説明

殺虫特性及び殺ダニ特性を有する活性成分組合せ

本発明は、式(I)


〔式中、R及びAは、本明細書中に記載されている意味を有する〕で表される少なくとも1種類の既知化合物と有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類の少なくとも1種類のさらなる既知活性成分を含んでいる新規活性成分組合せに関し、該活性成分組合せは、昆虫類及び望ましくないダニ類などの動物害虫を防除するのに非常に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規活性化合物組合せに関し、ここで、該活性化合物組合せは、第1に、式(I)で表される少なくとも1種類の既知化合物を含み、且つ、第2に、有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類から選択される少なくとも1種類のさらなる既知活性化合物を含んでおり、そして、該組合せは、昆虫類及び望ましくないコナダニ類などの害虫を防除するのに極めて適している。本発明は、さらにまた、植物及び種子における害虫を防除する方法、種子を処理するための本発明による活性化合物組合せの使用並びに種子を保護する方法にも関し、さらに、最後に重要な、本発明による活性化合物組合せで処理された種子にも関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)
【0003】
【化1】

〔式中、
Aは、ピリダ−2−イル若しくはピリダ−4−イルを表すか、又は、ピリダ−3−イル(ここで、該ピリダ−3−イルは、6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで場合により置換されていてもよい)を表すか、又は、ピリダジン−3−イル(ここで、該ピリダジン−3−イルは、6位が塩素又はメチルで場合により置換されていてもよい)を表すか、又は、ピラジン−3−イルを表すか、又は、2−クロロピラジン−5−イルを表すか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(ここで、該1,3−チアゾール−5−イルは、2位が塩素又はメチルで場合により置換されていてもよい)を表し;
又は、
Aは、ピリミジニル基、ピラゾリル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基又は1,2,5−チアジアゾリル基[ここで、該基は、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(ここで、該アルキルは、フッ素及び/又は塩素で場合により置換されていてもよい)、C−C−アルキルチオ(ここで、該アルキルチオは、フッ素及び/又は塩素で場合により置換されていてもよい)又はC−C−アルキルスルホニル(ここで、該アルキルスルホニルは、フッ素及び/又は塩素で場合により置換されていてもよい)で場合により置換されていてもよい]を表し;
又は、
Aは、基
【0004】
【化2】

[ここで、
Xは、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルを表し;
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジド又はシアノを表す]
を表し、
及び、
は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル又はハロシクロアルキルアルキルを表す〕
で表される化合物が殺虫作用を示すということは既に知られている(cf. EP 0539588、WO 2007/115643A1、WO 2007/115644A1、及び、WO 2007/115646A1)。
【0005】
さらに、有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類の特定の活性化合物が殺虫特性及び殺ダニ特性を有しているということも知られている。これらの化合物は、公開された特許明細書及び化学に関する刊行物の中に開示されている。これらの中に記載されている有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類の殺虫性化合物の大部分は、害虫を防除するための組成物の中に含まれている個々の活性化合物として市販されている。これらの化合物及び組成物は、”The Pesticide Manual, 14th edition, C. D. S. Thomlin (Ed.), British Crop Protection Council, Surrey, UK, 2006”(これは、この中に開示されている有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類の活性化合物の大部分に関して、参照により本明細書に組み入れる)などのハンドブックに記載されている。市販されておらず且つ”Pesticide Manual”にも記載されていない活性化合物は、IUPAC番号及び/又は構造式によって確認される。
【0006】
式(I)で表される殺虫性化合物又は有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の活性化合物の活性は、概して良好である。しかしながら、それらは、特に低施用量において及び特定の害虫の場合において、農業の実践における要件を必ずしも満たすとは限らない。経済的に効率がよく且つ生態学的に害のない害虫防除が依然として求められている。
【0007】
殺虫性化合物に対して求められるものとしては、以下のものがある:薬量の低減;防除可能な害虫(これは、抵抗性害虫を包含する)のスペクトルの実質的な拡大;使用時における安全性の向上;植物に対する毒性の低減、従って、植物による耐性の向上;さまざまな発育段階にある害虫の防除;殺虫性化合物の調製中における良好な挙動、例えば、粉砕若しくは混合中における良好な挙動、貯蔵中における良好な挙動、又は、使用中における良好な挙動;温血生物、魚及び植物が良好な耐性を示すことによる、低濃度においてさえ、極めて有利な殺生物スペクトル;並びに、付加的な効果、例えば、殺藻作用、駆虫作用、殺卵作用(avicidal action)、殺細菌作用、殺菌作用、軟体動物駆除作用、殺線虫作用、植物活性化作用、殺鼠作用又は殺ウイルス作用などの達成。
【0008】
栄養及び生殖植物繁殖材料(vegetative and generative plant propagation material)及び植物の生殖繁殖器官(generative plant propagation material)に使用される殺虫性化合物に対して求められる特定のさらなるものとしては、種子及び植物繁殖材料(seed and plant propagation material)に施用されたときの植物毒性が無視し得る程度であること、土壌条件との適合性を有していること(例えば、土壌中における化合物の結合に関して)、植物体内における浸透移行活性を有していること、発芽に対して負の影響を及ぼさないこと、並びに、当該害虫の生活環を通して効力を有していることなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0539588号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/115643号
【特許文献3】国際公開第2007/115644号
【特許文献4】国際公開第2007/115646号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】The Pesticide Manual, 14th edition, C. D. S. Thomlin (Ed.), British Crop Protection Council, Surrey, UK, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記で記載した要件〔例えば、薬量を低減すること、防除可能な害虫(抵抗性害虫を包含する)のスペクトルを拡大すること、並びに、特に、栄養及び生殖植物繁殖材料に対する適用性に関する特定の要件〕のうちの1つ以上を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
式(I)で表される少なくとも1種類の化合物〔但し、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン、及び、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、除く〕と、
(A) (チオ)リン酸エステル系(群2)、好ましくは、
(2−1) アジンホス−メチル(US 2,758,115から既知)
【0013】
【化3】

及び/若しくは
(2−2) クロルピリホス(US 3,244,586から既知)
【0014】
【化4】

及び/若しくは
(2−3) ダイアジノン(US 2,754,243から既知)
【0015】
【化5】

及び/若しくは
(2−4) ジメトエート(US 2,494,283から既知)
【0016】
【化6】

及び/若しくは
(2−5) ダイスルホトン(DE−A 917668から既知)
【0017】
【化7】

及び/若しくは
(2−6) エチオン(US 2,873,228から既知)
【0018】
【化8】

及び/若しくは
(2−7) フェニトロチオン(BE−A 0594669から既知)
【0019】
【化9】

及び/若しくは
(2−8) フェンチオン(DE−A 1116656から既知)
【0020】
【化10】

及び/若しくは
(2−9) イソキサチオン(DE−A 1567137から既知)
【0021】
【化11】

及び/若しくは
(2−10) マラチオン(US 2,578,562から既知)
【0022】
【化12】

及び/若しくは
(2−11) メチダチオン(DE−A 1645982から既知)
【0023】
【化13】

及び/若しくは
(2−12) オキシジメトン−メチル(DE−A 947368から既知)
【0024】
【化14】

及び/若しくは
(2−13) パラチオン(DE−A 814152から既知)
【0025】
【化15】

及び/若しくは
(2−14) パラチオン−メチル(DE−A 814142から既知)
【0026】
【化16】

及び/若しくは
(2−15) フェントエート(GB−A 834814から既知)
【0027】
【化17】

及び/若しくは
(2−16) ホレート(US 2,586,655から既知)
【0028】
【化18】

及び/若しくは
(2−17) ホサロン(DE−A 2431192から既知)
【0029】
【化19】

及び/若しくは
(2−18) ホスメット(US 2,767,194から既知)
【0030】
【化20】

及び/若しくは
(2−19) ホキシム(DE−A 1238902から既知)
【0031】
【化21】

及び/若しくは
(2−20) ピリミホス−メチル(DE−A 1445949から既知)
【0032】
【化22】

及び/若しくは
(2−21) プロフェノホス(DE−A 2249462から既知)
【0033】
【化23】

及び/若しくは
(2−22) プロチオホス(DE−A 2111414から既知)
【0034】
【化24】

及び/若しくは
(2−23) テブピリムホス(DE−A 3317824から既知)
【0035】
【化25】

及び/若しくは
(2−24) トリアゾホス(DE−A 1299924から既知)
【0036】
【化26】

及び/若しくは
(2−25) クロルフェンビンホス(US 2,956,073から既知)
【0037】
【化27】

及び/若しくは
(2−26) ジクロルボス(GB−A 775085から既知)
【0038】
【化28】

及び/若しくは
(2−27) ジクロトホス(BE−A 552284から既知)
【0039】
【化29】

及び/若しくは
(2−28) メビンホス(US 2,685,552から既知)
【0040】
【化30】

及び/若しくは
(2−29) モノクロトホス(DE−A 1964535から既知)
【0041】
【化31】

及び/若しくは
(2−30) ホスファミドン(US 2,908,605から既知)
【0042】
【化32】

及び/若しくは
(2−31) アセフェート(DE−A 2014027から既知)
【0043】
【化33】

及び/若しくは
(2−32) メタミドホス(US 3,309,266から既知)
【0044】
【化34】

及び/若しくは
(2−33) トリクロルホン(US 2,701,225から既知)
【0045】
【化35】

及び/若しくは
(2−34) テルブホス(Proc. Br. h7sectic. Ftrngic. Cofif 7th, 1973, 2, 695から既知)
【0046】
【化36】

