4’−O−[(ベンジルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4967NO12,MW:861.5 LCMS:tRT:8.80,884.5(M+Na);B1b4865NO12,MW:847.5 LCMS:tRT:8.16,870.3(M+Na).
【0110】
実施例P.4: 4’−(R)−O−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
工程A: 0℃におけるイソプロパノール(5ml)中の4−オキソ−5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1モノサッカライド(2.0g)に、水素化ホウ素ナトリウム(30mg)を添加する。当該混合物を0.5時間撹拌し、その後、当該混合物をブライン(10ml)で処理する。tert−ブチルメチルエーテルで抽出し、その後、当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下で蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−(R)−5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0111】
工程B: ジクロロメタン(18ml)中の4’−(R)−5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1モノサッカライド(1.6g)に、4−ジメチルアミノピリジン(0.5g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.0g)を添加する。当該混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後、当該混合物を氷水(100ml)中に注ぐ。ジクロロメタンで抽出し、その後、当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下で蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−(R)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0112】
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−(R)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:1H NMR(300MHz,CDCl3)セレクトデータ,8H(ppm):8.18(s,1H,イミダゾール),7.45(s,1H,イミダゾール),7.08(s,1H,イミダゾール),3.46(s,3H,OCH3).
【0113】
工程C: 室温におけるアセトニトリル(12ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−(R)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(1.41g)に、ヨウ化メチル(2.3ml)を添加する。当該混合物を24時間撹拌し、その後揮発性成分を減圧下での蒸留により除去し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライドを得る。
【0114】
工程D: ジクロロメタン(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(192mg)に、75μlのアリルアミンを添加する。室温で一昼夜撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下で蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0115】
工程E: THF(3ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(123mg)の溶液にピリジン(34μl)及び70%HF−ピリジン(138μl)溶液を添加する。当該混合物を室温で18時間撹拌し、水性NaHCO3(50%)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 1/1)は、4’−O−(R)−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0116】
4’−O−(R)−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンモノサッカライド:B1a4565NO12,MW:811.5 LCMS:tRT:7.68,834.5(M+Na);B1b4463NO12,MW:797.4 LCMS:tRT:7.20,820.4(M+Na).
【0117】
実施例P.5: 4’−(R)−O−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
工程A: ジクロロメタン(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(実施例P4、工程C、192mg)にシクロヘキシルアミン(114μg)を添加する。室温で12時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下で蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)[(シクロヘキシルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0118】
工程B: THF中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)[(シクロヘキシルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(100mg)の溶液にピリジン(27μl)及び70%HF−ピリジン(107μl)溶液を添加する。当該混合物を室温で14時間撹拌し、水性NaHCO3(50%)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 1/1)は、4’−O−(R)−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0119】
4’−O−(R)−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4871NO12,MW:853.5 LCMS:tRT:9.60,876.5(M+Na);B1b4769NO12,MW:839.5 LCMS:tRT:9.01,862.5(M+Na).
【0120】
実施例P.6: 4’−(R)−O−[(エトキシプロピルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
工程A: ジクロロメタン(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(実施例P4、工程C、192mg)の溶液に3−エトキシプロピルアミン(120μg)を添加する。室温で一昼夜撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下で蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)[(エトキシプロピルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0121】
工程B: THF(1.0ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−(R)[(エトキシプロピルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(38mg)の溶液にピリジン(10μl)及び70%HF−ピリジン(41μl)溶液を添加する。当該混合物を室温で16時間撹拌し、水性NaHCO3(50%)に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 1/1)は、4’−O−(R)−[(エトキシプロピルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0122】
4’−O−(R)−[(エトキシプロピルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4771NO13,MW:857.5 LCMS:tRT:8.11,880.5(M+Na).
【0123】
実施例P.7 4’−(S)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
工程A: N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1モノサッカライド(843mg)の溶液に1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(535mg)を添加する。当該混合物を60℃で4時間撹拌し、その後、当該混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、そして氷水(100ml)に注ぐ。酢酸エチルで抽出し、その後結合した有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0124】
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a5176211SSi,MW:953 MS:954(M+H).1H NMR(300MHz,CDCI3)セレクトデータ,8H(ppm):8.37(s,1H,イミダゾール),7.66(s,1H,イミダゾール),7.06(s,1H,イミダゾール),3.39(s,3H,OCH3).
【0125】
工程B: アイスバス中で冷却したメタノール(5.0ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(381mg)の溶液にメタンスルホン酸(29μl)の溶液を添加する。当該混合物を4時間撹拌し、その後、当該混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)に注ぐ。酢酸エチルで抽出し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0126】
