説明

毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法

【課題】反応による効果をムラなく均等に得ることができ、頭髪や皮膚から垂れ落ちにくく、塗り伸ばしやすい毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法を提供すること。急激に反応が進んでガスが発生しても安全な毛髪処理剤の発泡方法を提供すること。
【解決手段】反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤である毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法に関する。さらに詳しくは、反応型成分が確実に反応した状態で泡を形成し、毛髪処理による効果をムラなく均等に得ることができる毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2には、第1剤と第2剤を樹脂ボトルに充填してポンプフォーマーを取り付け、樹脂ボトルを上下に振って混合し、樹脂ボトルを強く握って収縮させることにより第1剤と第2剤の混合液がフォーマーを通過して発泡し、泡状で吐出される毛髪化粧料が開示されている。
【0003】
また、泡は内部に気体を含むため混ざりにくく、頭髪に塗布し泡が液状化したときに反応するためムラができやすく、この問題を解決するために特許文献3には、第1剤と第2剤を泡状で少量ずつ吐出し塗布するための2液反応染毛剤の塗布用具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−339216号公報
【特許文献2】特開2008−291020号公報
【特許文献3】特許第3960649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の毛髪化粧料では、樹脂ボトルを上下に振って混合するため、振っているときに液が漏れないように、また混合液をフォーマーを通過させるためにはフォーマーの通路以外の部分(樹脂ボトルにフォーマーを取り付ける部分)に気密性が必要になるが、第1剤と第2剤が混ざると過酸化水素の一部が分解されて酸素ガスが発生するため、急激に反応して圧力が高くなる場合があり、また樹脂ボトルは収縮できるように薄く成型しているため、安全性が確保できない恐れがある。
【0006】
また、特許文献3に記載の2液反応染毛剤の塗布用具では、少量ずつ吐出しなければならないため、利便性が悪いという問題がある。また、少量ずつ毛髪に順次塗布するためムラが生じやすく、頭部全体において均一に効果を付与するには高い技術を要するという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、反応による効果をムラなく均等に得ることができ、頭髪や皮膚から垂れ落ちにくく、塗り伸ばしやすい毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法を提供することを目的とする。また、急激に反応が進んでガスが発生しても安全な毛髪処理剤の発泡方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の毛髪処理剤は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤であることを特徴とする。
【0009】
前記第1剤および/または第2剤に炭酸塩が含まれてなることが好ましい。
【0010】
さらに発熱剤を含み、該発熱剤が、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の毛髪処理剤は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に炭酸塩が含まれてなり、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する発熱剤が含まれてなる。
【0012】
前記反応型成分が、酸化染料と過酸化水素とからなる2剤式染毛剤であることが好ましい。
【0013】
本発明の毛髪処理剤の発泡方法は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤であり、(1)前記第1剤と前記第2剤とを開放容器内で混合する工程と、(2)該混合物に発泡剤を添加し混合する工程と、(3)(2)の工程により得られた混合物を発泡させる工程と有する。
【0014】
加温する工程を含むことが好ましい。
【0015】
加温する工程が、前記第1剤および/または前記第2剤中の水により発熱する発熱剤を添加する工程であることが好ましい。
【0016】
また本発明の毛髪処理剤の発泡方法は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に炭酸塩が含まれてなり、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記第1剤および第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する発熱剤が含まれてなり、(1)前記第1剤と前記第2剤とを開放容器内で混合する工程と、(2)該混合物に発熱剤を添加し混合する工程と、(3)(2)の工程により得られた混合物を発泡させる工程とを有する。
【0017】