及び/若しくは
(2−35) フェナミホス(DE 1121882から既知)
【0047】
【化37】

及び/若しくは
(2−36) エトプロホス(US 3112244から既知)
【0048】
【化38】

及び/若しくは
(2−37) カズサホス(WO 8300870から既知)
【0049】
【化39】

及び/若しくは
(2−38) ホスチアゼート(EP 146748から既知)
【0050】
【化40】

及び/若しくは
(2−39) メチダチオン(DE−OS 01645982から既知)
【0051】
【化41】

及び/若しくは
(2−40) オメトエート(DE−A 1251304から既知)
【0052】
【化42】

及び/若しくは
(2−41) キナルホス(DE−A 1545817から既知)
【0053】
【化43】

並びに/又は
(B) カーバメート系(群3)、好ましくは、
(3−1) カルバリル(US 2,903,478から既知)
【0054】
【化44】

及び/若しくは
(3−2) フェノキシカルブ(EP−A 0004334から既知)
【0055】
【化45】

及び/若しくは
(3−3) ホルメタネート(DE−A 1169194から既知)
【0056】
【化46】

及び/若しくは
(3−4) ホルメタネート塩酸塩(DE−A 1169194から既知)
及び/若しくは
(3−5) メチオカルブ(DE−A 1162352から既知)
【0057】
【化47】

及び/若しくは
(3−6) メソミル(US 3,639,620から既知)
【0058】
【化48】

及び/若しくは
(3−7) オキサミル(DE−A 1768623から既知)
【0059】
【化49】

及び/若しくは
(3−8) ピリミカーブ(=Pirimor)(GB−A 1181657から既知)
【0060】
【化50】

及び/若しくは
(3−9) プロポクスル(DE−A 1108202から既知)
【0061】
【化51】

及び/若しくは
(3−10) チオジカルブ(DE−A 2530439から既知)
【0062】
【化52】

及び/若しくは
(3−11) カルボフラン(US 3474170から既知)
【0063】
【化53】

及び/若しくは
(3−12) アルジカルブ(US 3217037から既知)
【0064】
【化54】

及び/若しくは
(3−13) カルボスルファン(DE−A 2433680から既知)
【0065】
【化55】

及び/若しくは
(3−14) イソプロカルブ(JP特許 43016973から既知)
【0066】
【化56】

からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物の組合せが相乗的な活性を示し、そして、害虫を防除するのに適しているということが分かった。驚くべきことに、本発明による活性化合物組合せの殺虫性及び殺ダニ活性は、個々の活性化合物の活性の総和を実質的に上回っている。予測不可能な真の相乗効果が存在しており、単なる活性の相補的なものではない。
【0067】
式(I)で表される化合物と有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類から選択される活性化合物の本発明による活性化合物組合せの相乗作用は、主として、薬量を低減することによって、及び、防除可能な害虫のスペクトルを拡大することによって、式(I)で表される化合物と有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類から選択される活性化合物の作用の範囲を拡大する。かくして、本発明による活性化合物組合せの個々の化合物が低施用量を用いたときに充分な活性を示さない場合においてさえ、式(I)で表される化合物と有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類から選択される活性化合物の本発明による活性化合物組合せを用いれば高度な害虫防除を達成することができる。
【0068】
上記で記載した相乗作用に加えて、本発明による活性化合物組合せは、以下のものを包含するさらなる驚くべき有利点を示し得る:使用時における安全性の向上;植物に対する毒性の低減、従って、植物による耐性の向上;さまざまな発育段階にある害虫の防除;殺虫性化合物の調製中における良好な挙動、例えば、粉砕若しくは混合中における良好な挙動、貯蔵中における良好な挙動、又は、使用中における良好な挙動;温血生物、魚及び植物が良好な耐性を示しながら、同時に、低濃度においてさえ、極めて有利な殺生物スペクトル;並びに、付加的な効果、例えば、殺藻作用、駆虫作用、殺卵作用(avicidal action)、殺細菌作用、殺菌作用、軟体動物駆除作用、殺線虫作用、植物活性化作用、殺鼠作用又は殺ウイルス作用などの達成。
【0069】
さらに、驚くべきことに、本発明による活性化合物組合せが種子並びに/又は種子から生長した植物の実生及び葉を害虫による損傷から保護するのに特に適しているということが分かった。かくして、本発明による活性化合物組合せは、植物の繁殖材料に対して使用されたときの植物毒性が無視できる程度であり、土壌条件との適合性を有しており(例えば、土壌中における化合物の結合に関して)、植物体内における浸透移行活性を有しており、発芽に対して負の影響を及ぼさず、及び、当該害虫の生活環を通して効力を有している。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明による活性化合物組合せは、式(I)で表される少なくとも1種類の化合物に加えて、上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの少なくとも1種類を含んでいる。本発明による活性化合物組合せは、好ましくは、式(I)で表される正確に1種類の化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの正確に1種類を含んでいる。さらに、式(I)で表される1種類の化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの2種類を含んでいる活性化合物組合せも好ましい。さらに、式(I)で表される2種類の化合物と群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の1種類の活性化合物の混合物も好ましい。
【0071】
上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの少なくとも1種類を含んでいる本発明の活性化合物組合せの中の上記式(I)で表される化合物の好ましい亜群について、以下に記載する〔但し、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン、及び、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、除く〕。
【0072】
Aは、好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル基、6−クロロピリダ−3−イル基、6−ブロモピリダ−3−イル基、6−メチルピリダ−3−イル基、6−トリフルオロメチルピリダ−3−イル基、6−トリフルオロメトキシピリダ−3−イル基、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル基、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基、2−メチル−1,3−チアゾール−5−イル基、2−クロロピリミジン−5−イル基、2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル基、5,6−ジフルオロピリダ−3−イル基、5−クロロ−6−フルオロピリダ−3−イル基、5−ブロモ−6−フルオロピリダ−3−イル基、5−ヨード−6−フルオロピリダ−3−イル基、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル基、5,6−ジクロロピリダ−3−イル基、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル基、5−ヨード−6−クロロピリダ−3−イル基、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル基、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル基、5,6−ジブロモピリダ−3−イル基、5−フルオロ−6−ヨードピリダ−3−イル基、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル基、5−ブロモ−6−ヨードピリダ−3−イル基、5−メチル−6−フルオロピリダ−3−イル基、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル基、5−メチル−6−ブロモピリダ−3−イル基、5−メチル−6−ヨードピリダ−3−イル基、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリダ−3−イル基、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリダ−3−イル基、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリダ−3−イル基又は5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリダ−3−イル基を表す。
【0073】
は、好ましくは、フッ素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルアルキル又はC−C−アルコキシを表す。
【0074】
Aは、特に好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル基、6−クロロピリダ−3−イル基、6−ブロモピリダ−3−イル基、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基、2−クロロピリミジン−5−イル基、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル基、5,6−ジクロロピリダ−3−イル基、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル基、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル基、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル基、5,6−ジブロモピリダ−3−イル基、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル基、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル基又は5−ジフルオロメチル−6−クロロピリダ−3−イル基を表す。
【0075】
は、特に好ましくは、メチル、メトキシ、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギル、シクロプロピル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2−フルオロシクロプロピル。
【0076】
Aは、極めて特に好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル基、6−クロロピリダ−3−イル基、6−ブロモピリダ−3−イル基、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基又は5,6−ジクロロピリダ−3−イル基を表す。
【0077】
は、極めて特に好ましくは、メチル、シクロプロピル、メトキシ、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0078】
Aは、最も好ましくは、6−クロロピリダ−3−イル基又は5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル基を表す。
【0079】
は、最も好ましくは、メチル、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表す。
式(I)で表される化合物の特定の群においては、Aは、6−クロロピリダ−3−イル
【0080】
【化57】

を表す。
【0081】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Aは、6−ブロモピリダ−3−イル
【0082】
【化58】

を表す。
【0083】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Aは、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル
【0084】
【化59】

を表す。
【0085】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Aは、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル
【0086】
【化60】

を表す。
【0087】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Aは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル
【0088】
【化61】

を表す。
【0089】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Aは、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル
【0090】
【化62】

を表す。
【0091】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Aは、5,6−ジクロロピリダ−3−イル
【0092】
【化63】

を表す。
【0093】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、メチルを表す。
【0094】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、エチルを表す。
【0095】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、シクロプロピルを表す。
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、2−フルオロエチルを表す。
【0096】
式(I)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0097】
上記で記載した基についての一般的な又は好ましい定義又は実例は、必用に応じて互いに組み合わせることが可能であり、これは、それぞれの好ましい範囲の間の組合せを包含する。
【0098】
本発明によれば、好ましいものとして上記で挙げられている意味の組合せを含んでいる式(I)で表される化合物は、好ましい。
【0099】
本発明よれば、特に好ましいものとして上記で挙げられている意味の組合せを含んでいる式(I)で表される化合物は、特に好ましい。
【0100】
本発明よれば、極めて特に好ましいものとして上記で挙げられている意味の組合せを含んでいる式(I)で表される化合物は、極めて特に好ましい。
【0101】
式(I)で表される化合物の好ましい亜群は、式(I−a)
【0102】
【化64】

