説明

比例電磁弁の制御方法及び制御装置

【課題】比例電磁弁のヒステリシスを解消すること。
【解決手段】比例電磁弁の制御装置1は、外部から入力された開度指令値をMPU3で開口量に補正するとともに、開口量に応じた弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための可動鉄片に作用する静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を生成し、開口量にディザ波形を重畳させて指示電流値を出力する。そして、定電流駆動器5は、指示電流値に相当する供給電流を比例電磁弁10のソレノイドコイル16に印加し、指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流でソレノイドコイル16を定電流駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば流量調節器の流量調節、圧力調節器の圧力調節、チラーの温度調節、あるいは給湯器の火力調節等に使用される比例電磁弁の制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような比例電磁弁を駆動する方式としては、一般にPWM駆動方式が採用されている。PWM駆動方式とは入力信号のレベルに応じてパルス幅を変調して駆動するものであり、一定の周期でON時間とOFF時間の比率(デューティー比)を調節したパルス状の電圧を比例電磁弁のソレノイドコイルに供給することにより、脈流となった電流(平均電流)を流し、弁を開閉動作させてその開度を調整している。
【0003】
上記のような電圧をソレノイドコイルに供給する方式によると、ソレノイドコイルのインダクタンス及びコイルで発生した磁界の影響が及ぶ範囲内に磁性体が存在する場合、それらの影響によってコイルに流そうとしている電流の妨げとなり、印加した電圧に比例した電流が流れない。また、ソレノイドコイルに流れる電流はコイルの直流抵抗によって決まるため、温度変化によりコイルの直流抵抗が変化すると流れる電流が変化してしまい、最終的に比例電磁弁の開度にズレを生ずる問題が発生する。これは弁の開度を調節する可動鉄片の吸引力は磁力の強さで決まり、磁力の強さはソレノイドコイルに流れる電流値に比例するためである。また、ソレノイドコイルと制御装置との間の配線抵抗値の変動によっても同様な問題が発生する。そこで、比例電磁弁の開度ズレを低減する技術として、従来から平均電流値を保持するために電流センサを用いたフィードバック制御が行われている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
また、比例電磁弁は弁作動部が機械的構造を有しているため、ソレノイドコイルに発生する吸引力の強さと弁作動部との関係には静止摩擦力によるヒステリシス特性がある。そこで、このようなヒステリシスを低減する技術として、従来から比例電磁弁の駆動時に振幅の小さな微振動を与える制御、いわゆるディザ制御が行われている(例えば特許文献2を参照)。
【0005】
しかしながら、従来のようにPWM駆動方式でディザ制御を行う場合には、PWMにより発生する脈流に脈流を重ね合わせる重畳方式やPWMにより発生する脈流成分で揺さぶる方式が採用されているが、どちらもPWMによるパルス波の実効値電圧をソレノイドコイルに印加して比例電磁弁を駆動している。このように電圧をソレノイドコイルに印加するとディザ信号の大きさは実効値電圧に現れるが、ディザ信号で急激な変化を与えようとしても、ソレノイドコイルの誘導成分によって電圧に比例した電流が流れない。したがって、実際にソレノイドコイルに流れる電流がディザ信号と一致せず、可動鉄片へ指示通りの振幅を与えられないことから、弁開閉時に現れるヒステリシスを低減することができず、期待するディザ効果が得られないという問題がある。
【0006】
また、ディザ信号は時間と共に変動する信号であることから、ディザ信号の波形通りの振幅を与えるためにその波形に忠実に追従させた電流をソレノイドコイルに流す必要がある。ところが、従来の駆動方式は電流制御であってもパルス状の電圧を印加し、次第に平均電流を一致させる平均電流制御であるため、ソレノイドコイルに流れる電流がディザ信号の波形とは異なった電流波形になってしまい、可動鉄片へ指示通りの振幅を与えられないことから、弁開閉時に現れるヒステリシスを低減することができず、期待するディザ効果が得られないという問題もある。
【0007】
【特許文献1】特開平10−2284号公報
【0008】