4’−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4562211S,MW:838.4 MS:861.4(M+Na).1H NMR(300MHz,CDCl3)セレクトデータ,δH(ppm):8.35(s,1H,イミダゾール),7.64(s,1H,イミダゾール),7.04(s,1H,イミダゾール),3.38(s,3H,OCH3).
【0127】
工程C: 室温におけるアセトニトリル(100ml)中の4’−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(15.4g)の溶液にヨウ化メチル(28.5ml)を添加する。当該混合物を16時間撹拌し、その後、揮発性成分を減圧下で蒸留することにより除去し、4’−O−[(3−チオカルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。
【0128】
4’−(S)−O−[(3−チオカルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド:1H NMR(300MHz,CDCl3)セレクトデータ,δH(ppm):10.84(s,1H,イミダゾリウム),8.05(s,1H,イミダゾリウム),7.76(s,1H,イミダゾリウム),3.43(s,3H,OCH3).
【0129】
工程D: ジクロロメタン(5ml)中の4’−(S)−O−[(3−チオカルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(249mg)の溶液にメチルアミンハイドロクロライド(101mg)及びトリエチルアミン(209μl)を添加する。室温で16時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−(S)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0130】
4’−(S)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4363NO11SMW:801.4 LCMS:tRT:9.12,824.4(M+Na);B1b4261NO11S,MW:787.4 LCMS:tRT:8.43,810.4(M+Na).
【0131】
実施例P.8 4’−(S)−O−[(シクロプロピルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
ジクロロメタン(5ml)中の4’−O−[(3−チオカルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(実施例P7、工程C、294mg)の溶液にシクロプロピルアミン(105μg)を添加する。室温で16時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(シクロプロピルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0132】
4’−(S)−O−[(シクロプロピルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4565NO11S,MW:827.4 LCMS:tRT9.87,828.4(M+H);B1b4463NO11S,MW:813.4 LCMS:tRT:9.23,836.4(M+Na).
【0133】
実施例P.9 4’−(S)−O−[(ヒドロキシエチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
ジクロロメタン(5ml)中の4’−(S)−O−[(3−チオカルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1モノサッカライド(実施例P7、工程C、294mg)の溶液にエタノールアミン(90μg)を添加する。室温で16時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−O−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)−チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0134】
4’−O−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)−チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a4465NO12S,MW:831.4 LCMS:tRT:8.12,854.4(M+H);B1b4363NO12S,MW:817.4 LCMS:tRT:7.42,840.4(M+Na).
【0135】
実施例P.10 4”−(S)−O−[(ピロリジノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: 0℃におけるジクロロメタン(20ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1(2.0g)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(0.49g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.1g)を添加する。当該混合物を室温で2時間撹拌し、その後、減圧下での蒸留により溶媒を除去する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−(S)−O−[(イミダゾリル−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0136】
工程B: ジメチルホルムアミド(20ml)中の4”−(S)−O−[(イミダゾリル−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1(0.5g)の溶液にピロリジン(0.15ml)を添加する。室温で48時間撹拌後、水を添加し、当該混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去する。得られた残渣を次の工程に使用する。
【0137】
工程C: 15mlのテトラヒドロフラン中の工程Bにおいて得られた粗残渣の溶液に2mlのHF−ピリジン溶液(25gの70%HF−ピリジン、27.5mlのテトラヒドロフラン、及び12.5mlのピリジンから成る)を添加し、そして当該混合物を室温で24時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し;当該有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−(S)−O−[(ピロリジノ)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0138】
4”−(S)−O−[(ピロリジノ)カルボニル]エバーメクチンB1:B1aC53H79NO15 MW:969.5LCMS:tRT:11.01,992.4(M+Na).
【0139】
実施例P.11 4”−(S)−O−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: 0℃におけるジクロロメタン(20ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1(1g)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(0.13g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.31g)を添加する。当該混合物を室温で2時間撹拌し、その後、アリルアミンを添加する(0.20ml)。室温で18時間撹拌後、水を添加し(5ml)、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗残渣を次の工程に使用する。
【0140】
工程B: 10mlのテトラヒドロフラン中の工程Aにおいて得られた粗残渣の溶液に5mlのHF−ピリジン溶液(25gの70%HF−ピリジン、27.5mlのテトラヒドロフラン、及び12.5mlのピリジンから成る)を添加し、そして当該混合物を室温で16時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し;当該有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−(S)−O−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0141】
4”−(S)−O−[(アリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1:Bla5277NO15MW:955.5 LCMS:tRT:9.85,978.5(M+Na).
【0142】
実施例P.12 4”−(S)−O−[(ピコリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: 0℃におけるジクロロメタン(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1(1g)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(0.13g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.31g)を添加する。当該混合物を室温で2時間撹拌し、その後、ピコリルアミンを添加する(0.25ml)。室温で18時間撹拌後、水を添加し(5ml)、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗残渣を次の工程に使用する。
【0143】
工程B: 10mlのテトラヒドロフラン中の工程Aにおいて得られた粗残渣の溶液に5mlのHF−ピリジン溶液(25gの70%HF−ピリジン、27.5mlのテトラヒドロフラン、及び12.5mlのピリジンから成る)を添加し、そして当該混合物を室温で16時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し;当該有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−(S)−O−[(ピコリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0144】
4”−(S)−O−[(ピコリルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1:B1a5578215 MW:1006.5 LCMS:tRT:5.12,1007.5(M+H),1029.5(M+Na).