〔式中、
Bは、ピリダ−2−イル若しくはピリダ−4−イルを表すか、又は、ピリダ−3−イル(ここで、該ピリダ−3−イルは、6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで場合により置換されていてもよい)を表すか、又は、ピリダジン−3−イル(ここで、該ピリダジン−3−イルは、6位が塩素又はメチルで場合により置換されていてもよい)を表すか、又は、ピラジン−3−イルを表すか、又は、2−クロロピラジン−5−イルを表すか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(ここで、該1,3−チアゾール−5−イルは、2位が塩素又はメチルで場合により置換されていてもよい)を表し;
は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル又はハロシクロアルキルアルキルを表す〕
で表される化合物である。
【0103】
上記及び下記において示されている式(I−a)の中に記載されている基の好ましい置換基又は範囲について、以下で例示する。
【0104】
Bは、好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル、6−クロロピリダ−3−イル、6−ブロモピリダ−3−イル、6−メチルピリダ−3−イル、6−トリフルオロメチルピリダ−3−イル、6−トリフルオロメトキシピリダ−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル or 2−メチル−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0105】
は、好ましくは、フッ素で置換されているC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルキルアルキルを表す。
【0106】
Bは、特に好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル基、6−クロロピリダ−3−イル基、6−ブロモピリダ−3−イル基、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基を表す。
【0107】
は、特に好ましくは、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−フルオロシクロプロピルを表す。
【0108】
Bは、極めて特に好ましくは、基6−クロロピリダ−3−イルを表す。
【0109】
は、極めて特に好ましくは、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0110】
式(I−a)で表される化合物の特定の群においては、Bは、6−クロロピリダ−3−イル
【0111】
【化65】

を表す。
【0112】
式(I−a)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Bは、6−ブロモピリダ−3−イル
【0113】
【化66】

を表す。
【0114】
式(I−a)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Bは、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル
【0115】
【化67】

を表す。
【0116】
式(I−a)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、2−フルオロエチルを表す。
【0117】
式(I−a)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0118】
式(I)で表される化合物の好ましいさらなる亜群は、式(I−b)
【0119】
【化68】

〔式中、
Dは、基
【0120】
【化69】

[ここで、X及びYは、上記意味を有する]
を表し;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル又はアルコキシを表す〕
で表される化合物である。
【0121】
上記及び下記において示されている式(I−b)の中に記載されている基の好ましい置換基又は範囲について、以下で例示する。
【0122】
Dは、好ましくは、基5,6−ジフルオロピリダ−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリダ−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル、5,6−ジクロロピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5,6−ジブロモピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリダ−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリダ−3−イル、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリダ−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリダ−3−イルのうちの1つを表す。
【0123】
は、好ましくは、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル又はC−C−シクロアルキルを表す。
【0124】
Dは、特に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル、5,6−ジクロロピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5,6−ジブロモピリダ−3−イル、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル又は5−ジフルオロメチル−6−クロロピリダ−3−イルを表す。
【0125】
は、特に好ましくは、C−C−アルキルを表す。
【0126】
Dは、極めて特に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル又は5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イルを表す。
【0127】
は、極めて特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギル又はシクロプロピルを表す。
【0128】
Dは、最も好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イルを表す。
【0129】
は、最も好ましくは、メチル又はシクロプロピルを表す。
【0130】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル
【0131】
【化70】

を表す。
【0132】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5,6−ジクロロピリダ−3−イル
【0133】
【化71】

を表す。
【0134】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル
【0135】
【化72】

を表す。
【0136】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル
【0137】
【化73】

を表す。
【0138】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル
【0139】
【化74】

を表す。
【0140】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル
【0141】
【化75】

を表す。
【0142】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Dは、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル
【0143】
【化76】

を表す。
【0144】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、メチルを表す。
【0145】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、エチルを表す。
【0146】
式(I−b)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、シクロプロピルを表す。
【0147】
式(I)で表される化合物の好ましいさらなる亜群は、式(I−c)
【0148】
【化77】

〔式中、
Eは、基
【0149】
【化78】

[ここで、X及びYは、上記意味を有する]
を表し;
は、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロシクロアルキル又はハロシクロアルキルアルキルを表す〕
で表される化合物である。
【0150】
上記及び下記において示されている式(I−c)の中に記載されている基の好ましい置換基又は範囲について、以下で例示する。
【0151】
Eは、好ましくは、基5,6−ジフルオロピリダ−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリダ−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル、5,6−ジクロロピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5,6−ジブロモピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリダ−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリダ−3−イル、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリダ−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリダ−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリダ−3−イルのうちの1つを表す。
【0152】
は、好ましくは、フッ素で置換されているC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルキルアルキルを表す。
【0153】
Eは、特に好ましくは、2−クロロピリミジン−5−イル、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル、5,6−ジクロロピリダ−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル、5,6−ジブロモピリダ−3−イル、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル又は5−ジフルオロメチル−6−クロロピリダ−3−イルを表す。
【0154】
は、特に好ましくは、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−フルオロシクロプロピルを表す。
【0155】
Eは、極めて特に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イルを表す。
【0156】
は、極めて特に好ましくは、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0157】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル
【0158】
【化79】

を表す。
【0159】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5,6−ジクロロピリダ−3−イル
【0160】
【化80】

を表す。
【0161】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5−ブロモ−6−クロロピリダ−3−イル
【0162】
【化81】

を表す。
【0163】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5−メチル−6−クロロピリダ−3−イル
【0164】
【化82】

を表す。
【0165】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5−フルオロ−6−ブロモピリダ−3−イル
【0166】
【化83】

を表す。
【0167】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5−クロロ−6−ブロモピリダ−3−イル
【0168】
【化84】

を表す。
【0169】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Eは、5−クロロ−6−ヨードピリダ−3−イル
【0170】
【化85】

を表す。
【0171】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、2−フルオロエチルを表す。
【0172】
式(I−c)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0173】
式(I)で表される化合物の好ましい亜群は、式(I−d)
【0174】
【化86】

〔式中、
Gは、ピリダ−2−イル若しくはピリダ−4−イルを表すか、又は、ピリダ−3−イル(ここで、該ピリダ−3−イルは、6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで場合により置換されていてもよい)を表すか、又は、ピリダジン−3−イル(ここで、該ピリダジン−3−イルは、6位が塩素又はメチルで場合により置換されていてもよい)を表すか、又は、ピラジン−3−イルを表すか、又は、2−クロロピラジン−5−イルを表すか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(ここで、該1,3−チアゾール−5−イルは、2位が塩素又はメチルで場合により置換されていてもよい)を表し;
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル又はC−C−アルコキシを表す〕
で表される化合物である〔但し、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン、及び、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、除く〕。
【0175】
上記及び下記において示されている式(I−d)の中に記載されている基の好ましい置換基又は範囲について、以下で例示する。
【0176】
Gは、好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル、6−クロロピリダ−3−イル、6−ブロモピリダ−3−イル、6−メチルピリダ−3−イル、6−トリフルオロメチルピリダ−3−イル、6−トリフルオロメトキシピリダ−3−イル、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル、6−メチル−1,4−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル又は2−メチル−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0177】
は、好ましくは、C−C−アルキル、C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル又はC−C−シクロアルキルを表す。
【0178】
Gは、特に好ましくは、6−フルオロピリダ−3−イル基、6−クロロピリダ−3−イル基、6−ブロモピリダ−3−イル基、6−クロロ−1,4−ピリダジン−3−イル基、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基を表す。
【0179】
は、特に好ましくは、メチル、メトキシ、エチル、プロピル、ビニル、アリル、プロパルギル又はシクロプロピルを表す。
【0180】
Gは、極めて特に好ましくは、6−クロロピリダ−3−イル基を表す。
【0181】
は、極めて特に好ましくは、メチル又はシクロプロピルを表す。
【0182】
式(I−d)で表される化合物の特定の群においては、Gは、6−クロロピリダ−3−イル
【0183】
【化87】

を表す。
【0184】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Gは、6−ブロモピリダ−3−イル
【0185】
【化88】

を表す。
【0186】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Gは、6−クロロ−1,4−ピリダジン3−イル
【0187】
【化89】

を表す。
【0188】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Gは、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル
【0189】
【化90】

を表す。
【0190】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Gは、6−フルオロピリダ−3−イル
【0191】
【化91】

を表す。
【0192】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Gは、6−トリフルオロメチルピリダ−3−イル
【0193】
【化92】

を表す。
【0194】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Gは、6−フルオロピリダ−3−イル
【0195】
【化93】

を表す。
【0196】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、メチルを表す。
【0197】
式(I−d)で表される化合物の特定のさらなる群においては、Rは、シクロプロピルを表す。
【0198】
一般式(I)で表される以下の化合物を特に挙げることができる。
【0199】
・ 化合物(I−1)〔4−{[(6−ブロモピリダ−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0200】
【化94】

で表され、そして、WO 2007/115644A1から知られている。
【0201】
・ 化合物(I−2)〔4−{[(6−フルオロピリダ−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0202】
【化95】

で表され、そして、WO 2007/115644A1から知られている。
【0203】
・ 化合物(I−3)〔4−{[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0204】
【化96】

で表され、そして、WO 2007/115644A1から知られている。
【0205】
・ 化合物(I−4)〔4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0206】
【化97】

で表され、そして、WO 2007/115644A1から知られている。
【0207】
・ 化合物(I−5)〔4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0208】
【化98】

で表され、そして、WO 2007/115644A1から知られている。
【0209】
・ 化合物(I−6)〔4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0210】
【化99】

で表され、そして、WO 2007/115643A1から知られている。
【0211】
・ 化合物(I−7)〔4−{[(5,6−ジクロロピリダ−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0212】
【化100】

で表され、そして、WO 2007/115646A1から知られている。
【0213】
・ 化合物(I−8)〔4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン〕は、式
【0214】
【化101】