【特許文献2】特開平10−198431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、比例電磁弁が有するヒステリシス特性、ソレノイドコイルの温度変化、並びに配線の抵抗値変動による影響を低減することが可能な比例電磁弁の制御方法及び制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は比例電磁弁の弁開閉時のヒステリシスがどのような要因で発生しているのかを究明し、ヒステリシスが発生する主な要因が可動鉄片に作用する静止摩擦力(機械的摩擦力、慣性モーメント)によるものであり、以下のような方法によれば確実にヒステリシスを解消することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、比例電磁弁のソレノイドコイルに流す電流に比例した電磁気力で可動鉄片を吸引し、所定の開度で弁を開閉して流体の流量又は圧力を制御する比例電磁弁の制御方法であって、入力された開度指令値を比例電磁弁の開口量に補正し、開口量に応じた弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための可動鉄片に作用する静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を生成し、開口量にディザ波形を重畳させて比例電磁弁の指示電流値を出力し、指示電流値に相当する供給電流をソレノイドコイルへ印加し、指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流でソレノイドコイルを定電流駆動することを特徴とする。
【0012】
また、本発明において、ディザ波形は、可動鉄片に作用する静止摩擦力を超える力を弁の開閉両方向に反転させて加え、常に静止摩擦力の発生を阻止する力の集合体からなる波形であることを特徴とする。
【0013】
ここで、本発明について、弁開閉時のヒステリシスを取り除く方法を詳しく説明する。
【0014】
《静止摩擦力の影響を無くす方法》
比例電磁弁が所定の開度で開いてそこで止まっている場合、可動鉄片は静止した状態であり、静止摩擦力が作用している。そのため、少ない開度変更を行う場合、一旦静止した可動鉄片を別の開度位置に移動させようとして新しい開度位置相当の力を可動鉄片に加えても、静止摩擦力を超える力を加えるまで可動鉄片が停止したまま動かず、正しい位置まで移動させることができない。したがって、可動鉄片を開度位置相当の力に比例した位置まで正確に移動させるため、常に可動鉄片がスムーズに移動できるように、以下の手順で可動鉄片に静止摩擦力が発生しない状態を保つようにする。
【0015】
a.可動鉄片に静止摩擦力の大きさを超える力を加える。力を加える方向は弁の開閉いずれの方向であっても良い。
b.可動鉄片が静止摩擦力を振り切って移動し始めた瞬間に、加えている力を解放する。この時、可動鉄片にはその質量にかかる慣性モーメントが作用していることと、可動鉄片の周囲が流体で満たされていて粘性の抵抗力が働くことにより、急激な加速(移動)は起きず徐々に加速するため、加えている力を解放すると加速力が無くなって減速する。
c.可動鉄片が減速して停止する前に逆方向の力を新たに加える。可動鉄片は逆方向の力によって「減速」→「一瞬停止」→「逆方向に加速開始」するが、この時も慣性モーメントが作用するため急激な加速は起こらない。また「一瞬停止」といっても速度が一時的に0になるだけで速度が0になった時点では逆向きの加速力が既に作用しているので静止することはない。
d.可動鉄片が逆方向へと加速し始めた瞬間に、加えている力を解放し、再度方向を反転させた力を加える。
【0016】
このようにa〜dの力の反転を繰り返し継続し、弁開度に影響を与えない程度の力を可動鉄片に加え続ければ、可動鉄片は常に微小振動しているので、静止摩擦力の影響を受けなくなる。したがって、可動鉄片は開度位置相当の力に比例した位置へ滑らかに移動可能な状態を維持することができる。本発明では、この可動鉄片に常に静止摩擦力が発生しないように維持する力の集合体である波形を「ディザ波形」という。
【0017】
《ディザ波形の力を正確に加える方法》
a.可動鉄片はソレノイドコイルに発生した電磁気力(磁力線)で吸引されるため、電磁気力の強さをディザ波形パターン量の大きさで正確に変化させれば、可動鉄片に加える力(吸引力)を生成することができる。
b.電磁気力(磁力線)の強さはソレノイドコイルに流れる電流値に比例するので、可動鉄片に加える力はソレノイドコイルに流れる電流の変化量に等しいものとして扱うことができる。ただし、磁力線の経路となる可動鉄片や固定鉄芯は強磁性体であるため、これらの強磁性体が磁界を受けると残留磁気や磁力線経路の変化による電磁気的ヒステリシスが発生する。この電磁気的ヒステリシスは、可動鉄片へ目的の力を正確に伝え難くする作用があるので、可動鉄片へ目的の力を正確に伝えるためには、電磁気的ヒステリシスのヒステリシス幅を超える磁気変動を考慮して、最終的に可動鉄片へ目的の力が伝わるようにディザ波形を調整する必要がある。そのための方法として次の2つの方法が考えられる。
【0018】
1)電磁気的ヒステリシスにより失われる力を補う方法