前記反応型成分が、酸化染料と過酸化水素とからなる2剤式染毛剤であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法によれば、反応による効果をムラなく均等に得ることができ、頭髪や皮膚から垂れ落ちにくく、塗り伸ばしやすい毛髪処理剤および該毛髪処理剤の発泡方法を提供することができる。また、本発明の毛髪処理剤の発泡方法によれば、開放型容器で発泡させるため、急激に反応が進んでガスが発生しても安全な毛髪処理剤の発泡方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態にかかる毛髪処理剤の発泡方法を説明するための説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる毛髪処理剤の各成分を充填する容器を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる毛髪処理剤の各成分を充填する容器を説明するための説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる毛髪処理剤の各成分を充填する容器を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の毛髪処理剤は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤である。
【0021】
前記反応型成分としては、たとえば、酸化還元反応として、パラフェニレンジアミンなどの酸化染料と過酸化水素、亜硫酸ナトリウムと過酸化水素、チオ硫酸ナトリウムと過酸化水素、中和反応として、水溶性高分子とpH調整剤(酸性成分またはアルカリ性成分)、たとえばカルボキシビニルポリマーとアルカリ成分、アクリル酸/スレアレス共重合体やアクリル酸/セテス共重合体とアルカリ成分、アクリル酸/アミノアクリル酸/PEG・アルキル(炭素数10〜20)共重合体と酸性成分、溶解反応として、尿素と水などがあげられる。前記反応型成分は第1剤と第2剤にそれぞれ別々に配合される。
【0022】
前記第1剤と第2剤の少なくとも一方が界面活性剤と水を含有する液体である。第1剤と第2剤は両方が液体でもよく、いずれか一方がパウダー状でもよい。
【0023】
前記界面活性剤は、後述する発泡剤により混合液を泡状にするものであり、公知の界面活性剤を使用することができる。前記界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルなどの、HLBが10〜19、好ましくは11〜18である親水性の非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、スルホベタインなどの両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤などがあげられる。
【0024】
前記水は反応型成分の溶媒であり、前記界面活性剤と発泡剤により発泡して泡になる。前記水としては特に限定がなく、たとえば、精製水、イオン交換水、滅菌水などを用いることができる。
【0025】
前記第1剤と第2剤は、必要に応じて、たとえば、ヒドロシキエチルセルロース、ヒドロシキプロピルセルロース、ゼラチン、キサンタンガムなどの水溶性高分子、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、カチオン性ポリマー、両性ポリマーなどの重合体、シリコーンオイル、リン酸、水酸化ナトリウムなどのpH調整剤、安定化剤、防腐剤、香料などを配合することができる。
【0026】
前記発泡剤は第1剤と第2剤の混合液を発泡させ、第1剤と第2剤の反応を促進する成分であって、沸点が−5〜80℃の油剤などがあげられる。
【0027】
前記油剤としては、たとえば、ノルマルブタン(沸点:−0.5℃)、イソペンタン(沸点:27.9℃)、ノルマルペンタン(沸点:36.1℃)、ノルマルヘキサン(沸点:68.7℃)、イソヘキザン(沸点:60.3℃)などの脂肪族炭化水素、メチルパーフルオロブチルエーテル(沸点:61℃)、エチルパーフルオロブチルエーテル(沸点:61℃)などのハイドロフルオロエーテルなどがあげられる。
【0028】
前記発泡剤として沸点が−5〜40℃である油剤を用いる場合は、沸点が外気温と類似しているため第1剤と第2剤の混合液に滴下し混ぜるとゆっくりと気化し、混合液をゆっくりと発泡させながら第1剤と第2剤の反応型成分の反応を促進することができる。発泡剤の沸点が−5℃よりも低い場合は滴下と同時に気化するため、大気圧下にある混合液を発泡させることができない。なお、沸点が40〜80℃である油剤を用いる場合は、電子レンジやお湯などで加温したり、発熱剤を添加して加温することが好ましく、混合液が温められてゆっくりと発泡する。沸点が80℃よりも高い場合は高温にならないと発泡しないため、塗布するときに火傷する恐れがある。
【0029】
前記発泡剤の添加量は、第1剤と第2剤の混合液に対して1〜30重量%、さらには2〜20重量%であることが好ましい。なお、発泡剤として沸点が−5〜40℃である油剤を用いる場合、20℃において0.05〜0.2MPaの蒸気圧を有するため、バルブを備えた耐圧容器に充填することが好ましい。この場合、バルブを開放し発泡剤を液滴状に滴下するアクチエーターを備えることが好ましい。
【0030】
前記発熱剤は、混合液中の水により発熱して混合液の温度を上げ、発泡を促進する成分である。前記発熱剤としては、たとえば、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール、塩化マグネシウムなどの無機塩、ゼオライトなどがあげられる。その中でも、水に溶解して発熱し使用感に影響が少ない点から無機塩が好ましい。
【0031】
前記発熱剤の添加量は、第1剤と第2剤の混合液に対して1〜20重量%、さらには2〜10重量%であることが好ましい。配合量が1重量%よりも少ない場合は前述の効果が得られにくく、20重量%を超えると熱くなりすぎる恐れがある。