で表され、そして、WO 2007/115643A1から知られている。
【0215】
本発明による活性化合物組合せは、好ましくは、上記で示されている式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)及び式(I−d)で表される化合物からなる群から選択される式(I)で表される化合物のうちの少なくとも1種類〔但し、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン、及び、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、除く〕と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類を含んでいる。
【0216】
本発明による活性化合物組合せは、さらに好ましくは、上記で示されている式(I−a)、式(I−b)及び式(I−c)で表される化合物からなる群から選択される式(I)で表される化合物のうちの少なくとも1種類と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類を含んでいる。
【0217】
特に好ましくは、本発明による活性化合物組合せは、式(I)〔式中、Aは、基6−フルオロピリダ−3−イル、6−クロロピリダ−3−イル、6−ブロモピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル及び5,6−ジクロロピリダ−3−イルから選択され、Rは、基メチル、シクロプロピル、メトキシ、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルから選択される〕で表される化合物のうちの少なくとも1種類〔但し、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン、及び、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、除く〕と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類を含んでいる。
【0218】
極めて特に好ましくは、本発明による活性化合物組合せは、上記で示されている式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−4)、式(I−5)、式(I−6)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物からなる群から選択される式(I)で表される少なくとも1種類の化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類を含んでいる。
【0219】
これは、表1中に記載されている組合せを与える。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0220】
【表1】


【0221】
さらに、表2中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0222】
【表2】


【0223】
さらに、表3中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0224】
【表3】


【0225】
さらに、表4中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0226】
【表4】


【0227】
さらに、表5中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0228】
【表5】


【0229】
さらに、表6中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0230】
【表6】


【0231】
さらに、表7中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0232】
【表7】


【0233】
さらに、表8中に記載されている組合せが得られる。ここで、各組合せ自体は、本発明の好ましい実施形態である。
【0234】
【表8】


【0235】
本発明による活性化合物組合せの中に存在している当該活性化合物が特定の重量比で存在している場合、その相乗効果は特に顕著である。しかしながら、該活性化合物組合せ中の当該活性化合物の重量比は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、本発明による組合せは、式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類を、以下の好ましい混合比及び特に好ましい混合比で含んでいる:
好ましい混合比: 125:1〜1:125;
特に好ましい混合比: 25:1〜1:25。
【0236】
該混合比は、重量比に基づいている。該比は、「式(I)で表される活性化合物:群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物」を意味するものと理解されるべきである。式(I)で表される化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類のさらなる混合比について以下に詳述する。ここで、以下に詳述されている混合比は、該混合比の好ましさが増大していくように分類されている:
【0237】
【化102】