【0145】
実施例P.13 4”−(S)−O−[(メチルヒドロキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: ジメチルホルムアミド(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)−カルボニル]エバーメクチンB1(実施例P.10、工程A、280mg)の溶液にO−メチルヒドロキシルアミンハイドロクロライド(87ml)及びトリエチルアミン(52mg)を添加する。室温で24時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジエチルエーテルで抽出し;当該有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。得られた粗残渣を次の工程に使用する。
【0146】
工程B: 10mlのメタノール中の工程Aにおいて得られた粗残渣の溶液に0.13mlのメタンスルホン酸を添加し、そして当該混合物を室温で30分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウムに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し;当該有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−(S)−O−[(O−メチルヒドロキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0147】
4”−(S)−O−[(O−メチルヒドロキシルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1:B1a5075NO16,MW:946.15 MS:963(M+NH4+).1H NMR(300MHz,CDCl3)セレクトデータ,δH(ppm):7.41(s,1H,NH);3.72(s,3H,NHOCH3).
【0148】
実施例P.14 4”−(S)−O−[(ヒドラジノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: ジメチルホルムアミド(5ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)−カルボニル]エバーメクチンB1(実施例P.10、工程A、500mg)の溶液にヒドラジンハイドロクロライド(174ml)及びトリエチルアミン(0.46mg)を添加する。室温で3時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出し;当該有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。得られた粗残渣を次の工程に使用する。
【0149】
工程B: 15mlのメタノール中の工程Aにおいて得られた粗残渣の溶液に0.2mlのメタンスルホン酸を添加し、そして当該混合物を室温で30分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウムに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し;当該有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−(S)−O−[(ヒドラジノ)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0150】
4”−(S)−O−[(ヒドラジノ)カルボニル]エバーメクチンB1:B1a4974215 MW:930.5 LCMS:tRT:7.05,931.3(M+H);B1b4872215 MW:916.5 LCMS:tRT:8.43,917.5(M+H).
【0151】
実施例P.15 4”−(S)−O−[(フェニルスルファミド)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: 0℃におけるジクロロメタン(12ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−エバーメクチンB1(600mg)の溶液にクロロスルホニルイソシアネート(129ml)を滴下する。0℃で45分間撹拌後、アニリン(283mg)を天下し、水を添加し、そして当該混合物を室温で3時間撹拌し、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し;当該有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。得られた粗残渣を次の工程に使用する。
【0152】
工程B: 5mlのテトラヒドロフラン中の工程Aにおいて得られた粗残渣の溶液に1mlのHF−ピリジン溶液(25gの70%HF−ピリジン、27.5mlのテトラヒドロフラン、及び12.5mlのピリジンから成る)を添加し、そして当該混合物を室温で16時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し;当該有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−(S)−O−[(フェニルスルファミド)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0153】
4”−(S)−O−[(フェニルスルファミド)カルボニル]エバーメクチンB1:B1a5578217S MW:1070.5 LCMS:tRT:9.54,1071.5(M+H),1093.5(M+Na).
【0154】
実施例P.16 4”−(R)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: ジクロロメタン(100ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−(R)−エバーメクチンB1(9.78g)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(2.5g)及び1,1’−カルボニルジイミダゾール(5.4g)を添加する。当該混合物を室温で2時間撹拌し、その後当該混合物を水に注ぐ。ジクロロメタンで抽出し、その後、当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−(R)−O−[(イミダゾリル−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0155】
工程B: アイスバス中で冷却されるメタノール(100ml)中の上で得られた5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−(R)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1に、メタノール(2.5ml)中のメタンスルホン酸(2ml)の溶液を添加する、当該混合物を室温で30分間撹拌し、その後、当該混合物を飽和炭酸水素ナトリウムに注ぐ。酢酸エチルで抽出し、その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で溶媒を除去する。当該粗物質を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4”−(R)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0156】
工程C: 室温におけるアセトニトリル(10ml)中の4”−(R)−O−[(イミダゾール−1−イル)カルボニル]エバーメクチンB1(1.9g)に、ヨウ化メチル(3ml)を添加する。当該混合物を3時間撹拌し、その後、当該揮発性成分を減圧下で蒸留することにより除去し、4”−(R)−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1を産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0157】
工程D: ジクロロメタン(4ml)中の4”−(R)−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1(222mg)に、メチルアミンハイドロクロライド(81ml)及びトリエチルアミン(88μl)を添加する。室温で2時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4”−(R)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1を産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0158】
4”−(R)−O−[(メチルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1:B1aC5075NO15 MW:929.5 LCMS:tRT:8.59,930.5(M+H),952.5(M+Na).
【0159】
実施例P.17: 4”−(R)−O−[(4−メトキシフェニルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1。
ジクロロメタン(4ml)中の4”−(R)−O−[(3−カルボニル−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム)イオディド]エバーメクチンB1(実施例P16、工程C、222mg)に、4−メトキシ−アニリン(123mg)を添加する。室温で2時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジクロロメタンで抽出する。当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後ろ過し、減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4”−O−[(4−メトキシフェニルアミノ)−カルボニル]エバーメクチンB1を産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0160】
4”−(R)−O−[(4−メトキシフェニルアミノ)カルボニル]エバーメクチンB1:B1a5679NO16 MW:1021.5 LCMS:tRT:10.27,1022.5(M+H).
【0161】