可動鉄片に加える力はソレノイドコイルに流れる電流の変化量に等しいものとして扱うことができるが、実際には電磁気的ヒステリシスが存在する。この電磁気的ヒステリシスにより吸収されて失われる力を補わないと、最終的に目的の力が正確に可動鉄片へ伝わらない。したがって、事前にこの失われる力をディザ波形に補充し、ディザ波形を調整することによって目的の力を正確に可動鉄片へ伝えることができる。
【0019】
2)電磁気的ヒステリシスの影響を直接取り除く方法
可動鉄片が電磁気力を受けて移動する応答速度と、電磁気的ヒステリシスとなるソレノイドコイルに発生する磁界の変化に対する応答性(応答速度)との間には大きな差がある。つまり、可動鉄片にはその質量にかかる慣性モーメントと流体の粘性抵抗力が作用しているため、極めて低い周波数帯域を有しているが、電磁気的ヒステリシスは発生要因が磁界の変化によるところが大きく、その応答性は極めて速く高周波数帯域まで応答している。そこで、この応答速度の差を利用して、ディザ波形に可動鉄片の応答速度の最大周波数よりも高い高域周波数帯域で電磁気的ヒステリシスのヒステリシス幅を超える磁気的変動(振幅)を与える電流信号を合成すると良い。すなわち、静止摩擦力の発生を阻止する低周波数帯域の信号と、可動鉄片の応答速度の最大周波数を超えた電磁気的ヒステリシスの影響を除去する高周波数帯域の信号を合成した電流波形の信号を与えるようにする。これにより、可動鉄片の移動に影響を与えることなく電磁気的ヒステリシスの影響を取り除くことが可能になり、可動鉄片に加える力に影響を及ぼすことなく弁開閉時のヒステリシスを取り除くことができる。
【0020】
本発明では、上記1)または2)の方法により得られる最終的な電流波形の信号を、電磁気的ヒステリシスの影響を取り除くために「調整されたディザ波形」という。
【0021】
このように、弁開閉時のヒステリシスを取り除くためには、少なくとも可動鉄片に作用する静止摩擦力の発生を阻止する力の信号パターンを生成(ディザ波形の生成)し、そのディザ波形の力(電磁気力)に相当する電流が常にソレノイドコイルに正確に流れるように定電流駆動を行わなければならない。
【0022】
すなわち、本発明は、比例電磁弁のソレノイドコイルに流す電流に比例した電磁気力で可動鉄片を吸引し、所定の開度で弁を開閉して流体の流量又は圧力を制御する比例電磁弁の制御装置であって、入力された開度指令値を比例電磁弁の開口量に補正する開口量補正手段と、開口量に応じた弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための可動鉄片に作用する静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を生成するディザ波形生成手段と、開口量にディザ波形を重畳させて比例電磁弁の指示電流値を出力する指示電流値出力手段と、指示電流値に相当する供給電流をソレノイドコイルへ印加し、指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流でソレノイドコイルを定電流駆動する定電流駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の比例電磁弁の制御装置において、定電流駆動手段は、ディザ波形の最大周波数成分(高調波を除く)を超える周波数に応答することを特徴とする。また、定電流駆動手段は、ソレノイドコイルに流れた供給電流の電流値を検出し、検出した供給電流の電流値と入力された指示電流値とを比較して、その偏差電位を増幅して供給電流にフィードバックする電流フィードバック手段を有する回路構成を採用することができる。
【0024】
なお、本明細書において使用する用語の意味は以下の通りである。
「開度指令値」…外部から受ける弁開度値
「開口量」…開度指令値を補正(スケーリング及びリニアライズ)した値
「ヒステリシス量」…弁の開閉時に現れる応差
「ディザ波形」…可動鉄片へ常に静止摩擦力の発生を阻止する力を与えるための電流波形
「指示電流」…開度指令値に相当する弁開度を得るためにソレノイドコイルへ流す電流
「供給電流」…指示電流に従ってソレノイドコイルに供給した電流
「駆動電流」…ソレノイドコイルを駆動する電流であって、指示電流波形に供給電流波形を一致させた電流
「定電流」…指示された通りの電流を流すこと
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、比例電磁弁のソレノイドコイルを駆動する電流に可動鉄片に作用する静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を重畳させ、その電流波形の信号を印加するとともに、指示電流波形に供給電流波形を正確に一致させた駆動電流で定電流駆動を行うようにした。これにより、ソレノイドコイルに指示通りの電流が流れ、静止摩擦力を阻止する指示通りの力を可動鉄片へ与えることができる。このため、静止摩擦力が取り除かれるので、期待した通りのディザ効果が得られ、ヒステリシスを解消することができる。また、入力された開度指令値に実際の開度値を正確に追従させることが可能になるので、高精度な流量又は圧力調節を行うことができる。