【0238】
少なくとも1の塩基性中心を有している式(I)の化合物又は有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の活性化合物は、例えば、酸付加塩、例えば、無機強酸〔例えば、鉱酸、例えば、過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸又はハロゲン化水素酸〕との酸付加塩、有機強カルボン酸〔例えば、置換されていないか又は置換されている(例えば、ハロゲンで置換されている)C−C−アルカンカルボン酸、例えば、酢酸、飽和若しくは不飽和のジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸及びフタル酸、ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸、又は、安息香酸〕との酸付加塩、又は、有機スルホン酸〔例えば、置換されていないか若しくは置換されている(例えば、ハロゲンで置換されている)C−C−アルカンスルホン酸又はアリールスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸〕との酸付加塩を形成することができる。少なくとも1の酸性基を有している式(I)の化合物又は有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の活性化合物は、例えば、塩基との塩〔例えば、金属塩、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩又はマグネシウム塩〕、又は、アンモニアとの塩、又は、有機アミン〔例えば、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−若しくはトリ−低級アキルアミン、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン若しくはジメチルプロピルアミン、又は、モノ−、ジ−若しくはトリ−低級ヒドロキシアルキルアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン若しくはトリエタノールアミン〕との塩を形成することができる。さらに、適切な場合には、対応する内部塩を形成させることもできる。本発明に関連しては、農薬的に有利な塩が好ましい。遊離形態にある式(I)の化合物又は有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の活性化合物とその塩の形態にある式(I)の化合物又は有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の活性化合物の間の狭い関係を考慮して、式(I)で表される遊離化合物若しくは有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の遊離活性化合物又はそれらの塩について上記又は下記において言及されている場合、その各言及は、適用可能で且つ適切な場合には、それぞれ、対応する塩並びに式(I)で表される遊離化合物又は有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の遊離活性化合物を包含するように理解されるべきである。このことは、さらにまた、式(I)で表される化合物及び有機リン酸エステル系若しくはカーバメート系の類の活性化合物の互変異性体並びにそれらの塩にも同じように適用される。
【0239】
本発明に関連して、用語「活性化合物組合せ」は、式(I)で表される化合物と有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類の活性化合物のさまざま組合せ、例えば、単一のレディーミックスの形態にある組合せ、又は、個々の活性化合物の別々の製剤からなる組み合わされた散布混合物(例えば、タンクミックス)における組合せ、又は、個々の活性化合物が順次施用される(例えば、適切に短い期間内に、例えば、数時間又は数日以内に順次施用される)場合の個々の活性化合物の組み合わされた使用における組合せなどを意味する。好ましい実施形態によれば、式(I)で表される化合物と有機リン酸エステル系又はカーバメート系の類の活性化合物の施用の順番は、本発明の実施にとって重要ではない。
【0240】
本発明による活性化合物組合せを殺虫剤及び殺ダニ剤として使用する場合、その施用量は、施用の種類に応じて、比較的広い範囲内で変えることができる。本発明による活性化合物組合せの施用量は、植物の部分(例えば、葉)を処理する場合は、0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/ha、特に好ましくは、50〜300g/haであり〔当該施用が潅水又は滴下によって実施される場合、その施用量は、さらに低減することができる(特に、ロックウール又はパーライトなどの不活性基質を使用する場合)〕;種子を処理する場合は、種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150g、特に好ましくは、種子100kg当たり2.5〜25g、極めて特に好ましくは、種子100kg当たり2.5〜12.5gであり;土壌を処理する場合は、0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/haである。
【0241】
これらの施用量は、例としてのみ挙げられており、本発明の意味において限定するものではない。
【0242】
本発明による活性化合物組合せは、処理後の特定の期間内の間、上記害虫による攻撃から植物を保護するために使用することができる。保護がもたらされる上記期間は、該活性化合物で植物を処理した後、一般に、1〜28日、好ましくは、1〜14日、特に好ましくは、1〜10日、極めて特に好ましくは、1〜7日に及び、又は、種子を処理した後、最大で200日に及ぶ。
【0243】
本発明による活性化合物組合せは、植物が良好な耐性を示すこと及び温血動物に対する毒性が望ましい程度であること及び環境が良好な耐性を示すことと相まって、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適しており、並びに、農業において、園芸において、畜産業において、森林で、庭園やレジャー施設で、貯蔵生産物や材料物質の保護において、及び、衛生学の分野において遭遇する害虫、特に、昆虫類、クモ形類動物、蠕虫類、線虫類及び軟体動物を防除するのに適している。それらは、好ましくは、植物保護組成物として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、全ての発育段階又は個々の発育段階に対して活性を示す。上記害虫としては、以下のものを挙げることができる:
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.);
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デリマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリギニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici);
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.);
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.);
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロホラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミゴドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.);
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
ジプローダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォールファールチア属種(Wohlfahrtia spp.);
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.);
ゼンチュウ綱(Helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アンシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0244】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
【0245】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメクス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウドアシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.);
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミチルス・ハリイ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコックス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテッチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベムシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコックス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエホリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii);
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、及び、ベスパ属種(Vespa spp.);
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、及び、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.);
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、レウコプテラ属種(Leucoptera spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、ラキプルシア属種(Rachiplusia spp.)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)、ツタ属種(Tuta spp.);
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、及び、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
コムカデ目(Symphyla)の、例えば、スクチゲレラ・インマクラタ(Scutigerella immaculata);
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビホルミス(Baliothrips biformis)、エンネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピホロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.);
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)。
【0246】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、及び、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0247】
適切な場合には、本発明の活性化合物組合せは、特定の濃度又は特定の施用量において、除草剤、薬害軽減剤、成長調節剤若しくは植物の特性を改善する作用薬としても使用し得るか、又は、殺微生物剤(microbiocide)として、例えば、殺菌剤(fungicide)、抗真菌剤(antimycotic)、殺細菌剤若しくは殺ウイルス剤(これは、ウイロイドに対する作用薬も包含する)としても使用し得るか、又は、MLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する作用薬としても使用し得る。
【0248】
上記活性化合物は、溶液剤、エマルション剤、水和剤、水性懸濁液剤、油性懸濁液剤、粉末剤(powders)、粉剤(dusts)、ペースト剤、可溶性粉末剤、可溶性顆粒剤、ばらまき用顆粒剤、サスポエマルション製剤、活性化合物を含浸させた天然物質、活性化合物を含浸させた合成物質、肥料及びポリマー物質中にマイクロカプセル化したもののような慣習的な製剤に変換することができる。
【0249】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、上記活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒及び/又は固体担体)と混合させることにより製造する。そのような製剤は、適切なプラントで調製するか、又は、施用前若しくは施用中に調製する。
【0250】
補助剤として使用するのに適しているものは、当該組成物自体及び/又はそれから誘導された調製物(例えば、散布液、種子粉衣)に、特定の特性、例えば、特定の技術的特性及び/又特定の生物学的特性などを付与するのに適している物質である。典型的な補助剤としては、増量剤、溶媒及び担体などを挙げることが出来る。
【0251】
適切な増量剤は、例えば、水、並びに、極性及び非極性の有機化学的液体、例えば、以下の種類から選択されるものである:芳香族及び非芳香族の炭化水素類(例えば、パラフィン類、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、クロロベンゼン類)、アルコール類及びポリオール類(これらは、適切な場合には、置換されていてもよく、エーテル化されていてもよく、及び/又は、エステル化されていてもよい)、ケトン類(例えば、アセトン、シクロヘキサノン)、エステル類(これは、脂肪類及び油類を包含する)及び(ポリ)エーテル類、置換されていない及び置換されているアミン類、アミド類、ラクタム類(例えば、N−アルキルピロリドン類)及びラクトン類、スルホン類及びスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)。
【0252】
使用する増量剤が水である場合、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。本質的に、適する液体溶媒は、以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、さらに、水。
【0253】
本発明によれば、担体は、当該活性化合物の適用性(特に、植物又は植物の部分又は種子に施用するための適用性)を改善するために当該活性化合物と混合させるか又は結合させる固体又は液体であることが可能な天然又は合成の有機物質又は無機物質である。そのような固体又は液体の担体は、一般に、不活性であり、そして、農業における使用に関して適しているべきである。
【0254】
適切な固体担体又は液体担体は:
例えば、アンモニウム塩、及び、天然岩粉、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、合成岩粉、例えば、微粉砕されたシリカ、アルミナ及びシリケートなどであり; 粒剤に関して有用な固体担体としては、例えば、粉砕して分別した天然岩、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰岩、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、紙、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒などがあり; 有用な乳化剤及び/又は泡形成剤としては、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類及びタンパク質加水分解物などがあり; 適切な分散剤は、非イオン性及び/又はイオン性の物質、例えば、アルコール−POE及び/又は−POPエーテル類、酸及び/又はPOP POEエステル類、アルキルアリール及び/又はPOP POEエーテル類、脂肪及び/又はPOP POE付加体、POE−及び/又はPOP−ポリオール誘導体、POE−及び/又はPOP−ソルビタン若しくは−糖付加体、アルキルスルフェート類若しくはアリールスルフェート類、アルキルスルホネート類若しくはアリールスルホネート類及びアルキルホスフェート類若しくはアリールホスフェート類又はそれらの対応するPO−エーテル付加体の類から選ばれたものなどである。さらに、適切なオリゴマー又はポリマー、例えば、ビニルモノマーから誘導されたもの、アクリル酸から誘導されたもの、EO及び/若しくはPOの単独又は例えば(ポリ)アルコール類若しくは(ポリ)アミン類と組み合わせたものから誘導されたものも。さらにまた、リグニン及びそのスルホン酸誘導体、未変性セルロース及び変性セルロース、芳香族及び/又は脂肪族のスルホン酸並びにそれらのホルムアルデヒドとの付加体なども使用することができる。
【0255】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末若しくは顆粒若しくはラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。
【0256】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0257】
可能な別の添加剤は、芳香物質、場合により改質されていてもよい鉱油又は植物油、蝋、並びに、栄養素(微量栄養素を包含する)、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などである。
【0258】
安定剤(例えば、低温安定剤)、防腐剤、酸化防止剤、光安定剤、又は、化学的及び/若しくは物理的安定性を向上させる別の作用剤も存在させることができる。
【0259】
市販製剤から調製される使用形態の活性化合物含有量は、広い範囲内でさまざまであることができる。そのような使用形態の活性化合物濃度は、0.00000001〜97重量%の活性化合物の範囲、好ましくは、0.0000001〜97重量%の範囲、特に好ましくは、0.000001〜83重量%又は0.000001〜5重量%の範囲、及び、極めて特に好ましくは、0.0001〜1重量%の範囲内にある。
【0260】
本発明の活性化合物組合せは、その市販製剤中において、及び、それらの製剤から調製された使用形態中において、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質、除草剤、薬害軽減剤、肥料又は情報化学物質などの別の活性化合物との混合物として存在することが可能である。
【0261】
除草剤、肥料、成長調節剤、薬害軽減剤、情報化学物質などの別の既知活性化合物との混合物も可能であり、又は、植物の特性を改善するための作用薬との混合物も可能である。
【0262】
殺虫剤として使用される場合、本発明の活性化合物組合せは、さらにまた、それらの市販製剤中においても、及び、それらの製剤から調製された使用形態中においても、協力剤との混合物として存在することもできる。協力剤は、当該活性化合物の効果を増大させる化合物であり、その際、加えられる協力剤自体は活性を有する必要はない。
【0263】
殺虫剤として使用される場合、本発明の活性化合物組合せは、さらにまた、それらの市販製剤中においても、及び、それらの製剤から調製された使用形態中においても、抑制剤(inhibitor)との混合物として存在することも可能であり、ここで、該抑制剤は、施用された後で、植物の環境において又は植物の部分の表面において又は植物の組織内において当該活性化合物の分解を低減する。
【0264】
当該化合物は、その使用形態に適した慣習的な方法で使用する。
【0265】
本発明に従って、全ての植物及び植物の全ての部分を処理することができる。ここで、植物は、望ましい野生植物及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。かくして、作物植物は、慣習的な育種法と最適化法によって得ることができる植物であり得るか、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって得ることができる植物であり得るか、又は、前記方法の組合せによって得ることができる植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、品種所有権(varietal property right)によって保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの、植物の地上部及び地下部の全ての部分及び器官を意味するものと理解され、その例として挙げることができるのは、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに、さらに、根、塊茎及び根茎である。収穫物や、さらに、栄養繁殖材料(vegetative propagation material)及び生殖繁殖材料(generative propagation material)、例えば、果実、種子、挿穂、塊茎、根茎、かき苗、種子、むかご、取り木及び匍匐枝なども、植物の部分に包含される。
【0266】
該活性化合物組合せを用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧、ばらまき、塗布又は注入などによって、直接的に行うか、又は、化合物を植物及び植物の部分の周囲、環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖材料(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1以上のコーティングを施すことによっても行う。
【0267】
本発明に従って処理することが可能な植物として以下の植物を挙げることができる:ワタ、アマ、ブドウの蔓、果実、野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド及びモモ、並びに、小果樹、例えば、イチゴ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナ植物及びバナナ園)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ科各種(Umbelliferae sp.)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ、タマネギ)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ);主要作物植物、例えば、イネ科各種(Graminae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝、禾穀類、例えば、コムギ、ライムギ、イネ、オオムギ、エンバク、アワ及びライコムギ)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ科各種(Brassicaceae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、パクチョイ、コールラビ、スモールラディッシュ、並びに、さらに、ナタネ、カラシナ、セイヨウワサビ及びコショウソウ)、マメ科各種(Fabacae sp.)(例えば、インゲンマメ、ピーナッツ)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、ダイズ)、ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、テンサイ、飼料用ビート、フダンソウ、ビートルート(beetroot));庭園及び森林において有用な植物及び観賞植物;及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
【0268】
本発明による活性化合物組合せは、種子を処理するのに特に適している。ここで、上記で好ましいもの又は特に好ましいものとして挙げられている本発明の組合せを特に挙げることができる。害虫に起因する作物植物に対する被害の大部分は、早くも、貯蔵中に、並びに、種子が土壌中に導入された後に、並びに、植物が発芽している最中及び発芽の直後に、種子が侵襲されたとき起こる。この相は特に危険である。それは、生長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、少量の損傷であってもその植物全体が死に至り得るからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することに、特に大きな関心が持たれている。
【0269】
植物の種子を処理することによる害虫の防除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子を処理することには、必ずしも満足のいくように解決することができるわけではない一連の問題が伴っている。従って、播種後又は植物の出芽後に作物保護製品を追加で施用することを不要とするような、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することは望ましい。さらに、使用する活性化合物によって植物自体に損傷を与えることなく、害虫による攻撃から種子及び発芽中の植物が最適に保護されるように、使用する活性物質の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最少量の作物保護製品を使用して種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内因性の殺虫特性も考慮に入れるべきである。