実施例P.18: 4”−(S)−O−[(4−エチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: アセトニトリル(15ml)の5−O−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1(1.48g)に、4−ジメチルアミノピリジン(183mg)及び1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(800mg)を添加する。室温で12時間撹拌後、水を添加し、当該混合物をジエチルエーテルで抽出し、1NのHCl、水飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄する。当該有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下で蒸留することにより溶媒を除去し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0162】
工程B: ジメチルホルムアミド(4ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1(176mg)の溶液にトリエチルアミン(0.14ml)及びメチルアミンハイドロクロライド(68mg)を添加する。室温で1時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物を酢酸エチルで抽出する。当該有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後ろ過し、そして減圧下で蒸留することにより溶媒を除去する。得られた粗残渣は次の工程に使用する。
【0163】
工程C: 2mlのテトラヒドロフラン中の工程Bにおいて得られた粗残渣の溶液に0.75mlのHF−ピリジン溶液(25gの70%HF−ピリジン、27.5mlのテトラヒドロフラン、及び12.5mlのピリジンから成る)を添加し、そして当該混合物を室温で24時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し;当該有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−O−(S)−[(メチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0164】
4”−O−(S)−[(メチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1:B1a5075NO14S MW:945.5 LCMS:tRT:10.87,946.6(M+H);B1b4973NO14S MW:931.5LCMS:tRT:10.15,932.3(M+H).
【0165】
実施例P.19: 4”−(S)−O−[(シアノメチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1。
工程A: 15mlのテトラヒドロフラン中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4”−O−(S)−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1(実施例P.18.工程A、3.36g)に、5mlのHF−ピリジン溶液(25gの70%HF−ピリジン、27.5mlのテトラヒドロフラン、及び12.5mlのピリジンから成る)を添加し、そして当該混合物を室温で48時間撹拌し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し;当該有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4”−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0166】
工程B: ジメチルホルムアミド(5ml)中の4”−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1(220mg)の溶液にトリエチルアミン(0.14ml)及びシアノメチルアミンハイドロクロライド(410mg)を添加する。室温で3時間撹拌後、水を添加し、そして当該混合物をジエチルエーテルで抽出する。当該有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。当該残渣を調製用HPLCにより精製し、4”−O−[(シアノメチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0167】
4”−O−[(シアノメチルアミノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1:B1a5174214S MW:970.5 LCMS:tRT:11.02,971.9(M+H);Blb5072214S MW:956.5LCMS:tRT:10.36,957.3(M+H).
【0168】
実施例P.20: 4”−(S)−O−[(2−メチルヒドラジノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1。
ジメチルホルムアミド(5ml)中の4”−(S)−O−[(イミダゾール−1−イル)チオカルボニル]エバーメクチンB1(実施例P.19.工程A、160mg)の溶液にメチルヒドラジン(16mg)を添加する。室温で12時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウムを添加し、そして当該混合物をジエチルエーテルで抽出する。当該有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。当該残渣を調製用HPLCにより精製し、4”−O−[(2−メチルヒドラジノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1を供する。これはマス及びNMRスペクトルにより特徴づけられる。
【0169】
4”−(S)−O−[(2−メチルヒドラジノ)チオカルボニル]エバーメクチンB1:B1a5076214S MW:960.5 LCMS:tRT:9.66,961.6(M+H).
【0170】
実施例P.21: 4’−(S)−O−[アリルカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
工程A: ジクロロメタン(5ml)及びピリジン(190μl)中の5−tert−ブチルジメチルシリルエバーメクチンB1モノサッカライド(500mg)の溶液にアリルクロロホルメート(172mg)及び4−ジメチルアミノピリジン(36mg)を添加する。当該混合物を室温で48時間撹拌し、その後当該混合物を水性塩化アンモニウムに注ぐ。酢酸エチルで抽出後、当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−(S)−O−[(アリルカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0171】
工程B: 1.5mlのメタノール中の工程Aで得られた63mgの5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−(S)−O−[アリルオキシカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドの溶液に5μlのメタンスルホン酸を添加し、そして当該混合物を40分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウムに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し;当該有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮する。当該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、4’−(S)−O−[アリルカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを供する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0172】
4’−(S)−O−[アリルカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:Bla456413 MW:812.4 LCMS:tRT:10.24分,935.4(M+Na);B1b446213 MW:798.4 LCMS:tRT:9.55分,821.4(M+Na).
【0173】
実施例P.22: 4’−(S)−O−[(メトキシ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド。
アイスバス中で冷却されたメタノール(6.5ml)中の実施例P.7(工程A)由来の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4’−O−[(イミダゾール−1−イル)−チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド(381mg)の溶液にメタンスルホン酸(55mg)を添加する。当該混合物を24時間撹拌し、その後当該混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)中に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、当該有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する。得られた粗物質を、シリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)におけるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4’−(S)−O−[(メトキシ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライドを産出する。これはマス及びnmrスペクトルにより特徴づけられる。
【0174】
4’−(S)−O−[(メトキシ)チオカルボニル]エバーメクチンB1モノサッカライド:B1a436212S,MW:802.4 LCMS:tRT:10.88分,825.5(M+Na);B1b426012S MW:788.4 LCMS:tRT.10.24分,811.2(M+Na).
【0175】
上述の調製例に類似して、表に挙げる対応する化合物を調製することもまた可能である。
表1:以下の化合物
【化9】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0176】
【表7】