【0032】
なお、前記第1剤および/または第2剤に発泡補助剤として炭酸塩を含んでもよい。前記炭酸塩としては、たとえば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムなどがあげられる。炭酸塩は混合液中の水に溶解して炭酸ガスを発生し、混合液を発泡させる。炭酸塩を添加した後で前記発熱剤を添加することで混合液の温度が上がり、炭酸塩が水に溶解しやすく、発泡しやすくなる。
【0033】
また、本発明の毛髪処理剤は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に炭酸塩を含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記第1剤および第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する発熱剤を含む。
【0034】
この実施の形態では、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に含まれる炭酸塩が発熱剤による加温により水に溶解しやすくなり、発泡しやすい。そのため沸点が−5〜80℃である油剤を発泡剤として用いなくてもよいが、任意に添加することができる。
【0035】
本発明の毛髪処理剤は、たとえばパーマネント、ストレートパーマ、縮毛矯正、ヘアカラーなどの各種理美容用途に使用することができる。中でも熟練した技術を要さずに一般消費者が均等に頭部に塗布できる点から、染毛剤(ヘアカラー)に使用した場合に格別顕著な効果が得られる。
【0036】
次に本発明の毛髪処理剤の発泡方法について説明する。
【0037】
本発明の毛髪処理剤の発泡方法は、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤であり、(1)前記第1剤と前記第2剤とを開放容器内で混合する工程と、(2)該混合物に発泡剤を添加し混合する工程と、(3)(2)の工程により得られた混合物を発泡させる工程とを有する。
【0038】
(1)の工程は、図1(a)に示されるように、反応型成分を配合した前記第1剤と反応型成分を配合した前記第2剤とを開放容器内で混合する工程である。このとき反応型成分は反応を開始する。反応型成分、第1剤および第2剤としては、毛髪処理剤の説明時に述べたものを使用することができる。参照符号1は開放容器、参照符号2は第1剤、参照符号3は第2剤を示している。
【0039】
開放容器としては特に限定されないが、たとえば、図2(a)に示すような開口部を有するカップ状の樹脂容器や防水処理などをした紙容器などがあげられる。開放容器は、毛髪処理製品として販売される際には、第1剤、第2剤、発泡剤、攪拌具、補助具などを入れておく収容容器として利用され、開口部にはフタを装着する。参照符号4はフタ、参照符号5は発泡剤、参照符号6は撹拌・塗布具を示している。
【0040】
第1剤や第2剤を充填する容器としては特に限定されないが、たとえば、第1剤や第2剤が液体である場合は樹脂製ボトルや金属製容器などが(図1(a)、図2(b)および図2(c)参照)、クリームやゲル状である場合は樹脂製チューブやアルミチューブなどが(図3(a)参照)、パウダー状である場合は樹脂製パウチやアルミパウチなど(図3(b)、図3(c)、図4(a)および図4(b)参照)があげられる。参照符号Aはアルミ製のフタ、参照符号T1はチューブ、参照符号T2、T2a、T2bはトレイ、参照符号P1およびP2はパウチを示している。トレイT2aおよびT2bには、たとえばそれぞれ第1剤および第2剤を充填することができる。
【0041】
(2)の工程は、(1)の工程を経て得られた混合物に対して発泡剤および発泡補助剤を添加し混合する工程である。発泡剤として沸点が−5〜40℃である油剤を用いる場合は室温に近い沸点を有するため、混合液と液体状態で混合され均一に分散する。発泡および発泡助剤としては、毛髪処理剤の説明時に述べたものを使用することができる。
【0042】
発泡剤を充填する容器としては特に限定されないが、たとえば、バルブを備えた耐圧容器などがあげられる(図1(b)および図2(d)参照)。耐圧容器としては、アルミニウムやブリキなどの金属、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、耐圧ガラスなどを用いることができる。
【0043】
発熱剤を充填する容器としては、たとえば、発熱剤が液体である場合は樹脂製ボトルや金属製容器などが(図1(a)、図2(b)および図2(c)参照)、パウダー状である場合は樹脂製パウチやアルミパウチなど(図3(b)、図3(c)、図4(a)および図4(b)参照)があげられる。なお、水分を遮断できる点からアルミパウチやアルミ箔層を備えた樹脂パウチを用いることが好ましい。
【0044】
(3)の工程は、(2)の工程を経て得られた混合物を発泡させる工程である。(3)の工程では、(2)の工程の後に、1〜5分間放置することにより、発泡剤が気化し、ゆっくりと発泡することとなる。そして、撹拌・塗布具で混ぜると滑らかな泡になり、頭髪や皮膚に塗布しても垂れ落ちずに保持され、反応型成分の効果を付与することができる。なお、発泡剤として沸点が40〜70℃である油剤を用いる場合は混合液に添加し混合してから電子レンジやお湯で、あるいは発熱剤で加温して油剤を気化させることが好ましい。後は1〜5分間放置して発泡させ、最後に混合具で混ぜる。参照符号7は、(3)の工程を経て得られた泡状の毛髪処理剤を示している。
【0045】