【0270】
従って、本発明は、特に、害虫による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、当該種子を本発明の活性化合物組合せで処理することによる。害虫による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護するための本発明の方法は、種子を式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類で同時に処理することによる方法を包含する。該方法は、さらにまた、種子を式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類で異なった時間に処理することによる方法も包含する。本発明は、さらにまた、種子及びその種子から生じた植物を害虫から保護するために種子を処理するための本発明の活性化合物組合せの使用にも関する。さらに、本発明は、害虫から保護するために本発明の活性化合物組合せで処理された種子にも関する。本発明は、さらにまた、式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類で同時に処理された種子にも関する。本発明は、さらに、式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類で異なった時間に処理された種子にも関する。式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類で異なった時間に処理された種子の場合、本発明による組成物の個々の活性化合物は、当該種子の表面上の異なった層の中に存在させることができる。式(I)で表される活性化合物を含んでいる層と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類を含んでいる層は、場合により中間層によって分離させることができる。本発明は、さらにまた、式(I)で表される活性化合物と上記において個別的に挙げられている群2〔(2−1)〜(2−41)から選択される〕及び/又は群3〔(3−1)〜(3−14)から選択される〕の活性化合物のうちの1種類が被膜の成分として又は被膜に加えられたさらなる1つ若しくは複数の層として施用されている種子にも関する。
【0271】
本発明の有利な点の1つは、本発明の活性化合物組合せが有している際立った浸透移行特性によって、これらの組成物で種子を処理することにより、害虫からその種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に現れる植物も保護されるということである。このようにして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時的な処理を省くことができる。
【0272】
さらなる有利な点は、本発明による活性化合物組合せが個々の殺虫活性化合物と比較して相乗的に増大された殺虫活性を有していることであり、ここで、相乗的に増大された当該殺虫活性は、その2種類の活性化合物の個別的に施用されたときに期待される活性を超えている。本発明による活性化合物組合せの殺菌活性が個々の殺菌活性化合物と比較して相乗的に増大されているということも、有利な点であり、ここで、相乗的に増大された当該殺菌活性は、個別的に施用された当該活性化合物の期待される活性を超えている。これにより、使用する活性化合物の量を最適化することが可能となる。
【0273】
さらに、本発明の活性化合物組合せが、特に、トランスジェニック種子(ここで、そのような種子から生じた植物は、害虫に対する目的タンパク質を発現することができる)に対しても使用可能であるということも、有利な点として見なされるべきである。そのような種子を本発明の活性化合物組合せで処理することによって、特定の害虫はタンパク質(例えば、殺虫活性タンパク質)が発現することにより既に防除可能であり、そして、種子は本発明の活性化合物組合せによって損傷から付加的に保護される。
【0274】
本発明の活性化合物組合せは、農業において、温室で、森林で又は園芸において使用される上記ですでに挙げた全ての植物品種の種子を保護するのに適している。特に、これは、トウモロコシ、ラッカセイ、カノラ、ナタネ、ケシ、ダイズ、ワタ、ビート(例えば、テンサイ及び飼料用ビート)、イネ、アワ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモ又は野菜(例えば、トマト、キャベツ類)の種子である。本発明の活性化合物組合せは、さらに、上記ですでに挙げた果実植物の種子及び野菜類の種子を処理するのにも適している。トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ及びカノラ又はナタネの種子を処理することは、特に重要である。
【0275】
既に上記で述べたように、本発明の活性化合物組合せによるトランスジェニック種子の処理も、特に重要である。これは、特に殺虫特性を有するポリペプチドの発現を支配する少なくとも1種類の異種遺伝子を概して含んでいる植物の種子である。トランスジェニック種子内の異種遺伝子は、バシルス(Bacillus)、リゾビウム(Rhizobium)、シュードモナス(Pseudomonas)、セラチア(Serratia)、トリコデルマ(Trichoderma)、クラビバクテル(Clavibacter)、グロムス(Glomus)又はグリオクラジウム(Gliocladium)などの微生物に由来し得る。本発明は、その遺伝子産物がアワノメイガ(European corn borer)及び/又はウェスタンコーンルートワーム(Western corn root worm)に対して活性を示すバシルス属種(Bacillus sp.)に由来する少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいてるトランスジェニック種子を処理するのに特に適している。特に好ましくは、これは、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する異種遺伝子である。
【0276】
本発明に関連して、本発明の活性化合物組合せは、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理中の損傷を回避するのに充分なほど安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。通常使用する種子は、植物から分離されていて、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない。
【0277】
種子を処理する場合、種子の発芽が悪影響を受けないように、又は、種子から生じた植物が損傷を受けないように、種子に施用する本発明の活性化合物組合せの量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに関して一般に注意しなくてはならない。このことは、とりわけ、特定の施用量で薬害作用を示し得る活性化合物の場合には、留意しなくてはならない。
【0278】
本発明の組成物は、直接的に施用することが、即ち、別の成分を一切含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417A、US 4,245,432A、US 4,808,430A、US 5,876,739A、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675A1、WO 2002/028186A2。
【0279】
本発明に従って使用することが可能な活性化合物は、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング組成物や、及び、さらに、ULV製剤などに変換することができる。
【0280】
これらの製剤は、既知方法で、活性化合物を、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、さらに、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、調製する。
【0281】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる着色剤は、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤である。これに関連して、水中であまり溶解しない顔料のみではなく、水中で溶解する染料も使用し得る。例としては、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」及び「C.I.Solvent Red 1」の名称で知られている染料などがある。
【0282】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な湿潤剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的に使用される、湿潤を促進する全ての物質である。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
【0283】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる適切な分散剤及び/又は乳化剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的に使用される非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤である。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用する。挙げることができる適切な非イオン性分散剤は、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体である。適切なアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0284】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤は、農薬活性化合物の製剤に関して慣習的に使用される全ての泡抑制物質である。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
【0285】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールを例として挙げることができる。
【0286】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる第2の増粘剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び微粉砕シリカが好ましい。
【0287】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる粘着剤は、種子粉衣製品中で使用可能な全ての慣習的な結合剤である。ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースを好ましいものとして挙げることができる。
【0288】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができるジベレリンは、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)、ジベレリンA4及びジベレリンA7である。特に好ましくは、ジベレリン酸を使用する。ジベレリン類は知られている(cf. R.Wegler “Chemie der Pflanzenschutz− und Schadlingsbekampfungsmittel” [Chemistry of the Crop Protection Compositions and pesticides], vol.2, Springer Verlag, 1970, p.401−412)。
【0289】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤は、広い範囲の種子(これは、トランスジェニック植物の種子を包含する)を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。これに関連して、発現によって形成された物質と協力して付加的な相乗効果も生じ得る。
【0290】
種子粉衣操作に関して慣習的に使用可能な全ての混合機は、本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製される調製物を用いて種子を処理するのに適している。具体的にいえば、種子を混合機の中に入れる種子粉衣操作中に、所望される特定量の種子粉衣製剤を、そのままで添加するか又は予め水で希釈したあとで添加し、及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまで全てのものを混合させるような手順に従う。適切な場合には、続いて、乾燥工程を行う。
【0291】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などの処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNAi技術[RNA干渉]などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0292】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)が得られることもあり得る。例えば、実際に予期される効果を超える以下の効果などが可能である:本発明により使用し得る活性化合物及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵性の向上及び/又は加工性の向上。
【0293】
特定の施用量において、本発明による活性成分組合せは、植物において強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、本発明の活性化合物組合せは、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類による攻撃に対して植物の防御システムを動員させるのに適している。これは、適切な場合には、例えば菌類に対する、本発明による組合せの増強された活性についての理由のうちの1つであり得る。本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類を接種されたときに、それらの望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質又は物質の組合せも意味するものと理解される。この場合、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。従って、本発明の物質は、処理後特定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために用いることができる。保護効果が達成される期間は、植物が該活性化合物で処理されてから、一般に、1〜10日間に及び、好ましくは、1〜7日間に及ぶ。
【0294】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種は、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)を包含する。
【0295】
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレス因子に対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
【0296】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレス因子に対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の塩分濃度の上昇、鉱物への曝露の増大、オゾンへの曝露、強い光への曝露、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、又は、日陰回避などを挙げることができる。
【0297】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
【0298】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレス因子に対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male−sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male−fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって(即ち、雄性繁殖材料又は雄花を機械的に除去することによって)、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、ハイブリッド植物(これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいる)において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有用である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記載された(WO 1992/005251、WO 1995/009910、WO 1998/27806、WO 2005/002324、WO 2006/021972、及び、US 6,229,072)。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる(例えば、WO 1991/002069)。
【0299】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0300】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., Science(1983), 221,370−371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al., Curr. Topics Plant Physiol.(1992), 7, 139−145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., Science(1986),233, 478−481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al., J.Biol.Chem.(1988), 263, 4280−4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 2001/66704)。それは、例えばEP−A 0837944、WO 2000/066746、WO 2000/066747又はWO 2002/026995などに記載されているように、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、US 5,776,760及びUS 5,463,175に記載されているように、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 2002/036782、WO 2003/092360、WO 2005/012515及びWO 2007/024782などに記載されているように、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 2001/024615又はWO 2003/013226などに記載されているように、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。
【0301】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる。そのような有効な一解毒酵素は、例えば、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば、US 5,561,236、US 5,648,477、US 5,646,024、US 5,273,894、US 5,637,489、US 5,276,268、US 5,739,082、US 5,908,810及びUS 7,112,665などに記載されている。
【0302】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、WO 1996/038567、WO 1999/024585及びWO 1999/024586に従い、突然変異HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物及び遺伝子は、WO 1999/034008及びWO 2002/36787に記載されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 2004/024928に記載されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて酵素プレフェナートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。
【0303】
さらなる除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright, Weed Science(2002), 50, 700−712」などに記載され、さらに、US 5,605,011、US 5,378,824、US 5,141,870及びUS 5,013,659などにも記載されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、US 5,605,011、US 5,013,659、US 5,141,870、US 5,767,361、US 5,731,180、US 5,304,732、US 4,761,373、US 5,331,107、US 5,928,937及びUS 5,378,824、並びに、さらに、国際公開WO 1996/033270に記載されている。さらなるイミダゾリノン耐性植物については、さらにまた、例えば、WO 2004/040012、WO 2004/106529、WO 2005/020673、WO 2005/093093、WO 2006/007373、WO 2006/015376、WO 2006/024351及びWO 2006/060634などに記載されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物は、さらにまた、例えば、WO 2007/024782などにも記載されている。
【0304】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示す別の植物は、例えば、ダイズに関してはUS 5,084,082に記載されているように、イネに関してはWO 1997/41218に記載されているように、テンサイに関してはUS 5,773,702及びWO 1999/057965に記載されているように、レタスに関してはUS 5,198,599に記載されているように、又は、ヒマワリに関してはWO 2001/065922に記載されているように、誘導された突然変異誘発によって得ることができるか、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜によって得ることができるか、又は、突然変異育種によって得ることができる。
【0305】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0306】
本発明に関連して、用語「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al., Microbiology and Molecular Biology Reviews(1998), 62:807−813)」によって編集され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質又はその殺虫活性を示す一部分;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する第2の別の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cy34結晶タンパク質とCy35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Moellenbeck et al., Nat.Biotechnol.(2001), 19:668−72; Schnepf et al., Applied Environm.Microb.(2006), 71, 1765−1774);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する2種類の異なった殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON98034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記項目(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に誘導された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 1994/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する種々の分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記項目(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に誘導された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質。