【0177】
【表8】

【0178】
【表9】

【0179】
【表10】

【0180】
表2:以下の式の化合物
【化10】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0181】
【表11】

【0182】
【表12】

【0183】
【表13】

【0184】
【表14】

【0185】
表3:以下の式の化合物
【化11】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【表15】

【0186】
【表16】

【0187】
【表17】

【0188】
【表18】

【0189】
表4:以下の式の化合物
【化12】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0190】
【表19】

【0191】
【表20】

【0192】
【表21】

【0193】
表5:以下の式の化合物
【化13】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0194】
【表22】

【0195】
【表23】

【0196】
【表24】

【0197】
【表25】

【0198】
【表26】

【0199】
表6:以下の式の化合物
【化14】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0200】
【表27】

【0201】
【表28】

【0202】
【表29】

【0203】
【表30】

【0204】
表7:以下の式の化合物
【化15】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0205】
【表31】

【0206】
表8:以下の式の化合物
【化16】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0207】
【表32】

【0208】
表9:以下の式の化合物
【化17】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0209】
【表33】

【0210】
【表34】

【0211】
表10:以下の式の化合物
【化18】

式中、R1はsec−ブチル(B1a)又はイソプロピル(B1b)である。
【0212】
【表35】

【0213】
【表36】

【0214】
表11:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表1の1.1〜1.92の列に対応する、式(Ic)の化合物。
【0215】
表12:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表1の1.1〜1.92行に対応する、式(Ic)の化合物。
【0216】
表13:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表2の2.1〜2.89の列に対応する、式(Id)の化合物。
【0217】
表14:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表2の2.1〜2.89の列に対応する、式(Id)の化合物。
【0218】
表15:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表3の3.1〜3.86の列に対応する、式(Ie)の化合物。
【0219】
表16:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表3の3.1〜3.86の列に対応する、式(Ie)の化合物。
【0220】
表17:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表4の4.1〜4.79の列に対応する、式(If)の化合物。
【0221】
表18:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表4の4.1〜4.79の列に対応する、式(If)の化合物。
【0222】
表19:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表5の5.1〜5.136の列に対応する、式(Ig)の化合物。
【0223】
表20:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表5の5.1〜5.136の列に対応する、式(Ig)の化合物。
【0224】
表21:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表6の6.1〜6.112の列に対応する、式(Ih)の化合物。
【0225】
表22:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表6の6.1〜6.112の列に対応する、式(Ih)の化合物。
【0226】
表23:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表7の7.1〜7.20の列に対応する、式(Ii)の化合物。
【0227】
表24:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表7の7.1〜7.20の列に対応する、式(Ii)の化合物。
【0228】
表25:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表8の8.1〜8.14の列に対応する、式(Ik)の化合物。
【0229】
表26:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表8の8.1〜8.14の列に対応する、式(Ik)の化合物。
【0230】
表27:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表9の9.1〜9.28の列に対応する、式(IL)の化合物。
【0231】
表28:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表9の9.1〜9.28の列に対応する、式(IL)の化合物。
【0232】
表29:式中、R1がシクロヘキシルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表10の10.1〜10.28の列に対応する、式(Im)の化合物。
【0233】
表30:式中、R1が1−メチル−ブチルであり、且つ各化合物のための置換基R3とR4の組み合わせが表10の10.1〜10.28の列に対応する、式(Im)の化合物。
【0234】
作物保護における使用のための処方例(%=重量パーセント)
実施例F1: 乳化性濃縮物
【表37】