さらに、定電流駆動を採用したことにより、ソレノイドコイルの温度上昇に伴うコイル抵抗の変化による影響を受けず、ソレノイドコイルと制御装置との間の配線抵抗の変化による影響も受けないため、ソレノイドコイルに流れる電流値変動が発生せず、比例電磁弁の弁開度の変動も同時に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は比例電磁弁の制御装置の全体構成を示す回路ブロック図、図2は比例電磁弁の内部構造を示す断面図、図3は制御装置の動作を示すフローチャート図、図4は電流駆動の電流波形を示すグラフ図、図5は電流駆動のヒステリシス特性を示すグラフ図、図6は定電流駆動器の詳細を示す回路ブロック図、図7は指示電流に対する駆動電流の追従特性を示すグラフ図及び印加電圧と電流の関係を示すグラフ図、図8は電磁気的ヒステリシスを考慮しないディザ波形の波形図、図9は電磁気的ヒステリシスにより失われる力を補充したディザ波形の波形図、図10は電磁気的ヒステリシスの影響を直接取り除いたディザ波形の波形図である。
【0027】
まず、図1を参照して、比例電磁弁の制御装置の構成を説明する。
【0028】
図1に示すように、比例電磁弁の制御装置1は、比例電磁弁10のソレノイドコイルに駆動電流を印加し、ソレノイドコイルに流れる電流値に比例した電磁気力で可動鉄片を吸引し、所定の開度で弁を開閉して流体の流量又は圧力を制御するものであり、A/D変換器2と、MPU3と、D/A変換器4と、定電流駆動器5を備えて構成されている。また、MPU3は開口量補正器6、ディザ信号発生器7及び合成器8の各機能を有している。
【0029】
また、この制御装置1は定電流駆動方式を採用したものであり、入力された開度指令値を比例電磁弁10の開口量に補正し、開口量に応じた弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための静止摩擦力を阻止する力のディザ波形(周波数成分、波形、振幅)を生成するとともに、開口量にディザ量を重畳させて比例電磁弁10の指示電流値を出力し、指示電流値相当の供給電流をソレノイドコイルへ印加して指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流により比例電磁弁10のソレノイドコイルを定電流駆動する。本実施形態では、A/D変換器2とMPU3(開口量補正器6)が開口量補正手段、MPU3(ディザ信号発生器7)がディザ波形生成手段、MPU3(合成器8)とD/A変換器4が指示電流値出力手段、定電流駆動器5が定電流駆動手段に相当する。
【0030】
次に、図2を参照して、比例電磁弁の構造を説明する。
【0031】
図2に示すように、比例電磁弁10は、例えば流量調節器の流量調節、圧力調節器の圧力調節、チラーの温度調節、あるいは給湯器の火力調節等の用途として好適であり、バルブ本体11と、ガイドチューブ12と、ケース13と、プランジャ(可動鉄片)14と、スプリング15と、ソレノイドコイル16と、ストッパコア(固定鉄芯)17を備えて構成されている。バルブ本体11の一端面には吸入ポート18が、他端面には排出ポート19が開口され、内部には吸入ポート18と排出ポート19を連通させる流通路21が設けられている。また、流通路21の途中には弁座22が設けられ、弁の閉時において弁座22の開口部はプランジャ14の先端に埋め込まれたプランジャシール23によって完全閉止される。
【0032】
この比例電磁弁10によれば、制御装置1からソレノイドコイル16に駆動電流が供給されていない時にはスプリング15の付勢力によりプランジャ14が弁座22に着座し、弁座22の開口部がプランジャシール23で密閉され、弁が閉じた状態になる。一方、制御装置1からソレノイドコイル16に駆動電流が供給されると、ケース13の内部に磁界が形成され、励磁されたストッパコア17の電磁気力(吸引力)によりプランジャ14が上昇して弁座22から離れ、弁が開いた状態になる。
【0033】
また、弁の開口量はプランジャ14の停止位置によって変わるが、プランジャ14はストッパコア17の吸引力となる磁力線の強さによって移動量が決まり、磁力線の強さはソレノイドコイル16に流れる電流値に比例する。したがって、この比例電磁弁10は、制御装置1からソレノイドコイル16に供給される駆動電流の電流値に比例した電磁気力でプランジャ14を吸引して弁座22の開口部を開閉し、これにより弁開度を調節して流通路21を通過する流体の流量又は圧力を制御するようになっている。また、この比例電磁弁10によれば、プランジャ14はストッパコア17の電磁気力(吸引力)の強さとスプリング15の付勢力とが釣り合った位置で停止するので、全開、全閉動作だけでなくその途中の任意の開度で弁を開くことも可能である。なお、図示した構造はあくまで一例であり、電流を供給して弁開度を調節する構造の比例電磁弁であれば、本発明はこれ以外の構造のものにも同様に適用することができる。