【0307】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(8)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(8)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
【0308】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレス因子に対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(a) 植物細胞内又は植物内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物(WO 2000/004173、EP 04077984.5又はEP 06009836.5に記載されている);
(b) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、WO 2004/090140などに記載されている);
(c) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、EP 04077624.7、WO 2006/133827又はPCT/EP07/002433などに記載されている)。
【0309】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 変性澱粉〔ここで、該変性澱粉は、野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的形質に関して、特に、澱粉のアミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖の分布、粘性挙動、ゲル抵抗性(gel resistance)、粒径及び/又は粒子形態に関して、改変されていて、その結果、この変性澱粉は、特定の用途により適している〕を合成するトランスジェニック植物。変性澱粉を合成するこれらのトランスジェニック植物は、例えば、EP 0571427、WO 1995/004826、EP 0719338、WO 1996/15248、WO 1996/19581、WO 1996/27674、WO 1997/11188、WO 1997/26362、WO 1997/32985、WO 1997/42328、WO 1997/44472、WO 1997/45545、WO 1998/27212、WO 1998/40503、WO99/58688、WO 1999/58690、WO 1999/58654、WO 2000/008184、WO 2000/008185、WO 2000/28052、WO 2000/77229、WO 2001/12782、WO 2001/12826、WO 2002/101059、WO 2003/071860、WO 2004/056999、WO 2005/030942、WO 2005/030941、WO 2005/095632、WO 2005/095617、WO 2005/095619、WO 2005/095618、WO 2005/123927、WO 2006/018319、WO 2006/103107、WO 2006/108702、WO 2007/009823、WO 2000/22140、WO 2006/063862、WO 2006/072603、WO 2002/034923、EP 06090134.5、EP 06090228.5、EP 06090227.7、EP 07090007.1、EP 07090009.7、WO 2001/14569、WO 2002/79410、WO 2003/33540、WO 2004/078983、WO 2001/19975、WO 1995/26407、WO 1996/34968、WO 1998/20145、WO 1999/12950、WO 1999/66050、WO 1999/53072、US 6,734,341、WO 2000/11192、WO 1998/22604、WO 1998/32326、WO 2001/98509、WO 2001/98509、WO 2005/002359、US 5,824,790、US 6,013,861、WO 1994/004693、WO 1994/009144、WO 1994/11520、WO 1995/35026及びWO 1997/20936に記載されている;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか又は遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物(EP 0663956、WO 1996/001904、WO 1996/021023、WO 1998/039460及びWO 1999/024593に記載されている)、α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 1995/031553、US 2002/031826、US 6,284,479、US 5,712,107、WO 1997/047806、WO 1997/047807、WO 1997/047808及びWO 2000/014249に記載されている)、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 2000/73422に記載されている)、及び、アルテルナンを産生する植物(WO 2000/047727、EP 06077301.7、US 5,908,975及びEP 0728213に記載されている)である;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物(例えば、WO 2006/032538、WO 2007/039314、WO 2007/039315、WO 2007/039316、JP 2006/304779及びWO 2005/012529などに記載されている)。
【0310】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) 改変された形態のセルロースシンターゼ遺伝子を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 1998/000549に記載されている);
(b) 改変された形態のrsw2相同核酸又はrsw3相同核酸を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 2004/053219に記載されている);
(c) スクロースリン酸シンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 2001/017333に記載されている);
(d) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 02/45485に記載されている);
(e) 繊維細胞の基部における原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物)(WO 2005/017157に記載されている);
(f) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)(WO 2006/136351に記載されている)。
【0311】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,969,169、US 5,840,946、US 6,323,392又はUS 6,063,947などに記載されている);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(US 6,270,828、US 6,169,190又はUS 5,965,755に記載されている);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,434,283などに記載されている)。
【0312】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、1種類以上の毒素をコードする1種類以上の遺伝子を含んでいる植物、及び、下記商品名で入手可能なトランスジェニック植物である:YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BT−Xtra(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、Nucotn 33B(登録商標)(ワタ)、NatureGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(登録商標)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、以下の商品名で入手可能なトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種である:Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)及びSCS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。
【0313】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物であり、それらは、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関に関するデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://www.agbios.com/dbase.php」を参照されたい〕。
【0314】
上記で挙げた植物は、本発明による活性化合物組合せを用いて、本発明に従って特に有利に処理することができる。該活性化合物組合せについて上記で述べた好ましい範囲は、これらの植物の処理にも同様に適用される。特に重要なのは、本明細書内で具体的に言及されている活性化合物組合せを用いた植物の処理である。
【0315】
本発明による活性化合物組合せは、植物の害虫、衛生害虫及び貯蔵生産物の害虫に対してのみではなく、マダニ類(hard ticks)、ヒメダニ類(soft ticks)、疥癬ダニ類(mange mites)、ツツガムシ類(harvest mites)、ハエ類(刺咬性(stinging)及び舐性(licking))、寄生性のハエ幼虫、シラミ類、ケジラミ類(hair lice)、ハジラミ類(bird lice)及びノミ類などの獣医学の分野における動物寄生虫(外部寄生虫及び内部寄生虫)に対しても有効である。これらの寄生虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0316】
アノプルリダ目(Anoplurida)の、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、フチルス属種(Phtirus spp.)、及び、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.);
マロファギダ目(Mallophagida)並びにアンブリセリナ亜目(Amblycerina)及びイスクノセリナ亜目(Ischnocerina)の、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、及び、フェリコラ属種(Felicola spp.);
ハエ目(Diptera)並びにネマトセリナ亜目(Nematocerina)及びブラキセリナ亜目(Brachycerina)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、クレキス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイヤ属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、ウォールファールチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、及び、メロファグス属種(Melophagus spp.);
シフォナプテリダ目(Siphonapterida)の、例えば、プレキス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、及び、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.);
ヘテロプテリダ目(Heteropterida)の、例えば、シメキス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、及び、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.);
ブラッタリダ目(Blattarida)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)、及び、スペラ属種(Supella spp.);
アカリ亜綱(Acari(Acarina))並びにメタスチグマタ目(Metastigmata)及びメソスチグマタ目(Mesostigmata)の、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドルス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イキソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、プネウモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、及び、バロア属種(Varroa spp.);
アクチネジダ目(Actinedida(Prostigmata))及びアカリジダ目(Acaridida(Astigmata))の、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデキス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロホルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、及び、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0317】
本発明による活性化合物組合せは、さらにまた、農業家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ミツバチなど)、他の家畜(domestic animals)(例えば、イヌ、ネコ、籠のトリ、水槽のサカナなど)及びいわゆる実験動物(例えば、ハムスター、モルモット、ラット及びマウスなど)を攻撃する節足動物を防除するのにも適している。これらの節足動物を防除することは、上記動物の死亡事例を低減させること、及び、生産性(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜などの生産性)の低下を軽減させることが意図されている。従って、本発明の活性化合物組合せを使用することにより、より経済的で且つより容易な畜産業が可能である。
【0318】
本発明による活性化合物組合せは、獣医学の分野において、及び、畜産業において、既知方法で、例えば、錠剤、カプセル剤、頓服水剤(potion)、水薬(drench)、顆粒剤、ペースト剤、大型丸薬、フィードスルー法及び坐剤などの形態で腸内投与することにより、並びに、例えば、注射(筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射など)及びインプラントなどにより非経口投与することにより、並びに、鼻内投与することにより、並びに、例えば、浸漬(dipping)又は薬浴(bathing)、スプレー、ポアオン及びスポットオン、洗浄及び散粉(powdering)の形態で皮膚に使用することにより、並びに、当該活性化合物を含有する成形品、例えば、首輪、耳標、尾標、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置などを用いて、使用する。
【0319】
家畜、家禽及び家庭内動物などに使用する場合、該活性化合物組合せは、1〜80重量%の量の該活性化合物を含有する製剤(例えば、粉末剤、エマルション剤、フロアブル剤など)として、直接的に使用することができるか、又は、100倍〜10000倍に稀釈した後で使用することができるか、又は、それらは、薬浴(chemical dip)として使用することができる。
【0320】
さらに、本発明の活性化合物組合せは、工業材料を破壊する昆虫に対しても強い殺虫作用を示すことが見いだされた。
【0321】
好ましい非限定的な例としては、以下の昆虫類を挙げることが出来る:
甲虫類(beetles)、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネキス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス属種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン属種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン属種(Sinoxylon spec.)、ジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus);
ハサミムシ類(dermapterans)、例えば、シレキス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur);
シロアリ類(termites)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);
シミ類(bristletails)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0322】
本発明に関連して、工業材料は、無生物材料、例えば、好ましくは、プラスチック、接着剤、サイズ、紙及び厚紙、皮革、木材、加工木材製品、並びに、塗料などを意味するものと理解される。
【0323】
即時使用可能な(ready−to−use)組成物には、場合により別の殺虫剤も含ませることができ、また、場合により1種類以上の殺菌剤も含ませることができる。
【0324】
可能な付加的な混合相手剤に関しては、上記で挙げた殺虫剤及び殺菌剤を参照されたい。
【0325】
さらに、本発明による活性化合物組合せは、海水又は淡海水と接触するもの、特に、船体、スクリーン、網、建造物、係船設備及び信号システムを、付着物から保護するために使用することもできる。
【0326】
さらに、本発明による活性化合物組合せは、単独で、又は、別の活性化合物と組み合わせて、汚れ止め組成物として用いることができる。
【0327】
該活性化合物組合せは、さらにまた、家庭内、衛生及び貯蔵生産物の保護において、密閉空間(例えば、住居、工場の通路、オフィス及び車両の客室など)において遭遇する害虫、特に、昆虫類、クモ形類動物及びダニ類を防除するのにも適している。それらは、単独で使用することができるか、又は、上記害虫を防除するための家庭用殺虫剤製品中において、別の活性化合物及び補助剤と組み合わせて使用することができる。それらは、感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての成育段階に対して有効である。これらの害虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0328】
スコルピオニデア目(Scorpionidea)の、例えば、ブツス・オッシタヌス(Buthus occitanus);
ダニ目(Acarina)の、例えば、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレキスス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia ssp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・ホリナエ(Dermatophagoides forinae);
クモ目(Araneae)の、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae);
ザトウムシ目(Opiliones)の、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium);
等脚目(Isopoda)の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
倍脚目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.);
唇脚目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.);
シミ目(Zygentoma)の、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus);
ゴキブリ目(Blattaria)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラッタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa);
サルタトリア目(Saltatoria)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.);
チャタテムシ目(Psocoptera)の、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.);
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum);
双翅目(Diptera)の、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレキス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレキス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレキス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa);
鱗翅目(Lepidoptera)の、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレキス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
膜翅目(Hymenoptera)の、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum);
シラミ目(Anoplura)の、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、フィロエラ・バスタトリキス(Phylloera vastatrix)、フチルス・プビス(Phthirus pubis);
異翅目(Heteroptera)の、例えば、シメキス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメキス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリキスス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0329】
家庭用殺虫剤の分野における使用は、単独で行うか、又は、別の適切な活性化合物(例えば、ピレスロイド系、ネオニコチノイド系、成長調節剤又は別の既知の殺虫剤類から選択される活性化合物など)と組み合わせて行う。
【0330】
それらは、エーロゾル、非加圧スプレー製品、例えば、ポンプスプレー及び噴霧スプレー、自動霧化システム(automatic fogging system)、噴霧器(fogger)、泡、ゲル、セルロース製又はプラスチック製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲル及び膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、エネルギーフリー型蒸発システム又は受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)及び防虫ゲル(moth gels)において使用されるか、又は、粒剤若しくは粉剤として、ばらまき用の餌に入れて使用されるか、又は、ベイトステーションで使用される。
【0331】
本発明による活性化合物組合せの良好な殺虫及び殺ダニ効果は、下記実施例から認識することができる。個々の活性化合物の効果は弱いが、該組合せは、効果の単なる総和を超えた効果を示す。
【0332】
該活性化合物組合せの効果が個別に施用されたときの該活性化合物の効果の総和を超えている場合、殺虫剤及び殺ダニ剤における相乗効果が常に存在している。
【0333】
2種類の活性化合物の所与の組合せに対して期待される効果は、S.R. Colby〔Weeds 15 (1967), 20−22〕に従って、以下のように計算することができる:
Xは、活性化合物Aを(g/ha)の施用量又は(ppm)の濃度で使用した場合の未処理対照の%として表した殺害虫率であり;
Yは、活性化合物Bを(g/ha)の施用量又は(ppm)の濃度で使用した場合の未処理対照の%として表した殺害虫率であり;
Eは、活性化合物A及び活性化合物Bを及び(g/ha)の施用量又は及び(ppm)の濃度で使用した場合の未処理対照の%として表した殺害虫率である;
とした場合、
【0334】
【数1】