よくすり潰した活性化合物と添加剤の混合物は、水での希釈によりエマルジョン濃縮物を与え、所望の濃度のエマルジョンを生じる。
【0235】
実施例F2: 溶液
【表38】

よくすり潰した活性化合物と添加剤の混合物は、微小滴の形態における使用に適当な溶液を与える。
【0236】
実施例F3: 顆粒
【表39】

当該活性化合物はジクロロメタン中に溶解され、溶液は担体の混合物において噴霧され、そして溶媒は減圧下で留去される。
【0237】
実施例F4: 湿潤性粉末
【表40】

活性化合物及び添加剤は混合され、そして当該混合物は適当なミルにおいてすり潰される。これは水で希釈できる湿潤性粉末を与え、所望の濃度の懸濁液を与える。
【0238】
実施例F5: 乳化性濃縮物
【表41】

よくすり潰した活性化合物と添加剤の混合物は、水での希釈により乳化性濃縮物を与え、所望の濃度のエマルジョンを生じる。
【0239】
実施例F6: 押し出し顆粒
【表42】

活性化合物及び添加剤は混合され、当該混合物はすり潰され、水で湿性にされ、押し出され且つすり潰され、そして当該顆粒は空気流において乾燥される。
【0240】
実施例F7: コーティング化顆粒
【表43】

ミキサー中で、当該よくすり潰された活性成分は、ポリエチレングリコールで湿性にされたカオリンに対して均一に適用される。これは粉塵のないコーティング化顆粒を与える。
【0241】
実施例F8: 懸濁性濃縮物
【表44】

よくすり潰された活性化合物と添加剤の混合物は、水で希釈により懸濁性濃縮物を与え、所望の濃度の懸濁液を生じる。
【0242】
生物学的実施例:
実施例B1:スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littorals)に対する活性
若い大豆植物に12.5ppmの試験化合物を含んで成る水性乳化噴霧液を噴霧し、そして噴霧−コーティングを乾燥させた後、10匹の第一期のスポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littorals)の幼虫を棲息させ、それからプラスチックの容器に入れる。3日後、パーセントにおける個体数の減少及びパーセントにおける摂食ダメージにおける減少(%活性)を、処理及び未処理植物間の死んだ幼虫の数及び摂食ダメージを比較することにより測定する。
【0243】
当該試験において、表の化合物は良好な活性を示す。このように、特に番号1.1、1.4、1.22、1.31、1.41、1.44、1.46、2.2、2.3、2.26、2.27、3.5、3.10、3.17、4.2、4.17、5.2、5.105、9.3、及び9.4の化合物は、80%以上の有害生物数における減少に影響する。
【0244】
実施例B2:スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littorals)、全身性に対する活性:
トウモロコシの苗を、12.5ppmの活性化合物を含んで成る試験溶液に置く。6日後、葉を切り、ペトリ皿中の湿ったフィルター紙に置き、L1期の12〜15匹のスポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littorals)の幼虫を棲息させる。4日後、当該処理及び未処理植物の死んだ幼虫の数を比較することにより、パーセント(%活性)における数の減少を測定する。
【0245】
当該試験において、表の化合物は良好な活性を示す。このように、特に化合物番号1.22、1.31、1.41、1.46、5.105、及び8.4、9.4は、80%以上の有害生物数の減少に影響する。
【0246】
実施例B3:オオタバコガ(Heliothis virescens)に対する活性
35 0〜24時間齢のオオタバコガ(Heliothis virescens)の卵を合成食餌の層におけるペトリ皿中のフィルター紙に置く。それkら12.5ppmの活性化合物を含んで成る0.8mlの試験溶液を当該フィルター紙にピペッティングする。6日後に評価を行う。パーセント(%活性)における個体数の減少を、処理及び未処理フィルター紙上の死んだ卵及び幼虫の数を比較することにより測定する。
【0247】
当該試験において、表の化合物は良好な活性を示す。このように、特に化合物番号1.30、3.2、3.4、3.5、3.9、3.10、3.17、4.2、4.11、9.4、及び9.10は、80%以上の有害生物数の減少に影響する。
実施例B4:コナガ(Plutella xylostella)幼虫に対する活性
若いキャベツ植物に12.5ppmの試験化合物を含んで成る水性乳化噴霧液を噴霧し、そして噴霧−コーティングを乾燥させた後、10匹の第一期のコナガ(Plutella xylostella)の幼虫を棲息させ、それからプラスチックの容器に入れる。3日後、パーセントにおける個体数の減少及びパーセントにおける摂食ダメージにおける減少(%活性)を、処理及び未処理植物間の死んだ幼虫の数及び摂食ダメージを比較することにより測定する。
【0248】
当該試験において、表の化合物はコナガ(Plutella xylostella)に対して良好な活性を示す。このように、特に化合物番号1.1、1.15、1.23、1.26、1.42、2.10、2.11、2.14、2.15、2.66、3.3、3.13、4.5、4.9、7.1、及び9.4は、80%以上の有害生物数の減少に影響する。
【0249】
実施例B5:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対する活性
ペトリ皿中に、マメの葉のディスクを寒天上に置き、そしてスプレーチャンバー中の12.5ppmの活性化合物を含んで成る試験溶液を噴霧する。それからミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)の混合群を棲息させる。評価は10日後に行う。パーセント(活性%)における減少を処理した葉と未処理の葉における個体数を比較することにより測定する。
【0250】
特に化合物番号1.1、1.24、1.40、2.14、2.3、2.11、2.15、2.17、2.66、3.21、4.17、5.2、5.9、8.5、9.4、及び9.6は、80%以上の有害生物数の減少に影響する。
【0251】
実施例B6:ディアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)に対する活性
トウモロコシの苗に12.5ppmの活性化合物を含んで成る乳化噴霧液で噴霧する。噴霧コーティングが乾燥した後、10匹の第2期のディアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)の幼虫をおき、それからプラスチック容器に入れる。6日後、当該処理及び未処理植物における死んだ幼虫を比較することにより、パーセント(%活性)における数の減少を測定する。
【0252】
当該試験において、表の化合物は良好な活性を示す。このように、特に化合物番号1.1、1.4、1.21、1.22、1.26、1.45、1.56、2.10、2.14、3.1、3.12、5.10、7.1、及び8.5は、80%以上の有害生物数の減少に影響する。
【0253】
実施例B7:ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対する活性
若いマメ植物にナミハダニ(Tetranychus urticae)の混合群をおき、そして1日後に12.5ppmの活性化合物を含んで成る乳化噴霧液で噴霧し、25℃で6日間インキュベートし、そして評価する。パーセント(%活性)における個体群の減少を処理及び未処理植物における卵、幼虫、及び成虫の死んだ数を比較することにより測定する。
【0254】
当該試験において、表の化合物は良好な活性を示す。このように、特に化合物番号1.1、1.2、1.17、1.18、1.33、1.38、1.47、2.66、3.6、3.7、3.21、4.2、5.2、5.13、7.10、8.5、及び9.7は、80%以上の有害生物数の減少に影響する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式の化合物
【化1】