なお、前述のとおり、沸点が−5〜80℃である油剤を用いない本発明の毛髪処理剤の発泡方法の別の態様では、反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に炭酸塩が含まれてなり、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、前記第1剤および第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する発熱剤が含まれてなり、(1)前記第1剤と前記第2剤とを開放容器内で混合する工程と、(2)該混合物に発熱剤を添加し混合する工程と、(3)(2)の工程により得られた混合物を発泡させる工程とを有する。
【0046】
すなわち、この実施の形態では炭酸塩があらかじめ第1剤および/または第2剤に含まれているため、いずれかの工程で発泡剤を添加することは必須ではないが、添加することを排除するものではない。
【0047】
また、前述のとおり、毛髪処理剤が染毛剤であることが好ましく、そのため、本発明の毛髪処理剤の発泡方法も、染毛剤の発泡方法であることが好ましい。
【0048】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
実施例1 2剤式染毛剤
下記の第1剤40gと下記の第2剤60gを開放容器に充填し、ヘラでかき混ぜた。次いで発泡剤としてイソペンタンを5g添加し、ヘラでかき混ぜた。室温で3分間静置してヘラでかき混ぜ、1分間静置した。

第1剤
パラフェニレンジアミン 3.0
レゾルシン 0.5
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
プロピレングリコール 5.0
アンモニア水(28%) 6.0
香料 0.1
精製水 82.4
合計 100.0重量%

第2剤
過酸化水素水(35%) 16.0
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 0.5
ラウリルヒドロキシスルホベタイン 0.1
リン酸 pHを3.5に調整
精製水 残部
合計 100.0重量%
【符号の説明】
【0050】
1 開放容器
2 第1剤
3 第2剤
4 フタ
5 発泡剤
6 撹拌・塗布具
7 泡状の毛髪処理剤
A アルミ製のフタ
T1 チューブ
T2、T2a、T2b トレイ
P1、P2 パウチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、
前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤である毛髪処理剤。
【請求項2】
前記第1剤および/または第2剤に炭酸塩が含まれてなる請求項1記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
さらに発熱剤を含み、該発熱剤が、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する請求項1または2記載の毛髪処理剤。
【請求項4】
反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤とを含み、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に炭酸塩が含まれてなり、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する発熱剤が含まれてなる毛髪処理剤。
【請求項5】
前記反応型成分が、酸化染料と過酸化水素とからなる2剤式染毛剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
【請求項6】
反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤と、発泡剤とを含み、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、
前記発泡剤が、沸点が−5〜80℃の油剤であり、
(1)前記第1剤と前記第2剤とを開放容器内で混合する工程と、
(2)該混合物に発泡剤を添加し混合する工程と、
(3)(2)の工程により得られた混合物を発泡させる工程と有する毛髪処理剤の発泡方法。
【請求項7】
加温する工程を含む請求項6記載の毛髪処理剤の発泡方法。
【請求項8】
加温する工程が、前記第1剤および/または前記第2剤中の水により発熱する発熱剤を添加する工程である請求項7記載の毛髪処理剤の発泡方法。
【請求項9】
反応型成分を配合した第1剤と、反応型成分を配合した第2剤とを含み、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に炭酸塩が含まれてなり、
前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に界面活性剤と水が含まれてなり、
前記第1剤および第2剤の少なくとも一方に含まれる水により発熱する発熱剤が含まれてなり、
(1)前記第1剤と前記第2剤とを開放容器内で混合する工程と、
(2)該混合物に発熱剤を添加し混合する工程と、
(3)(2)の工程により得られた混合物を発泡させる工程とを有する毛髪処理剤の発泡方法。
【請求項10】
前記反応型成分が、酸化染料と過酸化水素とからなる2剤式染毛剤である請求項6〜9のいずれか1項に記載の毛髪処理剤の発泡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−184345(P2011−184345A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50415(P2010−50415)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】