【0335】
実際の殺虫率又は殺ダニ率が計算による値を超えている場合、当該組合せの殺害虫は相加的なものを超えていてる。即ち、相乗効果が存在している。この場合、実際に観察される殺害虫率は、期待される殺害虫率(E)について上記式を用いて計算した値を超えていなければならない。
【実施例】
【0336】
実施例A
モモアカアブラムシ(Myzus persicae)試験
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して、所望の濃度とする。
【0337】
所望濃度の活性化合物調製物を噴霧することにより、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)が重度に発生しているキャベツ(Brassica oleracea)の葉を処理する。
【0338】
所望の期間が経過した後、殺虫率(%)を求める。100%は、全てのモモアカアブラムシが死んだことを意味し、0%は、死んだモモアカアブラムシが無かったことを意味する。求められた殺虫率をColbyの式(上記参照)に入れる。
【0339】
この試験において、例えば、本出願に従う以下の活性化合物組合せは、個別に施用された当該活性化合物と比較して、相乗的に増強された活性を示す。
【0340】
【表9】

【0341】
【表10】

【0342】
実施例B
ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)幼虫試験
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して、所望の濃度とする。
【0343】
所望濃度の活性成分製剤を噴霧することによりキャベツ(Brassica oleracea)の葉を処理し、その葉がまだ湿っている間に、マスタードビートル(mustard beetle)(Phaedon cochleariae)の幼虫を寄生させる。
【0344】
所望の期間が経過した後、殺虫率(%)を求める。100%は、全てのマスタードビートル幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだマスタードビートル幼虫が無かったことを意味する。求められた殺虫率をColbyの式(上記参照)に入れる。
【0345】
この試験において、本出願に従う以下の活性化合物組合せは、個別に施用された当該活性化合物と比較して、相乗的に増強された活性を示す。
【0346】
【表11】

【0347】
【表12】

【0348】
実施例C
ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)試験
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して、所望の濃度とする。
【0349】
所望濃度の活性化合物の調製物を噴霧することによりキャベツ(Brassica oleracea)の葉を処理し、その葉がまだ湿っている間に、ツマジロクサヨトウ(armyworm)(Spodoptera frugiperda)の幼虫を寄生させる。
【0350】
所望の期間が経過した後、殺虫率(%)を求める。100%は、全てのツマジロクサヨトウ幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだツマジロクサヨトウ幼虫が無かったことを意味する。求められた殺虫率をColbyの式(上記参照)に入れる。
【0351】
この試験において、本出願に従う以下の活性化合物組合せは、個別に施用された当該活性化合物と比較して、相乗的に増強された活性を示す。
【0352】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中
Aは、6−フルオロピリダ−3−イル、6−クロロピリダ−3−イル、6−ブロモピリダ−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリダ−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル又は5,6−ジクロロピリダ−3−イル基を表し;及び、
は、メチル、シクロプロピル、メトキシ、2−フルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表す〕
で表される少なくとも1種類の化合物〔但し、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン、及び、4−{[(6−クロロピリダ−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オンは、除く〕と、
(2−1) アジンホス−メチル
【化2】

(2−2) クロルピリホス
【化3】

(2−3) ダイアジノン
【化4】

(2−4) ジメトエート
【化5】

(2−5) ダイスルホトン
【化6】

(2−6) エチオン
【化7】

(2−7) フェニトロチオン
【化8】

(2−8) フェンチオン
【化9】

(2−9) イソキサチオン
【化10】

(2−10) マラチオン
【化11】

(2−11) メチダチオン
【化12】

(2−12) オキシジメトン−メチル
【化13】

(2−13) パラチオン
【化14】

(2−14) パラチオン−メチル
【化15】

(2−15) フェントエート
【化16】

(2−16) ホレート
【化17】

(2−17) ホサロン
【化18】

(2−18) ホスメット
【化19】

(2−19) ホキシム
【化20】

(2−20) ピリミホス−メチル
【化21】

(2−21) プロフェノホス
【化22】

(2−22) プロチオホス
【化23】

(2−23) テブピリムホス
【化24】

(2−24) トリアゾホス
【化25】

(2−25) クロルフェンビンホス
【化26】

(2−26) ジクロルボス
【化27】

(2−27) ジクロトホス
【化28】

(2−28) メビンホス
【化29】

(2−29) モノクロトホス
【化30】

(2−30) ホスファミドン
【化31】

(2−31) アセフェート
【化32】

(2−32) メタミドホス
【化33】

(2−33) トリクロルホン
【化34】

(2−34) テルブホス
【化35】

(2−35) フェナミホス
【化36】

(2−36) エトプロホス
【化37】

(2−37) カズサホス
【化38】

(2−38) ホスチアゼート
【化39】

(2−39) メチダチオン
【化40】

(2−40) オメトエート
【化41】

(2−41) キナルホス
【化42】

(3−1) カルバリル
【化43】

(3−2) フェノキシカルブ
【化44】

(3−3) ホルメタネート
【化45】

(3−4) ホルメタネート塩酸塩
(3−5) メチオカルブ
【化46】

(3−6) メソミル
【化47】

(3−7) オキサミル
【化48】

(3−8) ピリミカーブ(=Pirimor)
【化49】

(3−9) プロポクスル
【化50】

(3−10) チオジカルブ
【化51】

(3−11) カルボフラン
【化52】

(3−12) アルジカルブ
【化53】

(3−13) カルボスルファン
【化54】

及び、
(3−14) イソプロカルブ
【化55】

からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含んでいる、活性化合物組合せ。
【請求項2】
式(I)で表される前記化合物が式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−4)、式(I−5)、式(I−6)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の活性化合物組合せ。
【請求項3】
動物害虫を防除するための、請求項1又は2で定義されている活性化合物組合せの使用。
【請求項4】
動物害虫を防除する方法であって、請求項1又は2で定義されている活性化合物組合せを害虫及び/又はその生息環境及び/又は種子に作用させることを特徴とする、前記方法。
【請求項5】
式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−41)及び(3−1)〜(3−14)のうちの1種類を種子に対して同時に作用させることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−41)及び(3−1)〜(3−14)のうちの1種類を種子に対して異なった時間に作用させることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
殺虫性及び殺ダニ性組成物を調製する方法であって、請求項1又は2で定義されている活性化合物組合せを増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする、前記方法。
【請求項8】
種子を処理するための、請求項1又は2に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項9】
トランスジェニック植物を処理するための、請求項1又は2に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項10】
トランスジェニック植物の種子を処理するための、請求項1又は2に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の活性化合物組合せで処理する種子。
【請求項12】
式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−41)及び(3−1)〜(3−14)のうちの1種類により同時に処理する、請求項11に記載の種子。
【請求項13】
式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−41)及び(3−1)〜(3−14)のうちの1種類により異なる時間に処理する、請求項11に記載の種子。

【公表番号】特表2012−521370(P2012−521370A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501135(P2012−501135)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002165
【国際公開番号】WO2010/108504
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】