【0034】
次に、図1と図3を参照して、本発明の制御装置の動作を説明する。
【0035】
図において、まずユーザはコントローラを用いて開度指令値を入力する(図3のステップ301)。入力された開度指令値はアナログ信号であるため、A/D変換器2でディジタル信号に変換されてMPU3に入力される。MPU3では、開度指令値を比例電磁弁10の制御用データである開口量に補正する(図3のステップ302)。開口量の補正は、MPU3内部の開口量補正器6における「スケーリング」と「リニアライズ」の2つの処理により行われる。ここで「スケーリング」とは、開度指令値に対する流量特性に基づいて開度に対する電流値の対応関係を設定する処理をいい、「リニアライズ」とは、電流値に対する変化が直線的でない流量特性を直線化(直線補間)する処理をいう。そして、補正された開口量のデータは合成器8へ出力されるとともにディザ信号発生器7へも出力される。
【0036】
次に、ディザ信号発生器7では、開口量に応じたディザ波形を生成する(図3のステップ303)。このディザ波形の生成処理は、MPU3のメモリに予め記憶されている開口量と開口量に適したディザ量との対応関係を表わすデータテーブルに基づいて、ディザ量(周波数成分、波形、振幅)を算出することにより行われる。そして、ディザ量を算出して生成されたディザ波形はディザ信号発生器7から合成器8に出力される。
【0037】
そして、合成器8は、開口量にディザ波形を重畳し、数値化した指示電流値を生成して出力する(図3のステップ304)。この出力された指示電流値はD/A変換器4へと送られる。指示電流値はMPU3内部で処理された数値化したディジタル信号であるため、D/A変換器4はディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号の指示電流を定電流駆動器5へと出力する(図3のステップ305)。
【0038】
最後に、定電流駆動器5は外部電源により駆動し、指示電流値に供給電流値を正確に追従させた駆動電流を比例電磁弁10へと供給する定電流駆動による制御を行う(図3のステップ306)。すなわち、定電流駆動器5では、指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流を比例電磁弁10のソレノイドコイル16に印加し、その駆動電流に応じて比例電磁弁10の弁開度を調節して流体の流量又は圧力を制御する。なお、定電流駆動器5の具体的な回路構造や制御方法については後述する。
【0039】
以上が本発明の制御装置の構成及び動作であるが、以下に図4と図5を参照して本発明の作用効果を説明する。なお、本発明の効果を理解し易くするため、本発明の定電流駆動方式と従来のPWM駆動(電圧駆動)方式とを比較して説明する。
【0040】
図4は本発明による定電流駆動の電流波形を示したものであり、ディザ波形を重畳していないときの駆動電流波形は同図(a)のようになり、ディザ波形を重畳したときの駆動電流波形は同図(b)のようになる。このような同図(b)の駆動電流をソレノイドコイルに印加することで、プランジャに静止摩擦力を阻止する力を発生させ、弁開閉時に現れるヒステリシスを大幅に削減することができる。また、本発明は定電流駆動方式を採用したことにより、ソレノイドコイルの誘導成分によりディザ電流が阻害されることがなく指示通りの電流がソレノイドコイルに流れるので、目的とする振幅によるディザ効果が確実に得られる。
【0041】
それに対して、従来のPWM駆動(電圧駆動)方式では、上述したようにパルス状の波形の実効値電圧をソレノイドコイルに印加して比例電磁弁を制御している。このように、電圧をソレノイドコイルに印加することにより、結果的にディザ信号の大きさは実効値電圧に現れるが、ディザ信号で急激な変化を与えようとしても、ソレノイドコイルの誘導成分により電圧に比例した電流が流れない。したがって、実際にソレノイドコイルに流れる電流がディザ信号と一致せず、指示通りの電流がソレノイドコイルに流れないので、目的とする振幅にならず、期待したディザ効果が得られない。
【0042】
また、図5は本発明による定電流駆動のヒステリシス特性を示したものである。定電流駆動においても、比例電磁弁には同図(a)のようにソレノイドコイルに供給される電流と弁開度との関係において、弁開閉時にヒステリシスが存在する。この弁開閉時のヒステリシスは、比例電磁弁の弁作動部に作用する静止摩擦力(機械的摩擦力と慣性モーメントを含む)と、強磁性体からなるプランジャ(可動鉄片)等に生じる電磁気的ヒステリシス(残留磁気と磁力線経路の変化)とに起因して発生するものである。
【0043】