(式中、炭素原子22と23の間の結合は単結合又は二重結合であり;
mは、0又は1であり;
1は、C1−C12アルキル、C3−C8シクロアルキル、又はC2−C12アルケニルであり;そして、
(A)R2は、−N(R3)R4であり;且つ、
(1)XはOであり、ここで、
3は、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニル、アリール、又はヘテロシクリルであり、そして、
4は、一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニル、置換されていない及び一置換〜三置換されたヘテロシクリル、置換されていない及び一置換〜五置換されたアリール、NH2、NHC1−C12アルキル、N(C1−C12アルキル)2、C1−C6アルキル−N(C1−C12アルキル)2、−C1−C6アルキル−N+(C1−C12アルキル)3、SO2NH2、SO2NHC65、SO2フェニル、SO2ベンジル、OH、−OC1−C12アルキル、−OC1−C12アルケニル、又は−OC1−C12アルキニルである;又は、
(2)XはSであり、ここで、
3は、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C2アルキニル;アリール、又はヘテロシクリルであり、そして、
4は、水素、置換されていない又は一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニル、置換されていない及び一置換〜三置換されたヘテロシクリル、置換されていない及び一置換〜五置換されたアリール、NH2、NHC1−C12アルキル、N(C1−C12アルキル)2、SO2NH2、SO2NHC65、SO2フェニル、SO2ベンジル、OH又は−OC1−C12アルキルである;又は、
(3)XはO又はSであり、ここで、R3及びR4は一緒に、三員〜七員のアルキレン又は四員〜七員アルケニレン橋であり、ここでCH2基は、O、S、C=O又はNR6により置換されてもよい;あるいは、
(B)R2はOR5であり、且つXはO又はSであり、ここで、R5はC1−C12アルキル、一置換〜五置換されたC1−C12アルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC3−C12シクロアルキル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルケニル、置換されていない又は一置換〜五置換されたC2−C12アルキニルである;いずれかであって、
ここで、R3、R4、及びR5において述べられた、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、アルキレン−、アルケニレン−、ヘテロシクリル−、アリール−、及びシクロアルキル−ラジカルの置換基は、OH、ハロゲン、ハロ−C1−C2アルキル、CN、SCN、NO2、C2−C6アルキニル、置換されていない又は1〜3のメチル基により置換されているC3−C8シクロアルキル;ノルボルニレニル;置換されていない又は1〜3の置換基により置換されているC3−C8シクロアルケニル;C3−C8ハロシクロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12アルコキシC1−C12アルコキシ、C3−C8シクロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、C3−C8シクロアルキルチオ、C1−C12ハロアルキルチオ、C1−C12アルキルスルフィニル、C3−C8シクロアルキルスルフィニル、C1−C12ハロアルキルスルフィニル、C3−C8ハロシクロアルキルスルフィニル、C1−C12アルキルスルホニル、C3−C8シクロアルキルスルホニル、C1−C12ハロアルキルスルホニル、C3−C8ハロシクロアルキルスルホニル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、−N(R62(ここで当該2つのR6はそれぞれ独立している);−C(=O)R7、−O−C(=O)R8、−NHC(=O)R7、−S−C(=S)R8、−P(=O)(OC1−C6アルキル)2、−S(=O)211;−NH−S(=O)211、−OC(=O)−C1−C6アルキル−S(=O)211;アリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールチオ、ベンジルチオ、ヘテロシクリルチオ;及びまた環における置換の可能性に依存して、OH、ハロゲン、CN、NO2、C1−C12アルキル、C3−C8シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、C1−C12ハロアルキルチオ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、ジメチルアミノ−C1−C6アルコキシ、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、フェノキシ、フェニル−C1−C6アルキル、メチレンジオキシ、−C(=O)R7、−O−C(=O)−R8、−NH−C(=O)R8、−N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である);C1−C6アルキルスルフィニル、C3−C8シクロアルキルスルフィニル、C1−C6ハロアルキルスルフィニル、C3−C8ハロシクロアルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、C3−C8シクロアルキルスルホニル、C1−C6ハロアルキルスルホニル、及びC3−C8ハロシクロアルキルスルホニルから成る群から選択される置換基により一置換〜五置換されたアリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールチオ、ベンジルチオ、ヘテロシクリルチオから成る群から選択され;