そこで、本発明ではこの静止摩擦力が原因で弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための静止摩擦力を阻止する力のディザ波形(周波数成分、波形、振幅)を生成し、生成したディザ波形を開口量に重畳させ、さらに電磁気的ヒステリシス量を超える磁気的変動(振幅)を与える電流信号を重畳させ、これにより得られた指示電流値に基づいて、定電流駆動器によって指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流をソレノイドコイルに印加する定電流駆動を行うようにした。これにより、図示したように弁開閉時のヒステリシスが取り除かれ、ソレノイドコイル電流に対して弁開度を正確に追従させることが可能になるため、高精度な流量又は圧力調節を行うことができる。
【0044】
次に、図6を参照して、定電流駆動器の具体的な回路構造を説明する。
【0045】
比例電磁弁を駆動する電源は、ソレノイドコイルに流れる供給電流の過渡特性を改善するため、急激な電流増加に対応できるようにソレノイドコイル自身の定格電圧よりも高い電圧を供給するとともに、駆動電流のフィードバックを高速化して時間と共に変化する指示電流値に正確に追従させることが重要である。図6に示すように、本実施形態の定電流駆動器5は、入力された指示電流波形と実際に比例電磁弁10のソレノイドコイルに流れる供給電流波形を正確に一致させた駆動電流を印加して定電流制御するものであり、オペアンプ31,32と、加算器33と、バッファ34と、トランジスタ35と、電流検出器36と、微分倍率器37を備えて構成されている。
【0046】
また、この定電流駆動器5は電流フィードバック方式を採用したものであり、入力された指示電流は第1のオペアンプ31を経由し、加算器33とバッファ34とトランジスタ35を経て比例電磁弁10のソレノイドコイルに供給され、ソレノイドコイルに流れた供給電流は電流検出器36の抵抗を経由してGNDに流れる。そして、電流検出器36は抵抗の両端電圧からオペアンプを介して出力電圧を出力することによって供給電流の電流値を検出し、その検出した供給電流の電流値は第1のオペアンプ31と第2のオペアンプ32に入力される。第1のオペアンプ31は指示電流と供給電流を比較し、その偏差は加算器33を通してバッファ34へフィードバックされ、最終的に指示電流に供給電流を一致させる。それに対して、第2のオペアンプ32は過渡特性を高速化させるために偏差を微分倍率器37で微分した後Kp倍し、加算器33で加算してバッファ34へフィードバックし、指示電流に供給電流を高速で一致させた駆動電流がソレノイドコイルに印加される。このように定電流駆動器5において、第1のオペアンプ31、第2のオペアンプ32、微分倍率器37、加算器33、バッファ34、トランジスタ35、及び電流検出器36からなる回路が高速電流駆動回路を構成している。
【0047】
さらに、この定電流駆動器5では、電流検出器36で検出された供給電流の電流値は第1のオペアンプ31と第2のオペアンプ32に入力され、指示電流と供給電流を比較してその偏差電位が増幅して出力される。そして、第1のオペアンプ31の出力は加算器33へフィードバックされるとともに、第2のオペアンプ32の出力は微分倍率器37で微分された後Kp倍され、加算器33へとフィードバックされるクローズドループ制御の定電流駆動回路になっている。このように、MPU3を経由せずに定電流駆動器5の内部で直接フィードバックを行う構造において、電流検出器36、第2のオペアンプ32、及び微分倍率器37からなる回路が過渡特性改善回路を構成している。なお、図示した定電流駆動器5の回路構造はあくまで一例であり、定電流駆動により弁開度を調節するものであれば、これ以外の回路構造や制御方法を採用することも可能である。
【0048】
次に、図7を参照して、指示電流波形に対する駆動電流波形の追従特性について説明する。
【0049】
定電流駆動器5に入力された指示電流は、クローズドループ制御によって供給電流波形を指示電流波形に一致させた駆動電流としてソレノイドコイルに流すことができる。ところが、定電流駆動器5の応答速度や波形の傾斜角度には限界があり、どのような条件下でも指示電流値に完全に一致させた駆動電流を流せるわけではない。本実施形態の定電流駆動器5は、ディザ波形の最大周波数成分(高調波を除く)を超える周波数に応答するように、(1)指示電流波形に含まれるディザ信号の周波数と指示電流波形に対する駆動電流波形の追従の遅れとの関係や、(2)ディザ信号の傾斜角度と印加電圧に対する電流の傾斜角度との関係について、以下の条件を満たすようにした。
【0050】
まず、上記(1)の関係について説明すると、図7(a)に示すように、指示電流を定電流駆動器5に入力すると駆動電流がソレノイドコイルに流れるが、この時に発生する指示電流波形に対する駆動電流波形の追従の遅れΔtは、指示電流波形と比較して駆動電流波形が変形しない程度に周波数を設定しなければならないので、ディザ信号の最大周波数Thtよりも十分に小さくする必要がある(Tht>>Δt)。
【0051】
次に、上記(2)の関係について説明する。図7(b)は印加電圧に対してソレノイドコイルに流れる電流の傾斜角度の特性を示すものであり、例えば図の(A)のように印加電圧が低いと電流の傾斜角度Lvは小さくなるが、図の(C)のように印加電圧が高くなると電流の傾斜角度Lvは大きくなる。したがって、印加電圧に対する電流の傾斜角度Lvは、指示電流波形と比較して駆動電流波形が変形しない程度に電流の傾斜角度を設定しなければならないので、ディザ信号の最大傾斜角度Δvよりも十分に大きくする必要がある(Lv>>Δv)。
【0052】
また、電流の傾斜角度Lvを大きくする必要があることから、急激な電流増加に対応できるように、定電流駆動器5の外部電源+Vはソレノイドコイルの定格電圧よりも高い電圧を印加することが好ましい。ただし、ソレノイドコイルが絶縁破壊を起こさない範囲の供給電圧以下にとどめるものとする。
【0053】
最後に、図8,9,10を参照して、電磁気的ヒステリシスの影響を取り除くためにディザ波形を調整する方法について説明する。
【0054】
図8は電磁気的ヒステリシスを考慮しないディザ波形を示したものである。ソレノイドコイルに流れる駆動電流を変化させることにより、プランジャに与えられる電磁気力(吸引力)が変わり弁開度を調節することができるが、ディザ波形と実際の吸引力との間には電磁気的ヒステリシスが発生する。すなわち、ディザ波形の電流を与えても、正逆反転時に吸引力の波形は電磁気的ヒステリシスにより図に模式的に示したようにディザ波形の頂点を超えた時点から吸引力が大きく歪むことになる。
【0055】
図9は電磁気的ヒステリシスにより失われる力を補充して調整されたディザ波形を示したものである。図示したように、図8の電磁気的ヒステリシスを考慮しないディザ波形に対して正逆反転時に不感帯を超える帯域まで急激に電流値を増減して波形を変形させ、電磁気的ヒステリシスにより吸収されて失われる力を予め補充することでディザ波形を調整する。これにより吸引力の波形の歪みが無くなり、ディザ波形に近似した目的とする吸引力がプランジャに正確に伝えられ、電磁気的ヒステリシスの影響が取り除かれる。したがって、実際のプランジャの動きは、慣性モーメントや流体の粘性抵抗の影響による若干の遅延はあるものの、ほぼ開度電流値通りに制御することができる。
【0056】
図10は電磁気的ヒステリシスの影響を直接取り除いて調整されたディザ波形を示したものである。プランジャが電磁気力を受けて移動する応答速度と、電磁気的ヒステリシスとなるソレノイドコイルに発生する磁界の変化に対する応答性(応答速度)との間には大きな差がある。つまり、プランジャにはその質量にかかる慣性モーメントと流体の粘性抵抗力が作用しているため、極めて低い周波数帯域を有しているが、電磁気的ヒステリシスは発生要因が磁界の変化によるところが大きく、その応答性は極めて速く高周波数帯域まで応答している。
【0057】
そこで、図示したように、ディザ波形に可動鉄片の応答速度の最大周波数よりも高い高域周波数帯域で電磁気的ヒステリシス量を超える磁気的変動(振幅)を与える電流信号を合成してディザ波形を調整する。すなわち、静止摩擦力の発生を阻止する低周波数帯域の信号と、プランジャの応答速度の最大周波数を超えた電磁気的ヒステリシスの影響を除去する高周波数帯域の信号を合成した電流波形の信号を与えるようにする。これによりプランジャの移動に影響を与えることなく電磁気的ヒステリシスの影響を取り除くことが可能になり、プランジャに加える力に影響を及ぼすことなく弁開閉時のヒステリシスが取り除かれる。したがって、実際のプランジャの動きは、慣性モーメントや流体の粘性抵抗の影響による若干の遅延はあるものの、ほぼ開度電流値通りに制御することができる。
【0058】
以上説明したように、本発明に係る比例電磁弁の制御装置によれば、比例電磁弁のソレノイドコイルに対して、ヒステリシスを取り除くための静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を重畳させた指示電流値を出力するとともに、指示電流波形に供給電流波形を正確に一致させた駆動電流によって定電流駆動を行うようにした。したがって、静止摩擦力と電磁気的ヒステリシスに起因する弁開閉時のヒステリシスが除去され、入力された開度指令値に実際の開度量を正確に追従させることが可能になるため、高精度な流量又は圧力調節を行うことができる。
【0059】
また、定電流駆動を採用したことにより、電圧駆動のようなソレノイドコイルの温度上昇に伴うコイル抵抗の変化による影響を受けず、またソレノイドコイルと制御装置との間の配線抵抗の変化による影響も受けないため、ソレノイドコイルに流れる電流値変動が発生しないので、比例電磁弁の弁開度の変動も同時に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】比例電磁弁の制御装置の全体構成を示す回路ブロック図。
【図2】比例電磁弁の内部構造を示す断面図。
【図3】制御装置の動作を示すフローチャート図。
【図4】定電流駆動の電流波形を示すグラフ図。
【図5】定電流駆動のヒステリシス特性を示すグラフ図。
【図6】定電流駆動器の詳細を示す回路ブロック図。
【図7】(a)指示電流波形に対する駆動電流波形の追従特性を示すグラフ図、(b)印加電圧と電流の関係を示すグラフ図。