6は、H、C1−C8アルキル、ヒドロキシC1−C8アルキル、C3−C8シクロアルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、フェニル、ベンジル、−C(=O)R7、又は−CH2−C(=O)−R7であり;
7は、H、OH、SH、−N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である);C1−C24アルキル、C2−C12アルケニル、C1−C8ヒドロキシアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C12アルキルチオ、C2−C8アルケニルオキシ、C2−C8アルキニルオキシ、NH−C1−C6アルキル−C(=O)R9、−N(C1−C6アルキル)−C1−C6アルキル−C(=O)−R9、−O−C1−C2アルキル−C(=O)R9、−C1−C6アルキル−S(=O)29;アリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルオキシ;又は置換されていない又はハロゲン、ニトロ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロ−アルキル又はC1−C6ハロアルコキシにより互いに独立して環中に一置換〜三置換されたアリール、ベンジル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ又はヘテロシクリルオキシであり;
8は、H、C1−C24アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12ヒドロキシアルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である);−C1−C6アルキル−C(=O)R10、−C1−C6アルキル−S(=O)29、アリール、ベンジル、ヘテロシクリル;あるいは、環の置換の可能性に依存して、OH、ハロゲン、CN、NO2、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ及びC1−C12ハロ−アルキルチオから成る群から選択される置換基により一置換〜三置換されたアリール、ベンジル又はヘテロシクリルであり;
9は、H、OH、OH又は−S(=O)2−C1−C6アルキルで任意的に置換されたC1−C24アルキル;C1−C12アルケニル、C1−C12アルキニル、C1−C12アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルコキシ、C2−C8アルケニルオキシ、アリール、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ又は−N(R102(ここで当該2つのR10は互いに独立である)であり;
10は、H、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、及びシアノから成る群から選択される1〜5の置換基により任意的に置換されたC1−C6アルキル、;C1−C8−シクロアルキル、アリール、ベンジル、ヘテロシクリル;又は環における置換の可能性に依存して、OH、ハロゲン、CN、NO2、C1−C12アルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、及びC1−C12ハロアルキルチオから成る群から選択される置換基により一置換〜三置換されたアリール、ベンジル若しくはヘテロシクリルである)、
あるいは、適当な場合には、遊離形態又は塩形態の各ケースにおける、これらのE/Z異性体、E/Z異性体混合物、及び/又は互変異性体。
【請求項2】
活性化合物として少なくとも1つの請求項1に記載の式(I)の化合物、及び少なくとも1つの補助剤を含む、殺微生物組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の組成物が有害生物又はこれらの生息地に対して適用される、有害生物を制御するための方法。
【請求項4】
前記活性化合物が補助剤とともによく混合され、及び/又はすり潰される、少なくとも1つの補助剤を含む請求項2に記載の組成物の調製方法。
【請求項5】
請求項2に記載の組成物の調製のための請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項6】
有害生物を制御するための請求項2に記載の組成物の使用。
【請求項7】
有害生物による損傷に対する植物増殖物を保護する方法であって、当該植物増殖物又は植物増植物が植えられた場所が請求項2に記載の組成物で処理される方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法に関して処理された植物増殖物。

【公表番号】特表2007−504113(P2007−504113A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524341(P2006−524341)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009594
【国際公開番号】WO2005/021569
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】