【図8】電磁気的ヒステリシスを考慮しないディザ波形の波形図。
【図9】電磁気的ヒステリシスにより失われる力を補充したディザ波形の波形図。
【図10】電磁気的ヒステリシスの影響を直接取り除いたディザ波形の波形図。
【符号の説明】
【0061】
1…制御装置
2…A/D変換器
3…MPU
4…D/A変換器
5…定電流駆動器
6…開口量補正器
7…ディザ信号発生器
8…合成器
10…比例電磁弁
11…バルブ本体
12…ガイドチューブ
13…ケース
14…プランジャ(可動鉄片)
15…スプリング
16…ソレノイドコイル
17…ストッパコア(固定鉄芯)
18…吸入ポート
19…排出ポート
21…流通路
22…弁座
23…プランジャシール
31…第1のオペアンプ
32…第2のオペアンプ
33…加算器
34…バッファ
35…トランジスタ
36…電流検出器
37…微分倍率器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
比例電磁弁のソレノイドコイルに流す電流に比例した電磁気力で可動鉄片を吸引し、所定の開度で弁を開閉して流体の流量又は圧力を制御する比例電磁弁の制御方法であって、
入力された開度指令値を比例電磁弁の開口量に補正し、
開口量に応じた弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための可動鉄片に作用する静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を生成し、
開口量にディザ波形を重畳させて比例電磁弁の指示電流値を出力し、
指示電流値に相当する供給電流をソレノイドコイルへ印加し、指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流でソレノイドコイルを定電流駆動する
ことを特徴とする比例電磁弁の制御方法。
【請求項2】
ディザ波形は、
可動鉄片に作用する静止摩擦力を超える力を弁の開閉両方向に反転させて加え、常に静止摩擦力の発生を阻止する力の集合体からなる波形である
ことを特徴とする請求項1に記載の比例電磁弁の制御方法。
【請求項3】
電磁気力の電磁気的ヒステリシスの影響を取り除くために、ディザ波形に対して電磁気的ヒステリシスにより吸収されて失われる力を予め補充してディザ波形を調整する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の比例電磁弁の制御方法。
【請求項4】
電磁気力の電磁気的ヒステリシスの影響を取り除くために、ディザ波形に対して可動鉄片の応答速度の最大周波数を超える高周波数帯域の信号を合成してディザ波形を調整する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の比例電磁弁の制御方法。
【請求項5】
比例電磁弁のソレノイドコイルに流す電流に比例した電磁気力で可動鉄片を吸引し、所定の開度で弁を開閉して流体の流量又は圧力を制御する比例電磁弁の制御装置であって、
入力された開度指令値を比例電磁弁の開口量に補正する開口量補正手段と、
開口量に応じた弁開閉時に現れるヒステリシスを取り除くための可動鉄片に作用する静止摩擦力を阻止する力のディザ波形を生成するディザ波形生成手段と、
開口量にディザ波形を重畳させて比例電磁弁の指示電流値を出力する指示電流値出力手段と、
指示電流値に相当する供給電流をソレノイドコイルへ印加し、指示電流波形に供給電流波形を一致させた駆動電流でソレノイドコイルを定電流駆動する定電流駆動手段と、
を備えたことを特徴とする比例電磁弁の制御装置。
【請求項6】
定電流駆動手段は、
ディザ波形の最大周波数成分(高調波を除く)を超える周波数に応答する
ことを特徴とする請求項5に記載の比例電磁弁の制御装置。
【請求項7】
定電流駆動手段は、
ソレノイドコイルに流れた供給電流の電流値を検出し、検出した供給電流の電流値と入力された指示電流値とを比較して、その偏差電位を増幅して供給電流にフィードバックする電流フィードバック手段を有する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の比例電磁弁の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−103300(P2009−103300A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48296(P2008−48296)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【特許番号】特許第4169780号(P4169780)
【特許公報発行日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(390039837)東フロコーポレーション株式会社 (17)
【Fターム(参考)】